JP5094587B2 - 先行待機運転ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、気水切替運転を行うタイプの先行待機運転ポンプの改良に係り、詳しくは、型の羽根車を収容する羽根車ケースの流体流れ方向で上流側に配置される吸込み側ケーシングの周壁部に一端が開口され、かつ、他端が大気開放される通気路を有する先行待機運転ポンプに関するものである。
先行待機運転ポンプには、気水混合運転方式と気水切替運転方式とがある。まず、特許文献1等において開示される気水混合運転方式は、図7に示すように、羽根車ケース35下方の吸入カバー32(吸込み側ケーシング)の上端部の内部に下端が開口され、かつ、上端が床33を通ってポンプ室(符記省略)にて開放されるる空気管(通気路)34を設ける構成の先行待機運転ポンプ31を用いて排水させるものである。この気水混合型ポンプ31の運転サイクルは次のようである。
羽根車を回転させている待機運転状態において、雨水流入等によって水位が上昇して羽根車の羽根最下端の高さレベルである始動水位KWL(図7に示す「羽根車位置」)に達すると、羽根車による揚水作用が生じて空気管34からの空気と水とを一緒に吸い上げる気水混合運転が開始される。尚、水位が始動水位KWLに達するまでは空気管34から大気を吸入し、排水量ゼロの気中運転が行われる。気水混合運転の開始後は水位上昇につれて吸入空気量が減少し、排水量が増加してゆく。そして水位が全排水位AWLに達すると空気管34からの大気吸入が無くなって排水運転(100%排水運転)が行われる。
雨が止む等によって雨水流入が減少して水位が下がって行き、全排水位AWLになると空気管34による大気吸入が再開されて排水運転から気水混合運転に切替わる。そして、さらに水位が下降して開始水位KWLを下方に過ぎて空気管34からの吸入空気量が増加するも気水混合運転が続行され、空気管34の開口下端相当の下方水位JWLにまで下がると全量空気のみの排出、即ち、排水量ゼロのエアロック運転(気中運転)となる。そして、また雨天になる等によって再び水位が上昇して行く場合は、既に羽根車の上側に揚水が存在していて下方水位JWLに到達すれば再び気水混合運転が開始される。つまり、図7に示すように、下方水位JWLから全排水位AWLの高さ範囲では気水混合運転が行われ、それ以下では気中運転が、そしてそれ以上では排水運転が行われる。このサイクルは、運転開始1回目でもそれ以降でも全く同じである。
次に、特許文献2等において開示される気水切替運転方式は、図6に示す構造のポンプを用い、空気管34の大気開放側にその内部通路で成る通気路を開閉する切換弁(切替弁)21が設けられている。尚、構造的に図7と同じ箇所にには同じ符号を付して説明が為されたものとする。この従来の気水切替型ポンプ41の運転サイクルは次のようである。
羽根車を回転させての待機運転中は切換弁21を開(全開)としてあり、水位が揚水開始水位RWLに上昇するまでは排水を伴わない気中運転が行われる。そして、水位が上昇して弁閉水位CWLに達すると切換弁21が開から閉(全閉)に切換えられるが、羽根下端と水面との間に存在する空気層に阻まれて揚水はまだ開始されない。そして、上昇する水位が羽根最下端の位置である揚水開始水位RWL(図6に示す「羽根車位置」)に差し掛かる(達する)と一気に揚水が開始され、空気がゼロの排水運転(100%排水運転)に切換わる。揚水開始水位RWL以上の水位では切換弁21が閉に維持されて通常の排水運転が行われる。
次に、水位が下降して行く場合では、下降する水位が弁閉水位CWLより低い水位である揚水遮断水位SWLになるまでは切換弁21が閉に維持されて通常の排水運転が行われる。揚水遮断水位SWLは、吸込み渦が発生しない範囲で最も低い水位に設定されることが多い。そして、尚も下降する水位が揚水遮断水位SWLに達すると切換弁21が閉から開に切換えられ、大気が一気に羽根車の下部に侵入することで揚水が遮断され、排水量ゼロの気中運転(待機運転)に切換わる。
そして、また雨天になる等して再び水位が上昇して行く場合は、既に羽根車の上側に揚水が存在している(エアロック運転)ので、切換弁21が閉になる弁閉水位CWLに達したと同時に再び一気に空気ゼロの排水運転に切換わる。つまり、気水切替方式を採る先行待機運転ポンプでは、気中運転から排水運転に切換わる水位が、運転開始に伴う1回目の水位上昇時には揚水開始水位RWLであるが、2回目以後はそれより低い弁閉水位CWLとなる特性を有している。尚、切換弁21を用いずに、空気管を逆U字状に形成し、その先端を所定水位で水没するように配置しても良い。
気水混合方式では、空気と水とが揚水される気水混合運転状態はポンプ振動が相当に大きくなることが知られており、ポンプ強度自体の強化やポンプ基礎の強度アップが必要であってその分のコストアップが避けられない。
一方、従来の気水切替方式の先行待機運転ポンプ(気水切替型先行待機運転ポンプ)を用いる場合において、ポンプによる排水開始水位や停止水位の要求如何によっては不都合を生じる場合がある。即ち、A.設定低水位以下では排水ゼロの気中運転を行い、かつ、B.設定低水位よりも所定高さ高い、所定高水位以上では空気ゼロの100%能力での排水運転を行う、という仕様のポンプが提示された場合には対応できない。何故なら、前述したように、従来の気水切替型では、1回目の排水開始水位(揚水開始水位RWL)が2回目以後の排水開始水位(弁閉水位CWL)より若干高くなる、という特性があるからである。
このような仕様は、雨水ポンプと汚水ポンプとが併設されている合流ポンプ場において要求される場合がある。即ち、先行待機運転を行う排水ポンプに浸水対策としての役割とともに、環境面への配慮が必要となる場合である。具体的には水位が低く、主に汚水が貯留されている場合には、河川にその貯留汚水を放流することがなく、雨水等の流入により所定水位以上に上昇した場合には、ポンプの100%能力で排水を行う場合である。
従来の気水切替方式の先行待機運転ポンプを用いて、図8(a)に示すように、気水切替方式における揚水開始水位RWLが、要求される設定低水位LWLに合致する状態に先行待機運転ポンプを構成すると、設定低水位LWL以上の水位では必ず排水運転が行われるので、B.「所定高水位HWL以上では排水運転」という要求は満たしている。ところが、2回目以後の排水開始水位である弁閉水位CWLが設定低水位LWLより低くなるので、A.「設定低水位LWL以下では気中運転」という要求は満足できない。
一方、図8(b)に示すように、揚水開始水位RWLを所定高水位HWLに合致させると、弁閉水位CWLは所定高水位HWLと設定低水位LWLとの上下間の水位となるので、前記要求B.は満たしている。しかしながら、揚水遮断水位SWLは設定低水位LWLより低い水位になってしまうため、前記要求A.は満たすことができない。そして、図8(c)に示すように、弁閉水位CWLを設定低水位LWLに合致させた場合には、揚水開始水位RWLが所定高水位HWLよりも低い水位に位置しており、前記要求B.は満たしている。ところが、揚水遮断水位SWLは設定低水位LWLより低く、やはり前記要求A.を満たすことができない。
特開2004−162644号公報 特開平5−312179号公報
本発明の目的は、ポンプ自体の構造変更も含めたさらなる改良により、気水切替方式を採りながらも前記要求A.及びB.を満たす仕様、即ち、設定低水位以下では気中運転になり、所定高水位以上では排水運転となる仕様の先行待機運転ポンプを実現して提供する点にある。
請求項1に係る発明は、複数の羽根11Aを備えた羽根車11を収容するケーシング5,6の周壁部に一端が開口され、かつ、他端が大気開放される通気路Tを有する先行待機運転ポンプにおいて、
前記ケーシング5,6における周方向の一部で、かつ、前記羽根11Aのチップ側端11aと対向するケーシング5,6の上下中間部位から前記羽根11Aの下方近傍に亘る高さ範囲の部分を径外側に膨出させて、内部に吸込み用空間部Sを有する状態の突出ケース部22が形成されるとともに、前記突出ケース部22の前記羽根11Aのチップ側端11aが通過する部分に突出ケース部仕切壁9を設け、前記通気路Tの一端が前記吸込み用空間部Sに開口されていることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の先行待機運転ポンプにおいて、前記突出ケース部仕切壁9がライナーリング9であることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の先行待機運転ポンプにおいて、前記通気路T一端の開口部22aが前記羽根車11の羽根最下端tと高さ方向で重なるように、前記突出ケース部22における前記開口部22aの高さ設定が為されていることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の先行待機運転ポンプにおいて、前記開口部22aの最下端eの高さ位置と前記羽根最下端tの高さ位置とが合致されていることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の先行待機運転ポンプにおいて、前記吸込み用空間部Sを形成する複数の壁23〜26のうちの、径方向に延び、かつ、羽根車回転方向の上手側に位置する上手側縦壁24に、前記開口部22aが形成されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、詳しくは実施形態の項にて説明するが、ケーシングを羽根のチップ側端と対向する部分を含めて径外側に膨らませて突出ケース部を形成し、突出ケース部の羽根のチップ側端が通過する部分に突出ケース部仕切壁を設け、突出ケース部に通気路の開口部が設けられているから、従来の先行待機運転ポンプにおける通気路の開口部位置よりも高い位置に設けることができ、羽根最下端の高さ位置に近付けることができる。従って、2回目以後の揚水開始位置である弁閉水位CWLを1回目の揚水開始位置である揚水開始水位RWLに従来よりも近付けることができ、それによって、揚水開始水位RWLを所定高水位HWL以下に、かつ、揚水遮断位置SWLを設定低水位LWL以上に夫々設定することが可能になる。その結果、ポンプ自体の構造変更も含めたさらなる改良により、気水切替方式を採りながらも前記要求A.及びB.を満たす仕様、即ち、設定低水位以下では気中運転になり、所定高水位以上では排水運転となる仕様の先行待機運転ポンプを提供することができる。
請求項2の発明によれば、羽根のチップ側端と対向するケーシングの内面にライナーリングを設け、ライナーリングの裏側に相当する部分を含めて径外側に膨らませて突出ケース部を形成したので、羽根とケーシングとの隙間の設定が容易になり、ポンプ効率の高い先行待機運転ポンプを実現することができる。
請求項3の発明によれば、通気路の開口部が、その高さ位置が羽根最下端の高さと重なるレベルにまで上昇配置されているので、請求項1の発明によるポンプの場合よりも開口部の位置を高めることができ、請求項1又は2の発明による前記効果を強化することが可能になる利点がある。
請求項4の発明によれば、開口部の最下端の高さ位置と羽根最下端の高さ位置とを合致させてあるから、弁閉水位CWLを揚水開始位置RWLに合致させることが可能になる。これにより、2回目以後の揚水開始位置を1回目の揚水開始位置に合致させることが可能になり、請求項1〜3の発明によるいずれかの前記効果をさらに強化することができる。
請求項5の発明によれば、吸込み用空間部においては、羽根車の回転方向の上手側部分の圧力がその周囲の圧力よりも弱くなるので、その上手側縦壁の内面から開口部が吸込み用空間部に臨むように構成することにより、吸気抵抗が少なく効率良く吸気させることができて、結果的にポンプ効率の改善に寄与できる効果を得ることができる。
以下に、本発明による先行待機運転ポンプの実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は立軸型の先行待機運転ポンプの一部切欠き側面図、図2,3は空気管の取り出構造を示す要部の縦断面図と横断面図、図4(a)は気水切替ボックス、(b)は気水切替ボックスの原理図、図5は実施例1による先行待機運転ポンプの各運転水位と要求水位との比較図、図6,7はそれぞれ従来の気水切替型及び気水混合型の先行待機運転ポンプにおける各水位を示す模式図、図8は気水切替型の先行待機運転ポンプの水位設定に関する種々の対策案を示す原理図である。
〔実施例1〕
図1に気水切替型の先行待機運転ポンプ1が示されており、排水機場の吸込水槽2内に流入する雨水等の水を下流側に排水する立軸ポンプに構成されている。鉛直方向に延びるケーシング3は、揚水管4と、これの下端に連結されるポンプケーシング5と、ポンプケーシング(ケーシングの一例)5の下端に連結される吸込ケーシング(ケーシングの一例)6と、揚水管4の上端に連結されて鉛直方向から水平方向に湾曲した吐出エルボ7と、吸込ケーシング6の下端に連結される吸入カバー(ベルマウス)8とを有して構成されている。吐出エルボ7の吐出部7aには吐出管10が連結される。
複数の羽根11Aを有する羽根車11は、主軸12を介してポンプケーシング5内に配設され、羽根車11より上方(下流側)のポンプケーシング5内に複数の案内羽根13が配設されている。鉛直方向に延びる軸心Pを有する主軸12は、ケーシング3の中心に複数の軸受部14、15を介して支持され、主軸12の下端近傍に羽根車11が一体回転可能に取付けられている。主軸12の上端部12aは、吐出エルボ7を回転自在、かつ、水密に貫通してケーシング3の外部に突出され、エンジン、電動機等の駆動源(図示省略)に連動連結される。主軸12の下端を支持する下端軸受部15は、案内羽根13を介して支持される軸受ケース16を介してポンプケーシング5に固定されている。
ケーシング3の上部には据え付け用のフランジ18が設けられ、吸込水槽2の上面を覆っている排水機場のコンクリート製の床19にはフランジ18より下側のポンプ1を挿通可能な孔17が設けられ、ポンプ1が、フランジ18より下側を孔17を介して吸込水槽2内に吊り下げた状態で床19にフランジ18を介して据え付けられている。そして、先行待機運転ポンプ1は、気中運転と排水運転とを切換えるための空気管20と、その空気管20の末端に装備される切換弁21を水位検出に基づいて開と閉とを切換えるための切換制御手段30とを備えている。
空気管20は、略Z状に屈曲されて、その上端は孔17及びフランジ18を通ってポンプ室(図示省略)に及んでいて切換弁21が装備されている。そして、空気管20の下端は、吸込みケーシング6の周壁部に接続されている。切換制御手段30は、切換弁21の開位置と閉位置とを駆動切換操作する電動モータ等の駆動手段27と、水位検出センサー28と、制御装置29等を有して構成されている。制御装置29に、切換弁21の開閉を切換える水位を予め設定してメモリ等に記憶させてある。
空気管20の下端側取付構造を詳述すると、図2,図3に示すように、吸込みケーシング6における周方向の一部で、かつ、ライナーリング(突出ケース部仕切壁の一例)9の上下中間部位からライナーリング9の下方近傍に亘る高さ範囲の部分を径外側に膨出させて、内部に吸込み用空間部Sを有する状態の突出ケース部22が形成されるとともに、通気路Tの下端(一端の一例)が吸込み用空間部Sに開口されている。通気路T空気の通り道のことであり、その殆どは空気管20の内部通路20aであり、図2の構造では突出ケース部22の孔部22aも含んでいる。尚、ライナーリング9は、ポンプケーシング5の内面と羽根11Aのチップ側端11aとの隙間を、ポンピング時の漏れを少なくし、小さな値に設定するために装備されるリング部材である。
つまり、突出ケース部22は、吸込みケーシング6における羽根車直下のくびれ部6bの付近を部分的に径外側に膨らませたように形状設定された箇所であり、周方向側壁23、上手側縦壁24、下手側縦壁25、底壁26から成って、吸込みケーシング6の内部空間6Aに連通する吸込み用空間部Sが形成されている。吸込みケーシング6の上部内側にボルトや接着等の手段によって嵌装されるライナーリング9は、突出ケース部22ではその背面9aが剥き出しになっている。但し、突出ケース部22部位でもライナーリングを外囲してその裏面を支持するケース部分を設けることは可能である。また、ライナーリング9を用いずに、羽根のチップ側端と対向するケーシングの上下中間部位から前記羽根の下方近傍に亘る高さ範囲の部分を径外側に膨出させて、内部に吸込み用空間部を有する状態の突出ケース部を形成し、突出ケース部の羽根のチップ側が通過する部分に、図2に示したライナーリング相当の形状を備えた突出ケース部仕切壁を形成しても良い。
前述した孔部22aは、通気路Tとしての開口部であって、孔部22aが羽根車11の羽根11A最下端tと高さ方向で重なるように、通気路Tの突出ケース部22への接続高さが設定されている。実施例1においては、図2に示すように、開口部22aの最下端eの高さ位置と羽根最下端tの高さ位置とが合致されている。そして、図3に示すように、通気路Tの開口部22aは、吸込み用空間部Sを形成する複数の壁(内面)23〜26のうちの、径方向に延び、かつ、羽根車回転方向の上手側に位置する上手側縦壁24に形成されている。尚、図1,2においては、図面都合上、通気管20が周方向側壁23に接続されているように描いてある〔開口部22aが周方向側壁23に形成されていても良い(図3の仮想線を参照)〕。
通気路Tの開口部22aの最下端eの位置と羽根最下端tの位置とを合致させたことにより、初回(1回目)の揚水開始水位である揚水開始水位RWLと、2回目以後の揚水開始水位である弁閉水位CWLとが一致又はほぼ一致させることができるという利点が得られる。即ち、まず初回の揚水は水位が羽根最下端tの位置になると開始される、というのは従来と同じである。そして、一旦揚水遮断位置SWL以下に下降した水位が上昇してくる場合の2回目以後において、例えば、従来では既に揚水が開始されている水位であるMWLに達したとしても、まだ切換弁21は開であるからライナーリング9の下端と水面との僅かな隙間から吸気されることとなり、まだ揚水は開始されない。
尚も水位が上昇し、ライナーリング下端と羽根最下端tとの間の水位GWLになっても、切換弁21はまだ開であるので吸込み負圧によって吸込み用空間部S部分の水面が下げられて、依然として矢印イのように空気が吸込まれる状態が維持され、やはりまだ揚水が開始されない。そして、ついに水位が弁閉水位CWLに上昇すると切換弁21が閉になり、吸気が遮断されて一気に揚水が開始される。図2に示すように、その弁閉水位CWL=揚水開始水位RWLであるから、実施例1の先行待機運転ポンプでは、気中運転からの水位上昇の回数状況如何に拘らずに、空気ゼロの100%能力での排水運転の開始水位を常に一定とすることができる。
従って、あとは揚水遮断水位SWLを、納入先から要求される設定低水位LWLと所定高水位HWLとの間に設定すれば良い。例えば、図5に示すように、揚水開始水位RWL(及び弁閉水位CWL)を所定高水位HWLに設定すれば、「所定高水位HWL以上では排水運転」という要求条件を満たすことができ、かつ、揚水遮断水位SWLが設定低水位LWLより低い水位であるから「設定低水位LWL以下では気中運転」という要求条件も満たすことができるのである。また、図5において、仮想線で示すように揚水遮断水位SWLを設定低水位LWLに合致させ、揚水開始水位RWL及び弁閉水位CWLは所定高水位HWLよりも少し下がった水位になる)でも良い。
また、吸込み用空間部Sにおいては、羽根車11の回転方向の上手側部分の圧力がその周囲の圧力よりも弱く(負圧)なることが知見されている。従って、図3に示すように、実施施1の先行待機ポンプ1では、空気管20を突出ケース部22の上手側縦壁24に接続してその内面から開口部22aが吸込み用空間部Sに臨むように構成することにより、例えば、図3に仮想線で示すように、周方向側壁23に空気管20を接続するような場合に比べて、効率良く吸気させることができるものとなっている。
〔別実施例〕
吸込み用空間部Sにおける通気路Tの開口位置は、図2に仮想線で示す高さ位置でも良い。高い方の位置に描かれている仮想線の通気路T(T1)は、その上端部が羽根最下端tより上に位置しており、通気路T一端の開口部22aが羽根車11の羽根最最下端tと高さ方向で重なるように、通気路Tの突出ケース部22への接続高さが設定されている。その高さ位置では、揚水開始水位RWL=弁閉水位CWLではないが、揚水開始水位RWL≒弁閉水位CWLであって従来のポンプに比べて弁閉水位CWLを大幅に揚水開始水位RWLに近付けることができている。
また、図2において低い方の位置に描かれている仮想線の通気路T(T2)は、その上端部が羽根最下端tより僅かに下方に位置しており、ライナーリング9の裏側にまで回り込むまでに上方にせり上げられた位置に形成される突出ケース部22に通気路Tが開口されているので、やはり従来の気水切替型の先行待機運転ポンプよりも通気路の下端開口位置を高めることが実現できている。つまり、弁閉水位CWLを極力揚水開始水位RWLに近づけて、1回目の揚水開始位置と2回目以後の揚水開始位置との差を極力小さくすることにより、前記要求A.及びB.に応じることができる効果を奏することが可能である。
即ち、図5において、揚水遮断位置SWLが仮想線で示す設定低水位LWLに一致するまでは前述の要求A.及びB.を満たすことが可能であるから、そのときの弁閉位置CWL(=仮想線で示す弁閉位置)CWLと揚水開始位置RWLとの水位差が存在してても良いことになる。故に、通気路Tの開口部22aの高さ位置は、図2に示す実線の位置は勿論、仮想線で示す2箇所の位置であっても前記要求A.,B.を満たすことが可能なものとなっている。
前記実施例においては、空気管に切換弁を備えた例で説明を行ったが、空気管の一端を吸込みケーシング6の周壁部に接続し、中間部が床19の上側に位置するように、逆U字状に形成し、他端の先端を所定水位で水没するように配置しても良い。また、図4(a),(b)に示すように、逆U字状に形成した空気管の他端の先端に気水切替ボックスを配置しても良い。
気水切替型先行待機運転ポンプを示す一部切欠き側面図(実施例1) 空気管の取出し構造を示す要部の縦断面図 空気管の取出し構造を示す要部の横断面図 (a)は気水切替ボックスの構造図、(b)は気水切替ボックスの原理図 図1のポンプの各運転水位と要求水位との比較図 従来の気水切替型先行待機運転ポンプにおける各水位を示す模式図 従来の気水混合型先行待機運転ポンプにおける各水位を示す模式図 (a)〜(c)は、気水切替型先行待機運転ポンプの種々の水位設定対策案を示す原理図
符号の説明
5,6 ケーシング
9 突出ケース部仕切壁、ライナーリング
11 羽根車
11A 羽根
11a チップ側端
22 突出ケース部
22a 通気路一端の開口部
23 周方向側壁
24 上手側縦壁
25 下手側縦壁
26 底壁
T 通気路
S 吸込み用空間部
e 開口部の最下端
t 羽根最下端

Claims (5)

  1. 複数の羽根を備えた羽根車を収容するケーシングの周壁部に一端が開口され、かつ、他端が大気開放される通気路を有する先行待機運転ポンプであって、
    前記ケーシングにおける周方向の一部で、かつ、前記羽根のチップ側端と対向するケーシングの上下中間部位から前記羽根の下方近傍に亘る高さ範囲の部分を径外側に膨出させて、内部に吸込み用空間部を有する状態の突出ケース部が形成されるとともに、前記突出ケース部の前記羽根のチップ側端が通過する部分に突出ケース部仕切壁を設け、前記通気路の一端が前記吸込み用空間部に開口されている先行待機運転ポンプ。
  2. 前記突出ケース部仕切壁がライナーリングである請求項1に記載の先行待機運転ポンプ。
  3. 前記通気路一端の開口部が前記羽根車の羽根最下端と高さ方向で重なるように、前記突出ケース部における前記開口部の高さ設定が為されている請求項1又は2に記載の先行待機運転ポンプ。
  4. 前記開口部の最下端の高さ位置と前記羽根最下端の高さ位置とが合致されている請求項1〜3の何れか一項に記載の先行待機運転ポンプ。
  5. 前記吸込み用空間部を形成する複数の壁のうちの、径方向に延び、かつ、羽根車回転方向の上手側に位置する上手側縦壁に、前記開口部が形成されている請求項1〜4何れか一項に記載の先行待機運転ポンプ。
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