JP2002349469A - ポンプ及び該ポンプを用いたポンプシステム - Google Patents

ポンプ及び該ポンプを用いたポンプシステム

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JP2002349469A
JP2002349469A JP2001149284A JP2001149284A JP2002349469A JP 2002349469 A JP2002349469 A JP 2002349469A JP 2001149284 A JP2001149284 A JP 2001149284A JP 2001149284 A JP2001149284 A JP 2001149284A JP 2002349469 A JP2002349469 A JP 2002349469A
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JP
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pump
suction pipe
skirt member
annular skirt
sewage
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JP2001149284A
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English (en)
Inventor
Shingo Kuroda
新吾 黒田
Kanji Yamamoto
寛治 山本
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Shinmaywa Industries Ltd
Original Assignee
Shin Meiva Industry Ltd
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポンプケーシング10に吸込管15が設けら
れ、汚水槽31内の汚水を該吸込管15を通して上記ポ
ンプケーシング10内に吸い込むように構成されたポン
プ1に対して、簡単な構成で、吸い込んだ汚水の逆流を
防止して、汚水槽31内の汚水の滞留量を可及的に減少
させる。 【解決手段】 吸込管15の先端部(ベルマウス15
a)に、該先端部の軸方向外側に突出するように弾性材
からなる環状スカート部材17を取り付け、この環状ス
カート部材17の先端部を、汚水をポンプケーシング1
0内に吸い込むときに作用する吸込力により径方向内側
でかつ吸込管15側に変位させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚水槽、マンホー
ル、ピット等において、槽内の汚水等の流体を槽外に排
出するために使用されるポンプ及び該ポンプを用いたポ
ンプシステムに関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種のポンプにおいては、例
えば特開平11−230093号公報に示されているよ
うに、ポンプケーシングの底面に下方向に延びる吸込管
が設けられており、この吸込管の先端部は、通常、ベル
マウスにより構成されていて、槽内の底部に凹状に設け
た汚水等の溜まり部に挿入される。そして、槽内の水位
が所定値になるとポンプが作動し、このポンプの作動に
より、その溜まり部の汚水等が吸込管を通してポンプケ
ーシング内に吸い込まれ、この吸い込まれた汚水等が吐
出管より吐出される。このように槽内の底部に汚水等の
溜まり部を設けてその溜まり部に吸込管(ベルマウス)
を挿入することで、槽内の汚水等を低水位になるまで排
出して滞留量を減少させることができ、滞留した汚水等
による異臭やスカム等の発生を抑制することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のものでは、ポンプの作動を停止させると、吸込管の
先端部は開口されたままであるので、吸い込まれて吸込
管内等に残っている汚水等がその開口から吸込管外部に
逆流してしまうという問題がある。特にマンホールポン
プシステム等に適用する場合には、溜まり部が比較的深
くて、これに伴って吸込管が長くなるため、ポンプ作動
停止時の逆流量がかなり多くなる。このため、槽内の汚
水の滞留量をより減少させることは困難であり、改良の
余地がある。
【0004】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、上記のように吸込管が
設けられたポンプに対して、その構成を改良することに
よって、簡単な構成で、吸い込んだ流体の逆流を防止し
て、槽内の流体の滞留量を可及的に減少させようとする
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、吸込管の先端部に、該先端部の軸
方向外側に突出するように環状スカート部材を取り付
け、この環状スカート部材の先端部を、流体をポンプケ
ーシング内に吸い込むときに作用する吸込力により径方
向内側でかつ吸込管側に変位させるようにした。
【0006】具体的には、請求項1の発明では、ポンプ
ケーシングに吸込管が設けられ、流体を該吸込管を通し
て上記ポンプケーシング内に吸い込むように構成された
ポンプを対象とする。
【0007】そして、上記吸込管の先端部に、該先端部
の軸方向外側に突出するように取り付けられた環状スカ
ート部材を備え、上記環状スカート部材は、該環状スカ
ート部材の先端部が、流体を上記ポンプケーシング内に
吸い込むときに作用する吸込力により径方向内側でかつ
吸込管側に変位するように構成されているものとする。
【0008】上記の構成により、ポンプを、その環状ス
カート部材の先端部が槽内の底部(溜まり部等の底部)
に接触するように設置しておくことで、吸い込んだ汚水
等の流体の逆流を防止することができる。すなわち、ポ
ンプ作動時には、環状スカート部材の少なくとも先端部
が径方向内側でかつ吸込管側に変位するので、上記底部
と環状スカート部材との間に隙間が形成され、これによ
り、槽内の汚水等を円滑にかつ低水位になるまで排出す
ることができる。一方、ポンプの作動を停止させると、
吸い込まれて吸込管内等に残っている汚水等が逆流しよ
うとするが、環状スカート部材の先端部が、その逆流し
ようとする汚水等により押されることで元の状態に戻っ
て底部に接触するため、その汚水等は環状スカート部材
の外側に流出することはない。また、このような環状ス
カート部材は、剛性が低い材料を用いれば容易に得られ
る。よって、簡単な構成で、槽内の汚水等の流体の滞留
量を可及的に減少させることができ、滞留した汚水等に
よる異臭やスカム等の発生を抑制することができる。
【0009】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、環状スカート部材は、弾性材からなるものとす
る。
【0010】このことで、ゴム等の弾性材を用いること
により、低コストで環状スカート部材が得られると共
に、環状スカート部材の先端部を槽内の底部に弾接させ
ることができ、流体の逆流を確実に防止することができ
る。また、環状スカート部材の吸込管側端部の径を吸込
管よりも小さく形成しておき、吸込管への取付時に上記
吸込管側端部を拡径することにより容易に取り付けるこ
とができて、しかも接着等しなくても弾性力により外れ
難くなり、着脱自在にすることができる。
【0011】請求項3の発明では、請求項1又は2の発
明において、吸込管の先端部は、ベルマウスにより構成
されているものとする。
【0012】こうすることで、環状スカート部材の先端
部の径を比較的大きくできるので、その先端部が径方向
内側でかつ吸込管側に変位しても、流体を吸い込むため
の十分な開口径を確保することができる。
【0013】請求項4の発明では、請求項1、2又は3
の発明において、吸込管は、ポンプケーシングの底面に
下方向に延びるように設けられ、環状スカート部材は、
上記吸込管の下端部に下方向に突出するように取り付け
られているものとする。このことにより、マンホールポ
ンプシステム等に好適なポンプが得られる。
【0014】請求項5の発明では、請求項4の発明にお
いて、環状スカート部材は、下方向に向かって径が小さ
くなる下窄まり状に形成されているものとする。
【0015】このことで、環状スカート部材の先端部
を、流体をポンプケーシング内に吸い込むときに作用す
る吸込力により径方向内側でかつ吸込管側に容易にかつ
確実に変位させることができる。
【0016】請求項6の発明では、請求項4又は5の発
明において、環状スカート部材の下端部に、径方向内側
に膨出する膨出部が形成されているものとする。
【0017】このことにより、環状スカート部材の下端
部が槽内の底部に繰り返し接触しても、著しい摩耗や亀
裂の発生を防止することができ、長期に亘って流体の逆
流を防止することができる。
【0018】請求項7の発明は、槽内の流体をポンプに
より槽外に排出するように構成されたポンプシステムの
発明であり、この発明では、上記ポンプは、ポンプケー
シングに設けられた吸込管と、該吸込管の先端部に、該
先端部の軸方向外側に突出するように取り付けられた環
状スカート部材とを有していて、上記流体を該環状スカ
ート部材及び吸込管を通して上記ポンプケーシング内に
吸い込むように構成されており、上記環状スカート部材
は、上記ポンプの非作動時には、該環状スカート部材の
先端部が上記槽内の底部に接触する一方、上記ポンプの
作動時には、該環状スカート部材の先端部が、上記流体
を上記ポンプケーシング内に吸い込むときに作用する吸
込力により径方向内側でかつ吸込管側に変位して上記槽
内の底部から離れるように構成されているものとする。
この発明により、請求項1の発明と同様の作用効果が得
られる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の実施形態に係るポン
プ1を用いたポンプシステムの構成を示す。このポンプ
1は、マンホールやピット等を構成する汚水槽31内に
設けられた水中ポンプであり、このポンプシステムは、
汚水槽31内の流体としての汚水を上記ポンプ1により
汚水槽31外に排出するように構成されている。
【0020】上記ポンプ1は、上記汚水槽31内におい
て上下方向に延びるように配設された一対のガイドパイ
プ32に沿って下降されることにより、該汚水槽31内
の底部に据え付けられている。上記各ガイドパイプ32
の下端部は、汚水槽31内の底部に水平に設置された連
結管部33に支持されている。この連結管部34の一方
の端部は、汚水槽31内の側壁面に沿って上下方向に延
びるように配設された吐出管34の下端部に連結されて
いる一方、他方の端部は、上記ポンプ1の吐出口10
(図2参照)に連結されている。上記吐出管34の上部
には、該吐出管34内部の空気を大気中に放出する空気
抜き弁35が設けられている。
【0021】上記ポンプ1は、ポンプケーシング2と、
このポンプケーシング2の底面に下方向に延びるように
設けられかつ鋳鉄等からなる吸込管15と、ポンプケー
シング2の上側に配設されたモータ20とを有してい
る。上記吸込管15は、汚水槽31内の底部に凹状に設
けた汚水溜まり部31a内に挿入されており、その先端
部である下端部は、ベルマウス15aにより構成されて
いて、下方向に向かって径が大きくなるラッパ形状をな
している(吸込管15においてベルマウス15aにより
構成された下端部と他の部分とは、互いに別部品で構成
されていて溶接接合されている)。そして、汚水槽31
内の汚水が所定のポンプ起動水位(図1参照)に達する
と、上記ポンプ1が起動(モータ20が起動)されて、
ポンプ1が作動状態(運転状態)となり、汚水槽31内
の汚水が上記吸込管15を通して上記ポンプケーシング
2内に吸い込まれて、上記吐出管34から汚水槽31外
に排出されるようになっている。一方、汚水槽31内の
汚水が、汚水溜まり部31aの底部に僅かに残留したポ
ンプ停止水位(図1参照)になると、上記モータ20が
停止して、汚水槽31からの汚水の排出が停止されるよ
うになっている。
【0022】上記モータ20は、図2に示すように、軸
心が上下方向に延びるように配設された円筒状のステー
タケーシング21と、このステータケーシング21の軸
心部に挿通された回転軸23と、この回転軸23に取り
付けられたロータ22と、このロータ22を取り囲むよ
うに上記ステータケーシング21内周面に取り付けられ
たステータ24とを有している。
【0023】上記ステータケーシング21の下端部に
は、該ステータケーシング21の下端面を覆うオイルケ
ーシング25が設けられている。上記回転軸23は、こ
のオイルケーシング25の軸心部を貫通しており、該オ
イルケーシング25が、その回転軸23の周囲を覆って
いる。そして、上記オイルケーシング25の上端面の軸
心部には、軸受け26が取り付けられており、この軸受
け26により上記回転軸23が回転可能に支持されてい
る。一方、上記オイルケーシング25の下端面は開放さ
れた状態になっていて、軸心部に貫通孔が設けられたシ
ールブラケット29によって覆われている。そして、オ
イルケーシング25内にはオイルが充填されており、上
記回転軸23は、メカニカルシール27によって軸封さ
れている。
【0024】上記シールブラケット29は、上記ポンプ
ケーシング2の上面に設けられた開口部内に嵌合して、
該開口部を覆っている。上記回転軸23は、上記シール
ブラケット29の軸心部の貫通孔を通って、ポンプケー
シング2内の上部に設けた羽根車室3内に進入してい
る。この羽根車室3内には、羽根車4が配設されてお
り、この羽根車4が上記回転軸23の下端部に取り付け
られており、このことで、上記モータ20が起動される
と、回転軸23を介して羽根車4が回転するようになっ
ている。一方、上記ポンプケーシング2内の下部は、上
下方向中央部が外方に膨出した円筒渦巻状のポンプ室6
になっている。
【0025】上記ポンプケーシング2の底面には、上記
ポンプ室6に連通する吸込口7が、上記回転軸23に対
向するように形成されており、上記吸込管15は、この
吸込口7に連通するようにポンプケーシング2の底面に
取り付けられている。そして、上記モータ20が起動さ
れて上記羽根車4が回転すると、汚水槽31内の汚水が
上記吸込管15及び吸込口7を通して上記ポンプケーシ
ング2のポンプ室6内に吸い込まれるようになってい
る。
【0026】尚、ポンプケーシング2の底面における外
周縁部の複数箇所には、ポンプケーシング2の底面を持
ち上げる複数の脚部19が、周方向に適当な間隔をあけ
て設けられている。
【0027】上記ポンプケーシング2の側面には、上記
ポンプ室6に連通する流出路9が形成されている。この
流出路9は、ポンプ室6に対して接線方向に延出した状
態になっており、その先端部に、ポンプ室6内に吸い込
まれた汚水が流出する吐出口10が外部に向かって開口
している。尚、上記流出路9は、上記吐出口10が外側
に向くように若干湾曲した状態になっている。
【0028】上記ポンプケーシング2内の羽根車室3の
周面には、上記流出路9に対向して、空気抜き孔12が
設けられている。この空気抜き孔12は、ポンプケーシ
ング2の羽根車室3内とポンプケーシング2外部とを連
通している。
【0029】上記吸込管15の先端部を構成するベルマ
ウス15aの先端部には、図3に詳細に示すように、該
先端部の軸方向外側に突出する(下方向に突出する)よ
うに環状スカート部材17が取り付けられており、この
環状スカート部材17の下端部が上記汚水溜まり部31
aの底部に接触するようになされている。具体的には、
環状スカート部材17の上端部が、ベルマウス15aの
先端部と略同じ形状をなしてその外側を覆うように取り
付けられ、該環状スカート部材17におけるベルマウス
15aから下方向に突出した部分が、下方向に向かって
径が漸次小さくなる下窄まり状に形成されており、環状
スカート部材17の下端部の径は、吸込管15の先端部
(ベルマウス15a)以外の部分の径と略同じになって
いる。また、環状スカート部材17の下端部には、径方
向内側に円弧状(断面半円形状等)をなして膨出する膨
出部17aが形成されており、この下端部のみが他の部
分よりも肉厚が厚くなるようになされている。
【0030】上記環状スカート部材17は、ゴム等の弾
性材からなっており、ポンプ1の非作動時には、該環状
スカート部材17の先端部(下端部)が汚水溜まり部3
1aの底部に対して僅かに弾性変形した状態で接触(弾
接)している。そして、環状スカート部材17は、ポン
プ1の作動時(運転時)には、該環状スカート部材17
の下端部が、汚水槽31内の汚水を上記ポンプケーシン
グ2の羽根車室3内に吸い込むときに作用する吸込力に
より径方向内側でかつ吸込管15側に変位して上記汚水
溜まり部31aの底部から離れるように構成されてい
る。すなわち、図4に示すように、環状スカート部材1
7におけるベルマウス15aから下方向に突出した部分
が、上記吸込力により吸込管15に吸い込まれるように
弾性変形し、これにより、径方向内側に捲れ上がるよう
になっている。一方、モータ20を停止させた瞬間に
は、環状スカート部材17は、図5に示すように、その
弾性復元力と吸込管15内に残っていて逆流しようとす
る汚水の押力とにより元の状態に復帰し、これにより、
下端部が汚水溜まり部31aの底部に弾接され、ポンプ
1の非作動時には、この弾接状態を維持するようになっ
ている。
【0031】以上のように構成されたポンプシステムの
動作について説明する。先ず、汚水槽31内の汚水が所
定のポンプ起動水位に達すると、モータ20が起動され
てポンプ1が作動し、ポンプケーシング2の羽根車室3
内に配設された羽根車4が回転する。この羽根車4の回
転により、汚水槽31内の汚水がポンプケーシング2の
ポンプ室6内に吸い込まれる吸込力が発生し、この吸込
力により環状スカート部材17におけるベルマウス15
aから下方向に突出した部分が吸込管15内に吸い込ま
れるように弾性変形して径方向内側に捲れ上がる。これ
により、環状スカート部材17の下端部は、径方向内側
でかつ吸込管15側に変位して汚水溜まり部31aの底
部から離れる。この結果、環状スカート部材17の下端
部と汚水溜まり部31aの底部との間に隙間が形成され
て、汚水槽31内の汚水が環状スカート部材17、吸込
管15及び吸込口7を通ってポンプ室6内に吸い込まれ
ることになる(図4中、白抜きの太い矢印は汚水流を示
す)。尚、このときに生じる汚水流によって環状スカー
ト部材17の下端部はより一層捲れ上がり易くなる。
【0032】上記ポンプ室6内に吸い込まれた汚水は、
羽根車4の回転によりポンプ室6内で渦流を形成し、そ
の遠心力によって流出路9を通って吐出口10から吐出
される。この吐出口10から吐出された汚水は、連結管
部33を経て吐出管34から汚水槽31外に排出され
て、汚水処理場等に搬送される。
【0033】このようにして汚水槽31内の汚水が排出
されて、汚水の水位が、汚水溜まり部31aの底部に近
接したポンプ停止水位に達すると、モータ20が停止さ
れて羽根車4の回転が停止される。このとき、吸い込ま
れて吸込管15内等に残っている汚水が逆流しようとす
るが、環状スカート部材17は、その弾性復元力と上記
逆流しようとする汚水の押力との作用により元の状態に
復帰する(図5中、白抜きの太い矢印は汚水流を示
す)。これにより、環状スカート部材17の下端部は、
汚水溜まり部31aの底部に弾接される。この結果、環
状スカート部材17の下端部と汚水溜まり部31aの底
部との間の隙間が完全になくなって、上記逆流しようと
する汚水は環状スカート部材17の外側に流出すること
はなく、汚水の逆流が防止される。
【0034】したがって、上記実施形態では、環状スカ
ート部材17が、ポンプ1の起動及び停止に伴って上記
の如くスイング運動をするように構成されているので、
ポンプ1の作動時には、汚水槽31内の汚水を円滑にか
つ低水位になるまで排出させることができると共に、ポ
ンプ1の作動を停止させたときには、吸い込まれて吸込
管15内等に残っている汚水の逆流を防止することがで
き、このことで、汚水槽31内の汚水の滞留量を可及的
に減少させることができて、滞留した汚水による異臭や
スカム等の発生を抑制することができる。
【0035】また、環状スカート部材17はゴム等の弾
性材からなっているので、低コストでかつ簡単に構成で
きる。そして、ベルマウス15aへの取付時に、上端部
を拡径することにより容易に取り付けることができて、
しかも接着等しなくても弾性力により外れ難くなり、着
脱自在にすることができる。
【0036】さらに、環状スカート部材17が下窄まり
状に形成されているので、上記スイング運動を円滑にか
つ確実に行わせることができる。
【0037】また、このように下窄まり状に形成して
も、環状スカート部材17が吸込管15の先端部を構成
するベルマウス15aに取り付けられているので、環状
スカート部材17の下端部の径がそれ程小さくならずに
済み、その下端部が径方向内側でかつ吸込管15側に変
位しても、汚水を吸い込むための十分な開口径を確保す
ることができる。
【0038】さらにまた、環状スカート部材17の下端
部に、径方向内側に膨出する円弧状の膨出部17aが形
成されているので、環状スカート部材17の下端部が汚
水溜まり部31a内の底部に繰り返し弾接しても、著し
い摩耗や亀裂の発生を防止することができる。よって、
長期に亘って汚水の逆流を防止することができ、耐久性
の向上化を図ることができる。
【0039】尚、上記実施形態では、環状スカート部材
17を、弾性材からなるものとしたが、汚水をポンプケ
ーシング2のポンプ室6内に吸い込むときに作用する吸
込力により変形して下端部が径方向内側でかつ吸込管1
5側に変位するような剛性の低いものであればどのよう
な材料からなっていてもよい。また、全体が同じ材料で
ある必要もなく、例えば下端部ないしその近傍のみを弾
性材で構成するようにしてもよい。
【0040】また、上記実施形態では、環状スカート部
材17を、下方向に向かって径が小さくなる下窄まり状
に形成したが、吸込力が作用したときに下端部が径方向
内側でかつ吸込管15側に変位すればどのような形状で
あってもよい。
【0041】さらに、上記実施形態では、環状スカート
部材17の下端部に径方向内側に膨出する円弧状の膨出
部17aを形成したが、この膨出部17aはどのような
形状であってもよく、全く形成しなくてもよい。そし
て、径方向内側だけでなく外側に膨出するようにしても
よい。
【0042】また、上記実施形態では、吸込管15の先
端部をベルマウス15aにより構成してこのベルマウス
15aに環状スカート部材17を取り付けたが、全体を
ストレート形状にした吸込管15に環状スカート部材1
7を取り付けるようにしてもよい。
【0043】さらにまた、上記実施形態では、吸込管1
5を、ポンプケーシング2の底面に下方向に延びるよう
に設けたが、吸込管15を、斜め下方向に延びるように
設けてもよく、途中で折れ曲がるようにしてもよい。
【0044】加えて、上記実施形態では、ポンプ1は、
汚水槽31内に設けられた水中ポンプであるとして説明
したが、陸上ポンプであってもよく、汚水以外の他の流
体を貯溜する槽内に設けるものであっても本発明を適用
することができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のポンプ及
びポンプシステムによると、吸込管の先端部に環状スカ
ート部材を取り付け、この環状スカート部材の先端部
を、流体をポンプケーシング内に吸い込むときに作用す
る吸込力により径方向内側でかつ吸込管側に変位させる
ようにしたことにより、簡単な構成で、吸込管内等に残
っている流体の逆流を防止することができ、槽内の流体
の滞留量を可及的に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るポンプを用いたポンプ
システムの構成を示す側面図である。
【図2】上記ポンプの縦断面図である。
【図3】上記ポンプの環状スカート部材の近傍を拡大し
て示す断面図である。
【図4】ポンプ作動時の状態を示す図3相当図である。
【図5】ポンプ停止時の状態を示す図3相当図である。
【符号の説明】
1 ポンプ 2 ポンプケーシング 15 吸込管 15a ベルマウス 17 環状スカート部材 17a 膨出部 31 汚水槽 31a 汚水溜まり部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプケーシングに吸込管が設けられ、
    流体を該吸込管を通して上記ポンプケーシング内に吸い
    込むように構成されたポンプであって、 上記吸込管の先端部に、該先端部の軸方向外側に突出す
    るように取り付けられた環状スカート部材を備え、 上記環状スカート部材は、該環状スカート部材の先端部
    が、流体を上記ポンプケーシング内に吸い込むときに作
    用する吸込力により径方向内側でかつ吸込管側に変位す
    るように構成されていることを特徴とするポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポンプにおいて、 環状スカート部材は、弾性材からなることを特徴とする
    ポンプ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のポンプにおいて、 吸込管の先端部は、ベルマウスにより構成されているこ
    とを特徴とするポンプ。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載のポンプにおい
    て、 吸込管は、ポンプケーシングの底面に下方向に延びるよ
    うに設けられ、 環状スカート部材は、上記吸込管の下端部に下方向に突
    出するように取り付けられていることを特徴とするポン
    プ。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のポンプにおいて、 環状スカート部材は、下方向に向かって径が小さくなる
    下窄まり状に形成されていることを特徴とするポンプ。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載のポンプにおいて、 環状スカート部材の下端部に、径方向内側に膨出する膨
    出部が形成されていることを特徴とするポンプ。
  7. 【請求項7】 槽内の流体をポンプにより槽外に排出す
    るように構成されたポンプシステムであって、 上記ポンプは、ポンプケーシングに設けられた吸込管
    と、該吸込管の先端部に、該先端部の軸方向外側に突出
    するように取り付けられた環状スカート部材とを有して
    いて、上記流体を該環状スカート部材及び吸込管を通し
    て上記ポンプケーシング内に吸い込むように構成されて
    おり、 上記環状スカート部材は、上記ポンプの非作動時には、
    該環状スカート部材の先端部が上記槽内の底部に接触す
    る一方、上記ポンプの作動時には、該環状スカート部材
    の先端部が、上記流体を上記ポンプケーシング内に吸い
    込むときに作用する吸込力により径方向内側でかつ吸込
    管側に変位して上記槽内の底部から離れるように構成さ
    れていることを特徴とするポンプシステム。
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