JP3289212B2 - 水中ポンプ - Google Patents

水中ポンプ

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JP3289212B2
JP3289212B2 JP36071597A JP36071597A JP3289212B2 JP 3289212 B2 JP3289212 B2 JP 3289212B2 JP 36071597 A JP36071597 A JP 36071597A JP 36071597 A JP36071597 A JP 36071597A JP 3289212 B2 JP3289212 B2 JP 3289212B2
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真二 五嶋
弘志 中村
義人 内海
武士 村口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中ポンプに係
り、特に、マンホ−ルや汚水中継ポンプ場などに設置さ
れる汚水の揚水に好適な水中ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の水中ポンプは、一般に、図3に
示すように、ポンプケーシング1と、原動機2と、羽根
車3と、メカニカルシール4と、弾性シールリング5と
を具備している。
【0003】ポンプケーシング1は、その底部に下向き
の吸込口6が開口され、この吸込口6に吸込ベルマウス
7が取付けるられているとともに、上部はケーシングカ
バー8によって塞がれており、内部には吸込口6および
吸込ベルマウス7に連通し上下方向の軸線を有する渦巻
室9が形成され、側部には渦巻室9に連通する吐出通路
10が形成されている。この吐出通路10は吐出曲管1
1を介して揚水管17に連通している。
【0004】原動機2は、水中モータによってなり、ケ
ーシングカバー8に載置連結された原動機フレーム12
に水密に内装されている。また、原動機2の出力軸13
は、ケーシングカバー8に設けた上下方向の透孔14を
貫通してポンプケーシング1内に延出しており、その先
端部に固着された羽根車3がポンプケーシング1内に回
転自在に収容されている。
【0005】ケーシングカバー8と原動機フレーム12
の間にメカニカルシール収容部15が設けられ、このメ
カニカルシール収容部15に出力軸13を取り囲んだメ
カニカルシール4が収容され、該メカニカルシール4に
よって原動機フレーム12内への水の侵入を防止してい
る。
【0006】一方、ケーシングカバー8に設けた上下方
向の透孔14の内周と原動機2の出力軸13の外周の間
の環状空間16にゴムなどの弾性材料によって成形され
た弾性シールリング5が介設され、この弾性シールリン
グ5のシール作用によって、汚水に混入してポンプケー
シング1に侵入した固形異物がメカニカルシール収容部
15に侵入するのを防止して、メカニカルシール4を保
護している。
【0007】この種の水中ポンプでは、マンホ−ルや汚
水中継ポンプ場などで発生したスカムが堆積するのを防
止するために、ポンプの運転停止水位LWLを吸込ベル
マウス7の下端部に相当する低い位置に設定し、吸込水
槽18が殆ど空になるまで運転を継続することが多くな
ってきている。ところが、このような低い位置にポンプ
の運転停止水位LWLを設定した運転方法を採用するこ
とにより、ポンプの運転停止時に吸込ベルマウス7およ
び吸込口6を通じてポンプケーシング1内に空気が侵入
する。侵入した空気の一部は、水位が運転開始水位HW
Lまで上昇してもポンプケーシング1内に空気が残留す
るエアーロック状態になり、ポンプケーシング1内への
水の流入を妨げて、運転開始水位HWLでの再起動時に
おける揚水が不能な空運転を発生させる。このため、従
来の水中ポンプでは、ポンプケーシング1またはケーシ
ングカバー8に空気抜き孔19を設け、この空気抜き孔
19から空気を排出させることによって、運転開始水位
HWLでの再起動時における揚水が不能な空運転の発生
を避けるように工夫している。
【0008】しかし、ポンプケーシング1またはケーシ
ングカバー12に設けた空気抜き孔19から空気を排出
する構成では、汚水に混入してポンプケーシング1に侵
入した固形異物によって空気抜き孔19が塞がれ、空気
の排出機能を喪失して運転開始水位HWLでの再起動時
における揚水が不能な空運転を発生させる虞れを有して
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来の水中
ポンプでは、汚水に混入してポンプケーシングに侵入し
た固形異物によって空気抜き孔が塞がれると、ポンプケ
ーシングに侵入した空気の排出機能が無くなって、ポン
プの再起動時における揚水が不能な空運転を発生させる
虞れを有している。そこで、本発明は、ポンプケーシン
グに侵入した空気の排出機能を確保して、再起動時にお
ける揚水が不能な空運転の発生を確実に避けることがで
きる水中ポンプを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明に係る水中ポンプは、底部に下向きの吸込口
が開口されているとともに、上部がケーシングカバーに
よって塞がれ、内部には前記吸込口に連通し上下方向の
軸線を有する渦巻室が形成され、かつ側部に前記渦巻室
に連通する吐出通路が形成されたポンプケーシングと、
前記ケーシングカバーに連結された原動機フレームに水
密に内装されている原動機と、前記ケーシングカバーに
設けた上下方向の透孔を貫通してポンプケーシング内に
延出する原動機の出力軸と、この出力軸に固着されて前
記ポンプケーシング内に回転自在に収容される羽根車
と、前記出力軸を取り囲んで前記ケーシングカバーと前
記原動機フレームの間のメカニカルシール収容部に収容
されて、原動機フレーム内への水の侵入を防止するメカ
ニカルシールと、前記ケーシングカバーに設けた上下方
向の透孔の内周と前記原動機の出力軸または羽根車ボス
の外周の間の環状空間に介設されて、前記メカニカルシ
ール収容部への固形異物の侵入を防止する弾性シールリ
ングとを具備している水中ポンプにおいて、前記弾性シ
ールリングの内周部にポンプ停止時におけるポンプケー
シング内の降圧により弾性復帰して前記回転部の外周面
との環状隙間を拡大した環状の第1空気通路を形成する
とともに、ポンプ起動後のポンプケーシング内の昇圧付
勢で変形して前記環状隙間を小さくし前記メカニカルシ
ール収容部への固形異物の侵入を防止するリップ部が設
けられ、前記環状の第1空気通路をポンプの外部に通じ
させる第2空気通路を備えていることを特徴としてい
る。
【0011】本発明によれば、ポンプの運転停止時に吸
込口を通じてポンプケーシング内に空気が侵入しても、
この空気は、水位が吐出通路の上端レベルまで上昇する
のに伴ってポンプケーシング内に流入する水と置換され
て吐出通路からポンプケーシングの外部に排出される。
また、水位が吐出通路の上端レベルまで上昇しても、未
だポンプケーシング内に残留している空気は、水位が吐
出通路の上端レベルを超えて弾性シールリングの介設位
置まで上昇するのに伴って環状の第1空気通路と第2空
気通路を通ってポンプケーシングの外部に確実に排出さ
れる。一方、水位が弾性シールリングの介設位置を超え
てポンプの運転開始水位まで上昇する途中では、環状の
第1空気通路を通ってメカニカルシール収容部に水が流
入する。他方、水位がポンプの運転開始水位まで上昇し
て、ポンプの運転が開始されると、ポンプ起動後のポン
プケーシング内の昇圧付勢により弾性シールリングのリ
ップ部が変形して前記環状隙間を小さくする。これによ
ってメカニカルシール収容部への固形異物の侵入を防止
することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は本発明を拡大して示す縦
断面図である。なお、本発明が適用される水中ポンプの
全体的な構造は、前記図3で説明した従来例と異ならな
いので、その構造説明および作用説明は省略し、本発明
の特徴部分のみについて説明する。図1において、弾性
シールリング20がケーシングカバー8に設けた上下方
向の透孔14の内周と原動機2の出力軸13の外周の間
の環状空間16に介設される。この弾性シールリング2
0は、金属製の環状シエル20Aと、この金属製の環状
シエル20Aの内側に一体に結合されたゴムなどの弾性
材料によってなるシールリング部20Bとを備え、シー
ルリング部20Bの内周には斜め下向きのリップ部20
bを設けている。このリップ部20bの内径は、自然状
態で原動機2の出力軸13の外周面との環状隙間を拡大
した環状の第1空気通路21を形成できる大きさに設定
されている。
【0013】一方、ケーシングカバー8を水平方向に貫
通した第2空気通路22が設けられ、この第2空気通路
22の一端部は第1空気通路21の出口に臨み、他端部
はポンプの外部に開口している。
【0014】前記構成において、図3に示すように、ポ
ンプの運転停止水位LWLを吸込ベルマウス7の下端部
に相当する低い位置に設定し、吸込水槽18が殆ど空に
なるまで運転を継続すると、ポンプの運転停止時に吸込
ベルマウス7および吸込口6を通ってポンプケーシング
1内に空気が侵入する。この空気は、ポンプの運転停止
によって、水位が吐出通路10の上端レベルLWL1ま
で上昇するのに伴ってポンプケーシング1内に流入する
水と置換されて吐出通路10からポンプケーシング1の
外部、つまり揚水管17側に排出される。
【0015】水位が吐出通路10の上端レベルLWL1
まで上昇しても、ポンプケーシング1内に空気が残留し
ている。この残留空気は水位が吐出通路10の上端レベ
ルLWL1を超えて、図1に示す弾性シールリング20
の介設位置LWL2まで上昇するのに伴って,環状の第
1空気通路21と第2空気通路22を通ってポンプケー
シング1の外部に確実に排出される。
【0016】一方、水位が弾性シールリングの介設位置
LWL2を超えてポンプの運転開始水位HWL(図1参
照)まで上昇する途中では、環状の第1空気通路21を
通ってメカニカルシール収容部15に水が流入する。こ
のため、メカニカルシール収容部15に収容されている
メカニカルシール4の潤滑が確保される。
【0017】他方、水位がポンプの運転開始水位HWL
まで上昇して、ポンプの運転が開始されると、ポンプ起
動後におけるポンプケーシング1内の昇圧付勢により弾
性シールリング20のリップ部20bは図2に示すよう
に内側に変形して、原動機2の出力軸13の外周面との
環状隙間を小さくする。これによってメカニカルシール
収容部15への固形異物の侵入を防止することができ
る。
【0018】なお、前記実施の形態では、弾性シールリ
ング20をケーシングカバー8に設けた上下方向の透孔
14の内周と原動機2の出力軸13の外周の間の環状空
間16に介設した構成で説明しているが、本発明は前記
実施例にのみ限定されるものではなく、弾性シールリン
グ20をケーシングカバー8に設けた上下方向の透孔1
4の内周と羽根車3のボス部3Aの外周の間の環状空間
16に介設した構成であってもよい。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、弾性シ
ールリングの内周部にポンプ停止時におけるポンプケー
シング内の降圧により弾性復帰して原動機の出力軸また
は羽根車ボス外周面との環状隙間を拡大した環状の第1
空気通路を形成するとともに、ポンプ起動後のポンプケ
ーシング内の昇圧付勢により変形して前記環状隙間を小
さくしメカニカルシール収容部への固形異物の侵入を防
止するリップ部を設け、かつ環状の第1空気通路をポン
プの外部に通じさせる第2空気通路を備えているので、
ポンプケーシングに侵入した空気の排出機能を確保し
て、再起動時における揚水が不能な空運転の発生を確実
に避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す排気可能なポンプ
停止時の拡大縦断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示すポンプ運転時の拡
大縦断面図である。
【図3】従来の水中ポンプの全体構成図である。
【符号の説明】
1 ポンプケーシング 2 原動機 3 羽根車 3A 羽根車のボス(回転部) 4 メカニカルシール 6 吸込口 8 ケーシングカバー 9 渦巻室 10 吐出通路 12 原動機フレーム 13 出力軸(回転部) 14 透孔 15 メカニカルシール収容部 20 弾性シールリング 20b リップ部 21 環状の第1空気通路 22 第2空気通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内海 義人 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株式会社クボタ枚方製造所内 (72)発明者 村口 武士 大阪府枚方市中宮大池1丁目1番1号 株式会社クボタ枚方製作所内 (56)参考文献 特開 平8−4687(JP,A) 特開 平7−208372(JP,A) 特開 平10−184584(JP,A) 特開 平11−37084(JP,A) 実開 昭57−179650(JP,U) 実開 昭59−158191(JP,U) 実開 昭63−34396(JP,U) 実開 昭56−99093(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 13/08 F04D 29/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部に下向きの吸込口が開口されている
    とともに、上部がケーシングカバーによって塞がれ、内
    部には前記吸込口に連通し上下方向の軸線を有する渦巻
    室が形成され、かつ側部に前記渦巻室に連通する吐出通
    路が形成されたポンプケーシングと、前記ケーシングカ
    バーに連結された原動機フレームに水密に内装されてい
    る原動機と、前記ケーシングカバーに設けた上下方向の
    透孔を貫通してポンプケーシング内に延出する原動機の
    出力軸と、この出力軸に固着されて前記ポンプケーシン
    グ内に回転自在に収容される羽根車と、前記出力軸を取
    り囲んで前記ケーシングカバーと前記原動機フレームの
    間のメカニカルシール収容部に収容されて、原動機フレ
    ーム内への水の侵入を防止するメカニカルシールと、前
    記ケーシングカバーに設けた上下方向の透孔の内周と前
    記原動機の出力軸または羽根車ボスの外周間の環状空間
    に介設されて、前記メカニカルシール収容部への固形異
    物の侵入を防止する弾性シールリングとを具備している
    水中ポンプにおいて、前記弾性シールリングの内周部に
    ポンプ停止時におけるポンプケーシング内の降圧により
    弾性復帰して前記回転部の外周面との環状隙間を拡大し
    た環状の第1空気通路を形成するとともに、ポンプ起動
    後のポンプケーシング内の昇圧付勢で変形して前記環状
    隙間を小さくし前記メカニカルシール収容部への固形異
    物の侵入を防止するリップ部が設けられ、前記環状の第
    1空気通路をポンプの外部に通じさせる第2空気通路を
    備えていることを特徴とする水中ポンプ。
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