JP5094418B2 - 金属腐食防止剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、金属、特に鉄系金属の腐食を防止する金属腐食防止剤に関する。より詳細には、鉄系金属に対する腐食防止効果が相乗的に奏される水溶性金属腐食防止剤に関する。
従来、鉄系金属の腐食を抑制するために、各種無機及び有機物質を用いた処理が行われてきた。代表的な防錆作用のある無機物質としては、ホウ酸塩、リン酸塩、亜硝酸塩、クロム酸塩等が知られており、有機物質としては、脂肪酸、チオ尿素、アミン、多価アルコール等が挙げられる。
今日の金属腐食防止剤は、優れた防錆効果のみならず、低減された毒性又は環境負荷が望まれる。比較的毒性の低い防錆剤として、例えば、アルカノールアミンとホウ酸の縮合反応生成物と、有機酸とを配合させた防錆剤が特許文献1に開示されている。また、特許文献2は、ホウ酸とジエタノールアミンの反応生成物及び、カルボン酸の混合物からなる防錆剤を開示している。しかし、このような防錆剤は、アルカノールアミンとホウ酸との縮合反応生成物の使用によるコストが高い上、奏される防錆効果も十分ではなかった。
一方、2種以上の有機化合物から成る防錆剤としては、例えば、カルボン酸とアミンを併用した防錆剤、アルコールとアミンを併用した防錆剤、或いはチオール基を有するアミンとポリアスパラギン酸を併用した防錆剤等が開発されてきた。しかし、これらの防錆剤は、分子内にアミンを含んでいるため、排水処理の問題がある。さらに、防錆効果についても、改善の余地があった。
特公昭58−44746号公報 特公昭62−3235号公報 特開平5−148670号公報 特開平6−316780号公報 特開平10−130873号公報 特開平11−92976号公報 特開2001−89878号公報
本発明は、金属腐食防止効果に優れ、且つ環境負荷の低い金属腐食防止剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、式(I)で表される化合物又はその塩と、有機酸又はアミンを併用することにより、防錆効果が相乗的に向上することを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明は、以下に掲げる態様の発明を提供する:
項1.以下の式(I):
Figure 0005094418
[式(I)において、Yは、硫黄原子、又は少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されていてもよい以下の式(y1):
Figure 0005094418
で表される基を表し、
mは1〜3を示し、
は、ヒドロキシル基又は以下の式(a):
Figure 0005094418
(式(a)において、R及びRは、同一又は異なり、水素原子;少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されていてもよいアルキル基;又は少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されていてもよいアリール基、或いはRとRは、それらの結合している炭素原子と共にカルボニル基を表す)
で表される基を示し、
は、結合;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基(COOH)で置換されていてもよいアルキレン基;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいアルケニレン基;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいアリーレン基;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいモノエーテル;又は少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいポリエーテルを表し、
は、水素原子;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいアルキル基;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいアリール基;又は以下の式(b):
Figure 0005094418
(式(b)において、Rは、少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいアルキレン基;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいアルケニレン基;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいアリーレン基;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいモノエーテル基;又は少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいポリエーテル基を表し、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されていてもよいアルキル基;又は少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されていてもよいアリール基、或いは
とRはそれらの結合している炭素原子と共にカルボニル基を表す)
で表される基を表す。但し、Rが水素原子を表す時、Yは式(y)で表される基を示す。]
で表される化合物又はその塩と、アミン及び有機酸から選択される1種以上を含有することを特徴とする金属腐食防止剤組成物。
項2. 前記有機酸が、カルボン酸又はスルホン酸である請求項1に記載の金属腐食防止剤組成物。
項3. 前記有機酸の炭素数が6〜22である請求項1又は2に記載の金属腐食防止剤組成物。
項4. 前記アミンが、アルカノールアミン、アルキルアミン又は環状アミンである請求項1〜3に記載の金属腐食防止剤組成物。
項5. 式(I)で表される化合物の炭素数が4〜15である請求項1〜4に記載の金属腐食防止剤組成物。
項6. 請求項1〜5に記載の金属腐食防止剤組成物を用いて金属を処理することを特徴とする金属腐食防止方法。
本発明に係る金属腐食防止剤組成物は、相乗的な腐食防止効果を発揮することにより、より低濃度で十分な腐食防止効果が得られる。これによって、さらに、環境にとって有害とされるアミン等の物質の使用量を抑える又は完全になくすことが可能である。
実施例1及び比較例1の結果を示す。 実施例2及び比較例2の結果を示す。 実施例3及び比較例3の結果を示す。 実施例4及び比較例4の結果を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明にかかる金属腐食防止剤組成物は、以下の式(I):
Figure 0005094418
[式(I)において、Yは、硫黄原子、又は少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されていてもよい以下の式(y1):
Figure 0005094418
で表される基を表し、
mは1〜3を示し、
は、ヒドロキシル基又は以下の式(a):
Figure 0005094418
(式(a)において、R及びRは、同一又は異なり、水素原子;少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されていてもよいアルキル基;又は少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されていてもよいアリール基、或いはRとRは、それらの結合している炭素原子と共にカルボニル基を表す)
で表される基を表し、
は、結合;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基(COOH)で置換されていてもよいアルキレン基;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいアルケニレン基;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいアリーレン基;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいモノエーテル;又は少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいポリエーテルを表し、
は、水素原子;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいアルキル基;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいアリール基;又は以下の式(b):
Figure 0005094418
(式(b)において、Rは、少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいアルキレン基;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいアルケニレン基;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいアリーレン基;少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいモノエーテル基;又は少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいポリエーテル基を表し、
及びRは、同一又は異なり、水素原子;少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されていてもよいアルキル基;又は少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されていてもよいアリール基;或いは
とRはそれらの結合している炭素原子と共にカルボニル基を表す)
で表される基を表す。
但し、Rが水素原子を表す時、Yは式(y1)で表される基を示す。]
で表される化合物又はその塩と、アミン及び有機酸を含有する。
上記式(y1)で表される基がヒドロキシル基で置換されている場合、置換基の数は、通常1〜3個程度、好ましくは1個程度である。
上記R及びRで示されるアルキル基は、直鎖又は分枝を有してもよく、ヒドロキシル基で置換されていてもよい。このようなR及びRで表されるアルキル基としては、炭素数1〜12個、好ましくは1〜4個程度のアルキル基を挙げることができ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、1−エチルプロピル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基等が含まれる。またこれらのR及びRで表されるアルキル基は、通常1〜4個程度、好ましくは1個程度のヒドロキシル基で置換されていてもよい。
及びRで示されるアリール基としては、例えば、フェニル基等があげられるが、これに限定されるものではなく、これらの基は、通常1〜4個程度、好ましくは1個程度のヒドロキシル基で置換されていてもよい。
上記R及びRで示されるアルキレン基は、直鎖状であっても分枝を有してもよく、ヒドロキシル基又はカルボキシル基で置換されていてもよい。また、R及びRで示されるアルキレン基の炭素数は、1〜12であることが好ましく、より好ましくは、1〜4である。R及びRで示されるアルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、1−メチルトリメチレン基、メチルメチレン基、エチルメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が挙げられるが、これらに限定されるのではなく、これらの基は、通常1〜4個程度、好ましくは1個程度のヒドロキシル基又はカルボキシル基で置換されていてもよい。
上記R及びRで示されるアルケニレン基は、直鎖状であっても分枝を有してもよく、ヒドロキシル基又はカルボキシル基で置換されていてもよい。また、R及びRで示されるアルケニレン基の炭素数は、2〜12であることが好ましく、より好ましくは、2〜4である。R及びRで示されるアルケニレン基の例としては、ビニレン基、1−プロペニレン基、1−メチル−1−プロペニレン基、2−メチル−1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、2−ブテニレン基、1−ブテニレン基、3−ブテニレン基、2−ペンテニレン基、1−ペンテニレン基、3−ペンテニレン基、4−ペンテニレン基、1,3−ブタジエニレン基、1,3−ペンタジエニレン基、2−ペンテン−4−イニレン基、2−ヘキセニレン基、1−ヘキセニレン基、5−へキセニレン基、3−ヘキセニレン基、4−へキセニレン基、3,3−ジメチル−1−プロペニレン基、2−エチル−1−プロペニレン基、1,3,5−ヘキサトリエニレン基、1,3−ヘキサジエニレン基、1,4−ヘキサジエニレン基等が挙げられるが、これらに限定されるのではなく、これらの基は、通常1〜6個程度、好ましくは1個程度のヒドロキシル基又はカルボキシル基で置換されていてもよい。
上記R及びRで示されるアリーレン基は、ヒドロキシル基又はカルボキシル基で置換されていてもよい。また、R及びRで示されるアリーレン基の炭素数は、6〜14であることが好ましく、より好ましくは、6〜10である。上記R及びRで示されるアリーレン基の例としては、フェニレン、ナフチレン、アントリレン、フェナントリレン等が挙げられるが、これらに限定されるのではなく、これらの基は、通常1〜10個程度、好ましくは1〜2個程度のヒドロキシル基又はカルボキシル基で置換されていてもよい。
上記R及びRで示されるモノエーテルとしては、上記アルキレン基の中に1個の酸素が含まれているものが挙げられる。R及びRで示されるモノエーテルの具体的な例としては、−CO−CH−、−CO−C−、−CO−C−等が挙げられるが、これらに限定されるのではなく、これらの基は、通常1〜8個程度、好ましくは1個程度のヒドロキシル基又はカルボキシル基で置換されていてもよい。
上記R及びRで示されるポリエーテルとしては、上記アルキレン基の中に2個以上の酸素が含まれているものが挙げられる。R及びRで示されるポリエーテルの具体例としては、−(CO)n1−CH−(n1=2〜5)、−(CO)n2−C−(n2=2〜3)等が挙げられるが、これらに限定されるのではなく、これらの基は、通常1〜6個程度、好ましくは1個程度のヒドロキシル基又はカルボキシル基で置換されていてもよい。
上記Rで表されるアルキル基は、直鎖又は分枝を有してもよく、ヒドロキシル基又はカルボキシル基で置換されていてもよい。このようなアルキル基としては、炭素数1〜20個、好ましくは4〜12個程度のアルキル基を挙げることができ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、1−エチルプロピル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が含まれる。またこれらのRで表されるアルキル基は、通常1〜6個程度、好ましくは1個程度のヒドロキシル基又はカルボキシル基で置換されていてもよい。
上記Rで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ベンジル基、トルイル基、エチルフェニル基、スチリル基、tert−ブチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられるが、これらに限定されるのではなく、これらの基は、通常1〜10個程度、好ましくは1〜2個程度のヒドロキシル基又はカルボキシル基で置換されていてもよい。
上記R及びRで表されるアルキル基は、直鎖又は分枝を有してもよく、ヒドロキシル基で置換されていてもよい。このようなR及びRで表されるアルキル基としては、炭素数1〜12個、好ましくは1〜6個程度のアルキル基を挙げることができ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、1−エチルプロピル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基等が含まれる。またこれらのR及びRで表されるアルキル基は、通常1〜8個程度、好ましくは1〜4個程度のヒドロキシル基で置換されていてもよい。R及びRで示されるアリール基としては、例えば、フェニル基等があげられるが、これに限定されるものではなく、これらの基は、通常1〜6個程度、好ましくは1個程度のヒドロキシル基で置換されていてもよい。
このような式(I)で表される化合物が、モノカルボン酸又はその塩である場合、当該モノカルボン酸の炭素数は、好ましくは7〜12である。また、式(I)で示される化合物が、ジカルボン酸である場合、当該ジカルボン酸の炭素数は、好ましくは、7〜10である。これは、炭素数が、上記の範囲よりも小さいと防錆力が弱く、又炭素数が、上記範囲よりも大きいと水への溶解度が低くなり、結果として十分な防錆力が得られないためである。
このような式(I)で表される化合物が、カルボン酸又はその塩である場合の具体的な例としては、n−ペンチルチオグリコール酸、n−ヘキシルチオグリコール酸、シクロヘキシルチオグリコール酸、n−ヘプチルチオグリコール酸、n−オクチルチオグリコール酸、2−エチルヘキシルチオグリコール酸、n−ノニルチオグリコール酸、n−デシルチオグリコール酸、n−ウンデシルチオグリコール酸、n−ドデシルチオグリコール酸、4−tert−ブチルベンジルチオグリコール酸、フェニルエチルチオグリコール酸、フェニルチオグリコール酸、n−ブチルチオプロピオン酸、n−ペンチルチオプロピオン酸、n−ヘキシルチオプロピオン酸、シクロヘキシルチオプロピオン酸、n−ヘプチルチオプロピオン酸、n−オクチルチオプロピオン酸、2−エチルヘキシルチオプロピオン酸、n−ノニルチオプロピオン酸、n−デシルチオプロピオン酸、n−ウンデシルチオプロピオン酸、n−ドデシルチオプロピオン酸、4−tert−ブチルベンジルチオプロピオン酸、フェニルエチルチオプロピオン酸、フェニルチオプロピオン酸、n−ブチルチオ乳酸、n−ペンチルチオ乳酸、n−ヘキシルチオ乳酸、シクロヘキシルチオ乳酸、n−ヘプチルチオ乳酸、n−オクチルチオ乳酸、2−エチルヘキシルチオ乳酸、n−ノニルチオ乳酸、n−デシルチオ乳酸、n−ウンデシルチオ乳酸、n−ドデシルチオ乳酸、4−tert−ブチルベンジルチオ乳酸、フェニルエチルチオ乳酸、フェニルチオ乳酸、n−プロピルチオブタン酸、n−ブチルチオブタン酸、n−ペンチルチオブタン酸、n−ヘキシルチオブタン酸、シクロヘキシルチオブタン酸、n−ヘプチルチオブタン酸、n−オクチルチオブタン酸、2−エチルヘキシルチオブタン酸、n−ノニルチオブタン酸、n−デシルチオブタン酸、n−ウンデシルチオブタン酸、4−tert−ブチルベンジルチオブタン酸、フェニルエチルチオブタン酸、フェニルチオブタン酸、n−エチルチオペンタン酸、n−プロピルチオペンタン酸、n−ブチルチオペンタン酸、n−ペンチルチオペンタン酸、n−ヘキシルチオペンタン酸、シクロヘキシルチオペンタン酸、n−ヘプチルチオペンタン酸、n−オクチルチオペンタン酸、2−エチルヘキシルチオペンタン酸、n−ノニルチオペンタン酸、n−デシルチオペンタン酸、フェニルエチルチオペンタン酸、フェニルチオペンタン酸、n−メチルチオヘキサン酸、n−エチルチオヘキサン酸、n−プロピルチオヘキサン酸、n−ブチルチオヘキサン酸、n−ペンチルチオヘキサン酸、n−ヘキシルチオヘキサン酸、シクロヘキシルチオヘキサン酸、n−ヘプチルチオヘキサン酸、n−オクチルチオヘキサン酸、2−エチルヘキシルチオヘキサン酸、n−ノニルチオヘキサン酸、フェニルエチルチオヘキサン酸、フェニルチオヘキサン酸、n−メチルチオヘプタン酸、n−エチルチオヘプタン酸、n−プロピルチオヘプタン酸、n−ブチルチオヘプタン酸、n−ペンチルチオヘプタン酸、n−ヘキシルチオヘプタン酸、シクロヘキシルチオヘプタン酸、n−ヘプチルチオヘプタン酸、n−オクチルチオヘプタン酸、2−エチルヘキシルチオヘプタン酸、フェニルエチルチオヘプタン酸、フェニルチオヘプタン酸、n−メチルチオオクタン酸、n−エチルチオオクタン酸、n−プロピルチオオクタン酸、n−ブチルチオオクタン酸、n−ペンチルチオオクタン酸、n−ヘキシルチオオクタン酸、シクロヘキシルチオオクタン酸、n−ヘプチルチオオクタン酸、フェニルチオオクタン酸、n−メチルチオノナン酸、n−エチルチオノナン酸、n−プロピルチオノナン酸、n−ブチルチオノナン酸、n−ペンチルチオノナン酸、n−ヘキシルチオノナン酸、シクロヘキシルチオノナン酸、フェニルチオノナン酸、n−メチルチオデカン酸、n−エチルチオデカン酸、n−プロピルチオデカン酸、n−ブチルチオデカン酸、n−ペンチルチオデカン酸、n−メチルチオウンデカン酸、n−エチルチオウンデカン酸、n−プロピルチオウンデカン酸、n−ブチルチオウンデカン酸、n−メチルチオドデカン酸、n−エチルチオドデカン酸、n−プロピルチオドデカン酸、n−メチルチオトリデカン酸、n−エチルチオトリデカン酸、n−メチルチオテトラデカン酸、2−メチルチオ安息香酸、4−メチルチオ安息香酸、2−エチルチオ安息香酸、4−エチルチオ安息香酸、2−プロピルチオ安息香酸、4−プロピルチオ安息香酸、2−ブチルチオ安息香酸、4−ブチルチオ安息香酸、2−ペンチルチオ安息香酸、4−ペンチルチオ安息香酸、2−ヘキシルチオ安息香酸、4−ヘキシルチオ安息香酸、2−ヘプチルチオ安息香酸、4−ヘプチルチオ安息香酸、2−オクチルチオ安息香酸、4−オクチルチオ安息香酸及びチオジプロピオン酸、チオジブタン酸、チオジペンタン酸、チオジヘキサン酸、3−チアオクタン二酸、4−チアオクタン二酸、3−チアノナン二酸、4−チアノナン二酸、3−チアデカン二酸、4−チアデカン二酸、5−チアデカン二酸、3−チアウンデカン二酸、4−チアウンデカン二酸、5−チアウンデカン二酸、3−チアドデカン二酸、4−チアドデカン二酸、5−チアドデカン二酸、6−チアドデカン二酸、3−チアテトラデカン二酸、4−チアペンタデカン二酸、4,8−ジチアドデカン二酸、メチルチオりんご酸、エチルチオりんご酸、n−プロピルチオりんご酸、イソプロピルチオりんご酸、n−ブチルチオりんご酸、t−ブチルチオりんご酸、n−ペンチルチオりんご酸、n−ヘキシルチオりんご酸、シクロヘキシルチオりんご酸、フェニルチオりんご酸、n−ペンチルチオりんご酸、n−オクチルチオりんご酸、2−エチルヘキシルチオりんご酸、n−ノニルチオりんご酸、n−デシルチオりんご酸、2−チオフェンカルボン酸、3−チオフェンカルボン酸、2,5−チオフェンジカルボン酸、2−チエニル酢酸、3−チエニル酢酸、3−(2−チエニル)プロピオン酸、3−(2−チエニル)ブタン酸、2−ヒドロキシチオアニソール、4−メチルチオフェノール、(4,4’ジヒドロキシ)ジフェニルチオエーテル等及びこれらのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられるが、これらに限定されるのではない。これらの有機物質は、1種類のみを用いてもよく、また、2種類以上を適宜併用してもよい。
また、上記式(I)で表されるチオエーテルを含む化合物がアルコールである場合、当該アルコールの炭素数は、好ましくは4〜8である。このようなアルコールの具体的な例としては、チオジエタノール、チオジプロパノール、チオジブタノール、チオジペンタノール、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール、メチルチオグリセリン、エチルチオグリセリン、n−プロピルチオグリセリン、イソプロピルチオグリセリン、n−ブチルチオグリセリン、t−ブチルチオグリセリン、n−ペンチルチオグリセリン、n−ヘキシルチオグリセリン、シクロヘキシルチオグリセリン、フェニルチオグリセリン、n−ペンチルチオグリセリン、n−オクチルチオグリセリン、2−エチルヘキシルチオグリセリン、n−ノニルチオグリセリン、n−デシルチオグリセリン、n−ウンデシルチオグリセリン、n−ドデシルチオグリセリン、2−チオフェンメタノール、3−チオフェンメタノール、エチルチオエタノール、エチルチオプロパノールが挙げられるが、これらに限定されるのではない。これらの有機物質は、1種類のみを用いてもよく、また、2種類以上を適宜併用してもよい。
本発明の金属腐食防止剤組成物において、上記式(I)で表される化合物と併用される有機酸は、通常、金属腐食抑制の用途に用いられる有機酸が使用できる。また、前記有機酸は、炭素数6〜22であることが好ましく、飽和又は不飽和であり、直鎖状、分枝鎖状、又は環状の何れの構造を有してもよい。このような有機酸の例としては、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、ネオデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸及びラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸及びステアロール酸等の不飽和脂肪酸、安息香酸、トルイル酸、エチル安息香酸及びp−tert−ブチル安息香酸等の芳香族脂肪酸、ドデカン二酸、セバシン酸、アジピン酸、スベリン酸及びアゼライン酸等の二塩基酸、ナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、石油スルホン酸等のスルホン酸並びにこれらの塩が挙げられるが、これらに限定されるのではない。これらの有機酸は、1種類のみを用いてもよく、また2種類以上を適宜混合してもよい。
本発明の金属腐食防止剤組成物において、上記の式(I)で表される化合物と併用されるアミンは、金属腐食を防止する目的で通常使用されるアミン又はその塩であれば使用することができ、好ましくは、アルカノールアミン、アルキルアミン、環状アミン及びこれらの塩である。このようなアミンの具体的な例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、エチレンジアミン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、ピラゾール、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール等が挙げられる。これらのアミンは、1種類のみを用いてもよく、また2種類以上を適宜混合してもよい。但し、廃水処理の問題を考慮した場合、アミンの使用量は、より少ない方が好ましい。
また、アミンの代替又は追加として、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリが使用されてもよい。
本発明の金属腐食防止剤組成物において、(上記式(I)で表される化合物又はその塩):(併用される有機酸、アミン、又はこれらの塩)の配合割合は、好ましくは、重量部で3:97〜91:9であり、より好ましくは、20:80〜89:11である。尚、式(I)の化合物と有機酸又はアミンの割合が、前記3:97〜91:9の範囲外であると、防錆作用に対する相乗効果は得られない。
本発明の金属腐食防止剤組成物は、単独でも用いられるが、必要に応じて、pH調整剤、潤滑剤、防腐剤、乳化剤、極圧添加剤、消泡剤等の各種添加剤を、防錆効果を損なわない範囲で適宜加えることができる。一般的な配合割合は、全体100重量部に対して、式(I)で表される化合物又はその塩と、併用される有機酸又はアミンは0.1〜100重量部である。より好ましくは、1〜40重量部である。潤滑剤、乳化剤、極圧添加剤は、それぞれ全体に対して好ましくは0〜70重量部、より好ましくは0〜40重量部である。pH調整剤、防腐剤、消泡剤は、それぞれ全体に対して好ましくは0〜30重量部、より好ましくは0〜10重量部である。
本発明の金属腐食防止剤組成物は、通常水溶液状であり、使用用途等に合わせ、適宜水を用いて希釈して使用することができる。使用時における、本発明の金属腐食防止剤組成物の濃度は、好ましくは、希釈後の水溶液の全量100重量部に対して0.1〜30重量部であり、より好ましくは、1〜10重量部である。
使用時における本発明の金属腐食防止剤組成物のpHは、好ましくは6.0〜12.5、より好ましくは7.0〜12.0である。十分な防錆性を得るにはpHが6以上であることが好ましく、手荒れの原因となる皮膚刺激性や、廃棄物処理における特定管理産業廃棄物たる廃アルカリの処理等を考慮すると、pHが12.5以下であることが望ましいためである。
本発明の金属腐食防止剤組成物の調製方法は、室温〜80℃の温水、好ましくは30〜40℃の少量の温水に、上記式(I)で表わされる化合物又はその塩と、有機酸、アミン又はこれらの塩から選択される1種以上を攪拌下で加え、完全に溶解させた後、水を加えて所定の濃度に調整する。
このようにして調製される本発明の金属腐食防止剤組成物は、通常、工業的に使用される金属腐食防止剤の用途として広く用いることができ、例えば、機械部品や金属部品等の洗浄時、一時保管時、金属加工時(切削加工、研削加工、塑性加工等)に使用できる。また、冷却液中に添加することもでき、配管系内やタンク等の防錆にも利用できる。
実施例
以下、実施例に基づいて本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるのではない。
防錆力の評価方法
鋳鉄(FC250)をドライカットすることで得られた切屑(8〜12メッシュ)5gを、桐山用濾紙(40Φm/m,5C)を敷いたプラスチックのカップに採取し、これに調整した水溶性防錆剤の試験液10mlを添加し、鋳鉄切屑を浸した。これを十分振盪した後、10分間静置し、次いで水溶性防錆剤の試験液のみを傾斜法で排水し、液切りを行った。その後、鋳鉄切屑の入ったプラスチックのカップに蓋をして気温30℃、湿度80%の恒温恒湿槽に放置し、濾紙上の鋳鉄切屑の錆の発生状況を、15時間後に観察した。尚、判定基準は、下記のとおりである。
○ : 錆の発生なし
× : 錆の発生あり
(実施例1)
表1に示される重量のネオデカン酸とn−ヘキシルチオプロピオン酸を100mlビーカーに量り取り、水90gを加え、苛性ソーダを加えて溶解させ、pHを8.5〜9.5に調整し、さらに水を加えて全量を100gとした。これを試験液とし、上記の防錆力評価方法に従って防錆力の評価を行った。
Figure 0005094418
(比較例1)
表2に示す重量のネオデカン酸、n−ヘキシルチオプロピオン酸をそれぞれ100mlビーカーに量り取り、水90gを加え、苛性ソーダを加えて溶解させ、pH8.5〜9.5の間に調整し、さらに水を加えて全量を100gとした。これを試験液として防錆力の評価方法に従って、防錆力の評価を行った。
Figure 0005094418
実施例1及び比較例1の結果を各々表1及び表2に示し、両方の結果をまとめて図1に示す。表2に示す比較例1の結果は、ネオデカン酸又はn−ヘキシルチオプロピオン酸が単独で用いられた場合、十分な防錆効果を発揮するために必要な最小濃度は、ネオデカン酸では、1.20重量%であり、n−ヘキシルチオプロピオン酸では、1.10重量%であることを示す。図1からわかるように、ネオデカン酸とn−ヘキシルチオプロピオン酸との併用により、防錆力が向上している。このうち、相乗効果を示す範囲はn−ヘキシルチオプロピオン酸がネオデカン酸に対して20〜91%の場合であった。相乗効果を示す範囲を図1に実践と点線で囲まれた範囲Aとして示した。
(実施例2)
表3に示す重量のネオデカン酸と当量のジエタノールアミンを100mlビーカーに量り取り、水90gを加え、苛性ソーダを加えて溶解させ、pHを8.5〜9.5に調整し、さらに水を加えて全量を100gとした。同様に、表3に示す重量のネオデカン酸と当量のチオジグリコールを100mlビーカーに量り取り、水90gを加えて溶解させ、pH8.5〜9.5の間に入るように苛性ソーダを加えて、水を加えて全量を100gとした。
Figure 0005094418
上記2種類の液を、表3に示す割合で混合し、防錆力の評価方法に従い、防錆力の評価を行い、結果をネオデカン酸・ジエタノールアミン塩の濃度をX軸に、ネオデカン酸・当量チオジグリコールの濃度をY軸にプロットし、図2に示した。
図2からわかるように、ネオデカン酸・ジエタノールアミン塩のジエタノールアミンを、防錆力を保ったままチオジグリコールで置き換えることが可能である。チオジグリコールによりジエタノールアミンの20〜97%を置き換えることが可能であった。また、図2より、ネオデカン酸、ジエタノールアミン、チオジグリコールの3物質は相乗効果を示すことがわかる。相乗効果を示す範囲を図2中に点線と実線で囲まれる範囲Bとして示した。
(比較例2)
表4に示す重量のネオデカン酸と当量のジエタノールアミン、ネオデカン酸と当量のチオジグリコールをそれぞれ100mlビーカーに量り取り、水90gを加え、苛性ソーダを加えて溶解させ、pHを8.5〜9.5に調整し、さらに水を加えて全量を100gとした。
Figure 0005094418
防錆力の評価方法に従い、それぞれの液に関して防錆力の評価を行い、結果を実施例2の結果とともに図2にまとめて示した。
図2に示す結果からわかるように試験条件下において、ネオデカン酸・ジエタノールアミン塩では腐食を抑制するのに1.0重量%以上の添加を要する。ネオデカン酸・当量チオジグリコールでは腐食を抑制するのに1.2重量%以上の添加を要する。これは比較例1のネオデカン酸単独の結果と同じであるので、チオジグリコール単独での防錆力は小さいものと考えられる。
(実施例3)
実施例2のチオジグリコールの変わりにチオジプロパノールを用いて同様に実験を行った。表5に示す重量のネオデカン酸と当量のジエタノールアミンを100mlビーカーに量り取り、水90gを加え、苛性ソーダを加えて溶解させ、pHを8.5〜9.5に調整し、さらに水を加えて全量を100gとした。同様に、表5に示す重量のネオデカン酸と当量のチオジプロパノールを100mlビーカーに量り取り、水90gを加えて溶解させ、pH8.5〜9.5の間に入るように苛性ソーダを加えて、さらに水を加えて全量を100gとした。
Figure 0005094418
上記2種類の液を、表5に示す割合で混合し、防錆力の評価方法に従い、防錆力の評価を行い、結果をネオデカン酸・ジエタノールアミン塩の濃度をX軸に、ネオデカン酸・当量チオジプロパノールの濃度をY軸にプロットし、図3に示した。
図3からわかるように、ネオデカン酸・ジエタノールアミン塩のジエタノールアミンを、防錆力を保ったままチオジプロパノールで置き換えることが可能である。チオジプロパノールによりジエタノールアミンの20〜97%を置き換えることが可能であった。また、図3より、ネオデカン酸、ジエタノールアミン、チオジプロパノールの3物質は相乗効果を示すことがわかる。相乗効果を示す範囲を図3中に実線と点線で囲まれる範囲Cとして示した。
(比較例3)
表6に示す重量のネオデカン酸と当量のチオジプロパノールを100mlビーカーに量り取り、水90gを加え、苛性ソーダを加えて溶解させ、pHを8.5〜9.5に調整し、さらに水を加えて全量を100gとした。
防錆力の評価方法に従い、防錆力の評価を行い、結果を実施例3の結果とともに図3にまとめて示した。
Figure 0005094418
図3に示す結果からわかるように試験条件下において、ネオデカン酸・当量チオジプロパノールでは腐食を抑制するのに1.2重量%以上の添加を要する。これは比較例1のネオデカン酸単独の結果と同じであるので、チオジプロパノール単独での防錆力は小さいものと考えられる。
(実施例4)
実施例2のチオジグリコールの変わりに3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを用いて同様に実験を行った。表7に示す重量のネオデカン酸と当量のジエタノールアミンを100mlビーカーに量り取り、水90gを加え、苛性ソーダを加えて溶解させ、pHを8.5〜9.5に調整し、さらに水を加えて全量を100gとした。同様に、表7に示す重量となるネオデカン酸と当量の3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを100mlビーカーに量り取り、水90gを加えて溶解させ、pH8.5〜9.5の間に入るように苛性ソーダを加えて、さらに水を加えて全量を100gとした。
Figure 0005094418
上記2種類の液を、表7に示す割合で混合し、防錆力の評価方法に従い、防錆力の評価を行い、結果をネオデカン酸・ジエタノールアミン塩の濃度をX軸に、ネオデカン酸・当量3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールの濃度をY軸にプロットし、図4に示した。
図4からわかるように、ネオデカン酸・ジエタノールアミン塩のジエタノールアミンを、防錆力を保ったまま3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールで置き換えることが可能である。3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールによりジエタノールアミンの20〜99%を置き換えることが可能であった。また、図4より、ネオデカン酸、ジエタノールアミン、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールの3物質は相乗効果を示すことがわかる。相乗効果を示す範囲を図4中に実線と点線で囲まれる範囲Dとして示した。
(比較例4)
表8に示す重量のネオデカン酸と当量の3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを100mlビーカーに量り取り、水90gを加え、苛性ソーダを加えて溶解させ、pHを8.5〜9.5に調整し、さらに水を加えて全量を100gとした。防錆力の評価方法に従い、防錆力の評価を行い、結果を実施例4の結果とともに図4にまとめて示した。
Figure 0005094418
図4に示す結果からわかるように試験条件下において、ネオデカン酸・当量3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールでは腐食を抑制するのに1.3重量%以上の添加を要する。これは比較例1のネオデカン酸単独の結果よりも効果が低くなっているので、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール単独での防錆力は小さいものと考えられる。

Claims (4)

  1. 以下の式(I):
    Figure 0005094418
    [式(I)において、Yは、硫黄原子を表し、
    mは1〜3を示し、
    は、ヒドロキシル基又は以下の式(a):
    Figure 0005094418
    (式(a)において、R とRは、それらの結合している炭素原子と共にカルボニル基を表す)で表される基を表し、
    、少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基(COOH)で置換されていてもよいアルキレン基を表し、
    、少なくとも1個のヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換されていてもよいアルキル基を表す。]
    で表される化合物又はその塩と、アルカノールアミン及びカルボン酸から選択される1種以上を含有することを特徴とする金属腐食防止剤組成物。
  2. 前記カルボン酸の炭素数が6〜22である請求項1に記載の金属腐食防止剤組成物。
  3. 式(I)で表される化合物の炭素数が4〜15である請求項1又は2に記載の金属腐食防止剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の金属腐食防止剤組成物を用いて金属を処理することを特徴とする金属腐食防止方法。
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