JP2006045643A - 気化性防錆紙用防錆剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非亜硝酸塩系で、変異原性物質に該当する原料を使用せず、JIS−Z−1535に規定される気化性さび止め紙の1種、1級、H形に合格する性能を備えた気化性防錆紙用防錆剤を提供すること。
【解決手段】 下記成分(A)〜(D)を必須成分として含み、非鉄金属との共存性、気化性さび止め能の速効性、曝露後の気化性さび止め性、接触さび止め性の全てを満たす気化性防錆紙用の防錆組成物を開示する。
(A):炭素数6〜12のアルキルモノカルボン酸と、1級もしくは2級の不揮発性水溶性アルカノールアミンとの塩、
(B):セバシン酸および/またはドデカン二酸と、1級、2級もしくは3級の不揮発性水溶性アルカノールアミンとの塩、
(C):炭素数6〜12のアルキルモノカルボン酸と、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンまたはモルホリンから選ばれるアミンとの塩、
(D)ベンゾトリアゾールおよび/またはメチルベンゾトリアゾール。

Description

本発明は、亜硝酸類を使用せず、なおかつ変異原性物質に該当する原料を使用することなく、塗布乾燥することで、JIS−Z−1535に規定される気化性さび止め紙の1種、1級、H形に合格する性能を発揮する防錆紙用防錆剤組成物に関するものである。
JIS−Z−1535に規定される気化性さび止め紙として合格基準を満たす防錆紙用防錆剤組成物として、以前はニトロソアミンを生成する可能性のある亜硝酸塩を添加した組成物や、ヘキサメチレンテトラミンを添加した防錆紙用防錆剤組成物を塗布した気化性防錆紙が使用されてきた。しかし、上記ニトロソアミンは発ガン性を有することが指摘され、またヘキサメチレンテトラミンは変異原性物質であることから、これらの防錆剤組成物は、防錆規格には合格するものの環境汚染の問題から使用が忌避されるに及び、これに代わるものとして例えば、3級アミンとカプリル酸および安息香酸の当モル反応生成物などを含む気化性防錆紙用防錆剤が開発された(特許文献1など)。
ところが、上記の如き亜硝酸塩などを含まない防錆紙の場合、JIS規格のうちポリエチレン加工紙との共存性、気化性さび止め効果の速効性は良好であるものの、例えば60℃の加熱雰囲気に曝露した後の気化性さび止め性、接触さび止め性、非鉄金属の防錆能において全ての規格を満足する防錆紙はなく、これら全ての規格を満たす防錆紙の開発が強く求められている。
特開昭61−227187号公報
本発明はこうした状況の下でなされたものであって、その目的は、非亜硝酸塩系で、変異原性物質に該当する原料を使用せず、JIS−Z−1535に規定される気化性さび止め紙の1種、1級、H形に合格する性能を備えた気化性防錆紙用防錆剤組成物を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る気化性防錆紙用防錆剤組成物とは、下記成分(A),(B),(C),(D)を必須成分として含有するところに特徴を有している。
成分(A):炭素数6〜12のアルキルモノカルボン酸と、1級もしくは2級の不揮発性水溶性アルカノールアミンとの塩の少なくとも1種、
成分(B):セバシン酸および/またはドデカン二酸と、1級、2級もしくは3級の不揮発性水溶性アルカノールアミンとの塩の少なくとも1種、
成分(C):炭素数6〜12のアルキルモノカルボン酸と、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンおよびモルホリンから選ばれる少なくとも1種のアミンとの塩、
成分(D)ベンゾトリアゾールおよび/またはメチルベンゾトリアゾール。
上記成分(A)および(C)として規定される炭素数6〜12のアルキルモノカルボン酸の中でも特に好ましいのは、各々独立して、n−カプロン酸、n−ヘプタン酸、n−カプリル酸、n−カプリン酸、n−ラウリン酸、2−エチルヘキサン酸、n−ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、2,5−ジメチル−2−エチルヘキサン酸、安息香酸、トルイル酸などであり、これらは単独で使用できる他、必要により2種以上を任意の組合せで併用してもよい。
また該成分(A)として規定される1級もしくは2級の不揮発性水溶性アルカノールアミンとして特に好ましいのは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2−メチル−2−アミノ−1−プロパノール、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンなどであり、これらも単独で使用できる他、2種以上を任意の組合せで併用できる。
前記成分(B)として規定される1級、2級もしくは3級の不揮発性水溶性アルカノールアミンとして特に好ましいのは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−メチル−2―アミノ−1−プロパノール、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンなどであり、これらも単独で使用できる他、2種以上を任意の組合せで併用できる。
本発明によれば、上記成分(A),(B),(C),(D)を併用することで、発ガン性に問題のあるニトロソアミンを生成する亜硝酸塩類を使用せず、なおかつ変異原性物質に該当するヘキサメチレンテトラミン等を使用せずとも、JIS−Z−1535に規定される気化性さび止め紙の1種、1級、H形の規格に合格する、即ち速効性の気化性さび止め性、60℃曝露後の気化性さび止め性、接触さび止め性、非鉄金属の防さび性の全てに優れた気化性防錆紙用の防錆剤組成物を提供できる。
本発明では、JIS規格のZ−1535に規定される1種、1級、H形に合格する気化性防錆紙を確保するための要件として、下記成分(A),(B),(C),(D)の4成分を含有させることを必須とする。
成分(A):炭素数6〜12のアルキルモノカルボン酸と、1級もしくは2級の不揮発性水溶性アルカノールアミンとの塩の少なくとも1種、
成分(B):セバシン酸および/またはドデカン二酸と、1級、2級もしくは3級の不揮発性水溶性アルカノールアミンとの塩の少なくとも1種、
成分(C):炭素数6〜12のアルキルモノカルボン酸と、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンおよびモルホリンから選ばれるアミンの少なくとも1種との塩の1種以上、
成分(D)ベンゾトリアゾールおよび/またはメチルベンゾトリアゾール。
これら4成分のうち成分(A)は、60℃曝露後の気化性さび止め性を確保する上で必須の成分であり、JIS規格の60℃、5日間の乾燥機曝露においても塩が強固な結合状態を保って気化し難く、且つJIS規格で定めるさび止め試験の放置条件である20℃、相対湿度90%、20時間でさび止め成分が徐々に気化してさび止め効果を発揮する。こうした作用を有効に発揮させる上で好ましいアルキルモノカルボン酸としては、炭素数6〜12のアルキルモノカルボン酸が選択される。アルキルモノカルボン酸の炭素数を6〜12の範囲と定めたのは、炭素数が6未満では、気化性は良好であるものの防錆力が不十分となり、また12を超えて炭素数が多過ぎると、防錆力は良好であるものの気化性が悪くなるからである。良好な気化性防錆力を得る上でより好ましいアルカノールアミン塩を構成するアルキルモノカルボン酸の炭素数は7以上、11以下である。
該アルキルモノカルボン酸として好ましいのは、天然油脂由来の脂肪酸では、n−カプロン酸、n−ヘプタン酸、n−カプリル酸、n−カプリン酸、n−ラウリン酸などであり、合成脂肪酸では、2−エチルヘキサン酸、n−ノナン酸(通称、ペラルゴン酸)、3,5,5−トリメチルヘキサン酸(通称、イソノナン酸)、2,5−ジメチル−2−エチルヘキサン酸(通称、ネオデカン酸)などが、更に芳香族カルボン酸では、安息香酸、トルイル酸などが例示される。これらは単独で使用し得る他、必要により2種以上を任意の組合せで併用することができる。
また該成分(A)において、上記アルキルモノカルボン酸との塩を構成するアルカノールアミンとしては、不揮発性で且つ水に可溶性のアルカノールアミンが選択される。不揮発性に制限したのは、アルキルモノカルボン酸との塩が60℃の恒温槽曝露において気化しないようにするためであり、また水可溶性に特定したのは、水不溶性のアミンの場合、アルキルモノカルボン酸との塩が水に不溶となり、組成物が分離して安定な塗布ができなくなるからである。こうした要件に合致するアルカノールアミンの中でも特に好ましいのは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2−メチル−2−アミノ−1−プロパノール、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンなどであり、これらは単独で使用できる他、2種以上を任意の組合せで併用することができる。
次に成分(B)は、特に接触さび止め性を高める上で欠くことのできない成分で、水溶性防錆剤として効果のあるセバシン酸および/またはドデカン二酸と、1級、2級もしくは3級の不揮発性水溶性アミンとの塩であり、使用される1級、2級もしくは3級の不揮発性水溶性アルカノールアミンの好ましい具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−メチル−2―アミノ−1−プロパノール、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンなどが例示される。これらも単独で使用し得る他、必要により任意の組合せで2種以上を併用してもかまわない。これらの中でも特に好ましいのはトリエタノールアミンである。
更に成分(C)は、気化性さび止め剤としてJIS規格の気化性さび止め試験の放置条件である20℃、相対湿度90%、1時間でさび止め成分が効率よく気化して速効性の防錆力を与える上で欠くことのできない成分であり、上記成分(A)の一方の成分として例示した炭素数6〜12のアルキルモノカルボン酸と、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンおよびモルホリンから選ばれる1種以上のアミンとの塩が使用される。アルキルモノカルボン酸の炭素数を6〜12の範囲と定めたのは、前記成分(A)の構成成分として定めたアルキルモノカルボン酸の場合と同様に、炭素数が6未満では、気化性は有するものの規格に合致する防錆力が発揮されず、また12を超えて炭素数が多くなり過ぎると気化性が乏しくなり、規格に合格する防錆力が得られなくなるからである。
規格を満足する気化性防錆力を発揮させるには、気化性防錆力を有するアミンであるジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンおよびモルホリンから選ばれるアミンの塩を構成するアルキルモノカルボン酸として炭素数が7以上、11以下のものを使用するのがより好ましい。
該アルキルモノカルボン酸として好ましいのは、前記成分(A)の場合と同様に、天然油脂由来の脂肪酸では、n−カプロン酸、n−ヘプタン酸、n−カプリル酸、n−カプリン酸、n−ラウリン酸などであり、合成脂肪酸では、2−エチルヘキサン酸、n−ノナン酸(通称、ペラルゴン酸)、3,5,5−トリメチルヘキサン酸(通称、イソノナン酸)、2,5−ジメチル−2−エチルヘキサン酸(通称、ネオデカン酸)などが、更に芳香族カルボン酸では、安息香酸、トルイル酸などが例示される。これらも単独で使用し得る他、必要により2種以上を任意の組合せで併用することができる。
更に成分(D)は、非鉄金属、たとえば銅、アルミニウムの防錆能を高める上で必須の成分であり、ベンゾトリアゾールおよび/またはメチルベンゾトリアゾールが選択される。
上記成分(A)〜(D)の配合比率は特に制限されないが、それら4成分の作用をより効果的に発揮させる上では、防錆剤水溶液組成物中に占める固形分比率で成分(A)は3〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%、成分(B)は5〜30%、より好ましくは10〜25質量%、成分(C)は10〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%、成分(D)は0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜3質量%の範囲である。各成分の配合比率が上記好適範囲を外れる場合は、前述した各成分に期待される作用効果が不足気味となったり、或いは多過ぎると他の成分の含有率が相対的に不足気味となって当該成分の効果が不十分になり、全体としてバランスの取れた防錆効果が発揮され難くなる。
なお、これら成分(A),(B),(C),(D)の合計含有量は、混合水溶液としての全固形分含量で40〜80質量%の範囲が好ましい。ちなみに、40質量%未満では十分な効果を与えるため紙への含浸塗布量を多くしなければならず、含浸塗布後の乾燥に要する熱量が増大するばかりでなく長時間かかるため生産性も悪くなる。一方、80質量%を超えて過度に高濃度になると、特に中性紙に対する含浸性が悪くなる。より好ましい濃度は45〜70質量%の範囲である。
本発明の組成物を紙に塗布・含浸して気化性防錆紙を製造する際には、上記成分(A)〜(D)を水に溶解乃至分散させて水性液とし、これを紙、好ましくは中性紙に塗布・含浸させることによって気化性防錆紙とするが、この際の防錆剤組成物の含浸・付着量は、あり姿で5〜40g/m2の範囲にすることが望ましい。ちなみに、含浸付着量が5g/m2未満では防錆効果が不足気味となり、逆に40g/m2を超えて過度に多くなると、防錆過剰となってコスト高になるばかりでなく、紙に含浸して乾燥する際に多量の熱を要すると共に乾燥に長時間を要し、これもコストを高める要因になるからである。より好ましい含浸付着量は10〜30g/m2の範囲である。この際、含浸後の乾燥を効率よく進めるため、揮発性の水溶性有機溶剤を適量配合することも有効である。
本発明の組成物は、上記の様に成分(A)〜(D)からなる4成分を必須的に含有するもので、これら4成分を好ましくは前述した様な含有比率で含有するものであれば、本発明の前記目的は十分に達成されるが、更にこれらに加えて、界面活性作用や接触状態でのさび止め効果の一層の向上を期して、炭素数が14以上のアルキルモノカルボン酸やそのアミン塩、炭素数が6以上のアルキルリン酸エステル、アルケニル琥珀酸、ザルコシン類、脂肪酸のエタノールアミド類、アルキルイミダゾリン類、アルキルイミダゾール類、アルキルアミン類など、或いは更に、気化性のさび止め効果を有する成分として炭素数4以下のアルキルアミン類、接触状態でのさび止めに有効なオルトリン酸や硼酸、紙へ塗布・含浸する際に浸透促進効果を発揮するアニオン活性剤、ノニオン活性剤、両性活性剤、泡立抑制作用を有する消泡剤などを、必要に応じて適量含有させることも可能である。
上記水溶性組成物の含浸基材となる紙の種類にも格別の制限はなく、天然パルプから製造した通常の和紙や洋紙が使用でき、良好な防錆性を得るうえでは酸性紙よりも中性紙の方がより好ましい。また石油から合成されるポリエステル系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリスチレン系フィルム、或いはそれらフィルムに表面塗工層を設けた合成紙などを使用することもできる。その形態もシート状、マット状、繊維状、粉末状、或いはそれらをペレット状、顆粒状、細片状に2次成形した加工紙を使用することも可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
下記表1に示すごとく、脱イオン水44質量部に、成分(A)源としてカプリル酸5質量部とジエタノールアミン3.6質量部を加え、70℃で30分撹拌することによってカプリル酸のジエタノールアミン塩を生成させる。次に成分(B)源として、セバシン酸5質量部とトリエタノールアミン7.4質量部を加え、70℃で30分撹拌することによって、セバシン酸のトリエタノールアミン塩を生成させ、更に成分(C)源としてカプリル酸20質量部とジメチルエタノールアミン14質量部、成分(D)源としてベンゾトリアゾール1質量部を加え、70℃で30分撹拌することにより、カプリル酸のジメチルエタノールアミン塩を生成させ、成分(A),(B),(C),(D)を含む混合水溶液を調製する。
得られた混合水溶液を、No.6のバーコーターを用いて有り姿で20g/m2となる様に坪量60g/m2の中性クラフト紙に塗布し、温風乾燥機により110℃で30秒乾燥することにより気化性防錆紙を作成した。
得られた気化性防錆紙を使用し、JIS−Z−1535に準拠してさび止め紙の1種、1級、H形に該当するか否かの品質試験を行った。品質試験では、ポリエチレン加工紙との共存性(異常のないこと)、非鉄金属との共存性(銅およびアルミニウムの腐食がないこと)、気化性さび止め性(さびのないこと)、60℃恒温槽曝露後の気化性さび止め性(さびのないこと)、接触さび止め性(さびのないこと)を調べた。結果を表2に示す。
実施例2,3
上記実施例1において、成分(A)〜(D)を表1に示すように変更した以外は同様にしてさび止め紙の作成と品質試験を行い、結果を表1に併記した。
比較例1
前記実施例1において、表1に示す如く成分(A)を使用しなかった以外は同様にしてさび止め紙を作成すると共に、同様にして性能試験を行い、結果を表2に示した。
比較例2
前記実施例1において、表1に示す如く成分(B)を使用しなかった以外は同様にしてさび止め紙を作成すると共に、同様の方法で性能試験を行い、結果を表2に示した。
比較例3
前記実施例1において、表1に示す如く成分(C)を使用しなかった以外は同様にしてさび止め紙を作成すると共に、同様の方法で性能試験を行い、結果を表2に示した。
比較例4
前記実施例1において、表1に示す如く成分(D)を使用しなかった以外は同様にしてさび止め紙を作成すると共に、同様の方法で性能試験を行い、結果を表2に示した。
従来例1
従来品として、亜硝酸塩系の市販の気化性防錆紙に使用されている気化性防錆紙用防錆剤(キレスト社製、商品名「キレスコート2A」)を使用し、同様に気化性防錆紙を作成して性能を評価した。結果を表2に示す。
従来例2
従来品として、ヘキサメチレンテトラミンを用いた市販の気化性防錆紙に使用されている気化性防錆紙用防錆剤(キレスト社製、商品名「キレスコートBT」)を使用し、同様に気化性防錆紙を作成して性能を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2006045643
Figure 2006045643
表1,2からも明らかな様に、実施例1,2,3は本発明の規定要件を満たす実施例であり、JIS−Z−1535の1種、1級、H形に該当する全ての品質試験で良好な結果が得られている。これらに対し、成分(A)〜(D)の何れかを欠く比較例1〜4では、何れか1つの品質規格に合致せず、本発明の目的を達成できていない。また、市販のニトロソアミンを生成する可能性のある亜硝酸塩系防錆紙や、変異原生物質であるヘキサメチレンテトラミンを用いた非亜硝酸塩系の市販の防錆紙では、JIS−Z−1535の1種、1級、H形に合格する優れた気化性防錆効果を有しているが、発ガン性の観点から実用にそぐわない。

Claims (4)

  1. 下記成分(A),(B),(C),(D)を含有することを特徴とする気化性防錆紙用防錆剤組成物。
    (A):炭素数6〜12のアルキルモノカルボン酸と、1級もしくは2級の不揮発性水溶性アルカノールアミンとの塩の少なくとも1種、
    (B):セバシン酸および/またはドデカン二酸と、1級、2級もしくは3級の不揮発性水溶性アルカノールアミンとの塩の少なくとも1種、
    (C):炭素数6〜12のアルキルモノカルボン酸と、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンまたはモルホリンから選ばれる少なくとも1種のアミンとの塩、
    (D)ベンゾトリアゾールおよび/またはメチルベンゾトリアゾール。
  2. 前記成分(A)および(C)として規定される炭素数6〜12のアルキルモノカルボン酸が、同一もしくは異なって、n−カプロン酸、n−ヘプタン酸、n−カプリル酸、n−カプリン酸、n−ラウリン酸、2−エチルヘキサン酸、n−ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、2,5−ジメチル−2−エチルヘキサン酸、安息香酸、トルイル酸から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の気化性防錆紙用防錆剤組成物。
  3. 前記成分(A)として規定される1級もしくは2級の不揮発性水溶性アルカノールアミンが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2−メチル−2−アミノ−1−プロパノール、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンから選ばれる少なくとも1種である請求項1または2記載の気化性防錆紙用防錆剤組成物。
  4. 前記成分(B)として規定される1級、2級もしくは3級の不揮発性水溶性アルカノールアミンが、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−メチル−2−アミノ−1−プロパノール、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンから選ばれる少なくとも1種のアルカノールアミンである請求項1〜3のいずれかに記載の気化性防錆紙用防錆剤組成物。
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