JP5094292B2 - エアーポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、封止容器内の空気を吸排気するエアーポンプに関するものである。
本発明のエアーポンプの従来技術としては、特開2003−286963号(特許文献1)が挙げられる。
特許文献1に示すエアーポンプは、駆動源に電動機を使用し、電動機の出力軸に装着された円筒状のカムが回転すると、カム外周筒とこれに固定されたダイヤフラムが上下動する構造になっており、ダイヤフラムで形成されるポンプ室内の空気圧を変化させ、ポンプ室上部に装着した2個の逆止弁の開閉で吸排気を繰返すもので、エアーポンプの一つの形態を示している。
特開2003−286963号公報
上記従来のエアーポンプは、電動機,カム部、及びダイヤフラムで形成されるポンプ室が直列に配置されているため全体が長くなり、また、製品組付け時の固定足の位置、及び形状などを考慮すると全体の形状バランスがとれず、振動及び振動による騒音の面で不利である。
また、市販されている小形のエアーポンプの大半は、電動機とダイヤフラムで形成されるポンプ室は直交した形になっているが、構成部品を取付けるベースは樹脂成形品のため、全体の強度確保、及び環境雰囲気内での変形等を含めた精度確保が難しい。しかも、小形のエアーポンプのポンプ部外郭は樹脂製が多く、これを取付けるベースが樹脂成形品の場合は、夫々の材質自体の持つ固有の振動周波数が近いため振動しやすく、場合によっては共振して振動が大きくなってしまう虞がある。
電動機の出力軸に固定される偏芯カムは一般的に、黄銅材の切削加工品や亜鉛ダイキャスト品を使用しており、一般的に基本形状は丸棒状になっており、一端には前記電動機の出力軸を圧入する軸穴を有し、他端にはボールベアリングを圧入する受軸を有している。前記軸穴と受軸は同軸でなく一定量ずれており、このずれ量でダイヤフラムの振幅の大きさが決まる。
前記形状の偏芯カムで受軸にボールベアリングを圧入し、ボールベアリング外径部に可動アームを圧入し電動機を回転させた時、可動アームに固定されているダイヤフラムは振幅し、ダイヤフラムで形成されるポンプ室内の空気を吸排気する。
ポンプ室内の空気を吸排気する場合、加圧してポンプ室から空気を吐出す(排気)時にポンプ室内の圧縮される空気によってダイヤフラムは押される方向に力を受ける。また、ポンプ室内を負圧になるようにして空気を吸引する時にポンプ室内の減圧された空気によってダイヤフラムが空気に引っ張られる方向に力を受ける。いずれの場合も吸排気時にダイヤフラムは力を受けることになり、この力が断続的に電動機の出力軸及びダイヤフラム外周が取付けられたダイヤフラムケース等に伝わるため、大きな振動を発生させる原因となっている。
この振動は製品にエアーポンプが組付けられた運転時に拡大されるとともに聴覚で判る振動音となり、製品の品質を損ねることになる。
この振動を緩和するため、ダイヤフラムから受ける力を相殺するために、バランスをとる必要がある。一般的には、上記説明した偏芯カムの軸穴を、外径中心からずらし偏荷重とし、偏芯カム自体の重量で相殺してバランスをとる方法を選択している。
以上の機能をもった偏芯カムは、形状が複雑になり、機械加工が非常に難しい。このため、加工時間を多く必要とし、極端に高価な部品となってしまう可能性が大きい。
エアーポンプの場合、公知例のエアーポンプに限らず、騒音が問題となる。
ダイヤフラムを高速で振幅させ、これに呼応して逆止弁も開閉動作を繰返すため、ポンプ室内の空気圧が脈動し、この脈動はダイヤフラムの膜部で振動音が発生し、排気口側の逆止弁部で空気の流出音を発生させることになる。
公知例では改善策が記載されていないが、市販されているエアーポンプなどは騒音が外部に漏れないように、全体を枠体で覆い封止している。この場合、騒音を遮断する効果は得られるが全体が大きくなってしまう。したがって、小形の製品に組み込むことが出来なくなる。
公知例を含み、市販されている殆どのエアーポンプは吸排気の空気圧を検知するスイッチが搭載されていないのが実情で、ポンプに取り付ける封止容器内の空気圧を調整することはできず、使い勝手が良くない。
また、吸排気の空気圧を検知するスイッチを搭載し、別に設ける封止容器内の空気圧を調整する際、スイッチを操作するのは脈動する空気圧である。スイッチの接点が動作する直前は接点の接触が微妙になる。このときに空気圧が脈動していると、接点のチャタリング現象が発生し、スイッチの耐久性、及び検知精度に大きく影響してしまう。
本発明は、振動の軽減、音の低減、若しくは吸排気の空気圧を検知する検知スイッチの接点のチャタリング防止、を実現したエアーポンプを提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するため、電動機と、該電動機の出力軸の回転によって振幅するダイヤフラム(A)と、を備えたエアーポンプにおいて、前記ダイヤフラム(A)で形成したポンプ室と、該ポンプ室の上部に設けられた吸気口と、該吸気口と連通して前記ポンプ室に至る空気室である下室と、該下室の上部に該下室と分離して設けられて空気圧を検知する検知スイッチを操作するための上室と、前記上室及び前記下室と食品を貯蔵する貯蔵室とをそれぞれ連結するノズルと、を備え、前記電動機及び前記ポンプ室は、前記電動機の出力軸と前記ポンプ室から前記吸気口への方向とが直交するように金属製でクランク形状の固定ベースに配置され、前記検知スイッチは前記貯蔵室内を減圧して該貯蔵室内の圧力が一定量下がった時に検知するエアーポンプとした。また、前記ダイヤフラム(A)は、電動機の出力軸に取付けられた偏芯カムの回転により振幅し、前記ポンプ室内の空気を吸排気するエアーポンプとした。
本発明の好ましい構成例は、次のとおりである。
(1)ダイヤフラム(A)の膜部には、リング状の肉厚部が設けられ、空気の圧力変動で生ずる膜の振動を、慣性質量の大きな肉厚部で抑える構成とする。
(2)偏芯カムは樹脂成形品で外周に円筒状の開口穴を有しており、この開口穴には任意の重さのバランサー(錘)が取り付けられるようにする。バランサーは、例えばステンレス鋼の引抜き材などで、端面を機械加工することで簡単に任意の長さにできる。
(3)ポンプ室の上面には吸排気口を設けられ、個別に逆止弁を取り付け、排気側の逆止弁の上部には吐出口を有するダンパー室を設け、前記逆止弁の上面には通気性のあるフィルターを設ける。
(4)吸気口側の逆止弁の上部には空気室を形成し、空気室の圧力変動で可動するダイヤフラム(B)を設け、このダイヤフラムで検知スイッチを操作できるようにしている。
(5)空気室には連通するノズルが設けられ、ノズル外周には太いチューブが挿入され、別に設ける封止容器と連結し、ノズルの内径部は前記空気室を含め2分割され、一方は検知スイッチを操作する上室となり、他方は下室となり吸気口を介してポンプ室に至る。前記上室と繋がるノズルの先端には細いチューブが挿入され、前記太いチューブを貫通して、先端は前記封止容器内に突出している。すなわち、封止容器である貯蔵室とノズルはチューブで接続して、前記ノズルの内径部を分割し、該内径部の分割した一方は上室に他方は下室に連通し、前記上室側の前記ノズルの先端部は、前記チューブの内径部を貫通して前記封止容器内に突出させる。


本発明によれば、以下の効果が得られる。
金属製のクランク形状の固定ベースを使用することで、簡単な形状で構成部品をコンパクトに纏めることができる。また、金属製であることから全体の剛性が確保でき、環境雰囲気での温度による寸法変化も小さく精度が確保できる。更に、製品への組付け用の固定足も簡単に形成できる。ポンプ部外郭が樹脂製の場合は、夫々の材質自体の持つ固有の振動周波数が異なるため振動を吸収若しくは相殺し易く、振動を小さくできる。
回転する偏芯カムに円筒状の開口穴を設け、この開口部にバランサー(錘)を挿入する構造とすることで、バランサーは任意の大きさ(長さ・重量)に加工でき簡単に回転バランスを取ることができる。また、バランサーは偏芯カムと別体で設けるため、加工が容易で安価な部品とすることができる。
偏芯カムを樹脂成形品にすることで、電動機の出力軸の挿入穴、及び、ボールベアリングを挿入する受軸、更には前記円筒状の開口穴などの形状を容易に形成でき、安価な部品とすることができる。
ダイヤフラムの膜部にリング状の肉厚部を設けることで、膜部全体の面積を減らすと共に振動・共振をリング状の肉厚部の剛性及び大きな慣性質量によって、ダイヤフラムが振幅変異するためのしなやかな弾性を確保しつつ、空気の脈動を受けてもダイヤフラムの異常振動を抑えることができ、膜部の振動によって発生する振動音を軽減することができる。
排気口側、逆止弁の上部にダンパー室を設け、内部に通気性のあるフィルターを具備させることで、フィルターがダンパー室内空間での共鳴を防ぐと共に空気流通の抵抗になる。これによって、排気時の空気の脈動を緩衝して逆止弁から発生する振動音を軽減することができる。
空気室とこれに連通するノズル内径部を2分割し、検知スイッチを操作する側の室と別に設ける封止容器とを連通させることで、検知スイッチを操作する空気圧は、一旦、前記封止容器内を介して供給されることになり、空気の脈動は封止容器内の大きな空間容積によって緩衝され、検知スイッチの接点のチャタリングを防止することができる。
本発明の実施例について、全体の構成を図1〜図19により説明する。
固定ベース1は板厚2mm程度の金属(鋼・真鍮など)でクランク形状に形成され、電動機2、及びポンプ室10が直交する形で配置され、前記電動機の出力軸は偏芯カム3の軸穴3aに圧入されている。また、固定ベース1には通し穴1bが設けられ、穴の大きさは組立性を考慮し、前記偏芯カム3の最大外径より大きくなっている。上記固定ベース1を鋼・真鍮などの金属としたが、ポンプ室10の大きさ・吸排気能力によって固定ベース1の要求される剛性に応じた材質を選択すれば良い。例えば、水分により腐食の可能性の高い環境に用いる場合は、要求される剛性等にも対応した真鍮、すなわち銅に対する亜鉛の含有率を選択することで適切な材質の真鍮を選択する。鋼の場合は、炭素を含む量が何%かを選択することによって、必要な剛性や他の特性を含めて選択できる。
偏芯カム3の一端には受軸3bがありボールベアリング5の内径が圧入され、ボールベアリング5の外径には可動アーム6の受穴6bが圧入され、圧入部が抜けないように前記受軸3bの端面部を螺子で抑えられている。
可動アーム6には切溝6dが設けられ、ボールベアリング5の外周に圧入する際、組立性を考慮し、手で挿入できるように弾性を有している。また、前記可動アーム6の一端には受座面6aがあり、この面と固定片8でダイヤフラム(A)7は挟持され螺子で固定されている。挟持された時のダイヤフラム(A)7の撓み量は前記可動アーム6の受面6cと固定片8の当接面8aで規制されている。
ダイヤフラム(A)7は外周部に封止リブ7cを有し、ダイヤフラムケース9の固定溝(A)9fと前記固定ベース1で空気が洩れないように一定量撓んだ形で挟持され、3本の螺子で固定されている。また、ダイヤフラム(A)7の膜部7aには変肉のリング状の肉厚部7bが形成され、脈動する空気圧を受けても膜部7aはリング状の肉厚部7bの剛性及び慣性質量で振動が抑えられ、膜部7aの振動音が低減される形になっている。
ダイヤフラムケース9とダイヤフラム(A)7との間にはポンプ室10が形成され、ダイヤフラムケース9はダボ9cにより、前記固定ベース1の基準穴1aに位置決め固定されている。
ダイヤフラムケース9はポンプ室を構成する重要部品で、上部に吸気口9aと排気口9bを有し、それぞれに取付け穴9cと複数個のエアー通過孔9dが設けられている。前記取付け穴9cには傘状の逆止弁11,12取り付けられ、空気の流れを制御している。
ダイヤフラムケース9の上部には、ノズルベース14が2本の螺子で固定されている。
ノズルベース14にはダイヤフラムケース9の排気口9bに相対して、ダンパー室14cが設けられ、ダンパー室14cの上面には空気を排出する吐出孔14dがあり、また、内部にクッション性があり、通気性のあるフィルター13が前記逆止弁12を微小に押圧するように収納されている。
ノズルベース14の中央部には前記ダイヤフラムケース9の吸気口9aと連通する空気室14fが、また、外周部にはノズル部14aを有し、ノズル外径部には太いチューブ23が挿入され、別に設けた封止容器25と通気可能になるように接続されている。
空気室14fは前記ノズル部14aの内径を含み分割され、上室14gと下室14hとに分離され、上室14gと開口座面14eは連通した形となっている。また、前記上室14gのノズル先端部には小径ノズル部14bが設けられている。
小径ノズル部14bの内径には細いチューブ21が挿入され、細いチューブ21は前記太いチューブ23を貫通し、先端部は前記封止容器25の内部に突出し、封止容器25の内部と前記上室14fとが連通する形となっている。また、細いチューブ21は小径ノズル部14bの外径間で固定チューブ22により抜けないように固定されている。
固定チューブ22は熱収縮チューブを使用している。
開口座面14eにはダイヤフラム(B)16が当接し、ダイヤフラム(B)16の封止リブ(B)16bはスイッチケース15の固定溝(B)15aと前記開口座面14eとに挟持され、嵌合爪(B)15cで固定されている。このことで、前記上室14gはダイヤフラム(B)16により封止された形となり、上室14gの空気圧の変動でダイヤフラム(B)16は上下に移動することになる。
ダイヤフラム(B)16の一面には突起部16aがあり、発条受17が挿入嵌合され、この発条受17で前記上室14g内に設けられたセット発条18の一端を受けている。
スイッチケース15の上部には検知スイッチ19とスイッチカバー20が搭載され、検知スイッチ19を挟持した形で嵌合爪(A)15bと嵌合段差20aの嵌合で固定されている。
検知スイッチ19の操作ボタン19aは前記ダイヤフラム(B)16の凹面16cに当接し、ダイヤフラム(B)16の上下動により、接点の開閉を行う。接点の開閉のタイミングは前記上室14g内の空気圧と前記セット発条18の強さによって決まる。
検知スイッチ19の端子部19bにはリード線が接続され、接点の開閉の信号は制御マイコンに取込まれるようになっている。
保護カバー24は検査時に指などが回転部に触れないように保護するもので前記固定ベース1に螺子で固定されている。
次にエアーポンプ、得に負圧ポンプの動作について説明する。
電動機2の回転は偏芯カム3を介して、可動アーム6とダイヤフラム(A)7を振幅させる。ダイヤフラム(A)7が振幅することで、ポンプ室10内の空気圧は変化し、吸気口9aから空気を吸入し、排気口9bから排気する。この時、逆止弁11、12は適宜開閉を繰返し、一定方向の空気の流れを作る。空気の流れる方向は前記逆止弁11、12の取付け方向により決定され、逆止弁の取付け方向により、加圧ポンプか負圧ポンプかに区別される。
ダイヤフラムケース9の中央が吸気口9aとなり、ポンプ室10内の空気が圧縮された時、吸気口9aの逆止弁11は空気が漏れない方向で取付けられ、排気口9b側は空気を排出する方向で組付けることになる。加圧ポンプの場合はこれの逆になる。
ダイヤフラム(A)7が振幅することで、別に設けた封止容器25内の空気は太いチューブ23を介して吸引される。同時に細いチューブ21と連通した上室14g内の空気も前記封止容器25を介して吸引される。
検知スイッチ19は前記封止容器25内の空気圧、すなわち、上室14g内の空気圧で、ダイヤフラム(B)16がセット発条18に抗して一定量下がった時に動作するため、セット発条18の発条力を変えることで、封止容器25内の空気圧を任意に設定することができる。但し、加圧ポンプの場合は、検知スイッチ19の操作ボタン19aの押力で検知する空気圧を規定することになり、セット発条18は不要となる。
検知スイッチ19が動作する瞬間は検知空気圧と操作ボタン19aの合成力とセット発条18の抗力とのバランスが微妙なところにあり、この時にダイヤフラムの振幅で空気圧が脈動すると、検知スイッチ19の接点がチャタリング現象を起こす。
チャタリングは接点の耐久性、及びマイコンの信号処理などを考慮すると好ましくない。
この現象を解消するため空気室14fを2分割し、上室14gと下室14hとに分離させ、上室14gと封止容器25とを連通させることで、ポンプ室で発生する空気圧の脈動を前記封止容器25内で緩和し、直接検知スイッチ19を操作する上室14g内の空気の脈動を軽減し、接点のチャタリング現象を防止する。
接点のチャタリング現象を防止するためには、上室14gと前記封止容器25内部とを連通させるのがポイントで、本発明のようにノズル部14aと前記封止容器25とを細いチューブ21と太いチューブ23で接続する方法があるが、他にもノズル部14aを延長し直接前記封止容器25内に接続する方法も考えられる。
ダイヤフラム(A)7を振幅させ、空気を吸気口9aから吸気し排気口9bから排気する際、ポンプ室10内の空気は脈動しており、これに触れるダイヤフラムの膜部7a、及び排気口9bの逆止弁12は振動し大きな振動音が発生する。
振動音を考慮し、ダイヤフラム(A)7の膜部7aには偏肉のリング状の肉厚部7bを設け、また、排気口9bの逆止弁12の上部にはダンパー室14cを設け、ダンパー室14の内部に前記逆止弁12の接触面を微少に押圧すようにフィルター13を設けている。
尚、ダイヤフラム(A)7の振動音低減は膜部7aの面積を極力小さく、かつ、厚くし振動を抑える方法も考えられるが、ダイヤフラム(A)7の振幅時に膜部を引き伸ばす必要な力が大きくなってしまい、電動機への負荷、屈曲耐久性などから好ましくない。
次に、本発明の一実施形態のエアーポンプを有する冷蔵庫について、図を用いて説明する。
まず、図20から図22を参照しながら冷蔵庫全体に関して説明する。図20は本実施形態の冷蔵庫の正面図、図21は図20の冷蔵庫の中央縦断面図、図22は図20の冷蔵庫本体の正面図である。
冷蔵庫は、冷蔵庫本体101及び扉106〜110を備えて構成されている。冷蔵庫本体101は、鋼板製の外箱111と樹脂製の内箱112との間にウレタン発泡断熱材113及び真空断熱材(図示せず)を有して構成され、上から冷蔵室102,冷凍室103,104,野菜室105の順に複数の貯蔵室を有している。換言すれば、最上段に冷蔵室102が、最下段に野菜室105が、それぞれ区画して配置されており、冷蔵室102と野菜室105との間には、これらの両室と断熱的に仕切られた冷凍室103,104が配設されている。冷蔵室102及び野菜室105は冷蔵温度帯の貯蔵室であり、冷凍室103,104は、0℃以下の冷凍温度帯(例えば、約−20℃〜−18℃の温度帯)の貯蔵室である。なお、冷凍室103は製氷室103aと急冷凍室103bとに区画されている。これらの貯蔵室102〜105は仕切り壁133,134,135により区画されている。
冷蔵庫本体101の前面には、貯蔵室102〜105の前面開口部を閉塞する扉106〜110が設けられている。冷蔵室扉106は冷蔵室102の前面開口部を閉塞する扉、製氷室扉107は製氷室103aの前面開口部を閉塞する扉、急冷凍室扉108は急冷凍室103bの前面開口部を閉塞する扉、冷凍室扉109は冷凍室104の前面開口部を閉塞する扉、野菜室扉110は野菜室105の前面開口部を閉塞する扉である。冷蔵室扉106は観音開き式の両開きの扉で構成され、製氷室103a,急冷凍室103b,冷凍室104,野菜室105は、引き出し式の扉によって構成され、引き出し扉とともに貯蔵室内の容器が引き出される。
冷蔵庫本体101には、冷凍サイクルが設置されている。この冷凍サイクルは、圧縮機114、凝縮器(図示せず)、キャピラリチューブ(図示せず)及び蒸発器115、そして再び圧縮機114の順に接続して構成されている。圧縮機114及び凝縮器は冷蔵庫本体101の背面下部に設けられた機械室に設置されている。蒸発器115は冷凍室103,104の後方に設けられた冷却器室に設置され、この冷却器室における蒸発器15の上方に送風ファン116が設置されている。
蒸発器115によって冷却された冷気は、送風ファン116によって冷蔵室102,製氷室103a,急冷凍室103b,冷凍室104及び野菜室105の各貯蔵室へと送られる。具体的には、送風ファン116によって送られる冷気は、開閉可能なダンパー装置を介して、その一部が冷蔵室102及び野菜室105の冷蔵温度帯の貯蔵室へと送られ、他の一部が製氷室103a,急冷凍室103b及び冷凍室104の冷凍温度帯の貯蔵室へと送られる。
送風ファン116によって冷蔵室102,製氷室103a,急冷凍室103b,冷凍室104及び野菜室105の各貯蔵室へと送られる冷気は、各貯蔵室を冷却した後、冷気戻り通路を通って冷却器室へと戻される。このように、本実施形態の冷蔵庫は冷気の循環構造を有しており、各貯蔵室102〜105を適切な温度に維持する。
冷蔵室102内には、透明な樹脂板で構成される複数段の棚117〜120が取り外し可能に設置されている。最下段の棚120は、内箱112の背面及び両側面に接するように設置され、その下方空間である最下段空間121を上方空間と区画している。また、各冷蔵室扉106の内側には複数段の扉ポケット125〜127が設置され、これらの扉ポケット125〜127は冷蔵室扉106が閉じられた状態で冷蔵室102内に突出するように設けられている。
次に、図21から図25を参照しながら、冷蔵室102の最下段空間121における機器の配置に関して説明する。図23は図20の冷蔵庫本体の冷蔵室部分の正面図である。図24は図23の冷蔵室の最下段空間部分の平面図である。図25は図23の冷蔵室の最下段空間部分の断面斜視図である。
最下段空間121には、左から順に、製氷室103aの製氷皿に製氷水を供給するための製氷水タンク122,デザートなどの食品を収納するための収納ケース123,室内を減圧して食品の鮮度保持及び長期保存するための室124が設置されている。室124は、減圧手段(エアーポンプ等)によって、大気圧から大気圧よりも低圧にするように構成された貯蔵室をいう。室124は、冷蔵室102の横幅より狭い横幅を有し、冷蔵室102の側面に隣接して配置されている。
このように、室124は、冷蔵庫の冷凍室103,104及び野菜室105の上に配置された冷蔵室102の最下段空間121に配置されているので、使い勝手が良好である。
製氷水タンク122及び収納ケース123は左側の冷蔵室扉106の後方に配置されている。これによって、左側の冷蔵室扉106を開くのみで、製氷水タンク122及び収納ケース123を引き出すことができる。また、室124は右側の冷蔵室扉106の後方に配置されている。これによって、右側の冷蔵室扉106を開くのみで、室124の食品トレイ160(図25参照)を引き出すことができる。なお、製氷水タンク122及び収納ケース123は左側の冷蔵室扉106の最下段の扉ポケット127の後方に位置することとなり、室124は右側の冷蔵室扉106の最下段の扉ポケット127の後方に位置することとなる。
製氷水タンク122の後方には、図24及び図25に示すように、製氷水ポンプ128が設置されている。収納ケース123の後方で且つ室124の後部側方の空間には、図24及び図25に示すように、室124を減圧するための減圧手段の一例であるエアーポンプ129が配置されている。これによって、エアーポンプ129は、室124の側面に設けられたポンプ接続部に導管を容易に接続することができると共に、収納ケース123を取り出すことにより前方から簡単にメンテナンスすることができる。
次に、図25から図28を参照しながら、室124の基本的な構成及びその冷却方法に関して説明する。図25は図23の冷蔵室の最下段空間部分の断面斜視図、図26は図23の冷蔵室の背面パネルの正面図、図27は図23の冷蔵室の室付近の縦断面図、図28は図23の冷蔵室の室の斜視図である。
室124は、食品出し入れ用開口部を有する箱状の室本体140と、室本体140の食品出し入れ用開口部を開閉する室ドア150と、食品を収納して室ドア150に出し入れする食品トレイ160とを備えて構成されている。室本体140で室ドア150の食品出し入れ用開口部42aを閉じることにより、室ドア50と食品トレイ60とで囲まれた空間が減圧される低圧空間141として形成される。食品トレイ160は、室ドア150の背面側に取り付けられ、室ドア150の移動に伴って前後に移動可能である。
室本体140は、耐薬品性、耐衝撃性及び成形性に優れた樹脂製の外郭142と、透明な強化ガラスで構成されたガラス板143(例えば強化ガラス)と、鋼板などの金属製の板状部材144と、樹脂製のドア係合部材148とを備えて構成されている。
外郭142は略直方体の基本形状を有しており、前面に食品出し入れ用開口部142aが形成され、上面にガラス板載置用開口部142bが形成されている。この外郭142を構成する側壁142c,底壁142d及び背壁142eの外面には、外郭142の強度アップを図るために、外郭補強リブ142fが突出して形成されている。
ガラス板143は、ガラス板載置用開口部142bに環状パッキング145を介して気密的に載置され、室本体140の上壁を形成している。このガラス板143は、減圧力によりガラス板載置用開口部142bが内側に変形するのを防止する強度を備える。また、透明なガラス板143を外郭142の上面に設けたことにより、室124内を透視することができる。
板状部材144は、減圧力による外郭142の両側壁142c及び底壁142d及び背壁142eの変形を防止するため、外郭142の両側壁142c,底壁142d及び背壁142eに沿って延びるように、設置されている。
室本体140は、食品出し入れ用開口部142aを前面に形成した箱状の樹脂製外郭142と、外郭142の両側壁142c,底壁142d及び背壁142eに沿って延びる金属製板状部材144を有しているので、外郭142全体を金属板で形成する場合に比較して、安価な構造とすることができる。また、外郭142を樹脂製にできることにより、取り付け構造などを簡略化することができる。
ドア係合部材148は、図28に示すように、食品出し入れ用開口部142aの上面に設置されている。ドア係合部材148は、食品出し入れ用開口部142aの上面に形成された凹部142a1内に収納されるコ字状部148aと、コ字状部148aから前方に延びるドア係合爪部148bとが一体に成形されている。ドア係合爪部148bは、ドアハンドル152の幅と略同じ幅で設けられており、ドアハンドル152の上部と前後位置決め上端部151eの間に係合されている。そして、ドアハンドル152をヒンジ部152aを中心に回転することで係合が外れるように構成されている。
冷蔵室102の背面には、送風ファン116から供給された冷気を通す通路を形成する背面パネル130が設けられている。背面パネル130には、冷蔵室102に冷気を供給する冷蔵室冷却用の冷気吐出口(第1の冷気吐出口)131と、冷蔵室102の最下段空間121に冷気を供給する室124冷却用の冷気吐出口(第2の冷気吐出口)132と、冷気戻り口133とが設けられている。冷気戻り口133は室124の背面後方で冷蔵室102の側面に近い側に位置して設けられている。
冷気吐出口132は室124の上面と棚120の下面との隙間に向けて設けられている。冷気吐出口132から吐出された冷気は、室124の上面と棚120の下面との隙間を冷気通路137として流れ、室124を上面から冷却する。従って室124内を間接冷却する。
ここで、室124を冷蔵室2の右側面に近接して配置して室124の右側の隙間をなくしてあると共に、室124の上面の左端部に図示していない棚(仕切り壁)を設けて室124の左側の隙間をなくしてあるので、冷気吐出口132から吐出された冷気は室124の左右の側方に分流することなく室124の上面を流れる。これによって、室124の上面を冷却する冷気量を増大することができ、室124内を速く冷却することができる。室124の上面を冷却した冷気は、室124の前方から室124の左側面を通って冷気戻り口133に吸い込まれ、冷気戻り通路を通って冷却器室へと戻される。冷気戻り口133は室124の背面後方で冷蔵室102の側面に近い側に位置して設けられているので、冷気は室124の背面及び左側面に接触して冷却する。
このように、室124は冷気が外部を通ることにより間接的に冷却される。なお、冷蔵室102の全体を冷却した冷気も冷気戻り口133へ吸込まれる。
冷気戻り口133は、外郭142の背壁142eに対向する背面パネル130の部分に形成されている。この背壁142eは底壁側が前方になるように傾斜して形成している。これによって、背壁142eと背面パネル130との間に十分な戻り風路を確保できる。また、背面パネル130は背壁142eの傾斜に対応して傾斜して突出する部分を有しており、この部分に冷気戻り口133を形成している。これによって、冷気戻り口133の通風面積を十分に確保できる。
次に、図29を参照しながら、外郭142に関して具体的に説明する。図29は、外郭142を左上方から見た斜視図である。
外郭142は、両側壁142c及び背壁142eに設けた係止用突部142hと、側壁142cに設けたポンプ接続部142i及び圧力スイッチ接続部142jとを有している。
ポンプ接続部142iは、外郭142の内部と外部とを連通する通路を有し、導管129a(図28参照)を介してエアーポンプ129と接続されている。外郭142の内部はポンプ接続部142iを通してエアーポンプ129により減圧される。外郭142の側壁後部にポンプ接続部142iが板状部材144に対向して開口するように設けられている。ポンプ接続部142iと板状部材144との間には空隙を設けられ、外郭142の内部の減圧を容易に行えるようになっている。
圧力スイッチ接続部142jは、外郭142の内部と外部とを連通する通路を有し、圧力スイッチと接続されている。外郭142の内部の圧力は圧力スイッチ接続部142jを通して圧力スイッチにより検出される。
本発明の実施例を示す平面図。 図1のA−A断面図。 本発明の固定ベース1の平面図。 本発明の偏芯カム3の正面図。 図4のB−B断面図。 本発明の可動アーム6正面図。 図6のC−C断面図。 本発明のダイヤフラム(A)7の断面図。 本発明の固定片の断面図。 本発明のダイヤフラムケース9の平面図。 図10のD−D断面図。 本発明のノズルベース14の平面図。 図12のE−E断面図。 本発明のスイッチケース15平面図。 図14のF−F断面図。 本発明のダイヤフラム(B)16断面図。 本発明の検知スイッチ19概略図。 本発明のスイッチカバー20の平面図。 図18のG−G断面図。 本発明の一実施形態の冷蔵庫本体の正面図。 図20の冷蔵庫本体の縦断面図。 図20の冷蔵庫本体の正面図。 図20の冷蔵庫本体の冷蔵室部分の正面図。 図23の冷蔵室の最下段空間部分の平面図。 図23の冷蔵室の最下段空間部分の断面斜視図。 図23の冷蔵室の背面パネルの正面図。 図23の冷蔵室の室付近の縦断面図。 図23の冷蔵室の室の斜視図。 図25の室の外郭の断面斜視図。
符号の説明
1 固定ベース
1a 基準穴
1b 通し穴
2 電動機
3 偏芯カム
3a 軸穴
3b 受軸
3c 開口穴
4 バランサー
5 ボールベアリング
6 可動アーム
6a 受座面
6b 受穴
6c 受面
6d 切溝
7 ダイヤフラム(A)
7a 膜部
7b リング状の肉厚部
7c 封止リブ
8 固定片
8a 当接面
9 ダイヤフラムケース
9a 吸気口
9b 排気口
9c 取付け穴
9d エアー通過孔
9e ダボ
9f 固定溝
10 ポンプ室
11,12 逆止弁
13 フィルター
14 ノズルベース
14a ノズル部
14b 小径ノズル部
14c ダンパー室
14d 吐出口
14e 開口座面
14f 空気室
14g 上室
14h 下室
15 スイッチケース
15a 固定溝(B)
15b 嵌合爪(A)
15c 嵌合爪(B)
16 ダイヤフラム(B)
16a 突起部
16b 封止リブ(B)
16c 凹面
17 発条受
18 セット発条
19 検知スイッチ
19a 操作ボタン
19b 端子部
20 スイッチカバー
20a 嵌合段差
21 細いチューブ
22 固定チューブ
23 太いチューブ
24 保護カバー
25 封止容器

Claims (2)

  1. 電動機と、該電動機の出力軸の回転によって振幅するダイヤフラムと、を備えたエアーポンプにおいて、
    前記ダイヤフラムで形成したポンプ室と、該ポンプ室の上部に設けられた吸気口と、該吸気口と連通して前記ポンプ室に至る空気室である下室と、該下室の上部に該下室と分離して設けられて空気圧を検知する検知スイッチを操作するための上室と、前記上室及び前記下室と食品を貯蔵する貯蔵室とをそれぞれ連結するノズルと、を備え、
    前記電動機及び前記ポンプ室は、前記電動機の出力軸と前記ポンプ室から前記吸気口への方向とが直交するように金属製でクランク形状の固定ベースに配置され、
    前記検知スイッチは前記貯蔵室内を減圧して該貯蔵室内の圧力が一定量下がった時に検知することを特徴とするエアーポンプ。
  2. 請求項1において、封止容器である前記貯蔵室と前記ノズルはチューブで接続して、前記ノズルの内径部を分割し、該内径部の分割した一方は前記上室に他方は前記下室に連通し、前記上室側の前記ノズルの先端部は、前記チューブの内径部を貫通して前記封止容器内に突出させたことを特徴とするエアーポンプ。
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