JP2013088017A - 圧縮機の運転制御装置およびそれを搭載した熱交換機器 - Google Patents

圧縮機の運転制御装置およびそれを搭載した熱交換機器 Download PDF

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Abstract

【課題】冷凍空調装置及び冷蔵庫及び圧縮機において、人を基準とした環境に対して、適切に圧縮機の制御を行うことは困難な課題を有していた。
【解決手段】貯蔵・冷凍空調室15bが配置された箱本体1を有し、密閉容器103内に、電動要素110と電動要素110によって駆動される圧縮要素113を収納した圧縮機11により、貯蔵・冷凍空調室15bの冷却または加温を行う冷蔵庫および冷凍空調室15bであって、冷蔵庫および冷凍空調室15bは、騒音検知装置203と騒音のレベルに呼応した制御を行う騒音駆動制御装置201と、騒音駆動制御装置201の出力に応じて圧縮機11の回転を制御し、人の相対感覚として、圧縮機11が発生する騒音の不快感を排除した制御を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷凍空調装置及び冷蔵庫等の熱交換機器およびこれに搭載される圧縮機の運転制御技術に関する。
近年、この種の冷凍空調装置及び冷蔵庫は、圧縮機、凝縮器、減圧器、蒸発器などを順次連通してなる冷凍サイクルを備え、さらに圧縮機に駆動電力を供給する電源回路、電源制御回路やインバータ回路を備え、その電源制御回路、インバータ回路の出力や、出力周波数を負荷に応じて制御することにより、負荷に対応する最適な能力を得、省エネルギー効果の向上などを図るようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
図11において、冷凍サイクルは、能力可変式の圧縮機501に、凝縮器502、パックドバルブ503、減圧器、例えば膨張弁504、蒸発器505、パックドバルブ506を順次連通した構成となっている。そして、パックドバルブ506と圧縮機501の吸込口との間のサクションラインに圧力センサ507を設けている。また、凝縮器502の近傍には凝縮器用ファン508を設けている。
さらに、圧縮機501は、インバータ回路509を介して商用交流電源510に接続されている。
インバータ回路509は、電源510の電圧を整流し、それを後述する制御部520の指令に応じた所定周波数(および電圧)の交流に変換し、圧縮機501へ駆動電力として供給するものである。
一方、制御部520は、冷凍サイクル装置全般にわたる制御を行なうもので、マイクロコンピュータおよびその周辺回路からなる。
この制御部520に、圧力センサ507、凝縮器用ファン508、インバータ回路509、操作部521、メモリ522、タイマ523を接続する。操作部521は、運転条件設定用の操作スイッチを有するとともに、パターン切換スイッチとしてデイツプスイッチ524を有している。メモリ522は、インバータ回路509の出力周波数の変化速度のパターンを種々にわたって記憶している。
しかして、制御部520は、インバータ回路509の出力周波数を負荷(圧力センサ507の検知圧力PSとそれに対する設定値との差)に応じて制御する機能手段、インバータ回路509の出力周波数fの変化速度のパターンをデイツプスイッチ524の操作に応じて切換える機能手段を備えている。
次に、上記構成の動作について説明する。
操作部521で運転開始操作を行なうと、制御部520がインバータ回路509を駆動し、圧縮機501を起動する。圧縮機501が起動すると、その圧縮機501から冷媒が吐出され、それが図示実線矢印の方向に流れる。つまり、運転の開始となる。
そして、制御部520に入力される温度センサー(図示せず)などの温度情報、圧力情報により、圧縮機501の運転を制御する動作を制御部520が担っている。制御情報は、メモリ522に記憶された情報を用いることで、より適切な圧縮機501の回転数制御
、運転制御を行う構成である。
特開平2−93237号公報
しかしながら、上記従来の構成では、冷凍空調装置及び冷蔵庫及び圧縮機における圧縮機501の制御は各種可能であっても、人を基準とした環境に対して、適切に制御を行うことは困難な課題がある。また、圧縮機501の不具合等に対して、速やかに制御を行うことも困難な課題がある。即ち、検知の方策として、不十分である課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、人および居住空間等の環境を向上し、また、省エネ化をはかることを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、人や周りの環境、および、圧縮機自体が発生する騒音による検知を行うことで、圧縮機および圧縮機を搭載した機器の制御を、実際の環境に対応した適正な制御とするものである。
本発明は、圧縮機および圧縮機を搭載した機器の運転制御を、実際の環境に対応した適正な制御とすることにより、騒音等の人を基準とした周りの環境を向上することができ、さらに、適切に圧縮機を制御することで、人の環境に優しい、省エネルギーかつ異常の検出、対応が容易な信頼性の高い冷凍空調装置及び冷蔵庫及び圧縮機を得ることができる。
本発明の実施の形態1における冷蔵庫の概略断面図 同実施の形態1における冷蔵庫の概略背面図 同実施の形態1における冷蔵庫の概略部品展開図 同実施の形態1における冷蔵庫の圧縮機の縦断面図 同実施の形態1における冷蔵庫の冷凍サイクル模式図 同実施の形態1における制御回路の模式図 同実施の形態1における冷蔵庫の動作アルゴリズム説明図 同実施の形態1における冷蔵庫の騒音検知装置の模式図 同実施の形態1における冷蔵庫の騒音検知装置の別仕様の模式図 同実施の形態1における冷蔵庫の騒音検知装置のさらに別仕様の模式図 従来の冷凍空調装置及び冷蔵庫及び圧縮機の構成図
請求項1に記載の発明は、騒音検知装置を備える熱交換空間と、前記熱交換空間を冷却あるいは加温する熱交換器と共に冷凍サイクルを構成する圧縮機と、前記騒音検知装置によって検知された騒音のレベルに対応した信号を出力する騒音駆動制御装置と、前記騒音駆動制御装置の出力に応じて前記圧縮機の回転を制御するものである。
かかる構成とすることにより、騒音検知装置は、熱交換空間の外部、内部の騒音環境を検知して騒音のレベルを検知し、それらを特定の周波数等の略分類により、その騒音レベルに対応した制御信号を出力し、圧縮機の運転の停止・休止、あるいは、インバータを用いた回転数制御が可能な圧縮機においては、回転数を制御することができる。より具体的
には、例えば、ある一定の騒音閾値レベルとなり、その騒音閾値が、圧縮機の異常を示したり、あるいは、熱交換空間の周りが静かな環境である場合は、圧縮機を一時的に休止したり、回転数を低下させて圧縮機の発生騒音を低下させたりすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記騒音検知装置を、簡易なマイクとしたものである。
かかる構成とすることにより、騒音検知装置を、簡易なマイクにして、材料、コスト、取り付けの柔軟性等の生産性を確保することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記マイクを、コイルと振動板によって電流を出力する構成としたものである。
かかる構成とすることにより、マイクの構成は、振動板とコイルであり、材料も少なく、取り付けも容易であり、安価かつ、生産性が高く、また、取り付け場所の制約も緩和される。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記マイクを、コンデンサーもしくは圧電素子を用いて電流を出力する構成としたものである。
かかる構成とすることにより、マイクの構成は、コンデンサー、もしくは、圧電素子であるので、音波の周波数を圧縮機の直接振動などの検出も含めて、より選択的に検出することが可能となる。また、圧電素子の場合は、歪量を検出するので、圧縮機の密閉容器などの直接検出もできることとなる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、前記騒音駆動制御装置を、夜間等の騒音検知がない場合に、前記圧縮機の出力を低下させるかもしくは停止し、騒音レベルが高い場合は、運転出力を増加させるようにしたものである。
かかる構成とすることにより、夜間などの騒音検知がない場合には、圧縮機の出力を低下することで、実際のエネルギー量を少なくすることが可能である。これにより、人の居住空間等における騒音・振動環境の良化を図ることが可能となる。また、省エネルギーの観点から、人がいない場合には、その出力を低下させる制御を行うことが可能となり、エネルギーの低減に寄与することが可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、前記熱交換空間の周囲あるいは内部の照度を検知する照度検知装置を設け、前記照度検知装置の信号と前記騒音検知装置の信号により前記圧縮機の運転を制御するようにしたものである。
かかる構成とすることにより、熱交換空間の周囲環境あるいは内部の照度を検知することで、周りの昼夜、および、人の存在等を間接的に検知し、また、実質的な環境を判断する情報を、騒音検知装置との連動により得られる情報と複合することで、環境の種別、分離、判断の精度を向上することが可能となる。これにより、制御精度をさらに向上し、制御のバリエーションを増加させてよりきめの細かい制御を可能とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、電波や自己発振による標準時検知装置を有し、前記標準時検知装置の信号と前記騒音検知装置の信号により、前記圧縮機の運転を制御するようにしたものである。
かかる構成とすることにより、標準時検知装置は、絶対的日時、曜日、時間を判断することが可能であるので、夜間の判断、曜日や特定の日時の判断が可能となる。このことは、騒音検知装置との連動により、騒音検知レベルが低くとも、必要な日時、時間に圧縮機を可動させたり、逆に騒音検知レベルが高くとも、特定の日時、時間に圧縮機の可動を止めたりすることができる。その結果、絶対日時、時間と実環境状態の複合検知における適切制御をよりきめ細かく行うことができる。これにより、騒音・振動の最適環境の実現、省エネルギー化のさらなる向上を図ることが可能となる。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明において、前記圧縮機を、周波数により回転数が可変する構成とし、前記騒音駆動制御装置の回転数出力信号によって回転数を制御するようにしたものである。
かかる構成とすることにより、圧縮機の回転数を変化させることができるので、圧縮機の起動・停止のみならず、より細かい制御を行うことが可能となる。これにより、熱交換空間の環境を、その本来の目的である温度、湿度等の環境管理とともに、騒音・振動等の環境を良化・管理することができる。さらに、圧縮機そのものの駆動制御により、例えば、圧縮機が高負荷で運転されることが好ましくない検出結果を騒音検知装置が得た場合に、回転数の低下を図ることで、その信頼性を向上させることを行う等のよりきめの細かい制御の実現をはかることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記騒音検知装置を、前記圧縮機の騒音を直接検知するようにしたものである。
かかる構成とすることにより、圧縮機の騒音を直接検知する手段として、騒音検知装置を用い、騒音駆動制御装置により、その発生騒音・あるいは音波振動を分類すれば、例えば、圧縮機自体が、異常や好ましくない過負荷状態にあることを分類検出することが可能である。より具体的には、例えば、機械・摺動系が好まざる過負荷にある場合、高周波域の特定音が密閉容器を介して騒音・音波・振動放射されること等があげられ、これらの騒音・音波・振動を検知した場合に、圧縮機を休止したり、回転数を低下させたりする制御を行うことで、圧縮機自体の信頼性を大幅に向上したり、異常な状況の回避を行うことが可能となる。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記騒音検知装置を、直接前記圧縮機の密閉容器の一部に直接または近接して設置したものである。
かかる構成とすることにより、前記圧縮機の異常および特性の条件検知の精度を向上し、請求項9に記載した効果をより確実に行うことができる。
請求項11に記載の発明は、前記熱交換空間を物品貯蔵空間とする冷蔵庫の冷凍サイクル、あるいは前記熱交換空間を居住空間とする空調機器の冷凍サイクルに、請求項1から10のいずれか一項に記載の圧縮機の運転制御装置を搭載したものである。
かかることにより、冷蔵庫、空調機器の周囲の環境に応じて圧縮機の運転を制御することができ、静寂な環境形成、あるいは過剰な圧縮機の運転の抑制が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の概略断面図、図2は、同実施の形態1における冷蔵庫の概略背面図、図3は、同実施の形態1における冷蔵庫の概略部品展開図、図4は、同実施の形態1における冷蔵庫の圧縮機の縦断面図、図5は、同実施の形態1における冷蔵庫の冷凍サイクル模式図、図6は、同実施の形態1における冷蔵庫の制御回路の模式図、図7は、同実施の形態1における冷蔵庫の動作アルゴリズム説明図、図8は、同実施の形態1における騒音検知装置の模式図、図9は、同実施の形態1における騒音検知装置の別仕様の模式図、図10は、同実施の形態1における騒音検知装置のさらに別仕様の模式図である。
図1から図3において、冷蔵庫の箱本体1は、上から冷蔵室2、野菜室3、冷凍室4という配置構成となっている。そして、冷蔵室2は、冷蔵室回転扉5を有し、野菜室3は、野菜室引出扉6、冷凍室4は、冷凍室引出扉7を有している。
庫内ファン8と蒸発器9等からなる冷却ユニット10は、最下段の貯蔵・冷凍空調室として収納部を形成する冷凍室4の開口部の高さ寸法と概ね同じ高さで冷凍室4の背面後部に設置し、圧縮機11を、使い勝手の良くない冷蔵庫の箱本体1の天面11aと背面11bに亘って冷蔵室2側に凹ませた凹部27に設置している。
冷蔵室2には、食品等を収納するための棚12bが複数個設けられており、最上段の棚12bで区画された最上段収納スペース29aと第2段収納スペース30aにかけては、箱本体1の背面上部に設けた凹部27が、凸部30bとして出張っている。
このような構成において、圧縮機11の天面11aへの移動に伴い、圧縮機11の収納体積分だけ冷凍室4及び野菜室3の高さが低くなるので、冷蔵室2と野菜室3を区画する区画壁の位置を下方に下げることが出来、野菜室3内の収納物の取り出しが容易となる。箱本体1は、ABS等の樹脂体を真空成形した内箱13とプリコート鋼板等の金属材料を用いた外箱14とで構成された空間に発泡充填する断熱体15を注入してなる断熱壁を備えている。断熱体15は、例えば硬質ウレタンフォームやフェノールフォームやスチレンフォーム等が用いられる。また、発泡材としては、ハイドロカーボン系のシクロペンタンを用いると、温暖化防止の観点でさらに良い。
箱本体1は、複数の断熱空間に区分されており、前面には、扉15aが設けられている。扉15aは、上部を回転扉式、下部を引出式とする構成をとっている。断熱区画された貯蔵・冷凍空調室15bは、上から冷蔵室2、並べて設けた引出式の切替え室16および製氷室17と引出式の野菜室3と引出式の冷凍室4となっている。各断熱空間には、それぞれ断熱性を有した扉15aが、ガスケット18を介して設けられている。上から冷蔵室回転扉5、切替え室引出扉19、製氷室引出扉20、野菜室引出扉6、冷凍室引出扉7である。
冷蔵室回転扉5には、扉ポケット21が収納スペースとして設けられており、庫内には複数の収納棚22が設けられている。
次に、箱本体1の詳細を説明する。箱本体1の外箱14は、天面23の奥側を切り取ったU字曲げした外殻パネル24と、底面パネル25と、背面パネル26と、凹部27を形成する機械室パネル28とを、シール性を確保して組み立てることで構成されている。組み立てられた箱本体1は、天面23と背面28aに渡る部分に凹部27が形成されている。凹部27は、庫内の最上段棚29と内箱13で区画された最上段収納スペース29a、及び第2段棚30と最上段棚29で区画された第2段棚収納スペース30a側に凸部30bとして出張っている。また、より好ましくは、凸部30bの室内側底壁面30cと最上段棚29の棚底部30dを略同一水平面としている。
さらに、底面パネル25と背面パネル26には、指先を引っ掛けることが可能な窪みからなる取っ手(図示せず)が設けられている。
また、内箱13は、外箱14より一回り小さく、背面奥部が内側に窪んだ構成となっており、外箱14の中に組み入れることで断熱体15が発泡充填される空間が箱本体1に形成される。したがって機械室パネル28の左右部も断熱体15が発泡充填されて断熱壁が形成され、強度も確保されることになる。
次に、冷凍サイクルについて説明する。冷凍サイクルは、凹部27の設置面28bに配設した圧縮機11と、圧縮機11に接続された吐出配管31と、外殻パネル24の天面23や側面、凹部27や底面パネル25に設けた凝縮器(図示せず)と、減圧器であるキャピラリー32と、水分除去を行うドライヤー(図示せず)と、野菜室3と冷凍室4の背面で庫内ファン8を近傍に配置した蒸発器9と、吸入配管33を環状に接続して構成されている。
凹部27には、ビス等で固定された天面カバー34が設けられており、凹部27に設けられた圧縮機11や機械室ファン34a、凝縮器、ドライヤー、吐出配管31、吸入配管33の一部等を収納している。天面カバー34の上部は、天面23と略同一平面としており、圧縮機11の頂部34bは天面23より低い位置にある。
キャピラリー32と吸入配管33は、概ね同等の長さの銅管であり、端部を残して、熱交換可能にはんだ付けされている。キャピラリー32は、減圧のため、内部流動抵抗が大きい細径の鋼管が用いられており、その内径は、0.6ミリから1.0ミリ程度で長さとともに調節して減圧量を設計する。吸入配管33は、圧力損失を低減するために大径の銅管が用いられており、その内径は、6ミリから8ミリ程度である。又、キャピラリー32と吸入配管33は、熱交換器部35の長さを確保するために、冷蔵庫2の背面を蛇行させることでコンパクトにまとめて、内箱13と背面パネル26との間にある断熱体15に埋設されている。キャピラリー32と吸入配管33は、一方の端部が内箱13の野菜室3後方付近から突き出して蒸発器9と接続されており、他方の端部を、機械室パネル28の設置面28bの縁に設けた切欠部から上方に突き出して、ドライヤーや凝縮器、圧縮機11と各々接続している。
また、吸入配管33と吐出配管31には、圧縮機11との接続部の近傍に、接続の柔軟性を持たせるためのUターン部36が設けられており、凹部27に収納されている。さらに組立て作業性やサービス性を向上させることを狙いに、配管の密集度を軽減し、後方から配管接続部を目視できるようにするために、配管接続部は、圧縮機11の背面側に面して圧縮機11の左右に振り分けて配置されている。
次に、圧縮機11の詳細について説明する。
図4において、厚さ2から4mmの圧延鋼板を深絞り成形により形成してなるすり鉢状の下容器101と逆すり鉢状の上容器102を係合し、係合部分を全周溶接接合して密閉容器103が形成され、密閉容器103の内部には、冷媒104が封入され、また、底部に冷凍機油105が貯留されている。密閉容器103の下側には、脚106が固着されており、脚106に係止された弾性部材107を介して、冷蔵庫の凹部27に設けたピン108に、弾性部材107の孔109を遊嵌させることで、その位置を固定している。
電動要素110は、回転子111と突極集中巻の固定子112よりなる。圧縮要素113は、電動要素110の上方に構築され、電動要素110によって駆動される。
電動要素110と圧縮要素113は、ともに密閉容器103に収納され、下容器101の底部と固定子112の下端の支持部113aの間に、スプリング114を介して弾性支持されている。下容器101の一部を構成するターミナル115は、密閉容器103の内外で電気(図示せず)を連絡するもので、リード線116を通して電動要素110に電気を供給する。また密閉容器103には、冷凍システムの吐出配管31に接続するための吐出チューブ120と、吸入配管33に接続するための吸入チューブ121と、冷凍システムに冷媒104を封入後、システムを閉空間にするための封止チューブ122が設けられている。
圧縮要素113の運転により、冷媒104は、吸入配管33と吸入チューブ121を通って、密閉容器103の内部に吸込まれ、吐出チューブ120から吐出配管31へと吐出される。
次に、圧縮要素113の詳細を以下に説明する。
シャフト130は、回転子111を圧入や焼嵌めにより固定した主軸部131と、主軸部131に対して偏芯して形成された偏芯部132を有する。シリンダブロック133は、略円筒形の圧縮室134を有するとともに、シャフト130の主軸部131を軸支するための軸受部135を有し、電動要素110の上方に形成されている。ピストン136は、圧縮室134に遊嵌され、連結手段137を介してシャフト130の偏芯部132に連結されている。この構成により、シャフト130の回転運動を往復運動に変換し、ピストン136が圧縮室134の空間を拡大、縮小するように往復運動を行う。この往復運動に伴い、密閉容器103内の冷媒104を吸入マフラー140の吸入口141から吸込み、シリンダヘッド142の内部に設けられたバルブ(図示せず)を介して、シリンダブロック133に形成された吐出マフラー143と吐出管144、吐出チューブ120を通って密閉容器103の外部の吐出配管31に吐出する。
吐出管144は、内径1.5mmから3.0mmの鋼管で、L字やU字曲げを使って柔軟性を持つように形成されており、圧縮要素113と密閉容器103の吐出チューブ120とは弾性をもって接続されている。
次に、電動要素110の詳細を以下に説明する。
回転子111は、0.2mmから0.5mmの珪素鋼板を積み重ねた本体部150と、本体部150に設けた永久磁石151を収納する孔152と、永久磁石151を挿入した後に孔152を塞ぐ端板153よりなり、かしめピン154によって一体に固着されている。
そして、固定子112は、0.2mmから0.5mmの珪素鋼板を積み重ねた固定子鉄心161と、0.3mmから1mmの絶縁被覆を施した銅線である巻線162からなる。固定子鉄心161は、所定間隔において突極部(図示せず)が円環状に形成されており、突極部に巻線162が巻かれている。以下、ここでの巻線を、突極集中巻と称する。各巻線間は、連絡線(図示せず)で一本に接続されている。
次に、騒音駆動制御装置201、騒音検知装置203、および、騒音駆動制御装置201と連動して圧縮機11の制御を行う各装置について説明する。
図1から図10において、騒音検知装置203と照度検知装置205は、箱本体1の一部に埋め込み配置されている。また、騒音検知装置203は、圧縮機11に近接または、
接触させて配置することも可能であり、検出する騒音の種類により、適切な場所に配置するか、あるいは、複数の騒音に対応するために複数個設ける場合もある。
騒音検知装置203の構造は、図8、図9、図10に示すように、簡易なマイク210であり、その構造は、振動板213が音波振動を受け、コイル211により電流変換するボイスコイル型、圧電素子215により起電力発生させる圧電素子型、コンデンサー217によりコンデンサー容量変化で検出するコンデンサーマイク型等があり、本実施の形態では、簡易なマイク210を用いて、騒音検出を行い、マイク210の騒音検知装置203により検出された信号は、騒音駆動制御装置201に送られる。本実施の形態では、信号は線を流れる構成としているが、近年の無線技術の進歩により、無線による送信も可能である。
照度検知装置205も本体の一部に埋め込み設置され、箱本体1や貯蔵冷凍空調室15b内の照度の検出を行う。一般的には、フォトカプラーを用いることで、その信号を騒音駆動制御装置201に送信する。
標準時検知装置207は、騒音駆動制御装置201の内部あるいは、適切な場所に標準に電波検知を行えるように配設されるか、もしくは、標準時検知装置207自体が、初期に標準時間を記憶することにより、標準時検知装置207の基本発振により、自己完結で標準時を発信できるような構造であっても構わない。
以上のような構成において、騒音検知装置203が検知した信号は、騒音駆動制御装置201でそのレベル、種類を判定する。検知の手段としては、簡易に行う方法として、コンデンサーとコイルによる共振回路による共振増幅を行うと、特定の周波数、あるいは周波数領域の騒音を容易に、かつ安価に分離することもできる。そのため、例えば、箱本体1の外部騒音として、ある閾値以上の騒音の有無の判断を行うことで、圧縮機11の回転の停止、開始、休止、あるいは、本実施の形態に示すように、回転数を変化させうるインバータの圧縮機11においては、その運転周波数(回転数)を変えることが可能である。
また、貯蔵・冷凍空調室15bの内部の騒音を検知すれば、同様に、貯蔵・冷凍空調室内での、騒音の種別・レベルでの圧縮機11の運転動作変化を制御することができる。
本発明の実施の形態においては、冷蔵庫でその説明を行っているが、貯蔵・冷凍空調室は、空調される部屋・貯蔵室と置き換えると、部屋の人の存在検知や、部屋で発生する騒音事象に対しての制御を行うことも可能である。
人の存在により、例えば静かな環境においては、回転数を下げ、周りの騒音の高い場合には、やや回転数を上げるようにし、周りの騒音と相関した騒音レベル維持をすることで、人の相対感覚として、圧縮機11が発生する騒音の不快感を無くす制御を行うことが可能となる。
一方、ある特定以上の騒音レベルに達したことや、ある特定周波数、例えば、低周波振動の帯域音や、高周波数帯域の特定音の騒音が大きいことを検知することによって、圧縮機11や、箱本体1、あるいは、貯蔵・冷凍空調室15b内の異常を検出し、圧縮機11を停止、休止したり、回転数を変更したりすることも可能である。
図6、図7は、騒音検知から圧縮機11の駆動制御までのブロックを図6に、アルゴリズムの基本的な概要を図7に示したものである。騒音検知装置203かと照度検知装置205から入った信号は、騒音駆動制御装置201で処理され、あらかじめ設定された、判断条件によって、圧縮機11の駆動を制御するようになっている。
演算処理については、例えば、標準時検知装置207により、日時、時間、曜日等を割り出し、昼、夜を判断し、また、照度検知装置においては、箱本体1の設置される周りの照明等の状態や、貯蔵・冷凍空調室15b内の同様な状態を検知することで、人の存在を判断することが可能となる。これら情報と騒音検知装置203より得られた、前述のような、人の存在検知や、周りの騒音状態、騒音と連動した振動状態等を、騒音の周波数を介して判断することが可能となる。換言すると、騒音の周波数は、発生する現象により、大まかに大別することが可能であり、それらを用いた判断のアルゴリズムは、適用される機器、用途等において、種々作成することが可能である。
このようなプログラムを個別に設定することで、各用途、用いられる機器、地域、環境、さらには、各家庭における、個別ユーザーの適切な設定も可能であるとともに、近年の技術を用いれば、それらを学習し、最適な設定値にすることで、騒音環境の大幅な改善が図れる。さらに、これらの利用により、故障等の事前回避も可能となり、さらには、エネルギー量も圧縮機11の運転の制御との組み合わせにおいて、貯蔵・冷凍空調室15bを使うユーザーに対して、期待する特性面や、騒音等の環境を高品位に保ちながら、エネルギーをも削減していくことが可能となり、環境に優しい技術が提供できる。
次に、マイク210の簡素化について、補足説明をする。マイク210は、前述したように、例えば、振動板213とコイル211、磁石219の構成等は、最も簡素であり、少ない材料とコストで前述した機能と効果を得ることが可能である。材料とコストを抑制すれば、前述したように、騒音の検知場所は、箱本体1、貯蔵・冷凍空調室15b、圧縮機11の他にも、例えば、本実施の形態に示した冷蔵庫においては、庫内の最上段収納スペース29a、第2段収納スペース30a、冷蔵室2等、各部位において可能であり、取り付ける場所においても、例えば、内箱13の内側と外箱14の間等にすれば、全く外観を崩さずに、前述した機能を効果的に実現することも可能であり、外観における品位も保つことができる。
さらに、音波、空気振動を利用することは、前述の補足説明となるが、共鳴を利用することによる特性周波選択を可能とする。このことは、簡単な構造により、特定の周波数の選択や、特定部位の検出を容易とするものであり、そのことは、材料使用量、コストの観点とともに、生産性の観点からも本技術の利用を簡単に行えることを意味し、本発明の技術的効果をより高めることも意味するのである。
以上のように、本発明は、冷蔵庫に限らず、圧縮機を駆動させて、冷却、加熱、空質制御を行う、あらゆる機器に展開が可能であり、同様な構成を用いたあらゆる圧縮機、および、本発明における騒音駆動制御装置の展開応用を図ることができる。
1 箱本体
11 圧縮機
15b 貯蔵・冷凍空調室
103 密閉容器
110 電動要素
111 回転子
112 固定子
113 圧縮要素
201 騒音駆動制御装置
203 騒音検知装置
205 照度検知装置
210 マイク
211 コイル
213 振動板
215 圧電素子
217 コンデンサー

Claims (11)

  1. 騒音検知装置を備える熱交換空間と、前記熱交換空間を冷却あるいは加温する熱交換器と共に冷凍サイクルを構成する圧縮機と、前記騒音検知装置によって検知された騒音のレベルに対応した信号を出力する騒音駆動制御装置と、前記騒音駆動制御装置の出力に応じて前記圧縮機の回転を制御する圧縮機の運転制御装置。
  2. 前記騒音検知装置を、簡易なマイクとした請求項1に記載の圧縮機の運転制御装置。
  3. 前記マイクを、コイルと振動板によって電流を出力する構成とした請求項2に記載の圧縮機の運転制御装置。
  4. 前記マイクを、コンデンサーもしくは圧電素子を用いて電流を出力する構成とした請求項2に記載の圧縮機の運転制御装置。
  5. 前記騒音駆動制御装置を、夜間等の騒音検知がない場合に、前記圧縮機の出力を低下させるかもしくは停止し、騒音レベルが高い場合は、運転出力を増加させるようにした請求項1から4のいずれか一項に記載の圧縮機の運転制御装置。
  6. 前記熱交換空間の周囲あるいは内部の照度を検知する照度検知装置を設け、前記照度検知装置の信号と前記騒音検知装置の信号により前記圧縮機の運転を制御するようにした請求項1から5のいずれか一項に記載の圧縮機の運転制御装置。
  7. 電波や自己発振による標準時検知装置を有し、前記標準時検知装置の信号と前記騒音検知装置の信号により、前記圧縮機の運転を制御するようにした請求項1から5のいずれか一項に記載の圧縮機の運転制御装置。
  8. 前記圧縮機を、周波数により回転数が可変する構成とし、前記騒音駆動制御装置の回転数出力信号によって回転数を制御するようにした請求項1から7のいずれか一項に記載の圧縮機の運転制御装置。
  9. 前記騒音検知装置を、前記圧縮機の騒音を直接検知するようにした請求項1に記載の圧縮機の運転制御装置。
  10. 前記騒音検知装置を、直接前記圧縮機の密閉容器の一部に直接または近接して設置した請求項9に記載の圧縮機の運転制御装置。
  11. 前記熱交換空間を物品貯蔵空間とする冷蔵庫の冷凍サイクル、あるいは前記熱交換空間を居住空間とする空調機器の冷凍サイクルに、請求項1から10のいずれか一項に記載の圧縮機の運転制御装置を搭載した熱交換機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015017556A (ja) * 2013-07-11 2015-01-29 マックス株式会社 空気圧縮機
JP2015048732A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 日立工機株式会社 空気圧縮機
CN109556223A (zh) * 2018-10-26 2019-04-02 珠海格力电器股份有限公司 一种机组及控制其运行的方法

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