JP5093702B2 - 音響エネルギ計測装置並びにこれを用いた音響性能評価装置及び音響情報計測装置 - Google Patents

音響エネルギ計測装置並びにこれを用いた音響性能評価装置及び音響情報計測装置 Download PDF

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Description

本発明は音響エネルギ計測装置に関し、特に、定在波の影響を受けることのない音響エネルギを計測可能な音響エネルギ計測装置に関する。また、このような音響エネルギ計測装置を用いて空間の音響性能を評価する音響性能評価装置に関する。さらに、音響エネルギだけでなく、音圧や粒子速度、音響インテンシティ等の音響情報を計測可能な音響情報計測装置に関する。
従来から、建築室内、自動車室内、航空機室内等の閉空間における音響性能評価を行うときには、音圧型マイクを用いたサウンドレベルメータが使用されている。
しかしながら、閉空間において音圧測定を行う場合、定在波の存在が測定される音圧に大きく影響する。ここで、定在波とは、閉空間の寸法が波長と一致した場合等に生じる固有振動のことである。閉空間に定在波が発生すると、ある測定位置では大きな音圧が測定され、別の測定位置では小さい音圧が測定されるといった現象が生じる。
したがって、建築室内等の閉空間において音響性能評価を行う場合、定在波の影響により、1点のみの音圧測定では、空間の遮音性能等の音響性能を正確に評価できないという問題があった。このような問題に対し、JISやISOでは、空間内の複数点での音圧測定とその測定値の平均化が定められており、音響性能評価の正確性向上を図ろうとしている。例えば、特許文献1には、このようなISO規格を用いた住宅音響性能測定装置が開示されている。
また、定在波を考慮して音場を補正する技術として、特許文献2や特許文献3がある。特許文献2に開示される技術は、カーオーディオで車内に音を出力した場合、トランクルーム内の定在波を測定し、別に設けられたスピーカの出力により定在波を打ち消し、トランクルーム内の定在波をなくし、良質な音を車内に出力するものである。特許文献3も同様に、定在波を測定し、任意の位置の定在波をスピーカ出力で打ち消し、音圧レベルを安定させるものである。
特開平6−194217号公報 特開平10−97263号公報 特開平2000−2661900号公報
しかしながら、ISOやJISの規格を用いた特許文献1のように、複数点で音圧測定を行い、それらを平均化したとしても、特に低周波領域では、定在波の影響により位置の違いによる音圧の変動が大きく、限られた数点の測定値の平均では正しい評価が行えないという問題があった。また、測定位置によって音圧が大きく異なる特性を利用して、意図的に低い値(騒音が少ない)となるように測定することも可能であり、音響性能評価の客観性を担保することが困難であるという指摘もあった。
また、特許文献2や特許文献3に開示の技術は、スピーカ出力を用いて定在波による音圧強度の分布が一定となるように制御するために音圧を測定している。しかしながら、測定された音圧は、閉空間の音響性能(具体的には遮音性能)の評価に用いられるようなものではなかった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、音圧だけでなく粒子速度も考慮することにより、定在波が発生し得る閉空間においても、定在波の影響を受けない音響エネルギを測定可能な音響エネルギ計測装置を提供しようとするものである。また、このような音響エネルギ計測装置を用いて、定在波の影響を受けない客観的な音響性能評価が可能な音響性能評価装置を提供しようとするものである。さらに、音響エネルギだけでなく、音圧や粒子速度、音響インテンシティ等の音響情報を計測可能な音響情報計測装置を提供しようとするものである。
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による音響エネルギ測定装置は、音電変換を行う受音部と、受音部からの出力を用いて音圧を算出する音圧算出部と、音圧算出部からの出力を用いて音響エネルギを算出する音響エネルギ算出部と、を具備するものである。
さらに、受音部からの出力を用いて粒子速度を算出する粒子速度算出部を具備し、音響エネルギ算出部は、音圧算出部及び粒子速度算出部からの出力を用いて音響エネルギを算出するものであっても良い。
ここで、音響エネルギ算出部は、音圧算出部からの出力を用いて算出するポテンシャルエネルギと、粒子速度算出部からの出力を用いて算出する運動エネルギとを加算して音響エネルギを算出すれば良い。
また、受音部は、単一指向性の複数のマイクロホンを有し、該複数のマイクロホンは、その感度最大方向を向く単位ベクトルの総和がゼロとなるように配置されるものであっても良い。
さらに、受音部は、受音部により測定される情報の特性を補正する特性補正部を具備しても良い。
また、本発明の音響エネルギ計測装置により計測される音響エネルギに基づき音響評価指標とする音響性能評価装置であっても良い。
さらに、本発明の音響エネルギ計測装置を用いる音響情報計測装置であって、該音響情報計測装置は、少なくとも音圧算出部からの出力を用いて音響インテンシティを算出する音響インテンシティ算出部を具備するものであっても良い。
さらに、音圧算出部による音圧、粒子速度算出部による粒子速度、音響エネルギ算出部による音響エネルギ、音響インテンシティ算出部による音響インテンシティのうちの少なくとも2つ以上をそれぞれ切り替えて音響情報計測装置の出力とする切替手段を具備するものであっても良い。
本発明の音響エネルギ計測装置には、定在波の影響を受けない音響エネルギを計測可能であるという利点がある。また、本発明の音響性能評価装置には、定在波の影響を受けない客観的な音響性能評価が可能であるという利点がある。さらに、本発明の音響情報計測装置には、音響エネルギだけでなく、音圧や粒子速度、音響インテンシティ等の音響情報を計測可能であるという利点がある。
図1は、本発明の音響エネルギ計測装置を説明するためのブロック図である。 図2は、単一平面波が受音部に到来する音場を想定した場合の概念図である。 図3は、本発明の音響エネルギ計測装置の音響エネルギ算出部を説明するためのブロック図である。 図4は、本発明の音響エネルギ計測装置の受音部の構成を説明するための図である。 図5は、63Hzオクターブ帯域における分布測定結果である。 図6は、125Hzオクターブ帯域における分布測定結果である。 図7は、80Hz純音における分布測定結果である。 図8は、125Hz純音における分布測定結果である。 図9は、各受音点におけるエネルギの空間偏差を表わしたグラフである。 図10は、63Hzオクターブ帯域における各受音点でのエネルギの相対レベルを表わしたグラフである。 図11は、80Hz純音における各受音点でのエネルギの相対レベルを表わしたグラフである。 図12は、63Hzオクターブ帯域における各受音点での残響減衰特性を表わしたグラフである。 図13は、本発明の音響情報計測装置を説明するためのブロック図である。 図14は、本発明の音響情報計測装置の他の例を説明するためのブロック図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の音響エネルギ計測装置を説明するためのブロック図である。図示の通り、本発明の音響エネルギ計測装置は、受音部1と、音圧算出部2と、粒子速度算出部3と、音響エネルギ算出部4とから主に構成されている。
受音部1は、音電変換を行うものであり、マイクロホンから構成されるものである。マイクロホンの構造や方式については、特定のものには限定されず、後述のように、音圧と粒子速度を算出可能な情報が得られるものであれば、如何なるものであっても良い。
音圧算出部2は、受音部1からの出力を用いて音圧を算出するものである。受音部1からは、マイクロホンにより測定された、音の大きさに基づき可変する信号(電圧等)が出力されるため、これを用いて音圧Pを算出する。これらの演算処理には、コンピュータやDSP(Digital Signal Processor)等が用いられれば良い。
粒子速度算出部3は、受音部1からの出力を用いて粒子速度を算出するものである。音圧算出部2と同様に、受音部1からの電圧等の出力信号を用いて粒子速度uを算出する。これらの演算処理にも、コンピュータやDSP等が用いられれば良い。
ここで、図示例では粒子速度算出部3を明記したが、後述するように、粒子速度を直接求めることなく、音圧算出部からの情報のみを用いて音響エネルギを算出できる場合には、粒子速度をあえて算出しなくても良いため、このときには粒子速度算出部は必ずしも設けなくても良い。
そして、音響エネルギ算出部4は、音圧算出部2及び粒子速度算出部3からの出力を用いて音響エネルギを算出するものである。音圧算出部2により算出された音圧と、粒子速度算出部3により算出された粒子速度を用いて、これらを加算処理することで音響エネルギeを算出する。これらの演算処理に、コンピュータやDSP等が用いられれば良い。
なお、音圧算出や粒子速度算出、音響エネルギ算出を行うコンピュータやDSP等は、共通のもので構成しても良い。なお、コンピュータ等の電子計算機上で機能するプログラムによりこれらの演算処理部を実現しても良い。
また、本発明の音響エネルギ計測装置では、受音部により測定される情報の特性をそのまま用いて音圧算出や粒子速度算出、音響エネルギ算出を行っても良いが、例えば、特性を補正する特性補正部を受音部に設け、これにより種々の補正(重み付けやフィルタリング)を行った上で各算出を行っても良い。例えば、音の周波数に対して人間の耳の感度が異なることから騒音レベル(感覚量)を近似するためのA特性や、音圧レベル(物理量)を近似するC特性等、種々の重み付け特性が知られている。したがって、これらと同様の補正を、本発明の音響エネルギ計測装置の受音部でも行うことにより、所望の補正が施された音響エネルギ等も算出することが可能となる。
ここで、本発明の音響エネルギ計測装置における、受音部と音圧算出部と粒子速度算出部の構成について具体的に説明する。本発明の音響エネルギ計測装置では、音圧と粒子速度を算出できる構造であれば、如何なるものであっても適用可能である。例えば、音圧算出部は、無指向性マイクロホンを用いた受音部により測定された音波の圧力変動の大きさを数値化するものが知られている。また、粒子速度算出部は、同一直線上に並べられた複数の無指向性マイクロホンを用いた受音部により測定された音圧の差により粒子速度を計算するもの(P−P方式)であっても良い(例えば特開2001−045590号公報に開示のもの。以下、これらの構成を例1と記す。)。
また、粒子速度算出部は、例えば受音部として2本の熱線を用い、空気の粒子が通過することによる熱線の抵抗値の変化を用いて、粒子速度を算出するものであっても良い(例えば特開2007−292667号公報に開示のもの。以下、これらの構成を例2と記す。)。
また、例えば、本願発明者は、単一指向性マイクロホンを複数用いて、これらの指向性情報から音響情報を計測する方式(C−C方式)の計測装置を種々開発している。本発明の音響エネルギ計測装置は、このようなC−C方式の計測装置を適用することも可能である。例えば、国際公開第2006/054599号パンフレットでは、180度反対向きに配置されたマイクロホンのレベル差のデータベースを用いて音圧や粒子速度を求めることが可能な装置が開示されている。また、特願2007−054909では、直交座標の各軸上に、指向性を180度反対向きに配置された単一指向性マイクロホンの対からなる受音部を用いて、所定の演算処理を行うことでデータベース等を用いずに音圧や粒子速度を検出するC−C方式の音響測定装置も開発している。これら、C−C方式の音響測定装置では、音源からの音の周波数依存性もなく、音圧や粒子速度を計測できるものである(以下、これらの構成を例3と記す)。
例3におけるC−C方式の受音部は、単一指向性の複数のマイクロホンを有するものであり、その感度最大方向を向く単位ベクトルの総和がゼロとなるように各マイクロホンが配置される。
以下に、C−C方式の受音部及び音圧算出部、粒子速度算出部の概念を説明する。図2は、単一平面波が受音部に到来する音場を想定した場合の概念図である。図2には、受音部が2つの単一指向性マイクロホンが対となり、その感度最大方向の向きがx軸方向のプラス側とマイナス側にそれぞれ向けて配置された場合の指向特性が示されている。図示のような、単一平面波P(t)がx方向に対して角度θで到来する音場を想定したときの音場進行方向の粒子速度u(t)は次式で表される。
Figure 0005093702
但し、ρは空気密度を、cは音速を、ρcは音響インピーダンスである。
そして、x方向の粒子速度u(t)は次式で表される。
Figure 0005093702
次に、この音場を単一指向性マイクロホン対からなる受音部で測定することを考える。単一指向性マイクロホンとしては、例えばカーディオイドマイクロホンやスーパーカーディオイドマイクロホン、ハイパーカーディオイドマイクロホン等、種々のものが挙げられる。例えばカーディオイドマイクロホンを用いた場合、2つのマイクロホンで測定されるそれぞれの応答P(t)、P(t)は、それぞれ次式で表される。
Figure 0005093702
Figure 0005093702
これらP(t)、P(t)を加算すると、次式のように無指向性応答となる。
Figure 0005093702
音圧算出部では、このように2つのマイクロホンの測定値を加算することで、音圧を求める。なお、各マイクロホンの測定値を加算したものは、上述の式からも明らかな通り、無指向性の音圧となるため、このような構成であれば、容易に無指向性音圧を算出することが可能となる。
次に、粒子速度算出部について説明する。まず、上述のP(t)、P(t)の差分は次式で表される。
Figure 0005093702
数6と数2を用いれば、x方向の粒子速度u(t)は、次式のように2つのマイクロホンの応答の差分から求められることが分かる。
Figure 0005093702
したがって、粒子速度算出部では、このように2つのマイクロホンの応答の差分を求めることで、粒子速度成分を求める。また、y方向やさらにz方向の粒子速度成分を求める場合にも、上述の理論と同様に各方向の粒子速度成分を求めれば良く、これらの各方向の粒子速度成分をベクトル合成すれば、粒子速度u(t)が求まる。
なお、上述の説明は、単一平面波が受音部に到来する音場を想定したものであるが、本発明はこれに限定されず、干渉音場や近距離音場であっても、同様の理論により粒子速度を求めることが可能である。
このように、本発明の音響エネルギ計測装置において、例3のようなC−C方式を用いた受音部、音圧算出部、粒子速度算出部では、各次元のマイクロホン対の差分と加算によって、各次元の粒子速度と無指向性の音圧が求められることが分かる。
また、本発明の音響エネルギ計測装置においては、受音部、音圧算出部、粒子速度算出部を、C−C方式をベクトルで解釈して音圧と粒子速度を求めても良い。なお、このC−Cベクトル合成方式は、本願発明者による特願2008−057260に詳細は記載されているものである(以下、これらの構成を例4と記す。)。
単一平面波P(t)が到来する音場を想定したとき、無指向性の音圧P(t)、粒子速度ベクトルu(t)は、それぞれ次式のように表される。
Figure 0005093702
Figure 0005093702
但し、上記の式中、nはマイクロホンの数(チャンネル数)、P(t)はiチャンネルのマイクロホンにより得られる単一指向性の音圧、Kはチャンネル数やマイクロホンの形式によって異なる粒子速度正規化の係数、ベクトルeは、iチャンネルのマイクロホンの感度最大方向を向く単位ベクトルである。
例4においては、これらの式から分かるように、音場をベクトルで解釈すると、粒子速度ベクトルは、複数の単一指向性マイクロホンのそれぞれの測定値を各単位ベクトルに乗算(重み付け)してベクトル合成したものとして表されている。即ち、粒子速度算出部では、複数の単一指向性マイクロホンのそれぞれの音圧を各単位ベクトルに乗算し、これをベクトル合成すれば良い。
また、無指向性の音圧は、複数の単一指向性マイクロホンのそれぞれの音圧の総和として表されている。即ち、音圧算出部では、複数の単一指向性マイクロホンのそれぞれの音圧の総和を求める。
ここで、例4のC−Cベクトル合成方式における受音部の複数のマイクロホンについて、その感度最大方向を向く単位ベクトルには、以下の条件(1)〜(3)が加えられる。
(1)次式に表されるように、各マイクロホンの感度最大方向を向く単位ベクトルが空間的にバランスしていること。即ち、各単位ベクトルの総和がゼロとなるように複数のマイクロホンが配置されること。
Figure 0005093702
(2)次式に表されるように、各次元の寄与が等しいこと。即ち、複数のマイクロホンのそれぞれの単位ベクトルのそれぞれの成分の2乗の総和が等しくなるように配置されること。
Figure 0005093702
(3)マイクロホンの数は、算出する音響情報のベクトルの空間次元数よりも多いこと。
このように、例4のC−Cベクトル合成方式を用いた音響エネルギ計測装置では、その受音部を構成する複数のマイクロホンは、これらの条件を満たせば良い。但し、(2)の条件については必ずしも必須のものではなく、各次元の寄与が等しくならないようなマイクロホンの配置であっても、(1)の条件を満たしていれば適宜補正することで対応可能である。
複数のマイクロホンがこれらの条件を満たす限り、本発明の音響エネルギ計測装置の受音部としてこのベクトル合成法を用いることが可能である。
さて、本発明の音響エネルギ計測装置では、このようにして求められた音圧と粒子速度を用いて、音響エネルギを算出している。以下、図3を用いて音響エネルギ算出部の具体的な構成について説明する。図3は、本発明の音響エネルギ計測装置の音響エネルギ算出部を説明するためのブロック図である。図示の通り、本発明の音響エネルギ計測装置の音響エネルギ算出部4は、ポテンシャルエネルギ算出部41と、運動エネルギ算出部42と、加算部43とからなる。
ポテンシャルエネルギ算出部41は、音圧算出部2からの出力である音圧Pを用いて、ポテンシャルエネルギVを算出するものである。ここで、ポテンシャルエネルギVは、次式で表される。
Figure 0005093702
また、運動エネルギ算出部42は、粒子速度算出部3からの出力である粒子速度uを用いて、運動エネルギを算出するものである。ここで、運動エネルギTは、次式で表される。
Figure 0005093702
なお、粒子速度uはベクトル量であるが、運動エネルギ算出部42においては、粒子速度の大きさのみをスカラ量として用いている。
そして、音響エネルギeは、ポテンシャルエネルギVと運動エネルギTの加算で求まる。即ち、数12と数13を用いて、音響エネルギeは次式で表される。
Figure 0005093702
したがって、数14からも明らかな通り、音響エネルギを算出するためには、音圧算出部からの出力を用いて算出するポテンシャルエネルギと、粒子速度算出部からの出力を用いて算出する運動エネルギとを加算すれば良い。
なお、数14では音響エネルギはポテンシャルエネルギと運動エネルギの加算となっているが、音響エネルギ算出処理に当たり、本発明はこれに限定されず、適宜式変形等を行うことで、数式の上では必ずしもポテンシャルエネルギと運動エネルギの加算とならないような式となるものであっても良い。さらには、粒子速度については、数7や数9を用いれば数13の運動エネルギについては、単一指向性の音圧のみで表すことが可能となる。したがって、適宜式変形等を行うことで、粒子速度を直接求めることなく、音圧算出部からマイクロホンのチャンネル数に応じた単一指向性音圧を出力するようにし、これらを用いて音響エネルギを算出する演算を行う場合には、粒子速度をあえて算出しなくても良くなる。よって、このときには粒子速度算出部は必ずしも設けなくても良いことになる。
ここで、閉空間において定在波が発生している状況における音響エネルギの特性について説明する。定在波が発生している状態において、音圧と粒子速度は、位相がずれた関係を有している。例えば、90度の位相ずれが生じている場合について説明すると、音圧の2乗が最大値のとき粒子速度の2乗が最小値となり、逆に、音圧の2乗が最小値のとき粒子速度の2乗が最大値となる。一方、数12と数13からも分かるように、ポテンシャルエネルギと運動エネルギは、それぞれ音圧と粒子速度の2乗に比例するものである。したがって、ポテンシャルエネルギと運動エネルギの関係も、ポテンシャルエネルギが最大値のとき運動エネルギが最小値となり、逆に、ポテンシャルエネルギが最小値のとき運動エネルギが最大値となる。つまり、運動エネルギとポテンシャルエネルギはそれぞれ定在波の影響で変化するものであるが、その変化は互いのエネルギの受け渡しであるため、両者の加算値である音響エネルギは安定した値となる。このため、音響エネルギは、定在波の存在に影響を受けない値である。
したがって、音圧のみを測定する従来の測定手法では、定在波が生じる閉空間において、定在波の影響により測定値が測定位置によって大きく変化していたが、本発明の音響エネルギ計測装置によれば、定在波の影響を受けない音響エネルギを測定することが可能となり、測定位置に依存しない測定値を得ることが可能となる。
ここで、受音部としてC−C方式のカーディオイドマイクロホンプローブを用いて音響エネルギを実測した結果について具体的に説明する。受音部として、図4(a)に示されるように、直交座標の各軸上に、指向性を180度反対向きに配置されたカーディオイドマイクロホンの対を3対用いた6チャンネル構成の3次元C−Cプローブと、図4(b)に示されるように、正四面体頂点から重心に向けて配置された4つのカーディオイドマイクロホンを用いた4チャンネル構成の正四面体C−Cプローブをそれぞれ使って測定を行った。測定条件としては以下の通りである。
測定音場:矩形残響室(幅5m×奥行き4m×高さ3m)
測定物理量:音圧、粒子速度、音響エネルギ
なお、比較として音圧については無指向性マイクロホ
ンでも測定
測定パターン:高さ1.5mの水平面上で1m間隔の行列の交点ポイ
ントで測定
高さを変えた5点で測定
測定項目:インパルス応答、純音(80Hz,125Hz)
測定結果として、分布測定結果を示す。図5は、63Hzオクターブ帯域、図6は、125Hzオクターブ帯域、図7は、80Hz純音、図8は、125Hz純音におけるそれぞれの分布測定結果である。図中、Pomniが無指向性マイクロホンによるポテンシャルエネルギを、Eが6チャンネル又は4チャンネルの合成音圧Pによるポテンシャルエネルギを、Eが運動エネルギを、Eが音響エネルギ密度を、u,u,uが粒子速度ベクトルの各成分の結果を表わしている。なお、分布は最大値で正規化してあるが、粒子速度ベクトルだけは、u,u,uの全データ共通の最大値で正規化してある。
これらの図を見ると、空間分布にモード特有の規則的な山谷が現れていることが分かる。また、オクターブ帯域より純音の分布のほうが、空間偏差が大きいことが分かる。次に、PomniとEの分布を比較してみると略同様の分布となっており、6チャンネル又は4チャンネルのカーディオイドマイクロホンの応答を、数5に示されるようにスカラ加算すれば無指向性マイクロホンと同等な音圧算出が可能であることがこの結果からも分かる。そして、Eを見てみると、Eと異なる分布を示しており、すべてではないがEの谷がEの山に、又はその逆になっていることが多い。したがって、音圧だけを考慮したEに比較して、両者を加算した音響エネルギ密度Eの空間偏差は小さくなる傾向であることが分かる。また、粒子速度ベクトルのx,y成分u,uの分布を見てみると、それぞれ軸方向にある壁際で値が極めて小さくなる等、粒子速度の成分毎の特徴を測定によって捉えることができていることも分かる。
これらの結果からも分かるように、定在波音場では、音圧と粒子速度は著しく異なった振る舞いを見せる。したがって、従来技術のように音圧だけでこのような音場を観測するのは、音場のある一面を見ているに過ぎず、それのみによって音場を評価することはできない。
次に、高さを変えた5点測定の結果を示す。図9は、5点の各受音点P1〜P5におけるE,E,Eの空間偏差(最大値と最小値の差)を表わしたグラフである。なお、各受音点P1〜P5については、図5等に示される測定環境と同様である。この図を見ると、モードの影響を強く受けていると考えられる63Hz帯域では、E,Eの偏差が大きいが、高音域になると空間偏差が減少していることが分かる。しかしながら、音響エネルギ密度Eについては、周波数に関わらず偏差は常に小さいことが分かる。より詳しくは、63Hz帯域では、Eの偏差が最も大きく、約10dB、Eは約4dB程度であるが、Eの偏差は2dB以下に収まっている。125Hz帯域よりも高い周波数帯域では、E,E,Eの空間偏差は略同等となっている。
次に、各受音点P1〜P5でのE,E,Eの相対レベルについて説明する。図10は、63Hzオクターブ帯域における、図11は、80Hz純音における、それぞれの各受音点P1〜P5でのE,E,Eの相対レベルを表わしている。なお、相対レベルは、E,E,Eの中の最大値で正規化したレベルである。また、各受音点P1〜P5については、図5等に示される測定環境と同様である。これらの図から、Eが最も大きく変動し、特に80Hz純音では30dB以上も変動していることが分かる。これに対して、Eの偏差は小さく、また、Eの偏差はさらに小さく安定していることが分かる。なお、定在波音場では、EよりもEのほうが総じて大きいレベルであることも分かる。
さらに、5点の各受音点におけるE,E,Eの残響偏差について説明する。図12は、各受音点におけるE,E,Eの残響減衰特性をそれぞれ表わすグラフである。なお、これらの結果は63Hzオクターブ帯域の場合である。図示のように、残響減衰特性についても、Eは測定位置によって大きく異なることが分かる。一方、Eについては、殆ど変わらないことが分かった。
以上の実測結果から、小空間における低音域等、定在波音場では、音圧の変動が特に大きく、Eの偏差が大きくなることが分かる。さらに、EとEの空間分布が著しく異なることも分かる。一方、Eの偏差は低く、周波数依存性も高くないことが分かる。そして、定在波音場では、EよりもEのほうが総じて大きいことからも、EだけでなくEの観測も併せて行うことが、音場評価に重要であることは明らかである。このように、音響エネルギEは定在波の影響を受けないことが実測からも明らかとなった。
以上説明したように、本発明の音響エネルギ計測装置は、定在波の影響を受けない音響エネルギを計測することが可能である。
また、このような特徴を有する本発明の音響エネルギ計測装置を用いて、音響性能評価装置を実現しても良い。即ち、本発明の音響性能評価装置は、上述の音響エネルギ計測装置により計測される音響エネルギを用いて音響評価指標とするものである。これは、建築室内、自動車室内、航空機室内等の閉空間において、音響エネルギ計測装置により音響エネルギを測定し、測定された音響エネルギを用いて音響評価指標として、音響性能を評価するものである。評価においては、音響エネルギの対数をとってdB表示する等しても良いし、複数レベルによる段階評価等であっても良い。これにより、定在波の影響を受けない客観的な音響評価が可能な音響性能評価装置が実現可能となる。
次に、上述の音響エネルギ計測装置を用いた本発明の音響情報計測装置について説明する。図13は、本発明の音響情報計測装置を説明するためのブロック図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしているため、重複説明は省略する。図示の通り、本発明の音響情報計測装置は、受音部1と、音圧算出部2と、粒子速度算出部3と、音響エネルギ算出部4と、音響インテンシティ算出部5とから主に構成されている。即ち、本発明の音響情報計測装置は、上述の音響エネルギ計測装置に音響インテンシティ算出部5を付加し、音響エネルギ以外に音響インテンシティも算出可能としたものである。
なお、音響インテンシティには、音の大きさや、周波数、波形といった情報だけでなく、音の方向に関する情報も含まれるものであり、騒音特定や監視カメラシステム等、応用範囲の広い物理量である。
さて、音響インテンシティ算出部5は、音圧算出部2及び粒子速度算出部3からの出力を用いて音響インテンシティを算出するものである。より具体的には、音響インテンシティ算出部5は、音圧算出部2から出力される音圧と、粒子速度算出部3から出力される粒子速度を用いて、音響インテンシティを求めるものである。
ここで、音響インテンシティとは、スカラ量で表わされる音圧Pとベクトル量で表わされる粒子速度uの積で与えられるベクトル量の情報である。即ち、音響インテンシティは次式で与えられる。
Figure 0005093702
本発明の音響情報計測装置において、上述の例1のように、受音部1に複数の無指向性マイクロホンアレイを用いた場合には、無指向性マイクロホンからの出力を用いて音圧算出部2により算出された音圧と、音圧の差分により粒子速度算出部3により算出された粒子速度とを、音響インテンシティ算出部5において乗算することで、音響インテンシティを算出する。また、上述の例2のように、粒子速度算出用に2本の熱線を用いた場合には、2本の熱線の抵抗値の変化から粒子速度算出部3により算出された粒子速度を用いて音響インテンシティを算出する。
さらに、本発明の音響情報計測装置において、受音部1に上述の例3のような、単一指向性マイクロホン対を用いた場合、数5と数7を用いれば、数15は以下のように表すことができる。
Figure 0005093702
したがって、この場合には、音響インテンシティ算出部5では、単一指向性マイクロホン対からの出力に基づき、音圧算出部2から各マイクロホンの単一指向性音圧を出力するようにし、これら2つの単一指向性音圧のみを用いて、加算及び減算し、これらの結果を乗算することで音響インテンシティを算出すれば良い。さらに、数16から明らかなように、2つの単一指向性音圧をそれぞれ2乗して減算することでも、音響インテンシティが算出可能である。このような場合、音響インテンシティ算出に関しては、音圧算出部からの単一指向性音圧情報のみを用いれば良く、粒子速度算出部からの出力を用いなくても良い。
またさらに、本発明の音響情報計測装置において、上述の例4のような、ベクトル合成法を用いた場合には、数8と数9を用いれば、数15は以下のように表すことができる。
Figure 0005093702
但し、上記の式中、nはマイクロホンの数(チャンネル数)で、Kはチャンネル数やマイクロホンの形式によって異なる粒子速度正規化の係数である。
これらの式から分かるように、上述の例4のように音場をベクトルで解釈すると、音響インテンシティ算出部では、粒子速度ベクトルと無指向性の音圧との乗算を行うことで、音響インテンシティを算出すれば良い。
さらに、音圧の2乗である2乗音圧を考えた場合には、音響インテンシティI(t)は、次式のように表される。
Figure 0005093702
但し、Gはチャンネル数やマイクロホンの形式によって異なる正規化係数である。
これらの式から分かるように、上述の例4のように音場をベクトルで解釈すると、2乗音圧を考えた場合、音響インテンシティは粒子速度ベクトルを求めずにダイレクトに算出可能となる。したがって、この場合には、音響インテンシティ算出部5では、単一指向性マイクロホン対からの出力に基づく音圧算出部2からの音圧を2乗し、この2乗音圧を各単位ベクトルに乗算し、これをベクトル合成することで音響インテンシティを算出すれば良い。即ち、この場合、音響インテンシティ算出に関しては、音圧算出部からの出力のみを用いれば良く、粒子速度算出部からの出力を用いなくても良い。
このように、本発明の音響情報計測装置によれば、音響エネルギ計測装置と受音部等の基本構成は同様のものとしつつ、音響エネルギだけでなく、音響インテンシティも算出可能となる。また、音響インテンシティ算出にあたっては、音響エネルギ計測装置の音圧算出部のみを用いる構成であっても音圧算出部と粒子速度算出部の両方を用いる構成であっても良い。
このような本発明の音響情報計測装置を用いて、音響性能評価装置を実現しても良い。即ち、本発明の音響性能評価装置は、上述の音響エネルギ計測装置により計測される音響エネルギや音響インテンシティを音響評価指標とすることが可能である。これにより、より多くの情報に基づく音響性能の評価が可能となる。
次に、上述の音響情報計測装置の他の例について説明する。図14は、本発明の音響情報計測装置の他の例を説明するためのブロック図である。図中、図13と同一の符号を付した部分は同一物を表わしているため、重複説明は省略する。図示の通り、本発明の音響情報計測装置は、受音部1と、音圧算出部2と、粒子速度算出部3と、音響エネルギ算出部4と、音響インテンシティ算出部5と、切替部6とから主に構成されている。即ち、本発明の音響情報計測装置は、切替部を用いて音圧や粒子速度、音響エネルギや音響インテンシティの情報をそれぞれ出力可能に構成したものである。
切替部6は、音圧算出部2による音圧P、粒子速度算出部3による粒子速度u、音響エネルギ算出部4による音響エネルギe、音響インテンシティ算出部5による音響インテンシティIをそれぞれ切り替えて選択的に音響情報計測装置の出力とするものである。なお、図示例では、これらすべての音響情報(P,u,e,I)をそれぞれ切り替え可能なように構成された例を示したが、本発明はこれに限定されず、これらの音響情報のうち少なくとも2つ以上を切り替えて出力できるものであれば良い。さらに、すべての音響情報を一覧表示するようにしても勿論構わない。
本発明の音響情報計測装置では、特に上述の例3や例4のようなC−C方式を用いたものの場合、受音部1からの出力により単一指向性の音圧Pを求めれば、これを用いて粒子速度u、音響エネルギe、音響インテンシティIが演算処理のみで求めることが可能となる。したがって、一度の測定により、これらすべての音響情報を算出可能である。本発明の音響情報計測装置では、このように算出された情報を切替部6を用いて選択的に出力できるように構成している。上述のように、C−C方式を用いたものの場合には、無指向性の音圧を算出することも可能であり、さらに、ベクトル合成法を用いれば粒子速度ベクトルも算出可能である。
例えば、このような音響情報計測装置をポータブルな測定器として構成した場合には、測定現場において切替部を構成するスイッチ等を切り替えるのみで、簡単に複数の音響情報を選択的に出力させることが可能となる。したがって、本発明の音響情報測定装置は、これまで音圧性能評価を行っていたサウンドレベルメータに代わる装置となり得るものもある。
なお、本発明の音響エネルギ計測装置や音響性能評価装置、音響情報計測装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 受音部
2 音圧算出部
3 粒子速度算出部
4 音響エネルギ算出部
5 音響インテンシティ算出部
6 出力切替部
41 ポテンシャルエネルギ算出部
42 運動エネルギ算出部
43 加算部

Claims (6)

  1. 音響エネルギを計測する音響エネルギ計測装置であって、該音響エネルギ計測装置は、
    それらの感度最大方向を向く単位ベクトルの総和がゼロとなるように配置される単一指向性の複数のマイクロホンを有する、音電変換を行う受音部と、
    前記受音部からの出力を用いて音圧を算出する音圧算出部と、
    前記受音部からの出力を用いて粒子速度を算出する粒子速度算出部と、
    前記音圧算出部及び粒子速度算出部からの出力を用いて音響エネルギを算出する音響エネルギ算出部と、
    を具備することを特徴とする音響エネルギ計測装置。
  2. 請求項1に記載の音響エネルギ計測装置において、前記音響エネルギ算出部は、前記音圧算出部からの出力を用いて算出するポテンシャルエネルギと、前記粒子速度算出部からの出力を用いて算出する運動エネルギとを加算して音響エネルギを算出することを特徴とする音響エネルギ計測装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の音響エネルギ計測装置において、前記受音部は、受音部により測定される情報の特性を補正する特性補正部を具備することを特徴とする音響エネルギ計測装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の音響エネルギ計測装置により計測される音響エネルギに基づき音響評価指標とする音響性能評価装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の音響エネルギ計測装置を用いる音響情報計測装置であって、該音響情報計測装置は、少なくとも前記音圧算出部からの出力を用いて音響インテンシティを算出する音響インテンシティ算出部を具備することを特徴とする音響情報計測装置。
  6. 請求項5に記載の音響情報計測装置であって、さらに、前記音圧算出部による音圧、粒子速度算出部による粒子速度、音響エネルギ算出部による音響エネルギ、音響インテンシティ算出部による音響インテンシティのうちの少なくとも2つ以上をそれぞれ切り替えて音響情報計測装置の出力とする切替手段を具備することを特徴とする音響情報計測装置。
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