JP5093619B2 - バルブ金属陽極体シートおよびその製造方法 - Google Patents

バルブ金属陽極体シートおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体電解コンデンサを構成するバルブ金属陽極体シートおよび、その製造方法に関する。
固体電解コンデンサであるタンタル電解コンデンサおよびニオブ電解コンデンサは、小型、大容量、および高信頼性という特徴を有しており、携帯電話、ノートパソコンに代表される小型電子機器に必要不可欠な電子部品である。近年の電子機器の低背化、高機能化に伴い、タンタル電解コンデンサおよびニオブ電解コンデンサにも、薄型化と高容量化が強く要求されている。
従来のタンタル電解コンデンサおよびニオブ電解コンデンサは、タンタル粉末やニオブ粉末を、圧粉成型および焼結した多孔質ペレットを陽極体として用いている。
特許文献1には、多孔質ペレット陽極体に誘電体被膜、固体電解質層、カーボン層、銀ペースト層を順次形成したコンデンサ素子を、陰極電極と陽極電極を形成した回路基板に接着して、コンデンサ完成品に対する体積比率を高めて、小型大容量なコンデンサを製造する方法が記載されているが、陽極体の薄型化には製法上の限界があり、得られるタンタル電解コンデンサまたはニオブ電解コンデンサの薄型化にも、おのずと限界が生じている。
又、特許文献2には、薄肉化の難しい樹脂モールドではなく、プリプレグと補強板でコンデンサ素子を貼着した薄型の固体電解質コンデンサが提案されているが、コンデンサ素子はエッチングアルミ箔に基づくものであって、タンタルおよびニオブ電解コンデンサではなかった。尚、コンデンサ素子とは、陽極体に誘電体被膜、固体電解質層およびカーボン層、銀ペースト層などの導電体層を形成した、コンデンサとしての基本構造が形成されたものである。
特許文献1或いは特許文献2に開示される電解コンデンサに対して、特許文献3には、タンタル箔やニオブ箔の上に、バルブ金属と、このバルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を、スパッタリングなどで形成し、真空中または不活性ガス中で熱処理をして、その後、異相成分のみを選択的に除去するという方法で、バルブ金属多孔質層を有する箔状の多孔質バルブ金属陽極体を製造する方法が提案されている。
この方法によって作製される箔状の多孔質バルブ金属陽極体により、固体電解コンデンサのさらなる薄型化が可能となり、有効な方法といえる。
特開2001−102252号公報 特開2004−55699号公報 特開2006−49816号公報
しかしながら、特許文献3に提案される箔状の多孔質バルブ金属陽極体は、熱処理した混合膜を所定の小さなコンデンサ素子サイズに切り出した後、異相成分のみを選択的に除去して形成するが、個片となった小サイズ多数量の混合膜の取り扱いは、かならずしも容易ではない。
又、箔状の多孔質バルブ金属陽極体を用いて誘電体被膜、固体電解質、導電体層を形成したコンデンサ素子を、プレプリグなどの基板に接着することは、やはり個片で取り扱わなければならず、薄型コンデンサの実現に有効であるが、不良率が高まり満足すべき製造歩留りを得ることが困難になる虞を生じる。
そこで、本発明は、係る問題に鑑みてなされたものであって、小サイズ多数量の多孔質バルブ金属層を備え、薄型コンデンサの実現に有効な基板に接合された多孔質バルブ金属陽極体シートおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の第一の発明は、第一のバルブ金属陽極体シートに関し、バルブ金属膜からなる集電体の片面にバルブ金属多孔質膜を備え、その集電体の反対の片面に熱接着性絶縁基板を備えて、バルブ金属多孔質膜の表面から熱接着性絶縁基板の内部に達する升目状の溝を備えることを特徴とし、さらには、本発明の第一の発明において用いるバルブ金属膜からなる集電体の熱接着性絶縁基板側の表面は粗面化されており、その表面積は見掛け面積の1.3倍以上、5.0倍以下であることが好ましい。
本発明の第二の発明は、第二のバルブ金属陽極体シートに関し、銅膜からなる集電体の片面にバルブ金属膜を備え、このバブル金属膜の上にバルブ金属多孔質膜を備え、集電体の反対の片面に熱接着性絶縁基板を備えて、バルブ金属多孔質膜の表面から熱接着性絶縁基板の内部に達する升目状の溝を備え、集電体の端面および溝の内部が絶縁樹脂で被覆されていることを特徴とする。
尚、本発明の第一の発明および第二の発明において用いるバルブ金属多孔質膜並びにバルブ金属膜は、Ta、Nb、Ta合金、およびNb合金のうちのいずれかであることが好ましく、又熱接着性絶縁基材は、集電体にまで通じる開口部を備え、この開口部を通して集電体に導通した陽極電極を備えることが好ましい。
本発明の第三の発明は、第一のバルブ金属陽極体シートの製造方法に関するもので、製造方法Aは、バルブ金属膜からなる集電体の片面上に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成する工程と、形成した混合膜を熱処理する工程と、バルブ金属膜集電体面と熱接着性絶縁基板プリプレグを接合する工程と、混合膜の表面から熱接着性絶縁基板の内部に達する升目状の溝を形成する工程と、混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程を有することを特徴とする。
さらには、バルブ金属膜からなる集電体は、多孔質膜作製による粗面化処理または機械的粗面化処理による粗面であることが好ましい。この多孔質膜作製による粗面化処理は、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成する工程と、その混合膜を熱処理する工程と、形成した混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程を有するもので、一方機械的粗面化処理は、サンドブラスト、ショットブラストのいずれかにより粗面とされるものである。
そのバルブ金属多孔質膜並びにバルブ金属膜は、Ta、Nb、Ta合金、およびNb合金のうちのいずれかであることが好ましく、又異相成分はCuであることが望ましい。
本発明の第四の発明は、第一のバルブ金属陽極体シートの製造方法に関するもので、その製造方法Bは、銅膜の片面上に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成し、その混合膜の上にバルブ金属膜からなる集電体を形成する工程と、形成した混合膜を熱処理する工程と、バルブ金属膜集電体面と熱接着性絶縁基板プリプレグを接合する工程と、銅膜の表面から熱接着性絶縁基板の内部に達する升目状の溝を形成する工程と、銅膜および混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程を有することを特徴とするもので、そのバルブ金属多孔質膜並びにバルブ金属膜は、Ta、Nb、Ta合金、およびNb合金のうちのいずれかであることが好ましく、又異相成分はCuであることが望ましい。
本発明の第五の発明は、第二のバルブ金属陽極体シートの製造方法に関するもので、その製造方法Cは、銅膜からなる集電体の片面上に、バルブ金属膜を形成した後、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成する工程と、混合膜を熱処理する工程と、銅膜集電体面と熱接着性絶縁基板プリプレグを接合する工程と、混合膜表面から熱接着性絶縁基板内に達する升目状の溝を形成する工程と、溝の内部に絶縁樹脂を充てんする工程と、混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程を有することを特徴とするもので、そのバルブ金属多孔質膜並びにバルブ金属膜は、Ta、Nb、Ta合金、およびNb合金のうちのいずれかであることが好ましく、又異相成分はCuであることが望ましい。
更に、本発明の第三の発明、第四の発明および第五の発明において、熱接着性絶縁基板に集電体に通じる開口部を形成する工程と、この開口部を通して集電体と導通した陽極電極を形成する工程が備えられている。
本発明によって、小サイズ多数量の多孔質バルブ金属層を備え、薄型コンデンサの実現に有効な基板に接合された多孔質バルブ金属陽極体シートが提供され、該多孔質バルブ金属陽極体シートを効率的に製造することができ、製品や工程の設計に自由度が高くなり、工業上顕著な効果を奏するもので、その工業的な意義は大きい。
第一のバルブ金属陽極体シートを示す図で、(a)および(a’)は断面図、(b)および(c)は平面図である。 第二のバルブ金属陽極体シートを示す図で、(a)、(b)は断面図、(c)、(d)は平面図である。 陽極電極を備えた第一並びに第二のバルブ金属陽極体シートを説明する図で、(a)は陽極電極を備えた第一のバルブ金属陽極体シートの断面図、(b)は陽極電極を備えた第二のバルブ金属陽極体シートの断面図、(c)、(d)は陽極電極を備えた第一のバルブ金属陽極体シートの底面図で、(e)は陽極電極を備えた第二のバルブ金属陽極体シートの底面図である。 第一のバルブ金属陽極体シートの製造方法Aを説明する図で、(a)から(g)は工程A−aから工程A−gと対応する断面図である。 第一のバルブ金属陽極体シートの製造方法Bを説明する図で、(a)から(g)は工程B−aから工程B−gと対応する断面図である。 第二のバルブ金属陽極体シートの製造方法Cを説明する図で、(a)から(h)は工程C−aから工程C−hと対応する断面図である。 実施例4を説明する工程図である。 実施例4を説明する工程図の続きである。 実施例5および6を説明する工程図である。 実施例5および6を説明する工程図の続きである。
本発明の実施の形態である第一のバルブ金属陽極体シートおよび、第二のバルブ金属陽極体シートについて図を参照して説明する。
(第一のバルブ金属陽極体シート)
図1は第一のバルブ金属陽極体シートを示す図で、(a)、(a’)は断面図、(b)および(c)は平面図である。
図1において、1は第一のバルブ金属陽極体シート、101はバルブ金属多孔質膜、102は集電体、102’は粗面化層、103は熱接着性絶縁基板、104は溝である。
図1(a)は第一のバルブ金属陽極体シートの断面を示すもので、第一のバルブ金属陽極体シート1は、バルブ金属膜からなる集電体102の片面に、バルブ金属多孔質膜101を備え、集電体102の反対の片面に熱接着性絶縁基板103を備え、バルブ金属多孔質膜101の表面から熱接着性絶縁基板103の内部まで達する升目状の溝104を備える。
さらには、図1(a’)に示すように集電体102の熱接着性絶縁基板側の面に粗面化層102’を設けても良い。この粗面化層102’は、集電体102と熱接着性絶縁基板103の密着性を高める働きを示すものである。
図1(b)、(c)に第一のバルブ金属陽極体シートの平面図を示す。
溝104により形成される升目の形状はコンデンサ素子の形状から決定されるが、図1(b)に示すように等間隔に形成しても良い。この場合は、分離された多数のバルブ金属多孔質膜101は同じサイズなので、多数の同一寸法コンデンサ素子の製造が可能になる。又、升目状の溝104は図1(c)のように間隔を変えて形成してもよい。この場合はサイズの異なるコンデンサ素子製造が可能になる。
このように、第一のバルブ金属陽極体シートにおいては、製造するコンデンサのサイズと必要な数量に合わせて組み合わせることにより、効率よく製造することができる。
バルブ金属多孔質膜101と、集電体102を構成するバルブ金属膜は、構成する金属、即ちバルブ金属がTa、Nb、Ta合金、およびNb合金のうちのいずれかであることが好ましく、更にバルブ金属多孔質膜とバルブ金属膜は同じ成分の組み合わせでも、異なる成分の組み合わせでもよい。
バルブ金属多孔質膜101は、バルブ金属と、このバルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を、スパッタリングなどで形成し、真空中または不活性ガス中で熱処理をした後、異相成分のみを選択的に除去する特許文献3記載の方法で形成できる。
その膜厚は、製造するコンデンサの静電容量で決定されるが、1〜200μmが好ましい。膜厚が1μmよりも小さいと、静電容量が不十分となってしまい、膜厚が200μmよりも大きいとコンデンサが厚くなってしまい、薄膜のメリットがなくなってしまう。
集電体102は、バルブ金属膜で構成され、圧延箔が使用できる。この集電体102を構成するバルブ金属膜の膜厚は、1〜200μmが好ましく、膜厚が1μmよりも小さいと、電気抵抗が高くなってしまう。又膜厚が200μmよりも大きいとコンデンサ厚みが厚くなってしまい、薄膜のメリットがなくなる。
集電体102の熱接着性絶縁基板側の面に設けられる粗面化層102’は、その表面積が見掛けの面積に対して1.3倍以上5.0倍以下の表面積を有していることが好ましい。その表面積が1.3倍未満であると、密着性向上の効果が小さく、表面積が5.0倍を超えると密着性向上の効果がさほど変化しない。この表面積の倍率は、集電体はバルブ金属で構成されることから陽極酸化処理を施し、その静電容量を測定し、粗面化処理前後の静電容量の比率から求めることができる。
なお、本発明における見掛けの面積とは、集電体102などの物体における表面が平滑であるとする場合の表面積を言うものである。
熱接着性絶縁基板103は、熱硬化性樹脂基板、或いは補強材を含む熱硬化性樹脂基板でも良く、ガラス布補強したエポキシ樹脂基板が好適である。この基板の厚みは10〜200μmが好ましい。厚みが10μmよりも薄いと、絶縁不良が生じてしまい、200μmよりも厚いとコンデンサ厚みが厚くなってしまい、薄膜のメリットがなくなる。
溝104は、バルブ金属多孔質膜101の表面から熱接着性絶縁基板103の内部まで、升目状に設けられた溝で、熱接着性絶縁基板103の内部に達することで、溝104で囲われた部位のバルブ金属多孔質膜101が所望の素子サイズに独立、分離するものである。
そのため、溝104の幅は所望の素子サイズを考慮して決定されるが、その幅は、熱接着性絶縁基板103の厚みをtとした場合に、0.1t以上で、5t以下であることが望ましく、その幅が、0.1tよりも狭いとバルブ金属多孔質膜101の分離が不十分となって互いに導通してしまい、一方、5tを超える幅では、バルブ金属陽極体シートから取れるコンデンサ素子の数量が減少してしまう。さらに、バルブ金属陽極体シート1の剛性が不足してしまうためである。その形成は、例えば、ダイシングソーを用いて行われる。
又、溝104の深さは、熱接着性絶縁基板103を切り残しているのでバルブ金属陽極体シート1としては一体のままにあり、個々のコンデンサ素子には切り離されていない深さである。
即ち、溝104による熱接着性絶縁基板103の切り残し深さは、熱接着性絶縁基板103の厚みをtとすると、0.1tから0.9tの範囲で、好ましくは0.3tから0.7t、より好ましくは0.4tから0.6tである。この切り残し深さが0.1tよりも小さいと、バルブ金属陽極体シートの剛性が不足して屈曲し、甚だしく屈曲すると熱接着性絶縁基板103が折れて切り離れてしまう。一方切り残し深さが0.9tよりも大きいとバルブ金属多孔質膜101の分離が不十分となり、互いに導通してしまうためである。
(第二のバルブ金属陽極体シート)
図2は第二のバルブ金属陽極体シートを示す図で、(a)、(b)は断面図、(c)、(d)は平面図である。
図2において、2は第二のバルブ金属陽極体シート、201はバルブ金属多孔質膜、202は集電体、203は熱接着性絶縁基板、204は溝、205はバルブ金属膜、206は絶縁樹脂である。
図2(a)、(b)に示されるように、第二のバルブ金属陽極体シート2は、銅膜からなる集電体202の片面にバルブ金属膜205を備え、このバブル金属膜205の上に、バルブ金属多孔質膜201を設け、集電体202の反対の片面には熱接着性絶縁基板203を備えている。
バルブ金属多孔質膜201の表面には、図2(c)、(d)に示すように、この表面から熱接着性絶縁基板203の内部まで達する升目状の溝204が設けられ、溝204の内部は絶縁樹脂206が備えられている。
又、集電体202の端面は、図2(a)、(c)に示す熱接着性絶縁基板203による被覆、或いは図2(b)、(d)のような絶縁樹脂206により被覆されている。
バルブ金属多孔質膜201、バルブ金属膜205を構成するバルブ金属は、Ta、Nb、Ta合金、およびNb合金のうちのいずれかであることが好ましく、バルブ金属多孔質膜201とバルブ金属膜205は、同じ成分の組み合わせでも、異なる成分の組み合わせでも良い。
バルブ金属多孔質膜201は、第一のバルブ金属陽極体シートのバルブ金属多孔質膜101と同じく、バルブ金属と、このバルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を、スパッタリングなどで形成し、真空中または不活性ガス中で熱処理をした後、異相成分のみを選択的に除去して形成する。
第二のバルブ金属陽極体シート2の集電体202となる銅膜は、圧延銅箔や電解銅箔などを使用する。銅はバルブ金属よりも導電率が高いので、電気抵抗の低い集電体ができ、また銅箔はバルブ金属膜205である混合膜成膜時の支持基板となる。
この集電体202を構成する銅膜の厚みは10〜200μmが好ましく、10μm未満では、支持基板としての剛性が不十分となって、成膜などの取り扱い時に褶曲や屈曲が生じてしまう。200μmよりも厚いとコンデンサが厚くなってしまい、薄膜のメリットがなくなるためである。
バルブ金属膜205は、銅膜の集電体202と、バルブ金属陽極体シートの製造工程中で用いられる異相成分溶解用試薬との接触を遮断するために形成されるもので、バルブ金属膜205の膜厚は0.2〜200μmが好ましい。その膜厚が0.2μm未満では、異相成分溶解用試薬との接触を遮断する効果が不十分で集電体である集電体202が溶解してしまう、膜厚が200μmよりも大きいとコンデンサ厚みが厚くなってしまい、薄膜のメリットがなくなってしまうためである。
熱接着性絶縁基板203は、第一のバルブ金属陽極体シート1の熱接着性絶縁基板103と同様に、熱硬化性樹脂基板、或いは補強材を含む熱硬化性樹脂基板でも良く、ガラス布補強したエポキシ樹脂基板が好適に使用できる。
溝204は第一のバルブ金属陽極体シートと同じく升目状に設けられるもので、この溝204で囲われる升目の形状は、コンデンサ素子の形状から決定される。
溝204の深さは、熱接着性絶縁基板203を切り残しているのでバルブ金属陽極体シートとしては一体のままにあり、個々のコンデンサ素子には切り離されていない深さである。
溝204の切り残し深さおよび幅は、第一のバルブ金属陽極体シート1における溝104の切り残し深さおよび幅と同じく、その切り残し深さは、熱接着性絶縁基板203の厚みtに対して、0.1t〜0.9t、好ましくは0.3t〜0.7t、より好ましくは0.4t〜0.6tで、その幅は熱接着性絶縁基板203の厚みtの0.1t以上、5t以下が好ましい。
この溝204の内部には絶縁樹脂206が満たされ、後の工程で使用する異相成分溶解用試薬と溝内部に露出した銅膜との接触を遮断する働きを示す。この絶縁樹脂206には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂など熱硬化性樹脂が好適である。
更に、溝204の断面形状は、鋭角な頂角を有する三角形や角の鋭い四角形のような多角形の形状とは異なる、溝底が緩やかな湾曲線を有する断面形状であることが望まれる。溝底の形状が鋭角断面形状では、絶縁樹脂206を充填した場合に、その充填条件によっては、溝底に絶縁樹脂が充分には充填されずに、充填不良による空隙が発生する虞があり、信頼性低下の原因になってしまうためである。
このように、第二のバルブ金属陽極体シート2においても、第一のバルブ金属陽極体シート1と同様に、製造するコンデンサのサイズと必要な数量に合わせて組み合わせることにより、効率よく製造することができる。
(陽極電極を備える第一並びに第二のバルブ金属陽極体シート)
更に、本発明の第一および第二のバルブ金属陽極体シートは、熱接着性絶縁基材が集電体に通じる開口部を有し、この開口部を通して集電体に導通した陽極電極を備えるもので、図3を用いて詳細する。
図3は開口部を持つ陽極電極を備えた第一並びに第二のバルブ金属陽極体シートを説明する図で、(a)は陽極電極を備えた第一のバルブ金属陽極体シートの断面図、(b)は陽極電極を備えた第二のバルブ金属陽極体シートの断面図、(c)、(d)は陽極電極を備えた第一のバルブ金属陽極体シートの底面図で、(e)は陽極電極を備えた第二のバルブ金属陽極体シートの底面図である。
図3において、3は陽極電極を備えた第一のバルブ金属陽極体シート、4は陽極電極を備えた第二のバルブ金属陽極体シート、301はバルブ金属多孔質膜、302は集電体、303は熱接着性絶縁基板、304は溝、305はバルブ金属膜、306は絶縁樹脂、307は開口部、308、309は陽極電極である。
陽極電極を備える第一のバルブ金属陽極体シート3を示す図3(a)には、開口部307が、それぞれ、升目状の溝304で分離されたバルブ金属膜からなる集電体302に通じ、同時に升目状の溝304で分離された多孔質バルブ金属膜301に導通していることが示されている。
一方、陽極電極を備える第二のバルブ金属陽極体シート4を示す図3(b)からは、第一のバルブ金属陽極体シートの場合と同じく、開口部307は、それぞれ升目状の溝304で分離された銅膜からなる集電体302に通じ、同時に升目状の溝304で分離されたバルブ金属多孔質膜301に導通している。又、升目状に設けられた溝304は絶縁樹脂306で充填されている。
この溝304で囲われる升目の形状は、コンデンサ素子の形状から決定され、溝304の深さは、熱接着性絶縁基板303を切り残しているのでバルブ金属陽極体シートとしては一体のままにあり、個々のコンデンサ素子には切り離されていない深さである。
この溝304の断面形状は、鋭角な頂角を有する三角形や角の鋭い四角形のような多角形の形状とは異なる、溝底が緩やかな湾曲線を有する断面形状であることが望まれる。溝底の形状が鋭角断面形状では、絶縁樹脂306を充填した場合に、その充填条件によっては、溝底に絶縁樹脂が充分には充填されずに、充填不良による空隙が発生する虞があり、信頼性低下の原因になってしまうためである。
又、溝304による切り残し深さは、熱接着性絶縁基板303の厚みtに対して、0.1t〜0.9t、好ましくは0.3t〜0.7t、その溝幅は熱接着性絶縁基板303の厚みtの0.1t以上、5t以下が好ましい。
この溝304の内部には絶縁樹脂306が満たされ、後の工程で使用する異相成分溶解用試薬と溝内部に露出した銅膜との接触を遮断する働きを示す。この絶縁樹脂306には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂など熱硬化性樹脂が好適である。
図3(c)、(d)および(e)の示す平面図からは、集電体302に通じる開口部307が等間隔に並び、このような開口部307は、例えば、炭酸ガスレーザーで形成することができる。
又、陽極電極308は、開口部307を通して、升目状の溝304で分離されたバルブ金属多孔質膜301にそれぞれ導通している。陽極電極308は導電性銀ペーストの充填や、無電解銅めっきおよび電解銅めっきで形成できる。尚、複数の陽極電極308と導通する陽極電極309を形成しても良く、この陽極電極309を用いると、溝304で分離された複数のバルブ金属多孔質膜301を一度に陽極酸化処理できるので好適である。
開口部307と陽極電極308は、図3(d)のように配置しても良く、このような開口部307は、例えば、ダイシングソーで形成することができる。
又、開口部307と陽極電極308は、集電体302を通して升目状の溝304で分離された、それぞれのバルブ金属多孔質膜301に一つ通じていればよい。尚、図1(c)および図2(d)に示したバルブ金属陽極体シートの場合は、図3(e)のように開口部307と陽極電極308を配置してもよい。
次に、本発明に係るバルブ金属陽極体シートの製造方法について説明する。
(第一のバルブ金属陽極体シートの製造方法A)
発明に係る第一のバルブ金属陽極体シートの製造方法Aは、
工程A−a:バルブ金属膜からなる集電体の片面上に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成する工程、
工程A−b:混合膜を熱処理する工程、
工程A−c:バルブ金属膜集電体面と熱接着性絶縁基板プリプレグを接合する工程、
工程A−d:混合膜表面から熱接着性絶縁基板内に達する升目状の溝を形成する工程、
工程A−e:混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程、
工程A−f:熱接着性絶縁基板に、集電体に通じる開口部を形成する工程、
工程A−g:開口部を通して集電体と導通した陽極電極を形成する工程、
とからなり、以下、各工程を図を用いて詳しく説明する。
なお、工程A−aの前工程として、バルブ金属膜からなる集電体の熱接着性絶縁基板を設ける側の表面を粗面とする粗面化処理工程を加えてもよい。
(工程A−a)
バルブ金属膜からなる集電体の片面上に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成する工程で、図4(a)、(a’)を参照して説明する。
図4(a)、(a’)において、401aは混合膜、402は集電体、402’は粗面化層である。
先ず、この混合膜を形成する前に、集電体402の熱接着性絶縁基板側を粗面化処理して粗面とするのが好ましい。
その粗面化処理の方法としては、サンドブラスト、ショットブラストのいずれかによる機械的粗面化処理であることが好ましい。また、集電体の片面に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成し、前記混合膜を熱処理し、前記混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成することによって、粗面化を行なう方法でも良い。
この粗面化処理により、見掛け面積に対して粗面化処理後の表面積は、1.3倍以上5.0倍以下にすることが好ましい。表面積が1.3倍未満であると、密着性向上の効果が小さい。また、表面積が5.0倍を越えると密着性向上の効果がさほど変化しない。表面積の値は、粗面化処理前後の集電体の静電容量を比較することにより評価される。
バルブ金属膜からなる集電体402の片面上に、バルブ金属およびバルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜401aを、スパッタリング法などの方法を用いて形成する。特に、スパッタリングを用いることで、構成する成分の均質性が高い混合膜が得られるので好ましい。スパッタリング法以外にも、真空蒸着法やCVD法などによる成膜によっても、混合膜を形成することができる。
この混合膜の形成時には、同時スパッタリング、或いは同時蒸着により、混合膜を形成することが好ましい。即ち、TaまたはNbなどのバルブ金属と異相成分材料を混合溶融し、合金ターゲットまたは合金蒸着材を作製しようとしても、それらは相溶性を持たないので、作製された合金の成分は不均一となり、そこで、このような合金ターゲットや合金蒸着材料を用いて作製した膜も、当然成分の不均一が生じてしまうためである。
従って、均質に製造可能なTaまたはNbなどのバルブ金属ターゲットまたは蒸着材と、異相成分ターゲットまたは蒸着材を原料とする同時スパッタリングまたは同時蒸着を用いることで、それぞれの成分を安定して成膜し、均一性の高い膜を製造する。
TaまたはNbなどのバルブ金属と相溶性を持たない異相成分としては、Ag、Mg、またはCaのような金属元素や、MgO、またはCaOのように、熱力学的に安定な酸化物など種々のものがあり、これらはいずれも異相成分として使用することが可能であるが、経済性、融点、取扱性、成膜の容易さ、および熱処理時の挙動などから、Cuを使用するのが最も実用的である。
混合膜における異相成分は、組成比で30〜70体積%であることが望ましい。30体積%より少ないと、異相成分が連続層とならず、外界と接するオープンポアができない部分が生じるため、好ましくない。また、70体積%を超えると、バルブ金属が連続層とならず、後の工程で異相成分を除去すると、得られるバルブ金属多孔質膜401cに、剥離や崩壊が生じるため、好ましくない。
混合膜401aの厚みは、実質的に、バルブ金属多孔質膜の厚みと等しく、望みのコンデンサの静電容量から決定されるが、1〜200μmが好ましい。1μm未満では、バルブ金属多孔質層の構造をより微細化しても、高い静電容量を得ることが困難となってしまい、100μmを超えると、コンデンサが厚くなってしまい薄膜のメリットがなくなってしまうためである。
(工程A−b)
混合膜を熱処理する工程で、図4(b)を参照して説明する。
図4(b)において、401bは混合膜、402は集電体である。
工程A−aで得られた混合膜401aを熱処理し、混合膜401bを形成するもので、この工程では、バルブ金属粒子同士、バルブ金属粒子および、バルブ金属からなる集電体402との間の焼結を進めるとともに、異相成分を粒成長させる。
従って、その熱処理温度は、バルブ金属多孔質膜の内部の微細構造に影響するため、コンデンサの静電容量から決定されるが、500〜800℃が好ましい。500℃未満では、異相成分の粒成長が不十分なため、異相成分を除去しようとしても、バルブ金属多孔質膜に残ってしまう。又熱処理温度が800℃を超えると、バルブ金属成分の焼結が進行し、粒子径が大きくなって、高い静電容量は得られない。尚、この熱処理はバルブ金属成分の酸化を抑制するために、Arガスなどの不活性雰囲気中、または真空中で行われる。
(工程A−c)
バルブ金属膜集電体面と熱接着性絶縁基板プリプレグを接合する工程で、図4(c)を参照して説明する。
図4(c)において、401bは混合膜、402は集電体、403aは熱接着性絶縁基板プリプレグである。なお、図4(c)には記載されていないが、図4(a’)に記載の粗面化層402’を有する集電体を用いても良い。その際、粗面化層の影響により接合はより強固なものとすることができる。
熱接着性絶縁基板プリプレグ403aと、工程A−bで得られた混合膜を有する集電体402の面を重ね、真空ホットプレスで加熱加圧して両者を接合する。
この熱接着性絶縁基板プリプレグ403aは、熱硬化性樹脂を半硬化状にしたもので、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂などが使用できる。ガラス不織布、有機繊維不織布(アラミッド繊維不織布、液晶ポリマー繊維など)などの補強材を含んでもよく、例えば、プリント配線板に使用されるガラス布補強したエポキシ樹脂FR4も使用できる。
熱接着性絶縁基板プリプレグ403aは、加熱加圧後に形成される熱接着性絶縁基板の厚みが10〜200μmとなるような厚みが好ましい。熱接着性絶縁基板の厚みが10μmよりも薄いと絶縁不良が生じてしまい、200μmよりも厚いとコンデンサ厚みが厚くなってしまうためである。
真空ホットプレスによる加熱加圧の条件は、例えば、真空度0.1〜10kPa、加熱温度140〜220℃、加圧圧力20〜50kgf/cmの範囲で行われる。
(工程A−d)
混合膜表面から熱接着性絶縁基板内に達する升目状の溝を形成する工程で、図4(d)を参照して説明する。
図4(d)において、401bは混合膜、402は集電体、403は熱接着性絶縁基板、404は溝である。
混合膜401bの表面から熱接着性絶縁基板403の内部まで達する升目状の溝404を形成する。溝404は、例えば、ダイシングソーを用いて形成する。
(工程A−e)
混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程で、図4(e)を参照して説明する。図4(e)において、1は第一のバルブ金属陽極体シート、401cはバルブ金属多孔質膜、402は集電体、403は熱接着性絶縁基板、404は溝である。
混合膜401bの異相成分を除去することで、バルブ金属多孔質膜401cを形成し、第一のバルブ金属陽極体シート1が作製される。
この異相成分の除去方法には種々の方法を用いることが可能であるが、操作の簡便さなどから、酸などで溶解除去するのが好ましく、使用する酸の種類は、異相成分のみを選択的に溶解するものを選択する。
例えば、バルブ金属にTa、Ta合金、Nb、またはNb合金のいずれかを使用し、異相成分としてCuを使用した場合には、硝酸、または過酸化水素などが好適に使用される。これらの溶液で、異相成分および酸素バリア成分を溶解除去した後、水洗および乾燥処理を行い、バルブ金属多孔質膜を形成することができる。
(工程A−f)
熱接着性絶縁基板に、集電体に通じる開口部を形成する工程で、図4(f)を参照して説明する。
図4(f)において、401cはバルブ金属多孔質膜、402は集電体、403は熱接着性絶縁基板、404は溝、407は開口部である。
熱接着性絶縁基板403に、集電体402に通じる開口部407を形成する。開口部407の形状が、円形の孔の場合には炭酸ガスレーザーで穿孔形成される。
集電体402のバルブ金属膜は、レーザー光を反射するので、熱接着性絶縁基板403部分のみに開口できる。その開口部の直径は、陽極電極の導電率、レーザー加工性などから、0.05〜0.3mmの範囲で選定すれば良い。
又、開口部407は、直線の溝状に形成しても良く、このような溝は、ダイシングソーで形成できる。その溝深さは、集電体内部に達しても良く、その溝幅は、陽極電極の導電率、ダイシングソー加工性などから、0.05〜0.3mmの範囲で選定すればよい。
(工程A−g)
開口部を通して集電体と導通した陽極電極を形成する工程で、図4(g)を参照して説明する。
図4(g)において、3は陽極電極を備える第一のバルブ金属陽極体シート、401cはバルブ金属多孔質膜、402は集電体、403は熱接着性絶縁基板、404は溝、407は開口部、408は陽極電極である。
開口部407を通して集電体402と導通した陽極電極408を形成して、陽極電極を備える第一のバルブ金属陽極体シート3を作製する。
このような電極は、例えば、銀、銅、カーボン粒子とエポキシ樹脂などからなる導電性ペーストをスクリーン印刷法で充填し、100〜200℃で熱硬化して形成できる。また、無電解銅めっきで電極を形成し、引き続いて電解銅めっきを行っても良く、銅めっきの厚みは陽極電極の導電率、めっき加工性などから、1〜30μmの範囲で選定すればよい。
尚、混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程(工程A−e)は、この工程位置で行うことに限定されずに、工程A−bの次工程、工程A−fの次工程、或いは工程A−gの次工程で行っても良い。
工程A−fの次工程に行う場合では、多孔質化した混合膜401cより、異相成分を除去する前の混合膜401bの方が、機械的強度に優れるためにバルブ金属陽極体シートの取り扱いをより容易にできる。又、工程A−gの次工程で異相成分を除去するには、陽極電極をラミネートフィルムで被覆する方法で行われる。
(第一のバルブ金属陽極体シートの製造方法B)
本発明に係る第一のバルブ金属陽極体シートの製造方法Bは、
工程B−a:銅膜の片面上に、バルブ金属およびバルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成し、この混合膜の上にバルブ金属膜集電体を形成する工程、
工程B−b:混合膜を熱処理する工程、
工程B−c:バルブ金属膜集電体面と熱接着性絶縁基板プリプレグを接合する工程、
工程B−d:銅膜表面から熱接着性絶縁基板内に達する升目状の溝を形成する工程、
工程B−e:銅膜および混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程、
工程B−f:熱接着性絶縁基板に、集電体に通じる開口部を形成する工程、
工程B−g:開口部を通して集電体と導通した陽極電極を形成する工程、
からなり、以下、各工程を図を用いて詳しく説明する。
(工程B−a)
銅膜の片面上に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成し、この混合膜の上にバルブ金属膜集電体を形成する工程で、図5(a)を参照して説明する。
図5(a)において、501aは混合膜、502は集電体、505は銅膜である。
銅膜505の片面上に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜501aを、スパッタリング法などの方法を用いて形成する。特に、スパッタリングを用いることで、構成する成分の均質性が高い混合膜が得られるので好ましい。
続いて、混合膜501aの上に、バルブ金属をスパッタリングすることにより集電体502を形成する。スパッタリング法によれば、構成する成分の均質性が高い混合膜が得られ、引き続いてバルブ金属膜からなる集電体も形成できるので好ましい。工程A−aと同様に、スパッタリング法以外にも、真空蒸着法やCVD法などによる成膜によっても、混合膜を形成することができる。
工程A−aの場合と同じく、混合膜501aの異相成分にはCuが望ましく、その組成比を30〜70体積%とすることが望ましい。
混合膜501aの厚みは、望みのコンデンサの静電容量から決定されるが、1〜200μmが好ましい。
又、バルブ金属からなる集電体502の膜厚は、1〜200μmが良く、膜厚が1μmよりも薄いと、電気抵抗が高くなってしまう、膜厚が200μmよりも厚くなるとコンデンサ厚みが厚くなってしまい、薄膜化のメリットがなくなってしまうためである。
銅膜505には、圧延銅箔や電解銅箔などを使用し、その厚みは10〜200μmが好ましく、10μm未満では剛性が不十分で、褶曲や屈曲が生じてしまう。又、200μmよりも厚いと、後の工程B−eで銅膜を除去する時間が長時間となってしまうためである。
なお、バルブ金属からなる集電体502の膜厚が薄い場合でも、銅膜505の使用は、シートの剛性を確保することに大きく寄与する。
(工程B−b)
混合膜を熱処理する工程で、図5(b)を参照して説明する。
図5(b)において、501bは混合膜、502は集電体、505は銅膜である。
工程B−aで得られた混合膜501aを熱処理し、混合膜501bを形成するもので、この工程では、バルブ金属粒子同士、バルブ金属粒子および、バルブ金属からなる集電体502との間の焼結を進めるとともに、異相成分を粒成長させるもので、その製造条件は、製造方法Aの工程A−bと同条件で行われる。
(工程B−c)
バルブ金属膜集電体面と熱接着性絶縁基板プリプレグを接合する工程で、図5(c)を参照して説明する。
図5(c)において、501bは混合膜、502は集電体、503aは熱接着性絶縁基板プリプレグ、505は銅膜である。
熱接着性絶縁基板プリプレグ503aと、工程B−bで得られた混合膜501bを有する集電体502の面を重ね、真空ホットプレスで加熱加圧して両者を接合するもので、製造方法Aの工程A−cと同じ工程で行われる。
熱接着性絶縁基板プリプレグ503aは、加熱加圧後に形成される熱接着性絶縁基板の厚みが10〜200μmとなるような厚みが好ましい。熱接着性絶縁基板の厚みが10μmよりも薄いと絶縁不良が生じてしまい、200μmよりも厚いとコンデンサ厚みが厚くなってしまうためである。
(工程B−d)
銅膜表面から熱接着性絶縁基板内に達する升目状の溝を形成する工程で、銅膜505の表面から溝を形成する以外は、製造方法Aの工程A−dと同工程で、図5(d)を参照して説明する。
図5(d)において、501bは混合膜、502は集電体、503は熱接着性絶縁基板、505は銅膜、504は溝である。
混合膜501bの表面から熱接着性絶縁基板503の内部まで達する升目状の溝504を形成する。溝504は、例えば、ダイシングソーを用いて形成する。
(工程B−e)
銅膜および混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程で、混合膜の異相成分除去の際に、銅膜505も同時に除去する以外は、製造方法Aの工程A−eと同工程で、図5(e)を参照して説明する。
図5(e)において、501cはバルブ金属多孔質膜、502は集電体、503は熱接着性絶縁基板、504は溝である。
銅膜505を除去し、混合膜501bの異相成分を除去することで、バルブ金属多孔質膜501cを形成する。
(工程B−f)
熱接着性絶縁基板に、集電体に通じる開口部を形成する工程で、製造方法Aの工程A−fと同工程であり、図5(f)を参照して説明する。
図5(f)において、501cはバルブ金属多孔質膜、502は集電体、503は熱接着性絶縁基板、504は溝、507は開口部である。
熱接着性絶縁基板503に、集電体502に通じる開口部507を形成するもので、開口部507の形状は円形、直線状の溝など、適時選択できる。
(工程B−g)
開口部を通して集電体と導通した陽極電極を形成する工程で、製造方法Aの工程A−gと同工程であり、図5(g)を参照して説明する。
図5(g)において、3は第一のバルブ金属陽極体シート、501cはバルブ金属多孔質膜、502は集電体、503は熱接着性絶縁基板、504は溝、507は開口部、508は陽極電極である。
開口部507を通して集電体と導通した陽極電極508を形成するもので、導電性を有する銀、銅、カーボン粒子などとエポキシ樹脂などからなる導電性ペーストをスクリーン印刷法で充填し、100〜200℃で熱硬化させたもの、或いは無電解銅めっき、電解銅めっきの順に銅めっきで形成したものである。
(第二のバルブ金属陽極体シートの製造方法C)
本発明に係る第二のバルブ金属陽極体シートの製造方法Cは、
工程C−a:銅膜からなる集電体の片面上に、バルブ金属膜を形成した後、バルブ金属およびバルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成する工程、
工程C−b:混合膜を熱処理する工程、
工程C−c:銅膜からなる集電体面と熱接着性絶縁基板プリプレグを接合する工程、
工程C−d:混合膜表面から熱接着性絶縁基板内に達する升目状の溝を形成する工程、
工程C−e:溝の内部に絶縁樹脂を充てんする工程、
工程C−f:混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程、
工程C−g:熱接着性絶縁基板に、集電体に通じる開口部を形成する工程、
工程C−h:開口部を通して集電体と導通した陽極電極を形成する工程、
からなり、以下、各工程を図を用いて詳しく説明する。
(工程C−a)
銅膜からなる集電体の片面上に、バルブ金属膜を形成した後、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成する工程で、図6(a)を参照して説明する。
図6(a)において、601aは混合膜、602は銅膜(集電体)、605はバルブ金属膜である。
銅膜(集電体)602の片面上に、バルブ金属をスパッタリングしてバルブ金属膜605を形成する。続いて、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜601aを、スパッタリング法などの方法を用いて形成する。特に、スパッタリング法を用いるのは、構成する成分の均質性が高い混合膜が得られるので好ましい。
このバルブ金属膜605および混合膜601aの形成は、工程A−aと同じく、スパッタリング法以外にも、真空蒸着法やCVD法などによる成膜を行ってもよい。
銅膜(集電体)602は、圧延銅箔や電解銅箔を使用する。プリント配線板に一般的に使用されているような片面を粗面化処理して粗面とした銅箔を使用し、この粗面を熱接着性絶縁基板側とすることが好ましい。銅はバルブ金属よりも導電率が高く、電気抵抗の低い集電体を構成でき、銅箔を用いることで混合膜成膜における支持基板とすることができる。
銅膜(集電体)602の厚みは、10〜200μmが好ましく、10μm未満では支持基板としての剛性が不十分となり、成膜などの取り扱い時に褶曲や屈曲が生じてしまう。又、200μmよりも厚いとコンデンサが厚くなってしまい、薄膜としてのメリットがなくなってしまうためである。
バルブ金属膜605は、集電体の銅膜(集電体)602とバルブ金属陽極体シートの製造工程中で用いられる薬品との接触を遮断するために形成されるもので、その膜厚は0.2〜200μmが好ましい。膜厚が0.2μm未満では、薬品遮断の効果が不十分で銅膜が溶解してしまい、膜厚が200μmよりも大きいとコンデンサ厚みが厚くなってしまい、薄膜としてのメリットがなくなってしまうためである。
混合膜601aの異相成分は、工程A−aと同じく、Cuを組成比で30〜70体積%とすることが望ましく、その厚みは、望みのコンデンサの静電容量から決定されるが、1〜200μmであることが望ましい。
(工程C−b)
混合膜を熱処理する工程で、図6(b)を参照して説明する。
図6(b)において、601bは混合膜、602は銅膜(集電体)、605はバルブ金属膜である。
工程C−aで得られた混合膜601aを熱処理し、混合膜601bを形成するもので、この工程では、バルブ金属粒子同士、バルブ金属粒子および、銅膜からなる集電体602との間の焼結を進めるとともに、異相成分を粒成長させるもので、その製造条件は、製造方法Aの工程A−bと同条件で行われる。
(工程C−c)
銅膜の集電体と熱接着性絶縁基板プリプレグを接合する工程で、図6(c)を参照して説明する。
図6(c)において、601bは混合膜、602は銅膜(集合体)、603aは熱接着絶縁基板プリプレグ、605はバルブ金属膜である。
銅膜(集電体)602と熱接着性絶縁基板プリプレグ603aを接合するが、その際、銅膜(集電体)602端面への熱接着性絶縁基板プリプレグ603aの被覆も同時に行う。
その接合は、銅膜(集電体)602と、この銅膜(集電体)602よりも大きい熱接着性絶縁基板プリプレグ603aを重ね合わせて、真空ホットプレスで加熱加圧して接合する。この際、加熱軟化した熱接着性絶縁基板プリプレグ603aがシート端面に回り込んで、銅膜(集電体)602の端部の銅膜露出部分を覆うものである。なお、銅膜(集電体)602の端部は、後工程である工程C−eにおいて、絶縁樹脂で被覆しても良い。
熱接着性絶縁基板プリプレグ603aは、加熱加圧後に形成される熱接着性絶縁基板の厚みが10〜200μmとなるような厚みが好ましい。熱接着性絶縁基板の厚みが10μmよりも薄いと絶縁不良が生じてしまい、200μmよりも厚いとコンデンサ厚みが厚くなってしまうためである。
(工程C−d)
混合膜表面から熱接着性絶縁基板内に達する升目状の溝を形成する工程で、図6(d)を参照して説明する。
図6(d)において、601bは混合膜、602は銅膜(集合体)、603は熱接着絶縁基板、604は溝、605はバルブ金属膜である。
混合膜601bの表面から熱接着性絶縁基板603の内部まで達する升目状の溝604を形成する。溝604は、例えば、ダイシングソーを用いて形成する。
(工程C−e)
溝の内部を絶縁樹脂で充填する工程で、図6(e)を参照して説明する。
図6(e)において、601bは混合膜、602は銅膜(集合体)、603は熱接着絶縁基板、604は溝、605はバルブ金属膜、606は絶縁樹脂である。
溝604の内部に絶縁樹脂606を充填して満たす。
用いる絶縁樹脂606は、ソルダーレジストが電気絶縁性などの観点から好適で、エポキシ樹脂を主体とする熱硬化性レジストを、スクリーン印刷で溝内部に充填した後、100〜180℃の温度で熱硬化させて形成する。又、感光性液状レジストをスクリーン印刷し、露光硬化させる方法でも良い。更に、アクリル−エポキシ系樹脂に感光基を導入したドライフィルムソルダーレジストを、真空ラミネートし、マスクフィルムを密着させて露光し、炭酸ナトリムなどのアルカリ水溶液で現像しても良い。
(工程C−f)
混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程で、図6(f)を参照して説明する。
図6(f)において、601cはバルブ金属多孔質膜、602は銅膜(集電体)、603は熱接着絶縁基板、604は溝、605はバルブ金属膜、606は絶縁樹脂である。
混合膜601bの異相成分を除去して、バルブ金属多孔質膜601cを形成するもので、この異相成分の除去方法には種々の方法を用いることが可能であるが、操作の簡便さなどから、酸などで溶解除去するのが好ましく、使用する酸の種類は、異相成分のみを選択的に溶解するものを選ぶ。
例えば、バルブ金属にTa、Ta合金、Nb、またはNb合金のいずれかを使用し、異相成分としてCuを使用する場合では、硝酸、または過酸化水素などを使用して、これらの溶液で、異相成分および酸素バリア成分を溶解除去した後、水洗および乾燥処理を行い、バルブ金属多孔質膜を形成する。
(工程C−g)
熱接着性絶縁基板に、集電体に通じる開口部を形成する工程で、図6(g)を参照して説明する。
図6(g)において、601cはバルブ金属多孔質膜、602は銅膜(集電体)、603は熱接着絶縁基板、604は溝、605はバルブ金属膜、606は絶縁樹脂、607は開口部である。
熱接着性絶縁基板603に、集電体602に通じる開口部607を形成する。
開口部607の形状が、円形の孔の場合には炭酸ガスレーザーなどのレーザー光で穿孔形成する。集電体602のバルブ金属膜がレーザー光を反射するので、熱接着性絶縁基板603部分のみに開口できる。その開口部の直径は、陽極電極の導電率、レーザー加工性などから、0.05〜0.3mmの範囲で選定すれば良い。
又、開口部607は、直線の溝状に形成しても良く、このような溝は、ダイシングソーで形成できる。その溝深さは、集電体内部に達しても良く、その溝幅は、陽極電極の導電率、ダイシングソー加工性などから、0.05〜0.3mmの範囲で選定すればよい。
(工程C−h)
開口部を通して集電体と導通した陽極電極を形成する工程で、図6(h)を参照して説明する。
図6(h)において、4は第二のバルブ金属陽極体シート、601cはバルブ金属多孔質膜、602は銅膜(集電体)、603は熱接着絶縁基板、604は溝、605はバルブ金属膜、606は絶縁樹脂、607は開口部、608は陽極電極である。
開口部607を通して集電体と導通した陽極電極608を形成する。このような電極は、例えば、銀、銅、カーボン粒子とエポキシ樹脂などからなる導電性ペーストをスクリーン印刷法で充填し、100〜200℃で熱硬化して形成できる。また、無電解銅めっきで電極を形成し、引き続いて電解銅めっきを行っても良く、銅めっきの厚みは陽極電極の導電率、めっき加工性などから、1〜30μmの範囲で選定すればよい。
上記のように作製されたバルブ金属陽極体シートを、升目状の溝から切り離して個片のバルブ金属陽極体を取り出し、誘電体被膜、固体電解質層およびカーボン層、銀ペースト層などの導電体層を形成して、個片のコンデンサ素子を作製することができる。
また、升目状の溝で切り離さない状態で陽極酸化処理を行って、一度に多数の陽極体に誘電体被膜を形成してもよいし、引き続いて、固体電解質層、導電体層を形成して、一度に多数のコンデンサ素子を作製してもよい。この場合、コンデンサ素子を升目状の溝で切り離して個片としてもよいし、複数のコンデンサ素子を搭載したシートとしてもよい。
尚、混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程(工程A−e、工程B−e、工程C−f)は、この工程位置で行うことに限定されずに、製造方法Aでは工程A−bの次工程、工程A−cの次工程、工程A−fの次工程、或いは工程A−gの次工程で行っても良く、製造方法Bでは工程B−cの次工程、工程B−fの次工程、又は工程B−gの次工程で行っても良い、更に、製造方法Cでは、工程C−cの次工程、工程C−gの次工程、或いは工程C−hの次工程で行っても良い。
工程A−f、工程B−f、工程C−gの次工程に、この工程を行う場合では、多孔質化したバルブ金属多孔質膜(401c、501c)より、異相成分を除去する前の混合膜(401b、501b)の方が、機械的強度に優れるためにバルブ金属陽極体シートの取り扱いをより容易にできる。又、工程A−g、工程B−g、工程C−hの次工程で異相成分を除去するには、陽極電極をラミネートフィルムで被覆する方法で行う。又、工程C−gの次工程で異相成分を除去するには、開口部をラミネートフィルムで被覆する方法で行う。
以下、本発明のバルブ金属陽極体シートの実施の形態を実施例により詳しく説明する。
スパッタリング装置(SBH−2306RDE、株式会社アルバック製)を用い、基板ホルダに圧延Ta箔(50mm×100mm、厚さ50μm、東京電解株式会社製)を取り付けた。圧延Ta箔は集電体となる。スパッタリングターゲットは、純度99.99%のTaターゲットおよびCuターゲット(いずれもφ152.4mm、株式会社高純度化学研究所製)とした。先ず、スパッタリング装置内を5×10−4Pa以下まで真空排気した後、Arガス圧1Paの条件で、TaターゲットおよびCuターゲットにそれぞれ直流電力を投入し、混合膜の組成がTa−60体積%Cuとなるように同時スパッタを行って、圧延Ta箔集電体の上に厚さ20μmの混合膜を形成した。
この混合膜を高温真空炉(株式会社東京真空製、turbo−vac)に装入し、真空度5×10−3Pa以下で加熱を開始して、750℃×60minの熱処理を行い、次いで圧延Ta箔集電体面と熱接着性絶縁基板プリプレグ(50mm×100mm、0.15mm厚み)を重ね合わせて、真空プレス機(新東工業株式会社製)に挿入し、真空度1.3kPaにて面圧35kgf/cm、170℃、30分間の熱接着を行った。
次に、ダイシングソー(株式会社ディスコ製DAD321)で混合膜面側から升目状の溝を形成した。具体的には厚み0.1mmのブレードを用い、3.0mm×4.0mmピッチの升目状に、熱接着性絶縁基板の切残し深さ0.1mmの溝を形成した。
升目状の溝の形成後に、2.3mol/Lの硝酸に浸漬して、混合膜中のCuを選択的に溶解し、その後、純水洗浄および乾燥を行なって、多孔質タンタル膜が形成した。
次に、ダイシングソーを用いて、熱接着性絶縁基板側から圧延Ta箔集電体まで通じる幅0.1mmの溝を3.0mm間隔で形成し、この溝の内部に無電解Cuめっきを2μm、続いて電気Cuめっきを15μm形成して、圧延Ta箔集電体に導通する陽極電極が形成されたバルブ金属陽極体シートを作製した。
圧延銅箔(50mm×100mm、厚さ18μm、住友金属鉱山伸銅株式会社製)の上に厚さ20μmの混合膜を形成し、続いて、Taターゲットにだけ直流電力を投入して、混合膜の上にTa膜を2μm形成した以外は実施例1と同様にして混合膜を作製した。本実施例では集電体はTa膜である。
この混合膜を、高温真空炉(株式会社東京真空製、turbo−vac)に装入し、真空度5×10−3Pa以下で加熱を開始して、750℃×60minの熱処理を行い、次いで、Ta膜集電体面と熱接着性絶縁基板プリプレグ(50mm×100mm、0.15mm厚み)を重ね合わせて、真空プレス機(新東工業株式会社製)に挿入し、真空度1.3kPaにて面圧35kgf/cm、170℃、30分間の熱接着を行った。
熱接着後、ダイシングソー(株式会社ディスコ製DAD321)で圧延銅箔面側から升目状の溝を形成した。具体的には厚み0.1mmのブレードを用い、3.0mm×4.0mmピッチの升目状に、熱接着性絶縁基板の切残し深さ0.1mmの溝を形成した。
次に、炭酸ガスレーザーを用いて、熱接着性絶縁基板側からTa膜集電体まで通じる直径0.2mmの穴を3.0mm間隔で形成した。
次に、2.3mol/Lの硝酸に浸漬して、圧延銅箔および混合膜中のCuを選択的に溶解し、その後、純水洗浄および乾燥を行なって、多孔質タンタル膜を形成した。
次に、穴内部および熱接着性絶縁基板面に無電解Cuめっきを2μm、続いて電気Cuめっきを15μm形成して、Ta膜集電体に導通する陽極電極が形成されたバルブ金属陽極体シートを作製した。
熱接着性絶縁基板プリプレグを60mm×110mmとし、圧延銅箔面と熱接着性絶縁基板プリプレグとを重ね合わせた以外は実施例2と同様にして熱圧着した。圧延銅箔集電体の端面は熱接着性絶縁基板で被覆されていた。これを、ダイシングソー(株式会社ディスコ製DAD321)で混合膜面側から升目状の溝を、厚み0.1mmのブレードを用い、3.0mm×4.0mmの升目と6.0×8.0mm升目の溝を形成した。熱接着性絶縁基板の切残し深さ0.1mmとした。次いで、熱接着性絶縁基板側から圧延Ta箔集電体まで通じる幅0.1mmの溝を3.0mm間隔と6.0mmの間隔でダイシングソーを用いて形成した。
次に、混合膜面側に形成した升目状の溝に熱硬化性ソルダーレジストをスクリーン印刷して溝内部にレジストを充填し、熱接着性絶縁基板側の3.0mm間隔と6.0mmの間隔の溝に、導電性銀ペーストをスクリーン印刷で充填し、150℃で熱処理し、ソルダーレジストと導電性銀ペーストを熱硬化させた。
次に、熱接着性絶縁基板にラミネートフィルムを貼り付けて導電性銀ペーストで形成した陽極電極を被覆した後に、2.3mol/Lの硝酸に浸漬して、積層シートの混合膜中のCuを選択的に溶解した後、純水洗浄および乾燥を行なって、ラミネートフィルムを剥離して、多孔質タンタル膜が形成されたバルブ金属陽極体シートを作製した。
この実施例では、集電体の片面に粗面化処理した集電体を用いた場合のバルブ金属陽極体シートを作製したもので、その実施形態を図7−1および図7−2に示す。
先ずスパッタリング装置(SBH−2306RDE、株式会社アルバック製)を用い、その基板ホルダに、集電体となる圧延Ta箔(50mm×100mm、厚さ50μm、東京電解株式会社製)を取り付けた。スパッタリングターゲットには、純度99.99%のTaターゲットおよびCuターゲット(いずれもφ152.4mm、株式会社高純度化学研究所製)を用いた。
次に、スパッタリング装置内を5×10−4Pa以下まで真空排気した後、Arガス圧1Paの条件で、TaターゲットおよびCuターゲットにそれぞれ直流電力を投入し、混合膜の組成がTa−60体積%Cuとなるように同時スパッタを行い、圧延Ta箔集電体702の上に、厚み0.5μmの混合膜711aを形成した(図7−1(a)参照)。この混合膜711aが形成された集電体702を、高温真空炉(株式会社東京真空製、turbo−vac)に装入し、真空度5×10−3Pa以下で加熱を開始して、850℃×60minの熱処理を行った(図7−1(b)参照)。熱処理後、真空炉から取り出し、2.3mol/Lの硝酸に浸漬して、混合膜711a中のCuを選択的に溶解し、その後、純水洗浄、乾燥して粗面化処理を行った(図7−1(c)参照)。なお、711bは熱処理後の混合膜、702’は粗面化層である。
粗面化処理による表面積倍率の評価は、この片面に粗面化処理を行った圧延Ta箔集電体および未処理の圧延Ta箔を、各々1cm角に切り出し、Nbワイヤをスポット溶接して、0.6vol%のリン酸水溶液中で、10V×6hrの陽極酸化処理を行い、その後、30wt%硫酸水溶液中でLCRメータ(アジレントテクノロジ製 4263B)を用いて静電容量を測定し、静電容量から粗面化による表面積倍率を以下の式で算出した。
(粗面化処理後の静電容量−未処理箔の静電容量×0.5)/(未処理箔の静電容量×0.5)
静電容量測定の結果、粗面化による表面積倍率は3.5であった。
次に、片面を表面積倍率が3.5の粗面化処理を行った圧延Ta箔集電体のもう片面の未処理面に、実施例1と同様の混合膜の成膜(図7−1(d)参照)、および熱処理を施した後(図7−1(e)参照)、粗面化層702’を熱接着性絶縁基板プリプレグ703aとの接合面として実施例1と同様の熱圧着を行った(図7−1(f)参照)。その後、実施例1同様にダイシングソーによる溝形成、酸洗、銅めっきを行ってバルブ金属陽極体シート(図7−2(g)〜(j)参照)を作製した。
実施例4と同様に、集電体の片面に粗面化処理した集電体を用いた場合のバルブ金属陽極体シートを作製したもので、その実施形態を図8−1および図8−2に示す。
先ず、片面を#320のサンドペーパーによって機械的に粗面化処理して粗面化層802’を形成した圧延Ta箔集電体802(図8−1(a)参照)を、実施例4と同様の方法により、その表面積倍率を求めた結果、表面積倍率は1.9であった。
次に、もう片面の未処理面に、実施例1と同様の混合膜の成膜(図8−1(b)参照)、および熱処理を施した後(図8−1(c)参照)、粗面化層802’を熱接着性絶縁基板プリプレグ803aとの接合面として実施例1と同様の熱圧着を行った(図8−1(d)参照)。その後、実施例1同様にダイシングソーによる溝形成、酸洗、銅めっきを行ってバルブ金属陽極体シート(図8−2(e)〜(h)参照)を作製した。
実施例5と同様に機械的粗面化処理により集電体の片面を粗面化したもので、その実施形態は、実施例5の図8−1および図8−2と同じである。
先ず、片面を#260のサンドブラスト処理によって、機械的に粗面化処理した圧延Ta箔集電体を、実施例4と同様の方法により、その表面積倍率を求めた結果、その表面積倍率は1.6であった。その後、もう片面の未処理面を混合成膜面、粗面をプリプレグとの接着面として、実施例1と同様の操作を行なってバルブ金属陽極体シートを作製した。
1 第一のバルブ金属陽極体シート
2 第二のバルブ金属陽極体シート
3 陽極電極を備えた第一のバルブ金属陽極体シート
4 陽極電極を備えた第二のバルブ金属陽極体シート
101、201、301 バルブ金属多孔質膜
102、202、302、402、502、702、802 集電体
102’ 402’ 粗面化層
702’ 粗面化層(多孔質膜作製による粗面化処理面)
802’ 粗面化層(機械的粗面化処理面)
103、203、303、403、503、603、703、803 熱接着性絶縁基板
104、204、304、404、504、604、704、804 溝
205、305、605 バルブ金属膜
206、306、606 絶縁樹脂
307、407、507、607、707、807 開口部
308、309、408、508、608、708、808 陽極電極
401a、501a、601a、701a、801a、711a 混合膜
401b、501b、601b、701b、801b、711b 混合膜
401c、501c、601c、701c、801c バルブ金属多孔質膜
403a、503a、603a、703a、803a 熱接着性絶縁基板プリプレグ
505 銅膜
602 銅膜(集電体)

Claims (14)

  1. バルブ金属膜からなる集電体の片面にバルブ金属多孔質膜を備え、前記集電体の反対の片面に熱接着性絶縁基板を備え、前記バルブ金属多孔質膜の表面から前記熱接着性絶縁基板の内部に達する升目状の溝を備えることを特徴とするバルブ金属陽極体シート。
  2. 前記バルブ金属集電体の熱接着性絶縁基板を備える側の表面が、見掛け面積の1.3倍以上、5.0倍以下の表面積を有する粗面であることを特徴とする請求項1記載のバルブ金属陽極体シート。
  3. 銅膜からなる集電体の片面にバルブ金属膜を備え、前記バブル金属膜の上に、バルブ金属多孔質膜を備え、前記集電体の反対の片面に熱接着性絶縁基板を備え、前記バルブ金属多孔質膜の表面から前記熱接着性絶縁基板の内部に達する升目状の溝を備え、前記集電体の端面および前記溝の内部が絶縁樹脂で被覆されていることを特徴とするバルブ金属陽極体シート。
  4. 前記バルブ金属多孔質膜および前記バルブ金属膜がTa、Nb、Ta合金、およびNb合金のうちのいずれかからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のバルブ金属陽極体シート。
  5. 前記熱接着性絶縁基材が、前記集電体にまで通じる開口部を備え、前記開口部を通して前記集電体に導通した陽極電極を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のバルブ金属陽極体シート。
  6. バルブ金属膜からなる集電体の片面上に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成する工程と、前記混合膜を熱処理する工程と、バルブ金属膜集電体面と熱接着性絶縁基板プリプレグを接合する工程と、前記混合膜の表面から前記熱接着性絶縁基板の内部に達する升目状の溝を形成する工程と、前記混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程を有することを特徴とするバルブ金属陽極体シートの製造方法。
  7. バルブ金属膜からなる集電体の一方の面を、多孔質膜作製による粗面化処理または機械的粗面化処理により粗面とする工程と、前記集電体のもう一方の面に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成する工程と、前記混合膜を熱処理する工程と、前記集電体の粗面と熱接着性絶縁基板プリプレグを接合する工程と、前記混合膜の表面から前記熱接着性絶縁基板の内部に達する升目状の溝を形成する工程と、前記混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程を有することを特徴とするバルブ金属陽極体シートの製造方法。
  8. 前記多孔質作製による粗面化処理が、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成する工程と、前記混合膜を熱処理する工程と、前記混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項7記載のバルブ金属陽極体シートの製造方法。
  9. 前記機械的粗面化処理が、サンドブラスト、或いはショットブラストであることを特徴とする請求項7記載のバルブ金属陽極体シートの製造方法。
  10. 銅膜の片面上に、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成し、前記混合膜の上にバルブ金属膜からなる集電体を形成する工程と、前記混合膜を熱処理する工程と、バルブ金属膜集電体面と熱接着性絶縁基板プリプレグを接合する工程と、前記銅膜の表面から熱接着性絶縁基板の内部に達する升目状の溝を形成する工程と、前記銅膜および前記混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程を有することを特徴とするバルブ金属陽極体シートの製造方法。
  11. 銅膜からなる集電体の片面上に、バルブ金属膜を形成した後、バルブ金属および該バルブ金属と相溶性を持たない異相成分からなる混合膜を形成する工程と、前記混合膜を熱処理する工程と、銅膜集電体面と熱接着性絶縁基板プリプレグを接合する工程と、前記混合膜の表面から熱接着性絶縁基板の内部に達する升目状の溝を形成する工程と、前記溝の内部に絶縁樹脂を充てんする工程と、前記混合膜の異相成分を除去してバルブ金属多孔質膜を形成する工程を有することを特徴とするバルブ金属陽極体シートの製造方法。
  12. 前記バルブ金属多孔質膜および前記バルブ金属膜が、Ta、Nb、Ta合金、およびNb合金のうちのいずれかである請求項6乃至11のいずれか1項に記載のバルブ金属陽極体シートの製造方法。
  13. 前記異相成分が、Cuであることを特徴とする請求項6乃至12のいずれか1項に記載のバルブ金属陽極体シートの製造方法。
  14. 前記熱接着性絶縁基板に、前記集電体に通じる開口部を形成する工程と、前記開口部を通して前記集電体と導通した陽極電極を形成する工程を有することを特徴とする請求項6乃至13のいずれか1項に記載のバルブ金属陽極体シートの製造方法。
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