JP5092677B2 - 吸収式冷凍装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、エンジン等の排温水で駆動される吸収式冷凍装置に関するものである。
従来の空冷吸収式冷凍装置は、吸収器で冷媒蒸気を吸収しながら溶液を空冷フィンで冷却する直接空冷方式であり、吸収器では、冷媒蒸気の吸収と吸収溶液の冷却を同時に行うことからその性能向上には気液界面の拡大が重要である。しかし、そのためには、上下の吸収器ヘッダーや吸収器伝熱管の壁面に流れる溶液に吸収させる冷媒蒸気の圧力損失を低下させるための大口径伝熱管、また蒸発器との冷媒蒸気連絡管の大口径化等が必要であって、装置の小型化への制約が大きい。
これに対して、吸収器に流入する溶液を空冷冷却器で過冷却し、吸収器内では単に冷媒蒸気を吸収させるだけで、吸収熱は過冷却された溶液の顕熱で取り去る間接空冷(溶液分離冷却)方式は、吸収器が従来よりも小型化されるので、小型の空冷吸収式冷凍装置では最も有利な方式と考えられる。
そして、この間接空冷方式の空冷吸収式冷凍装置をエンジン等の排温水を利用して駆動すれば、装置の小型化と低コスト化が図れるので、従来の単に温熱を利用する形態から、温熱を冷熱に変換して利用する形態へ簡単に変更でき、排熱の有効利用が促進され、省エネ、CO2削減に大きく寄与できるものと考えられる。
ところで、この間接空冷方式の空冷吸収式冷凍装置の従来例としては、例えば、特許文献1に示されるものがあるが、この従来例のものでは、吸収器としては溶液を噴霧する方式のものを採用しているが、2重効用サイクルで、且つバーナにより溶液を加熱する従来の直火方式であり、排熱を利用した例は見当たらない。
また、エンジンで圧縮式冷凍装置を駆動し、その排熱で吸収式冷凍装置を駆動するシステムは数多くあり、またその中でも排熱で吸収式冷凍装置を駆動し、その冷熱で圧縮式冷凍装置の冷媒を過冷却することで圧縮式冷凍装置の性能を向上させるようにした吸収式冷凍装置と圧縮式冷凍装置との組み合わせた冷凍システムの従来例としては、例えば、特許文献2に示されるものなど、多数の例がある。
特開平7−98163号公報 特開平9−53864号公報
ところで、例えば、発電機等をエンジンで駆動し、このエンジンの排熱で吸収式冷凍装置を駆動し、冷熱需要が生じた場合に該吸収式冷凍装置において発生した冷熱を利用する冷凍システムでは、エンジンの運転、即ち、排熱の発生タイミングと、上記吸収式冷凍装置の冷熱需要のタイミングは必ずしも一致しておらず、例えば、エンジンによって発電機が運転され多量の排熱が発生しているにも拘らず、上記吸収式冷凍装置の冷熱需要が無い場合とか、逆にエンジンの運転が停止され排熱の発生が無いにも拘らず、上記吸収式冷凍装置の冷熱需要が有るというような場合が発生し得る。また一般の排温水を利用する場合においても排温水の発生と冷熱需要のタイミングが一致せず排熱を温水として蓄熱する場合等が多くあり、放熱による損失等でうまく有効利用が図られていないのが現実である。
尚、従来一般的な排熱吸収式冷凍装置を用いた冷凍シシテムのように、エンジンが運転され排熱の発生がある場合には必ず吸収式冷凍装置を運転し、またエンジンが停止され排熱の発生が無い場合には吸収式冷凍装置を停止するという制御形態を採用すると、該吸収式冷凍装置によって得られる冷熱の有効利用が限られるのと、エンジンによる発電では発電を必要とするタイミングが排熱利用により制限される等もあり、延いては上記吸収式冷凍装置を設備することによってかえってイニシャルコスト及びランニングコストが上昇すると言う問題がある。
そこで本願発明は、エンジン等の排温水で駆動される吸収式冷凍装置において、該吸収式冷凍装置の冷熱需要に基づいて冷凍能力を制御することで、エンジン等の排温水の発生するタイミングと必ず同時運転とする必要がなく、該吸収式冷凍装置の有効利用を促進するとともに、イニシャルコスト及びランニングコストの低減を図ることを目的としてなされたものである。
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
本願の第1の発明では、エンジン等の排温水を受けて作動する発生器と、凝縮器と、冷媒を一過性で蒸発させる蒸発器と、流下液膜式の吸収器と、該吸収器に入る吸収溶液を過冷却する空冷過冷却器6とを備えた排熱駆動の吸収式冷凍装置において、上記凝縮器から上記蒸発器に至る配管64途中に冷媒タンク14と冷媒電磁弁10とを順次設け、上記蒸発器の出口における被冷却流体温度又は該蒸発器の出入口の被冷却流体の温度差から求められる吸収式冷凍装置の冷熱需要に基づいて、上記吸収器に流入する過冷却溶液の温度及び/又は流量を変化させることで上記吸収器の能力を増減して吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御するものとし、上記冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以下となった場合に、上記吸収器の吸収能力を最少に減少させる制御を行うと同時に、上記冷媒電磁弁10を閉として上記蒸発器への冷媒の流入量を減少もしくは停止させることで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を減少させる制御を行うとともに上記冷媒タンク14に上記凝縮器からの冷媒を溜める一方、上記冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以上となった場合には上記吸収器の吸収能力を増加させる制御を行うと同時に、上記冷媒電磁弁10を開として上記冷媒タンク14に溜められた冷媒を上記蒸発器に流入させて該蒸発器3へ冷媒を供給もしくは該蒸発器3への冷媒流量を増加させることで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を増加させる制御を行うとともに、上記エンジン等が運転中で且つ上記吸収式冷凍装置への冷熱需要が無くても、上記発生器1の溶液温度で上記吸収式冷凍装置を運転する必要がある場合は、上記冷媒電磁弁10を閉として上記冷媒タンク14に冷媒を溜めるとともに、上記空冷過冷却器6の冷却ファン7を停止させ、又は該冷却ファン7の停止と同時に上記空冷過冷却器6への冷媒流量を増加する一方、上記エンジン等の運転が継続され上記発生器1の温度がさらに上昇した場合には、該発生器1への排温水の入口側に設けた排温水電磁弁28により該発生器1への入熱を遮断することを特徴としている。
係る構成によれば、上記吸収式冷凍装置の冷熱需要に基づいて上記吸収器に流入する過冷却溶液の温度及び/又は過冷却溶液の流量を変化させて上記吸収器の冷媒吸収能力を増減し吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御することで、該吸収式冷凍装置の制御に際して、エンジン等によって駆動される他の機器との連動運転が不要で安価な制御となり、イニシャルコストが大幅に低減し、更に排熱を最大限に有効利用出来る事からランニングコストも低減して、商品化が大きく促進される。
また、上記吸収式冷凍装置の冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以下となった場合に、上記吸収器の吸収能力を最少に減少させる制御を行うと同時に、上記冷媒電磁弁10を閉として上記蒸発器への冷媒の流入量を減少させることで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を減少させる制御を行なうことで、冷熱需要に対応した冷凍能力の減少制御が実現され、冷熱の有効利用が促進される。
さらに、この場合、上記冷媒タンク14に上記凝縮器からの冷媒を溜めることで、該吸収式冷凍装置側における無効冷媒量を減少させることができエンジン等の排温水の有効利用が促進される。
一方、上記冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以上となった場合には上記吸収器の吸収能力を増加させる制御を行なうと同時に、上記冷媒電磁弁10を開として上記冷媒タンク14に溜められた冷媒を上記蒸発器に流入させて該蒸発器への冷媒流量を増加させることで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を増加させる制御を行なうことで、急激な冷熱需要の増加に対して容易且つ迅速に対応することができる。尚、冷媒を蒸発器に供給すれば、吸収器に過冷却溶液が流入している間は吸収式冷凍装置の冷凍能力が発揮される状態であり、冷熱需要への対応が可能である。
しかも、上記エンジン等が運転中で且つ上記吸収式冷凍装置への冷熱需要が無くても、上記発生器1において冷媒を発生できる場合には冷媒を発生させてこれを冷媒タンク14に溜めて冷熱需要の再要求に備えることで、冷媒の有効利用が図られるとともに、上記空冷過冷却器6の冷却フアン7を停止させ、又は該冷却ファン7の停止と同時に上記空冷過冷却器6への流量を増加させることで、上記吸収器4に流入する溶液が過冷却されるのが防止され、吸収式冷凍装置の冷熱発生がない状態でエンジン等を運転することができる。
また、上記エンジン等の運転が継続され上記発生器1の温度がさらに上昇した場合には、該発生器1への排温水の入口供給配管に設けた排温水電磁弁28により該発生器1への入熱を遮断することで、上記冷媒タンク14が満杯になった後もさらに冷媒が生成される過度の冷媒発生が確実に防止され、吸収式冷凍装置の運転上の信頼性が確保される。 以上の相乗効果として、エンジン等の運転タイミングと上記吸収式冷凍装置の冷熱需要のタイミングが同時でなくても良いことから、エンジン等の排温水で駆動される吸収式冷凍装置における冷熱利用の効率化は図られ、例えば、ピーク時の冷熱需要に対応した大きな能力の吸収式冷凍装置を設備する必要がなく、更なるイニシャルコスト及びランニングコストの低減が促進されるとともに、上記吸収器4に流入する溶液が過冷却されるのが防止され、吸収式冷凍装置の冷熱発生がない状態でエンジン等を運転することができるし、上記冷媒タンク14が満杯になった後もさらに冷媒が生成される過度の冷媒発生が確実に防止され、吸収式冷凍装置の運転上の信頼性が確保される。
本願の第2の発明では、エンジン等の排温水を受けて作動する発生器1と、凝縮器2と、冷媒を一過性で蒸発させる蒸発器3と、流下液膜式の吸収器4と、該吸収器4に入る吸収溶液を過冷却する空冷過冷却器6とを備えた排熱駆動の吸収式冷凍装置において、上記凝縮器2から上記蒸発器3に至る配管64途中に冷媒タンク14と冷媒電磁弁10とを順次設け、上記蒸発器3の出口における被冷却流体の温度又は該蒸発器3の出入口の被冷却流体の温度差から求められる吸収式冷凍装置の冷熱需要に基づいて、上記吸収器4に流入する過冷却溶液の温度及び/又は流量を変化させることで上記吸収器4の能力を増減して吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御するものとし、上記冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以下となった場合に、上記吸収器4の吸収能力を最少に減少させる制御を行うと同時に、上記冷媒電磁弁10を閉として上記蒸発器3への冷媒の流入量を減少もしくは停止させることで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を減少させる制御を行うとともに上記冷媒タンク14に上記凝縮器2からの冷媒を溜める一方、上記冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以上となった場合には上記吸収器4の吸収能力を増加させる制御を行うと同時に、上記冷媒電磁弁10を開として上記冷媒タンク14に溜められた冷媒を上記蒸発器3に流入させて該蒸発器3へ冷媒を供給しもしくは該蒸発器3への冷媒流量を増加させることで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を増加させる制御を行うとともに、上記エンジン等が運転中で且つ上記吸収式冷凍装置への冷熱需要が無くても、上記発生器1の溶液温度で吸収式冷凍装置が運転可能な高温度にあれば、上記冷媒タンク14が満杯となるまで該吸収式冷凍装置を運転し、上記冷媒電磁弁10を閉として上記冷媒タンク14に冷媒を溜めるとともに、上記空冷過冷却器6の冷却ファン7を停止するか、又は該冷却ファン7の停止と同時に上記空冷過冷却器6への溶液の流量を減少させ、もしくは上記吸収器4からの吸収液を上記発生器1へ送る溶液ポンプ9を停止させ、上記冷媒タンク14に冷媒が満杯となったときに上記吸収式冷凍装置の運転を停止することを特徴としている。
係る構成によれば、上記吸収式冷凍装置の冷熱需要に基づいて上記吸収器4に流入する過冷却溶液の温度及び/又は過冷却溶液の流量を変化させて上記吸収器4の冷媒吸収能力を増減し吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御することで、該吸収式冷凍装置の制御に際して、エンジン等によって駆動される他の機器との連動運転が不要で安価な制御となり、イニシャルコストが大幅に低減し、更に排熱を最大限に有効利用出来る事からランニングコストも低減して、商品化が大きく促進される。
また、上記吸収式冷凍装置の冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以下となった場合に、上記吸収器4の吸収能力を最少に減少させる制御を行うと同時に、上記冷媒電磁弁10を閉として上記蒸発器3への冷媒の流入量を減少させることで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を減少させる制御を行なうことで、冷熱需要に対応した冷凍能力の減少制御が実現され、冷熱の有効利用が促進される。
さらに、この場合、上記冷媒タンク14に上記凝縮器2からの冷媒を溜めることで、該吸収式冷凍装置側における無効冷媒量を減少させることができエンジン等の排温水の有効利用が促進される。
一方、上記冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以上となった場合には上記吸収器4の吸収能力を増加させる制御を行なうと同時に、上記冷媒電磁弁10を開として上記冷媒タンク14に溜められた冷媒を上記蒸発器3に流入させて該蒸発器3への冷媒流量を増加させることで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を増加させる制御を行なうことで、急激な冷熱需要の増加に対して容易且つ迅速に対応することができる。尚、冷媒を蒸発器3に供給すれば、吸収器4に過冷却溶液が流入している間は吸収式冷凍装置の冷凍能力が発揮される状態であり、冷熱需要への対応が可能である。
しかも、上記エンジン等が停止中で且つ吸収式冷凍装置への冷熱需要が無くても、上記発生器1での冷媒発生が可能な場合は上記冷媒タンク14に冷媒が満杯となるまで該吸収式冷凍装置を運転し、上記冷媒タンク14に冷媒を溜めて冷熱需要の再要求に備えることで、冷媒の有効利用が図られるとともに、上記空冷過冷却器6の冷却ファン7を停止するか、又は該冷却ファン7の停止と同時に上記空冷過冷却器6への溶液の流量を減少させ、もしくは上記溶液ポンプ9を停止させることで、上記吸収器4に流入する溶液が過冷却されるのが防止される。また、上記冷媒タンク14に冷媒が満杯となったときに上記吸収式冷凍装置の運転を停止することで、過度の冷媒発生が確実に防止され、吸収式冷凍装置の運転上の信頼性が確保される。
以上の相乗効果として、エンジン等の運転タイミングと上記吸収式冷凍装置の冷熱需要のタイミングが同時でなくても良いことから、エンジン等の排温水で駆動される吸収式冷凍装置における冷熱利用の効率化は図られ、例えば、ピーク時の冷熱需要に対応した大きな能力の吸収式冷凍装置を設備する必要がなく、更なるイニシャルコスト及びランニングコストの低減が促進されるとともに、冷媒の有効利用が図られるし、上記吸収器4に流入する溶液が過冷却されるのが防止されるし、過度の冷媒発生が確実に防止され、吸収式冷凍装置の運転上の信頼性が確保される。
本願の第の発明では、上記第1又は第2の発明に係る吸収式冷凍装置において、エンジン等の運転、停止に拘らず、上記吸収式冷凍装置の運転、停止を、冷熱需要に加えて、上記発生器の溶液温度に基づいて行うことを特徴としている。
係る構成によれば、例えば、エンジン等が停止され、吸収式冷凍装置の発生器に排熱が供給されない状態であったとしても、該発生器における溶液温度が、冷媒の発生が可能な温度である場合には上記吸収式冷凍装置が運転されることで冷媒の有効利用が図られ、延いては、吸収式冷凍装置の運転効率の向上が期待できる。
本願の第の発明では、上記第1、第2又は第の発明に係る吸収式冷凍装置において、上記冷媒タンク14に堰14aを設け、該堰14aを越流させて上記蒸発器に冷媒を流入させるとともに、上記冷媒電磁弁10の開閉によって上記蒸発器への冷媒流量を増減もしくは停止させるようにしたことを特徴としている。
係る構成によれば、上記冷媒電磁弁10が閉から開とされた時点、即ち、上記冷媒タンク14に冷媒を貯留した後に貯留された冷媒を上記蒸発器側へ流す時点では、常に上記冷媒タンク14には冷媒が貯留されているので、該冷媒電磁弁10の開作動と同時に上記蒸発器側へ十分な量の冷媒が流され、冷凍能力の増加制御がより一層迅速且つ確実に行なわれる。
本願の第の発明では、上記第1、第2、第3又は第の発明に係る吸収式冷凍装置において、上記冷媒タンク14が満杯となった後の余剰冷媒を、上記蒸発器の下部に、又は直接に上記吸収器の希溶液溜まり16に、流入させることを特徴としている。
係る構成によれば、余剰冷媒を、上記蒸発器の下部に、又は直接に上記吸収器の希溶液溜まり16に流入させて該希溶液溜まり16内の吸収希溶液に混合させることで、吸収溶液の濃度変化を抑えることができるので過度に溶液を濃縮することもなく、蒸発器での冷媒凍結や発生器での高濃度化による溶液の結晶が回避できる。
本願の第の発明では、上記第1、第2、第3、第4又は第発明に係る吸収式冷凍装置において、上記吸収器に流入する過冷却溶液の温度を、上記空冷過冷却器の冷却ファンの発停又は風量の増減によって変化させることで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御することを特徴としている。
係る構成によれば、過冷却溶液の温度を変化させての冷凍能力の制御が、間接空冷方式の特性を生かして、上記冷却ファンの発停又は風量の増減によって極めて容易且つ迅速に行なえることから、吸収式冷凍装置の能力制御範囲を最少能力まで低下させることができ、延いては、冷熱利用側機器の能力を限界まで利用することが可能となる。
本願の第の発明では、上記第1、第2、第3、第4又は第の発明に係る吸収式冷凍装置において、上記空冷過冷却器の入口側又は出口側に設けた流量調整弁11又は12によって上記吸収器に流入する過冷却溶液の流量を変化させることで冷凍能力を制御することを特徴としている。
係る構成によれば、冷凍能力の制御が、流量調整弁11又は12による過冷却溶液の流量調整によって極めて容易且つ迅速に行なえることから、吸収式冷凍装置の能力制御範囲を最少能力まで低下させることができ、延いては、冷熱利用側機器の能力を限界まで利用することが可能となる。
本願の第の発明では、上記第1、第2、第3、第4又は第の発明に係る吸収式冷凍装置において、冷媒蒸気を吸収した上記吸収器からの希溶液と、上記発生器で冷媒蒸気を発生し且つ溶液熱交換器での熱交換によって温度が低下した濃溶液との混合溶液を吸引及び吐出する溶液ポンプの流量を増減することで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御することを特徴としている。
係る構成によれば、上記溶液ポンプの流量を増減させることで、容易且つ迅速に冷凍能力を制御できることから、吸収式冷凍装置の能力制御範囲を最少能力まで低下させることができ、延いては、冷熱利用側機器の能力を限界まで利用することが可能となる。
本願の第の発明では、上記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7又は第の発明に係る吸収式冷凍装置において、上記冷媒タンク14から上記蒸発器へ流入する冷媒流量の増減制御を、該冷媒タンク14から蒸発器に至る配管の途中に設けた冷媒電磁片10の開閉によって行なうことを特徴としている。
係る構成によれば、上記蒸発器への冷媒の流入量を細かく増減制御することができることから、吸収式冷凍装置の冷凍能力の制御を、上記圧縮式冷凍装置側の負荷の変化に対応させて緻密に制御することができる。
本願の第1の発明では、エンジン等の排温水を受けて作動する発生器と、凝縮器と、下部の冷媒溜り17に溜まった冷媒を冷媒ポンプ13で上部へ循環させて散布し蒸発させる蒸発器と、流下液膜式の吸収器と、該吸収器に入る吸収溶液を過冷却する空冷過冷却器を備えた排熱駆動の吸収式冷凍装置において、上記凝縮器から上記蒸発器に至る配管64途中に冷媒タンク14と冷媒電磁弁10を順次設け、上記蒸発器の上記冷媒溜り17には一定量の冷媒しか溜まらないようにして余剰冷媒は上記吸収器の下部の希溶液溜り16に流入させる一方、上記蒸発器の出口の被冷却流体温度又は該蒸発器の出入口の被冷却流体の温度差から求められる吸収式冷凍装置の冷熱需要に基づいて、上記吸収器に流入する過冷却溶液の温度及び/又は過冷却溶液の流量を変化させることで上記吸収器の能力を増減して吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御するものとし、上記冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以下となった場合に、上記吸収器の吸収能力を最少に減少させる制御を行うと同時に冷媒ポンプ13を停止し、上記冷媒電磁弁10を閉として上記蒸発器への冷媒の流入を停止し上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を減少させる制御を行なうとともに、上記冷媒タンク14に上記凝縮器からの冷媒を溜める一方、上記冷熱需要の上昇時は上記冷媒ポンプ13を運転して冷媒を上記蒸発器に循環させるが、上記冷熱需要が上記設定値以上となった場合には上記吸収器の吸収能力を増加させる制御を行なうと同時に、上記冷媒電磁弁10を開として上記冷媒タンク14に溜められた冷媒を上記蒸発器に流入させて上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を増加させる制御を行なうとともに、上記エンジン等が運転中で且つ上記吸収式冷凍装置への冷熱需要が無くても、上記発生器1の溶液温度で上記吸収式冷凍装置を運転する必要がある場合は、上記空冷過冷却器6の冷却ファン7を停止させ、又は該冷却ファン7の停止と同時に上記空冷過冷却器6への流量を増加する一方、上記エンジン等の運転が継続され上記発生器1の温度が上昇した場合には、該発生器1への排温水の入口供給配管に設けた排温水電磁弁11又は12により該発生器1への入熱を遮断することを特徴としている。
係る構成によれば、上記吸収式冷凍装置の冷熱需要に基づいて上記吸収器に流入する過冷却溶液の温度及び/又は過冷却溶液の流量を変化させて上記吸収器の冷媒吸収能力を増減し吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御することで、該吸収式冷凍装置の制御に際して、エンジン等によって駆動される他の機器との連動運転が不要で安価な制御となり、イニシャルコストが大幅に低減し、更に排熱を最大限に有効利用出来る事からランニングコストも低減して、商品化が大きく促進される。
また、上記吸収式冷凍装置の冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以下となった場合に、上記吸収器の吸収能力を最少に減少させる制御を行うと同時に冷媒ポンプ13を停止し、上記冷媒電磁弁10を閉として上記蒸発器への冷媒の流入を停止し上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を減少させる制御を行なうことで、冷熱需要に対応した冷凍能力の減少制御が実現され、冷熱の有効利用が促進される。
さらに、この場合、上記冷媒タンク14に上記凝縮器からの冷媒を溜めることで、該吸収式冷凍装置側における無効冷媒量を減少させることができる。
一方、上記冷熱需要が上記設定値以上となった場合には上記吸収器の吸収能力を増加させる制御を行なうと同時に、上記冷媒電磁弁10を開として上記冷媒タンク14に溜められた冷媒を上記蒸発器に流入させて上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を増加させる制御を行なうことで、急激な冷熱需要の増加に対して容易且つ迅速に対応することができる。
しかも、上記エンジン等が運転中で且つ上記吸収式冷凍装置への冷熱需要が無くても、上記発生器1において冷媒を発生できる場合には冷媒を発生させてこれを冷媒タンク14に溜めて冷熱需要の再要求に備えることで、冷媒の有効利用が図られるとともに、上記空冷過冷却器6の冷却ファン7を停止させ、又は該冷却ファン7の停止と同時に上記空冷過冷却器6への流量を増加させることで、上記吸収器4に流入する溶液が過冷却されるのが防止され、吸収式冷凍装置の冷熱発生がない状態でエンジン等を運転することができる。
また、上記エンジン等の運転が継続され上記発生器1の温度がさらに上昇した場合には、該発生器1への排温水の入口供給配管に設けた排温水電磁弁28により該発生器1への入熱を遮断することで、上記冷媒タンク14が満杯になった後もさらに冷媒が生成される過度の冷媒発生が確実に防止され、吸収式冷凍装置の運転上の信頼性が確保される。
以上の相乗効果として、エンジン等の運転タイミングと上記吸収式冷凍装置の冷熱需要のタイミングが同時でなくても良いことから、エンジン等の排温水で駆動される吸収式冷凍装置における冷熱利用の効率化は図られ、例えば、ピーク時の冷熱需要に対応した大きな能力の吸収式冷凍装置を設備する必要がなく、更なるイニシャルコスト及びランニングコストの低減が促進されるとともに、上記吸収器4に流入する溶液が過冷却されるのが防止され、吸収式冷凍装置の冷熱発生がない状態でエンジン等を運転することができるし、上記冷媒タンク14が満杯になった後もさらに冷媒が生成される過度の冷媒発生が確実に防止され、吸収式冷凍装置の運転上の信頼性が確保される。
本願の第11の発明では、エンジン等の排温水を受けて作動する発生器1と、凝縮器2と、下部の冷媒溜り17に溜まった冷媒を冷媒ポンプ13で上部へ循環させて散布し蒸発させる蒸発器3と、流下液膜式の吸収器4と、該吸収器4に入る吸収溶液を過冷却する空冷過冷却器6を備えた排熱駆動の吸収式冷凍装置において、上記凝縮器2から上記蒸発器3に至る配管64途中に冷媒タンク14と冷媒電磁弁10を順次設け、上記蒸発器3の上記冷媒溜り17には一定量の冷媒しか溜まらないようにして余剰冷媒は上記吸収器4の下部の希溶液溜り16に流入させる一方、上記蒸発器3の出口の被冷却流体温度又は該蒸発器3の出入口の被冷却流体の温度差から求められる吸収式冷凍装置の冷熱需要に基づいて、上記吸収器4に流入する過冷却溶液の温度及び/又は過冷却溶液の流量を変化させることで上記吸収器4の能力を増減して吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御するものとし、上記冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以下となった場合に、上記吸収器4の吸収能力を最少に減少させる制御を行うと同時に冷媒ポンプ13を停止し、上記冷媒電磁弁10を閉として上記蒸発器3への冷媒の流入を停止し上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を減少させる制御を行なうとともに、上記冷媒タンク14に上記凝縮器2からの冷媒を溜める一方、上記冷熱需要の上昇時は上記冷媒ポンプ13を運転して冷媒を上記蒸発器3に循環させるが、上記冷熱需要が上記設定値以上となった場合には上記吸収器4の吸収能力を増加させる制御を行なうと同時に、上記冷媒電磁弁10を開として上記冷媒タンク14に溜められた冷媒を上記蒸発器3に流入させて上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を増加させる制御を行なうとともに、上記エンジン等が停止中で且つ吸収式冷凍装置への冷熱需要が無くても、上記発生器の溶液温度で吸収式冷凍装置が運転可能な高温度にあれば、上記冷媒タンク14に冷媒が満杯となるまで該吸収式冷凍装置を運転するとともに冷媒ポンプ13を停止し、上記空冷過冷却器6の冷却ファン7を停止するか、又は該冷却ファン7の停止と同時に上記空冷過冷却器6への溶液の流量を減少させるようにしたことを特徴としている。
係る構成によれば、上記吸収式冷凍装置の冷熱需要に基づいて上記吸収器4に流入する過冷却溶液の温度及び/又は過冷却溶液の流量を変化させて上記吸収器4の冷媒吸収能力を増減し吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御することで、該吸収式冷凍装置の制御に際して、エンジン等によって駆動される他の機器との連動運転が不要で安価な制御となり、イニシャルコストが大幅に低減し、更に排熱を最大限に有効利用出来る事からランニングコストも低減して、商品化が大きく促進される。
また、上記吸収式冷凍装置の冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以下となった場合に、上記吸収器4の吸収能力を最少に減少させる制御を行うと同時に冷媒ポンプ13を停止し、上記冷媒電磁弁10を閉として上記蒸発器3への冷媒の流入を停止し上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を減少させる制御を行なうことで、冷熱需要に対応した冷凍能力の減少制御が実現され、冷熱の有効利用が促進される。
さらに、この場合、上記冷媒タンク14に上記凝縮器からの冷媒を溜めることで、該吸収式冷凍装置側における無効冷媒量を減少させることができる。
一方、上記冷熱需要が上記設定値以上となった場合には上記吸収器4の吸収能力を増加させる制御を行なうと同時に、上記冷媒電磁弁10を開として上記冷媒タンク14に溜められた冷媒を上記蒸発器3に流入させて上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を増加させる制御を行なうことで、急激な冷熱需要の増加に対して容易且つ迅速に対応することができる。
しかも、上記エンジン等が停止中で且つ吸収式冷凍装置への冷熱需要が無くても、上記発生器1での冷媒発生が可能な場合は上記冷媒タンク14に冷媒が満杯となるまで該吸収式冷凍装置を運転して冷媒タンク14に冷媒を溜めて冷熱需要の再要求に備えることで、冷媒の有効利用が図られる一方、上記冷媒ポンプ13を停止させた状態で、上記空冷過冷却器6の冷却ファン7を停止するか、又は該冷却ファン7の停止と同時に上記過冷却熱交換器6への溶液の流量を減少させることで、上記吸収器4に流入する溶液が過冷却されるのが防止される。
以上の相乗効果として、エンジン等の運転タイミングと上記吸収式冷凍装置の冷熱需要のタイミングが同時でなくても良いことから、エンジン等の排温水で駆動される吸収式冷凍装置における冷熱利用の効率化は図られ、例えば、ピーク時の冷熱需要に対応した大きな能力の吸収式冷凍装置を設備する必要がなく、更なるイニシャルコスト及びランニングコストの低減が促進されるとともに、冷媒の有効利用が図られるし、上記吸収器4に流入する溶液が過冷却されるのが防止される。
本願の第1の発明では、上記第10又は第1の発明に係る吸収式冷凍装置において、上記吸収式冷凍装置の運転、停止を上記発生器の溶液温度で制御するものとし、上記冷媒タンク14が満杯にならなくても上記発生器の溶液温度が低下したときに上記吸収式冷凍装置を停止することを特徴としている。
係る構成によれば、発生器の溶液温度が低下してそれ以上に冷媒を発生させることができないときに、上記吸収式冷凍装置を停止することで、該吸収式冷凍装置の運転の無駄がなくなり、それだけ該吸収式冷凍装置の運転効率が高められる。
本願の第1の発明では、上記第10、第11、第12又は第1の発明に係る吸収式冷凍装置において、上記蒸発器の上記冷媒溜り17の冷媒量が減少した場合には上記冷媒電磁弁10を開として上記冷媒タンク14の冷媒を上記冷媒溜り17に補充することを特徴としている。
係る構成によれば、上記冷媒溜り17の冷媒量が減少したときに上記冷媒タンク14の冷媒が上記冷媒溜り17に補充されることで、このような冷媒の補充が行なわれない場合に比して、上記蒸発器への循環冷媒量が更に増加し、上記吸収式冷凍装置の冷凍能力の増加要求に対する応答性が向上し、該吸収式冷凍装置の冷凍能力を冷熱需要の変化に対応させる制御が容易となる。
本願の第1の発明では、上記第10、第11、第12又は第1の発明に係る吸収式冷凍装置において、上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を、上記吸収器に流入する過冷却溶液の温度を上記空冷過冷却器の冷却ファンの発停又は風量の増減によって変化させることで制御することを特徴としている。
係る構成によれば、過冷却溶液の温度を変化させての冷凍能力の制御が、間接空冷方式の特性を生かして、上記空冷過冷却器の冷却ファンの発停又は風量の増減によって極めて容易且つ迅速に行なえることから、吸収式冷凍装置の能力制御範囲を最少能力まで低下させることができ、その制御性が向上する。
本願の第1の発明では、上記第10、第11、第12又は第1の発明に係る吸収式冷凍装置において、上記空冷過冷却器の入口側又は出口側に設けた流量調整弁11又は12によって上記吸収器に流入する過冷却溶液の流量を変化させることで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御することを特徴としている。
係る構成によれば、冷凍能力の制御が、流量調整弁11又は12による過冷却溶液の流量調整によって極めて容易且つ迅速に行なえることから、吸収式冷凍装置の能力制御範囲を最少能力まで低下させることができ、延いては、その制御性が向上する。
本願の第1の発明では、上記第10、第11、第12、第13、第14又は第1の発明に係る吸収式冷凍装置において、冷媒蒸気を吸収した上記吸収器からの希溶液と、上記発生器で冷媒蒸気を発生し且つ溶液熱交換器での熱交換によって温度が低下した濃溶液との混合溶液を吸引及び吐出する溶液ポンプの流量を増減することで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御することを特徴としている。
係る構成によれば、上記溶液ポンプの流量を増減させることで、容易且つ迅速に冷凍能力を制御できることから、吸収式冷凍装置の能力制御範囲を最少能力まで低下させることができ、延いては、その制御性が向上する。
以上の結果、吸収式冷凍装置の冷熱需要に基づいて冷凍能力を制御することで、該吸収式冷凍装置の有効利用が促進されるとともに、イニシャルコスト及びランニングコストの低減が図られることになる。
しかも、請求項1の発明では、吸収器4に流入する溶液が過冷却されるのが防止され、吸収式冷凍装置の冷熱発生がない状態でエンジン等を運転することができるし、冷媒タンク14が満杯になった後もさらに冷媒が生成される過度の冷媒発生が確実に防止され、吸収式冷凍装置の運転上の信頼性が確保される。
また、請求項2の発明では、冷媒の有効利用が図られるし、吸収器4に流入する溶液が過冷却されるのが防止されるし、過度の冷媒発生が確実に防止され、吸収式冷凍装置の運転上の信頼性が確保される。
また、請求項10の発明では、吸収器4に流入する溶液が過冷却されるのが防止され、吸収式冷凍装置の冷熱発生がない状態でエンジン等を運転することができるし、上記冷媒タンク14が満杯になった後もさらに冷媒が生成される過度の冷媒発生が確実に防止され、吸収式冷凍装置の運転上の信頼性が確保される。
また、請求項11の発明では、冷媒の有効利用が図られるし、上記吸収器4に流入する溶液が過冷却されるのが防止される。
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
I:第1の実施形態
図1には、本願発明の第1の実施形態に係る冷凍システムが示されている。この冷凍システムは、エンジン等(図示省略)の排温水によって駆動される吸収式冷凍装置Zで構成され、特に該吸収式冷凍装置Zにおいて発生する冷熱を冷水として取り出し空調に用いるようにしたものである。
尚、上記エンジン等は、その駆動対象が圧縮式冷凍装置や発電機等の各種機器の駆動減として用いられるものおよび一般的な排温水等であって、例えば、排温水を上記吸収式冷凍装置Zに駆動熱源として供給できれば良い。また、上記吸収式冷凍装置Zで発生される冷熱は、以下の実施形態では冷水として空調に用いられるとしているが、係る用途に限定されるものではなく、例えば、冷熱を圧縮式冷凍装置の冷媒過冷却用熱源として用いることもできるものである。
以下においては、上記吸収式冷凍装置Zの冷熱を冷水取り出しとして空調に用いる場合を一例として、該吸収式冷凍装置Zの冷凍能力の制御について説明する。
上記吸収式冷凍装置Zは、冷媒として水(H2O)を、吸収液として臭化リチウム(LiBr)を採用するとともに、排温水を加熱源として用いた排熱駆動式の空冷吸収式冷凍装置であって、吸収希溶液を熱交換器1aにおいて排温水で加熱して冷媒蒸気と吸収濃溶液を生成させる発生器1と、該発生器1から管路51を通して流入される冷媒蒸気を凝縮させて冷媒液とする凝縮器2と、該凝縮器2から管路52を通して流入される冷媒液を被冷却流体(即ち、冷水)が内部に流れているプレート式熱交換器3aのプレート面に散布して一過性でこれを蒸発させる蒸発器3と、上記蒸発器3で生成された冷媒蒸気を吸収させて吸収希溶液を生成させる流下液膜式の吸収器4と、上記発生器1へ管路53を通して流入される吸収希溶液と該発生器1から管路54を通して流出する吸収濃溶液をプレート式熱交換器5aにおいて熱交換させる溶液熱交換器5と、上記溶液熱交換器5からの吸収濃溶液と上記吸収器4の下部に設けた希溶液溜り16の吸収希溶液との混合溶液を管路55を通して流入させてこれを過冷却して上記吸収器4に流入させるファン7を備えた空冷式の溶液過冷却器6と、上記吸収器4からの吸収希溶液を上記溶液熱交換器5を介して上記発生器1に流入させる溶液ポンプ9を備えて構成される。
ここで、上記蒸発器3と吸収器4は一体の躯体15内に収められており、上記蒸発器3の下部に流下する未蒸発冷媒はそのまま上記躯体15の底壁を流れて上記吸収器4の下部に設けられた希溶液溜り16に流入し、該希溶液溜り16内の吸収希溶液に混合される。これによって、上記発生器1で発生する冷媒量の増減で溶液濃度が大きく変化するのが防止される。
また、上記凝縮器2と上記蒸発器3を接続する管路52の途中と上記蒸発器3は、バイパス管路64によって接続されている。そして、このバイパス管路64には、その上流側から冷媒タンク14と冷媒電磁弁10が順次設けられている。従って、上記冷媒電磁弁10の閉作動においては、上記冷媒タンク14に冷媒が溜められる一方、該冷媒電磁弁10の開作動時には上記冷媒タンク14に溜められた冷媒が上記蒸発器3側に供給される。
さらに、発生器1の熱交換器1aの入口側には排温水電磁弁28が、出口側には温度センサ27が、それぞれ設けられている。
被冷却流体(冷水)は上記吸収式冷凍装置Z側の上記蒸発器3のプレート式熱交換器3aにその下端側から流入し、その上端側へ流出するが、その際、上記吸収式冷凍装置の蒸発器3のプレート式熱交換器3aにおいて冷媒が蒸発することで冷却される。
そして、上記吸収式冷凍装置Zはエンジン等や一般のの排温水を熱源として駆動させるために、上記発生器1の熱交換器1aとが管路57,58によって接続されている。
以上のように構成された冷凍システムは以下のように作動する。
上記吸収式冷凍装置Zにおいては、エンジン等からの排温水を受けて、上記発生器1で上記吸収器4からの吸収希溶液が加熱され、冷媒蒸気と吸収濃溶液が生成される。上記発生器1で発生した冷媒蒸気は、ファン8を備えた空冷式の上記凝縮器2において凝縮され、液冷媒とされる。
ここで、上記凝縮器2からの液冷媒は、上記冷媒電磁弁10が開作動中である場合は、上記管路52と上記バイパス管路64のそれぞれを介して上記蒸発器3の上部に流入される。また、上記冷媒電磁弁10が閉作動中である場合には、上記凝縮器2からの液冷媒の一部は上記管路52を通して上記蒸発器3の上部に流入され、他の一部は上記冷媒タンク14に溜められる。従って、上記蒸発器3への液冷媒の流入量は、上記冷媒電磁弁10の開作動時には多くなり、閉作動時には少なくなる。
そして、上記蒸発器3の上部に流入された液冷媒は、散布器(図示省略)から上記プレート式熱交換器3aの上部に均等に散布され、該熱交換器3aの表面に沿って流下する間に蒸発して冷媒蒸気を発生する。また、このとき、その蒸発熱によって上記プレート式熱交換器3a内を流れる被冷却流体(冷水)を冷却する。
一方、上記吸収器4においては、上記空冷過冷却器6において過冷却された吸収希溶液が散布器(図示省略)からプレート4aに均等に散布され、該プレート4aに沿って流下する間に上記蒸発器3からの冷媒蒸気を吸収して吸収希溶液とされ、上記希溶液溜り16に貯留される。
上記希溶液溜り16には、上記吸収器4において冷媒蒸気を吸収した吸収希溶液と、上記蒸発器3にて蒸発せずに下部に流下した未蒸発冷媒があれば、未蒸発冷媒とからなる混合溶液が貯留されるとともに、この混合溶液は上記溶液ポンプ9によって上記発生器1側へ供給される。この際、上記溶液熱交換器5において、上記吸収器4側からの吸収希溶液と上記発生器1で生成された吸収濃溶液との間での熱交換によって熱回収が行なわれる。
そして、この吸収式冷凍装置Zにおいては、その冷凍能力が、上記吸収器4における吸収能力の調整によって増減制御される。即ち、上記吸収器4の吸収能力を高めて吸収希溶液への冷媒蒸気の吸収作用を高めることで、上記蒸発器3における蒸発能力が高められ、結果的に吸収式冷凍装置Z全体としての冷凍能力が高められるものである。
ところで、例えば、この実施形態のように、エンジン等の排温水で上記吸収式冷凍装置Zを運転する構成の冷凍システムにおいては、エンジン等の運転、即ち、排温水の発生タイミングと、上記吸収式冷凍装置Zの冷熱需要のタイミングは必ずしも一致しておらず、例えば、エンジンによって発電機が運転され多量の排熱が発生しているにも拘らず、上記吸収式冷凍装置Zの冷熱需要が無い場合(例えば、外気温が低く冷房の要求が無いような場合)とか、逆に、発電の必要がなくエンジンの運転が停止され排熱の発生が無いにも拘らず、上記吸収式冷凍装置の冷熱需要が有るというような場合(例えば、外気温が高くなったような場合)が発生し得る。
係る場合、従来一般的な排熱吸収式冷凍装置を用いた冷凍シシテムのように、エンジン等が運転され排熱の発生がある場合には必ず吸収式冷凍装置を運転し、またエンジン等が停止され排熱の発生が無い場合には吸収式冷凍装置を停止するという制御形態を採用すると、エンジン等の運転負荷と該吸収式冷凍装置によって得られる冷熱需要とがうまくマッチングしないと有効利用が図れず、延いては上記吸収式冷凍装置を設備することによってイニシャルコスト及びランニングコストがかえって上昇すると言う問題があることは既述の通りである。
そこで、この実施形態では、エンジン等の排温水で駆動される吸収式冷凍装置において、該吸収式冷凍装置の冷熱需要に基づいて冷凍能力を制御することで、該吸収式冷凍装置の有効利用を促進するとともに、イニシャルコスト及びランニングコストの低減を図ることを目的としてなされたものである。
このような制御を実現するために、この実施形態では、上記吸収器4に流入する過冷却溶液の温度を変化させることで該吸収器4の冷媒吸収能力を増減して吸収式冷凍装置Zの冷凍能力を制御することを基本思想とし、係る思想の下で、上記吸収式冷凍装置Zの冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以下となった場合に、上記吸収器3の吸収能力を最少に減少させる制御を行うと同時に、上記冷媒電磁弁10を閉として上記蒸発器4への冷媒の流入量を減少させることで上記吸収式冷凍装置Zの冷凍能力を減少させる制御を行なうとともに上記冷媒タンク14に上記凝縮器2からの冷媒を溜める。一方、上記吸収式冷凍装置Zの冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以上となった場合には、上記吸収器3の吸収能力を増加させる制御を行なうと同時に、上記冷媒電磁弁10を開として上記冷媒タンク14に溜められた冷媒を上記蒸発器3に流入させて該蒸発器3への冷媒流量を増加させることで上記吸収式冷凍装置Zの冷凍能力を増加させる制御を行なうようにしている。
また、この場合、上記吸収式冷凍装置Zの運転は、上述のように上記吸収式冷凍装置Zの冷熱需要によって制御される場合の他に、上記発生器1における溶液温度によっても制御するようにし、これによって冷媒の発生が可能な状態ではエンジン等の運転中又は停止中に拘らず上記吸収式冷凍装置Zを運転して冷媒を発生させ、これを上記冷媒タンク14に溜め、その後、冷熱需要が生じた場合にこの冷媒タンク14内の冷媒を上記蒸発器3側へ流入させることで、例えエンジン等が停止中で上記吸収式冷凍装置Z側への入熱がなくても、冷熱を供給することができるようにしている。この結果、エンジン等の運転タイミングと冷熱需要のタイミングが一致しなくてもよく、それだけ排温水の利用が促進されるものである。
ここで、上記吸収式冷凍装置Zの冷熱需要の判断であるが、ここでは、上記温度センサ18によって検出される蒸発器3の出口被冷却流体温度(冷水温度)を現在の冷熱需要とする。また、冷熱需要の判断の基準となる設定値は、冷熱利用側の条件(即ち、この実施形態では、冷水の使用条件)を考慮して予め設定される蒸発器3の出口被冷却流体温度である。そして、上記温度センサ18によって検出される蒸発器3の出口被冷却流体温度(即ち、冷熱需要)を、上記設定値と比較し、上記冷熱需要が設定値以下となった場合は、冷熱が過多となっている状態であるため、上記吸収式冷凍装置Zの冷凍能力を減少させる制御を行なう。上記冷熱需要が設定値以上となった場合は、冷熱が不足した状態であるため、上記吸収式冷凍装置Zの冷凍能力を増加させる制御を行なう。
この吸収式冷凍装置Zの冷凍能力の具体的な制御は以下の通りである。
即ち、上記冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以下となった場合に、上記吸収器の吸収能力を最少に減少させる制御(即ち、上記空冷過冷却器6の冷却ファン8を停止するか、又は該冷却ファン8の停止と同時に上記空冷過冷却器6への溶液の流量を減少させ、もしくは上記溶液ポンプ9を停止させる制御)と同時に、上記冷媒電磁弁10を閉として上記蒸発器3への冷媒の流入量を減少させることで上記吸収式冷凍装置Zの冷凍能力を減少させる制御を行なう。
さらに、上記冷熱需要が設定値以下でなおエンジンの運転が継続され上記発生器1の温度がさらに上昇した場合には、該発生器1への排温水の入口側に設けた排温水電磁弁28により該発生器1への入熱を遮断することで、上記冷媒タンク14が満杯になった後もさらに冷媒が生成される過度の冷媒発生が確実に防止され、吸収式冷凍装置Zの運転上の信頼性が確保される。
一方、上記冷熱需要が上記設定値以上となった場合には、上記吸収器の吸収能力を増加させる制御(即ち、上記空冷過冷却器6の冷却ファン8を運転するか、又は該冷却ファン8の運転と同時に上記空冷過冷却器6への溶液の流量を増加させ、もしくは上記溶液ポンプ9を運転させる制御)と同時に、上記冷媒電磁弁10を開として上記冷媒タンク14に溜められた冷媒を上記蒸発器3に流入させて該蒸発器3への冷媒流量を増加させることで上記吸収式冷凍装置Zの冷凍能力を増加させる制御を行なう。
また、上記吸収式冷凍装置Zの運転と停止は、エンジン等の運転又は停止にかかわらず、上記冷熱需要によって制御される他に、上記発生器1内もしくは発生器の溶液出口側に設けた温度センサ27によって検出される溶液温度に基づいて行うようにすることもできる。このように上記発生器1の溶液温度で上記吸収式冷凍装置Zの運転と停止を行うように構成することで、例えば、エンジン等が停止され、上記吸収式冷凍装置Zの上記発生器1に排熱が供給されない状態であったとしても、該発生器1における溶液温度が、冷媒の発生が可能な温度である場合には上記吸収式冷凍装置Zが運転されることとなり、冷媒の有効利用が図れる。
さらに、上記冷媒タンク14への冷媒の貯留は、エンジン等が運転中で且つ上記冷媒電磁弁10が閉作動中である場合のみならず、エンジン等の運転停止中においても行われる。即ち、エンジン等が停止状態であっても発生器1の溶液温度が所定温度以上で且つ上記冷媒タンク14の冷媒貯留能力に余裕がある場合には、上記冷媒電磁弁10を閉作動させ、上記冷媒タンク14が満杯となるまで吸収式冷凍装置Zを運転し、又は上記溶液ポンプ9のみを運転することで、上記冷媒タンク14に冷媒を貯留する。そして、上記発生器1の溶液温度が上記所定温度以下になれば、例え上記冷媒タンク14の冷媒貯留能力に余裕があっても、上記吸収式冷凍装置Zの運転を停止し、又は上記溶液ポンプ6の運転を停止し、上記冷媒タンク14への冷媒の貯留を停止させる。
係る構成によれば、エンジン等が停止状態であっても、冷媒の発生が可能な状態で且つ上記冷媒タンク14への冷媒の貯留が可能な場合には、上記冷媒タンク14に冷媒が溜められることから、無効冷媒量を少なくして冷媒、すなわちエンジン等の排温水の有効利用を図ることができる。
尚、上記凝縮器2から上記蒸発器3に至る配管52を省略し簡略化することもでき、この場合は上記蒸発器3に供給される冷媒は上記冷媒電磁弁10が開となっている時のみであり、より有効に冷媒を使用することができるのと蒸発器3の能力制御が鋭敏となるが、上記冷媒電磁弁10をより煩雑に制御する必要がある。
II:第2の実施形態
図2には、本願発明の第2の実施形態に係る冷凍システムが示されている。この冷凍システムは、上記第1の実施形態に係る冷凍システムと基本構成を同じにするものであって、排熱駆動の吸収式冷凍装置Zを示す。
そして、この実施形態に係る冷凍システムが上記第1の実施形態に係る冷凍システムと異なる点は、
上記冷媒タンク14に堰14aを設け、上記凝縮器2からの液冷媒のうち、上記堰14aを越流した液冷媒を管路64を介して上記蒸発器3側へ流入させるようにした点と、
上記吸収器4の能力を、上記空冷過冷却器6の上流側に設けた流量調整弁11又は下流側に設けた流量調整弁12の開度調整と、上記溶液ポンプ9の流量調整によって、上記空冷過冷却器6を循環する過冷却溶液の温度制御によって調整するようにした点である。
ここで、上記相違点に特有の作用効果は以下の通りである。
上記冷媒タンク14に堰14aを設け、上記凝縮器2からの液冷媒のうち、上記堰14aを越流した液冷媒を、管路52を介して上記蒸発器3側へ流入させるようにしたことで、上記冷媒電磁弁10が開とされた時点、即ち、上記冷媒タンク14に貯留された冷媒を上記蒸発器3側へ流す時点では、常に上記冷媒タンク14には冷媒が満杯に貯留されているので、該冷媒電磁弁10の開と同時に上記蒸発器3側へ十分な量の冷媒が流され、冷凍能力の増加制御がより一層迅速且つ確実に行なわれ特に始動時や発停時に有効である。
上記吸収器4の能力を、上記流量調整弁11又は流量調整弁12の開度調整と、上記溶液ポンプ9の流量調整によって調整することで、吸収式冷凍装置Zの冷凍能力の制御を極めて容易且つ迅速に行なえることから、該吸収式冷凍装置Zの能力制御範囲を最少能力まで低下させることができ、延いては、圧縮式冷凍装置Xの能力を限界まで利用することが可能となる。
上記以外の構成及び作用効果は上記第1の実施形態の場合と同様であるので、ここでは図2の各構成部材に図1の各構成部材に対応させて同一の符号を付した上で、該第1の実施形態における該当説明を援用し、ここでの説明を省略する。
III:第3の実施形態
図3には、本願発明の第3の実施形態に係る冷凍システムが示されている。この冷凍システムを、排熱駆動の吸収式冷凍装置Zで示す。
上記吸収式冷凍装置Zは、冷媒として水(H2O)を、吸収液として臭化リチウム(LiBr)を採用するとともに、排温水を加熱源として用いた排熱駆動式の空冷吸収式冷凍装置であって、吸収希溶液を熱交換器1aにおいて排温水で加熱して冷媒蒸気と吸収濃溶液を生成させる発生器1と、該発生器1から管路51を通して流入される冷媒蒸気を凝縮させて冷媒液とする凝縮器2と、該凝縮器2から管路52を通して下部の冷媒溜り17に流入される冷媒液を管路63に設けられた冷媒ポンプ13により被冷却流体(即ち、次述の圧縮式冷凍装置Xの凝縮器23から出る冷媒)が内部に流れているプレート式熱交換器3aの上部側に循環させ、そのプレート面に散布してこれを蒸発させる蒸発器3と、上記蒸発器3で生成された冷媒蒸気を吸収させて吸収希溶液を生成させる流下液膜式の吸収器4と、上記発生器1へ管路53を通して流入される吸収希溶液と該発生器1から管路54を通して流出する吸収濃溶液をプレート式熱交換器5aにおいて熱交換させる溶液熱交換器5と、上記溶液熱交換器5からの吸収濃溶液と上記吸収器4の下部に設けた希溶液溜り16の吸収希溶液との混合溶液を管路55を通して流入させてこれを過冷却して上記吸収器4に流入させるファン7を備えた空冷過冷却器6と、上記吸収器4からの吸収希溶液を上記溶液熱交換器5を介して上記発生器1に流入させる溶液ポンプ9を備えて構成される。
ここで、上記蒸発器3と吸収器4は一体の躯体15内に収められており、上記蒸発器3の下部に設けられた上記冷媒溜り17から溢れた冷媒は、上記躯体15の底壁を流れて上記吸収器4の下部に設けられた上記希溶液溜り16に流入し、該希溶液溜り16内の吸収希溶液に混合される。これによって、上記発生器1で発生する冷媒量の増減で溶液濃度が大きく変化するのが防止され、過度の濃縮による蒸発器での冷媒凍結や発生器での溶液の結晶が回避できる。
上記吸収式冷凍装置Zをエンジン等の排温水を熱源として駆動させるために、上記発生器1の熱交換器1aとが管路57,58によって接続されている。
以上のように構成された冷凍システムは以下のように作動する。
上記吸収式冷凍装置Zにおいては、エンジン等からの排温水を受けて、上記発生器1で上記吸収器4からの吸収希溶液が加熱され、冷媒蒸気と吸収濃溶液が生成される。上記発生器1で発生した冷媒蒸気は、ファン8で空冷式の上記凝縮器2において凝縮され、液冷媒とされる。
ここで、上記凝縮器2からの液冷媒は、上記管路52を通して上記蒸発器3の下部に設けた上記冷媒溜り17に流入される。そして、上記冷媒溜り17に流入された冷媒は、上記冷媒ポンプ13によって上記蒸発器3の上記プレート式熱交換器3aの上部側に循環され、該プレート式熱交換器3aの上部に散布器(図示省略)によって均等に散布され、該熱交換器3aの表面に沿って流下する間に蒸発して冷媒蒸気を発生する。また、このとき、その蒸発熱によって上記プレート式熱交換器3a内を流れる被冷却流体(冷水)を冷却する。
一方、上記吸収器4においては、上記空冷過冷却器6において過冷却された吸収希溶液が散布器(図示省略)からプレート4aに均等に散布され、該プレート4aにそって流下する間に上記蒸発器3からの冷媒蒸気を吸収して吸収希溶液とされ、上記希溶液溜り16に貯留される。
上記希溶液溜り16には、上記吸収器4において冷媒蒸気を吸収した吸収希溶液と、上記蒸発器3から冷媒溜まり17の貯留量以上となった場合に流入する未蒸発冷媒からなる混合溶液が貯留されるとともに、この混合溶液は上記溶液ポンプ9によって上記発生器1側へ供給される。この際、上記溶液熱交換器5において、上記吸収器4側からの吸収希溶液と上記発生器1で生成された吸収濃溶液との間での熱交換によって熱回収が行なわれ、希溶液の温度を上げて濃溶液の温度を下げる。
そして、この吸収式冷凍装置Zにおいては、その冷凍能力が、上記吸収器4における吸収能力の調整によって増減制御される。即ち、上記吸収器4の吸収能力を高めて吸収希溶液への冷媒蒸気の吸収作用を高めることで、上記蒸発器3における蒸発能力(即ち、冷水の冷却能力)が高められ、吸収式冷凍装置Z全体としての冷凍能力が高められるものである。
ところで、例えば、この実施形態のように、エンジン等の排熱で上記吸収式冷凍装置Zを運転する構成の冷凍システムにおいては、エンジン等の運転、即ち、排温水の発生タイミングと、上記吸収式冷凍装置Zの冷熱需要のタイミングは必ずしも一致しておらず、例えば、エンジン等によって多量の排温水が発生しているにも拘らず、上記吸収式冷凍装置Zの冷熱需要が無い場合(例えば、外気温が低く冷房要求が無いような場合)とか、逆に、エンジン等の運転が停止され排温水の発生が無いにも拘らず、上記吸収式冷凍装置の冷熱需要が有るというような場合(例えば、外気温が高く冷房が必要な場合)が発生し得る。
係る場合、従来一般的な排熱吸収式冷凍装置を用いた冷凍システムのように、エンジン等が運転され排温水の発生がある場合には必ず吸収式冷凍装置を運転し、またエンジン等が停止され排熱の発生が無い場合には吸収式冷凍装置を停止するという制御形態を採用すると、該吸収式冷凍装置によって得られる冷熱の有効利用が制限され、延いては上記吸収式冷凍装置を設備することによってイニシャルコスト及びランニングコストが上昇すると言う問題があることは既述の通りである。
そこで、この実施形態では、エンジン等の排温水で駆動される吸収式冷凍装置において、該吸収式冷凍装置の冷熱需要に基づいて冷凍能力を制御することで、該吸収式冷凍装置の有効利用を促進するとともに、イニシャルコスト及びランニングコストの低減を図ることを目的としてなされたものである。
このような制御を実現するために、この実施形態では、上記吸収器4に流入する過冷却溶液の温度及び/又は過冷却溶液の流量を変化させることで上記吸収器4の能力を増減して吸収式冷凍装置Zの冷凍能力を制御することを基本思想とし、係る思想の下で、上記冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以下となった場合には、上記吸収器4の吸収能力を最少に減少させる制御を行うと同時に冷媒ポンプ13を停止し、上記冷媒電磁弁10を閉として上記蒸発器3への冷媒の流入を停止し上記吸収式冷凍装置Zの冷凍能力を減少させる制御を行なうとともに、上記冷媒タンク14に上記凝縮器2からの冷媒を溜める。
一方、上記冷熱需要の上昇時は、上記冷媒ポンプ13を運転して冷媒を上記蒸発器3に循環させるが、上記冷熱需要が上記設定値以上となった場合には、上記吸収器4の吸収能力を増加させる制御を行なうと同時に、上記冷媒電磁弁10を開として上記冷媒タンク14に溜められた冷媒を上記蒸発器3に流入させて上記吸収式冷凍装置Zの冷凍能力を増加させる制御を行なうようにしている。
ここで、上記吸収式冷凍装置Zの冷熱需要の判断であるが、ここでは、上記温度センサ18によって検出される蒸発器3の出口被冷却流体温度(冷水温度)を現在の冷熱需要とする。すなわち、冷熱需要の判断の基準となる設定値は、冷熱利用側の条件(即ち、冷水の条件)を考慮して予め設定される被冷却流体温度である。そして、上記温度センサ18によって検出される蒸発器3の出口被冷却流体温度(即ち、冷水温度)を、上記設定値と比較し、設定値以下となった場合は、冷熱が過多となっている状態であるため、上記吸収式冷凍装置Zの冷凍能力を減少させる制御を行なう。上記冷熱需要が設定値以上となった場合は、冷熱が不足した状態であるため、上記吸収式冷凍装置Zの冷凍能力を増加させる制御を行なう。
この吸収式冷凍装置Zの冷凍能力の具体的な制御は以下の通りである。
即ち、上記冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以下となった場合に、上記吸収器の吸収能力を最少に減少させる制御(即ち、上記空冷過冷却器6の冷却ファン8を停止するか、又は該冷却ファン8の停止と同時に上記空冷過冷却器6への溶液の流量を減少させ、もしくは上記溶液ポンプ9を停止させる制御)と同時に、上記冷媒ポンプ13を停止し、さらに上記冷媒電磁弁10を閉として上記蒸発器3への冷媒の流入量を減少させることで上記吸収式冷凍装置Zの冷凍能力を減少させる制御を行なう。
さらに、エンジン等の運転が継続され上記発生器1の温度がさらに上昇した場合には、該発生器1への排温水の入口側に設けた排温水電磁弁28により該発生器1への入熱を遮断することで、上記冷媒タンク14が満杯になった後もさらに冷媒が生成される過度の冷媒発生が確実に防止され、吸収式冷凍装置Zの運転上の信頼性が確保される。
一方、上記冷熱需要の上昇時は、上記冷媒ポンプ13を運転して冷媒を上記蒸発器3に循環させる。そして、上記冷熱需要が上記設定値以上となった場合には、上記冷媒ポンプ13の運転を継続したまま、上記吸収器4の吸収能力を増加させる制御(即ち、上記空冷過冷却器6の冷却ファン8を運転するか、又は該冷却ファン8の運転と同時に上記空冷過冷却器6への溶液の流量を増加させ、もしくは上記溶液ポンプ9を運転させる制御)と同時に、上記冷媒電磁弁10を開として上記冷媒タンク14に溜められた冷媒を上記蒸発器3に流入させて該蒸発器3への冷媒流量を増加させることで上記吸収式冷凍装置Zの冷凍能力を増加させる制御を行なう。
尚、上記吸収式冷凍装置Zの運転と停止は、エンジン等の運転又は停止にかかわらず、上記冷熱需要によって制御される他に、上記発生器1内もしくは発生器の出口溶液側に設けた温度センサ27によって検出される溶液温度に基づいて行うようにすることもできる。このように上記発生器1の溶液温度で上記吸収式冷凍装置Zの運転と停止を行うように構成することで、例えば、エンジン等が停止され、上記吸収式冷凍装置Zの上記発生器1に排温水が供給されない状態であったとしても、該発生器1における溶液温度が、冷媒の発生が可能な温度である場合には上記吸収式冷凍装置Zが運転されることとなり、冷媒の有効利用が図れる。
さらに、この吸収式冷凍装置Zにおいて、エンジン等が運転中で且つ上記吸収式冷凍装置Zへの冷熱需要が無くても、上記発生器1の溶液温度で上記吸収式冷凍装置Zを運転する必要がある場合は、上記空冷過冷却器6の冷却フアン7を停止させ、又は該冷却ファン7の停止と同時に上記空冷過冷却器6への流量を増加する。しかし、エンジン等の運転が継続され上記発生器1の温度が上昇した場合には、該発生器1への排温水の入口供給配管に設けた排温水電磁弁28により該発生器1への入熱を遮断する。
係る構成によれば、エンジン等が運転中で且つ上記吸収式冷凍装置Zへの冷熱需要が無くても、上記発生器1において冷媒を発生できる場合には冷媒を発生させてこれを冷媒タンク14に溜めて冷熱需要の再要求に備えることで、冷媒の有効利用すなわち排温水熱量の有効利用が図られるとともに、上記空冷過冷却器6の冷却フアン7を停止させ、又は該冷却ファン7の停止と同時に上記空冷過冷却器6への流量を増加させることで、上記吸収器4に流入する溶液が過冷却されるのが防止され冷熱の発生がなくなる。
また、エンジン等の運転が継続され上記発生器1の温度がさらに上昇した場合には、該発生器1への排温水の入口供給配管に設けた排温水電磁弁28により該発生器1への入熱を遮断することで、上記冷媒タンク14が満杯になった後もさらに冷媒が生成される過度の冷媒発生が確実に防止され、吸収式冷凍装置Zの運転上の信頼性が確保される。
さらに、この吸収式冷凍装置Zにおいては、エンジン等が停止中で且つ吸収式冷凍装置Zへの冷熱需要が無くても、上記発生器1の溶液温度で吸収式冷凍装置が運転可能な高温度にあれば、上記冷媒タンク14に冷媒が満杯となるまで該吸収式冷凍装置Zを運転するとともに上記冷媒ポンプ13を停止し、上記空冷過冷却器の冷却ファン7を停止するか、又は該冷却フアン7の停止と同時に上記空冷過冷却器6への溶液の流量を減少させる。
係る構成によれば、エンジン等が停止中で且つ吸収式冷凍装置Zへの冷熱需要が無くても、上記発生器1での冷媒発生が可能な場合は上記冷媒タンク14に冷媒が満杯となるまで該吸収式冷凍装置Zを運転してタンクに冷媒を溜めて冷熱需要の再要求に備えることで、冷媒の有効利用が図られる。一方、上記冷媒ポンプ13を停止させた状態で、上記空冷過冷却器の冷却ファン7を停止するか、又は該冷却フアン7の停止と同時に上記空冷過冷却器6への溶液の流量を減少させることで、上記吸収器4に流入する溶液が過冷却されるのが防止され冷熱の発生がない。
また、上記吸収式冷凍装置Zの運転、停止を上記発生器1の溶液温度で制御することもできる。そして、この場合には、上記冷媒タンク14が満杯にならなくても、上記発生器1の溶液温度が低下したときには上記吸収式冷凍装置Zを停止する。係る構成によれば、上記発生器1の溶液温度が低下してそれ以上に冷媒を発生させることができないときに、上記吸収式冷凍装置Zを停止することで、該吸収式冷凍装置Zの運転の無駄がなくなり、それだけ該吸収式冷凍装置Zの運転効率が高められる。
IV:第4の実施形態
図4には、本願発明の第4の実施形態に係る冷凍システムが示されている。この冷凍システムは、上記第3の実施形態に係る冷凍システムと基本構成を同じにするものであって、排熱駆動の吸収式冷凍装置Zで示す。
そして、この実施形態に係る冷凍システムが上記第3の実施形態に係る冷凍システムと異なる点は、上記吸収器4の能力を、上記空冷過冷却器6の上流側に設けた流量調整弁11又は下流側に設けた流量調整弁12の開度調整と、上記溶液ポンプ9の流量調整によって、上記空冷過冷却器6を循環する過冷却溶液の温度制御によって調整するようにした点である。
このように、上記吸収器4の能力を、上記流量調整弁11又は流量調整弁12の開度調整と、上記溶液ポンプ9の流量調整によって調整することで、吸収式冷凍装置Zの冷凍能力の制御を極めて容易且つ迅速に行なえることから、該吸収式冷凍装置Zの能力制御範囲を最少能力まで低下させることができる。
上記以外の構成及び作用効果は上記第3の実施形態の場合と同様であるので、ここでは図4の各構成部材に図3の各構成部材に対応させて同一の符号を付した上で、該第3の実施形態における該当説明を援用し、ここでの説明を省略する。
本願発明の第1の実施の形態に係る吸収式冷凍装置のシステム図である。 本願発明の第2の実施の形態に係る吸収式冷凍装置のシステム図である。 本願発明の第3の実施の形態に係る吸収式冷凍装置のシステム図である。 本願発明の第4の実施の形態に係る吸収式冷凍装置のシステム図である。
1 ・・発生器
2 ・・凝縮器
3 ・・蒸発器
4 ・・吸収器
5 ・・溶液熱交換器
6 ・・空冷過冷却器
7 ・・ファン
8 ・・ファン
9 ・・溶液ポンプ
10 ・・冷媒電磁弁
11 ・・流量調整弁
12 ・・流量調整弁
14 ・・冷媒タンク
14a ・・堰
15 ・・躯体
16 ・・希溶液溜り
17 ・・冷媒溜り
18 ・・温度センサ
27 ・・温度センサ
28 ・・排温水電磁弁
30 ・・制御器
Z ・・吸収式冷凍装置

Claims (16)

  1. エンジン等の排温水を受けて作動する発生器(1)と、凝縮器(2)と、冷媒を一過性で蒸発させる蒸発器(3)と、流下液膜式の吸収器(4)と、該吸収器(4)に入る吸収溶液を過冷却する空冷過冷却器(6)とを備えた排熱駆動の吸収式冷凍装置であって、
    上記凝縮器(2)から上記蒸発器(3)に至る配管(64)途中に冷媒タンク(14)と冷媒電磁弁(10)とを順次設け、
    上記蒸発器(3)の出口における被冷却流体温度又は該蒸発器(3)の出入口の被冷却流体の温度差から求められる吸収式冷凍装置の冷熱需要に基づいて、上記吸収器(4)に流入する過冷却溶液の温度及び/又は流量を変化させることで上記吸収器(4)の能力を増減して吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御するものとし、
    上記冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以下となった場合に、上記吸収器(4)の吸収能力を最少に減少させる制御を行うと同時に、上記冷媒電磁弁(10)を閉として上記蒸発器(3)への冷媒の流入量を減少もしくは停止させることで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を減少させる制御を行うとともに上記冷媒タンク(14)に上記凝縮器(2)からの冷媒を溜める一方、
    上記冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以上となった場合には上記吸収器(4)の吸収能力を増加させる制御を行うと同時に、上記冷媒電磁弁(10)を開として上記冷媒タンク(14)に溜められた冷媒を上記蒸発器(3)に流入させて該蒸発器(3)へ冷媒を供給もしくは該蒸発器(3)への冷媒流量を増加させることで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を増加させる制御を行うとともに、
    上記エンジン等が運転中で且つ上記吸収式冷凍装置への冷熱需要が無くても、上記発生器(1)の溶液温度で上記吸収式冷凍装置を運転する必要がある場合は、上記冷媒電磁弁(10)を閉として上記冷媒タンク(14)に冷媒を溜めるとともに、上記空冷過冷却器(6)の冷却ファン(7)を停止させ、又は該冷却ファン(7)の停止と同時に上記空冷過冷却器(6)への冷媒流量を増加する一方、
    上記エンジン等の運転が継続され上記発生器(1)の温度がさらに上昇した場合には、該発生器(1)への排温水の入口側に設けた排温水電磁弁(28)により該発生器(1)への入熱を遮断することを特徴とする吸収式冷凍装置。
  2. エンジン等の排温水を受けて作動する発生器(1)と、凝縮器(2)と、冷媒を一過性で蒸発させる蒸発器(3)と、流下液膜式の吸収器(4)と、該吸収器(4)に入る吸収溶液を過冷却する空冷過冷却器(6)とを備えた排熱駆動の吸収式冷凍装置であって、
    上記凝縮器(2)から上記蒸発器(3)に至る配管(64)途中に冷媒タンク(14)と冷媒電磁弁(10)とを順次設け、
    上記蒸発器(3)の出口における被冷却流体の温度又は該蒸発器(3)の出入口の被冷却流体の温度差から求められる吸収式冷凍装置の冷熱需要に基づいて、上記吸収器(4)に流入する過冷却溶液の温度及び/又は流量を変化させることで上記吸収器(4)の能力を増減して吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御するものとし、
    上記冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以下となった場合に、上記吸収器(4)の吸収能力を最少に減少させる制御を行うと同時に、上記冷媒電磁弁(10)を閉として上記蒸発器(3)への冷媒の流入量を減少もしくは停止させることで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を減少させる制御を行うとともに上記冷媒タンク(14)に上記凝縮器(2)からの冷媒を溜める一方、
    上記冷熱需要が予め設定した冷熱需要の設定値以上となった場合には上記吸収器(4)の吸収能力を増加させる制御を行うと同時に、上記冷媒電磁弁(10)を開として上記冷媒タンク(14)に溜められた冷媒を上記蒸発器(3)に流入させて該蒸発器(3)へ冷媒を供給しもしくは該蒸発器(3)への冷媒流量を増加させることで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を増加させる制御を行うとともに、
    上記エンジン等が運転中で且つ上記吸収式冷凍装置への冷熱需要が無くても、上記発生器(1)の溶液温度で吸収式冷凍装置が運転可能な高温度にあれば、上記冷媒タンク(14)が満杯となるまで該吸収式冷凍装置を運転し、上記冷媒電磁弁(10)を閉として上記冷媒タンク(14)に冷媒を溜めるとともに、上記空冷過冷却器(6)の冷却ファン(7)を停止するか、又は該冷却ファン(7)の停止と同時に上記空冷過冷却器(6)への溶液の流量を減少させ、もしくは上記吸収器(4)からの吸収液を上記発生器(1)へ送る溶液ポンプ(9)を停止させ、
    上記冷媒タンク(14)に冷媒が満杯となったときに上記吸収式冷凍装置の運転を停止することを特徴とする吸収式冷凍装置。
  3. 上記エンジン等の運転、停止に拘わらず、上記吸収式冷凍装置の運転、停止を、冷熱需要に加えて、上記発生器(1)の溶液温度に基づいて行うことを特徴とする請求項1又は2記載の吸収式冷凍装置。
  4. 上記冷媒タンク(14)に堰(14a)を設け、該堰(14a)を越流させて上記蒸発器(3)に冷媒を流入させるとともに、上記冷媒電磁弁(10)の開閉によって上記蒸発器(3)への冷媒流量を増減させるようにしたことを特徴とする請求項1、2又は記載の吸収式冷凍装置。
  5. 上記冷媒タンク(14)が満杯となった後の余剰冷媒を、上記蒸発器(3)の下部に、又は直接に上記吸収器(4)の希溶液溜まり(16)に、流入させることを特徴とする請求項1,2、3又は記載の吸収式冷凍装置。
  6. 上記吸収器(4)に流入する上記過冷却溶液の温度を、上記空冷過冷却器(6)のファン(7)の発停又は風量の増減によって変化させることで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御することを特徴とする請求項1、2、3、4又記載の吸収式冷凍装置。
  7. 上記空冷過冷却器(6)の入口側又は出口側に設けた流量調整弁(11)又は(12)によって上記吸収器(4)に流入する上記過冷却溶液の流量を変化させることで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御することを特徴とする請求項1、2、3、4又記載の吸収式冷凍装置。
  8. 冷媒蒸気を吸収した上記吸収器(4)からの希溶液と、上記発生器(1)で冷媒蒸気を発生し且つ溶液熱交換器(5)での熱交換によって温度が低下した濃溶液との混合溶液を吸引及び吐出する溶液ポンプ(9)の流量を増減することで上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御することを特徴とする請求項1,2、3、4又記載の吸収式冷凍装置。
  9. 上記冷媒タンク(14)から上記蒸発器(3)へ流入する冷媒流量の増減制御を、上記冷媒電磁弁(10)の開閉によって行うことを特徴とする請求項1,2,3、4、5、6、7又記載の吸収式冷凍装置。
  10. エンジン等の排温水を受けて作動する発生器(1)と、凝縮器(2)と、下部の冷媒溜り(17)に溜まった冷媒を冷媒ポンプ(13)で上部へ循環させて散布し蒸発させる蒸発器(3)と、流下液膜式の吸収器(4)と、該吸収器(4)に入る吸収溶液を過冷却する空冷過冷却器(6)とを備えた排熱駆動の吸収式冷凍装置であって、
    上記凝縮器(2)から上記蒸発器(3)に至る配管(64)途中に冷媒タンク(14)と冷媒電磁弁(10)とを順次設け、
    上記蒸発器(3)の上記冷媒溜り(17)には一定量の冷媒しか溜まらないようにして余剰冷媒は上記吸収器(4)の下部の希溶液溜り(16)に流入させる一方、
    上記蒸発器(3)の出口の被冷却流体温度又は該蒸発器(3)の出入口の被冷却流体の温度差から求められる吸収式冷凍装置の冷熱需要に基づいて、上記吸収器(4)に流入する過冷却溶液の温度及び/又は流量を変化させることで上記吸収器(4)の能力を増減して吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御するものとし、
    上記冷熱需要が予め設定した設定値以下となった場合に、上記吸収器(4)の吸収能力を最少に減少させる制御を行うと同時に上記冷媒ポンプ(13)を停止し、上記冷媒電磁弁(10)を閉として上記蒸発器(3)への冷媒の流入を停止し上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を減少させる制御を行うとともに、上記冷媒タンク(14)に上記凝縮器(2)からの冷媒を溜める一方、
    上記冷熱需要の上昇時は上記冷媒ポンプ(13)を運転して冷媒を上記蒸発器(3)に循環させるが、上記冷熱需要が上記設定値以上となった場合には上記吸収器(4)の吸収能力を増加させる制御を行うと同時に、上記冷媒電磁弁(10)を開として上記冷媒タンク(14)に溜められた冷媒を上記蒸発器(3)に流入させて上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を増加させる制御を行うとともに、
    上記エンジン等が運転中で且つ上記吸収式冷凍装置への冷熱需要が無くても、上記発生器(1)の溶液温度で吸収式冷凍装置が運転する必要がある場合は、上記空冷過冷却器(6)の冷却ファン(7)を停止させ、又は該冷却ファン(7)の停止と同時に上記空冷過冷却器(6)への溶液の流量を減少する一方、
    上記エンジン等の運転が継続され上記発生器(1)の温度が更に上昇した場合には、該発生器(1)への排温水の入口供給配管に設けた排温水電磁弁(28)により該発生器(1)への入熱を遮断することを特徴とする吸収式冷凍装置。
  11. エンジン等の排温水を受けて作動する発生器(1)と、凝縮器(2)と、下部の冷媒溜り(17)に溜まった冷媒を冷媒ポンプ(13)で上部へ循環させて散布し蒸発させる蒸発器(3)と、流下液膜式の吸収器(4)と、該吸収器(4)に入る吸収溶液を過冷却する空冷過冷却器(6)とを備えた排熱駆動の吸収式冷凍装置であって、
    上記凝縮器(2)から上記蒸発器(3)に至る配管(64)途中に冷媒タンク(14)と冷媒電磁弁(10)とを順次設け、
    上記蒸発器(3)の上記冷媒溜り(17)には一定量の冷媒しか溜まらないようにして余剰冷媒は上記吸収器(4)の下部の希溶液溜り(16)に流入させる一方、
    上記蒸発器(3)の出口の被冷却流体温度又は該蒸発器(3)の出入口の被冷却流体の温度差から求められる吸収式冷凍装置の冷熱需要に基づいて、上記吸収器(4)に流入する過冷却溶液の温度及び/又は流量を変化させることで上記吸収器(4)の能力を増減して吸収式冷凍装置の冷凍能力を制御するものとし、
    上記冷熱需要が予め設定した設定値以下となった場合に、上記吸収器(4)の吸収能力を最少に減少させる制御を行うと同時に上記冷媒ポンプ(13)を停止し、上記冷媒電磁弁(10)を閉として上記蒸発器(3)への冷媒の流入を停止し上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を減少させる制御を行うとともに、上記冷媒タンク(14)に上記凝縮器(2)からの冷媒を溜める一方、
    上記冷熱需要の上昇時は上記冷媒ポンプ(13)を運転して冷媒を上記蒸発器(3)に循環させるが、上記冷熱需要が上記設定値以上となった場合には上記吸収器(4)の吸収能力を増加させる制御を行うと同時に、上記冷媒電磁弁(10)を開として上記冷媒タンク(14)に溜められた冷媒を上記蒸発器(3)に流入させて上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を増加させる制御を行うとともに、
    上記エンジン等が停止中で且つ吸収式冷凍装置への冷熱需要が無くても、上記発生器(1)の溶液温度で吸収式冷凍装置が運転可能な高温度にあれば、上記冷媒タンク(14)に冷媒が満杯となるまで該吸収式冷凍装置を運転するとともに上記冷媒ポンプ(13)を停止し、上記空冷過冷却器(6)の冷却ファン(7)を停止するか、又は該冷却ファン(7)の停止と同時に上記空冷過冷却器(6)への溶液の流量を減少させるようにしたことを特徴とする吸収式冷凍装置。
  12. 上記吸収式冷凍装置の運転、停止を上記発生器(1)の溶液温度で制御するものとし、
    上記冷媒タンク(14)が満杯にならなくても上記発生器(1)の溶液温度が低下したときに上記吸収式冷凍装置を停止することを特徴とする請求項10又は11記載の吸収式冷凍装置。
  13. 上記蒸発器(3)の上記冷媒溜り(17)の冷媒量が減少した場合には上記冷媒電磁弁(10)を開として上記冷媒タンク(14)の冷媒を上記冷媒溜り(17)に補充することを特徴とする請求項10、11又は12記載の吸収式冷凍装置。
  14. 上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を、上記吸収器(4)に流入する過冷却溶液の温度を上記空冷過冷却器(6)の冷却ファン(7)の発停又は風量の増減によって変化させることで制御することを特徴とする請求項10、11、12又は13記載の吸収式冷凍装置。
  15. 上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を、上記空冷過冷却器(6)の入口側又は出口側に設けた流量調整弁(11)又は(12)によって上記吸収器(4)に流入する上記過冷却溶液の流量を変化させることで制御することを特徴とする請求項10、11、12又は13記載の吸収式冷凍装置。
  16. 上記吸収式冷凍装置の冷凍能力を、冷媒蒸気を吸収した上記吸収器(3)からの希溶液と、上記発生器(1)で冷媒蒸気を発生し且つ溶液熱交換器での熱交換によって温度が低下した濃溶液との混合溶液を吸引及び吐出する溶液ポンプ(9)の流量を増減することで制御することを特徴とする請求項10、11、12、13、14又は15記載の吸収式冷凍装置。
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