JP5091856B2 - 生存能力関連分子の改善された検出方法 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
[発明の分野]
本発明は、例えば微生物の検出における、細胞又は生物の生存能力と関連する分子の検出の分野に関する。より詳しくは、本発明は、試料中の汚染物と考えられる細胞又は生物の検出方法に関する。本発明の方法は、非常に感度が高く、先行技術の方法の問題点を克服する。
[発明の背景]
細胞の生存能力と関連する特定分子の存在及びレベルを測定することは、いくつかの場面で重要である。例えば、ATPのレベルを測定することは、哺乳動物の細胞における成長分析及び毒性学的目的のために役立つ。
そのような分子は、衛生用途において有用なマーカーの働きをすることもできる。ある表面で汚染分子が検出されることは、その表面が洗浄されていないか、又は要求基準まで洗浄を必要とすることを示す。
ヒトが消費及び使用するための様々な製品の細菌及び酵母などの生物による汚染、並びに植物又は動物の細胞による汚染は、広範囲の分野で安全性及び経済に関して重要な考慮事項となる。
例えば、給水、廃水、海環境、医薬品、化粧品、食品、飲料、血液及び血小板試料を含む臨床試料、その他の全ては、潜在的に有害な生物及び細胞による汚染について定期的に検査される。しばしば、生物は細菌種を含む。
多くの場合、検査は、試料中の汚染性の細胞又は生物の存在と関連付けすることができる分子の存在の測定に基づいて実施される。最も一般的に検出される分子は、アデノシン三リン酸(ATP)である。
ATPレベルを測定するために通常使用される方法は、バイオルミネセンスの使用を含む。この方法は、発光ルシフェラーゼがルシフェリンの酸化を触媒する反応の、ATP依存性を利用する。この方法は、比較的低い濃度のATPを測定するために用いることができる。バイオルミネセンスを用いてATPを検出するために役立つキットは、Roche、New Horizons Diagnostics社、Celsisその他から市販されている。
バイオルミネセンス検出に関して、いくつかの問題点が存在する。例えば、非微生物源からのATPの存在下で、微生物のATPだけを検出することは、問題となることがある。この問題点は、細菌をATPの非細菌源から分離することができ、したがってより正確なシグナルを提供するフィルターの使用によって、ある程度解決された。
加えて、試料中の化学物質及び/又は金属は、バイオルミネセンス反応に干渉する可能性がある。これは、例えば洗浄剤を用いて表面を洗浄した後に表面汚染を測定する場合に、特に関連する。化学洗浄剤はルシフェラーゼ触媒反応に干渉し、したがって、場合によっては偽陰性結果をもたらし、その場合、微生物性の又は他の汚染ATPが存在するが、バイオルミネセンス反応は有効でない。
リガーゼは、核酸分子の5’末端のさらなる核酸分子の3’末端へのライゲーションを触媒する、公知の酵素である。ライゲーション反応は、酵素を活性化するためにATPを必要とする。リガーゼは市販されており、それらは、ATP分子による活性化なしにそれらがライゲーションを触媒することを可能にする、AMP分子を予め加えて供給される。
[発明の説明]
本発明は、細菌及び酵母などの生物又は任意の由来、例えば哺乳動物、他の動物若しくは植物由来の細胞に起因する試料中の汚染を検出するための、改善された方法及びキットを提供する。本方法及びキットは、生存能力と関連する分子のレベルの測定が役立つ、他の用途でも役立つ。
したがって、第1の態様で、本発明は試料中の1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の検出方法であって、
a)試料を、前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下で、化学部分を核酸分子に付加するか又は核酸分子から除去することができる酵素と接触させ、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成するステップ、及び
b)前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下でのみ生成する新規核酸分子を検出することによって、前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在を検出するステップを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる方法を提供する。
好ましくは、生存能力と関連する分子は、酵素を、それが核酸分子に作用することができる形態に活性化することが要求される。ゆえに、生存能力と関連する分子を高感度に検出することによって、試料中のいかなる供与源の細胞の存在も、検出することができる。本発明の一部の実施形態では、生存細胞の存在を、例えば毒性試験及び化合物スクリーニング試験で試験することが望ましいであろう。他の実施形態では、試料の何らかの形態の汚染の存在を判断するために、生存能力と関連する分子の存在を利用することができる。本発明の方法は、生存能力と関連する分子のレベルを定量化するために、特にATP及び/又はNADのレベルを定量化するために有効に用いることができる。このことは、例えば特定の細胞培養の増殖をモニタリングする方法で役立つであろう。
したがって、試料中の1つ以上の生存細胞又は生物を検出する方法であって、
(a)試料を、前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下で、化学部分を核酸分子に付加するか又は核酸分子から除去することができる酵素と接触させ、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成するステップ、及び
(b)前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下でのみ生成する新規核酸分子を検出することによって、前記生存可能な1つ以上の細胞又は生物の存在を検出するステップを含む方法が提供される。
1つ以上の細胞又は生物は、試料中の細胞又は生物の実数値ではなく、細胞又は生物の1つ以上の型、種類、系統、その他を意味する。本発明の方法は、先行技術の方法と比較して改善された検出感度を提供し、試料中の細胞又は生物に由来する極めて少数の分子を検出することができる。用語「生物」は、その範囲に、細菌及び酵母などの微生物を含む。細胞は、細胞生存能力が対象である任意の型であることができる。例えば、哺乳動物細胞の生存能力は、候補薬剤の毒性を判断するのに有効に測定することができる。表面で検出される生存能力と関連する分子は、その表面の汚染を示すことができ、それらはいかなる起源、例えば植物又は動物起源であってもよい。
この方法は、試料中に1つ以上の細胞又は生物が存在する場合、生存能力と関連する分子が存在するという事実に基づく。この分子は試料中に存在する酵素を活性化し、したがって、化学分子が核酸分子に加えられるか又は化学分子が核酸分子から除去される反応を、その酵素に触媒させる。この部分付加又は除去は、新規の検出可能な核酸分子を(以降の過程で)生成させる。一実施形態では、部分付加又は除去は、核酸分子に対して、例えば重合又はライゲーションによってさらなる核酸分子へ伸長し、このようにして新規の検出可能な核酸分子を生成する能力を付与する。新規核酸分子は検出することができ、それにより、試験試料中の1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在の判定が可能になる。
ゆえに、1つ以上の細胞又は生物が試料中に存在しない場合、1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子は全くないので化学部分が加えられることも除去されることもなく、したがって、新規の検出可能な核酸分子は生成されない。
用語「生存能力と関連する分子」は、その範囲に、試料中で検出される1つ以上の細胞又は生物の生存能力の指標の働きをすることができる、任意の分子を含む。生存能力と関連する分子は酵素と相互作用し、したがってその分子の存在下で、酵素は核酸分子に働きかけて新規の検出可能な核酸分子の生成に導くことができる。1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子は酵素を活性化することができ、したがってそれが例えばその触媒機能を発揮することを可能にする。最も好ましい実施形態では、生存能力と関連する分子は、ATPを含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる。ATPは試料中の汚染、例えば微生物汚染の存在を示すために用いられる標準分子であり、さらに、例えば毒性学アッセイ及び細胞培養増殖のモニタリングで有効に用いることができる。
いかなるATP源でも本発明の範囲に含めることができる。例えば、ATPは例えばATPから、又は、AMP及びPPiの反応によって生成することができる。ATPは、例えばアデニル酸キナーゼ(ADK)などのホスホトランスフェラーゼによって触媒される反応によって生成することができる
(ADP+MgADP⇔AMP+MgADP)。
用語「化学部分(chemical moeity)」は当技術分野で公知であり、その例としては、それらに限定されないが、リン酸基、炭水化物基、ヌクレオチド、核酸分子及びアセチル基、その他がある。化学部分の核酸分子への付加又は核酸分子からの除去が、1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下で酵素によって触媒され、そのことによって新規の検出可能な核酸分子を生成することができる限り、いかなる「化学部分」も本発明の範囲内に含まれる。
この方法は、核酸分子につき単一の化学部分の付加又は除去に限定されない。用語「化学部分」は、したがって、問題の化学部分の複数のコピーを含むことができる。
化学部分の「付加」は、例としては、それらに限定されないが、ヌクレオチド、核酸分子、アセチル基又はリン酸基の付加を挙げることができる。付加は、5’若しくは3’末端、又は核酸分子内のいかなる点で起こってもよい。
化学部分の「除去」は、例としては、それらに限定されないが、核酸分子の末端、又は核酸分子上の任意の位置からのヌクレオチド、核酸分子、アセチル基及びリン酸基の除去を挙げることができる。
本明細書で「伸長した」は、開始時の、修飾されていない(化学部分の付加又は除去に関して)核酸分子と比較して、さらなる過程を経たときの、核酸分子の長さの任意の増加を含むと定義される。明示されているように、伸長は新規の検出可能な核酸分子の生成に導く。
化学部分が加えられたか又は化学部分が除去された核酸分子の伸長をもたらすことができる「さらなる過程」の例としては、それらに限定されないが、ライゲーション及び重合がある。さらなる過程は、化学部分の付加又は除去に連続して、又はそれと同時に起こることができる。
疑問を回避するために、本明細書では、新規の検出可能な核酸分子は元の核酸分子のそれとは異なる全体構造を有することが明示されている。ゆえに、新規の検出可能な核酸分子は、例えば新規の核酸分子を鋳型として用いた場合だけ結合して増幅生成物を生成することができるプライマーを利用する増幅によって、新規の核酸分子を一意的に同定することができるように、さらなるヌクレオチドを含むことができる。しかし、(元の)核酸分子と比較して、1本の鎖だけが伸長されるということでよい。
新規の検出可能な核酸分子を生成し、及び/又は核酸分子に対して(以降の過程で)伸長されて新規の検出可能な核酸分子を生成する能力を付与する、そうした多くの化学部分の付加又は除去は当技術分野で公知であるが、本発明に関して限定するものではない。例えば、化学部分の核酸分子への付加又はそれからの除去は、その核酸分子のさらなる核酸分子とのライゲーションを含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなることができ、それにより、そのさらなる核酸分子は「付加された」化学部分を表す。或いは、例えば、化学部分の核酸分子への付加又はそれからの除去は、適当なATP依存性ポリメラーゼによって触媒することができる。重合は新規核酸分子を生成し、この核酸分子は次に検出することができる。
本発明の方法で用いるための、キットに含まれる核酸分子は、試料中の酵素が1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下で化学部分の核酸分子への付加又はそれからの除去を引き起こし、それによって新規の核酸分子を生成することができるような配列及び構造でなければならない。
本発明に用いられる適当な核酸分子は、配列番号1〜11で示し、下記の実験のセクションでさらに詳細に記載される。
「核酸」は、本明細書で、化学部分の核酸分子への付加又はそれからの除去によって修飾され、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成することができるいかなる天然の核酸及び天然若しくは合成の類似体を含むものと定義される。
適当な核酸分子は、例えば二本鎖又は一本鎖のDNA及び二本鎖又は一本鎖のRNAで構成されてもよい。部分的に二本鎖及び部分的に一本鎖である核酸分子も企図され、実際、それらは、調査されている酵素活性が化学部分を核酸分子へ付加するか又はそれから除去することができる限り、本発明のある実施形態では好ましい。最も好ましくは、核酸分子はdsDNAを含む。用語「核酸」は、試料中の酵素によって天然の核酸と類似した方法で修飾することができる合成類似体、例えば非天然の若しくは誘導体化された塩基を組み込む核酸類似体、又は修飾された骨格を有する核酸類似体を含む。詳細には、用語「二本鎖DNA」又は「dsDNA」は、非天然の塩基を含むdsDNAを含むものと解釈されるべきである。同様に、「dsRNA」は、非天然の塩基を含むdsRNAを含むものと解釈されるべきである。
本発明との関連で「試料」は、1種(複数)の細胞又は生物の生存能力と関連する特定の分子の存在について検査することが望ましい、いかなる試料も含むと定義される。したがって、試料は、例えば臨床試料又はin vitroアッセイ系を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなることができる。試料は飲料又は食品試料若しくはその調製物、又は医薬品、又はシャンプー、コンディショナー、モイスチャライザーその他を含むパーソナルケア製品などの化粧品を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなることができ、その全ては慣例的に微生物汚染について検査される。試料は組織又は細胞を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなることができ、例えば、痰又は血液試料又は血小板試料を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなることができる。さらに、本発明の方法及びキットは、食品が調製される場所などの表面の汚染をモニタリングするために用いることができる。汚染は、生存能力と関連する分子の存在によって示される。汚染源はいかなるものでもよく、例えば微生物、植物又は動物による汚染であってもよい。さらに、本発明は給水、廃水、海環境、その他などの環境条件のモニタリングにも役立つ。本発明は、発酵製法での細菌増殖のモニタリング、及び、病院、工業施設で、又はバイオディフェンス用途で、細菌又は胞子含量を調査することができる大気サンプリングにも役立つ。毒性学用途では、試料は細胞、好ましくは哺乳動物又は植物の細胞を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなることができる。細胞を試験薬剤と接触させ、薬剤へ曝露させた後の細胞の生存能力を本発明の方法を用いて測定することができる。
「診断」は、本明細書で、疾患の状態及び進行をモニタリングすること、治療後の疾患の再発を調査すること、及び特定の治療の奏効をモニタリングすることを含むと定義される。これらの検査は予後診断価値を有することもでき、これは用語「診断」の定義の範囲に含まれる。これらの検査は、1つ以上の生物のレベルがまだ低く、対象で症状が出現する前に早期の微生物感染をクリニックで検出するために有益であろう。
本明細書で用語「含む(comprises)」及び「有する(having)」は、言及される要素に関して限定するものではないと定義され、「含む(includes)」という意味又は同等の意味が与えられるべきである。「本質的に〜からなる」は、挙げた要素の基本的な新規特性が追加要素の存在によって変更されない場合、その追加要素の存在を許すことと定義される。
[発明の利点]
本発明の方法は、大部分、新規の核酸分子はその方法の一部として生成されるという事実のために、相当な技術的利点を提供する。この新規核酸分子は、速やかに減少するバイオルミネセンス検出における光発生と比較して、試料中の1つ以上の生物の存在を示す安定した陽性シグナルを提供する。
さらに、試料中の生存能力と関連する分子の存在下で生成される新規核酸分子は、例えば増幅することができ、それは、試料中の生存能力と関連する分子の検出感度の向上を可能にする。試料中の生存能力と関連する分子の検出は、ピコモルレベル以下まで実施することができる。TMA又はPCRなどの核酸増幅技術は頑健であり、その生成物は市販の信頼できる機器で検出することができる。
さらに、リガーゼは、試料中の例えば微生物による汚染を測定する際に今まで用いられてきた、ルシフェラーゼよりも安定である。ゆえに、表面で一般に用いられそれらの表面は次に残留汚染についてスクリーニングされるトリクロロ酢酸及び次亜塩素酸ソーダ(漂白剤)などの洗浄剤は、強力にルシフェラーゼ活性を抑制する。これは偽陰性シグナルを生成することがあり、それは、そのアッセイがもはや有効でないので、汚染は表面にまだ存在するが、検出されないことを意味する。これらの偽シグナルは、本発明の方法及びキットで除去される。
さらに、本発明の方法は大容積に対する適用性を有し、例えば酵素(それは、例えばリガーゼでよい)を固定化する場合、ATPなどの生存能力と関連する分子を大容積の流体から検出し、それによって感度を既存の方法よりも高めることができる。例えば、1〜5ml又は、水の検査の場合、100mlなどのより大容積の試料を、固定化されたリガーゼカラムで用いることができ、この容積中の細菌細胞から放出される全てのATPにアクセスすることができる。
本発明のさらなる利点は、固定化された酵素を洗浄して、以降の検出過程に影響を及ぼすであろう阻害物質を除去することができるということである。このことが可能である理由は、酵素−生存能力マーカー間の連結又は結合、好ましくはATP−リガーゼ連結が洗浄過程で安定であるからである。これは、(上記のように)阻害剤に非常に影響されやすい既存のATPバイオルミネセンス技術に対する、大きな利点である。
さらに、本発明の方法は、培養物の増殖及び平板培養、その他などの標準技術に基づかず、そのことは、本発明の方法は実施するのが非常により速く、且つ簡単であることを意味する。
[好ましい実施形態]
本発明の最も好ましい実施形態では、新規核酸分子は、核酸分子の1つ以上のさらなる核酸分子とのライゲーションによって生成される。核酸分子及び1つ(複数)のさらなる核酸分子は、連結して新規核酸分子を形成することができる任意の適当な核酸分子でよい。好ましくは、核酸分子及び1つ(複数)のさらなる核酸分子は、それらが、試料中で検出されるはずの生存能力と関連する分子を産生する1つ以上の細胞又は生物のゲノムと、高レベルの相同性を有しないように設計される。このことは、汚染性の核酸分子の存在下でさえ、新規核酸分子だけを検出することができることを意味する。
好ましくは、相同性は、試料中で検出されるはずの生存能力と関連する分子を産生する1つ以上の細胞又は生物からの対応するヌクレオチド配列と、約5%未満、約10%未満、約12.5%未満、約15%未満、約20%未満、約30%未満、約40%未満の配列同一性である。一実施形態では、1つ以上の細胞又は生物からの対応するヌクレオチド配列との配列同一性は、約10、20、30、40又は50の連続したヌクレオチドにわたって全くない。他の実施形態では、1つ以上の細胞又は生物からの対応するヌクレオチド配列と、約10、20、30、40又は50の連続したヌクレオチドにわたって、約10%未満又は約12.5%未満の配列同一性がある。
ライゲーションは、どのリガーゼが利用されるかによって、二本鎖又は一本鎖の核酸分子の間にあることができる。
ゆえに、一実施形態では、本発明の方法で利用される酵素は、リガーゼを含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる。リガーゼは、触媒活性を有するためにATPを必要とする。ゆえに、試料中の1つ以上の細胞又は生物の存在下で、生存能力の関連マーカーATPが試料中に存在する。このATPはリガーゼを活性化し、それはしたがって核酸分子と1つ以上のさらなる核酸分子とのライゲーションを触媒する。ゆえに、試料中の1つ以上の細胞又は生物の存在を示すための、高感度な信頼できるシグナルを与える新規の連結された核酸分子を、次に検出することができる。1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連するATPが存在しない場合、リガーゼは活性化されず、そのため、核酸分子及び1つ(複数)のさらなる核酸分子が連結して新規の検出可能な核酸分子を生成することはない。
核酸分子及びさらなる核酸分子が一本鎖である場合、T4 RNAリガーゼなどの適当なリガーゼを使用することができる。核酸分子及びさらなる核酸分子が二本鎖である場合、T4 RNAリガーゼなどの適当なリガーゼを使用することができる。
前記のように、市販のリガーゼは予め活性化された形態で提供される傾向があり、そのことは、それらがリガーゼ能力を有するために、ATPによる活性化を必要としないことを意味する。当然、この形態の酵素は本発明で役に立たないが、その理由は、試料中の1つ以上の細胞又は生物の存在の指標、又は、ある実施形態ではこの細胞又は生物による汚染の指標であるATPを検出するために、リガーゼを利用するからである。ゆえに、酵素から活性化分子を除去するために、リガーゼを適切に処理する必要があろう。任意の適当な脱アデニル手段を利用することができる。これは、例えばピロリン酸(ナトリウム)とのインキュベーションを含むことができる。下記の実験セクションで、適当な条件が提供される。
代わりの実施形態では、この方法で用いる酵素には、大腸菌のDNAリガーゼが含まれる。この酵素は、ATPと対照的に、活性のためにNADを必要とする。ゆえに、この場合、細胞又は生物の生存能力と関連する分子は、NADを含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる。NAD依存性リガーゼの不活性化は、ATP依存性酵素の場合と同様に実施される。ATPの代わりのNADは、酵素に対するAMP供与体として機能し、ゆえに、活性化生成物は同じである。したがって、任意の適当な脱アデニル手段を利用することができる。これは、例えばピロリン酸(ナトリウム)とのインキュベーションを含むことができる。下記の実験セクションで、適当な条件が提供される。
最も好ましい「検出」の実施形態では、試料で検出される1つ以上の細胞又は生物は、微生物、特に、例えばカンジダ種などの細菌及び/又は酵母を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。これらなどの微生物のレベルは、保健衛生面で特に関連性がある。好ましくは、1つ以上の生物は細菌を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。しかし、生存能力と関連するいかなる分子の存在も、汚染を示す可能性がある。ゆえに、生存能力と関連する分子の検出は、それ自体が汚染の指標と考えることができる。分子は、それが微生物及び/又は植物及び/又は動物であろうが、任意の供与源に由来してもよい。
細菌は、試料中の汚染物と考えることができる、いかなる細菌種でもよい。本発明の方法は上記のように広い適用性を有し、数多くの異なる種及び株を本方法で検出することができる。当然、ATPなどの生存能力と関連するマーカーは遍在することから、数種類の生物を同時に検出することができる。
ある細胞及び生物のより特異的な検出には、検出する細胞又は生物を他のATP生産細胞から分離するために、特異的な濾過を必要とするであろう。そのようなフィルター並びに濾過のシステム及び方法は、当技術分野で公知であり、市販されている(例えば、www.nhdiag.comを参照)。
さらに、細胞又は生物に結合することができる特異的試薬を利用することによって、特定の細胞及び生物を選択して濾過又は濃縮することもできる。例としては、抗体及び誘導体、並びに特異的結合親和性を保持するそれらの断片がある。
一実施形態では、細菌は、スタフィロコッカス属の種、特に黄色ブドウ球菌、好ましくはメチシリン耐性菌株、エンテロコッカス属の種、ストレプトコッカス属の種、マイコバクテリウム属の種、特に結核菌、ビブリオ属の種、特にコレラ菌、サルモネラ属、大腸菌、その他のいずれか1つ又は複数を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。
前述のように、本発明の方法は、細胞試料の増殖及び/又は生存の測定にも適用できる可能性がある。ゆえに、本発明の方法を利用して、細胞培養の生存能力をモニタリングすることができる。一実施形態では、本発明の方法を用いて毒性試験を実施することができる。
本発明の特に好ましい実施形態では、酵素は固体支持体上に固定化される。固体支持体への酵素の固定化は、1つ以上の細胞又は生物に由来する、生存能力と関連する検出すべき分子の効果的な捕捉を可能にする。生存能力と関連する分子との固定化酵素の相互作用は、酵素が核酸分子に働きかけ、このようにして新規核酸分子の生成に導くことを可能にする。
このように、一実施形態では、本発明の方法で利用される試料は先行技術の方法のそれらよりも大きな量である。例示的な試料容積は、約1〜20ml、好ましくは約1〜10ml、より好ましくは約1〜5mlであろう。例えば、1〜5mlの試料を固定化リガーゼカラムで用いることができ、この容積の細胞(例えば細菌細胞)から放出される全てのATPにアクセスすることができる。ゆえに、好ましくはこの実施形態では、酵素はリガーゼを含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなり、生存能力と関連する分子はATPを含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる。
固定化された酵素を洗浄して、以降の検出過程に影響を及ぼすであろう阻害物質を除去することができる。このことが可能である理由は、酵素−生存能力マーカー間の連結又は結合、好ましくはATP−リガーゼ連結が洗浄過程で安定であるからである。ゆえに、一実施形態では、本方法は新規核酸分子の検出より前に洗浄ステップを含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる。洗浄は任意の適当な緩衝液又は洗浄溶液を利用することができ、EDTA及びトリス−HClなどの成分を含むことができる。適当な洗浄溶液は、当業者には周知である。
任意の適当な固体支持体を使用することができる。1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子と相互作用する酵素の能力を含む酵素活性に悪影響を与えることなく酵素をその上に固定化することができる限り、固体支持体の性質は本発明の性能に重要ではない。固体支持体の非限定的な例としては、ビーズの任意のもの、例えばポリスチレンビーズ及びその誘導体、並びに常磁性のビーズ、アフィニティーカラム、マイクロタイタープレートなどがある。
同様に、固定化化学手法は、当業者によって日常実施されている。特に1つ以上の細胞又は生物からの生存能力と関連する分子の検出の特異性及び感度に関してそれが本発明の方法に悪影響を及ぼさない限り、任意の固定化手段を利用することができる。
好ましい検出技術
本発明の好ましい一実施形態では、1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下で酵素活性によって産生される新規核酸分子は、核酸増幅技術を用いて検出される。
これは、本発明の方法を最大限高感度にする役目を果たす。そのような増幅技術は当技術分野で公知であり、例としてはPCR、NASBA(Compton、1991)、3SR(Fahyら、1991)、ローリングサークル複製、転写媒介増幅(TMA)、鎖置換増幅(SDA)Clinical Chemistry 45;777〜784、1999、及び米国特許第6261846号明細書(本明細書で参照により組み込まれている)で記載されているDNAオリゴマー自己集合法などの方法がある。
増幅は、検出する新規核酸分子の配列に特異的な増幅プライマーを使って達成される。核酸分子に対する特異性を提供するために、配列の適当な領域に対応するプライマー結合部位を選択することができる。熟練した読者は、核酸分子が、試料中の生存能力と関連する分子の存在下で酵素によって産生される新規核酸分子の検出のために必要とされる、プライマー結合部位以外の配列、例えばRNAポリメラーゼ結合部位も含むことができること、又は、NASBA、3SR及びTMAなどの等温増幅技術のためにプロモータ配列が必要であろうことを理解しよう。
プライマー結合部位は、例えばライゲーションが起こった場合だけ増幅生成物が生成されるように、核酸分子及びさらなる核酸分子のライゲーション境界を架橋することができる。
本発明の方法に用いるのに適当なプライマーは、配列番号12〜15で示し、下記の実験のセクションでさらに詳細に記載される。
TMA(Gen−probe社)は、反応を促進する2つの酵素、すなわち、RNAポリメラーゼ及び逆転写酵素を用いるRNA転写増幅系である。TMA反応は等温性であり、DNA又はRNAを増幅してRNA増幅最終生成物を生成することができる。TMAは、Gen−probe製のHybridization Protection Assay(HPA)検出技術と組み合わせて、単一のチューブ内での生成物の検出を可能にすることができる。そのような単一のチューブでの検出は、本発明の実施の好ましい方法である。上記リストは、網羅的であるものではない。適当な核酸生成物が特異的に増幅される限り、任意の核酸増幅技術を用いることができる。
ゆえに、本発明の好ましい態様において、試料中の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在を示す活性化酵素による化学部分の付加又は除去の直接的な結果として生成される新規核酸分子を検出するために、本発明の方法は、核酸増幅技術を用いて実施される。好ましい一実施形態において、用いる技術は、PCR、NASBA、3SR、TMA、SDA及びDNAオリゴマー自己集合から選択される。
増幅生成物の検出は、例えばゲル電気泳動などの常用の方法によってもよいが、好ましくはリアルタイム検出法を用いて実施される。
増幅反応の生成物のリアルタイム検出のためのいくつかの技術が、当技術分野で公知である。これらには、生成された蛍光の量に基づいて増幅されたDNAの収率を推定することを可能にする、SYBR Green Iなどの挿入蛍光染料の使用(Sambrook及びRussell、Molecular Cloning−A Laboratory Manual、第3版)が含まれる。リアルタイム検出法の多くは、連続モニタリングが可能な蛍光読出しを生じる。具体例としては、分子ビーコン及び蛍光共鳴エネルギー転移プローブがある。リアルタイム技術は、反応を「単一のチューブ」内で維持するので有利である。このことは、結果を得るために下流での分析の必要性がなく、より迅速に結果が得られることを意味する。さらに、反応を「単一のチューブ」環境で維持することは、交差汚染のリスクを減らし、本発明の方法からの定量データの出力を可能にする。このことは、健康及び安全への配慮が最も重要である(例えば人の飲料水、その他などの)場合、本発明との関連で特に重要であろう。
PCR反応のリアルタイム定量化は、TaqMan(登録商標)システム(Applied Biosystems)を用いて達成することができる。Hollandら;Detection of specific polymerase chain reaction product by utilising the 5’−3’exonuclease activity of Thermus aquaticus DNA polymerase;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88、7276〜7280(1991)、GelminiらQuantitative polymerase chain reaction−based homogeneous assay with flurogenic probes to measure C−Erb−2 oncogene amplification.Clin.Chem.43、752〜758(1997)及びLivakらTowards fully automated genome wide polymorphism screening.Nat.Genet.9、341〜342(19995)(本明細書で参照により組み込まれている)を参照。Taqman(登録商標)プローブは広く市販されており、Taqman(登録商標)システム(Applied Biosystems)は当技術分野で公知である。Taqman(登録商標)プローブは、PCR反応において上流側及び下流側のプライマーの間でアニールする。それらは、5’−蛍光団及び3’−失活剤を含む。増幅の間、Taqポリメラーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ活性により、プローブから蛍光団が切断される。蛍光団はもはや失活剤に近接していないので、蛍光団は蛍光を発することが可能になる。生じた蛍光は測定することができ、それは、増幅されている標的配列の量に正比例する。
Molecular Beaconシステム、Tyagi及びKramer.Molecular beacons−probes that fluoresce upon hybridization.Nat.Biotechnol.14、303〜308(1996)及びTyagiらMulticolor molecular beacons for allele discrimination.Nat.Biotechnol.16、49〜53(1998)(本明細書で参照により組み込まれている)を参照、では、ビーコンは、その標的と結合すると蛍光が回復する内部失活蛍光団を有する、ヘアピン型のプローブである。ループ部分はプローブの働きをし、ステムはビーコン末端の相補的「アーム」配列によって形成される。蛍光団及び失活部分は反対側の末端に結合しているが、ステムは各部分が近接するように保ち、蛍光団がエネルギー転移によって失活するようにする。ビーコンがその標的を検出するとき、それは構造変化を経てステムを引き離し、このようにして蛍光団及び失活剤を分離する。これは、エネルギー転移を混乱させ、蛍光が回復する。
任意の適当な蛍光団が、本発明の範囲に含まれる。本発明の方法でおそらく用いることができる蛍光団の例としては、FAM、HEX(商標)、NED(商標)、ROX(商標)、Texas Red(商標)、その他がある。失活剤、例えばDabcyl及びTAMRAは、本発明の方法で用いることができる公知の失活剤分子を代表する。しかし、本発明はこれらの特定の例に限定されない。
本発明の方法に組み込むことができるさらなるリアルタイム蛍光ベースシステムは、ZenecaのScorpionシステムである。WhitcombeらNature Biotechnology 17、804〜807(1999年8月1日)によるDetection of PCR products using self−probing amplicons and fluorescenceを参照。この参考文献は、完全に本出願に組み込まれる。この方法は、5’伸長の複製を阻止するリンカーによってその5’末端に結合するテールを有するプライマーに基づく。プローブエレメントは、標的部位がテール付きプライマーの伸長によって同じ分子に組み込まれるときだけ、それがその標的にハイブリダイズするように設計される。この方法は迅速で信頼できるシグナルを発生するが、その理由は、プローブ−標的間結合が鎖内部二次構造よりも動力学的に有利であることによる。
当業者に公知であり市販されている他のリアルタイム検出技術には、Lightcycler(登録商標)技術及びAmplifluour(登録商標)プライマー技術が含まれる。
ゆえに、本発明のさらなる態様において、核酸増幅生成物はリアルタイム技術を用いて検出される。本発明の具体的な一実施形態において、リアルタイム技術は、Taqman(登録商標)システム、Lightcycler(登録商標)システム、Amplifluour(登録商標)システム、Molecular beacons(登録商標)システム又はScorpion(登録商標)プローブシステムのいずれか1つを用いることからなる。
最も好ましい実施形態では、反応混合物は、試験試料、核酸分子及びさらなる核酸分子、必要とされる酵素、特にリガーゼ、並びに、新規(好ましくは連結された)核酸分子の増幅のために必要とされる全ての試薬、緩衝液及び酵素、加えて、増幅生成物のリアルタイム検出を可能にするために必要とされる試薬の全てを含む。したがって、生存能力と関連する(関心の1つ以上の細胞又は生物からの)分子の検出法の全体は、中間洗浄ステップを必要とせず、定量的出力を発生する単一反応で起こる。「単一チューブ」反応の利用は、結果を得るために下流での分析の必要性がなく、より迅速に結果が得られることから有利である。さらに、反応を「単一チューブ」環境で維持することは、交差汚染のリスクを減らし、本発明の方法からの定量データ出力を可能にする。また、単一チューブ反応は、自動化に、例えばハイスループット場面に、より適合する。
或いは、本発明の方法は、ステップ的に実施することができる。ゆえに、第1ステップにおいて、本発明の方法での使用に適当な形態で酵素を調製することが、最初に必要であろう。例えば、市販リガーゼは、それがもはや活性ではなく、活性となるためにATPを必要とするように、それからAMPを取り除く必要があろうが、ATPは、一実施形態では汚染生物であってもよい試料中の任意の細胞又は生物によって提供される。これは適当な脱アデニル条件を用いて実施することができ、また、上においてさらに詳細に検討されている。
さらに、酵素は、本方法を実施する前に最初に固定化することができる。適当な固体支持体及び固定化方法は当技術分野で公知であり、上でさらに詳細に記載されている。
酵素を最初に試験試料に加え、試料中に存在する1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連するいかなる分子もその酵素と相互作用させることができる。次に酵素は化学部分を核酸分子に加えるか、又は、化学部分を核酸分子から除去する。ゆえに、一実施形態では、ATPなどの生存能力と関連する分子を濃縮するために、本発明を利用することができる。次に、酵素に結合している濃縮されたATPは、以降のステップで、好ましくは新規核酸分子の増幅により、容易に検出することができる。
さらなる実施形態において、好ましくはリガーゼである酵素は、最も好ましくは増幅による検出のために必要な試薬を加える前に、不活性化することができる。等温性増幅技術が用いられるかどうかにより、これは、検出ステップを実施する前に好ましくはリガーゼである酵素を不活性化する必要があるかどうかに影響を及ぼすであろう。リアルタイム検出を利用する場合、必要とされる試薬は、増幅ステップに必要とされる試薬と一緒に加えてもよい。
増幅する新規の検出可能な核酸分子に特異的なプライマーが、本発明の方法及びキットで利用される。バックグラウンドの非特異的増幅を最小限にして新規の検出可能な核酸分子の配列特異増幅を指示することができる、任意のプライマーを利用することができる。利用する増幅技術によって、プライマーはDNA又はRNA、及び合成等価体を含むことができる。例えば、標準のPCRのためには、短い一本鎖DNAプライマー対を用いる傾向があり、両プライマーは増幅する関心領域に接している。PCR、3SR、NASBA及びTMAなどの核酸増幅技術で用いることができるプライマーの型は、当技術分野で公知である。
リアルタイム方法で用いるのに適当なプローブは、それらを本発明の方法の核酸分子と併用することができるように設計することもできる。ゆえに、例えばTaqman(登録商標)技術を用いる場合、プローブは、試料中の汚染性細胞又は生物の生存能力と関連する分子に逐次的に起因する酵素活性の結果として産生される、新規核酸分子上のプライマー結合部位の間でそれらが結合することができるような配列でよい。同様に、本発明の方法及びキットに組み込まれた核酸配列の関連部分に結合する分子ビーコンプローブを設計することができる。リアルタイム検出のためにScorpionプローブ技術を用いる場合、プローブは、標的部位がテール付きプライマーの伸長によって同じ分子に組み込まれたときだけ、それがその標的とハイブリダイズするように設計する必要がある。Amplifluour技術はプライマーの適切な設計を必要とするが、別のプローブを必要としない。したがって、本発明はさらに、本発明のリアルタイム検出法での使用に適当であるプローブ又は適切に設計されたプライマーを含むことを提供する。
新規の検出可能な核酸分子の生成に導く、化学部分の核酸分子への付加又は化学部分の核酸分子からの除去を検出するために、代替技術を用いることができる。代替検出技術の例としては、マトリックスアシスティドレーザー脱離(MALDI)質量分析及びMALDI−Time of Flight(MALDI−TOF)質量分析を含む質量分析、クロマトグラフィー並びにマイクロアレイ技術(Illumina、Affymetrix、Nanogen)の使用がある。質量分析は、新規核酸分子の予想される分子量の正確な測定を可能にする。MALDI−TOFは、イオンを迅速に引き出してフライトチューブ沿いに加速する高電圧の電位に基づく。フライトチューブの終端の検出器は、最初のレーザーパルスからイオンの検出までに経過した時間を測定するために用いられる。フライト時間は、イオンの質量に比例する。ゆえに、本発明の方法において、新規の検出可能な核酸分子と比較した核酸分子の質量の差は、特異的で高感度な検出を可能にするのに十分である。
同様に、固体支持体に結合した適当なプローブと一緒にマイクロアレイを用いることにより、本発明の方法で産生される新規核酸分子を下流の過程で特定することができる。
増幅生成物を特徴づけるために、好ましくは、これらの代替技術を核酸増幅技術と併用することができる。これは、予想される生成物ではない増幅生成物が生成した場合、偽陽性結果を除去するのを助ける。ゆえに、感度を高くする増幅ステップの利点は増幅生成物を正確に特徴づけるステップと組み合わされ、このように、本発明の方法をより一層正確にする。
一実施形態では、本発明は1つ以上の細胞又は生物を濃縮する(先に述べたように)ために、試料を最初に濾過する方法を提供する。ある細胞又は生物のより特異的な検出には、検出する細胞又は生物を他のATP生産細胞から分離するために、特異的な濾過を必要とするであろう。そのようなフィルター並びに濾過のシステム及び方法は、当技術分野で公知であり、市販されている(例えば、www.nhdiag.comを参照)。
さらに、細胞又は生物に結合することができる特異的試薬を利用することによって、特定の細胞又は生物を選択することもできる。例としては、抗体及び特異的結合親和性を保持するそれらの誘導体がある。
他の実施形態では、本方法は、標的の細胞又は生物ではないが、生存能力と関連するマーカーを他の方法でアッセイシステムへ供与する試料中の他の細胞を溶解することをさらに含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる。他の細胞のこの溶解は、これらの非標的細胞又は生物が所望の細胞又は生物の検出に影響することを阻止することができるようにする手段である。
好ましい一実施形態では、本方法は、1つ以上の細胞又は生物によって提供されない、1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連するいかなる分子も試料から消滅又は消耗させることをさらに含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる。ゆえに、対象外の生物又は細胞が溶解されると、生存能力と関連するそれらの分子は試料中に放出されるであろう。これらの分子を別の方法で除去しなければそれらは偽陽性結果につながる恐れがあるので、それらを除去することは利点がある。非汚染性の細胞は、無害な細胞、又は試料中に意図的に存在する細胞、例えば血小板試料中の血小板、その他でよい。
一実施形態では、1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子は、ATPを含む。好ましくは、1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子、好ましくは、ATPは、酵素によって触媒される反応においてそれを利用することによって、又はその供給を消耗させることによって除去される。
非標的の細胞又は生物によって提供される生存能力と関連する分子を消耗させることができる酵素は、一実施形態では、ルシフェラーゼ、ホスファターゼ及びピロホスファターゼのいずれか1つ又は複数を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。本発明で生存能力と関連する好ましい分子であるATPを分解するために、これらの酵素を試料に加えることができる。ルシフェラーゼの場合、発光の発生が停止するので、望ましくないATPが消耗されたときを使用者が調査するのは簡単である。
好ましくは、非標的の細胞又は生物によって提供される、試料中の生存能力と関連する分子が消耗されると、本方法は、1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子を放出するために、1つ以上の細胞又は生物の細胞を溶解することをさらに含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる。この溶解は、非標的(又は一実施形態では非汚染性)の細胞を溶解するために利用されたであろうものとは異なる条件を必要とする可能性があるが、その理由は、このことが、関心の細胞が他の非標的細胞によって最初に溶解されないように、あるレベルの溶解特異性を提供するからである。
上記手法は、動物又は植物の組織などの他の発生源からの汚染性ATPの除去にも適用可能である。これが関連するのは食品への適用においてであり、例えば、標的の細胞又は生物を溶解する前に、バックグラウンドATPを除去する必要がある場合である。これは、次に食品試料の(細菌)汚染の尺度を与える。バックグラウンドATPの除去は、例えばルシフェラーゼ、又はホスファターゼ、又はピロホスファターゼによってもよい。例えば血小板の細菌汚染を測定する手法は、最初に界面活性剤を用いて血小板を溶解し、続いて大過剰のアルカリホスファターゼなどの効果的な過程を用いて放出されたATPを破壊し、続いて、標的の汚染生物を溶解する厳しい条件を適用して、非常により少ない量の検出のためのATPを放出することを含むことができる。
適当な細胞溶解条件は当技術分野で公知であり、その例としては、それらに限定されないが、熱、フェノール、クロロホルム、プロテイナーゼK、アルコール、その他、及びそれらの組合せによる処理、並びに/又は凍結/解凍処理、又は物理的崩壊(例えば高速遠心)がある。
本発明の方法は、1つ以上の細胞又は生物と関連する核酸分子を分解するために、1つ以上のヌクレアーゼによる試料の処理をさらに/加えて含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなることができる。これは、検出する1つ以上の細胞又は生物で見られる核酸分子が、本発明の方法によって産生される新規核酸分子の検出に干渉することができないようにするために利用される手法である。そこから生存能力と関連する分子を検出する1つ以上の細胞又は生物で見られる核酸分子を消化することができる任意のヌクレアーゼを使用することができ、それは、例えばエンドヌクレアーゼ及び/又はエキソヌクレアーゼを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。多くのそのようなヌクレアーゼは市販され、当業者に公知であろう。
本発明の方法によって新規核酸分子を生成する核酸分子及び任意選択でさらなる核酸分子は、それらがヌクレアーゼ活性から保護されるように設計することができる。例えば、新規核酸分子が生成されると、それがヌクレアーゼ作用に影響されず、したがって検出することができ、例えば汚染性の生物に由来する生存能力と関連する分子の存在を示すことができるように、核酸分子の末端をブロックすることができる。
本発明のさらなる好ましい実施形態では、核酸分子は固体支持体上に固定化される。直接の固定化は、例えば共有結合を通して達成することができる。
固体支持体への核酸及びタンパク質成分の直接共有結合のための技術は、当技術分野で公知である。例えば、いくつかの化学架橋化合物のいずれか1つを用いて、アミン誘導核酸分子を固体支持体に結合することができる。
核酸分子及び/又は酵素を固体支持体に間接的に結合することも、本発明の範囲内である。例えば、「間接的な」結合は、リンカー分子を通して達成することができる。適当なリンカー分子には、例えばビオチン/ストレプトアビジン又はビオチン/アビジンなどの、高親和性で結合する生物学的結合対の構成要素が含まれる。
本発明の方法のほとんどの用途については、反応の開始時に核酸分子及び/又は酵素を(それぞれの)固体支持体に結合する。最も好ましくは、核酸分子及び/又は酵素を固体支持体上に予め固定化して供給するか、さもなければ、固定化は別の固定化ステップで起こる。しかし、他の可能性は排除されない。
具体的な一実施形態では、核酸分子は酵素と同じ支持体上に固定化される。このことは、核酸分子を効果的に酵素に近接させる働きをする。ゆえに、1つ以上の細胞又は生物から検出する生存能力と関連する分子との相互作用を通して酵素が活性化されるならば、その酵素は直ちに核酸分子に働きかけて新規核酸分子を生成することができ、新規核酸分子は次に検出されて生存能力と関連する分子の存在を示すことができ、このことは、例えば1つ以上の汚染性の細胞又は生物が試料中に存在することを示すであろう。
さらなる実施形態では、さらなる核酸分子も固体支持体上に固定化される。さらなる核酸分子が酵素及び核酸分子に近接するので、このことは、本方法の感度をさらに増大させる働きをすることができる。ゆえに、検出する1つ以上の細胞又は生物の指標の働きをする生存能力と関連する分子との相互作用を通してリガーゼが活性化されるならば、それは直ちに核酸分子及びさらなる核酸分子に働きかけて新規核酸分子を生成することができ、次に新規核酸分子は例えば検出されて試料中の1つ以上の汚染性生物の存在を示すこと、又は、細胞培養が生存能力を維持していることを示すことができる。好ましくは、この実施形態において、生存能力と関連する分子は、ATPを含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる。好ましいセットアップを、図2及び3に関して以下に記す。
一実施形態では、相互作用する成分の最高の近接性を確保するために、酵素及び/又は核酸分子及び/又はさらなる核酸分子を全て同じ固体支持体上で固定化することができる。このことは、試料中の1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子を検出する、高レベルの感度を達成するのを助ける。上記のように、任意の適当な固体支持体を使用することができ、各成分の固定化のための任意の適当な手段を同様に利用することができる。
スクリーニング法
本発明の方法は、既存の治療法に対する微生物耐性の重要な分野でも有用性を有する。現在、多くの細菌は今日利用できる多くの抗微生物治療薬に耐性であり、ある株、例えばメシチリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などは、特に臨床上で危険な健康リスクをもたらす。
したがって、抗微生物薬剤への耐性の容易な判定を可能にする技術及びアッセイキットの必要がある。
したがって、第2の態様により、本発明は、ある細胞又は生物の、その細胞又は生物を対象にした薬剤に対する耐性についてスクリーニングする方法を提供し、その方法は、試料で、
(a)細胞又は生物を薬剤に曝露するステップ、
(b)試料を、前記細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下で、化学部分を核酸分子に付加するか又は核酸分子から除去することができる酵素と接触させ、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成するステップ、及び
(c)前記細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下でのみ生成される新規核酸分子を検出することによって耐性があるかどうかを調査するステップを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなり、耐性がある場合に新規核酸分子が検出される。
同法は、新規の化合物、薬剤又は分子が、特定の1つ以上の標的の細胞又は生物に対して効果を有するかどうかを判断するために、化合物スクリーニング方法として用いることもできる。
ゆえに、第3の態様で本発明は、1つ以上の細胞又は生物を死滅させるか又はその増殖を阻止することができる薬剤についてスクリーニングする方法を提供し、その方法は、試料で
(a)前記1つ以上の細胞又は生物を薬剤に曝露するステップ、
(b)試料を、前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下で、化学部分を核酸分子に付加するか又は核酸分子から除去することができる酵素と接触させ、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成するステップ、及び
(c)前記細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下でのみ生成する新規核酸分子を検出することによって、前記剤が前記1つ以上の細胞又は生物を死滅させるか又はその増殖を阻止する能力を有するかどうかを調査するステップを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなり、前記薬剤が前記細胞又は生物を死滅させるか又はその増殖を阻止することができる場合に、新規核酸分子は検出されない。
本発明のこの態様は、化合物スクリーニングにおける迅速生死判別試験として利用することもできる。ゆえに、化合物、薬剤又は分子が哺乳動物細胞などの細胞に対し有毒性であるかどうかを判断するために、それを本方法によってスクリーニングすることができる。ゆえに、新規核酸分子の検出という、本方法の陽性結果は、その化合物が哺乳動物又は植物の細胞に対して毒性が低いことを示すであろう。この場合、適当な試料は、関連する哺乳動物細胞を含むであろう。化合物、薬剤又は分子が、病原生物を死滅させるか、その増殖若しくは繁殖を阻止するか、さもなければ、その生物に起因する疾患進行を阻止するために有効であるかどうかを判断する前に、このスクリーニングを実施してもよい。
ゆえに、さらなる態様において、本発明は、哺乳動物又は植物の細胞に対する医薬用又は農業用の候補薬剤の毒性を判断する方法を提供し、その方法は、哺乳動物又は植物の細胞試料で
(a)細胞を(医薬用又は農業用の)薬剤に曝露するステップ、
(b)試料を、前記細胞の生存能力と関連する分子の存在下で、化学部分を核酸分子に付加するか又は核酸分子から除去することができる酵素と接触させ、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成するステップ、及び
(c)前記細胞の生存能力と関連する分子の存在下でのみ生成される新規核酸分子を検出することによって前記(医薬用又は農業用の)薬剤が前記細胞に対し有毒性であるかどうかを調査するステップを含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなり、前記分子が前記細胞に対し有毒性である場合に新規核酸分子は検出されない。
疑問の回避のために、この方法は、一般に、単離された哺乳動物細胞試料で実施されるin vitro方法であるものとする。植物性産物の場合、毒性を判断するために必要な細胞を提供する任意の適当な植物試料で、試験を実施することができる。ゆえに、植物細胞は、例えば植物の根、葉又は茎に由来してもよい。
医薬用薬剤は、任意の指定された疾患の治療のための任意の候補医薬でよい。新薬については、クリニックで使用前に広範な毒性試験が必要とされる。本発明の方法は、この過程を支援するのに役立つことが判明するであろう。
同様に、殺虫剤及び除草剤(殺草剤)などの植物用の製品は、それらが、病害虫又は雑草から保護するはずの植物に対し有毒性であるならば、ほとんど価値がない。ゆえに、候補薬剤が、その薬剤の使用から利益を受けるはずの植物に対して毒性がないことを保証するために、本発明による方法を利用することができる。
本発明の方法は、それによって、最小レベルの感染性細胞又は生物だけが存在する初期のステップで感染を特異的及び敏感に検出することができる、診断的有用性を有することも判明するであろう。
したがって、さらなる態様で、対象内の細胞又は生物の存在と関連する感染症又は疾患を診断する方法が提供され、その方法は、対象から得られる試料で
a)試料を、前記細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下で、化学部分を核酸分子に付加するか又は核酸分子から除去することができる酵素と接触させ、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成するステップと、
b)前記細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下でのみ生成される新規核酸分子を検出することによって生存能力のある細胞又は生物の存在を調査するステップと
を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなり、新規核酸分子が検出される場合は、対象は感染しているか又は疾患を有すると考えられる。
この関係において、「試料」は一般に臨床試料である。用いる試料は、それについて試験する条件によって決まる。用いることができる、本発明を限定するものではない典型的試料としては、患者、最も好ましくはヒト患者から採取した全血、血清、血漿、血小板及び尿試料、その他がある。
最も好ましい実施形態において、検査は、対象から取り出した試料で実施されるin vitro検査である。
さらなる実施形態において、上記の診断法は、対象から試料を得るステップをさらに含むことができる。対象から適当な試料を得る方法は、当技術分野で公知である。或いは、本方法は、別の処置ですでに患者から単離されている試料をもとに実施することができる。この診断法は最も好ましくはヒトからの試料で実施されるが、本発明の方法は多くの動物に対して診断的有用性を有するであろう。
本発明の診断法は、すでに利用できる任意の診断技法を補うために、おそらく初期診断を確認する方法として用いることができる。或いは、本方法は迅速で便利な診断手段を提供するので、それ自体で予備的診断方法として用いることができる。さらに、それらに固有の感度のために、本発明の診断法は最小限の試料だけを必要とし、したがって不必要な侵襲性の手術を防止する。また、本発明の方法によって大量の濃縮されていない試料を効果的に検査することもできる。
ゆえに、本発明の方法は、試料中の汚染性生物の検出以外にも複数の用途を有する。本発明の第1の態様に関して上で提供される記載は、必要な変更を加えて本発明のさらなる態様に適用され、簡潔性の理由で繰り返さない。
好ましい実施形態では、生存能力と関連する分子は細菌に由来する。
細菌は、対象、好ましくはヒト対象で感染又は疾患を引き起こすことができる、任意の細菌でよい。一実施形態では、細菌は、スタフィロコッカス属の種、特に黄色ブドウ球菌、好ましくはメチシリン耐性菌株、エンテロコッカス属の種、ストレプトコッカス属の種、マイコバクテリウム属の種、特に結核菌、ビブリオ属の種、特にコレラ菌、サルモネラ属及び/又は大腸菌、その他のいずれか1つ又は複数を含むか、又は本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。
一実施形態では、本発明の第2、第3、及び第4の態様によれば、本方法で(耐性又は細胞への感染若しくは毒性を治療する能力について)検査する分子は、抗微生物性化合物である。化合物スクリーニング方法では、任意の分子を試験することができる。例としては、抗微生物剤、siRNA分子及びアンチセンス分子を含む核酸分子、小分子、抗体及び、それらが結合親和性その他を保持する限り、例えばFabフラグメント、可変部断片及び単一ドメイン抗体を含むその全ての誘導体がある。本方法は、短期間に多数の分子をスクリーニングするために、ハイスループット状況下で実施することができる。
抗微生物剤は、一実施形態では、抗微生物剤の2つの主な種類である抗生物質(微生物によって産生される天然物質)及び化学療法剤(化学的に合成される)からとることができ、又は、半合成抗生物質(後に修飾された天然抗生物質)若しくは合成抗生物質(天然抗生物質の合成バージョン)などの2つのハイブリッドでもよい。
細胞若しくは生物を死滅させるか又はその増殖を阻止する能力並びに/又は哺乳動物細胞に毒性のないことに関して本発明の方法で陽性結果が得られた後、適当な候補抗微生物剤を、以下の特性の少なくとも1つ又は複数について検査することができる。
(1)薬剤は対象に対して毒性がなく、有害な副作用があってはならず、
(2)薬剤は対象に対して非アレルギー性でなければならず、
(3)薬剤は対象の天然の植物相を消滅させてはならず、
(4)薬剤は安定でなければならず、
(5)薬剤は好ましくは安価であり、容易に入手でき/製造が容易でなければならず、
(6)薬剤は病原体の耐性が(かなりの程度に)発達しないように、十分に強力でなければならない。この特性は、本発明の第2の態様(上記)に従って記載される方法によって試験することができる。
一実施形態では、複数の適当な抗微生物剤の組合せを、感染症を治療する能力及び/又はそれに対する耐性について試験することができる。
耐性について、及び、おそらくある感染症を治療するそれらの新規能力についても検査することができる抗生物質又はその誘導体は、以下の群、例えばそれらに限定されないが、ベータラクタム剤、例えばペニシリン剤、特にペニシリンG又はV、及びセファロチンなどのセファロスポリン剤、半合成ペニシリン、例えばアンピシリン、メチシリン及びアモキシシリン、好ましくは半合成ペニシリン製剤と併用されるクラブラン酸(例えばクラバモックス(clavamox)若しくはオウグメンチン)、アズトレオナムなどのモノバクタム剤、イミペネムなどのカルボキシペネム、ストレプトマイシン、カナマイシン、トブラマイシン及びゲンタマイシンなどのアミノグリコシド剤、バンコマイシン、リンコマイシン及びクリンダマイシンなどのグリコペプチド、エリスロマイシン及びオレアンドマイシンなどのマクロライド剤、ポリミキシン及びバシトラシンなどのポリペプチド類、アンホテリシン及びナイスタチンなどのポリエン類、リファンピシンなどのリファマイシン類、テトラサイクリンなどのテトラサイクリン類、ドキシサイクリン、クロルテトラサイクリンなどの半合成テトラサイクリン類、クロラムフェニコール、ナリジキシン酸及びフルオロキノロンなどのキノロン類、並びにスルホンアミドなどの競合的阻害剤、例えばガントリシン(gantrisin)及びトリメトプリムから選択することができる。
セフトリアキソン及び/又はニトロフルラゾンを利用することもできる。
発明のキット
本発明は、本発明の方法の実施を可能にし、またそれに適するキットも提供する。
したがって、さらなる態様で、本発明は、試料中の1つ以上の(生存)細胞又は生物の生存能力と関連する分子を検出するためのキットであって、
(a)核酸分子、及び
(b)前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下で、化学部分を核酸分子に付加するか又は核酸分子から除去し、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成することができる酵素を含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなるキットを提供する。
さらなる態様において、本発明は、ある細胞又は生物の、その細胞又は生物を対象にした分子に対する耐性についてスクリーニングするためのキットであって、
(a)核酸分子、及び
(b)前記細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下で、化学部分を核酸分子に付加するか又は核酸分子から除去し、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成することができる酵素を含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなるキットを提供する。
さらなる態様において、本発明は、細胞又は生物を死滅させるかその増殖を阻止することができる分子についてスクリーニングするためのキットであって、
(a)核酸分子、及び
(b)前記細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下で、化学部分を核酸分子に付加するか又は核酸分子から除去し、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成することができる酵素を含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなるキットを提供する。
さらに、本発明は、対象内の細胞又は生物の存在と関連する感染症又は疾患を診断するためのキットであって、
(a)核酸分子、及び
(b)前記細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下で、化学部分を核酸分子に付加するか又は核酸分子から除去し、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成することができる酵素を含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなるキットを提供する。
さらなる態様において、本発明は、哺乳動物又は植物の細胞に対する医薬用又は農業用の候補薬剤の毒性を判断するためのキットであって、
(a)核酸分子、及び
(b)前記細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下で、化学部分を核酸分子に付加するか又は核酸分子から除去し、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成することができる酵素を含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなるキットを提供する。
上記のように、医薬用薬剤は、任意の指定された疾患の治療のための任意の候補医薬でよい。同様に、殺虫剤及び殺草剤などの植物用の製品は、それらが、害虫又は雑草から保護するはずの植物に対し有毒性であるならば、ほとんど価値がない。ゆえに、候補薬剤が、その薬剤の使用から利益を受けるはずの植物に対し毒性がないことを保証するために、本発明によるキットを利用することができる。
好ましくは、これらのキットは(c)さらなる核酸分子も含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる。
本発明の方法の全ての態様は本発明のキットに適用することができ、したがって、上記のことは等しくここに適用される。
一実施形態では、新規核酸分子は、ライゲーションによって形成される。好ましくは、新規核酸分子は、核酸分子とさらなる核酸分子とのライゲーションによって生成される。本発明の方法に関して提供される適当な核酸分子及びさらなる核酸分子の記載は、必要な変更を加えて本発明のキットの態様に適用される。
前述のように、新規核酸分子を産生するための好ましい手段は、ライゲーションを含む。したがって、好ましくは、前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下で、化学部分を核酸分子に付加するか又は核酸分子から除去し、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成することができる酵素は、リガーゼを含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる。
その活性のために生存能力と関連する分子(上で定義されているように、例えばATP)に依存する、任意の適当なリガーゼを使用することができる。ゆえに、リガーゼ活性は、試料中の(生存)細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在と直接相関するが、その理由は、そのマーカーが存在するならば、リガーゼは活性化され、したがって、検出することができる新規核酸分子の生成を触媒するからである。リガーゼの非限定的な適当な例には、市販のT4 DNAリガーゼ又はT4 RNAリガーゼが含まれる。
好ましくは、先に述べたように、リガーゼは不活性化形態で提供されるので、例えばATP又はNADであろう活性化剤コファクターは存在しない。このことは、リガーゼが、検出する細胞又は生物からの、生存能力と関連するマーカーによって活性化されなければならないことを意味する。或いは、キットは活性型のリガーゼを供給することができるが、使用前にリガーゼを不活性化する手段を提供することもできる。リガーゼからAMP分子又はNADを除去する方法の詳細は上で提供されており、本発明のキットの態様、例えばピロリン酸とのインキュベーションなどに等しく適用される。脱アデニル化の詳細は、下記の実験セクションで提供される。
生物の生存能力と関連する最も好ましい分子は、ATPを含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる。しかし、NADなどの代替分子をモニタリングすることができる。この場合、その活性のためにATPではなくNADを必要とするので、大腸菌DNAリガーゼを使用することができる。
本発明の方法に関して上でさらに詳細に記載されているように、ATPは任意の適当な供与源に由来することができる。
最も好ましい実施形態では、試料で検出される1つ以上の細胞又は生物は、微生物、特に細菌及び/又は酵母を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。これらなどの微生物のレベルは、保健衛生面で特に関連性がある。好ましくは、1つ以上の生物は細菌を含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。
しかし、本発明のキットは、植物及び動物の細胞を含む全ての供与源に由来する、生存能力と関連する分子を検出するために役立つ。このことは、細胞培養のモニタリング、さらには特定の試料中に何らかの汚染源が存在するかどうかの判定などの用途で役立つであろう。
細菌は、試料中の汚染物と考えることができる、いかなる細菌種でもよい。本発明の方法は上記のように広い適用性を有し、数多くの異なる種及び株を本方法で検出することができる。当然、ATPなどの生存能力と関連するマーカーは遍在することから、数種類の細胞及び生物を同時に検出することができる。
ある細胞及び生物のより特異的な検出には、検出する細胞又は生物を他のATP生産細胞から分離するために、特異的な濾過を必要とするであろう。そのようなフィルター並びに濾過のシステム及び方法は、当技術分野で公知であり、市販されている(例えば、www.nhdiag.comを参照)。生存能力と関連する分子が存在するかどうかの判断の前に標的の細胞又は生物を単離することができるように、本発明のキットは、適当なフィルター又は濾過の機構若しくはシステムを組み込むこともできる。
さらに、細胞又は生物に結合することができる特異的試薬を利用することによって、特定の細胞又は生物を選択することもできる。ゆえに、本発明のキットは、抗体及び特異結合親和性を保持するその全ての誘導体(例えばFabフラグメント、単一ドメイン抗体及び可変部断片)をさらに含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなることができる。
一実施形態では、細菌は、スタフィロコッカス属の種、特に黄色ブドウ球菌、好ましくはメチシリン耐性菌株、エンテロコッカス属の種、ストレプトコッカス属の種、マイコバクテリウム属の種、特に結核菌、ビブリオ属の種、特にコレラ菌、サルモネラ属、大腸菌、その他のいずれか1つ又は複数を含むか、又は本質的にそれらからなるか、又はそれらからなる。
本発明の特に好ましい実施形態では、酵素は固体支持体上に固定化される。固体支持体への酵素の固定化は、検出する1つ以上の細胞又は生物に由来する、生存能力と関連する分子の効果的な捕捉を可能にする。生存能力と関連する分子との固定化酵素の相互作用は、酵素が核酸分子に働きかけ、このように新規核酸分子の生成に導くことを可能にする。ゆえに、本発明のキットは、固体支持体をさらに含むことができる。酵素は、固体支持体上に予め載せて提供することができるか、又は、そうすることができない。それが固体支持体上に予め固定化されていない場合、固定化を可能にする適当な試薬をキット内で、任意選択で適当な説明書と一緒に提供することができる。固定化を可能にする試薬は、当業者に公知である。特に1つ以上の標的の細胞又は生物からの生存能力と関連する分子の検出の特異性及び感度に関してそれが本発明の方法の実施に悪影響を及ぼさない限り、任意の固定化手段を利用することができる。
任意の適当な固体支持体を、本発明のキットに含ませることができる。1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子と相互作用する酵素の能力を含む酵素活性に悪影響を与えることなく酵素をその上に固定化することができる限り、固体支持体の性質は本発明の性能に重要ではない。固体支持体のそれには限定されない例には、ポリスチレンビーズ及び常磁性のビーズ及びそれらの誘導体などのビーズ、アフィニティーカラム、マイクロタイタープレート、その他のいずれかが含まれる。
さらなる実施形態では、核酸分子及び/又はさらなる核酸分子は、本発明のキット中の固体支持体上に固定化して提供することもできる。上記のことは、必要な変更を加えて適用される。具体的な実施形態において、核酸分子及びさらなる核酸分子は、互いに同じ支持体上に固定化することができる。このことは、生存能力と関連する分子によってリガーゼが活性化されたならばライゲーションが効果的であるように、それらの分子が近接することを可能にする。
さらなる実施形態において、核酸分子及び/又はさらなる核酸分子は、酵素と同じ支持体上に固定化することができる。ゆえに、酵素が(好ましくはATPである、生存能力と関連する分子によって)活性化されると、それは直ちに核酸分子及び/又はさらなる核酸分子に働きかけをすることができるようになる。これにより、最大の検出感度が確保される。
さらなる実施形態において、本発明のキットは核酸増幅のために必要な試薬をさらに含むか、基本的それらからなるか、又はそれらからなる。好ましくは、試薬は、PCR、ローリングサークル増幅、NASBA、3SR及びTMAのいずれか1つを実施するためのものである。核酸増幅を実施するための試薬は市販されており、それらの特性は当技術分野で極めてよく明らかにされている。適当な試薬の例としては、新規核酸分子を増幅するように設計されている適当なプライマー、そのいくつかの変異体(ホットスタート変異体を含む)が利用できるTaqポリメラーゼなどのポリメラーゼ、並びにKCl及び(NHSOなどの緩衝液がある。
好ましい一実施形態では、キットは、リアルタイムで核酸増幅生成物を検出するための試薬をさらに含むか、本質的にそれらからなるか、それらからなる。好ましくは、キットは、Taqman(登録商標)システム、Molecular beacons(登録商標)システム、Lightcycler(登録商標)、Amplifluour(登録商標)及びScorpion(登録商標)プローブシステムのいずれか1つを利用してリアルタイム増幅及び検出を実施するための試薬を含む。これらの方法で用いるのに適当な試薬は当技術分野で公知であり、市販されている。
適当な試薬の例には、配列特異プローブが含まれる。これらのプローブは、新規核酸分子を増幅するために用いられるプライマーをそれらの間に結合することができ、したがって、増幅された核酸分子と結合して、増幅の間に生じた生成物のレベルの直接指標を提供することができる。そのようなプローブの設計は、当業者にとっては日常業務である。或いは、例えば増幅生成物のリアルタイム検出を可能にするAmplifluour及びScorpionシステムにおいては、適当なプライマーの設計が必要なことがある。
任意の適当な蛍光団が、本発明の範囲に含まれる。本発明のキットにおそらく含まれてもよい蛍光団の例としては、FAM、HEX(商標)、NED(商標)、ROX(商標)、Texas Red(商標)、その他がある。同様に、本発明のキットは単一の失活剤に限定されない。失活剤、例えばDabcyl及びTAMRAは、本発明の方法で用いることができる公知の失活剤分子であり、本発明のキットに含まれる。
本発明のキットは、上記のもの以外に、増幅生成物の検出のために用いることができるか、又は増幅(チップ上の増幅)して増幅生成物を検出するために用いることができるマイクロアレイなどの、PCR生成物の生成及び検出のために必要なさらなる成分を含むこともできる。他の成分としては、Applied Biosystemsによって記載される「マイクロフルイッドカード」、LIPA_technology(Innogenetics、Zwijnaarde、Belgium、又はUlysis and ULS technology(Kreatech Biotechnologies、Amsterdam、The Netherlands)によって記載されるもの)によって記載されるものなどのReversed hybridization stripsをさらに挙げることができる。そのような成分は当技術分野で公知であり、本発明のキットに含まれるものを例示したものであって、限定するものではない。
本発明のキットで試験する試料は、上で明記したように任意の適当な試料でよい。試料は臨床試料、又は、例えばin vitroアッセイシステムでよい。
試料は飲料又は食品試料若しくはその調製物、又は医薬品、又はシャンプー、コンディショナー、モイスチャライザーその他を含むパーソナルケア製品などの化粧品でよく、その全ては日常的に微生物汚染について検査される。試料は組織又は細胞を含むことができ、例えば、痰若しくは血液の試料、又は血小板試料でよい。
上で指摘したように、特定の細胞又は生物からの生存能力と関連する分子の検出のために、本発明のキットに特異フィルター又は濾過システムを組み込むことは有益であろう。
さらに、標的の細胞でも生物でもないが、生存能力と関連するマーカーを他の方法でアッセイシステムに供与する他の細胞を溶解する溶解試薬を、本発明のキットに含むことができる。検出する細胞又は生物の細胞を好ましくは溶解しない適当な試薬のそれらに限定されない例には、アルコール、塩、その他、及び、どの細胞又は生物を検出するかによっておそらくプロテイナーゼK及びクロロホルムなどの試薬も含まれる。
本発明のキットは、1つ以上の細胞又は生物によって提供されない、1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連するいかなる分子も試料から消滅又は消耗させる酵素をさらに含むか、本質的にそれからなるか、又はそれからなる。好ましくは、1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子は、ATPを含む。具体的な実施形態において、酵素はルシフェラーゼ、ホスファターゼ及びピロホスファターゼのいずれか1つ又は複数を含むが、それは、これらの酵素の全ては、さもなければ偽陽性結果を生む可能性がある試料中の非標的の細胞又は生物に由来するATPシグナルを消耗させるために用いることができるからである。
本発明のキットは、1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子を放出するために、その生存能力を検出する細胞又は生物の細胞の溶解のための試薬をさらに含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなることができる。適当な試薬には、それらに限定されない例として、フェノール、クロロホルム及びプロテイナーゼKが含まれる。
本発明のキットは、試料内で検出される生存能力と関連する分子を提供する細胞又は生物と関連する核酸分子を分解するために、1つ以上のヌクレアーゼをさらに含むか、本質的にそれらからなるか、又はそれらからなることができる。これは、例えば非特異的ライゲーション事象を阻止するために有益であろう。しかし、核酸分子及び/又はさらなる核酸分子は、それらが、その生存能力を検出する細胞又は生物の核酸分子と相同にならないように設計することができるので、これは絶対条件ではないであろう。このことについては上で詳述されており、本発明の核酸分子のための好ましい相同性レベルは、本発明のキットに含まれる核酸分子に等しく適用することができる。
具体的な一実施形態において、キットには、成分の全てを同じコンパートメント又は貯蔵容器で提供することを可能にする、適当な緩衝液が提供される。ゆえに、完全なキットは、本質的に、完全な(均質な)反応混合物として提供される。ゆえに、本発明の方法は、試料の交差汚染の可能性を減らし、さらに迅速な結果を提供する、単一の反応ステップで実施することができる。特に好ましいのは、結果をリアルタイムで提供する反応混合物である。好ましくは、そのような反応混合物は水性組成物であるが、例えば滅菌水又は蒸留水を用いて再構成するための、乾燥粉末として提供することもできる。
好ましくは、含まれる試薬は、TMAなどの等温性増幅技術の利用を可能にする。好ましくは、試薬はTMAなどの等温性増幅技術の、リアルタイムでの実施を可能にする。
本発明の全てのキットには、本発明の方法のいずれか1つでの使用のための適当な説明書を提供することができる。説明書は、挿入紙として、例えばキットの包装内の小冊子として提供することができ、及び/又は、例えばキットの包装に印刷することができる。
ゆえに、さらなる態様によれば、本発明は、本発明の方法を実施するのに必要な全ての成分を含む反応混合物を表面に投与するためのスプレー器具を提供する。例えばポンプスプレー又はエアゾール器具でよい、任意の適当なスプレー器具を利用することができる。そのような器具は、表面での微生物検出又は任意の供与源からのいかなる汚染性細胞の検出が必要とされるいくつかの状況で、適用性がある。例えば、食品を調製する場合、食品調製後の表面の洗浄後に、潜在的に有害な細胞及び生物が表面に全く残存しないことを確認できることは有利であろう。これにより、表面がその時点で「清潔」であり、さらなる食品調製のために利用することができることが確認される。リガーゼが組み込まれたキットは、本発明のスプレー器具のために特に好ましい。スプレー器具は、衛生モニタリング用途で表面のATP汚染を検出するために用いることもできる。ゆえに、生存能力と関連するこの分子の存在は何らかの形の汚染が表面に存在することを示し、それは、例えば植物、微生物又は動物起源でよい。等温性DNA増幅方法の使用は、表面の生存能力と関連する分子、特にATPの検出のために特に好ましい。適当な例は、上の好ましい検出技術のセクションで言及されている。
本発明は、添付の図面及び実施例によってさらに明確にされ、またそれらに関して理解される。
ATP検出反応試薬の好ましい設定の実施例
実施例1
図2に示す実施形態において、DNA基質は磁性ビーズと共有結合して、又は、図に示すようにビーズに共有結合したストレプトアビジン(S)へのオリゴの5’末端のビオチン(B)の結合を通して、エンドユーザーに供給される。この場合、前に記載したように、両方をビーズに共有結合する前にストレプトアビジンをリガーゼと適当なモル比(経験的に決定される)で混合することによって、ビーズをストレプトアビジンで予め標識する。この実施形態において、PCRの基質を形成する矢印で示したPCRプライマー部位を有する2つのオリゴは、第3のブリッジングオリゴによって非共有結合的に連結される。この3オリゴ構造は、室温で安定である。ATPの存在下でリガーゼによるライゲーションが起こると、安定した共有結合が1つのオリゴの3’末端と他のオリゴの5’リン酸化(P)末端との間で形成され、それによりPCRの基質が形成される。ライゲーションが起こらない場合、PCRの基質は形成されない。リガーゼ及びDNA基質がビーズに結合したこのフォーマットの利点は、リガーゼがDNA基質と近接することである。このことはライゲーション反応の動態を活発にし、ATPの検出をより高感度にし、さらに、いかなる外来性DNA、例えばリガーゼについて競合性の基質であるかもしれない細菌DNAによるライゲーションのいかなる干渉も最小化する。
この実施例により使用するための例示的なオリゴを以下に示す。
実施例2
図3に示す実施形態において、DNA基質は磁性ビーズと共有結合して、又は、図に示すようにビーズに共有結合したストレプトアビジン(S)へのオリゴの5’末端のビオチン(B)の結合を通して、エンドユーザーに供給される。この場合、前に記載したように、両方をビーズに共有結合する前にストレプトアビジンをリガーゼと適当なモル比(経験的に決定される)で混合することによって、ビーズをストレプトアビジンで予め標識する。この実施形態において、PCRの基質を形成することができる矢印で示したPCRプライマー部位を有する二重オリゴは、両者ともビーズと共有結合して存在する。ATPの存在下でリガーゼによるライゲーションが起こると、安定した共有結合が少なくとも1つの二重オリゴの3’末端と他の二重オリゴの5’リン酸化(P)末端との間で形成される。これにより、PCRの基質が形成される。ライゲーションが起こらない場合、PCRの基質は形成されない。リガーゼ及びDNA基質がビーズに結合したこのフォーマットの利点は、リガーゼがDNA基質と近接することである。このことはライゲーション反応の動態を活発にし、ATPの検出をより高感度にし、さらに、いかなる外来性DNA、例えばリガーゼについて競合性の基質であるかもしれない細菌DNAによるライゲーションのいかなる干渉も最小化する。
この実施例により使用するための例示的なオリゴを以下に示す。
実験1.リガーゼを用いる非常に高感度のATP検出の実証
序論
リガーゼ酵素を常磁性ビーズに結合して脱アデニル化した。DNA基質を用いてATPの連続希釈を検出するために、この脱アデニル化されたリガーゼを用いた。ATPの存在下で、リガーゼはDNAの2つの断片を結合し、この新しいDNA配列をPCR及びアガロースゲル電気泳動によって検出した。
方法
リガーゼの脱アデニル化及びビーズへのリガーゼの架橋
1. 500μlのDynal M270アミン常磁性ビーズを、磁石を用いてPBS中で洗浄し、PBS中の1mg/mlのスベリン酸ヒドロキシルコハク酸エステル(Sigma)と室温で30分間、振盪させながらインキュベートした。
2. 4000単位のT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)を、50mMのHepes pH7.5、5mMのピロリン酸ナトリウム、10mMのDTTが含まれた500μlの容積中で、室温で30分間脱アデニル化した。
3. ビーズをPBSで2回、次に50mMのHepes pH7.5で洗浄し、リガーゼ混合物を洗浄したビーズに加え、室温で30分間、振盪させながらインキュベートした。
4. 固定化リガーゼを、50mMのHepes pH7.5、5mMピロリン酸ナトリウム、10mMのDTTで2回洗浄し、この洗浄液の500μlで10分間インキュベートした。
5. 最後に、固定化リガーゼをTBS、10mMのDTT、10mMのエタノールアミン、1mMのMgClで5回洗浄し、使用前はこの緩衝液の500μlで保存した。
ATPのアッセイ
1. 先に述べたように調製した25μlのビーズを捕獲して、液体を除去した。
2. ビーズは、0.6倍のTBSで希釈したATPの溶液、1mMのMgCl並びに、一本鎖の相補性オーバーハング及び5’リン酸基を有するDNAの2つの二重鎖断片のそれぞれの10ngからなるDNA基質を含む、10μlの反応液の中で再懸濁した(図1を参照)。各DNA二重鎖は、等モル量の合成オリゴマーのアニーリングによって形成した。

3. ライゲーションを起こさせるために室温で1時間置いた後に、各反応液の5μlを、標準条件及び以下のPCRプライマーを用いてPCRによって分析した。

4. 25サイクルのPCRの後、生成物を3%(w/v)MetaPhor(Cambrex Bic Science)アガロースゲル上でアガロースゲル電気泳動によって分析した。
結果
図1から、リガーゼ反応液に存在する非常に少ない量のATPがDNA二重鎖のライゲーション又は結合を触媒し、PCRで増幅及び検出することができる新しい分子を形成することができたことがわかる。図1から、この実験ではわずか0.1pmolのATPが、ATPを加えない対照からのシグナルよりも有意に大きいシグナルを与えたことがわかる。
考察
この実験は、リガーゼを脱アデニル化して、次に非常に高感度のATP検出法の一部として用いることができることを示す。
実験2.大容積からのATPの捕獲及び以降のリガーゼを用いる非常に高感度の検出の実証
序論
実験1で記載したようにリガーゼ酵素を常磁性ビーズに結合して脱アデニル化した。大容積に希釈したATPを捕獲するためにこの脱アデニル化したリガーゼを用い、捕獲したATPを次にDNA基質のライゲーション及びPCRによって検出した。
方法
ビーズの脱アデニル及びビーズへのリガーゼの架橋は、実験1で記載されているとおりである。
ATPのアッセイ
1. 先に述べたように調製した50μlのリガーゼ結合ビーズを捕獲して、液体を除去した。
2. ビーズを、ATPの連続希釈を含む1mlのTBS、10mMのDTT、1mMのMgClで再懸濁し、室温で30分間振盪させながらインキュベートした。ATPの捕獲後、ビーズを捕獲して、実験1で記載したように0.6倍のTBS、1mMのMgCl並びに、DNAの2つの二重鎖断片のそれぞれの10ngからなるDNA基質を含むライゲーション反応液の中に再懸濁した。
3. ライゲーションを起こさせるために室温で1時間置いた後に、実験1で記載したように各反応液の5μlをPCR及びmetaphorゲル分析によって分析した。
結果
1mlのTBSで希釈したわずか0.1pmolのATPが、ATPを加えない対照からのシグナルよりも有意に大きいシグナルを与えた。
考察
この実験は、脱アデニル化されたリガーゼは大容積から少量のATPを捕獲することができ、次にライゲーション及びライゲーション生成物のPCR分析を用いてそれを検出することができることを示す。このことは、試験前にATPを濃縮するために、本発明を用いることができることを証明する。
実験3.ATPの検出限界
方法
1. ATPの10倍希釈溶液を、100μlのリガーゼ緩衝液(50mM Tris pH7.5、1mM MgCl、1mM DTT)で調製した。
2. 5μlのリガーゼ/DNA基質常磁性ビーズ(図3で記載されているように調製、上記参照)を加え、8℃で60分間インキュベートした。
3. 次にビーズを、磁石を用いて収集し、20μlのリガーゼ緩衝液で再懸濁した。
4. 95℃で5分間加熱した後に、溶出したライゲーション生成物の2μlを、PCRで定量化した。
5. PCRは、定量PCR機器、PTC−200、GRIにより、以下のプライマー

を標準条件下で用い、euxogentecからのqPCR Mastermix SYBR Green1−No Rox PCR mixを用いて実施した。サイクルは50℃で2分間、95℃で15分間、次に95℃で10秒間、55℃で15秒間及び72℃で15秒間のサイクルを40サイクルであった。SYBR green色素の蛍光を、各72℃のステップの終わりに測定した(図4を参照)。
結果
グラフは、その結果PCRによって検出される、DNA鎖のATP依存性リガーゼ媒介共有結合のリアルタイム測定を示す。より多くのATPが反応液に存在するに従い、より多くのDNA鎖のライゲーションが起こり、より多くのDNAがPCRによって検出される。
考察
定量PCRで測定されたように、予想通り、ATPの濃度が高くなるに従い、ライゲーションDNA生成物の相関する増加があり、その全てはATPが皆無の対照で観察されたものよりも大きかった。
実験4−増殖する細菌内のATPの検出の実証。
方法
1. 大腸菌の細菌培養をLB培地で調製し、定常期まで37℃で一晩増殖させた。
2. 翌日、細菌培養の10倍希釈溶液をLB培地で調製し、37℃で3時間増殖させた。
3. インキュベーションの後、LB寒天プレート上に平板培養し、一晩インキュベートし、コロニー数を数えることによって、細菌の適当な希釈溶液を定量化した。
4. ATPの定量化のために、各3時間培養物の10μlを、2.5μlの1M NaOH、1%(v/v)のトリトンX−100に加え、5分間インキュベートした後、25μlの0.1M HClで中和した。
5. 100μlのリガーゼ緩衝液を次に加え、続いて5μlのリガーゼ/DNA基質常磁性ビーズ(上の実施例1で記載されているように調製した)を加えた。
6. 8℃で60分間のインキュベーションの後、磁石を用いてビーズを収集し、20μlのリガーゼ緩衝液で再懸濁した。
7. 95℃で5分間加熱した後に、溶出したライゲーション生成物の2μlを、PCRで定量化した。
8. 定量PCRは、前に記載したように実施した。
結果
DNA基質のATP触媒共有結合の測定手段としての定量PCRからのシグナルは、プレートカウントで測定された、ATPアッセイにおける細菌数の低下に従って低下した(図5を参照)。10〜10の細菌中に含まれるATPは、定量PCRにおいて無ATP対照より大きなシグナルを与えると判断された。
考察
ATP依存性リガーゼによるDNA鎖の結合を含むATPアッセイは、10の大腸菌に含まれるATPの量を検出することができた。
実験5−ATPアッセイを用いた抗生物質に対する細菌の感受性の証明
方法
1. テトラサイクリン感受性大腸菌株の細菌培養をLB培地で調製し、定常期まで37℃で一晩増殖させた。
2. 翌日、細菌培養の100倍希釈溶液を、テトラサイクリンを加えた又は加えないLB培地で調製し、37℃で3時間増殖させた。
3. ATPの定量化のために、各3時間培養物の10μlを、2.5μlの1M NaOH、1%(v/v)のトリトンX−100に加え、5分間インキュベートした後、25μlの0.1M HClで中和した。
4. 100μlのリガーゼ緩衝液を次に加え、続いて5μlのリガーゼ/DNA基質常磁性ビーズ(上の実施例1で記載されているように調製した)を加えた。
5. 8℃で60分間のインキュベーションの後、磁石を用いてビーズを収集し、20μlのリガーゼ緩衝液で再懸濁した。
6. 95℃で5分間加熱した後に、溶出したライゲーション生成物の2μlをPCRで定量化した。
7. 定量PCRは、前に記載したように実施した。
結果
定量PCR(図6)から、DNA基質鎖のATP触媒ライゲーションの量が、増殖培地中のテトラサイクリンの量の増加にともなって低下することがわかる。このことは、この大腸菌株はテトラサイクリンに感受性があるので、この抗生物質の存在下でのその増殖が制限され、その細菌の生存能力が低下するという事実を反映する。これは次に、我々のアッセイで、細菌内のATPの減少及び、細菌から放出されて測定された場合、DNA基質のATP依存性ライゲーションの減少をもたらす。共有結合したDNA生成物の形成の減少は、遅延性の定量PCRシグナルに反映される。
考察
明らかに、抗生物質に対する細菌の感受性は、抗生物質による処理が細菌の生存能力の低下を引き起こし、並行して測定ATP量が減少する、この新規ATPアッセイによって証明することができる。
実験6−ATPアッセイを用いた抗生物質に対する黄色ブドウ球菌の感受性の証明
方法
1. MRSAの臨床分離株及び黄色ブドウ球菌株の抗生物質感受性株の細菌培養を栄養培地(Lab M、UK)で調製し、定常期まで37℃で一晩増殖させた。
2. 翌日、1μlアルカリホスファターゼ(10単位、New England Biolabs)を加え、60μg/mlオキサシリンを加えた及びそれを加えなかった同じ培地で細菌培養の100倍希釈溶液を調製し、37℃で3時間増殖させた。
3. ATPの定量化のために、各0時間(10μlの培養物を取り出して0分時に処理)及び3時間培養物の10μlを、2.5μlの1M NaOH、1%(v/v)のトリトンX−100に加え、5分間インキュベートした後、25μlの0.1M HClで中和した。
4. 100μlのリガーゼ緩衝液を次に加え、続いて5μlのリガーゼ/DNA基質常磁性ビーズ(上の実施例2で記載されているように調製した)を加えた。
5. 8℃で60分間のインキュベーションの後、磁石を用いてビーズを収集し、20μlのリガーゼ緩衝液で再懸濁した。
6. 95℃で5分間加熱した後に、溶出したライゲーション生成物の2μlをPCRで定量化した。
7. 定量PCRは、前に記載したように実施した。
結果
図7は、オキサシリン(メチシリンの代用物であるin vitro抗生物質)の抗生物質チャレンジにいかなる耐性も示さないメチシリン感受性株の結果を示す。0時点と比較して3時間後に増殖及びATPの増加が観察された。この増殖及びATPの増加は、生物をオキサシリンの存在下で増殖させたときには観察されない。生物はこの抗生物質に対し感受性があり、生物の生存能力の減少は生物中のATPの減少によって示される。
図8は、オキサシリン(メチシリンの代用物であるin vitro抗生物質)の抗生物質チャレンジに耐性を示すメチシリン耐性菌株の結果を示す。0時点と比較して、3時間後に抗生物質の非存在下で増殖及びATPの増加が観察された。この増殖及びATPの増加は、生物を60μg/mlオキサシリンの存在下で増殖させたときには低下こそすれ消失しない。生物はこの抗生物質に対し感受性がなく、この抗生物質の存在下で成長及びATPの生産を継続する。
考察
オキサシリンの存在下で増殖の後、MRSA及び黄色ブドウ球菌の感受性臨床分離株のATP含有量に明白な差がある。この抗生物質の中で増殖させると、感受性細菌株は生存能力及びATPを失うが、耐性のMRSA株は生存可能であり続け、より高いレベルのATPを維持する。
実験7−アルカリホスファターゼによる外来性ATPの除去の影響の調査
方法
1. 黄色ブドウ球菌株の臨床分離株の細菌培養を栄養培地(Lab M、UK)で調製し、定常期まで37℃で一晩増殖させた。
2. 翌日、1μlアルカリホスファターゼ(10単位、New England Biolabs)を加えた及びそれを加えなかった同じ培地で細菌培養の100倍希釈溶液を調製し、37℃で3時間増殖させた。
3. ATPの定量化のために、各0時間(10μlの培養物を取り出して0分時に処理)及び3時間培養物の10μlを、2.5μlの1M NaOH、1%(v/v)トリトンX−100に加え、5分間インキュベートした後、25μlの0.1M HClで中和した。
4. 100μlのリガーゼ緩衝液を次に加え、続いて5μlのリガーゼ/DNA基質常磁性ビーズ(上の実施例2で記載されているように調製した)を加えた。
5. 8℃で60分間のインキュベーションの後、磁石を用いてビーズを収集し、20μlのリガーゼ緩衝液で再懸濁した。
6. 95℃で5分間加熱した後に、溶出したライゲーション生成物の2μlをPCRで定量化した。
7. 定量PCRは、前に記載したように実施した。
結果
アルカリホスファターゼは、0時点でシグナルの減少をもたらす(図9を参照)。おそらく、この理由は、増殖する細胞から培地中に蓄積したATPが除去され、このアッセイで検出されないからである。より明瞭ではないが、細胞増殖の間に培地中にホスファターゼを混入させることは、無ホスファターゼ対照と比較して、3時間時のシグナルを増加させる。この理由は、不明である。
考察
細胞増殖の間にアルカリホスファターゼなどのATP分解酵素又は薬剤を混入することは、生育不能又は瀕死の漏出性細胞から放出されるあらゆるATPの除去を助け、ゼロ対照と増殖相を有する細胞との間の非常に優れた識別シグナルを提供する。
本明細書の全ての引用文献は、本開示の一部として特に本明細書で組み込まれる。
本発明の方法の効果を示す図である。極めて低い濃度のATPを、本方法によって検出することができる。 本発明の方法で使用する反応試薬の1つの好ましい設定を図式的に示す図である。 本発明の方法で使用する反応試薬の他の好ましい設定を図式的に示す図である。 DNA鎖のATP依存性リガーゼ媒介共有結合のリアルタイムPCR測定値を示す図である。反応で様々なATPレベルを用いた結果を、同じグラフ上で別々の曲線で示す。読み出した蛍光を、サイクル数に対してグラフ表示する。 プレートカウントで測定された、ATPアッセイにおける様々な細菌数についての、DNA基質のATP触媒共有結合の測定手段としての定量PCRからのシグナルを示す図である。 増殖培地中のテトラサイクリンの量に依存するDNA基質鎖のATP触媒ライゲーションの量を表す定量PCRの結果を示す図である。 オキサシリンによるチャレンジに耐性を示さないメチシリン感受性株によるATP生産のリアルタイム定量PCR結果を示す図である。 オキサシリンによるチャレンジに耐性を示すメチシリン耐性菌株のリアルタイム定量PCR結果を示す図である。 実験でのアルカリホスファターゼの含有を通しての外来性ATPの除去の影響を示す図である。

Claims (27)

  1. 試料中の1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子を検出する方法であって、
    a)試料を、前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下でのみ化学部分を核酸分子に付加するか又は核酸分子から除去することができるリガーゼを含む酵素と接触させ、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成するステップ、及び
    b)前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下でのみ生成する新規核酸分子を検出することによって、前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在を検出するステップを含み、
    前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子がATP又はNAD+を含む、方法。
  2. 新規核酸分子が、前記核酸分子とさらなる核酸分子とのライゲーションによって生成される、請求項1に記載の方法。
  3. リガーゼがT4 DNAリガーゼ又はT4 RNAリガーゼを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. リガーゼが大腸菌DNAリガーゼを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 1つ以上の細胞又は生物が細菌及び/又は酵母を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. 新規核酸分子が核酸増幅技術を用いて検出される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記1つ以上の細胞又は生物を濃縮するためにステップ(a)の前に試料を濾過するステップを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. ステップ(a)の前に、検出すべき前記1つ以上の細胞又は生物ではなく試料中の他の細胞を溶解するステップをさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記1つ以上の細胞又は生物によって提供されない、前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連するいかなる分子も試料から消滅又は消耗させるステップをさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子を放出するために、前記1つ以上の細胞又は生物の細胞を溶解することをさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記1つ以上の細胞又は生物と関連する核酸分子を分解するために、1つ以上のヌクレアーゼによる試料の処理をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 酵素及び/又は核酸分子及び/又はさらなる核酸分子が固体支持体上に固定化される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. (i)ある細胞又は生物を対象とした分子に対する前記細胞又は生物の耐性について、
    及び/又は
    (ii)ある細胞又は生物を死滅させるか又はそれらの増殖を阻止することができる分子についてスクリーニングする方法であって、
    (a)前記細胞又は生物を前記分子に曝露するステップ、及び
    (b)請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法を実施するステップを含み、前記分子に対する耐性がある場合及び/又は前記分子が前記細胞若しくは生物を死滅させるか又はそれらの増殖を阻止することができる場合に、新規核酸分子が検出される方法。
  14. 細胞培養の増殖を監視する方法であって、
    (a)請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法を実施するステップ、及び
    (b)前記細胞培養の増殖を判定するために新規核酸分子の存在及び/又はレベルを測定するステップを含む方法。
  15. 対象内の生存細胞又は生物の存在と関連する感染症又は疾患を診断するためにデータを提供する方法であって、
    対象から得られた試料で、
    (a)試料を、前記細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下で化学部分を核酸分子に付加するか又は核酸分子から除去することができるリガーゼを含む酵素と接触させ、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成するステップであって、前記細胞又は生物の生存能力と関連する分子がATP又はNAD+を含む、ステップ、及び
    (b)前記細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下でのみ生成される新規核酸分子を検出することによって生存細胞又は生物の存在を調査するステップを含み、新規核酸分子検出、対象が感染しているか又は疾患を有することを示唆する、方法。
  16. 哺乳動物又は植物の細胞に対する医薬用又は農業用の候補薬剤の毒性を判断する方法であって、哺乳動物又は植物の細胞試料で、
    (a)前記細胞を前記薬剤に曝露するステップ、
    (b)試料を、前記細胞の生存能力と関連する分子の存在下で化学部分を核酸分子に付加するか又は核酸分子から除去することができるリガーゼを含む酵素と接触させ、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成するステップであって、前記細胞又は生物の生存能力と関連する分子がATP又はNAD+を含む、ステップ、及び
    (c)前記細胞の生存能力と関連する分子の存在下でのみ生成される新規核酸分子を検出することによって前記分子が前記細胞に毒性であるかどうかを調査するステップを含み、前記分子が前記細胞に毒性である場合に新規核酸分子は検出されない方法。
  17. 試料容積が1〜5mlである、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. (i)試料中の1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子を検出することであって、前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子がATP又はNAD+を含み、及び/又は
    (ii)1つ以上の細胞又は生物を対象にした分子への前記細胞又は生物の耐性についてスクリーニングすること、及び/又は
    (iii)1つ以上の細胞又は生物を死滅させるか又はそれらの増殖を阻止することができる分子についてスクリーニングすること、及び/又は
    (iv)哺乳動物又は植物の細胞に対する医薬用又は農業用の候補薬剤の毒性を判断することのいずれかのためのキットであって、
    (a)核酸分子、
    (b)前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子の存在下である化学部分を前記核酸分子へ加えるか又はそこから除去し、それによって新規の検出可能な核酸分子を生成することができるリガーゼを含む酵素であって、前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子がATP又はNAD+を含む、酵素、及び
    (c)さらなる核酸分子
    を含むキット。
  19. リガーゼがT4 DNAリガーゼ、T4 RNAリガーゼ又は大腸菌DNAリガーゼを含む、請求項18に記載のキット。
  20. 酵素および/または核酸分子および/またはさらなる核酸分子が固体支持体上に固定化される、請求項18または19に記載のキット。
  21. 核酸増幅のために必要な試薬をさらに含む、請求項1820のいずれか一項に記載のキット。
  22. 検出すべき1つ以上の細胞又は生物を他の細胞から分離するためのフィルターを含む、請求項1821のいずれか一項に記載のキット。
  23. 前記1つ以上の細胞又は生物によって提供されない、前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連するいかなる分子も試料から消滅又は消耗させる酵素をさらに含む、請求項1822のいずれか一項に記載のキット。
  24. 前記1つ以上の細胞又は生物の生存能力と関連する分子を放出するために、前記1つ以上の細胞又は生物の細胞を溶解する試薬をさらに含む、請求項1823のいずれか一項に記載のキット。
  25. 前記1つ以上の細胞又は生物と関連する核酸分子を分解するために1つ以上のヌクレアーゼをさらに含む、請求項1824のいずれか一項に記載のキット。
  26. 均質な反応混合物の形態である、請求項1825のいずれか一項に記載のキット。
  27. 請求項26に記載の前記キットを含むスプレー器具であって、前記キットを表面に投与するためのスプレー器具。
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