JP5091537B2 - 新規ジベンゾフルベン誘導体モノマー、新規ジベンゾフルベン誘導体とそれらを用いた組成物 - Google Patents

新規ジベンゾフルベン誘導体モノマー、新規ジベンゾフルベン誘導体とそれらを用いた組成物 Download PDF

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本発明は、高導電率を示し、電荷輸送材料に使用できる新規ジベンゾフルベン誘導体モノマー、新規ジベンゾフルベン誘導体とそれらを用いた組成物に関する。
側鎖にフルオレン残基を有するポリマーの中には、スタッキング螺旋構造を有し、そのフルオレン残基のπ共役電子の特性によって電荷輸送能を有するものがあることは知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1のポリマーはポリエステルであり、ポリエステルとすることにより、安定性が良好な電荷移動錯体を形成できるとされている。
また、側鎖にフルオレン残基を有するポリマーとしては、ジベンゾフルベン骨格を有する熱分解性のポリマー(たとえば、特許文献2参照)、HPLC用光学活性固定相や偏光吸収・発光材料として有用な耐溶剤性に優れるポリマー(たとえば、特許文献3参照)が知られている。
しかし特許文献2は光学活性にのみ焦点が絞られ、特許文献3では熱分解性にのみ焦点が絞られており、電気的特性については全く示唆すらなかった。
また、側鎖にフルオレン残基を有するポリマーとして、アルキル基などの置換基を有するジベンゾフルベン骨格を有する高分子化合物を用いることで、紫外線透過材料や耐光性高分子材料として有用な組成物も知られている(たとえば、特許文献4参照)。
しかし、特許文献4では、本発明のような側鎖に所定の芳香族を除くヘテロ環構造を有する基を有するジベンゾフルベン骨格については記載はおろか示唆すらなかった。
国際公開第03/095519号パンフレット 国際公開第03/102039号パンフレット 国際公開第03/095523号パンフレット 特開2006−348311号公報
本発明は、電荷輸送能に優れる新規ジベンゾフルベン誘導体モノマー、新規ジベンゾフルベン誘導体とそれらを用いてなる組成物および電荷輸送材料を提供することを目的とする。
本発明は、式(M1):
Figure 0005091537
(式中、Ar1およびAr2は同じかまたは異なり、いずれも芳香環;R1およびR2は同じかまたは異なり、いずれも水素原子または芳香族を除くヘテロ環構造を有する基;ただし、R1およびR2の少なくとも1つは芳香族を除くヘテロ環構造を有する基;R3およびR4は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、アルキル基、芳香族基、シアノ基またはエステル結合を有する有機基;X1は単結合、−CH2−、−C24−、−CH=CH−、−CO−またはヘテロ原子である)
で示される構造単位M1を10〜100モル%、および構造単位M1を与えるモノマーと共重合可能なモノマーに由来する構造単位N1を0〜90モル%含むジベンゾフルベン誘導体(A)と、電子受容性化合物(B1)または電子供与性化合物(B2)とを含む組成物に関する。
前記構造単位M1は、式(M1−1):
Figure 0005091537
(式中、R1、R2、R3およびR4は式(M1)と同じである)
で示されるものが好ましい。
前記構造単位N1は、式(N1):
Figure 0005091537
(式中、Ar3およびAr4は同じかまたは異なり、いずれも芳香環;R5およびR6は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、アルキル基、芳香族基、シアノ基またはエステル結合を有する有機基;X2は単結合、−CH2−、−C24−、−CH=CH−、−CO−またはヘテロ原子である)
で示されるものが好ましい。
前記構造単位N1は、式(N1−1):
Figure 0005091537
(式中、R5およびR6は式(N1)と同じである)
で示されるものが好ましい。
前記組成物は、R1およびR2の少なくとも1つが、
Figure 0005091537
であるものが好ましい。
また、本発明は、式(C):
Figure 0005091537
(式中、Ar5およびAr6は同じかまたは異なり、いずれも芳香環;R7およびR8は同じかまたは異なり、いずれも水素原子または芳香族を除くヘテロ環構造を有する基;ただし、R7およびR8の少なくとも1つは芳香族を除くヘテロ環構造を有する基;X3は単結合、−CH2−、−C24−、−CH=CH−、−CO−またはヘテロ原子である)
で示されるジベンゾフルベン誘導体モノマーに関する。
前記ジベンゾフルベン誘導体モノマーは、Ar5およびAr6がともにベンゼン環であるものが好ましい。
前記ジベンゾフルベン誘導体モノマーは、R7およびR8の少なくとも1つが、
Figure 0005091537
であるものが好ましい。
また、本発明は、前記ジベンゾフルベン誘導体モノマーと、電子受容性化合物(B1)または電子供与性化合物(B2)とを含む組成物に関する。
また、本発明は、式(M2):
Figure 0005091537
(式中、Ar7およびAr8は同じかまたは異なり、いずれも芳香環;R9およびR10は同じかまたは異なり、いずれも水素原子または芳香族を除くヘテロ環構造を有する基;ただし、R9およびR10の少なくとも1つは芳香族を除くヘテロ環構造を有する基;R11およびR12は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、アルキル基、芳香族基、シアノ基またはエステル結合を有する有機基;X4は単結合、−CH2−、−C24−、−CH=CH−、−CO−またはヘテロ原子である)
で示される構造単位M2を10〜100モル%、および構造単位M2を与えるモノマーと共重合可能なモノマーに由来する構造単位N2を0〜90モル%含むジベンゾフルベン誘導体に関する。
前記構造単位M2は、式(M2−1):
Figure 0005091537
(式中、R9、R10、R11およびR12は式(M2)と同じである)
で示されるものが好ましい。
前記構造単位N2は、式(N2):
Figure 0005091537
(式中、Ar9およびAr10は同じかまたは異なり、いずれも芳香環;R13およびR14は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、アルキル基、芳香族基、シアノ基またはエステル結合を有する有機基;X5は単結合、−CH2−、−C24−、−CH=CH−、−CO−またはヘテロ原子である)
で示されるものが好ましい。
前記構造単位N2は、式(N2−1):
Figure 0005091537
(式中、R13およびR14は式(N2)と同じである)
で示されるものが好ましい。
前記ジベンゾフルベン誘導体は、R9およびR10の少なくとも1つが、
Figure 0005091537
であるものが好ましい。
さらに、本発明は、前記組成物を用いてなる電荷輸送材料に関する。
本発明によれば、側鎖に芳香族を除くヘテロ環構造を有する基を含む所定のフルオレン残基を有することで、電荷輸送能に優れる新規ジベンゾフルベン誘導体モノマー、新規ジベンゾフルベン誘導体とそれらを用いてなる組成物および電荷輸送材料を提供することができる。
本発明の電荷輸送材料に使用できる組成物は、所定のジベンゾフルベン誘導体(A)と、電子受容性化合物(B1)または電子供与性化合物(B2)とを含む。
ジベンゾフルベン誘導体(A)は、式(M1):
Figure 0005091537
(式中、Ar1およびAr2は同じかまたは異なり、いずれも芳香環;R1およびR2は同じかまたは異なり、いずれも水素原子または芳香族を除くヘテロ環構造を有する基;ただし、R1およびR2の少なくとも1つは芳香族を除くヘテロ環構造を有する基;R3およびR4は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、アルキル基、芳香族基、シアノ基またはエステル結合を有する有機基;X1は単結合、−CH2−、−C24−、−CH=CH−、−CO−またはヘテロ原子である)
で示される構造単位M1を10〜100モル%、および
構造単位M1を与えるモノマーと共重合可能なモノマーに由来する構造単位N1を0〜90モル%含むものである。
本発明では、後述する電子受容性化合物(B1)または電子供与性化合物(B2)によって電荷輸送能の特性を向上させるだけでなく、R1およびR2の少なくとも1つに芳香族を除くヘテロ環構造を有する基を導入することで、電荷輸送能をさらに飛躍的に向上させることができる。
1およびR2は、たとえば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、チオフェン環を有する基などの芳香族のヘテロ環構造以外のヘテロ環構造を有する基であり、とくには芳香族のヘテロ環構造を含まないことが好ましい。
構造単位M1の式(M1)において、R1、R2としては、たとえば、水素原子や、
Figure 0005091537
などの芳香族を除くヘテロ環構造を有する基などがあげられる。これらのなかでも、導電率が高く電荷輸送能に優れる点から、
Figure 0005091537
が好ましい。
なお、本発明では、R1またはR2のみが芳香族を除くヘテロ環構造を有する基であっても、R1およびR2がともに芳香族を除くヘテロ環構造を有する基であってもよいが、導電率向上の点から、ともに芳香族を除くヘテロ環構造を有する基であることが好ましい。また、R1およびR2がともに芳香族を除くヘテロ環構造を有する基である場合、R1とR2は同じでも異なっていてもよいが、導電率向上の点から、同じであることが好ましい。
構造単位M1の式(M1)において、R3およびR4は、製造上の簡便性、溶剤溶解性向上の点から、同じかまたは異なり、いずれも水素原子、アルキル基、芳香族基、シアノ基またはエステル結合を有する有機基である。
アルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基などの炭素数1〜30のものが好ましく、炭素数3以上のアルキル基がより好ましく、炭素数6以上のアルキル基がさらに好ましい。
また、芳香族基としては、たとえば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基などがあげられる。
これらのなかでも、R3およびR4としては、ともに水素原子であることが好ましい。
また、Ar1およびAr2は同じかまたは異なり、いずれも芳香環であり、炭素原子と水素原子のみから構成された芳香環(炭素系芳香環)でも、環の構成原子として、酸素、チッ素、硫黄、セレンなどのヘテロ原子を含む芳香環(異項環系芳香環)でもよい。なお、Ar1とAr2は同じでも異なっていてもよいが、同じものの方が、合成が容易な点から好ましい。
炭素系芳香環としては、たとえば、炭素数が4〜14の炭素原子を含む芳香環があげられ、具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ピレン環、フェナントレン環があげられる。また、異項環系芳香環としては、たとえば、ピリジン環、ビピリジン環、フェナントロリン環、キノリン環、イソキノリン環、チオフェン環、フラン環、ピロール環などがあげられる。
これらのなかでも、Ar1およびAr2がともにベンゼン環であることが、化合物の安定性に優れ、合成が容易な点から好ましい。
構造単位M1の式(M1)において、X1は単結合、−CH2−、−C24−、−CH=CH−、−CO−またはヘテロ原子である。ヘテロ原子としては、酸素原子、チッ素原子、硫黄原子、セレン原子などがあげられる。これらのうち、単結合、酸素原子、チッ素原子、硫黄原子が、製造が容易である点から好ましい。
式(M1)で示される構造単位M1のうち、Ar1およびAr2がともにベンゼン環で、X1が単結合である式(M1−1):
Figure 0005091537
(式中、R1、R2、R3およびR4は式(M1)と同じである)
で示されるフルオレン構造単位M1−1であることが、製造が容易である点から好ましい。
構造単位M1の好ましい具体的としては、
Figure 0005091537
などがあげられるが、これらに限定されるものではなく、上記で説明したような構造を有するものであればよいが、
Figure 0005091537
が好ましい。
構造単位N1は、エチレン性不飽和基含有単量体などの構造単位M1を与えるモノマーと共重合可能なモノマーに由来する構造単位(ただし、構造単位M1は除く)であり、任意の単位である。
構造単位N1としては、たとえば、式(N):
Figure 0005091537
(式中、Ar3およびAr4は同じかまたは異なり、いずれも芳香環;R15およびR16は同じかまたは異なり、いずれも水素原子または芳香族のヘテロ環構造を有する基;ただし、芳香族以外のヘテロ環構造を有する基は除く;R5およびR6は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、アルキル基、芳香族基、シアノ基またはエステル結合を有する有機基;X2は単結合、−CH2−、−C24−、−CH=CH−、−CO−またはヘテロ原子である)
で示されるものがあげられる。
構造単位N1としては、他にも、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ペンテン、1−テトラデセン、ノルボルネン、シクロペンテン、スチレンなどのオレフィン単位、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロビニルエーテル、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレンなどの含フッ素オレフィン単位、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルアクリレート、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、ヒドロキシプロピルアクリレートなどの(メタ)アクリレート単位、CH2=CRCOO(CH2n(CF2mX(XはHまたはF;nは0〜2の整数;mは1〜8の整数;RはH、CH3、FまたはCF3)で示される含フッ素(メタ)アクリレート単位(具体的にはメチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレートなど)などがあげられる。
なかでも構造単位N1としては、式(N1):
Figure 0005091537
(式中、Ar3、Ar4、R5、R6およびX2は式(N)と同じである)
で示されるものが、さらには式(N1−1):
Figure 0005091537
(式中、R5およびR6は式(N)と同じである)
で示されるものが、とくには
Figure 0005091537
が、導電率向上の点から好ましい。
ジベンゾフルベン誘導体(A)は、構造単位M1単独(100モル%)で構成されていてもよい。また、構造単位N1も含む場合は、良好な電子輸送能を獲得するためには、構造単位M1は10モル%以上必要である。好ましい構造単位M1の割合は40モル%以上、さらには70モル%以上、とくには90モル%以上である。
本発明では、ジベンゾフルベン誘導体(A)は、重合度が2〜1000のものが、導電率向上、製造の容易さの観点から好ましい。なお、本発明で使用するジベンゾフルベン誘導体(A)は、ポリマーとオリゴマーを包含する概念である。このジベンゾフルベン誘導体(A)の数平均分子量は、製造が容易で取り扱いも容易な点から、250〜1000000、さらには500〜20000、とくには500〜10000である。
また、ジベンゾフルベン誘導体(A)のガラス転移温度Tgは、50℃以上が、さらには100℃以上が、使用温度で構造変化が起こりにくい点から好ましい。
以上説明したジベンゾフルベン誘導体(A)は、たとえば、つぎの方法で製造することができる。
式(m):
Figure 0005091537
(式中、Ar1、Ar2、R1、R2およびX1は式(M1)と同じである)
で示されるジベンゾフルベン誘導体モノマー(m)を単独重合するか、ジベンゾフルベン誘導体モノマー(m)と共重合可能なモノマー(n)とを共重合することにより製造することができる。
ジベンゾフルベン誘導体モノマー(m)の好ましいものは、以上で説明した好ましいジベンゾフルベン誘導体(A)を与えることができるものであり、具体的には、
Figure 0005091537
などがあげられ、
Figure 0005091537
が好ましい。
また、ジベンゾフルベン誘導体モノマー(m)と共重合可能なモノマー(n)の好ましいものは、以上で説明した好ましい構造単位N1を与えることができるものであり、式(n):
Figure 0005091537
(式中、Ar3、Ar4、R15、R16およびX3は式(N)と同じである)
で示されるものなどがあげられ、具体的には、
Figure 0005091537
などがあげられる。
重合する際には、R1やR2を有していないジベンゾフルベン誘導体モノマーを(共)重合しておき、得られた(共)重合体にR1やR2を導入してもよい。
ジベンゾフルベン誘導体モノマー(m)は、ヨウ素または臭素化されたAr1やAr2の部位にR1やR2を反応により導入することによって製造することができる。
重合方法は、ラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法などが採用でき、重合条件はこれまで公知の条件から選択すればよい。
ラジカル重合開始剤としては、光照射によりラジカル重合を開始できるもの、または、加熱によりラジカルを発生する化合物であればよい。具体的には、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アリールアルキルケトン、オキシムケトン、アシルホスフィンオキシド、チオ安息香酸−S−フェニル、チタノセン、芳香族ケトン、チオキサントン、ベンジルとキノン誘導体、3−ケトクマリン、有機過酸化物/電子供与型色素、ビスイミダゾール、オニウム塩/電子供与型色素、N−フェニルグリシン/電子吸引型色素、N−フェニルグリシン/ジフェニルヨードニウム塩/増感剤などがあげられる。
また、アニオン重合開始剤としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムのような対イオンと、炭素、チッ素、酸素、硫黄のようなアニオンからなるアニオン重合開始剤が用いられる。このようなアニオン重合開始剤としては、たとえば、RMgX、R2Mg、RCaX、Al(C253、LiAlH4、NaR、KR(R:ブチル基、ベンジル基、フェニル基などの炭素数1から50、好ましくは1から20のアルキル基、アラルキル基または芳香族基;X:ハロゲン)などがあげられる。また、R2NM(R:炭素数1から50、好ましくは1から20のアルキル基、アラルキル基または芳香族基;M:対イオン)で表されるような、2級アミンから得られるアニオン重合開始剤を用いることもできる。
ジベンゾフルベン誘導体(A)は、たとえば、固相重合、溶液重合、塊状重合、乳化重合、シード乳化重合、懸濁重合、分散重合等の重合方法を用いて重合することができる。
具体的には、ジベンゾフルベン誘導体モノマー(m)と重合開始剤、必要に応じてジベンゾフルベン誘導体モノマー(m)と共重合可能なモノマー(n)を加えて脱気・チッ素置換を行った容器内に、チッ素を流した状態でクロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)などの溶媒を加え、反応させ、その後、反応溶液中の溶媒を減圧留去するといった方法があげられる。
本発明の組成物は、芳香環のスタック構造を取り易くしたり安定化させ、または芳香環同士の相互作用を大きくするために、電子受容性化合物(B1)または電子供与性化合物(B2)を含む。ここでスタック構造とは、側鎖の官能基中の芳香環同士が積層している構造を意味する。
電子受容性化合物(B1)とは、ジベンゾフルベン誘導体(A)より電子親和力の強い化合物を意味し、その具体例としては、例えば、I2、Br2、Cl2、ICl、ICl3、IBr、IFなどのハロゲン類、BF3、PF5、AsF5、SbF5、SO3、BBr5、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、ClO4 -などのルイス酸、HNO3、H2SO4、HClO4、HF、HCl、FSO3H、CFSO3H等のプロトン酸、FeCl3、MoCl5、WCl5、SnCl4、MoF5、FeOCl、RuF5、TaBr5、SnI4、LnCl3(Ln:La、Ce、Pr、Nd、Sm)などの遷移金属ハロゲン、9−フルオレニリデンアセトニトリル、9−フルオレニリデンマロニトリル、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレニリデンアセトニトリル、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレニリデンマロニトリル、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、p−ジニトロベンゼン、2,4,7−トリニトロベンゼン、2,4,7−トリニトロトルエン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、2−フルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、2,5−ジメチル−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、2,5−ジフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、2,5−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン(TCNE)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン(DDQ)などがあげられる。
また、電子供与性化合物(B2)とは、ジベンゾフルベン誘導体(A)よりイオン化ポテンシャルの小さい化合物のことを意味し、その具体例としてはたとえば、ヘキサメチルベンゼン、アルカリ金属、アンモニウムイオン、ランタノイドなどがあげられる。
電子受容性化合物(B1)または電子供与性化合物(B2)の添加量は、とくに制限されないが、ジベンゾフルベン誘導体(A)に対して1〜50モル%が、さらには5〜20モル%が、導電率向上の点から好ましい。
また、本発明は、式(C):
Figure 0005091537
(式中、Ar5およびAr6は同じかまたは異なり、いずれも芳香環;R7およびR8は同じかまたは異なり、いずれも水素原子または芳香族を除くヘテロ環構造を有する基;ただし、R7およびR8の少なくとも1つは芳香族を除くヘテロ環構造を有する基;X3は単結合、−CH2−、−C24−、−CH=CH−、−CO−またはヘテロ原子である)
で示されるジベンゾフルベン誘導体モノマーにも関する。
ここで、式(C)で示されるジベンゾフルベン誘導体モノマーは、上述したジベンゾフルベン誘導体モノマー(m)と同様とすることができ、Ar5、Ar6、R7、R8、X3の好ましいものは、それぞれAr1、Ar2、R1、R2、X1の好ましいものと同様とすることができる。よって、式(C)で示されるジベンゾフルベン誘導体モノマーの好ましいものも、ジベンゾフルベン誘導体モノマー(m)と同様とすることができる。
なお、式(C)で示されるジベンゾフルベン誘導体モノマーと、上述した電子受容性化合物(B1)または電子供与性化合物(B2)とを含む組成物も、ジベンゾフルベン誘導体(A)と、電子受容性化合物(B1)または電子供与性化合物(B2)とを含む組成物と同様に、高導電率を示し、電荷輸送能に優れるものである。この際、電子受容性化合物(B1)または電子供与性化合物(B2)の添加量は、上述したものと同様とすることができ、式(C)で示されるジベンゾフルベン誘導体モノマーに対して1〜50モル%が、さらには5〜20モル%が、導電率向上の点から好ましい。
さらに、本発明は、式(M2):
Figure 0005091537
(式中、Ar7およびAr8は同じかまたは異なり、いずれも芳香環;R9およびR10は同じかまたは異なり、いずれも水素原子または芳香族を除くヘテロ環構造を有する基;ただし、R9およびR10の少なくとも1つは芳香族を除くヘテロ環構造を有する基;R11およびR12は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、アルキル基、芳香族基、シアノ基またはエステル結合を有する有機基;X4は単結合、−CH2−、−C24−、−CH=CH−、−CO−またはヘテロ原子である)
で示される構造単位M2を10〜100モル%、および
構造単位M2を与えるモノマーと共重合可能なモノマーに由来する構造単位N2を0〜90モル%含むジベンゾフルベン誘導体にも関する。
ここで、このジベンゾフルベン誘導体は、上述したジベンゾフルベン誘導体(A)と同様とすることができ、Ar7、Ar8、R9、R10、R11、R12、X4の好ましいものは、それぞれAr1、Ar2、R1、R2、R3、R4、X1の好ましいものと同様とすることができる。よって、このジベンゾフルベン誘導体の好ましいものも、ジベンゾフルベン誘導体(A)と同様とすることができる。
本発明の電荷輸送材料は、溶剤に溶解または分散させコーティング法、たとえばスピンコート法、バーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、インクジェット法などの公知の塗装方法が採用可能であり、なかでも薄膜を効率よく形成する方法として、スピンコート法、バーコート法、グラビアコート法などが好ましく、特にスピンコート法、バーコート法が好ましく、これらの方法により基材や層に塗布することにより製造できる。
本発明の電荷輸送材料は安定して電荷輸送(ホール)できるので、光学、電気光学または電子デバイスに利用することができ、例えば液晶ディスプレイ、光学膜、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ用の有機電界効果トランジスタ(FETまたはOFET)、透明導電膜材料、およびRFIDタグなどの集積回路デバイス、フラットパネルディスプレイにおける電子発光デバイス、および光起電およびセンサーデバイスに利用できる。
つぎに本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はかかる例のみに限定されるものではない。
なお、本明細書で使用している特性値は、つぎの方法で測定したものである。
(1)1H−NMR測定(合成例)
機種名:JEOL JNM−EX−270(日本電子(株)製)
測定溶媒:重クロロホルム(濃度4.00×10-3M)
(2)1H−NMR測定(比較合成例)
機種名:JEOL JNM−ECP500(日本電子(株)製)
測定溶媒:重クロロホルム(濃度4.00×10-3M)
(3)13C−NMR測定
機種名:JEOL JNM−EX−270(日本電子(株)製)
測定溶媒:重クロロホルム(濃度4.00×10-3M)
(4)GPC測定
ポンプ:JASCO PU−980(日本分光(株)製)
カラム:JASCO PL−Oligopore(日本分光(株)製、30×0.72(i.d.)cm)
検出器:JASCO RI−930(日本分光(株)製、254nm)およびUS2070(日本分光(株)製、254nm)
展開溶媒:THF
実施例1
合成例1−1[ジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)(BTM−DBF)の合成]
Figure 0005091537
(1)2,7−ジブロモ−9−フルオレノン(1a)の合成
Figure 0005091537
2000mlの三口フラスコに2−ブロモフルオレノン(分子量:324)30.00g(0.09259mol)、無水酢酸700mlを加えた。一方、クロム酸(VI)27.75g(0.2775mol)を無水酢酸500mlに溶かし、滴下ロートを用いて氷冷しながら滴下した。4時間後、クラッシュアイス1000mlと1N HCl 250mlを入れ、周りにも氷浴を用意した状態で反応溶液を少しずつピペットで加え反応をクエンチした。溶液をろ過し、ロート上に黄色個体を得た。これをクロロホルム(CHF3)に溶かして回収し、蒸留水および飽和食塩水で洗浄した。その後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して黄色固体を得た。1H−NMR測定により原料の残存が確認されたため、同様の操作を反応時間19時間として行い、より純粋な黄色固体(2,7−ジブロモ−9−フルオレノン(1a)、分子量:338)を得た。この化合物は精製せずに次の反応に用いた。
収量:27.43g(収率87.7%)(黄色固体)
1H−NMR(CDCl3、270MHz、室温):δ=7.37(d、J3=8.1Hz,2H)、7.61(dd、J3=8.1Hz,J4=2.7Hz,2H)、7.75(d、J4=2.7Hz,2H)
13C−NMR(CDCl3、270MHz、室温):δ=121.7、123.2、127.7、135.2、137.4、142.1、190.8
(2)2,7−ビス(N,N’−チオモルホリノ)−9−フルオレノン(1b)の合成
Figure 0005091537
攪拌子の入った三口フラスコをフレームドライ、アルゴン置換し、その後t−BuONa12.6g(131.1mmol)を加え脱気して乾燥させた。アルゴンを戻した後にPd(OAc)21.5257g(6.796mmol)、2,7−ジブロモ−9−フルオレノン(1a)(分子量:338)15.257g(45.14mmol)を加え1時間室温で真空乾燥し、その後アルゴン置換した。ドライトルエン600ml、チオモルホリン8.70ml(91.90mmol)、P(t−Bu)30.90ml(3.710mmol)をこの順でシリンジを用いて加え、80℃で加熱を開始した。この際、途中2回に分けて試薬を追加した[t−BuONa3.2042g(33.34mmol)、Pd(OAc)20.3177g(1.515mmol)、チオモルホリン4.3ml(45.42mmol)、P(t−Bu)30.50ml(2.061mmol)]。反応開始から43時間後、1H−NMR測定によりほぼ目的生成物のみが精製していることを確認し、反応系を室温まで放冷したのち蒸留水を加えて反応を停止した。クロロホルムで抽出後、蒸留水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで一晩乾燥した。その後、溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル=6:4:1)によって分離、精製した。溶出した成分について1H−NMR測定し、目的生成物(2,7−ビス(N,N’−チオモルホリノ)−9−フルオレノン(1b)、分子量:382)であることを確認した。
収量:14.57g(収率:84.3%)(濃紫色固体)
1H−NMR(CDCl3、270MHz、室温):δ=2.72(m、8H)、3.57(m、8H)、6.86(dd、J3=8.1Hz、J4=2.7Hz、2H)、7.14(d、J4=2.7Hz、2H)、7.23(d、J3=8.1Hz、2H)
13C−NMR(CDCl3、270MHz、室温):δ=25.5、51.8、112.9、120.2、121.7、135.7、136.0、150.9、194.6
(3)2,7−ビス(N,N’−チオモルホリノ)フルオレノール(1c)の合成
Figure 0005091537
1000mlの三口フラスコに攪拌子をいれ、アルゴン置換およびフレームドライを行った。その後、2,7−ビス(N,N’−チオモルホリノ)−9−フルオレノン(1b)(分子量:382)5.01g(13.1mmol)を加えて1時間脱気し、ドライTHFを450ml加えて攪拌した。フラスコを氷冷しながらCH3MgBr/ジエチルエーテル13.2ml(39.6mmol)をシリンジを用いてゆっくり滴下した。反応開始から3時間後にTLCを行い、原料の消費が確認できたため、メタノールを10ml加えて反応をクエンチした。反応溶液を塩化メチレンで抽出し、蒸留水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過により乾燥剤を取り除き、溶媒を減圧留去し、NMR測定により、得られた固体が目的生成物(2,7−ビス(N,N’−チオモルホリノ)フルオレノール(1c)、分子量:398)であることを確認した。
収量:5.63g(収率:99%)(薄紫色固体)
1H−NMR(CDCl3、270MHz、室温):δ=1.68(s、3H)、2.76(m、8H)、3.54(m、8H)、6.84(dd、J3=8.1Hz、J4=2.7Hz、2H)、7.08(d、J4=2.7Hz、2H)、7.38(d、J3=8.1Hz、2H)
13C−NMR(CDCl3、270MHz、室温):δ=26.4、52.5、67.8、79.3、112.4、117.5、119.7、130.9、150.8、151.0
(4)2,7−ビス(N,N’−チオモルホリノ)フルオレノール(1d)(ジベンゾフルベン誘導体モノマー(1))の合成
Figure 0005091537
100ml三口フラスコをチッ素置換し、2,7−ビス(N,N’−チオモルホリノ)フルオレノール(1c)(分子量:398)2.52g(6.32mmol)およびリン酸50mlを加えて攪拌・過熱を開始した。開始当初はリン酸の表面に原料が浮遊し溶解しなかったが、過熱開始後約30分ですべて溶解した(濃い赤紫色)。TLCにより反応の終了を確認し、室温まで冷却後、溶液をビーカーに移した。攪拌しながら1N NaCl水溶液をゆっくり加えて中和し、その後クロロホルムで抽出し、蒸留水・飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、溶媒を減圧留去し赤色固体を得た。これを還流下最小量のクロロホルムに溶解し、その後ヘキサンを滴下することにより結晶(2,7−ビス(N,N’−チオモルホリノ)フルオレノール(1d)(BTM−DBF)、分子量:380)を析出させ、ジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)(BTM−DBF)とした。
収量:1.50g、3.94mmol(収率:62.6%)(赤色結晶)
1H−NMR(CDCl3、270MHz、室温):δ=2.79(m、8H)、3.54(m、8H)、5.96(s、2H)、7.23(d、J4=2.7Hz、2H)、7.43(d、J3=8.1Hz、2H)、7.89(dd、J3=8.1Hz、J4=2.7Hz、2H)
13C−NMR:δ=27.3、59.0、106.8、110.6、118.6、119.5、133.3、139.2、143.8、150.8
FAB−HRMS:observed;380.2(calculate:380.14)
合成例1−2[ジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)のスルホキシド化(ジベンゾフルベン誘導体モノマー(2)の合成)]
Figure 0005091537
ジベンゾフルベン誘導体モノマ−(1)の溶解性の改善を目的とし、硫黄原子部分の立体化学を変化させ、溶媒との親和性を高めるために、側鎖のチオモルホリン環部分を酸化してスルホキシド化した。
50ml二口フラスコにジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)(分子量:380)100.8mg(0.265mmol)を加え、そこにクロロホルム10mlを加え完全に溶解させた。氷浴につけて0℃まで冷却し、これにm−クロロ過安息香酸(mCPBA)122.2mg(0.92mmol)をクロロホルム7.5mlに溶かしたものを加えた。4時間後メタノールを少量加えて反応を停止し、アンモニアガスを吹き込んで中和した。中性になったところで溶液を減圧留去した。得られた固体にクロロホルムを加え、溶解しない白から透明の固体をろ過により取り除いた。カラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=10:1)により生成物を分離し、1H−NMR測定により、溶出した成分が目的生成物(ジベンゾフルベン誘導体モノマー(2)、分子量:412)であることを確認した。
収量:50.0mg、0.121mmol(収率:45.7%)(朱色固体)
1H−NMR(CDCl3、270MHz、室温):δ=2.95(m、8H)、3.58(m、4H)、4.00(m、4H)、6.00(s、2H)、6.96(dd、J3=8.1、J4=2.7、2H)、7.30(d、J4=2.7Hz、2H)、7.48(d、J3=8.1Hz、2H)
13C−NMR:δ=41.9、44.8、110.1、118.1、119.9、128.2、129.7、130.1、133.4、148.8
合成例1−3[ジベンゾフルベン誘導体モノマー(3)(ジベンゾフルベン(DBF))の合成]
Figure 0005091537
t−BuOK2.23g(19.9mmol)とメタノール15mlを30mlナスフラスコに入れ、導入管を用いて脱気・チッ素置換を3回行った。その後、セプタムで口を閉じた(溶液A)。一方、100ml三口フラスコにフルオレニルメタノール(分子量:196)3.00g(15.3mmol)とメタノール20mlを入れ導入管を用いて脱気・チッ素置換を3回行い、さらに30分間チッ素でバブリングした(溶液B)。この30分の間に他のチッ素ラインを用いて、蒸留水100mlおよびヘキサン300mlをそれぞれナスフラスコに入れチッ素でバブリングしておいた。30分後、三口フラスコをチッ素置換状態にし、氷浴を用いて冷却した後0℃で溶液Aを溶液B中に滴下した。滴下完了後、オイルバスを用いて60℃で20分間反応させた。20分後、三口フラスコをオイルバスから上げ(固体が析出していた)、チッ素でバブリングした状態にある蒸留水を三口フラスコ内に注ぎ反応を停止させた(白濁)。溶液を500ml分液ろうとに注ぎ、同様にバブリングしておいたヘキサン300mlで抽出した。有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ、ろ過により硫酸マグネシウムを取り除いて溶媒を減圧留去(常圧に戻す際はチッ素を吹き込んだ)し、ジベンゾフルベン誘導体モノマー(3)(DBF、分子量:178)を得た。エバポレーターからナスフラスコをはずし、素早く三方コックを接続した。その後、一度チッ素ラインからチッ素を封入して三方コックを閉じ、冷凍庫で保管した。
収量:2.70g、15.0mmol(収率:98%)(白色固体)
1H−NMR(CDCl3、270MHz、室温):δ=6.07(s、2H)、7.32(m、4H)、7.71(t、4H)
13C−NMR(CDCl3、270MHz、室温):δ=107.6、119.7、121.0、127.1、128.7、138.1、140.2、143.5
比較合成例1−1[ジベンゾフルベン誘導体モノマー(4)(BT−DBF)の合成]
Figure 0005091537
まず、2−ブロモフルオレノンと2,2’−ビチオフェンを原料とする根岸カップリング反応により2−(2,2’−ビチオフェン−5−イル)−9−フルオレノンを得た。これを、CH3MgBrとの反応を通じて2−(2,2’−ビチオフェン−5−イル)−9−メチル−9−フルオレノールへと誘導した後に脱水して比較用のジベンゾフルベン誘導体モノマー(4)(BT−DBF)を得た。
(1)2−(2,2’−ビチオフェン−5−イル)−9−フルオレノンの合成
フレームドライ、チッ素置換した200mlの三つ口フラスコに2,2’−ビチオフェン10.26g(61.8mmol)を入れた。ここにTHF80mlおよびテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)9.33ml(61.8mmol)を入れ、氷浴で0℃まで冷やした(淡緑色)。次に、1.57Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン39.36ml(61.8mmol)を加え、室温に戻し2時間撹拌して溶液(1−1)(不均一橙色)を得た。別途用意した300mlの還流管を備えた三つ口フラスコに、塩化亜鉛12.11g(74.16mmol)を入れ、真空にしてヒートガンであぶりながら乾燥した。チッ素下に戻した後、THF50mlを加えた。その後、溶液(1−1)をゆっくり加えた(不均一橙色)。その後、1時間還流撹拌し、室温まで冷却して溶液(1−2)を得た(不均一橙色)。フレームドライ、チッ素置換した500mlの三つ口フラスコに、2−ブロモフルオレノン8.0g(30.9mmol)、Pd(PPh34(以下、Phはフェニル基を示す)46.2mg(0.040mmol)を入れた。ここにTHF0.5mlを入れ、室温で溶液(1−2)を加えた(不均一橙赤色)。18.5時間後、反応を停止し、不溶部を吸引ろ過した。可溶部を飽和食塩水で洗浄後、溶媒留去し、橙色粉末が得られた。得られた粉末を水、メタノール、へキサンで洗浄した。クロロホルムでカラムクロマトグラフィーを行い、2−(2,2’−ビチオフェン−5−イル)−9−フルオレノンを得た。1H−NMR測定により、2−(2,2’−ビチオフェン−5−イル)−9−フルオレノンであることを確認した。
収量:5.64g(収率:53%)(黄色固体)
1H−NMR(500MHz、CDCl3、室温):δ=7.90(m、2H)、7.82(m、2H)、7.63(m、3H)、7.48(d、1H)、7.42(d、1H)、7.38(d、1H)、7.33(d、1H)、7.12(dd、1H)
(2)2−(2,2’−ビチオフェン−5−イル)−9−メチル−9−フルオレノールの合成
フレームドライ、チッ素置換した2lの三つ口フラスコに2−(2,2’−ビチオフェン−5−イル)−9−フルオレノンを6.30g(18.3mmol)入れた。再び真空にした後、チッ素下に戻した。THF790mlを入れ、氷浴で0℃に冷やした(橙赤色)。CH3MgBr30.5ml(91.5mmol)を入れ、0℃のまま4.5時間撹拌した(橙色→橙褐色)。メタノール、1NのHCl水溶液を少しずつ加え、反応を停止した(黄色)。ジエチルエーテルで抽出し、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した。黄色の粉末6.67mg(粗生成物>99%)が得られた。カラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で生成し、2−(2,2’−ビチオフェン−5−イル)−9−メチル−9−フルオレノールを得た。1H−NMR測定により、2−(2,2’−ビチオフェン−5−イル)−9−メチル−9−フルオレノールであることを確認した。
収量:6.4g(収率:99.7%)(橙色固体)
1H−NMR(500MHz、CDCl3、室温):δ=7.88(s、1H)、7.75(m、2H)、7.69(dd、1H)、7.59(d、1H)、7.45(dd、1H)、7.34(m、4H)、7.12(m、1H)
(3)2−(2,2’−ビチオフェン−5−イル)ジベンゾフルベン(ジベンゾフルベン誘導体モノマー(4)、BT−DBF)の合成
100mlの二つ口フラスコに2−(2,2’−ビチオフェン−5−イル)−9−メチル−9−フルオレノール1.00g(2.77mmol)を入れ、チッ素下にした。ここにチッ素バブリングしたベンゼン20ml、クロロホルム20mlを入れた。オイルバス(60℃)で加熱し、p−トルエンスルホン酸水和物0.264g(1.39mmol)を入れた。5分間還流撹拌し、反応を停止した。飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒留去し、2−(2,2’−ビチオフェン−5−イル)ジベンゾフルベン(ジベンゾフルベン誘導体モノマー(4)、BT−DBF)を得た。1H−NMR測定により、ジベンゾフルベン誘導体モノマー(4)であることを確認した。
収量:0.93g(収率:92.8%)(黄色粉末)
1H−NMR(500MHz、CDCl3、室温):δ=7.95(s、1H)、7.75(d、1H)、7.70(d、2H)、7.64(d、1H)、7.27(t、1H)、7.26(m、2H)、7.23(m、2H)、7.19(d、1H)、7.05(m、1H)、6.15(d、2H)
比較合成例1−2[ジベンゾフルベン誘導体モノマー(5)(EHBT−DBF)の合成]
Figure 0005091537
2,2’−ビチオフェンの2位にエチルヘキシル基を導入した後、2,7−ジブロモフルオレンとのスティル(Stille)カップリング反応により、2,7−ビス(5’−エチルヘキシル−5,2’−ビチオフェン−2−イル)−9−フルオレノンを得た。この生成物はカラムクロマトグラフィーで精製し、収率86%で純度の高い2,7−ビス(5’−エチルヘキシル−5,2’−ビチオフェン−2−イル)−9−フルオレノンを得た。さらに、得られた2,7−ビス(5’−エチルヘキシル−5,2’−ビチオフェン−2−イル)−9−フルオレノンをMeMgBrと反応させてフルオレン環の9位に水酸基を導入した後、パラトルエンスルホン酸を用いて脱水させることにより、比較用のジベンゾフルベン誘導体モノマー(5)(EHBT−DBF)を得た。
(1)5−(2−エチルヘキシル)−2,2’−ビチオフェンの合成
フレームドライ、チッ素置換した1lのナスフラスコに2,2’−ビチオフェン7.55g(45.4mmol)を入れた。ここに溶媒THF444mlを入れ、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)33.9ml(22.7mmol)を加えた(茶色)。−70℃まで冷やし、1.61Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン0.38ml(0.612mmol)加え、−70℃を保ったまま30分、室温に戻して1時間撹拌した。−15℃に上げ、1−ブロモ−2−エチルヘキサン16.15ml(90.8mmol)を加えた(不均一橙色→不均一ピンク色→不均一赤色→不均一茶色)。すぐに室温に戻し18.5時間撹拌した(不均一赤色→均一橙色)。塩化アンモニウムで反応を停止し、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒留去した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)で精製し、5−(2−エチルヘキシル)−2,2’−ビチオフェンを得た。1H−NMR測定により、5−(2−エチルヘキシル)−2,2’−ビチオフェンであることを確認した。
収量:6.33g(収率:50.1%)(淡黄色油状物)
1H−NMR(500MHz、CDCl3、室温):δ=7.16(d、1H)、7.10(d、1H)、6.99(m、2H)、6.65(d、1H)、2.75(d、2H)、1.40(m、9H)、0.85(m、6H)
(2)5−トリブチルスタニル−5’−(2−エチルヘキシル)−2,2’−ビチオフェンの合成
フレームドライ、チッ素置換した300mlの二つ口フラスコに5−(2−エチルヘキシル)−2,2’−ビチオフェン6.2g(22.3mmol)、THF120mlを入れた(無色)。次に、1.60Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン15.3ml(24.5mmol)を0℃で加え、1時間撹拌した(茶褐色)。その後、(C493SnClを6.65ml(24.5mmol)入れ、室温で20時間撹拌した(茶褐色)。塩化アンモニウムで反応を停止し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒留去し、5−トリブチルスタニル−5’−(2−エチルヘキシル)−2,2’−ビチオフェンを得た。1H−NMR測定により、5−トリブチルスタニル−5’−(2−エチルヘキシル)−2,2’−ビチオフェンであることを確認した。
収量:13.0g(収率:99%)(茶色油状物)
1H−NMR(500MHz、CDCl3、室温):δ=7.23(d、1H)、7.05(d、1H)、6.95(d、1H)、6.65(d、1H)、2.27(d、2H)、1.40(m、9H)、0.90(m、6H)
(3)Pd(PPh34の合成
フレームドライ、チッ素置換を行い、還流管を備えた500mlの三つ口フラスコにPdCl3を3.0g(16.9mmol)、PPh3を22.2g(84.6mmol)入れた。再び真空にした後、チッ素置換した。ここに、ジメチルスルホキシド(DMSO)210mlを入れ、150℃まで加熱した(温度が上がるにつれて原料が溶けて黄色の均一溶液になった)。均一橙色になって5分でオイルバスからはずし、約30分間冷ました。氷浴で冷やしながら、N24・H2O3.30ml(67.7mmol)をチッ素フローしながら、少しずつ滴下した(橙色から蛍光の黄色に変化)。反応混合物を吸引ろ過し、エタノール、ジエチルエーテルで洗浄した後、減圧乾燥し、蛍光粉末(Pd(PPh34)15.82g(80.9%)を得た。
(4)2,7−ビス(5’−エチルヘキシル−5,2’−ビチオフェン−2−イル)−9−フルオレノンの合成
フレームドライ、チッ素置換した200mlの二つ口フラスコに脱水CHCl3で溶かした5−トリブチルスタニル−5’−(2−エチルヘキシル)−2,2’−ビチオフェン12.1g(21.2mmol)を入れた。再び真空状態にして溶媒を留去した後、チッ素下にして脱水トルエンを75.5ml入れ、溶液(1−3)を得た。フレームドライ、チッ素置換し、還流管を備えた300mlの二つ口フラスコに2,7−ジブロモフルオレンを2.39g(7.07mmol)、Pd(PPh34を817mg(0.707mmol)入れた。ここにトルエン75.5mlと溶液(1−3)を加えた。110℃で17時間還流撹拌した。塩化アンモニウム水溶液で反応を停止し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒留去し、2,7−ビス(5’−エチルヘキシル−5,2’−ビチオフェン−2−イル)−9−フルオレノンを得た。1H−NMR測定により、2,7−ビス(5’−エチルヘキシル−5,2’−ビチオフェン−2−イル)−9−フルオレノンであることを確認した。
収量:4.46g(収率:86.1%)(赤色粉末)
1H−NMR(500MHz、CDCl3、室温):δ=7.89(s、2H)、7.68(dd、2H)、7.51(d、1H)、7.28(d、2H)、7.08(d、2H)、7.03(d、2H)、6.69(d、2H)、2.75(d、4H)、1.60(m、2H)、1.36(m、16H)、0.91(m、12H)
(5)2,7−ビス(5’−エチルヘキシル−5,2’−ビチオフェン−2−イル)−9−メチル−9−フルオレノ−ルの合成
フレームドライ、チッ素置換した500mlの三つ口フラスコに2,7−ビス(5’−エチルヘキシル−5,2’−ビチオフェン−2−イル)−9−フルオレノンを2.0g(2.73mmol)入れた。再び真空にした後、チッ素下に戻した。THF333mlを入れ、氷浴で0℃に冷やした(赤色均一)。3.0MのCH3MgBr/C25OC25を4.57ml(13.7mmol)入れ、0℃のまま3時間撹拌した。メタノール、HClを少しずつ加え、反応を停止した(橙色)。ジエチルエーテルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した。メタノール、ヘキサンで溶媒分別を行い、2,7−ビス(5’−エチルヘキシル−5,2’−ビチオフェン−2−イル)−9−メチル−9−フルオレノ−ルを得た。1H−NMR測定により、2,7−ビス(5’−エチルヘキシル−5,2’−ビチオフェン−2−イル)−9−メチル−9−フルオレノ−ルであることを確認した。
収量:1.79g(収量:98.4%)(橙色固体)
1H−NMR(500MHz、CDCl3、室温):δ=7.80(s、2H)、7.61(m、4H)、7.28(d、2H)、7.10(d、2H)、7.03(d、2H)、6.69(d、2H)、2.75(d、4H)、1.21(m、18H)、0.91(m、12H)
(6)2,7−ビス(5’−エチルヘキシル−5,2’−ビチオフェン−2−イル)ジベンゾフルベン(ジベンゾフルベン誘導体モノマー(5)、EHBT−DBF)の合成
5mlの二つ口フラスコに2,7−ビス(5’−エチルヘキシル−5,2’−ビチオフェン−2−イル)−9−メチル−9−フルオレノ−ル11.6mg(0.0155mmol)を入れ、チッ素下にした。ここにチッ素バブリングしたベンゼン3ml、クロロホルム3mlを入れた。60℃のオイルバスで約5分間加熱し、素早くp−トルエンスルホン酸水和物1.47mg(0.00775mmol)を入れ、2時間還流撹拌した。すぐに氷浴で冷やし、反応を停止した。その後、蒸留水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒留去し、2,7−ビス(5’−エチルヘキシル−5,2’−ビチオフェン−2−イル)ジベンゾフルベン(ジベンゾフルベン誘導体モノマー(5)、EHBT−DBF)を得た。1H−NMR測定により、ジベンゾフルベン誘導体モノマー(5)であることを確認した。
収量:13.1mg(収率:99%)(黄色粉末)
1H−NMR(500MHz、CDCl3、室温):δ=7.93(s、2H)、7.67(d、2H)、7.63(d、2H)、7.28(d、2H)、7.11(d、2H)、7.03(d、2H)、6.69(d、2H)、6.20(s、2H)、2.75(d、4H)、1.68(m、2H)、1.32(m、16H)、0.91(m、24H)
実施例2
合成例2−1[ジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)(BTM−DBF)の単独重合(ラジカル重合)]
Figure 0005091537
25mlナスフラスコにクロロホルムを加え導入管を接続して脱気・チッ素置換を3回行った。その後導入管を三方コックに変更しチッ素を封入した。一方、25mlナスフラスコにジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)(BTM−DBF)100mg(0.26mmol)、AIBN4.3mg(0.026mmol)を加えたものを用意し、それぞれ脱気・チッ素置換を3回行った。その後導入管を三方コックに変更しチッ素を封入した。チッ素を流した状態でクロロホルムの入ったナスフラスコとジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)の入ったナスフラスコ一つの三方コックを開けた。三方コックの穴を利用してシリンジでクロロホルムを1.0mlナスフラスコから取り出し、ジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)の入ったナスフラスコに加えた。その後、両方のナスフラスコの三方コックを閉じた。この状態で、ジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)および溶媒の入ったナスフラスコをオイルバスにつけ、60℃で24時間反応させた。室温まで冷却した後、デカンテーションにより未反応のジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)を沈殿させて取り除いた。上澄みをナスフラスコに移して溶媒を減圧留去し、得られた固体をヘキサンで3度洗浄した。ナスフラスコ内に残ったヘキサンをエバポレーションにより取り除き、120mgの赤色固体(ジベンゾフルベン誘導体(1))を得た。得られたジベンゾフルベン誘導体(1)についてGPC測定および1H−NMR測定により解析した。
GPC:Mn:698、615、468、390
1H−NMR(CDCl3、270MHz、室温):δ=0.07(AIBN断片)、0.50〜4.20(主鎖)、2.79、3.35(チオモルホリン環)、5.97(BTM−DBFのビニル基)、6.39〜8.20(芳香環)
比較合成例2−1[ジベンゾフルベン誘導体モノマー(4)(BT−DBF)の単独重合(アニオン重合)]
Figure 0005091537
10mlのアンプル管をフレームドライ、チッ素下にした後、0.076Mのジベンゾフルベン誘導体モノマー(4)(BT−DBF)/THF1.92mlを入れた。ここにTHF0.27mlを入れた。アンプルを−78℃で約10分間冷やし、別途調製した0.1Mのn−ブチルリチウムを0.73ml加えた(濃緑色)。41.5時間後、メタノール約0.1mlを入れ、反応を停止し、約50mlのメタノールに注いだ。その後、メタノールとTHFで溶媒分別を行い、比較用のジベンゾフルベン誘導体(2)を40mg得た。得られたジベンゾフルベン誘導体(2)についてGPC測定および1H−NMR測定により解析した。
GPC:Mn:2200
1H−NMR(CDCl3、500MHz、室温):δ=1〜3ppm(主鎖メチレン)、5.5〜8ppm(芳香環)
比較合成例2−2[ジベンゾフルベン誘導体モノマー(5)(EHBT−DBF)の単独重合(アニオン重合)]
Figure 0005091537
10mlのアンプル管をフレームドライ、チッ素下にした後、0.0684Mのジベンゾフルベン誘導体モノマー(5)(EHBT−DBF)/THF0.60mlを入れた。ここにTHF0.0158mlを入れた。アンプルを−78℃で約10分間冷やし、1.59Mのn−ブチルリチウムを0.205ml加えた(茶褐色)。68時間後にメタノール0.1mlを加え、反応を停止した。その後、30mlのメタノールに注ぎ、メタノール、へキサンで溶媒分別を行い、比較用のジベンゾフルベン誘導体(3)を50mg得た。得られたジベンゾフルベン誘導体(3)についてGPC測定および1H−NMR測定により解析した。
GPC:Mn:13300
1H−NMR(CDCl3、500MHz、室温):δ=0.8〜2.5ppm(側鎖のアルキル基および主鎖メチレン)、5.5〜8ppm(芳香環)
比較合成例2−3[ジベンゾフルベン誘導体モノマー(5)(EHBT−DBF)の単独重合(ラジカル重合)]
Figure 0005091537
10mlのアンプル管をフレームドライ、チッ素下にした後、0.0349Mのジベンゾフルベン誘導体モノマー(5)/THF1mlを入れた。これを真空にして溶媒を留去した。再びチッ素下に戻し、あらかじめ用意しておいた0.01MのAIBN/トルエンを0.175ml加えた。すぐに60℃のオイルバスで加熱し、24時間後サンプリングし、氷浴につけて反応を停止した。反応液をヘキサンに沈殿させ、へキサン可溶部と不溶部に分別し、比較用のジベンゾフルベン誘導体(4)を23mg得た。得られたジベンゾフルベン誘導体(4)についてGPC測定および1H−NMR測定により解析した。
GPC:Mn:5450
1H−NMR(CDCl3、500MHz、室温):δ=0.8〜2.5ppm(側鎖のアルキル基および主鎖メチレン)、5.5〜8ppm(芳香環)
合成例2−1および比較合成例2−1〜2−3の結果を表1に示す。なお、表1において、>99とは、99%より大きいことを示す。
Figure 0005091537
合成例2−2〜2−5[ジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)(BTM−DBF)とジベンゾフルベン誘導体モノマー(3)(DBF)の共重合(ラジカル重合)]
Figure 0005091537
(1)合成例2−2
25mlナスフラスコに、ジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)100mg(0.26mmol)、ジベンゾフルベン誘導体モノマー(3)47.4mg(0.26mmol)およびAIBN17.3mg(0.11mmol)を加えたものを用意し、それぞれ脱気・チッ素置換3回行った。その後導入管を三方コックに変更しチッ素を封入した。同様にして脱気後チッ素を封入したクロロホルム入りのナスフラスコを用意した。チッ素を流した状態でジベンゾフルベン誘導体モノマーの入ったナスフラスコの三方コックを開き、その穴を利用してクロロホルムを5.0ml加えた。ジベンゾフルベン誘導体モノマーおよび溶媒の入ったナスフラスコをオイルバスにつけ60℃で27.5時間反応させた。室温まで冷却した後溶媒を減圧留去し、得られた固体にメタノールを加えデカンテーションによりメタノール不溶部を回収し、ジベンゾフルベン誘導体(5)を得た。得られたジベンゾフルベン誘導体(5)についてGPC測定および1H−NMR測定により解析した。
GPC:Mn:619、464、361、280(5〜2量体)
1H−NMR(CDCl3、270MHz、室温):δ=0.07(AIBN断片)、0.53〜4.65(主鎖)、2.81、3.55(チオモルホリン環)、5.96(BTM−DBFのビニル基)、6.07(DBFのビニル基)、5.63〜8.52(芳香環)
(2)合成例2−3
25mlナスフラスコに、ジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)50mg(0.13mmol)、ジベンゾフルベン誘導体モノマー(3)71.1mg(0.39mmol)およびAIBN17.3mg(0.11mmol)を加えたものを用意し、それぞれ脱気・チッ素置換3回行った。その後導入管を三方コックに変更しチッ素を封入した。同様にして脱気後チッ素を封入したクロロホルム入りのナスフラスコを用意した。チッ素を流した状態でジベンゾフルベン誘導体モノマーの入ったナスフラスコの三方コックを開き、その穴を利用してクロロホルムを5.0ml加えた。ジベンゾフルベン誘導体モノマーおよび溶媒の入ったナスフラスコをオイルバスにつけ60℃で27.5時間反応させた。室温まで冷却した後溶媒を減圧留去し、得られた固体にメタノールを加えデカンテーションによりメタノール不溶部を回収し、ジベンゾフルベン誘導体(6)を得た。得られたジベンゾフルベン誘導体(6)についてGPC測定および1H−NMR測定により解析した。
GPC:Mn:623
1H−NMR(CDCl3、270MHz、室温):δ=0.07(AIBN断片)、0.39〜4.71(主鎖)、2.71、3.47(チオモルホリン環)、5.96(BTM−DBFのビニル基)、6.07(DBFのビニル基)、6.12〜8.23(芳香環)
(3)合成例2−4
25mlナスフラスコに、ジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)20mg(0.053mmol)、ジベンゾフルベン誘導体モノマー(3)85.3mg(0.47mmol)およびAIBN17.3mg(0.11mmol)を加えたものを用意し、それぞれ脱気・チッ素置換3回行った。その後導入管を三方コックに変更しチッ素を封入した。同様にして脱気後チッ素を封入したクロロホルム入りのナスフラスコを用意した。チッ素を流した状態でジベンゾフルベン誘導体モノマーの入ったナスフラスコの三方コックを開き、その穴を利用してクロロホルムを5.0ml加えた。ジベンゾフルベン誘導体モノマーおよび溶媒の入ったナスフラスコをオイルバスにつけ60℃で27.5時間反応させた。室温まで冷却した後溶媒を減圧留去し、得られた固体にメタノールを加えデカンテーションによりメタノール不溶部を回収し、ジベンゾフルベン誘導体(7)を得た。得られたジベンゾフルベン誘導体(7)についてGPC測定および1H−NMR測定により解析した。
GPC:Mn:609、545、430(5〜3量体)
1H−NMR(CDCl3、270MHz、室温):δ=0.07(AIBN断片)、0.35〜4.40(主鎖)、2.81、3.55(チオモルホリン環)、6.00(BTM−DBFのビニル基)、6.07(DBFのビニル基)、6.14〜8.20(芳香環)
(4)合成例2−5
25mlナスフラスコにジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)(BTM−DBF)20mg(0.26mmol)およびAIBN43.0mg(0.26mmol)を加えたものを用意し、脱気・チッ素置換を3回行った。その後、導入管を三方コックに変更してチッ素を封入した。同様にして脱気後チッ素を封入したクロロホルム入りのナスフラスコ、および0.239Mのジベンゾフルベン誘導体モノマー(3)(DBF)/クロロホルムを用意した。その後、チッ素を流した状態でジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)の入ったナスフラスコの三方コックを開き、その穴を利用してクロロホルム3.36mlおよびジベンゾフルベン誘導体モノマー(3)/クロロホルム1.64ml(ジベンゾフルベン誘導体モノマー(3):0.39mmol)を加えた。その後、ナスフラスコをオイルバスにつけ60℃で24時間反応させた。室温まで冷却した後溶媒を減圧留去し、得られた固体にメタノールを加えデカンテーションによりメタノール不溶部を回収し、ジベンゾフルベン誘導体(8)を得た。得られたジベンゾフルベン誘導体(8)についてGPC測定および1H−NMR測定により解析した。
GPC:Mn:577、369、325
1H−NMR(CDCl3、270MHz、室温):δ=0.07(AIBN断片)、0.22〜4.44(主鎖)、6.00(BTM−DBFのビニル基)、6.07(DBFのビニル基)、6.11〜8.24(芳香環)
比較合成例2−4[ジベンゾフルベン誘導体モノマー(5)(EHBT−DBF)とジベンゾフルベン誘導体モノマー(3)(DBF)の共重合(ラジカル重合)]
10mlのアンプル管をフレームドライ、チッ素下にした後、モノマー溶液として、0.0349Mのジベンゾフルベン誘導体モノマー(5)/THFを1ml、0.78Mのジベンゾフルベン誘導体モノマー(3)/THFを0.0447ml入れた。これを真空にして溶媒を留去した。再びチッ素下に戻し、あらかじめ用意しておいた0.01MのAIBN/トルエンを0.175ml加えた。すぐに60℃のオイルバスで加熱した。24時間後サンプリングし、氷浴につけて反応を停止した。反応液をヘキサンに沈殿させ、へキサン可溶部と不溶部に分別し、比較用のジベンゾフルベン誘導体(9)を得た。得られたジベンゾフルベン誘導体(9)についてGPC測定および1H−NMR測定により解析した。
GPC:Mn:11400
1H−NMR(CDCl3、500MHz、室温):δ=0.8〜2.5ppm(側鎖のアルキル基および主鎖メチレン)、5.5〜8ppm(芳香環)
合成例2−2〜2−5および比較合成例2−4の結果を表2に示す。
Figure 0005091537
実施例3
(1)調製例3−1
ジベンゾフルベン誘導体モノマー(1)(BTM−DBF)1mgに対してTHFを1ml加えた溶液(以下、溶液(3−1)ともいう)を用意した。また、DDQ1mgに対してTHFを1ml加えた溶液(以下、溶液(3−2)ともいう)を用意した。その後、溶液(3−1)1mlに対して溶液(3−2)を0.1ml加えた。この混合溶液をスライドガラス上に滴下し、溶媒を除去することにより薄膜(1)を形成した。
(2)調製例3−2
ジベンゾフルベン誘導体(5)(BTM−DBF/DBF)1mgに対してTHFを1ml加えた溶液(溶液(3−1))を用意した。この溶液(3−1)をスライドガラス上に滴下し、溶媒を除去することにより薄膜(2)を形成した。
(3)調製例3−3
ジベンゾフルベン誘導体(5)1mgに対してTHF1ml加えた溶液(以下、溶液(3−3)ともいう)を用意した。また、DDQ1mgに対してTHF1mlを加えた溶液(溶液(3−2))を用意した。その後、溶液(3−3)1mlに対して溶液(3−2)を0.1ml加えた。この混合溶液をスライドガラス上に滴下し、溶媒を除去することにより薄膜(3)を形成した。
(4)比較調製例3−1
ジベンゾフルベン誘導体(2)10mgをTHF1mlに溶解し、これをスライドガラス上に滴下し、溶媒を留去することにより薄膜を形成した。この薄膜の付いたガラスを、ヨウ素固体50mgを入れた50mlのガラス瓶(ヨウ素蒸気の充満した状態)中に1時間放置することによりヨウ素ドープを行い、薄膜(4)を形成した。
(5)比較調製例3−2
ジベンゾフルベン誘導体(3)10mgをTHF1mlに溶解し、これをスライドガラス上に滴下し、溶媒を留去することにより薄膜を形成した。この薄膜の付いたガラスを、ヨウ素固体50mgを入れた50mlのガラス瓶(ヨウ素蒸気の充満した状態)中に1時間放置することによりヨウ素ドープを行い、薄膜(5)を形成した。
(6)比較調製例3−3
ジベンゾフルベン誘導体(4)10mgをTHF1mlに溶解し、これをスライドガラス上に滴下し、溶媒を留去することにより薄膜を形成した。この薄膜の付いたガラスを、ヨウ素固体50mgを入れた50mlのガラス瓶(ヨウ素蒸気の充満した状態)中に1時間放置することによりヨウ素ドープを行い、薄膜(6)を形成した。
試験例3−1:抵抗値測定
ケースレー社製の2400型ソースメーターを使用し、4端子法で測定した。
試験例3−2:膜厚測定
測定には(株)ミツトヨ製のMitutoyo SJ−400を用いた。得られた断面曲線から断面曲線の算術平均高さを算出し、これを膜厚とした。
試験例3−3:導電率測定
試験例3−1および3−2で測定した薄膜の抵抗値、膜厚から、式(1):
ρ=(πt/ln2)(VM/Is) (1)
(式中、ρは体積抵抗率(Ωcm);tは膜厚(μm);VM/Isは抵抗値(MΩ)である)
から体積抵抗率ρを算出し、導電率(Scm-1)は体積抵抗率の逆数として求めることができる。
調製例3−1〜3−3および比較調製例3−1〜3−3についての結果を表3に示す。
Figure 0005091537

Claims (6)

  1. (M1−1)
    Figure 0005091537
    (式中、R 1およびR2は同じかまたは異なり、いずれも水素原子または下記式に示すヘテロ環構造を有する基ただし、R1およびR2の少なくとも1つはヘテロ環構造を有する基;R3およびR4は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、アルキル基、芳香族基、シアノ基またはエステル結合を有する有機基である)
    Figure 0005091537
    で示される構造単位M1−1を10〜100モル%、および
    構造単位M1−1を与えるモノマーと共重合可能なモノマーに由来する構造単位N1を0〜90モル%含むジベンゾフルベン誘導体(A)と、
    電子受容性化合物(B1)または電子供与性化合物(B2)とを含む組成物。
  2. 下式
    Figure 0005091537
    (式中、R 1 および 2 は同じかまたは異なり、いずれも水素原子または下記式に示すヘテロ環構造を有する基ただし、 1 および 2 の少なくとも1つはヘテロ環構造を有する基である)
    Figure 0005091537
    で示されるジベンゾフルベン誘導体モノマー。
  3. 請求項に記載のジベンゾフルベン誘導体モノマーと、
    電子受容性化合物(B1)または電子供与性化合物(B2)とを含む組成物。
  4. (M2−1)
    Figure 0005091537
    (式中、R 9およびR10は同じかまたは異なり、いずれも水素原子または下記式に示すヘテロ環構造を有する基ただし、R9およびR10の少なくとも1つはヘテロ環構造を有する基;R11およびR12は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、アルキル基、芳香族基、シアノ基またはエステル結合を有する有機基である。)
    Figure 0005091537
    で示される構造単位M2−1を10〜100モル%、および
    構造単位M2−1を与えるモノマーと共重合可能なモノマーに由来する構造単位N2を0〜90モル%含むジベンゾフルベン誘導体。
  5. 前記構造単位N2が、
    式(N2−1):
    Figure 0005091537
    (式中、R13およびR14同じかまたは異なり、いずれも水素原子、アルキル基、芳香族基、シアノ基またはエステル結合を有する有機基である)
    で示される請求項記載のジベンゾフルベン誘導体。
  6. 請求項1または3記載の組成物を用いてなる電荷輸送材料。
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