JP5091314B2 - 膨張部材を備えるシャフトハブ組立体 - Google Patents

膨張部材を備えるシャフトハブ組立体 Download PDF

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Description

本発明はコンベヤーローラがシャフトハブ組立体を備えるコンベヤーシステム、コンベヤー及びシャフトハブ組立体に関する。
ベルトコンベヤー等の流れるコンベヤーは通常コンベヤーのフレームに回転可能に支持される複数のコンベヤーローラを有する。これらのコンベヤーローラの中にはコンベヤーローラを回転可能に支持するローラの内部に転がり軸受を有するものがある。もしくは、転がり軸受は流れるコンベヤーのフレームに配置され、コンベヤーローラは転がり軸受に支持される軸首のみを有する場合もある。
このようなローラは大量生産されるため、ローラの製造においてほんのわずかな改良がなされるだけで、かなりの規模の節約が期待できる。
更に、直接的又は間接的に(コンベヤーベルトを介して)駆動されるコンベヤーローラにおいて、固定フレームと回転コンベヤーローラとの間の隙間は危険領域となる。
コンベヤーローラを支持することが可能で、危険領域も取り除くことができる技術が、例えばドイツ特許DE3308262C1に開示されている。この文献には、ドラムシェルが軸方向に軸から突出するコンベヤーローラが開示されている。コンベヤーローラは、ドラムシェルに突出するブロック軸受部材を介して軸受形状に支持される。このようにして、固定部と回転部との間の隙間が突出ドラムシェルにより塞がれることになる。図示のコンベヤーローラにおいて、軸は中心穴を有する円形金属板に溶接され、金属板はドラムシェルに溶接されている。
このようなコンベヤーローラを製造する際には、比較的かなりの労力と費用を要する。
よって、本発明の目的は、強固な支持を保証し容易に製造できるコンベヤーローラを有するコンベヤーシステム、コンベヤーローラ及びコンベヤーローラを支持することができるシャフトハブ組立体の設計を提供することである。更に本発明の目的は、コンベヤーローラと隣接固定部との間の危険領域を取り除くように構成された、コンベヤーベルとを有するコンベヤーシステムを提供することである。
本発明の目的は独立請求項に係る装置により達成される。又、本発明の好ましい実施形態は従属請求項に開示される。
本発明の一態様によれば、軸ピン、膨張部材、及びハブを備えるシャフトハブ組立体を提供するものであって、このシャフトハブ組立体において、軸ピンは、部分的に又は全体的にハブに形成された軸ピンがハブに対して半径方向に固定されるように、対応するハブのハブ部の横断面に実質的に相当する軸横断面を有する軸部を備え、軸ピンは軸回転係止部を有し、ハブはハブ回転係止部を有し、当該軸回転係止部とハブ回転係止部は、ハブに形成された軸ピンがハブに対する周方向回転を抑止して固定されるように構成され、膨張部材は軸ピン上に配置されると共に外周部を有し又、この外周部が膨張部材の弛緩した状態の時、対応するハブの内周部の内周直径より大きい外周直径を有するように構成され、
軸ピンがハブ内に配置されるとき、膨張部材は弾性的に変形し膨張部材の外周部が膨張部材の弛緩位置から軸ピンの軸方向に変位し、更に膨張部材の外周部の軸方向変位に伴って膨張部材の外周部の外周直径が縮小され、膨張部材の縮小した外周直径は密着するハブの内周部の直径に相当することを特徴とする。
軸部とハブ部は実質的に円筒形状を有するのが好ましい。これは、軸ピン部とハブ部の対応する表面それぞれが軸ピンの軸に平行に延びるラインが閉じた曲線に沿って平行に変位することにより生成される表面だからである。これにより、組立の際、軸部とハブ部を容易に相互に圧入することができる。又軸部とハブ部は、略円筒断面を有する場合は特に容易に製造することができる。円筒形状から派生する横断面は、ハブと軸ピンを相互に圧入する必要もなく更に部品を追加する必要もなく、軸回転係止部又はハブ回転係止部の機能を同時に発揮させるという効果を有する。外周部の軸方向の変位は外周直径の縮小につながり、又この変位は、軸方向成分と動径成分を有する外周直径の連動した動きを描く。この軸方向の変位の方向は、ハブに軸ピンを挿入する方向と反対になる。軸ピンの軸に対して斜角に起きるこのような動きにより、軸ピンがハブに固定される。ここで使用するシャフト、ハブ、及び軸ピンとは、トルク(回転力)を伝達する部品とトルクを伝達しない部品を示す。
更に、好適な実施形態によると、本発明のシャフトハブ組立体は、膨張部材と、対応するハブの内周部が、膨張部材と内周部との間の摩擦係数により、及びその軸端に膨張部材の外周部が形成される膨張部材の変位領域と膨張部材の内周部との間の変位角により、膨張部材自身の係止効果がハブ内に生成されるように構成されることを特徴とする。膨張部材の変位領域は、例えば指状の延伸部として形成される。この延伸部の端部により外周部が形成され、この外周部に面する指状の延伸部の両側は膨張部材の基部に取り付けられる。弾性変形の際、このような指状の延伸部が膨張部材基部の取り付け地点の領域において実質的に変形を起こし、この指状の延伸部の残りの部分が実質的に無変形状態で膨張部材の変位領域として変位角で回転する。外周部とされる指状の延伸部は、軸方向及び半径方向に連動する。自身の係止効果とは以下のことを意味する。つまり、軸ピンの導入方向と反対の軸方向に軸ピンに応力がかかると、この応力に起因する垂直力が膨張部材の外周部とハブの内周部との間に生成され、膨張部材の外周部とハブの内周部との間の摩擦係数を考慮すると、この応力は軸ピンの導入方向と反対の軸方向に軸ピンにかかる応力より大きな摩擦力となる(膨張部材のばね力により生成される摩擦力は考慮に入れない)。この構成により、軸ピンはハブ内に膨張部材と共に圧入することができ、導入方向と反対の方向にハブ内の挿入位置に固定される。更に又、軸ピンとハブの固定化は、膨張部材の外周部が膨張の際にハブの内周部表面を貫通して、自身の係止効果がインターロック係合となるように又は補強されるように、膨張部材の材料とハブの材料を選択することによって達成することができる。ここで、ハブの内周部表面への貫通を容易にするため、膨張部材の外周部を鋭角に形成することが好ましい。
更に好ましい実施形態によると、本発明のシャフトハブ組立体において、膨張部材はディスク又は閉リングとして構成され、膨張部材は周方向に間隔をおいて溝を有し、この溝は外周部から内側に向かってほぼ放射状に形成され、この溝により周方向に相互に分離される多数の指状の延伸部の端部によって外周部が形成される。ここで、閉リングとして構成された膨張部材は、例えばワッシャーの基本的形状を有することが好ましく、外側から内側へ延びる多数の溝を有する。このような溝を有するワッシャーは弛緩した状態で実質的に平面形状を有する。又、膨張部材は弛緩した状態でもすでにプレート状の形状を有することが考えられ、この場合、プレートのエッジは実質的に円錐形を有する。このような形状は、軸ピンを膨張部材と共にハブへ挿入することを容易にする。好ましくは、いずれの場合にも溝は外側から内側へ実質放射状に延び、又は略V字型を有する。又、溝の形状は内側へ螺旋状に延びる凹状でもよい。
更に好ましい実施形態によると、本発明のシャフトハブ組立体において、軸ピン上の膨張部材は軸ピンの軸端に形成され、及び/又は、リベット打ち、溶接、ネジ止め、又はその他の結合方法により軸ピン上に取り付けられる。ここで、半径方向に隙間を作らないが軸方向に隙間を作るように膨張部材の取付けが行われる。半径方向の隙間は、軸ピンの軸に対する軸ピンとハブとの回転対称形状とは関係なく、ハブへの挿入の際、膨張部材は同形状で膨張することができるという利点を有する。このようにして、重複取付を防ぐことができる。
更に好ましい実施形態によると、本発明のシャフトハブ組立体において、ハブに収容される軸ピンの軸ピン部は実質的に円筒形状を有し、軸ピン部の直径と、対応するハブの収容部の直径は、例えばH7−g8又はH7−p8等のように、滑り嵌め、軽い圧入、又は圧入により適合される。円筒形状は特に容易に作製でき、よって費用効率がよい。滑り嵌めにより特に容易に組立可能である。膨張部材により、軸ピンをハブ内に固定するため締まり嵌めは不要である。軽い圧入によりコストが高いインターロック係合を避けられるため、トルクが伝達されないか又はほんの僅かなトルクが伝達されるのみであれば、軽い圧入が有利である。
更に好ましい実施形態によると、本発明のシャフトハブ組立体において、ハブの直径は軸ピンの挿入長さ全体に亘って実質的に同じである。本実施形態によると、軸部又はハブ部は軸回転係止部及びハブ回転係止部と少なくとも部分的に同一部となる。ここで、回転係止は圧入によって達成されることが好ましい。
更に好ましい実施形態によると、本発明のシャフトハブ組立体において、軸ピンとハブ間の回転係止はインターロック係合部として形成される。このようなインターロック係合は、軸ピンのキー溝及びハブのキー溝に個々の部材として形成されたフェザーキーにより達成される。インターロック係合の他の形状として、例えばスプライン形状の軸ピンとハブの対応横断面の非回転対称構成も考えられる。
更に好ましい実施形態によると、本発明のシャフトハブ組立体において、膨張部材は鋼製であり、又硬化した鋼ばね製である。鋼ばねの硬度により、膨張部材はハブの柔らかい材料へ容易に膨張できる。ここで、ハブは非硬化鋼製、アルミニウム又はプラスティック材料製、又はこれら材料を含むものであってもよい。もし膨張部材が非硬化鋼又はその他非硬化金属であるなら、プラスティック材料又はアルミニウム等の柔らかい材料であればよい。というのは、これら膨張部材の材料も又、ハブの材料に対してそれぞれ十分な弾性と硬度を有するからである。十分な弾性と硬度を有するのであれば、他の材料でもよい。
更に好ましい実施形態によると、本発明のシャフトハブ組立体において、ハブはアルミニウム合金からなる。アルミニウムとアルミニウム合金は、これら材料が例えば連続鋳造や押出し成形法により容易に製造できるという利点を有する。ここで、ハブはドラムシェルと共に、又その間に必要な支柱と共に一工程で作製することができる。
本発明の更なる態様は、上記シャフトハブ組立体を備える、コンベヤーシステム用コンベヤーローラに関する。
本発明の更なる態様は、コンベヤーローラを備えるコンベヤーシステムに関する。
更に好ましい実施形態によると、本発明のコンベヤーシステムはベルトコンベヤーシステムとして形成され、コンベヤーローラに少なくとも部分的に巻回されたコンベヤーベルトを有することを特徴とする。
更に好ましい実施形態によると、コンベヤーローラの少なくとも片側が軸受カップに支持され、軸受カップは少なくともコンベヤーベルトの巻回角度において、軸端部におけるコンベヤーローラの半径に実質的に等しいか又はこれより僅かに小さい半径を有し、コンベヤーベルトがコンベヤーローラの長さより軸方向に広く、コンベヤーローラと軸受カップとの間の隙間をコンベヤーベルトによって塞ぐようにコンベヤーベルトがコンベヤーローラ上に配置されることを特徴とする。巻回角度は、コンベヤーローラ上でコンベヤーベルトの向きを変える度合いにより決められる。コンベヤーローラが、コンベヤーベルトの端部でリターンローラとして使用される場合は、巻回角度は180°以上に設定される。又、コンベヤーベルト端部間で使用されるコンベヤーローラの場合、巻回角度は横断面の円周上に配置され、又は巻回方向はコンベヤーローラの長手方向に延伸するように配置される。軸受カップはコンベヤーローラをコンベヤーシステムのフレームに組み込むように使用される。ここで、従来のベアリングにおいて、フレームとコンベヤーローラの間に生じると思われる隙間は、コンベヤーローラのローラの中心方向に変位する。驚くことに、コンベヤーカップ又はコンベヤーローラの形状次第で、コンベヤーカップの表面をスライドするように行われるコンベヤーベルトとの間の相対的運動によるコンベヤーベルトの望ましくない磨耗が起きることはないことが明らかになった。これは、特に軸受カップの直径に対してコンベヤーローラのローラ端部における直径が大きいことにより、ベルトの張力が軸受カップの領域においてごく僅かであるという事実により説明がつく。軸受カップの巻回部における半径がローラ端部におけるコンベヤーローラの半径に略等しい場合、又コンベヤーローラが冠形状を有している場合、つまりローラの中心部における直径の方がローラ端部における直径より大きい場合、上記効果が見られる。軸受カップとコンベヤーローラの半径又は直径の形状とは関係なく、特に平滑化された軸受カップの表面仕上げ及び/又は軸受カップ及びコンベヤーベルトの材料の適切な選択によって磨耗現象が抑制又は解消される。鋼製の軸受カップが好ましい。ここでは、コンベヤーローラは両側の内の1つの軸受カップに支持される。
更に、好ましい実施形態によると、巻回方向における軸受カップは、軸端におけるコンベヤーローラの半径より0.3mm〜2.5mm小さい半径を有する。
更に好ましい実施形態によると、巻回方向における軸受カップは、例えばRa3.2又はRa6.3の凹凸深さを有し、Ra6.3の凹凸高さが特に好ましい。
更に好ましい実施形態によると、本発明のコンベヤーシステムにおいて、コンベヤーローラは冠形状を有し、ここでコンベヤーローラの中心部におけるローラの中心直径は、ローラ端部におけるコンベヤーローラ端部の直径より1mm〜2mm、より好ましくは約1.5mm大きい。ローラ端部はコンベヤーローラの軸端を言う。冠形状とは、この場合、丸い凸状表面形状を指しこれは好ましい形状である。又、コンベヤーローラは二つの略円錐形部を有し、この形状はローラ端部より始まりコンベヤーローラの中心まで続き、略円筒部によりローラの中心部に結合する。ここで、それぞれの部分の軸方向の長さはローラの長さの3分の1に実質的に匹敵する。
更に好ましくは、本発明のコンベヤーシステムにおいて、コンベヤーローラを回転可能に支持する少なくとも1つの軸受は軸受カップに収容される。ここで、コンベヤーローラは両側の軸受カップに、自動調心軸受(ボールベアリング)によって支持されることが好ましい。
更に好適な実施形態によると、本発明のコンベヤーシステムにおいて、コンベヤーローラは、回転不能に又軸方向変位不能にコンベヤーローラに配置される軸ピンにより回転可能に支持され、コンベヤーローラの端部から軸方向に突出する軸受部を有し、この部分に
おける転がり軸受の内部軸受リングの直径に相当するベアリング直径を有する。
本発明の実施の形態を個々に、特に好ましい実施の形態を例示する。個々に記載された実施形態の一部は本発明を実施する上で絶対的に必要な特徴を有するわけではないが、一般的に有利であると見なされる特徴を有する。このように、本発明の実施形態は、以下に記載する実施形態のあらゆる特徴を有するわけではないが、本発明の教示に該当すると考えられる。実施形態それぞれを参照しながらそこに記載される特徴を選択的に組み合わせてもよい。
部分断面図における、本発明のコンベヤーシステムの投影図である。 部分断面図における、図1のコンベヤーシステムの正面図である。 図2のコンベヤーシステムの拡大図である。 断面部を有する二つの軸受カップとベアリングローラを有するコンベヤーシステムの組立体を示し、又コンベヤーローラの横断面図である。 膨張部材を取り付けた軸ピンの投影図である。 膨張部材の投影図である。 図6aの詳細を示す。
図1は、部分断面図における、本発明のコンベヤーシステム1の投影図である。
コンベヤーシステム1はベルトコンベヤーとして形成される。図1は、コンベヤーローラ2を介して180°向きを変えられたコンベヤーベルト5の回帰部を示す。このように、コンベヤーベルト5は約180°の巻回角度でコンベヤーローラ2に接する。
コンベヤーローラ2は二つの軸受カップ6の間に回転可能に支持される。軸受カップ6はフレームに回転不能に固定される。稼動の際、コンベヤーローラ2はこうして軸受カップ6に対して、又はコンベヤーシステム1のフレームに対して回転する。
コンベヤーローラ2を支持するため、ベアリング61が固定軸受カップ6それぞれに設けられ、転がり軸受けとして、特に本実施形態では自動調整式ボールベアリングとして構成される。ここで、コンベヤーローラ2は各ベアリング61における各軸ピン81によって支持される。
図2は部分断面図における、図1のコンベヤーシステム1の正面図であり、図3は図2のコンベヤーシステム1の拡大図である。これら各図はいずれもコンベヤーシステム1の同じ好ましい実施形態を示し、図中各部品には同じ符号が用いられる。
図3は、コンベヤーシステム1の部分横断面図であり軸ピン81を示す。軸ピン81はハブ82のハブ収容部821に収容される軸ピン部812を有することがわかる。図示の好ましい実施形態において、軸ピン部812は実質的に円筒体として形成され、やはり円筒形孔として形成されるハブ82のハブ収容部821に挿入される。ここで、ハブ収容部821と軸ピン部812の許容範囲は、軽い圧入の場合として測られる。軸ピン81をハブ82内に安定して嵌め込むため、膨張部材83を軸ピン81の軸端811に備え、これにより軸ピン81とコンベヤーローラ2との間の解除可能結合を確保する。
図4は、コンベヤーローラ2の横断面を示す。
図4は、断面部を有する二つの軸受カップ6とベアリングローラ2を有するコンベヤー
システム1の組立体を示し、又コンベヤーローラ2の横断面図である。
図4に示すように、ハブ82、コンベヤーローラ2のコンベヤーローラシェル、及びハブ82とコンベヤーローラとの間の結合ウェブは一体に形成されている。このようなコンベヤーローラ2の製造は、例えば連続鋳造法によって行われる。コンベヤーローラ2の好ましい材料はアルミニウム又はアルミニウム合金である。コンベヤーローラ2は部品数点による組立体等他の形状で製造してもよい。連続鋳造法により製造されたコンベヤーローラ2はコンベヤーローラ2全体の長さに亘って実質的に同じ横断面を有する。コンベヤーローラ2の好ましい形状である冠形状は、加工工程においてコンベヤーローラ2のシェル表面を折り曲げることにより作成されることが好ましい。
コンベヤーローラ2の冠形状は、コンベヤーローラ2に向きを変えられ支持されたコンベヤーベルトが中央に載置されコンベヤーローラから外れないと共に軸方向中央からも外れないという効果を有する。コンベヤーローラ2を回転可能に支持する二つの軸受カップ6を有する実施形態において、コンベヤーローラ2の冠形状は更に、コンベヤーベルト5のエッジ部に応力が実質的にかからないという効果を有する。
図3に示すように、軸受カップ6はコンベヤーローラ2の隣接するローラ端部4よりわずかに小さい直径を有する。この構成により、コンベヤーローラ2の冠形状に加えて更に、コンベヤーベルト5と軸受カップ6との間の摩擦が軽減されるという効果が発揮される。
特に好ましい実施形態によると、少なくともコンベヤーベルト5の巻回角度における軸受カップ6は滑らかな表面を有し、いかなる好ましくない摩擦も更に軽減されるように構成されている。軸受カップ6が少なくともこの領域に備えられている凹凸高さはRa6.3に設定されるのが好ましい。
又、図3に示すように、軸ピン81は膨張部材83の反対側に軸受部813を備え、これも又円筒形状を有しベアリング61の内部リング62に適合する直径を有する。ここで、軸受部813は、コンベヤーローラ2の片方の固定ベアリングとして、又コンベヤーローラ2のもう片方の弛緩ベアリングとして形成されるのが好ましい。
図5は膨張部材83を取り付けた軸ピン81の投影図である。
同図より明らかなように、軸回転係止部814は軸ピン81上に設けられ、好ましい実施形態によると、フェザーキーが挿入される軸ピン81内のキー溝により形成される。本実施形態によると、ベアリング813と軸部815との間により大きい直径を有するカラー(環状部品)が設けられ両方向への動きを止める役割を果たしている。
軸ピン81とハブ82との間の圧入を達成するためにフェザーキーに代わるものであってもよい。ハブ82と軸ピン81との間の回転係止を確保するものであれば他の実施形態でもよい。特に、非駆動コンベヤーローラ2又は小さいトルクを伝達するだけでよいコンベヤーローラの場合、軽い圧入で十分であり、これは軸ピン81とアルミニウム合金よりなるハブ82との間で達成される。
膨張部材83は軸ピン81の軸端811に形成される。本実施形態において、膨張部材83は軸ピン81にリベット打ちされる。膨張部材83を軸ピン上に取り付ける方法は、ネジ止め、溶接等でもよい。
図6aは図5にも示す膨張部材83の断面投影図である。
図6aに示すように、膨張部材83の基本形状は実質的にプレートの形状に相当し、プレートのエッジが円錐形状を有する。膨張部材83の中心に穴が設けられ、リベット又はネジをこの穴に通して取り付けが達成される。
図示の実施形態において、膨張部材83は穴の周囲の閉リングとして形成され、この穴から指状の延伸部33が半径方向外側へ延びている。言い換えれば、膨張部83の外周部831から溝832が内側へ向かって延び、外周部を再分割している。溝832は図示の実施形態に示すようにV字型形状を有し、内側に向かって実質的に放射状に延びる。又、他の実施形態として、リングが実質的にジグザグ形状を有するように溝が交互に又は追加されて内側から外側へ延びていてもよい。更にリングは閉リングとしてではなく、一箇所で完全に遮断される二つの開端部を有するリングとして構成されてもよい。
又、図示の実施形態において、溝832は外周部831から実質的に延び、プレートエッジと平面状プレートの表面との間に内側に向かって折り畳まれる。又、溝は更に膨張部材83の中心に延びてもよいし、短くしてもよい。
図6bは図6aの詳細を示す。
同図において、指状延伸部833を破線で示す。ここで指は膨張部材83の平面形状に弛緩状態(仮想平面形状)で形成されていると思われる。この弛緩状態から、指状延伸部833は斜線領域として図6bに示すように、応力のかかった位置へ角度aだけ変位することができる。板状膨張部材83の実施形態において、弛緩位置は図示の2地点の間であると思われる。いずれの場合においても、弛緩状態にある膨張部材83はハブ82の内周部の直径に相当する直径Dを有することがわかる。このような直径Dは、例えば31.3mmの範囲である。更に、弛緩状態にある膨張部材83は直径Dより大きい直径を有する。このような直径Dは例えば31.7mmの範囲である。
軸ピン81がハブ82に挿入されると、指状延伸部833は変位しハブ82の内周部と密着する。膨張部材83の外周部831とハブ82の内周部との間の摩擦より摩擦力が生じ、もし軸ピン81がハブ82から引き抜かれると、指状延伸部833は弛緩位置へ押圧される。この摩擦力の生成と同時に、外周部831とハブ82の内周部との間の圧力が増す。というのは、弛緩位置への逆変位は直径の増加と同時に起こるからである。この構成により、外周部831とハブ82の内周部との間の摩擦力は軸ピン81にかかる応力より常に大きいという好ましい状況が保証される。
以上の効果は外周部831に鋭いエッジを付与することにより補強され、特にもし膨張部材83の材料がハブ82の材料より硬い場合、外周部831はハブ82の内周部を貫通する。これにより、摩擦による係合に加えて、インターロック係合が達成され、軸ピン81のハブ82に対する強固な固着を達成することができる。
1 コンベヤーシステム
2 コンベヤーローラ
3 ローラ中央部
4 ローラ端部
5 コンベヤーベルト
6 軸受カップ
61 ベアリング
62 ベアリング内部リング
7 隙間
8 シャフトハブ組立体
81 軸ピン
811 軸端
812 軸ピン部(812)(ハブ内に収容)
813 軸受部
814 軸回転係止部
815 軸部
82 ハブ
821 ハブ収容部
83 膨張部材
831 外周部
832 溝
833 指状延伸部
弛緩状態における膨張部材の外周直径
膨張部材の領域におけるハブの内周直径
a 膨張部材間の変位角

Claims (18)

  1. 軸ピン(81)、弾性変形可能な膨張部材(83)、及びハブ(82)を備えるシャフトハブ組立体(8)であって、軸ピン(81)は、ハブ(82)に形成された軸ピン(81)がハブ(82)に対して半径方向に固定されるように、対応するハブ(82)のハブ部の横断面に実質的に相当する軸横断面を有する軸部(815)を備え、軸ピン(81)は軸回転係止部(814)を有し、ハブ(82)はハブ回転係止部を有し、当該軸回転係止部(814)とハブ回転係止部は、ハブ(82)内に形成された軸ピン(81)がハブ(82)に対する周方向回転を抑止して固定されるように構成され、膨張部材(83)は軸ピン(81)上に配置されると共に外周部(831)を有し又、この外周部(831)が膨張部材(83)の弛緩した状態の時、対応するハブ(82)の内周部の内周直径より大きい外周直径を有するように構成され、軸ピン(81)がハブ(82)内に配置されるとき、膨張部材(83)は弾性的に変形し膨張部材(83)の外周部(831)が膨張部材(83)の弛緩位置から軸ピン(81)の軸方向に変位し、更に膨張部材(83)の外周部の軸方向変位に伴って膨張部材(83)の外周部の外周直径が縮小され、膨張部材(83)の縮小した外周直径は密着するハブ(82)の内周部の直径に相当することを特徴とするシャフトハブ組立体(8)。
  2. 請求項1に記載のシャフトハブ組立体(8)であって、膨張部材(83)と、対応するハブ(82)の内周部は、膨張部材(83)と内周部との間の摩擦係数により、及びその軸端に膨張部材(83)の外周部(831)が形成される膨張部材(83)の変位領域と膨張部材(83)の内周部との間の変位角(a)により、膨張部材(83)自身の係止効果がハブ(82)内に生成されるように構成されることを特徴とするシャフトハブ組立体(8)。
  3. 請求項1又は2に記載のシャフトハブ組立体(8)であって、膨張部材(83)がディスク又は閉リングとして構成され、膨張部材(83)は周方向に相互に間隔をあけた溝(832)を備え、溝は外周部(831)から内側へ実質的に放射状に延び、外周部(831)は複数の指状延伸部(833)の端部より形成され、溝(832)により周方向にお互い分離されていることを特徴とするシャフトハブ組立体(8)。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のシャフトハブ組立体(8)であって、膨張部材(83)は軸ピン(81)上に、好ましくは軸ピン(81)の軸端(811)上に配置され、及び/又はリベット止め、溶接、ネジ止め、又は他の取り付け方法により軸ピン(81)上に固定されることを特徴とするシャフトハブ組立体(8)。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のシャフトハブ組立体(8)であって、ハブ(82)に収容される軸ピン(81)の軸ピン部(812)は実質的に円筒形状を有し、軸ピン部(812)の直径と、対応するハブ(82)の収容部の直径は、H7−g8又はH7−p8嵌めを含む滑り嵌め、軽い圧入、又は圧入により嵌合することを特徴とするシャフトハブ組立体(8)。
  6. ハブ(82)の直径は軸ピン(81)の挿入長さ全体に亘って実質的に同じであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシャフトハブ組立体(8)。
  7. 軸ピン(81)とハブ(82)との間の回転係止部がインターロック係合部として構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシャフトハブ組立体(8)。
  8. 膨張部材(83)が鋼鉄からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のシャフトハブ組立体(8)。
  9. ハブ(82)がアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のシャフトハブ組立体(8)。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のシャフトハブ組立体(8)を備えるコンベヤーシステム(1)用コンベヤーローラ(2)。
  11. 請求項10に記載のコンベヤーローラ(2)を備えるコンベヤーシステム(1)。
  12. コンベヤーシステム(1)がベルトコンベヤーシステムとして構成され、コンベヤーローラ(2)に少なくとも部分的に巻回されたコンベヤーベルトを備えることを特徴とする請求項11に記載のコンベヤーシステム(1)。
  13. 請求項12に記載のコンベヤーシステム(1)であって、コンベヤーローラ(2)が、少なくともコンベヤーベルト(5)の巻回方向において、コンベヤーローラ(2)の軸端部におけるコンベヤーローラ(2)の半径に略等しいか又はこの半径より僅かに小さい半径を有する軸受カップ(6)の少なくとも一方に支持され、又コンベヤーベルト(5)がコンベヤーローラ(2)の長さより軸方向において広く、更にコンベヤーローラ(2)と軸受カップ(6)の間の隙間(7)がコンベヤーベルト(5)によって塞がれるようにコンベヤーベルト(5)がコンベヤーローラ(2)上に配置されることを特徴とするコンベヤーシステム(1)。
  14. 請求項13に記載のコンベンヤーシステム(1)であって、軸受カップ(6)は、軸端におけるコンベヤーローラ(2)の半径より巻回方向に0.3mm〜2.5mm小さい半径を有することを特徴とするコンベヤーシステム(1)。
  15. 軸受カップ(6)は、巻回方向に例えばRa3.2又はRa6.3の凹凸深さを有することを特徴とする請求項13又は14に記載のコンベヤーシステム(1)。
  16. 請求項13〜15のいずれかに記載のコンベヤーシステム(1)であって、コンベヤーローラ(2)は冠形状を有し、ここでコンベヤーローラ(2)の中心部(3)におけるローラの中心直径は、ローラ端部(4)におけるコンベヤーローラ(2)端部の直径より1mm〜2mm、より好ましくは約1.5mm大きいことを特徴とするコンベヤーシステム(1)。
  17. 請求項13〜16のいずれかに記載のコンベヤーシステム(1)であって、コンベヤーローラを回転可能に支持する少なくとも1つの軸受(61)は軸受カップ(6)に収容されることを特徴とするコンベヤーシステム(1)。
  18. 請求項17に記載のコンベヤーシステム(1)であって、膨張部材(83)と軸方向に反対側の軸ピン(81)は、コンベヤーローラ(2)の端部(4)から軸方向に突出する軸受部(813)を有し、この部分における転がり軸受の内部軸受リング(62)の直径に相当するベアリング直径を有することを特徴とするコンベヤーシステム(1)。
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