JP5090948B2 - プラズマcvd装置及びフッ化有機膜、シランカップリング基を有する有機膜 - Google Patents
プラズマcvd装置及びフッ化有機膜、シランカップリング基を有する有機膜 Download PDFInfo
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まず、基材101を準備し、この基材101上に図示せぬ単層又は複数の層を形成する。次いで、この単層又は複数の層の上にDLC膜102をプラズマCVD(chemical vapor deposition)法により形成する。
また、本発明の他の目的は、十分に緻密化したフッ化有機膜を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、接着力を向上させたシランカップリング基を有する有機膜を提供することにある。
真空容器と、
前記真空容器内に配置され、前記基材の電位がフロートとされ、前記基材が保持される保持電極と、
前記真空容器内に配置され、前記保持電極に保持された前記基材に対向して配置されたリング電極と、
前記リング電極に電気的に接続された高周波電源と、
を具備することを特徴とする。
前記真空容器内に配置され、前記保持電極に保持された前記基材と逆側に位置し且つ前記リング電極に対向して配置され、接地電位に接続されたプラズマウォール底面部とをさらに具備することが好ましい。
また、本発明に係るプラズマCVD装置において、前記高周波電源に電気的に接続されたコンデンサをさらに具備することも可能である。
上記フッ化有機膜によれば、プラズマによって重合させて成膜したものであるため、十分な撥水性を容易に確保できる。
前記プラズマCVD法は、前記基材を保持電極に保持し、前記保持電極の電位をフロートとし、前記基材に対向するように前記リング電極を配置し、前記リング電極に高周波電力を供給することによりプラズマを発生させて成膜するものであることが好ましい。
上記シランカップリング基を有する有機膜によれば、プラズマCVD法によって成膜したものであるため、十分な親水性を容易に確保できる。従って、接着力を向上させることができる。
前記プラズマCVD法は、前記基材を保持電極に保持し、前記保持電極の電位をフロートとし、前記基材に対向するように前記リング電極を配置し、前記リング電極に高周波電力を供給することによりプラズマを発生させて成膜するものであることが好ましい。
また、他の本発明によれば、十分に緻密化したフッ化有機膜を提供することができる。
また、他の本発明によれば、接着力を向上させたシランカップリング基を有する有機膜を提供することができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるプラズマCVD装置を模式的に示す構成図である。図2(A)は、図1に示すプラズマCVD装置の高周波電力供給部の詳細を示す図である。このプラズマCVD装置は、主にリング電極4に流れる電流により発生する磁場がプラズマに寄与するICP(誘導結合プラズマ:Inductively Coupled Plasma)方式を用いた装置であって、単量体を有する有機物原料ガスがプラズマによって重合されて基材に成膜されるものである。
また、真空容器1は真空排気系14に接続されており、この真空排気系14によって真空容器1内が真空排気される。
−(CF2CF2CF2O)m−
−(CF2CF2O)m−(CF2O)n}−
−(CF(CF3)CF2O)m−
(実験条件)
原料 : PFPE
原料ガスの流量 : 20cc/分(トルエン用マスフローコントローラーを使用)
真空容器内の圧力 : 0.5Pa
成膜時間 : 30分
(実験結果)
上記実験条件によって成膜された有機膜の膜厚は20nmであり、この有機膜の水との接触角は110°であった。従って、上記有機膜は、ステップカバレッジが良く、緻密化して十分な撥水性を有することが確認できた。
図3は、本発明の実施の形態2によるプラズマCVD装置のリング電極と高周波電力供給部を模式的に示す構成図であり、図1及び図2と同一部分には同一符合を付し、異なる部分についてのみ説明する。
本発明の実施の形態3は、図1に示すプラズマCVD装置を用いるが、実施の形態1とは異なる有機物原料を使用し、実施の形態1とは異なる膜が成膜されるものである。実施の形態3においては、実施の形態1と同一部分の説明はなるべく省略し、異なる部分についてのみ説明する。
(C4F9)3N + e− (3)
2(C4F9)3N + e− → 6C4F9 + +N2↑ + 2e− (4)
(実験条件)
原料 : PFC
原料ガスの流量 : 20cc/分(トルエン用マスフローコントローラーを使用)
真空容器内の圧力 : 0.5Pa
成膜時間 30分
(実験結果)
上記実験条件によって成膜された有機膜は平均分子量が600程度のテフロン(登録商標)に似た有機重合膜であり、その膜厚は20nmであり、この有機膜の水との接触角は110°であった。従って、上記有機膜は、耐薬品性が良く、ステップカバレッジが良く、緻密化して十分な撥水性を有することが確認できた。
本発明の実施の形態4は、図1に示すプラズマCVD装置を用いるが、実施の形態1、3とは異なる有機物原料を使用し、実施の形態1、3とは異なる膜が成膜されるものである。実施の形態4においては、実施の形態1と同一部分の説明はなるべく省略し、異なる部分についてのみ説明する。
(CH3O)3SiC3H6NH2 (4)
(実験条件)
原料 : (CH3O)3SiC3H6NH2
真空容器内の圧力 : 0.7Pa
RF出力 : 25W
成膜時間 30分
(実験結果)
上記実験条件によって成膜された有機膜は平均分子量が179.3のシランカップリング基を有する有機膜であり、その膜厚は170nmであり、この有機膜の水との接触角は65°であった。また、上記有機膜は、ステップカバレッジが良く、緻密化することができた。
2…保持電極
3…基材
4…リング電極
5…プラズマウォール側面部
6…ガス吐出口
7…プラズマウォール底面部
8…高周波電力供給部(RF)
9,15,17…高周波電源
10…共振コンデンサ
11,12…フロート電位
13a…真空手動弁
13b…ボトル
13c…ヒーター
14…真空排気系
16…コンデンサ
101…基材
102…DLC膜
103…フッ化有機膜
Claims (14)
- 単量体を有する有機物原料ガスがプラズマによって重合されて基材に成膜されるプラズマCVD装置であって、
真空容器と、
前記真空容器内に配置され、前記基材の電位がフロートとされ、前記基材が保持される保持電極と、
前記真空容器内に配置され、前記保持電極に保持された前記基材に対向して配置されたリング電極と、
前記リング電極に電気的に接続された高周波電源と、
前記真空容器内に配置され、前記保持電極に保持された前記基材の周囲を囲み且つ電位がフロートとされたプラズマウォール側面部と、
前記真空容器内に配置され、前記保持電極に保持された前記基材と逆側に位置し且つ前記リング電極に対向して配置され、接地電位に接続されたプラズマウォール底面部と、
を具備することを特徴とするプラズマCVD装置。 - 請求項1において、前記高周波電源に電気的に接続されたコンデンサをさらに具備することを特徴とするプラズマCVD装置。
- 請求項1又は2において、前記高周波電源のパワーが200W以下であり、前記高周波電源の電圧VDCが100V以下であることを特徴とするプラズマCVD装置。
- 請求項1乃至3のいずれか一項において、前記保持電極に保持された前記基材と前記電極との間隔は200mm以上であることを特徴とするプラズマCVD装置。
- 請求項1乃至4のいずれか一項において、前記有機物原料ガスは、その分子端の少なくとも一つがCF3、CH3及びOHのいずれかによって結合されていることを特徴とするプラズマCVD装置。
- 請求項1乃至5のいずれか一項において、前記有機物原料ガスは、その分子中に酸化フルオロカーボンが重合していることを特徴とするプラズマCVD装置。
- 請求項5又は6において、前記基材には、固体潤滑剤として機能し、且つ水との接触角が100°以上の撥水性を有するフッ化有機膜が成膜されることを特徴とするプラズマCVD装置。
- 請求項1乃至4のいずれか一項において、前記有機物原料ガスは、飽和フルオロカーボンで結合の手が満たされた窒素化合物を有するものであり、前記基材には、水との接触角が100°以上の撥水性を有するフッ化有機膜が成膜されることを特徴とするプラズマCVD装置。
- プラズマCVD装置を用いることにより単量体を有する有機物原料ガスがプラズマによって重合されて基材に成膜されたフッ化有機膜の製造方法であって、
前記プラズマCVD装置は、
真空容器と、
前記真空容器内に配置され、前記基材の電位がフロートとされ、前記基材が保持される保持電極と、
前記真空容器内に配置され、前記保持電極に保持された前記基材に対向して配置されたリング電極と、
前記リング電極に電気的に接続された高周波電源と、
前記真空容器内に配置され、前記保持電極に保持された前記基材の周囲を囲み且つ電位がフロートとされたプラズマウォール側面部と、
前記真空容器内に配置され、前記保持電極に保持された前記基材と逆側に位置し且つ前記リング電極に対向して配置され、接地電位に接続されたプラズマウォール底面部と、を具備し、
前記フッ化有機膜は水との接触角が100°以上の撥水性を有することを特徴とするフッ化有機膜の製造方法。 - 請求項9において、前記フッ化有機膜は、固体潤滑剤として機能するものであり、前記有機物原料ガスは、その分子端の少なくとも一つがCF3、CH3及びOHのいずれかによって結合されていることを特徴とするフッ化有機膜の製造方法。
- 請求項9又は10において、前記有機物原料ガスは、その分子中に酸化フルオロカーボンが重合していることを特徴とするフッ化有機膜の製造方法。
- 請求項9において、前記有機物原料ガスは、飽和フルオロカーボンで結合の手が満たされた窒素化合物を有することを特徴とするフッ化有機膜の製造方法。
- プラズマCVD装置を用いることによりシランカップリング剤が基材に成膜されたシランカップリング基を有する有機膜の製造方法であって、
前記プラズマCVD装置は、
真空容器と、
前記真空容器内に配置され、前記基材の電位がフロートとされ、前記基材が保持される保持電極と、
前記真空容器内に配置され、前記保持電極に保持された前記基材に対向して配置されたリング電極と、
前記リング電極に電気的に接続された高周波電源と、
前記真空容器内に配置され、前記保持電極に保持された前記基材の周囲を囲み且つ電位がフロートとされたプラズマウォール側面部と、
前記真空容器内に配置され、前記保持電極に保持された前記基材と逆側に位置し且つ前記リング電極に対向して配置され、接地電位に接続されたプラズマウォール底面部と、を具備し、
前記有機膜は水との接触角が65°以下の親水性を有することを特徴とするシランカップリング基を有する有機膜の製造方法。 - 請求項13において、前記シランカップリング剤は、(CH3O)3SiC3H6NH2であることを特徴とするシランカップリング基を有する有機膜の製造方法。
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JP2008024685A JP5090948B2 (ja) | 2008-02-05 | 2008-02-05 | プラズマcvd装置及びフッ化有機膜、シランカップリング基を有する有機膜 |
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