(シリンダ装置)
図1は、本発明の実施形態に係るシリンダ装置1の構成を示す図である。なお、図1において、パッキン等のシール部材の図示は省略されている。
シリンダ装置1は、主シリンダ3と、主シリンダ3と連結された増圧シリンダ5とを有している。
主シリンダ3は、主シリンダチューブ7と、主シリンダチューブ7内を摺動可能な小径ピストン9及び大径ピストン10と、小径ピストン9に固定されたロッド11とを有している。
主シリンダチューブ7は、主小径室81と、主小径室81に連通し、主小径室81よりも大径な主大径室83とを有している。小径ピストン9は、主小径室81内を摺動可能であり、主小径室81内部を主大径室83に連通するロッド側室15とその反対側のヘッド側室13とに区画している。ロッド11は、小径ピストン9から主大径室83側へ延びて主シリンダチューブ7外へ延出している。ロッド11の主シリンダチューブ7外の部分には、後述する応用例において説明するように、トグル機構、中子、押出部材等の駆動対象が連結される。なお、小径ピストン9とロッド11とは一体的に形成されていてもよい。
大径ピストン10は、主大径室83内を摺動可能であり、主大径室83内部を主小径室81に連通する主第1区画室85(ただし、図1では、大径ピストン10が主大径室83の最も主小径室81側に位置し、主第1区画室85が形成されていない状態を例示している。)と、その反対側の主第2区画室87とに区画している。大径ピストン10には、ロッド11が摺動可能に挿入される孔部が形成されている。
大径ピストン10は、小径ピストン9が主大径室83側の所定範囲に位置しているときに小径ピストン9に係合可能に構成されている。例えば、図1の状態において、小径ピストン9が図1の紙面右側へ移動して主大径室83に到達すると、小径ピストン9は大径ピストン10に当接する。その後、更に小径ピストン9を図1の紙面右側へ移動させると、小径ピストン9は、大径ピストン10を大径ピストン10の図1の紙面右側の可動限まで押し出す。
すなわち、小径ピストン9及び大径ピストン10は、小径ピストン9が、主大径室83に到達する位置から大径ピストン10の可動量だけ主大径室83に突出した位置までの範囲に位置するときに、互いに係合可能に構成されている。
そして、小径ピストン9と大径ピストン10とが互いに係合している状態で、主小径室81のヘッド側室13に作動油を供給すると、小径ピストン9及び大径ピストン10は、共にロッド側(図1の紙面右側)へ移動する。また、小径ピストン9と大径ピストン10とが互いに係合している状態で、主大径室83の主第2区画室87に作動油を供給すると、小径ピストン9及び大径ピストン10は、共にヘッド側(図1の紙面左側)へ移動する。
ロッド側への移動の際には、小径なヘッド側室13に作動油が供給されることから、比較的高速で移動が行われる。ヘッド側への移動の際には、大径な主第2区画室87に作動油が供給されることから、比較的低速で移動が行われるが、大きな力が得られる。具体的には、例えば、主小径室81及び主大径室83の断面形状が円形であり、それぞれの直径がD1、D2であるとすると、ヘッド側への力(押出力)は、ロッド側への力(引込力)に対して、(D2/D1)2倍の大きさになる。そして、D2/D1を適宜に設定することにより、任意の増力が得られる。
なお、主シリンダチューブ7には、小径ピストン9及び大径ピストン10が共に移動するときに、主第1区画室85の作動油をタンクへ排出したり、タンクの作動油を主第1区画室85の背圧により主第1区画室85に供給したりするための第3ポート44が設けられている。第3ポート44とタンクとは、切換弁68により接続又は非接続とされる。切換弁68は、例えば、2ポート2位置のソレノイドバルブにより構成されている。なお、タンクは、後述するタンク61と共通化されていてもよいし、共通化されていなくてもよい。
大径ピストン10には、主小径室81のロッド側室15と主大径室83の主第2区画室87とを連通する主連通孔89が形成されている。主連通孔89は、小径ピストン9と大径ピストン10とが係合したときに、小径ピストン9により閉塞されるように構成されている。
従って、図1のように、小径ピストン9と大径ピストン10とが離間している状態において、主小径室81のヘッド側室13に作動油を供給すると、小径ピストン9がロッド11側へ移動するとともに、ロッド側室15の作動油が、主連通孔89、主第2区画室87及び第4ポート46を介して主シリンダ3から排出される。また、小径ピストン9と大径ピストン10とが離間している状態において、第4ポート46から主第2区画室87に作動油を供給すると、作動油が主連通孔89を介してロッド側室15に供給され、小径ピストン9がヘッド側へ移動するとともに、ヘッド側室13の作動油が増圧シリンダ5へ排出される。
増圧シリンダ5は、ヘッド側室13に連通する増圧シリンダチューブ17と、増圧シリンダチューブ17内を摺動可能な増圧ピストン19とを有している。
増圧シリンダチューブ17内には、ヘッド側室13に連通する増圧小径室21と、増圧小径室21に連通し、増圧小径室21よりも大径な増圧大径室23とが形成されている。増圧ピストン19は、増圧小径室21内を摺動可能な小径部25と、増圧大径室23内を摺動可能な大径部27とを有している。大径部27は、増圧大径室23を増圧小径室21側の増圧第1区画室29とその反対側の増圧第2区画室31とに区画している。
上記のような構成により、増圧シリンダ5は、増圧第2区画室31の圧力よりも高い圧力を増圧小径室21に生じさせ、ヘッド側室13を増圧することができる。具体的には、増圧シリンダ5の断面形状が円形であり、増圧大径室23の直径をd1、増圧小径室21の直径をd2とすると、増圧シリンダ5は、増圧第2区画室31の圧力の(d1/d2)2倍の圧力を増圧小径室21に生じさせることができる。そして、d1/d2を適宜に設定することにより、任意の増圧比が得られる。
主シリンダチューブ7のヘッド側室13と、増圧シリンダチューブ17の増圧小径室21とは、例えば、連結部材33により連通されている。連結部材33は、例えば、金属等の剛体により構成され、主シリンダチューブ7や増圧シリンダチューブ17に対して固定されている。連結部材33は、例えば、主シリンダチューブ7のヘッド側の端面を構成する部材に対して固定されている。
なお、連結部材33は、一部又は全部を可撓性を有する部材により構成することも可能である。また、本実施形態では、連結部材33の流路が主シリンダチューブ7や増圧シリンダチューブ17の端面においてこれらの内部に連通している場合を例示しているが、連結部材33の流路は、主シリンダチューブ7や増圧シリンダチューブ17の側面においてこれらの内部に連通していてもよい。連結部材33は主シリンダチューブ7のヘッド側の端面を構成してもよい。
増圧シリンダ5は、シリンダ装置1の油圧回路のシンプル化等のために、増圧シリンダ5に供給された作動油を主シリンダ3に供給可能に、且つ、主シリンダ3から排出された作動油を増圧シリンダ5から排出可能に構成されている。換言すれば、主シリンダ3への作動油の供給及び主シリンダ3からの作動油の排出を制御する弁としての機能を有するように構成されている。具体的には以下のとおりである。
増圧ピストン19には、小径部25及び大径部27を貫通し、増圧小径室21と増圧第2区画室31とを連通する増圧連通孔35が形成されている。また、増圧シリンダ5は、増圧連通孔35を開閉する弁体37を有している。従って、弁体37を開状態とすることにより、増圧第2区画室31は、増圧連通孔35、増圧小径室21及び連結部材33の流路を介して、主シリンダ3のヘッド側室13と連通される。そして、第2ポート45から増圧第2区画室31への作動油の供給により、主シリンダ3のヘッド側室13への作動油の供給が可能となり、増圧第2区画室31から第2ポート45への作動油の排出により、主シリンダ3のヘッド側室13からの作動油の排出が可能となる。また、弁体37を閉状態とすることにより、第2ポート45から増圧第2区画室31に供給された作動油の主シリンダ3への流出が阻止され、増圧シリンダ5による主シリンダ3の増圧が可能となる。
増圧連通孔35は、増圧ピストン19の増圧シリンダチューブ17に対する摺動方向に延びている。弁体37は、増圧ピストン19の増圧シリンダチューブ17に対する摺動方向において、増圧ピストン19に対して摺動可能に増圧連通孔35に挿入されている。弁体37は、増圧ピストン19に対して増圧第2区画室31側へ移動したときに増圧連通孔35を閉じ、増圧ピストン19に対して増圧小径室21側へ移動したときに増圧連通孔35を開くように構成されている。
弁体37は、増圧連通孔35内に配置されたバネ39により、増圧第2区画室31側に付勢されている。また、弁体37は、増圧第2区画室31内に突出し、増圧シリンダチューブ17の端面に当接可能な突部41を有している。
従って、第1ポート43を介して増圧第1区画室29に作動油が供給され、第2ポート45を介して増圧第2区画室31から作動油が排出されると、増圧ピストン19が増圧第2区画室31側へ移動し、突部41を介して増圧シリンダチューブ17の端面に支持された弁体37が増圧ピストン19に対して相対的に増圧第1区画室29側へ移動し、弁体37は開状態となる。また、第2ポート45を介して増圧第2区画室31に作動油が供給され、第1ポート43を介して増圧第1区画室29から作動油が排出されると、増圧ピストン19が増圧第1区画室29側へ移動し、バネ39に付勢された弁体37が増圧ピストン19に対して相対的に増圧第2区画室31側へ移動し、弁体37は閉状態となる。なお、弁体37の閉状態において、突部41は、増圧シリンダチューブ17の端面から離間する。
シリンダ装置1は、主シリンダ3や増圧シリンダ5に作動油を供給する油圧源としてのポンプ47と、ポンプ47を駆動するモータ49とを有している。
なお、以下では、主シリンダ3に直接的に(増圧シリンダ5を介さずに)作動油の供給を行うなど、主シリンダ3に係る構成と、増圧シリンダ5に作動油の供給を行うなど、増圧シリンダ5に係る構成とが、同様の構成又は対応する構成である場合に、主シリンダ3に係る構成に、「主側」の語を付すとともに、符号に付加記号Rを付し、増圧シリンダ5に係る構成に、「増圧側」の語を付すとともに、符号に付加記号Hを付したり、逆に、「主側」、「増圧側」の語やR、Hを省略することがある。
ポンプ47は、いわゆる双方向回転ポンプにより構成されており、主シリンダ3の主第2区画室87に連通する主側ポート51R、及び、増圧シリンダ5の増圧第2区画室31に連通する増圧側ポート51Hを有している。
ポンプ47は、アキシャル式又はラジアル式のピストンポンプ、歯車ポンプ、ベーンポンプ等の適宜なポンプにより構成されてよい。ポンプ47は、特に図示しないが、主側ポート51R及び増圧側ポート51Hが形成されたケーシングと、ケーシング内に配置されたロータ又はピストンを有している。ポンプ47に回転力が入力されると、ポンプ47は、その回転力により駆動されるロータ又はピストンの作用により、主側ポート51R及び増圧側ポート51Hの一方から作動油をケーシング内に吸入し、吸入した作動油を主側ポート51R及び増圧側ポート51Hの他方からケーシング外に吐出する。
主側ポート51R及び増圧側ポート51Hのいずれが吸入口又は吐出口となるかは、ポンプ47に入力される回転力の方向により決定される。すなわち、ポンプ47に一方向の回転力が入力されたときは、主側ポート51Rが吸入口に、増圧側ポート51Hが吐出口になり、ポンプ47に他方向の回転力が入力されたときは、増圧側ポート51Hが吸入口に、主側ポート51Rが吐出口になる。
モータ49は、直流モータでも交流モータでもよい。また、モータ49は、誘導モータや同期モータ等の適宜なモータにより構成されてよい。モータ49は、モータ49が直流モータである場合にはモータ49に印加される電圧の正負が切り換えられることにより回転方向が切り換えられ、モータ49が交流モータである場合には印加される電圧の正相・逆相が切り換えられることにより回転方向が切り換えられる。モータ49は、回転方向の切り換えにより主側ポート51R及び増圧側ポート51Hの間で吸入口と吐出口とを切り換え可能である。
モータ49は、例えば、サーボモータとして構成されており、モータ49の回転を検出するエンコーダ53及びモータ49に電力を供給するサーボアンプ55と共にサーボ機構を構成している。エンコーダ53は、例えば、モータ49の回転に同期してパルス信号を出力する。サーボアンプ55は、例えば、エンコーダ53からのパルス信号を計数してモータ49の回転数(回転速度)を検出する。そして、サーボアンプ55は、後述する制御部73からサーボアンプ55に入力された制御信号とエンコーダ53の検出結果との偏差に基づいて、モータ49の回転が入力された制御信号に追従するようにフィードバック制御を行う。
シリンダ装置1において、主シリンダ3の第4ポート46及び増圧シリンダ5の第2ポート45の一方に作動油を供給し、他方から作動油を排出しているとき、その供給量と排出量とは互いに異なる。これは、例えば、ヘッド側室13とロッド側室15とでは、作動油を収容可能な容積の断面積がロッド11の断面積分互いに異なること等に起因する。そこで、シリンダ装置1は、第4ポート46及び第2ポート45の供給量及び排出量における過不足分を補償するための自給弁回路を有している。具体的には以下のとおりである。
ポンプ47の主側ポート51Rと主シリンダ3の第4ポート46とは、主側接続流路57Rにより接続されている。ポンプ47の増圧側ポート51Hと増圧シリンダ5の第2ポート45とは、増圧側接続流路57Hにより接続されている。主側接続流路57Rと増圧側接続流路57Hとは、中間流路59により接続されている。なお、これらの流路は、可撓性の部材により構成されてもよいし、剛体の部材により構成されてもよい。
中間流路59の中途には、作動油を貯蓄可能なタンク61が接続されている。また、中間流路において、主側接続流路57Rとタンク61との間には主側逆止弁63Rが設けられている。中間流路において、増圧側接続流路57Hとタンク61との間には増圧側逆止弁63Hが設けられている。逆止弁63は、いわゆるパイロット式の逆止弁であり、パイロット圧力が導入されることにより開状態となるものである。
主側逆止弁63Rは、パイロット圧力が導入されていないときは、主側接続流路57Rからタンク61への流れを阻止するとともにタンク61から主側接続流路57Rへの流れを許容するように設けられている。また、パイロット圧力として増圧側接続流路57Hの圧力が導入されている。
増圧側逆止弁63Hは、パイロット圧力が導入されていないときは、増圧側接続流路57Hからタンク61への流れを阻止するとともにタンク61から増圧側接続流路57Hへの流れを許容するように設けられている。また、パイロット圧力として主側接続流路57Rの圧力が導入されている。
なお、図1では、主側逆止弁63Rのパイロット圧力の導入のための流路が増圧側接続流路57Hに接続されている場合を例示しているが、増圧側接続流路57Hの圧力の導入は、パイロット圧力の導入のための流路を、中間流路59のうち増圧側逆止弁63Hよりも増圧側接続流路57H側の部分に接続すること等によっても可能である。同様に、増圧側逆止弁63Hへの主側接続流路57Rの圧力の導入は、適宜な位置から行われてよい。
以上の自給弁回路(中間流路59、タンク61、主側逆止弁63R及び増圧側逆止弁63H)は、以下のように動作する。
ポンプ47が、主側ポート51Rから作動油を吸入し、増圧側ポート51Hから作動油を吐出しているとき、増圧側逆止弁63Hは、増圧側接続流路57Hからタンク61への流れを阻止する。一方、主側逆止弁63Rは、増圧側接続流路57Hから導入されるパイロット圧力により開状態となる。従って、第4ポート46から排出される油量が、第2ポート45へ供給される油量よりも少ない場合には、すなわち、作動油が不足する場合には、負圧によりタンク61の作動油が、主側逆止弁63Rを介して、主側接続流路57R経由で主側ポート51Rに供給され、不足分が補償される。また、第4ポート46から排出される油量が、第2ポート45へ供給される油量よりも多い場合には、すなわち、作動油が過剰となる場合には、主側接続流路57Rの作動油は、主側逆止弁63Rを介して、タンク61に排出される。
ポンプ47が、増圧側ポート51Hから作動油を吸入し、主側ポート51Rから作動油を吐出しているとき、主側逆止弁63Rは、主側接続流路57Rからタンク61への流れを阻止する。一方、増圧側逆止弁63Hは、主側接続流路57Rから導入されるパイロット圧力により開状態となる。従って、第2ポート45から排出される油量が、第4ポート46へ供給される油量よりも少ない場合には、すなわち、作動油が不足する場合には、負圧によりタンク61の作動油が、増圧側逆止弁63Hを介して、増圧側接続流路57H経由で増圧側ポート51Hに供給され、不足分が補償される。また、第2ポート45から排出される油量が、第4ポート46へ供給される油量よりも多い場合には、すなわち、作動油が過剰となる場合には、増圧側接続流路57Hの作動油は、増圧側逆止弁63Hを介して、タンク61に排出される。
シリンダ装置1は、油圧系を過度な圧力から保護するために、主側接続流路57Rに接続された主側安全弁65Rと、増圧側接続流路57Hに接続された増圧側安全弁65Hとを有している。安全弁65は、接続流路57の圧力が所定の設定圧力に到達すると、接続流路57の作動油を二次側(例えばタンク)に排出する。なお、安全弁65の二次側のタンクは、タンク61と共通化されていてもよいし、共通化されていなくてもよい。
シリンダ装置1は、増圧シリンダ5の増圧第1区画室29への作動油の供給及び排出を制御するために、切換弁67を有している。切換弁67は、例えば、4ポート2位置のソレノイドバルブにより構成されており、入力された制御信号に応じて、増圧第1区画室29に対して、増圧第1区画室29に作動油を供給可能なポンプ、又は、増圧第1区画室29から排出された作動油を収容可能なタンクを選択的に接続する。なお、切換弁67を介して増圧第1区画室29と接続されるポンプ及びタンクはそれぞれ、ポンプ47及びタンク61と共通化されていてもよいし、共通化されていなくてもよい。
主シリンダ3及び増圧シリンダ5の動作を制御するために、シリンダ装置1は、ロッド11の主シリンダチューブ7に対する位置を検出可能な位置検出部69と、ポンプ47から送り出される作動油の圧力を検出可能な圧力センサ71と、位置検出部69及び圧力センサ71の検出結果と所定の制御指令との偏差に基づいてモータ49等のフィードバック制御を行う制御部73とを有している。
位置検出部69は、例えば、ロッド11の延びる方向に沿ってロッド11に設けられたスケール75と、スケール75に対向配置され、スケール75の移動を検出する位置センサ77とを有するリニアエンコーダにより構成されている。
具体的には、例えば、位置検出部69が磁気式のリニアエンコーダにより構成されている場合には、スケール75は、ロッド11の長手方向に沿ってN極、S極が交互に配列されることにより構成される。位置センサ77は、例えば、MR素子やホールICを含んで構成される。また、例えば、位置検出部69が光学式のリニアエンコーダにより構成されている場合には、スケール75は、ロッド11の長手方向に沿って透過部や反射部等が配列されることにより構成される。位置センサ77は、受光素子により構成される。
スケール75は、例えば、ロッド11のうち、小径ピストン9が引込限(ヘッド側室13側の限界位置)に位置するときに主シリンダチューブ7から露出する部分から、小径ピストン9が押出限(ロッド側室15側の限界位置)に位置するときに主シリンダチューブ7から露出する部分に亘って形成されている。位置センサ77は、主シリンダチューブ7の外部、例えば、主シリンダチューブ7の端面に隣接した位置に設けられている。
圧力センサ71は、例えば、接続流路57の圧力を検出可能に設けられている。圧力センサ71は、主側接続流路57R及び増圧側接続流路57Hにそれぞれ設けられており、ポンプ47から吐出される作動油の圧力だけでなく、ポンプ47に吸入される作動油の圧力も検出可能となっている。圧力センサ71は、静電容量式圧力センサ、ピエゾ抵抗式圧力センサ、振動式圧力センサ等の適宜な圧力センサにより構成されてよい。
制御部73は、例えば、特に図示しないが、CPU、ROM、RAM、外部記憶装置等を含んで構成されている。制御指令は、不図示の操作部を介して入力されたり、他の装置からの電気信号により入力されたりするなど、制御部73外部から適宜に入力されてもよいし、予めROMや外部記憶装置に記憶されていたり、制御部73が所定のプログラムに従って生成したりするなど、制御部73内部において保持又は生成されてもよい。
制御指令には、例えば、ロッド11の位置、ロッド11の速度、ポンプ47から接続流路57へ供給される作動油の圧力等の制御変数の目標値が含まれている。制御部73は、位置センサ77からの検出結果を示す電気信号に基づいて、ロッド11の位置及び速度を特定する。また、制御部73は、圧力センサ71からの検出結果を示す電気信号に基づいて、ポンプ47から供給される作動油の圧力を特定する。そして、制御部73は、検出された制御変数が制御指令に含まれる目標値に追従するように、サーボアンプ55及び切換弁67に制御信号を出力する。
なお、上記は一例である。制御部73は、例えば、主側圧力センサ71R及び増圧側圧力センサ71Hの検出結果に基づいて特定される、主側接続流路57Rと増圧側接続流路57Hとの差圧が目標値に追従するように制御信号を出力するように構成されるなど、適宜に構成されてよい。
制御指令には、例えば、各制御変数の目標値が所定のパターンで複数含まれている。すなわち、制御指令は、所定の制御変数が目標値に到達したり、所定の時間が経過したりするなど、所定の条件が満たされたときに各制御変数の目標値が変更されるように設定されている。従って、制御部73は、所定の動作パターンでシリンダ装置1を動作させることができる。
シリンダ装置1においては、モータ49及び切換弁67の動作パターンを適宜に設定することにより、ロッド11(小径ピストン9)が適宜な位置にあるときに、適宜な大きさの押出力及び引込力並びに押出速度及び引込速度を得ることができる。
図2は、シリンダ装置1の動作の一例を示す図である。図2(a)は、シリンダ装置1における押出力及び引込力とストロークとの関係の一例を示している。図2(b)は、シリンダ装置1における押出速度及び引込速度とストロークとの関係の一例を示している。
図2に示すような押出力及び引込力並びに押出速度及び引込速度を得る場合には、シリンダ装置1は、以下のように動作する。
主シリンダ3の小径ピストン9が引込限(ヘッド側室13側の限界位置)にあるとき、大径ピストン10は主大径室83の主小径室81側の可動限(図1の位置)にあり、増圧シリンダ5の弁体37は開状態とされている。また、第3ポート44は、切換弁68により閉じられている。この状態で、ポンプ47から増圧第2区画室31に作動油が供給されると、作動油は、増圧連通孔35を介してヘッド側室13に供給される。これにより、小径ピストン9は、ロッド11側に移動する。なお、ロッド側室15の作動油は、小径ピストン9から受ける圧力及びポンプ47による背圧により主連通孔89及び主第2区画室87を介してポンプ47に吸入される。この状態の押出力は、図2(a)において実線SF1で示すように比較的小さく、押出速度は、図2(b)において実線SV1で示すように比較的速い。
位置検出部69により検出される位置が所定の位置に到達すると、切換弁67は、制御部73からの制御信号により、増圧第1区画室29と、その増圧第1区画室29の作動油を排出可能なタンクとを連通する位置に切り換えられる。その結果、増圧ピストン19は、増圧第2区画室31の作動油の圧力により増圧第1区画室29側へ移動し、弁体37は閉状態となる。そして、増圧シリンダ5は、ヘッド側室13の増圧を行う。この状態の押出力は、図2(a)において実線SF2で示すように比較的大きく、押出速度は、図2(b)において実線SV2で示すように比較的遅い。そして、小径ピストン9は、押出限(ロッド側室15側の限界位置)に到達する。
小径ピストン9は、上述のように、引込限から押出限まで移動する途中において大径ピストン10に当接し、その後は、大径ピストン10と共に押出限まで移動する。増圧シリンダ5による増圧が開始されるタイミングは、小径ピストン9が大径ピストン10に当接する前であってもよいし、当接した後であってもよいし、当接と同時であってもよい。小径ピストン9と大径ピストン10とが共にロッド側へ移動している間は、切換弁68は、主第1区画室85とタンクとを接続する位置とされ、主第1区画室85には、背圧により作動油が供給される。
なお、小径ピストン9がロッド側へ移動する場合における、小径ピストン9が大径ピストン10と共に移動することによる力や速度の変化は、増圧シリンダ5による増圧が行われることによる力や速度の変動に比較して小さいことから、図2では図示を省略している。
小径ピストン9が押出限に移動した後、小径ピストン9をロッド11側へ付勢する必要がなくなると、モータ49は停止される。
次に、小径ピストン9をヘッド側へ移動させるときには、切換弁67が制御部73からの制御信号により、増圧第1区画室29と、その増圧第1区画室29に作動油を供給可能なポンプとを連通する位置に切り換えられる。その結果、増圧ピストン19は、増圧第1区画室29の作動油の圧力により増圧第2区画室31側へ移動し、弁体37は開状態となる。なお、切換弁67の動作は、小径ピストン9が押出限へ到達した直後等の、小径ピストン9をヘッド側へ移動させる時期よりも早い時期に行われていてもよい。
この状態で、モータ49は、小径ピストン9をロッド11側へ移動させたときとは逆方向に回転駆動され、ポンプ47から主第2区画室87に作動油が供給される。これにより、大径ピストン10が、小径ピストン9と共に主小径室81側へ移動する。なお、ヘッド側室13の作動油は、小径ピストン9から受ける圧力及びポンプ47による背圧により増圧連通孔35を介してポンプ47に吸入される。主第1区画室85の作動油は、第3ポート44からタンクへ排出される。この状態の引込力は、図2(a)において点線LF2(実線SF2に重複)で示すように比較的大きく、引込速度は、図2(b)において点線LV2(実線SV2に重複)で示すように比較的遅い。
その後、大径ピストン10が主小径室81側の可動限に到達すると、切換弁68により第3ポート44は閉じられ、主連通孔89の作動油が小径ピストン9を押し出し、小径ピストン9と大径ピストン10との間に隙間(ロッド側室15)が生じ、その隙間に主第2区画室87の作動油が主連通孔89を介して流れ込む。そして、主連通孔89を介してロッド側室15に作動油が供給されることにより、小径ピストン9は、ヘッド側へ移動する。この状態の引込力は、図2(a)において点線LF1(SF1と重複)で示すように比較的小さく、引込速度は、図2(b)において点線LV1(SV1と重複)で示すように比較的速い。
その後、小径ピストン9をヘッド側へ付勢する必要がなくなると、モータ49は停止される。
小径ピストン9が引込限からロッド側へ移動しており、増圧シリンダ5による増圧が開始されておらず(図2(a)の実線SF1及び図2(b)の実線SV1)、小径ピストン9が大径ピストン10に係合していないときは、ロッド側室15の作動油を収容可能な容積の断面積が、ロッド11の断面積分、ヘッド側室13の作動油を収容可能な容積の断面積よりも小さいことから、主シリンダ3から排出される作動油が主シリンダ3に供給される作動油よりも少なく、作動油の不足が生じる。しかし、上述のように、主側逆止弁63Rを介してタンク61からポンプ47に作動油の不足分が供給される。
増圧シリンダ5による増圧の開始タイミングが、小径ピストン9が大径ピストン10に係合するよりも後に設定されており、増圧シリンダ5による増圧が開始されていない状態で小径ピストン9及び大径ピストン10が共にロッド側へ移動しているときは、主第2区画室87の断面積の方がヘッド側室13の断面積よりも大きいから、主シリンダ3から排出される作動油が主シリンダ3に供給される作動油よりも多く、作動油が過剰になる。しかし、上述のように、作動油の過剰分は主側逆止弁63Rを介してタンク61へ排出される。
増圧シリンダ5による増圧の開始タイミングが、小径ピストン9が大径ピストン10に係合するよりも前に設定されており、増圧シリンダ5による増圧が開始された状態で小径ピストン9のみがロッド側へ移動しているとき(大径ピストン10がロッド側へ移動していないとき)は、主シリンダ3においてロッド側室15から排出される作動油がヘッド側室13に供給される作動油よりも少ないことに加え、増圧小径室21からヘッド側室13に供給される作動油は、増圧第2区画室31に供給される作動油よりも少ないことから、作動油の不足が一層生じる。しかし、上述のように、主側逆止弁63Rを介してタンク61からポンプ47に作動油の不足分が供給される。
小径ピストン9が引込限からロッド側へ移動しており、増圧シリンダ5による増圧が開始されており(図2(a)の実線SF2及び図2(b)の実線SV2)、小径ピストン9及び大径ピストン10が共にロッド側へ移動しているときは、主シリンダ3に着目すると、主第2区画室87の断面積の方がヘッド側室13の断面積よりも大きいから、主第2区画室87から排出される作動油がヘッド側室13に供給される作動油よりも多く、作動油は過剰になる。一方、増圧シリンダ5に着目すると、増圧小径室21からヘッド側室13に供給される作動油は、増圧第2区画室31に供給される作動油よりも少ないことから、作動油は不足する。従って、主小径室81の直径D1、主大径室83の直径D2、増圧小径室21の直径d2、増圧大径室23の直径d1等の設定に応じて、作動油の過剰又は不足が生じることになる。しかし、いずれにせよ、上述のように、パイロット圧力が導入されて開状態となった主側逆止弁63Rを介して、タンク61により作動油の過不足は補償される。
小径ピストン9が押出限からヘッド側へ移動しており、大径ピストン10が小径ピストン9に係合しているときは(図2(a)の点線LF2及び図2(b)の点線LV2)、主第2区画室87の断面積の方がヘッド側室13の断面積よりも大きいから、主シリンダ3から排出される作動油が主シリンダ3に供給される作動油よりも少なく、作動油が不足する。しかし、上述のように、作動油の不足分は、増圧側逆止弁63Hを介してタンク61からポンプ47に供給される。
小径ピストン9のみがヘッド側へ移動しているとき(大径ピストン10が主小径室81側の可動限に到達した後)は(図2(a)の点線LF1及び図2(b)の点線LV1)、ヘッド側室13から排出される作動油がロッド側室15に供給される作動油よりも多いから、作動油は過剰になる。しかし、上述のように、作動油の過剰分は、増圧側逆止弁63Hを介してタンク61へ排出される。
以上の実施形態によれば、シリンダ装置1は、主シリンダ3と、主シリンダ3に連結された増圧シリンダ5とを有し、主シリンダ3は、ロッド11に固定された小径ピストン9と、ヘッド側に設けられた大径ピストン10とを有し、引込力を増力可能であり、増圧シリンダ5は、主シリンダ3のヘッド側に接続され、ヘッド側室を増圧して押出力を増力可能であることから、押出方向及び引込方向の両方向において増圧を行うことができる。その結果、後述するシリンダ装置1の応用例に示すように、押出方向及び引込方向の双方向において、ストローク内の所定位置においてのみ大きな力が必要な場合には、その大きな力は大径ピストン10や増圧シリンダ5の作用により得ればよいから、主小径室81を小径化することができる。その結果、使用油量の低減及びサイクルタイムの短縮が図られ、ランニングコストが低減される。
シリンダ装置1は、いわゆる双方向回転ポンプにより構成され、主第2区画室87に連通する主側ポート51Rと、増圧第2区画室31に連通する増圧側ポート51Hとを有するポンプ47と、ポンプ47を駆動し、回転方向の切り換えにより主側ポート51R及び増圧側ポート51Hの間で吸入口と吐出口とを切り換えるモータ49とを有していることから、モータ49の回転方向の切り換えにより、押出方向及び引込方向の増力等を選択的に行うことができ、制御が簡便化されるとともに、ポンプ47及びモータ49は、主大径室83及び増圧大径室23の一方に給油の必要がないときに、他方の給油に利用されることになり、各々の大径室に対応して2組のポンプ及びモータを設けて、2組のポンプ及びモータを常時回転させつつ給油を弁により制御するような場合に比較して、シリンダ装置1の省エネルギー化が図られる。
大径ピストン10には、ロッド側室15と主第2区画室87とを連通する主連通孔89が形成され、小径ピストン9は、大径ピストン10に係合したときに主連通孔89を閉塞可能に構成され、増圧ピストン19には、増圧小径室21と増圧第2区画室31とを連通する増圧連通孔35が形成され、増圧シリンダ5は、増圧連通孔35を開閉する弁体を有することから、上述のポンプ47及びモータ49は、主第2区画室87と増圧第2区画室31に対して選択的に作動油を供給するだけでなく、ヘッド側室13及びロッド側室15を加えた、4つのシリンダ室に対して選択的に作動油を供給することになる。従って、一層の制御の簡便化及び省エネルギー化が図られる。さらに、小径ピストン9の移動方向(押出方向/引込方向)の切り換えはモータ49の回転方向の切り換えにより行うことから、シリンダ装置1は、油圧系及び電気系の構成をヘッド側とロッド側とで対称の構成として簡素化しやすい。
シリンダ装置1は、自給弁回路(中間流路59、タンク61、主側逆止弁63R及び増圧側逆止弁63H)を有することから、ヘッド側室13、ロッド側室15、主第2区画室87及び増圧第2区画室31において生じる作動油の過不足を適切に補償しつつ、作動油をポンプ47に還流させることができる。その結果、使用油量の低減を図ることができるとともに、作動油の過不足の発生に影響する、主シリンダ3の主シリンダチューブ7の主小径室81の径、ロッド11の径及び主大径室83の径、並びに、増圧シリンダ5の増圧小径室21の径及び増圧大径室23の径等の設計の自由度が向上する。例えば、小径ピストン9が引込限からロッド側へ移動しており、増圧シリンダ5による増圧が開始されており(図2(a)の実線SF2及び図2(b)の実線SV2)、小径ピストン9が大径ピストン10に係合しているときは、上述のように、各部材の寸法に応じて作動油の不足が生じるか、作動油の剰余が生じるかは異なるところ、いずれが生じても自給弁回路により作動油の過不足が適切に補償されるから、自由に各部材の寸法を設定できる。
シリンダ装置1は、ロッド11の主シリンダチューブ7に対する位置を検出可能な位置検出部69と、ポンプ47から送り出される作動油の圧力を検出可能な圧力センサ71と、所定の制御指令と位置検出部69及び圧力センサ71の検出結果との偏差に基づいてモータ49のフィードバック制御を行う制御部73とを有することから、ロッド11の位置制御の精度が向上する。さらに、シリンダ装置1は、増圧シリンダ5により、押出方向の任意の位置において増圧可能であるから、位置検出部69及び圧力センサ71の検出結果に基づいて、力及び速度を所望のパターンで変化させることができる。
位置検出部69は、ロッド11の延びる方向に沿ってロッドに設けられたスケール75と、スケール75に対向配置され、スケール75の移動を検出する位置センサ77とを有することから、シリンダ装置1を有する成形機等の装置を小型化することができる。すなわち、通常は、小径ピストン9に対してロッド11とは反対側に別の部材が設けられるとともに当該部材にスケールが設けられ、シリンダ装置1のヘッド側が大型化するところ、シリンダ装置1では、ロッド11にスケールが設けられていることから、シリンダ装置1は大型化しない。また、位置センサ77は、シリンダ装置1と駆動対象との間に設けられることになるから、成形機等の装置の外部側に設けられるのではなく、成形機等の装置の内部に設けられることになる。例えば、後述するダイカストマシン101においては(図3参照)、位置センサ77は、リンクハウジング111と移動ダイプレート109との間に配置されることになり、位置センサ77がリンクハウジング111に対して移動ダイプレート109とは反対側(リンクハウジング111の図3の紙面左側)に配置される場合に比較して、ダイカストマシン101が小型化される。
(シリンダ装置の応用例1)
図3は、シリンダ装置1の応用例1に係るダイカストマシン101の概略を示す正面図である。
ダイカストマシン101は、固定金型501及び移動金型503の型開閉及び型締を行う型締装置103を有している。なお、ダイカストマシン101は、この他、固定金型501及び移動金型503により形成される不図示のキャビティに溶湯を供給する射出装置、固定金型501又は移動金型503から成形品を押し出す押出装置等を備えるが、図3では図示を省略する。
型締装置103は、ベース105と、固定金型501を保持し、ベース105上に固定された固定ダイプレート107と、移動金型503を保持し、ベース105上に型開閉方向(矢印y1で示す。図3の紙面左右方向)に移動可能に設けられた移動ダイプレート109と、移動ダイプレート109に対して固定ダイプレート107とは反対側に設けられ、ベース105上に固定されたリンクハウジング111と、リンクハウジング111に対して移動ダイプレート109を型開閉方向に駆動するトグル機構113と、移動ダイプレート109を貫通して固定ダイプレート107及びリンクハウジング111に掛架された複数のタイバー114とを有している。
シリンダ装置1は、トグル機構113に駆動力を付与するように設けられている。すなわち、シリンダ装置1は、移動ダイプレート109を駆動する駆動源として機能する。
なお、シリンダ装置1は、主シリンダ3のみを簡略化して示し、大径ピストン10や増圧シリンダ5等の図示は省略する。また、シリンダ装置1は、応用例毎に、主シリンダ3の径や増圧シリンダ5の径等の寸法が適宜に設定され、また、制御変数の目標値等の制御条件が適宜に設定されるから、厳密には、各応用例におけるシリンダ装置1は互いに同一のものではないが、図1のシリンダ装置1と、各応用例におけるシリンダ装置との対応関係の理解を容易にするために、各応用例のシリンダ装置には同一の符号を付す。
固定ダイプレート107と移動ダイプレート109とは、互いに対向すると共に、互いに対向する金型取付面に固定金型501及び移動金型503を保持している。複数のタイバー114は、型開閉方向に沿って延びると共に、両端がタイバーナット115によって固定ダイプレート107及びリンクハウジング111に固定されている。移動ダイプレート109は、複数のタイバー114に案内されて型開閉方向に移動可能である。
移動ダイプレート109が固定ダイプレート107に近接する型閉方向(図3の紙面右方向)に移動することにより、固定金型501と移動金型503とが型閉じされ、固定金型501及び移動金型503の間にキャビティが形成される。なお、図3は、型閉状態を示している。
トグル機構113は、型開閉方向に直交する互いに平行な複数の回転軸回りに駆動される複数の部材(117等)が結合して構成されている。なお、複数の回転軸は、水平方向(図3の紙面貫通方向)に延びるものでも、鉛直方向(図3の紙面上下方向)に延びるものでもよいが、図3では、水平方向に延びるものである場合を例示している。
具体的には、トグル機構113は、移動ダイプレート109に軸支された第1リンク117と、リンクハウジング111に軸支されるとともに、第1リンク117と回転可能に連結された第2リンク119と、第1リンク117及び第2リンク119の連結部において、これらに対して回転可能に連結された第3リンク121と、第3リンク121に回転可能に連結されたクロスヘッド123とを有している。
シリンダ装置1は、型閉方向にロッド11が延びるようにリンクハウジング111に対して固定されており、ロッド11にはクロスヘッド123が固定されている。ロッド11が押出方向(図3の紙面右側)に駆動されると、第3リンク121は、第1リンク117及び第2リンク119が直線に近くなるように第1リンク117及び第2リンク119を押す。これにより、移動ダイプレート109が型閉方向に移動し、型閉が行われる。また、型閉後、さらにロッド11から押出方向の力がトグル機構113に加えられることにより、型締が行われる。ロッド11が引込方向(図3の紙面左側)に駆動されると、第3リンク121は、第1リンク117及び第2リンク119が屈曲するように第1リンク117及び第2リンク119を引く。これにより、移動ダイプレート109が型開方向に移動し、型開が行われる。
なお、シリンダ装置1がトグル機構113に付与する駆動力が一定である場合、第1リンク117及び第2リンク119が直線に近づくほど、トグル機構113から移動ダイプレート109に加えられる力は大きくなり、その一方で、移動ダイプレート109の速度は低下する。
すなわち、トグル機構113は、型閉においては、比較的小さい力及び比較的速い速度で移動ダイプレート109を駆動し、型接触する直前や型締においては、比較的大きい力及び比較的遅い速度で移動ダイプレート109を駆動し、型開の初期動作においては、比較的大きい力及び比較的遅い速度で移動ダイプレート109を駆動し、初期動作後の型開においては、比較的小さい力及び比較的速い速度で移動ダイプレート109を駆動する。このトグル機構113の特性は、型締等に必要な比較的大きな力を得つつ成形サイクルを短縮する等の観点からダイカストマシン101にとって好ましい特性である。
シリンダ装置1は、例えば、図2に例示した動作パターンと同様の動作パターンで動作する。すなわち、以下のように動作する。
型閉においては、シリンダ装置1は、図2(a)の実線SF1及び図2(b)の実線SV1を参照して説明したように、増圧シリンダ5の弁体37を開状態として、モータ49をヘッド側へ作動油を供給する方向へ回転させる。これにより、ヘッド側室13に作動油が供給され、ロッド11が押出方向に移動する。そして、比較的高速で型閉が行われる。
型締においては、シリンダ装置1は、図2(a)の実線SF2及び図2(b)の実線SV2を参照して説明したように、増圧シリンダ5の弁体37を閉状態とする。これにより、増圧第2区画室31に作動油が供給され、ヘッド側室13が増圧される。そして、型閉よりも大きな力で型締が行われる。
なお、増圧シリンダ5の弁体37を開状態から閉状態とするタイミングは、型接触前に設定されてもよいし、型接触後に設定されてもよいし、型接触と同時に設定されてもよい。弁体37を開状態から閉状態とするタイミングが到来したか否かの判定は、例えば、位置検出部69の検出する位置が、所定の値に達したか否かの判定により行われる。
その後、不図示の射出装置によりキャビティに溶湯が供給される。このとき、固定金型501及び移動金型503は、大きな型締力で型締されていることから、溶湯の圧力により型開することが防止され、バリの発生等が防止される。そして、溶湯が凝固することにより、成形品が形成される。
型開の初期動作においては、シリンダ装置1は、図2(a)の点線LF2及び図2(b)の点線LV2を参照して説明したように、増圧シリンダ5の弁体37を開状態とし、モータ49を型閉及び型締時とは逆方向に回転させる。これにより、主第2区画室87に作動油が供給され、大径ピストン10に作用する油圧により、比較的大きな力で型開が行われる。
なお、型開の初期動作において比較的大きな力が必要なのは、移動ダイプレート109を移動させる力だけでなく、成形品を金型から離型する力が必要であることからである。
型開の初期動作後においては、シリンダ装置1は、図2(a)の点線LF1及び図2(b)の点線LV1を参照して説明したように、大径ピストン10が主小径室81側の可動限に到達し、主連通孔89を介してロッド側室15に作動油が供給され、小径ピストン9に作用する油圧により、ロッド11は引込方向に移動する。そして、比較的高速で型開が行われる。
以上の応用例1に係るダイカストマシン101は、シリンダ装置1を有することから、上述したシリンダ装置1の奏する効果を奏する。
図2に例示したパターンの動作をダイカストマシン101のシリンダ装置1に適用することにより、トグル機構113が無くても、トグル機構113を設けた場合のように、型締及び型開の初期動作においては大きな力を得るとともに、それ以外においては高速に移動ダイプレート109を移動させることができる。さらに、トグル機構113と、図2に例示したシリンダ装置1の動作パターンとの組み合わせにより、一層、型締及び型開の初期動作と、型閉及び型開の初期動作後の型開との間における、力と速度の変化を大きくし、好適に必要な力を得つつ成形サイクルを短縮できる。また、トグル機構113と、図2に例示したシリンダ装置1の動作パターン以外の動作パターンとの組み合わせにより、多様な制御が可能となる。
(シリンダ装置の応用例2)
図4は、シリンダ装置1の応用例2に係るダイカストマシンの一部の概略を示す正面図である。なお、図4においても、シリンダ装置1は、主シリンダ3のみを簡略化して示し、主大径室83や増圧シリンダ5等は図示を省略する。
この応用例では、シリンダ装置1は、固定金型501及び移動金型503の間に出し入れされる中子131を駆動する駆動源として機能する。具体的には、以下に例示するとおりである。
固定金型501及び移動金型503は、直彫り金型でも入れ子金型でもよいが、図4では、固定金型501及び移動金型503が入れ子金型である場合を例示しており、固定金型501は、おも型505及び入れ子507を有し、移動金型503は、おも型509及び入れ子511を有している。キャビティ513は、固定金型501、移動金型503及び中子131により形成されている。
シリンダ装置1は、移動金型503のおも型509に固定された取付ロッド133と、取付ロッド133に固定された支持板135により支持されている。主シリンダ3は、ロッド11が型開閉方向に直交する方向に延びるように配置されている。従って、ロッド11を押出方向に駆動することにより、中子131は、固定金型501及び移動金型503の間に挿入され、ロッド11を引込方向に駆動することにより、中子131は、固定金型501及び移動金型503から引き抜かれる。
シリンダ装置1は、例えば、図2に例示した動作パターンと同様の動作パターンで動作する。すなわち、以下のように動作する。
中子131の挿入においては、シリンダ装置1は、図2(a)の実線SF1及び図2(b)の実線SV1を参照して説明したように、増圧シリンダ5の弁体37を開状態として、ヘッド側に作動油を供給する方向にモータ49を回転させる。これにより、ヘッド側室13に作動油が供給され、ロッド11は押出方向に移動する。そして、比較的高速で中子131の挿入が行われる。
なお、中子131の挿入は、例えば、型締前までに行われる。また、中子131は、固定金型501及び移動金型503の適宜な位置に当接したり、大径ピストン10が主大径室83の端面に当接する押出限に位置したり、不図示のストッパにより係止されたりすることにより、挿入方向への移動が制限されて位置決めされる。
型締においては、シリンダ装置1は、図2(a)の実線SF2及び図2(b)の実線SV2を参照して説明したように、増圧シリンダ5の弁体37を閉状態とする。これにより、増圧第2区画室31に作動油が供給され、ヘッド側室13が増圧される。そして、比較的大きな力で中子131は挿入方向に付勢される。
なお、当該付勢は、溶湯がキャビティに供給される前までに行われれば、型締開始時期に対して適宜なタイミングで行われてよい。
その後、不図示の射出装置によりキャビティに溶湯が供給される。このとき、中子131は、大きな力で付勢されていることから、溶湯の圧力により引抜方向に移動することが防止され、不良品の発生が防止される。そして、溶湯が凝固することにより、成形品が形成される。
中子131の引抜の初期動作においては、シリンダ装置1は、図2(a)の点線LF2及び図2(b)の点線LV2を参照して説明したように、増圧シリンダ5の弁体37を開状態とし、中子131の挿入及び付勢時とは逆方向にモータ49を回転させる。これにより、主第2区画室87に作動油が供給され、大径ピストン10に作用する油圧により、比較的大きな力で中子131が引き抜かれる。
なお、引抜の初期動作において比較的大きな力が必要なのは、型開の初期動作と同様に、中子131を移動させる力だけでなく、中子131を成形品から引き離す力が必要であることからである。なお、中子131の引抜は、型開前に行われても型開後に行われてもよい。
中子131の引抜の初期動作後においては、シリンダ装置1は、図2(a)の点線LF1及び図2(b)の点線LV1を参照して説明したように、大径ピストン10が主小径室81側の可動限に到達し、主連通孔89を介してロッド側室15に作動油が供給され、小径ピストン9に作用する油圧により、ロッド11は引込方向に移動する。そして、比較的高速で中子131の引抜方向への移動が行われる。
以上の応用例2に係るダイカストマシンは、シリンダ装置1を有することから、上述したシリンダ装置1の奏する効果を奏する。
特に、図2に例示したパターンの動作を適用することにより、型締時の中子131の付勢動作及び中子131の引抜の初期動作においては、シリンダ装置1から大きな駆動力を得るとともに、中子131の挿入及び引抜の初期動作後においては、シリンダ装置1から高速な駆動力を得ることができる。
(シリンダ装置の応用例3)
図5は、シリンダ装置1の応用例3に係るダイカストマシンの一部の概略を示す正面図である。なお、図5においても、シリンダ装置1は、主シリンダ3のみを簡略化して示し、主大径室83や増圧シリンダ5等は図示を省略する。
この応用例では、シリンダ装置1は、金型から成形品を押し出す複数の押出ピン141を駆動するシリンダ装置として構成されている。具体的には、以下に例示するとおりである。
複数の押出ピン141は、移動金型503を型開閉方向(図5の紙面左右方向)に貫通する孔部に摺動可能に挿入されている。複数の押出ピン141は、移動ダイプレート109側において押出板143に固定されている。押出板143は、不図示のガイド軸を介して移動ダイプレート109に対して型開閉方向に移動可能に支持されている。
シリンダ装置1は、移動ダイプレート109の背後側に、主シリンダ3のロッド11が型閉方向に延びるように設けられている。ロッド11には、押出板143が固定されている。従って、ロッド11が押出方向(図5の紙面右側)に駆動されることにより、押出ピン141は移動金型503のキャビティ513を構成する面から突出し、成形品を移動金型503から押し出す。また、ロッド11が引込方向(図5の紙面左側)に駆動されることにより、押出ピン141は移動金型503の孔部内に後退する。
シリンダ装置1は、図2に例示した動作パターンとは異なる動作パターンで動作する。例えば、以下のように動作する。
キャビティ513内の溶湯が凝固して成形品が形成されると、型開が行われる。そして、ロッド11が押出方向に駆動され、成形品の押出が行われる。
押出の初期動作においては、シリンダ装置1は、引出限又はその付近において、図2(a)の実線SF2及び図2(b)の実線SV2を参照して説明した動作を行う。すなわち、増圧シリンダ5の弁体37を閉状態とし、ヘッド側に作動油を供給する方向にモータ49を回転させる。これにより、増圧第2区画室31に作動油が供給され、ヘッド側室13が増圧される。そして、比較的大きな力で押出が行われる。
なお、押出の初期動作において、比較的大きな力が必要なのは、押出ピン141及び成形品を移動させる力に加え、成形品を移動金型503から離型させる力が必要であることからである。
次に、シリンダ装置1は、図2(a)の実線SF1及び図2(b)の実線SV1を参照して説明した動作を行う。すなわち、増圧シリンダ5の弁体37を開状態とする。これにより、ヘッド側室13に作動油が供給され、ロッド11は押出方向へ移動する。そして、比較的高速で押出が行われる。
なお、増圧シリンダ5の弁体37を閉状態から開状態とするタイミングは、適宜に設定されてよい。別の観点では、押出の初期動作は、成形品を金型から引き離す動作を含めば、適宜な長さで定義されてよい。
その後、シリンダ装置1は、図2(a)の点線LF2及び図2(b)の点線LV2を参照して説明した動作を行う。すなわち、増圧シリンダ5の弁体37を開状態としたまま、押出時とは逆方向にモータ49を回転させる。これにより、主第2区画室87に作動油が供給され、大径ピストン10に作用する油圧により、ロッド11は引込方向へ移動する。そして、大径ピストン10が主小径室81側の可動限に到達すると、図2(a)の点線LF2及び図2(b)の点線LV2を参照して説明したように、小径ピストン9に作用する油圧により、ロッド11は引込方向へ比較的高速に移動し、押出ピン141は移動金型503内に退避する。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
シリンダ装置は、成形機に使用されるものに限定されない。例えば、工作機構のクランプ機構に利用されるものであってもよい。また、シリンダ装置が成形機に使用されるものである場合、シリンダ装置は、型開閉及び型締に使用されるもの、中子引抜装置に使用されるもの、押出装置に使用されるものに限定されない。例えば、シリンダ装置は、射出装置の、プランジャを駆動するシリンダ装置であってもよいし、型開閉のみを行う(型締は行わない)シリンダ装置であってもよいし、型締のみを行う(型開閉は行わない)シリンダであってもよい。
作動液は、油に限定されない。例えば、作動液は、水であってもよい。
ロッド(11)に固定され、大径ピストン(10)に係合するストッパは、小径ピストン(9)を兼ねるものに限定されない。例えば、実施形態において、小径ピストン9と大径ピストン10との間に、小径ピストン9とは別個に、ロッド11に固定されたストッパが設けられていてもよい。なお、実施形態のように小径ピストンがストッパを兼ねる場合には、構成が簡素化される等の効果がある。また、実施形態とは異なり、小径ピストンとストッパとが別個に設けられる場合には、大径ピストンのストロークが大きく、小径ピストンの主大径室(83)への突出量を大径ピストンのストロークと同等にすることが困難なときにも、大径ピストンをロッドに対して係合させることができるという効果がある。
ポンプは、双方向回転ポンプに限定されない。例えば、一方向回転ポンプを設け、切換弁により、一方向回転ポンプの吐出口及び吸入口と、主シリンダの主大径室及び増圧シリンダとの接続を切り換えるようにしてもよい。ただし、実施形態のように双方向回転ポンプを用いたほうが、構成が簡素である。
増圧ピストンに形成された連通孔を開閉する弁体(37)は、増圧ピストンの移動により開状態又は閉状態とされるものに限定されない。例えば、磁力により駆動されるものであってもよい。ただし、実施形態のように、増圧ピストンの移動により開閉されるように構成したほうが、構成が簡素である。
位置検出部は、スケールと、スケールを検出する位置センサとを含むリニアエンコーダに限定されない。例えば、位置検出部は、ロッドの進退方向にロッドと離間して設けられたレーザ式又は超音波式のセンサであって、ロッドに設けられた被測定部との距離を測定するセンサにより構成されてもよい。ただし、実施形態のように、スケールをロッドに設けるリニアエンコーダにより位置検出部を構成するほうが、装置を小型化しやすい。
シリンダ装置は、図2等に示された動作パターンで動作するものに限定されない。例えば、図2では、押出限において、押出力が大きくなるとともに押出速度が遅くなる例を示したが、例えば、押出限と引込限との中途において、押出力が大きくなるとともに押出速度が遅くなるようにしてもよい。
シリンダ装置の動作制御は、非増圧と増圧とを切り換えることによる2段制御に限定されない。例えば、モータの回転速度の変化との組み合わせにより、多段制御を行うことも可能である。また、徐々に力や速度を増減するようにスロープ制御を行うことも可能である。
図2では、非増圧時及び増圧時それぞれにおいて、押出力と引込力(押出速度と引込速度)とが同一になるように、モータの回転、主シリンダの径、増圧シリンダの径等が設定された場合を例示したが、押出力と引込力とは同一でなくてもよい。例えば、型締力(図2(a)の実線SF2)と、型開の初期動作の力(図2(a)の点線LF2)とは異なっていてもよい。
押出限、引込限は、小径ピストンや大径ピストンが主シリンダチューブの端面に当接する位置等の物理的に決定される位置であってもよいし、その物理的に決定される範囲内において任意に決定された位置であってもよい。また、シリンダ装置は、適宜にストロークが変化するように、可変ストローク制御が行われてもよい。
成形機は、ダイカストマシンに限定されない。例えば、成形機は、他の金属成形機であってもよいし、プラスチック射出成形機であってもよいし、木粉に熱可塑性樹脂等を混合させた材料を成形する成形機であってもよい。
型締装置は、トグル機構を有するものに限定されない。シリンダ装置が直接的に移動ダイプレートを駆動するものであってもよい。この場合にも、実施形態の図2に例示した動作パターンでシリンダ装置を動作させることにより、型締及び型開の初期動作において大きな力を得ることができる。
中子引抜装置は、シリンダのロッドが型開閉方向に直交する方向に駆動されるものに限定されない。いわゆる傾斜ピン式の傾斜ピンをシリンダにより駆動してもよい。また、中子は、押出部材を兼ねるものであってもよい。
押出部材は、押出ピンに限定されない。例えば、押出リングであってもよい。押出部材は、移動金型から成形品を押し出すものに限定されず、固定金型から成形品を押し出すものあってもよい。押出装置は、実施形態のようにシリンダチューブがダイプレートに、ロッドが押出部材に固定される、いわゆる押出シリンダ固定式のものに限定されず、シリンダチューブが押出部材に、ロッドがダイプレートに固定される、いわゆる押出シリンダ移動式のものであってもよい。
1…シリンダ装置、3…主シリンダ、5…増圧シリンダ、7…主シリンダチューブ、9…小径ピストン(ストッパ)、10…大径ピストン、11…ロッド、13…ヘッド側室、15…ロッド側室、17…増圧シリンダチューブ、19…増圧ピストン、21…増圧側小径室、23…増圧側大径室、25…小径部、27…大径部、29…増圧側第1区画室、31…増圧第2区画室、81…主小径室、83…主大径室、85…主第1区画室、87…主第2区画室。