JP5089942B2 - 内臓脂肪蓄積抑制剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ラクトバチラス(Lactobacillus)属乳酸菌、その中でも特にラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)の培養物及び/又は菌体を有効成分とする内臓脂肪蓄積抑制剤及び内臓脂肪蓄積抑制作用を賦与した新規な飲食品に関する。本発明の内臓脂肪蓄積抑制剤及び内臓脂肪蓄積抑制用飲食品は、摂取することにより内臓脂肪の蓄積を抑制できる。内臓脂肪の蓄積は、血栓症、インスリン抵抗性、糖代謝異常、高血圧など、将来的な循環器系疾患の発症に関連するといわれているメタボリックシンドロームの原因とされており、本発明はその予防・治療に有効である。
近年、生活習慣の欧米化に伴い、生活習慣病である糖尿病、高血圧、高脂血症、動脈硬化症といった病態を呈する人口が増加している。特に、心血管疾患と脳血管疾患による死亡は死因の約3分の1を占めており、その数が年々増加していることから、この対策は国民的な課題となっている。これら動脈硬化性疾患は、高血圧、高脂血症、耐糖能障害などのリスク因子の集積によって、発症の危険度が著しく上昇する。このリスク因子が集積した状態はメタボリックシンドロームと呼ばれ、広く認識されてきている。日本の企業労働者12万人の調査では、軽症であっても「肥満」、「高血圧」、「高血糖」、「高トリグリセリド(中性脂肪)血症」、又は「高コレステロール血症」の危険因子を1つ持つ人は心臓病の発症リスクが5倍、2つ持つ人は10倍、3〜4つ併せ持つ人では31倍にもなるといわれている。また、厚生労働省の調査では、高血圧患者数は3,900万人、高脂血症は2,200万人、糖尿病(予備軍を含め)は1,620万人、肥満症は468万人と報告されており、これらの患者は年々増加している。
メタボリックシンドロームとは、「内臓脂肪の蓄積と、それを基盤にしたインスリン抵抗性及び糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧を複数合併するマルチプルリスクファクター症候群で、動脈硬化になりやすい病態」であり、内臓脂肪の蓄積はまさしくその根本的な要因である。生体最大の分泌組織である脂肪組織は、種々の内分泌因子を産生し、生体における恒常性の維持に関わっている。しかし、内臓脂肪の過剰な蓄積は、内分泌因子の分泌バランスを崩し、種々の病態を引き起こすことが分ってきた。特に、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター(PAI-1)、腫瘍壊死因子(TNF-α)、レプチンなどの内分泌因子は、内臓脂肪の蓄積に伴って分泌量が増加し、血栓症、インスリン抵抗性、糖代謝異常、高血圧などを引き起こす。
現在、内臓脂肪減少の手段としては運動療法、食事療法、行動療法そして薬物療法が用いられている。このうち薬物療法については中枢性に食欲を抑制する薬剤が開発され、その他にもβ3アドレナリン受容体刺激薬や消化管からの脂肪吸収の抑制薬などが試みられている。しかし、これらいわゆる抗肥満薬においては内臓脂肪、なかでも、腎臓周囲の内臓脂肪減少に対する有効性は確認されておらず、腎臓周囲の内臓脂肪の減少をもたらす有効な薬物療法は確立していない。ましてや、日常の食事の形、あるいはサプリメントとして摂取することのできる食事療法は現在まで確立していない。
従来、メタボリックシンドロームの個々の病態への対策としては薬物療法も行われている。薬物療法については中枢性に食欲を抑制する薬剤、β3アドレナリン受容体刺激薬、消化管からの脂肪吸収の抑制薬などが開発されている。しかし、これらいわゆる抗肥満薬においては内臓脂肪減少に対する有効性は確認されておらず、内臓脂肪の減少をもたらす有効な薬物療法は確立していない。また、処方が必要なことや副作用を伴うことなどが問題となっている。さらに、一つの病態に対する治療を行っても、その他の病態がきっかけとなって重篤な病態へと発展することが分っており、これらの状態の上流に存在する脂肪細胞由来の内分泌因子の分泌バランスを整えることが必要となってくる。このため、内臓脂肪の蓄積に起因するメタボリックシンドロームの予防・治療には、薬物療法よりも運動療法や食事療法など日々の生活を見直すことがより重要とされている。そこで、日常的に摂取でき、長期にわたって摂取しても安全性の高い、内臓脂肪の蓄積に起因するメタボリックシンドロームの予防・治療に有効な飲食品が望まれている。
内臓脂肪蓄積防止用として、アスペルギルス・オリゼーなどのカビ培養物、ストレプトコッカス・フェカリスなどの乳酸菌培養物及び酵母を含む内臓脂肪蓄積防止用組成物又は肥満治療用組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この方法では3種をそれぞれ培養して混合するので製造が煩雑となるが、本発明は、単一菌の培養物又は菌体であり製造が容易であるという利点がある。
ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)は強い蛋白分解活性を有し、特に高い活性を有する菌体外プロティナーゼは、乳の発酵性に対して重要な働きをする。即ち、菌体外プロティナーゼは乳蛋白質を分解し各種のペプチド断片を生成する。生成されたペプチドはペプチダーゼ群の作用を受けて、さらに低分子のペプチドになる。蛋白質分解酵素群の作用により培地中に生成したペプチドの一部は、乳酸菌の菌体内へ取り込まれて、窒素源として利用されることが知られている。一方、培地中に生成したペプチドには、血圧上昇作用の原因物質であるアンギオテンシン変換酵素(Angiotensin Converting Enzyme、以下ACEと称す)に対して阻害活性を有するものが存在することが報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。ACEの酵素活性を阻害し、血圧上昇を抑制することを目的としたペプチドについては、既に乳蛋白質、大豆蛋白質あるいは魚肉蛋白質分解物等から、多くの有効ペプチドが報告されているが、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)を使用した発酵乳中のACE阻害活性を有するペプチドは、Val-Pro-ProとIle-Pro-Proであること、さらにこれらラクトトリペプチドは強い血圧降下作用を有することが自然発症高血圧ラット(SHR)を用いた実験により確認されている(例えば、非特許文献2参照。)。また、さらに、ラクトトリペプチドは、血圧降下活性に加え、ストレス緩和作用を有することが示唆されている(例えば、特許文献2、3参照。)。また、Try-Proを含む培地を用いてラクトバチラス属乳酸菌を培養した血圧降下剤も開示されている(例えば、特許文献4参照)。さらに、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)には、免疫賦活作用のあることが知られている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)の培養物及び/又は菌体自体に、内臓脂肪蓄積抑制作用および内蔵脂肪減少促進作用はまったく知られていない。
特開2004-99539号公報 特開平10-45610号公報 特開平11-98978号公報 特開平10-95736号公報 特開2006-76961号公報 J. Dairy Sci., 78:777-783(1995) J. Dairy Sci., 78:1253-1257(1995)
本発明は、日常的な摂取が可能であり、なおかつ摂取することで、内臓脂肪の蓄積を抑制することで、メタボリックシンドロームの予防・治療に有効な内臓脂肪蓄積抑制剤、及び、これらの機能を賦与した飲食品を提供することを課題とする。
本発明者らは様々な微生物の中からメタボリックシンドロームの原因とされる内臓脂肪を低下させる菌種の探索を鋭意進めてきた。その結果、ラクトバチラス(Lactobacillus)属乳酸菌、その中でも特にラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)の培養物及び/又は菌体自体に、極めて高い内臓脂肪蓄積抑制作用を見出して上記課題の解決に成功し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)に属する乳酸菌を培養して得られる培養物及び/又は菌体を有効成分とする内臓脂肪蓄積抑制剤に関する。さらに、本発明は、このような有効成分を添加してなる内臓脂肪蓄積抑制用飲食品に関する。
したがって、本発明は、下記の構成からなる発明である。
(1)ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)の培養物及び/又は菌体を有効成分とする内臓脂肪蓄積抑制剤。
(2)ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)の培養物及び/又は菌体を有効成分とする内臓脂肪蓄積抑制用飲食品。
本発明のラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)の培養物及び/又は菌体を有効成分とする内臓脂肪蓄積抑制剤及び内臓脂肪蓄積用飲食品は、内臓脂肪の蓄積により発症するといわれるメタボリックシンドロームの予防・治療に有効である。
また、本発明の内臓脂肪蓄積抑制剤又は飲食品は、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)の培養物及び/又は菌体自体を使用するので、比較的安価に大量供給が可能であり、毒性及び副作用がなく極めて安全性が高いという特徴を有している。
このように、内臓脂肪蓄積抑制用のサプリメントとして、また、内臓脂肪蓄積抑制用の飲食品として日常摂取することができ、きわめて有用である。
本発明者らは、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)の培養物及び/又は菌体が内臓脂肪蓄積抑制に有効であることを見出した。また、本発明者らは、ラクトバチラス・ヘルベチカスに属する乳酸菌のうち、入手可能であったラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) SBT2171 (FERM P-14381)、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) ATCC10386、及びラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) ATCC10797のいずれについても内臓脂肪蓄積抑制に有効であることを確認した。
ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)の培地には、乳培地又は乳成分を含む培地、これを含まない半合成培地等種々の培地を用いることができる。このような培地としては、脱脂乳を還元して加熱殺菌した還元脱脂乳培地を例示することができる。培養法は、静置培養又はpHを一定にコントロールした中和培養で行うが、菌が良好に生育する条件であれば特に培養法に制限はない。菌体は、乳酸菌培養の常法に従って培養し、得られた培養物から遠心分離等の集菌手段によって分離されたものをそのまま本発明の有効成分として用いることができる。また、菌体として純粋に分離された菌体だけでなく、培養物、発酵物、懸濁物、その他の菌体含有物や、菌体を酵素や物理的手段を用いて処理した細胞質や細胞壁画分も用いることができる。なお、菌体自体を有効成分として用いる場合は、生菌および死菌のいずれでもかまわない。
本発明の内臓脂肪蓄積抑制剤は、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)の培養物及び/又はその菌体自体を有効成分としたものである。さらに、製剤化に際しては製剤上許可されている賦形剤、安定剤、矯味剤等を適宜混合して濃縮、凍結乾燥するほか、加熱乾燥して死菌体にしてもよい。これらの乾燥物、濃縮物、ペースト状物も包含される。また、菌体や培養物の作用を妨げない範囲で、賦型剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、懸濁剤、コーティング剤、その他の任意の薬剤を混合して製剤化することもできる。剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉剤、シロップ剤等が可能であり、これらを経口的に投与することが望ましい。
また、本発明の内臓脂肪蓄積抑制用飲食品としては、上記乳酸菌の菌体を培養して得られた培養物又は発酵物自体であっても良いし、菌体や培養物又は発酵物自体を配合した飲食品としても良い。培養物又は発酵物の形態としてヨーグルトやチーズなどの発酵食品が好適である。菌体や培養物又は発酵物は、どのような飲食品に配合しても良く、食品の製造工程中に原料に添加しても良い。飲食品の例として、乳飲料、発酵乳、果汁飲料、ゼリー、キャンディー、乳製品、マヨネーズ等の卵加工品、バターケーキ等の菓子・パン類等の食品をあげることができる。また、各種粉乳の他、乳児、幼児及び低出生体重児等を対象とする栄養組成物に配合したものを例示することができる。生菌体として利用する場合には、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)の菌株自体、および上記乳酸菌の菌体を培養して得られた発酵乳やチーズを素材として使用し、内臓脂肪蓄積抑制用のパンやスナック菓子、ケーキ、プリン等にしてもよい。これらは日常的に摂取することが可能であり、内臓脂肪蓄積抑制作用を有するので、内臓脂肪の増加を原因とするメタボリックシンドロームの予防・治療に有効である。
本発明において、内臓脂肪蓄積抑制作用を発揮させるため投与量は、投与対象者の症状、年齢等を考慮してそれぞれ個別に適宜決定されるが、通常成人の場合、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)の培養物又は発酵物を10〜200g、あるいはその菌体自体を1日当たり0.1〜5,000mg摂取できるように配合量等を調整すれば良い。乳酸菌は、古来、発酵乳やチーズの製造に用いられており、本発明の内臓脂肪蓄積抑制剤あるいは内臓脂肪蓄積抑制用飲食品は安全性に問題はないという特徴がある。
以下に実施例及び試験例を示し、本発明についてより詳細に説明するが、これらは単に例示するのみであり、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
(ATCC10386株の菌体粉末剤の製造)
還元脱脂乳培地(13重量%脱脂粉乳、0.5重量%酵母エキス含有)を95℃で30分間殺菌した後、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) ATCC10386株を接種し、37℃で16時間培養し、得られた培養物を凍結乾燥してラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) ATCC10386株の菌体培養物粉末を得た。これは、そのまま本発明の内臓脂肪蓄積抑制剤として使用し得る。
(ATCC10797株の菌体粉末剤の製造)
還元脱脂乳培地(13重量%脱脂粉乳、0.5重量%酵母エキス含有)を95℃で30分間殺菌した後、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) ATCC10797株を接種し、37℃で16時間培養し、得られた培養物を凍結乾燥してラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) ATCC10797株の菌体培養物粉末を得た。これは、そのまま本発明の内臓脂肪蓄積抑制剤として使用し得る。
(発酵乳の製造)
ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) SBT2171 (FERM P-14381)株を、脱脂乳100gを用いて37℃、12時間培養したものを、新しい同培地3kgに接種し、37℃、12時間培養した。培養終了した発酵乳全量をスターターとして用い、脱脂乳100kgを32℃、20時間発酵させて、本発明のラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) SBT2171 (FERM P-14381)株の発酵乳を得た。ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)SBT2171 (FERM P-14381)の生菌数は8.2×108個/gであった。これは、そのまま本発明の内臓脂肪蓄積抑制剤として使用し得る。
(SBT2171株の菌体粉末の製造)
実施例3と同様にして得られた培養物5kgに同量の水を添加した後、連続遠心分離機で3,500×g 、20分間で遠心分離を行い、菌体のみを分離回収した。沈殿物の中に含まれる非菌体成分を除去するため、水を1kg添加した後、遠心分離を再度行い、これを3回繰り返し、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) SBT2171 (FERM P-14381)株の菌体20gを回収した。得られた洗浄菌体を凍結乾燥処理して菌体粉末を得た。これは、そのまま本発明の内臓脂肪蓄積抑制剤として使用し得る。
(SBT2171株の菌体粉末錠剤の製造)
実施例4で得られた菌体粉末1部に脱脂粉乳4部を混合し、この混合粉末を打錠機により1gずつ常法により打錠して、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) SBT2171 (FERM P-14381)株の菌体200mgを含む菌体粉末錠剤を調製した。これは、そのまま本発明の内臓脂肪蓄積抑制剤として使用し得る。
(ドリンクヨーグルトの製造)
実施例3で得られた発酵乳43kgにグラニュー糖4kg、水3kg、ペクチン0.15kgを加えた後に均質化して、本発明の内臓脂肪蓄積抑制用ドリンクヨーグルト50kgを得た。このドリンクヨーグルトはマイルドな好ましい風味を有し、pH3.6で、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) SBT2171 (FERM P-14381)の生菌数は4.6×108個/gであった。
(チーズの製造)
チーズ中の脂肪率が12〜30%となるように調整した原料乳を使用して、数種類の低脂肪硬質ナチュラルチーズを製造した。すなわち、脂肪率を調整した原料乳を75℃で15秒間のプレート加熱殺菌を行った後、30℃まで冷却し、0.01%塩化カルシウムを添加した。次に、これらの原料乳に市販の乳酸菌スターター(クリスチャン・ハンセン社製) 0.7%及びラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) SBT2171 (FERM P-14381) 1%を添加し、レンネット0.003 %を添加して乳を凝固させた後、カッテングしてpHが6.2〜6.1となるまで撹拌し、ホエーを排出し、カード粒を得た。さらに、このカード粒を型詰めして圧搾し、さらに加塩して、ゴーダチーズタイプの低脂肪硬質ナチュラルチーズを製造した。これは、そのまま本発明の内臓脂肪蓄積抑制用飲食品として使用し得る。
〔試験例1〕
(内臓脂肪蓄積抑制作用の確認)
ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)を使用して、動物実験により内臓脂肪蓄積抑制作用を確認した。動物実験は4週齢Fischer系雄ラット1群8匹とし、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) SBT2171 (FERM P-14381)、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) ATCC10386、及びラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) ATCC10797を配合した飼料を投与した群(菌体食群)、菌体を配合しない飼料を投与した群(対照食群)の4群に分けて行った。動物実験は、飼育後4週目までは対照飼料を与え、その後対照食群は引き続き8週目まで対照飼料を、菌体食群は、それぞれラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)を配合した菌体飼料を与えた。8週目に解剖を行い、内臓脂肪(腸間膜、睾丸周囲、腎周囲、後腹壁)の量を測定した。
結果を表1に示す。これによると対照食群の内蔵脂肪量に対し、菌体食群では総じて低い値を示すことが明らかとなった。つまり、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)を摂取することにより、内臓脂肪の蓄積が抑制されることが分った。
〔試験例2〕
(内臓脂肪蓄積抑制作用の確認)
実施例7で得られたチーズを使用して、内臓脂肪蓄積抑制作用を確認した。動物実験は4週齢のFischer系ラットを1群8匹とし、チーズを配合した飼料を投与した群(チーズ食群)、チーズを配合しない対照飼料を投与した群(対照食群)とに分けた。対照飼料はタンパク質源としてミルクカゼイン、脂質源としてバターオイルを用い、チーズの成分分析の結果(表2)をもとに、一般成分、主要ミネラル、ビタミンE(α―トコフェロール)の含有量を、チーズを配合した飼料と同じになるように配合した。チーズを配合した飼料では、タンパク質、脂質とも、チーズ成分のみでまかなった。動物実験は、ラットを2群に分け、対照飼料およびチーズ配合飼料をそれぞれに与えた。そして、2群に分けてから8週目の時点でラットを解剖し、腸間膜、睾丸周囲、腎周囲、後腹壁のそれぞれにおける内臓脂肪蓄積量を測定した。結果を表3に示す。これによると対照食群の内臓脂肪蓄積量に対し、チーズ食群の内臓脂肪蓄積量は全体的に低い値を示すことが分った。特に腸間膜脂肪においては対照食群よりも有意に小さい値を示した。つまり、ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus) SBT2171 (FERM P-14381)で製造したチーズを摂取することにより、内臓脂肪、特に腸間膜脂肪の蓄積が抑制されることが分った。
(カプセル剤の製造)
表4に示した配合により原料を混合し、造粒した後、カプセルに充填して、内臓脂肪蓄積抑制作用を賦与したカプセル剤を製造した。
[表4]
-----------------------------------------------------
SBT2171菌体(実施例4) 20.0 (重量%)
ラクトース 24.5
可溶性デンプン 55.0
ステアリン酸マグネシウム 0.5
-----------------------------------------------------
(飲料の製造)
表5に示した配合により原料を混合し、容器に充填した後、加熱殺菌して、本発明の内臓脂肪蓄積抑制用飲料を製造した。
[表5]
----------------------------------------------------
SBT2171菌体(実施例4) 2.5 (重量%)
砂糖 7.5
クエン酸 0.6
リンゴ果汁 10.0
水 79.4
----------------------------------------------------

Claims (1)

  1. ラクトバチラス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)の培養物及び/又は菌体を有効成分とする内臓脂肪蓄積抑制剤。
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