JP5087857B2 - ターピリジル配位子を含む金属錯体原料およびその製造方法 - Google Patents
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Description
また、色素増感太陽電池の最新技術(株式会社シーエムシー、2001年5月25日発行、117頁)(非特許文献2)には、多核β−ジケトナート錯体色素が開示されている。
また、特開2004−359677号公報(特許文献3)には、光などの活性光線のエネルギーを受けて電子を取り出す光電変換機能の優れた新規な複核錯体として、複数の金属と複数の配位子を有し、その複数の金属に配位する橋かけ配位子(BL)が複素共役環での配位構造と複素共役環外での配位構造を有する複核錯体が開示されている。また、特開2000−323191にはアシルチオ基、アシルチオキシ基を有する対称な複核錯体が開示されている。(特許文献4)
式中、Xは、Cl、OMe、NCSを示し、R1〜R11は水素原子または置換もしくは無置換の炭化水素基を表すか、または、これらの二つ以上が一緒になってそれらが結合する炭素原子と共に置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環または置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素環を形成している。
また式中、R12〜R19は水素原子または置換もしくは無置換の炭化水素基を表すか、または、これらの二つ以上が一緒になってそれらが結合する炭素原子と共に置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環または置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素環を形成している。
式中、Xは、Cl、OMe、NCSを示し、R1〜R11は水素原子または置換もしくは無置換の炭化水素基を表すか、または、これらの二つ以上が一緒になってそれらが結合する炭素原子と共に置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環または置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素環を形成している。
また式中、R12〜R19は水素原子または置換もしくは無置換の炭化水素基を表すか、または、これらの二つ以上が一緒になってそれらが結合する炭素原子と共に置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環または置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素環を形成している。Z+は一価のカチオンを示す。
より高い吸光係数と長波長域までの光の吸収能力を持つ色素であるルテニウム錯体の原料となりえ、それらは色素増感型太陽電池有機EL、分子スイッチング素子、分子メモリや分子フォトダイオード用の金属錯体色素として利用が可能である。
で表されるルテニウム塩と化学式(4)で表される配位子を溶媒中で反応させることにより目的である錯体原料を得られることを見出した。
式中、R1〜R11は水素原子または置換もしくは無置換の炭化水素基を表すか、または、これらの二つ以上が一緒になってそれらが結合する炭素原子と共に置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環または置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素環を形成している。
R1〜R11は水素原子またはメチル基であることが特に好ましく、R1〜R11は水素原子であることがさらに好ましい。
具体的には下式(terpy)で表される配位子が用いられる。
R12〜R19は水素原子またはメチル基であることが特に好ましく、R12〜R19は水素原子であることがさらに好ましい。
具体的には下式(bibzimH2)(bibzim)で表される配位子が用いられる
FAB マススペクトル測定には、日本電子株式会社JMS-700QQを用い、ESI マススペクトル測定には日本電子株式会社JMS-T100LCを用いた。元素分析測定には、ジェイ・サイエンス・ラボ社マイクロコーダーJM10型を用いた。紫外可視吸収スペクトル測定には、日本分光株式会社V−570を用いた。
アルゴン雰囲気下、Inorg. Chem. 1980,19, 1404記載の方法で合成したRu(terpy)Cl3 1.0g(2.18mmol)、bibzimH2 650mg(2.78mmol)、エチレングリコール 100mlを200mlナスフラスコに仕込み、190℃, 15min加熱攪拌した。放冷後、H2O 150mlを注ぎ、ろ過した。NH4PF6 1.50gを少量のH2Oに溶解させた後、先のろ液に滴下した。室温で30min攪拌し、ろ過した。ろ物をH2O, Et2Oで洗浄後、減圧乾燥を行い、[RuCl(terpy)(bibzimH2)]PF6の粗結晶 1.717gを得た。これをMeOH 150mlに懸濁させ、15min加熱還流後、0℃で一晩静置した。ろ過を行い、ろ物を0℃に冷却したMeOHで洗浄後、さらにEt2Oで洗浄し、減圧乾燥を行った。[RuCl(terpy)(bibzimH2)]PF6 0.94g(55%)を濃褐色結晶として得た。
アルゴン雰囲気下、100mlフラスコに28%NaOMe 386mg, MeOH 18mlを仕込み、[RuCl(terpy)(bibzimH2)]PF6 300mg(0.40mmol)のMeOH 42ml溶液を滴下した。室温で3h攪拌後、30min氷冷した。ろ過を行い、ろ物を0℃に冷却したMeOHで洗浄した後、減圧乾燥を行った。Na[RuCl(terpy)(bibzim)] 181mgを濃赤褐色粉体として得た(収率72%)。
MS(ESI+): m/z 603 ([M‐Na+2H]+)
元素分析 観測値 C: 55.26, H: 3.24, N: 15.56, 理論値 C: 55.73; H: 3.06; N: 15.69.
窒素雰囲気下、100mlフラスコに[RuCl(terpy)(bibzimH2)]PF6 411mg(0.55mmol)のDMF 30ml 溶液にNaSCN 447mg(5.52mmol)の10ml水溶液を加え、2.45GHzのマイクロ波照射下30分間還流した。放冷後不溶物をろ別し、ろ液に蒸留水80mlを加え析出させた。析出物をろ取し、蒸留水、ジエチルエーテルで洗浄した後、減圧乾燥を行った。[Ru(terpy)(bibzimH2)(NCS)](SCN) ・H2O 299mgを褐色粉体として得た(収率77%)。
MS(ESI+): 627 ( [M‐SCN+])
元素分析 観測値 C: 52.82, H: 3.31, N: 17.24, 理論値C: 52.98; H: 3.30; N: 17.94.
窒素雰囲気下、50mlシュレンク管に[Ru(terpy)(bibzimH2)(NCS)](SCN) ・H2O 269mg(0.39mmol)、MeOH 20mlを加え、28% NaOMe のMeOH 溶液0.32mlを滴下した。この懸濁液を1時間還流し、その後室温に冷却した。不溶解物をろ取し、冷メタノール、およびジエチルエーテルで洗浄した後、減圧乾燥を行った。Na[Ru(terpy)(bibzim)(NCS)]・4H2O 250mgを濃赤紫粉体として得た(収率91%)。
MS(FAB−): m/z 625 as [Ru(terpy)(bibzim)(NCS)]
元素分析 観測値 C: 50.49, H: 3.17, N: 15.67, 理論値 C: 50.06; H: 3.78; N: 15.57.
実施例1で得られたNa[Ru(terpy)(bibzim)(NCS)]・4H2Oをエタノールに溶解し、3×10−5mol/lの溶液を調整し、紫外可視吸収スペクトル測定を行った。図1に結果を示す。
Ru(bpy)2(bibzim)・2H2Oの合成
窒素雰囲気下、100ml三口フラスコに、Ru(bpy)2Cl2・2H2O(0.505g, 0.97mmol)、bibzimH2(0.343g, 1.46mmol)、およびエチレングリコールを20ml加え、2.45GHzのマイクロ波照射下5分間還流した。放冷後、20mlの水を加え、未反応のビベンズイミダゾールを析出させた。ろ過後得られたろ液にNH4PF6水溶液を加え、対アニオンPF6 −の塩として錯体を析出させた。析出物をろ取後水洗し、メタノールから再結晶した。析出した結晶をろ別後、冷メタノールおよびジエチルエーテルで洗浄した。真空乾燥後、0.905gの[Ru(bpy)2(bibzimH2)](PF6)2を得た。
続いて、窒素雰囲気下、50mlシュレンク管に上記により得られた[Ru(bpy)2(bibzimH2)](PF6)2(0.877g, 0.90mmol)、およびメタノールを30ml加え、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液を1.8ml滴下した。この懸濁液を1時間還流し、その後室温に冷却した。不溶解物をろ取し、水、冷メタノール、およびジエチルエーテルで洗浄した。真空乾燥後、Ru(bpy)2(bibzim)・2H2Oを0.587g得た(収率96%)。
元素分析 観測値 C: 60.4, H: 4.4, N: 16.8, 理論値 C: 59.9; H: 4.1; N: 16.4.
比較例1で得られたRu(bpy)2(bibzim)・2H2Oをエタノールに溶解し、3×10−5mol/lの溶液を調整し、紫外可視吸収スペクトル測定を行った。図1に実施例2と合わせて結果を示す。
Claims (6)
- 請求項1記載の化学式(1)で示される、[2,2’−ビベンズイミダゾラトルテニウム(II)]骨格を有するルテニウム錯体を塩基で処理することで、請求項2記載の化学式(2)で示される、[2,2’−ビベンズイミダゾラトルテニウム(II)]骨格を有するルテニウム塩を製造する方法。
- 請求項3記載の方法により、請求項1記載の化学式(1)で示される、[2,2’−ビベンズイミダゾラトルテニウム(II)]骨格を有するルテニウム錯体を製造した後、次いで、請求項4記載の方法で、請求項2記載の化学式(2)で示される、[2,2’−ビベンズイミダゾラトルテニウム(II)]骨格を有するルテニウム塩を製造する方法。
- 請求項1記載の金属錯体色素および/または請求項2記載の金属錯体色素を溶解することにより調製された、吸光係数の高い二核金属錯体色素溶液。
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