JP5035502B2 - キニザリン架橋金属錯体 - Google Patents

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Description

本発明は、高い吸光係数を有し且つ長波長域まで光を吸収できる能力を有する二核金属錯体色素に関する。
太陽電池はクリーンな再生型エネルギー源として大きく期待されており、単結晶シリコン系、多結晶シリコン系、アモルファスシリコン系の太陽電池やテルル化カドミウム、セレン化インジウム銅などの化合物からなる太陽電池の実用化をめざした研究がなされている。しかし、家庭用電源として普及させるためには、いずれの電池も製造コストが高いことや原材料の確保が困難なことやリサイクルの問題、また大面積化が困難であるなど克服しなければならない多くの問題を抱えている。そこで、大面積化や低価格化を目指し有機材料を用いた太陽電池が提案されてきたが、いずれも変換効率が1%程度と実用化にはほど遠いものであった。
こうした状況の中、1991年にグレッツェルらによりNatureに色素によって増感された半導体微粒子を用いた光電変換素子および太陽電池、ならびにこの太陽電池の作製に必要な材料および製造技術が開示された。(例えば、Nature、第353巻、737頁、1991年(非特許文献1)、特開平1−220380号公報(特許文献1)など)。この電池はルテニウム色素によって増感された多孔質チタニア薄膜を作用電極とする湿式太陽電池である。この太陽電池の利点は、安価な材料を高純度に精製する必要がなく用いられるため、安価な光電変換素子として提供できること、さらに用いられる色素の吸収がブロードであり、広い可視光の波長域にわたって太陽光を電気に変換できることである。しかしながら実用化のためにはさらなる変換効率の向上が必要であり、より高い吸光係数を有し、より高波長域まで光を吸収する色素の開発が望まれている。
本出願人による特開2003−261536号公報(特許文献2)には、光電変換素子として有用な金属錯体色素であるジピリジル配位子含有金属単核錯体が開示されている。
また、色素増感太陽電池の最新技術(株式会社シーエムシー、2001年5月25日発行、117頁)(非特許文献2)には、多核β−ジケトナート錯体色素が開示されている。
また、特開2004−359677号公報(特許文献3)には、光などの活性光線のエネルギーを受けて電子を取り出す光電変換機能の優れた新規な複核錯体として、複数の金属と複数の配位子を有し、その複数の金属に配位する橋かけ配位子(BL)が複素共役環での配位構造と複素共役環外での配位構造を有する複核錯体が開示されている。また、特開2000−323191にはアシルチオ基、アシルチオキシ基を有する対称な複核錯体が開示されている。(特許文献4)

光電変換素子として、有用かつ新規な金属錯体色素が望まれている。
特開平1−220380号公報 特開2003−261536号公報 特開2004−359677号公報 特開2000−323191号公報 Nature、第353巻、737頁、1991年 色素増感太陽電池の最新技術(株式会社シーエムシー、2001年5月25日発行、117頁)
本発明の目的は、金属錯体色素の多核化により吸光係数および長波長域までの光の吸収能力の向上を目指し、電子遷移の方向を電解液側から多孔質半導体へ調整することでスムーズな電子移動を実現させ、高い光電変換効率を持つ光化学電池を提供することである。
本発明は、一般式:(L)(L1')M(BL)M(L)(L2')(X)で示される非対称な二核金属錯体に関する。(但し、M及びMは、遷移金属であって、同一でも異なっていてもよく、L、L'、L及びL'は、多座配位可能なキレート型配位子であって、L、L'とL、L'は異なるものであり、L、L'は同一でも異なるものであってもよく、L、L'も同一でも異なるものであってもよい。Xは対イオンである。nは錯体の電荷を中和するのに必要な対イオンの数を表す。BLは、式(BL−B)で表される架橋配位子である。)
Figure 0005035502
(BL−B)
式中、R1920は水素原子、アルキル基、アルコキシ基または置換もしくは無置換の炭化水素基を表す。
また、本発明は、L、L'、L及びL'が二座もしくは三座もしくは四座配位可能なキレート型配位子であることを特徴とする請求項1記載の二核金属錯体に関する。
また、本発明は、L、L'、L及びL'が環状構造を有することを特徴とする二核金属錯体に関する。
また、本発明は、L、L'が、カルボキシル基(−COOH)または−COOで少なくとも一つ置換された配位子であることを特徴とする二核金属錯体に関する。
また、本発明は、L、L'が、下式(L−A)で表される配位子であることを特徴とする二核金属錯体に関する。
Figure 0005035502

(L−A)
式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は水素原子、アルコキシ基、水酸基または置換もしくは無置換の炭化水素基を表すか、または、これらの二つ以上が一緒になってそれらが結合する炭素原子と共に置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環または置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素環を形成している。
また、本発明は、BLが、式(BL−A)で表される配位子であることを特徴とする二核金属錯体に関する。
Figure 0005035502
(BL−A)

また、本発明は、M及びMが、第VIII族〜第XI族の遷移金属であることを特徴とする二核金属錯体に関する。
また、本発明は、L、L'が、式(L−1)、または(L−4)で表される配位子であり、
、L'が、式(L−1)、(L−2)、または(L−4)のいずれかで表される配位子であり、
BLが、式(BL−A)、または(BL−B)で表される配位子であり、
及びMが、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)または鉄(Fe)であることを特徴とする二核金属錯体に関する。
Figure 0005035502

(L−1)
Figure 0005035502

(L−4)
Figure 0005035502

(L−1)
Figure 0005035502

(L−2)
Figure 0005035502

(L−4)
さらに、本発明は、一般式:(L)(L1')M(BL)M(L)(L2'(X)で示される非対称な二核金属錯体(但し、M及びMは、遷移金属であって、同一でも異なっていてもよく、L、L'、L及びL'は、多座配位可能なキレート型配位子であって、L、L'とL、L'は異なるものであり、L、L'は同一でも異なるものであってもよく、L、L'も同一でも異なるものであってもよく、Xは対イオンであり、nは錯体の電荷を中和するのに必要な対イオンの数を表し、BLは、式(BL−B)で表される架橋配位子である。L、L'が半導体微粒子に固定され得る置換基を有し、かつ主に(L)(L1')MにLUMOが分布する構造である。)からなることを特徴とする二核金属錯体色素に関する。
さらに、本発明は、上記の二核金属錯体色素を溶解することにより調製された、吸光係数の高い二核金属錯体色素溶液に関する。
本発明の色素は、比較色素として用いた現行で高い光電変換効率を示す色素に比べ、より高い吸光係数と長波長域までの光の吸収能力を有している。高効率の色素増感型太陽電池の構成部材として期待が持てる。

本発明の一般式:(L)(L1')M(BL)M(L)(L2')(X)で示される非対称な二核金属錯体において、M及びMは、遷移金属であり、好ましくは第VIII族〜第XI族の遷移金属であり、具体的には、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)または鉄(Fe)が好ましい。中でも、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)が好ましく、ルテニウム(Ru)が特に好ましい。
及びMは、同一金属でも異なった金属であってもよい。
、L'、L及びL'は、多座配位可能なキレート型配位子であり、好ましくは二座もしくは三座もしくは四座配位可能なキレート型配位子、さらに好ましくは二座配位可能なキレート型配位子である。さらにキレート配位子が環状構造を有していることが望ましく、さらに好ましくは窒素を含む環状構造を有していることが望ましく、さらに好ましくは窒素を含む共役系を有する環状構造を有していることが望ましい。具体的には、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、2−(2−ピリジニル)キノリンまたは2,2’−ビキノリンなどの誘導体などが挙げられる。L、L1'とL、L2'は、異なるものであり、L、L'は同一でも異なるものであってもよく、L、L'も同一でも異なるものであっても良い。
本発明の二核金属錯体が光電変換素子に用いる金属錯体色素である場合、L、L1'は、半導体微粒子に固定され得る置換基を少なくとも一つ有している。
、L1'の半導体微粒子に固定され得る置換基としては、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NH)、水酸基(−OH)、硫酸基(−SOH)、燐酸基(−PO)、ニトロ基(−NO)などが挙げられる。中でも、カルボキシル基(−COOH)が好ましい。カルボキシル基の水素は、テトラブチルアンモニウムなどの4級アンモニウム、ナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオンなどのカチオンで交換されていてもよい。また、水素は脱離していてもよい。
さらに、L、L1'は、半導体微粒子に固定され得る置換基以外の置換基を有しても、有してなくてもよい。このような置換基としては、アルキル基(メチル基、エチル基など)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基など)などが挙げられる。
また、本発明の二核金属錯体が光電変換素子に用いる金属錯体色素である場合、L、L1'は、主に(L)(L1')M部分にLUMOが分布するような配位子であることが好ましい。「主に(L)(L1')M部分にLUMOが分布する」とは、(L)(L2')M部分よりも(L)(L1')M部分にLUMOが多く分布していることを意味する。主に(L)(L1')Mが太陽光などの光照射により電子が励起するLUMOを有する構造であることによって、この二核金属錯体により増感された半導体微粒子を含む光電変換素子を用いて光化学電池を製造したときに、電解質から光電変換素子(負極)へのスムーズな電子移動を起こすことができ、効率のよい光化学電池を構成することができる。
LUMOの算出は、ソフトウェアはCeriusあるいはMaterial Studioを用いた。その方法は、DMolモジュールを用いてDFT(密度汎関数法)によって金属錯体の構造最適化を行った。そのときの交換相関関数は特に限定はしないがVWN法またはBLYP法が好適に用いられる。基底関数は特に限定はしないがDNPが好適に用いられる。
エネルギー状態計算は得られた構造を用い、交換相関関数としては特に限定はしないがBLYP,PBEが用いられ、基底関数系としては特に限定はしないがDNPが好適に用いられる。
、L1'としては、下式(L−A)で表される配位子が挙げられる。
Figure 0005035502
(L−A)
式中、−COOHのHは脱離していてもよく、R、R、R、R、R及びRは水素原子、アルコキシ基または置換もしくは無置換の炭化水素基を表すか、または、これらの二つ以上が一緒になってそれらが結合する炭素原子と共に置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環または置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素環を形成している。
〜Rは好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基であり、水素原子、アルキル基であることがより好ましい。アルキル基としては、炭素数6以下のものが好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。また、アルコキシ基としては、炭素数6以下のものが好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。
また、RとR、RとR、RとRが一緒になってそれらが結合する炭素原子と共に6員の芳香族炭化水素環(置換基を有していてもよい)を形成していることも好ましい。芳香族炭化水素環の置換基としては、アルキル基(メチル基、エチル基など)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基など)などが挙げられる。
〜Rは水素原子であることが特に好ましい。
、L1'の具体例としては、下式(L−1)〜(L−4)で表される配位子が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005035502

(L−1)
2,2’−ビピリジン−4,4’−ジカルボン酸(Hdcbpy)
Figure 0005035502

(L−2)
1,10−フェナントロリン−4,7−ジカルボン酸(Hdcphen)
Figure 0005035502
(L−3)
2−(2−(4−カルボキシピリジル))−4−カルボキシキノリン(Hdcpq)
Figure 0005035502

(L−4)
2,2’−ビキノリン−4,4’−ジカルボン酸(Hdcbiq)
但し、式(L−1)〜(L−4)中の複素環およびベンゼン環は置換基を有していてもよく、また、−COOHのHは脱離していてもよい。置換基としては、メチル基、エチル基などの炭素数6以下のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などの炭素数6以下のアルコキシ基などが挙げられる。
前述の通り、L、L2'は、多座配位可能なキレート型配位子であり、好ましくは二座もしくは三座もしくは四座配位可能なキレート型配位子、さらに好ましくは二座配位可能なキレート型配位子である。具体的には、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、2−(2−ピリジニル)キノリンまたは2,2’−ビキノリンなどの誘導体などが挙げられる。
、L2'は、置換基を有しても、有してなくてもよい。Lの置換基としては、アルキル基(メチル基、エチル基など)、アリール基(フェニル基、トリル基など)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基など)、および水酸基(−OH)などが挙げられる。特に、電子供与性を示す基が好ましい。
、L2'としては、下式(L−A)で表される配位子が挙げられる。
Figure 0005035502

(L−A)
式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は水素原子、アルコキシ基、水酸基または置換もしくは無置換の炭化水素基を表すか、または、これらの二つ以上が一緒になってそれらが結合する炭素原子と共に置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環または置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素環を形成している。
11〜R18は好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基であり、水素原子、アルキル基であることがより好ましい。アルキル基としては、炭素数6以下のものが好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。また、アルコキシ基としては、炭素数6以下のものが好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。
また、R11〜R18の隣接する二つ、またはR11とR18が一緒になってそれらが結合する炭素原子と共に6員の芳香族炭化水素環(置換基を有していてもよい)を形成していることも好ましい。芳香族炭化水素環の置換基としては、アルキル基(メチル基、エチル基など)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基など)などが挙げられる。
11〜R18は水素原子またはメチル基であることが特に好ましい。また、R11とR18が一緒になってそれらが結合する炭素原子と共に6員の芳香族炭化水素環(メチル基などの置換基を有していてもよい)を形成しており、R12〜R17は水素原子またはメチル基、より好ましくは水素原子であることも特に好ましい。
の具体例としては、下式(L−1)〜(L−4)で表される配位子が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005035502

(L−1)
2,2’−ビピリジン(bpy)
Figure 0005035502

(L−2)
1,10−フェナントロリン(phen)
Figure 0005035502

(L−3)
2−(2−ピリジニル)キノリン(pq)
Figure 0005035502

(L−4)
2,2’−ビキノリン(biq)
但し、式(L−1)〜(L−4)中の複素環およびベンゼン環は置換基を有していてもよい。置換基としては、炭素数6以下のアルキル基、炭素数6以下のアルコキシ基、メチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基、水酸基などが挙げられる。
BLは架橋配位子であって、酸素原子が結合した環状構造を有するものである。そして、この環状構造に結合した酸素原子がM及びMに配位する配位原子である。
BLは、四座配位子であり、好ましくはアニオン性である。
また、BLは共役を有する環状構造であることが好ましく、さらに好ましくは二つ以上の環状構造を有する。
またBLは下式(BL−B)に示すように置換基を有していても良い。R1920は好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基であり、水素原子、アルキル基であることがより好ましい。アルキル基としては、炭素数6以下のものが好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。また、アルコキシ基としては、炭素数6以下のものが好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。

BLとしては、下式(BL−A)、(BL−B)で表されるものが挙げられる。
(BL−A)
Figure 0005035502
Figure 0005035502
(BL−B)
また、(L)(L1')M(BL)M(L)(L2')(X)は、水または有機溶媒を結晶溶媒として含んでいてもよい。有機溶媒としては、DMSO、アセトニトリル、DMF、DMAC、メタノールなどが挙げられる。尚、結晶溶媒の数は特に規定されない。
Xは対イオンであり、錯体[(L)(L1')M(BL)M(L)(L2')]がカチオンであれば対イオンはアニオン、錯体[(L)(L1')M(BL)M(L)(L2')]がアニオンであれば対イオンはカチオンである。ここにnは、錯体の電荷を中和するのに必要な対イオンの数を表す。
Xの具体例として、対イオンがアニオンの場合、ヘキサフルオロリン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、チオシアン酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、および塩化物イオン、ヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオンなどが挙げられる。
Xの具体例として、対イオンがカチオンの場合、アンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、ナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオン、およびプロトンなどが挙げられる。
金属錯体色素としては、特に、Lが上式(L−1)で表される配位子(−COOHのHが脱離しているもの、複素環およびベンゼン環がさらに置換基を有しているものも含む)であり、Lが上式(L−1)または(L−2)で表される配位子(複素環およびベンゼン環が置換基を有しているものも含む)であり、BLが上式(BL−3)または(BL−4)で表される配位子(複素環およびベンゼン環が置換基を有しているものも含む)であり、M及びMがルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)または鉄(Fe)であるものが好ましい。
Figure 0005035502
本発明の(L(BL)M(L(X)で示される非対称な二核金属錯体の具体例としては、下式(D−1)で表されるものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005035502
(D-1) また、上記の二核金属錯体色素を溶解することにより吸光係数の高い二核錯体色素溶液が得られる。この溶液を作製するにあたり使用する溶媒は特に限定はしないが、有機溶媒が好適に用いられる。また、好ましくは使用する有機溶媒としてはアルコールが用いられる。さらに好ましくは炭素数3以上のアルコールが用いられ。特に2-プロパノールが好適に用いられる。また、使用する溶媒は2種類以上混合して使用しても良い。
上記の金属錯体は、金属錯体色素として用いることができ、金属錯体色素により増感された半導体微粒子を用いて、光化学電池を製造することができる。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
)。
(実施例1)二核金属錯体色素(D−1)の合成
1.単核金属錯体(Hdcbpy)RuCl(MC−1)の合成
窒素雰囲気下、500ml三口フラスコに、市販のRuCl・3HO(2.53g,9.68mmol)、Hdcbpy(4.50g,18.4mmol)、およびN,N−ジメチルホルムアミドを300ml加え、2.45GHzのマイクロ波照射下45分間還流した。放冷後ろ過し、得られたろ液を減圧乾固した。得られた残留物をアセトン/ジエチルエーテル(1:4)で洗浄後、2mol/l塩酸300mlを加え、20分間超音波攪拌、さらに超音波攪拌止め2時間攪拌した。攪拌終了後、不溶物をろ取し、2mol/l塩酸、アセトン/ジエチルエーテル(1:4)およびジエチルエーテルで洗浄した。真空乾燥後、5.75gのMC−1を得た(収率85%)。
Figure 0005035502
2.単核金属錯体[(DHAQH)Ru(bpy)]PF6(MC−1)の合成
窒素雰囲気下、500ml三口フラスコに、Inorg.Synth.,volXXIV,291(1986)に記載の方法で合成したRu(bpy)Cl(1.203g,2.4mmol)、キニザリン(DHAQH)(0.625g,2.6mmol)、トリエチルアミン3.634ml(2.6mmol)およびエチレングリコールを300ml加え、2.45GHzのマイクロ波照射下45分間還流した。放冷後ろ過し、得られたろ液に蒸留水300mlを加え2時間室温で攪拌し、自然ろ過した。得られた水溶液にNHPF2.06g(12.3mmol)を加え、冷却し、対アニオンPF の塩として錯体を析出させた。析出した結晶をろ別後、冷メタノールおよびジエチルエーテルで洗浄した。真空乾燥後、1.4867gの[(DAHQH)Ru(bpy)](PF)を得た(収率77.6%)。MS(FAB+):m/z 653 [((DHAQH)Ru(dpy)2]2+
Figure 0005035502
3.D−1の合成
窒素雰囲気下、100ml三口フラスコに、MC−1(68.4mg,0.1mmol)、およびDMAc/水(3:1)を40ml加え、1mol/l水酸化ナトリウム水溶液を0.9ml滴下し溶解させた。この溶液にMC−1(87.7mg,0.12mmol)を加え、2.45GHzのマイクロ波照射下30分間還流した。放冷後、自然ろ過し、ろ液を減圧乾固した。この析出物に蒸留水30mlを加え溶解、不溶物を減圧ろ過により除去した。得られた水溶液に0.5mol/lヘキサフルオロリン酸水溶液をpH2.5になるまで滴下した。析出した錯体をろ取し、pH2.5過塩素酸水溶液、アセトン/ジエチルエーテル(1:4)、およびジエチルエーテルで洗浄した。真空乾燥後、D−1を0.084g得た。MS(ESI+):m/z 621 [(dcdpy)2Ru(DHAQ)Ru(dpy)2]2+
(実施例2)吸収スペクトルの測定
D−4,D−11,D−12,D−13および既存の単核金属錯体色素である下記の比較色素A(N3dye,小島化学薬品社製ルテニウム有機錯体)について、濃度3×10−5mol/lのエタノール溶液を調製し、波長が250nmから800nmの紫外可視吸収スペクトル(日本分光株式会社製V−570)を用いて測定した。結果を図1に示す。
Figure 0005035502

比較色素A
二核金属錯体色素と比較色素Aの吸光度の比較

Claims (4)

  1. 一般式:(L)(L’)M(BL)M(L)(L’)(X)で示される非対称な二核金属錯体。
    (但し、M及びMは、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)または鉄(Fe)であって、同一でも異なっていてもよく、
    及びL ’が、式(L −1)、または(L −4)で表される配位子であり、但し、式(L −1)、または(L −4)中の複素環およびベンゼン環は置換基を有していてもよく、また、−COOHのHは脱離していてもよく、 ’は同一でも異なるものであってもよく、
    及びL ’が、式(L −1)、(L −2)、または(L −4)のいずれかで表される配位子であり、但し、式(L −1)、(L −2)、または(L −4)中の複素環およびベンゼン環は置換基を有していてもよく、 ’も同一でも異なるものであってもよい。
    Xは対イオンである。nは錯体の電荷を中和するのに必要な対イオンの数を表す。
    BLは、式(BL−B)で表される架橋配位子である。)
    Figure 0005035502
    (L −1)
    Figure 0005035502
    (L −4)
    Figure 0005035502
    (L −1)
    Figure 0005035502
    (L −2)
    Figure 0005035502
    (L −4)
    Figure 0005035502
    (BL−B)
    式中、R19 及び20は水素原子、アルキル基、アルコキシ基または置換もしくは無置換の炭化水素基を表す。
  2. BLが、式(BL−A)で表される配位子であることを特徴とする請求項1記載の二核金属錯体。
    Figure 0005035502
    (BL−A)
  3. 一般式:(L)(L’)M(BL)M(L)(L(X)で示される非対称な二核金属錯体
    (但し、M及びMは、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)または鉄(Fe)であって、同一でも異なっていてもよく、
    及びL ’が、式(L −1)、または(L −4)で表される配位子であり、但し、式(L −1)、または(L −4)中の複素環およびベンゼン環は置換基を有していてもよく、また、−COOHのHは脱離していてもよく、 ’は同一でも異なるものであってもよく、
    及びL ’が、式(L −1)、(L −2)、または(L −4)のいずれかで表される配位子であり、但し、式(L −1)、(L −2)、または(L −4)中の複素環およびベンゼン環は置換基を有していてもよく、 ’も同一でも異なるものであってもよく、
    Xは対イオンであり、nは錯体の電荷を中和するのに必要な対イオンの数を表し、
    BLは、式(BL−B)で表される架橋配位子である。
    からなることを特徴とする二核金属錯体色素。
    Figure 0005035502
    (L −1)
    Figure 0005035502
    (L −4)
    Figure 0005035502
    (L −1)
    Figure 0005035502
    (L −2)
    Figure 0005035502
    (L −4)
    Figure 0005035502
    (BL−B)
    式中、R 19 及びR 20 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基または置換もしくは無置換の炭化水素基を表す。
  4. 請求項1記載の二核金属錯体を溶解することにより調製された二核金属錯体色素溶液。
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