JP5087086B2 - シクロデキストリン・パクリタクセルの包接体を含有する薬物組成物及びその製造方法 - Google Patents

シクロデキストリン・パクリタクセルの包接体を含有する薬物組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、薬物組成物に関する。さらに詳しくは、パクリタクセル、ヒドロキシプロピル‐スルホブチル‐β‐シクロデキストリン又はスルホブチル‐β‐シクロデキストリンを含有する包接体、当該包接体と薬学的に許容される薬用補助剤よりなる薬物組成物、及び当該組成物の製造方法に関する。
パクリタクセル(Paclitaxel、商品名:Taxol)は、ヨーロッパイチイ(Taxus baccata)の樹皮から抽出されたジテルペン系化合物で、その分子式はC47H51NO24で、分子量は853.92であり、化学名称は(2S,5R,7S,10R,13S)-10,20-ビス(アセトキシ)‐2‐ベンゾイルオキシ‐1、7‐ジヒドロキシ‐9‐オキソ‐5、20‐エポキシタキサン‐11‐エン‐13‐イル(3S)‐3‐ベンゾイルアミノ‐3‐フェニル‐D‐ラクテートである。パクリタクセルは白色または類白色の結晶粉末であり、pH4〜8の下でその化学性質が相対的に安定し、また脂溶性が高く(logP0/w=3.5)、水には殆ど溶解しない。文献に記載されている水における溶解度は0.25mg/ml-0.60mg/mlの範囲で、通常の多種薬用溶媒にも溶解し難い。大量の薬理・薬効実験によれば、パクリタクセルは晩期卵巣癌、転移性乳癌、メラノーマなどに著しい治療効果があることが確認され、難治性卵巣癌と転移性乳癌に対する治癒率が高く、また前立腺癌、胃腸癌、小細胞性及び非小細胞性肺癌に対する良好な治療効果も期待され、今まで発見された最も抗癌効果がある天然抗癌薬物の一つである。
内服で吸収し難いため(内服の吸収率は2%〜4%である)、パクリタクセルの臨床応用は注射投与であり、現有のパクリタクセル注射液は、ポリオキシエチレンカスターオイルと無水アルコールを1:1(V/V)の割合で配合してなる無色粘性の濃溶液(溶液5mlにパクリタクセルが30mg含くまれる)である。使用に当たって、まず当該濃溶液を500mLの0.9%塩化ナトリウム注射液または5%ブドウ糖注射液または5%デキシトラン注射液で希釈して、パクリタクセルの含有量が約0.06mg/mlの溶液(溶媒の含有量が0.5%〜1.0%である)にし、非ポリ塩化ビニル材からなる1回用点滴瓶と点滴チューブにより、且つ孔径0.22mmのフィルターでろ過してから、3〜24hの点滴静脈注射を行う。この場合、注射投与量としては135〜175mg/m-2であり、最大耐量としては3h内の注射量で225〜240mg/m-2である。
パクリタクセル注射剤はポリオキシエチレンカスターオイル/無水アルコールを溶媒としており、臨床における過敏反応の発生率が高いため、使用前に過敏反応防止の処理をしなければならず、当該過敏反応防止の処理としては、それぞれ投与前12h、6hにデキサメタゾン10mgを内服し、投与前30〜60minに筋肉注射によりジフェンヒドラミン20mgを注射し、静脈注射によりシメチジン300mg或いはラニチジン50mgを注射して予防する。既に過敏反応が発生した患者に対しては、エピネフリンを注射して治療する。また、溶媒が容器と反応して他の過敏物質を生じることを避けるために、パクリタクセル注射液はポリ塩化ビニルのプラスチック容器或いは注射器で調合、保管及び注射してはいけない。希釈液はグラス或いはポリプロピレンプラスチック容器に保管し、専用のポリエチルエステル系注射器を使用してもよい。パクリタクセル過敏のメカニズムはまだはっきりしていないが、当該溶媒を使用した他の2つの薬物(シクロスポーリン及びテニポシド)も同じ過敏反応を起こすことが知られ、また、カスターオイル自身が犬組織のアミン放出及び低血圧を起こすことは、試験によって確認され(Clinical Oncology, 1994; 6 :40)、従って、溶媒としてのカスターオイルの過敏性が注目されている。近年来、カスターオイル成分を含有しない高効率、低毒性の薬物担体及びパクリタクセルの新規投与技術の研究が活発に進められている。
現在、パクリタクセルの投与技術に関する研究は、主にリポゾーム、溶剤組合せ、シクロデキストリン、乳剤、ナノ粒子、キレート、マイクロスフェアなどの技術に集中しており、その中、シクロデキストリンは特殊な分子包接の機能を有し、さらに、近年注射用のシクロデキストリン誘導体の臨床応用により、シクロデキストリン‐パクリタクセルの包接技術に関する研究が著しい発展を達している。現在、パクリタクセル調合剤の改善に用いられるシクロデキストリンとしては、主にアセチル-g-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-g-シクロデキストリン、架橋ビスシクロデキストリン、a-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、g-シクロデキストリン、サクシニル-メチル-β-シクロデキストリン、アニオン-β-シクロデキストリンポリマーなどが挙げられ、その中、a-シクロデキストリンとヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンは多種薬物注射剤のシクロデキストリン系材料として、すでに臨床応用されているが、その他のシクロデキストリンに対しては、今まで臨床注射に応用された報告はない。
シクロデキストリンの構造、性能の特殊性及びパクリタクセル応用の特殊要求により、その有用なシクロデキストリン‐パクリタクセル体系に対する研究は、主に包接作用の強度、溶解度向上の幅、薬剤学上での安定性、化学安定性、包接した後のパクリタクセルの活性及び副作用の変化などの研究に具現している。パクリタクセルは、比較的大きな分子体積を有しているが、研究によると、シクロデキストリンとパクリタクセルとの間にはある程度の包接作用が生じ、その包接作用の強度は、例えば、溶剤、温度、原料の種類などの具体的な作用条件、特にシクロデキストリンの構造類型、原料割合などと直接関連している。従って、研究方法によって異なる結論が得られる。薄層クロマトグラフィー法で、23種類の抗癌薬物にヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(包接薬物)を添加する前および添加した後の薄層移動比(Rf)の変化を測定し(International Journal of Pharmaceutics, 1994,108:69-75)、それより遷移保留値Rmを計算した。
Rm = log(1/Rf-1)
その中、Rmは薬物、流動相及びシクロデキストリン濃度の関数であり、その関係曲線を零点(流動相及びシクロデキストリンがない)まで延伸して、包接体の絶対遷移保留値Rmo(流動相のメタノール濃度=0、シクロデキストリン濃度=0の場合、Rm = Rmo、Rmoが小さいほど包接体の遷移性の変化が大きくなり、包接作用が強くなる)を得た。その結果、23種類の薬物において、パクリタクセルの包接作用が最も弱かった(Rmoが最大である)。更に、分子キャビティが比較的小さいa-シクロデキストリンを使用して実験したところ、上記と同じ結論が得られ、パクリタクセルが最も弱い包接作用を表した(Journal of Pharmaceutical & Biomedical Analysis, 1995,13:533-541)。一方、紫外線スペクトル研究(Chem. Res. Chinese U. 2005,21: 749-752)によると、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン・パクリタクセルは、水溶液において比較的に強い包接作用を示しており、包接定数が3030M-1に達し、その作用は二次元包接を主としていることが分かった。相溶解度の研究(International Journal of Pharmaceutics, 1996, 133:191-201)によると、水溶液におけるパクリタクセルとシクロデキストリンには二次元包接を主とする多段包接が存在し、その中、g-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-g-シクロデキストリン及びヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの二次元包接定数は、それぞれ785M-1、1886M-1及び7965 M-1であって、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン・パクリタクセルが強い包接能力を備えていることを表すと同時に、アルコール系有機溶剤を添加する場合、各段階の包接定数が大幅にアップされ、パクリタクセル溶解度も著しくアップされることが確認された。純水におけるシクロデキストリンのパクリタクセルに対する溶解度向上効果も良好であり、約50%濃度のヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン水溶液におけるパクリタクセルの溶解度が3.4mg/ml(J Pharm Sci,1995, 84;1223-1229)に達することができ、これは、今までの報告で最も良い結果である。テトラエチレンペンタミン架橋ビスシクロデキストリンを使用する場合、パクリタクセルの溶解度が2.0mg/ml(CN1440748)まで向上される。シクロデキストリンの溶解度向上はシクロデキストリンの種類と関係がある以外、パクリタクセル‐シクロデキストリンの比率にも関係がある。パクリタクセルは包接された後、その安定性が高くなり、活性もある程度改善された。蛍光スペクトル研究によると、シクロデキストリンの間隔が16.1Aである架橋ビスシクロデキストリンは、β-シクロデキストリンとパクリタクセルに対して、107M-1と高い包接定数を有し、1:1の分子比で調製した包接体の安定性は高く、且つパクリタクセル成分には変化がなく、包接した後薬物‐腫瘍細胞の作用時間を著しく延長できる(Journal of Inclusion Phenomena and Macrocyclic Chemistry, 2001, 39: 13-18)。研究によると、パクリタクセルの溶解度の向上により、細胞外のパクリタクセル濃度が向上され、これは薬物が細胞膜を透過することに有利であり、シクロデキストリンの溶解度の向上作用は、パクリタクセルに対する活性の維持或いは向上の効果を持っている(Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters,2002,12:1637-1641)。パクリタクセルをシクロデキストリンに添加して、少量の有機溶剤或いは添加剤を含有する安定した調合剤溶液(HU P9701945、CN1281373/ZL98811010.5)を調製することができ、1:50比率のシクロデキストリン溶液におけるパクリタクセルの溶解度は1.5mg/mlに達し、アセチル-β-シクロデキストリンまたはヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを使用して調製した包接調合剤は、現有のパクリタクセル調合剤(ポリオキシエチレンカスターオイル/無水アルコール溶媒)の心血管と呼吸系統に対する毒・副作用を著しく低減することができる。また、研究によると、包接作用はパクリタクセル薬物自身の副作用を効率よく低減することができる。動物実験によると(USP 6218374、USP 5804568)、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンより調製されたパクリタクセル包接体の注射剤は、アルコールにより溶解したパクリタクセル調合剤に比べ、注射部に対する組織損傷を2/3に低減することができた。
シクロデキストリンを使用してパクリタクセル注射剤を改善する研究において、すでに幾つかの発明が出されている。例えば、CN1589157 (US2005009783 )には、パクリタクセル・ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン組成物及びその製造方法が開示されており、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン45g、パクリタクセル30mg、水100mlの比率で、パクリタクセルをアルコールの中に溶解してから、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの水溶液に添加して包接体を製造している。但し、1:1500と高いパクリタクセル・シクロデキストリンの質量比は、当該技術の臨床応用を難しくする。HU P9701945は、低比率のシクロデキストリンを使用しているが、記載によれば、溶解度向上の効果が著しくない。USP 6284746に記載の実施例は、パクリタクセル11.6 mgと2,6-ジメチル-β-シクロデキストリン4gにより製造した包接体を開示しており、当該包接体においてパクリタクセルの溶解度が0.9-1.0mg/mlに達している。また、USP5684169は、高比率の多種シクロデキストリンを使用し、薬物用途としては適切しないもの、例えば、メタノール、アセトニトリル、酢酸エチルなどの有機溶剤を大量添加している。HU71251は、1〜20倍モル比の多種シクロデキストリンを使用するが、パクリタクセルの溶解度は、ただ0.05mg/mlまで向上していない。HU65835は、20倍モル比(約31倍質量比)の分岐シクロデキストリンを使用して、パクリタクセルの溶解度を約0.32mg/mlまで向上した効果を得ている。
シクロデキストリンでパクリタクセルを包接する研究は非常に活発に進められているが、今までシクロデキストリンで包接したパクリタクセル調合剤は販売されていない。これはシクロデキストリンの安全性の問題が主要な原因の一つになっており、現在注射に使用できるシクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体として確認されたものは、ただa-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン及びスルホブチル-β-シクロデキストリン等の3種類(Expert Opin Drug Deliv、2005 Mar;2(2):335- 51)である。パクリタクセル調合剤の改善において、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンに対する研究が多く、スルホブチル-β-シクロデキストリンに対する研究報告はまだない。その他のシクロデキストリンは充分な安全性データが足りないため、その実際の技術的応用は非常に難しい。現有技術に存在する主な欠陥としては、調合剤におけるパクリタクセルの溶解度が低い(シクロデキストリンの溶解度向上の効果が著しくない);薬剤学上の安定性が悪く、希釈後沈殿が析出される;パクリタクセル・シクロデキストリンの比率が高すぎる;高比率の有機溶剤が残存する;使用するシクロデキストリンの濃度が高すぎるため、パクリタクセル調合剤としての基本的要求を満足させることができないなどが挙げられる。機能的に優れたシクロデキストリン新品種を選定し、且つ包接技術の開発を系統的に行うことが、現状を変えるのに重要なポイントである。
本発明は、調合剤におけるパクリタクセルの溶解度が低い、薬剤学上の安定性が悪い、パクリタクセル・シクロデキストリンの比率が高すぎる、高比率の有機溶剤が残存するなどの、シクロデキストリンによりパクリタクセルを包接する現有技術中に存在するいろいろな欠陥を克服して、当該分野の技術突破を実現し、また、パクリタクセルの溶解度と薬剤学上の安定性が共に高く、シクロデキストリンの比率が低く、且つ有機溶剤の残存が低い、安定したシクロデキストリン・パクリタクセル包接体を提供することにより、臨床応用を実現することを目的とする。また、本発明は、当該包接体の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、パクリタクセル、シクロデキストリン及び薬用補助材からなり、その中、パクリタクセルとシクロデキストリンの質量比が1:10〜150であり、前記シクロデキストリンが、ヒドロキシプロピル-スルホブチル-β-シクロデキストリン、またはスルホブチル-β-シクロデキストリン、またはスルホブチル-β-シクロデキストリンとヒドロキシプロピル-スルホブチル-β-シクロデキストリンの任意の比率の混合物であり、シクロデキストリンのパクリタクセルを包接する安定定数Ka = 5396M-1〜14121M-1である、シクロデキストリン・パクリタクセル包接体を含有する薬物組成物を提供する。
また、前記シクロデキストリン・パクリタクセル包接体を含有する薬物組成物は、下記の製造方法により得られた組成物である。即ち、
ヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン(HP-SBE-β-CD)、またはスルホブチル-b-シクロデキストリン(SBE-b-CD)、またはスルホブチル-b-シクロデキストリンとヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリンの混合物の純水溶液中に、攪拌しながらパクリタクセルのアルコール溶液を滴下する(或いは、まずシクロデキストリン、パクリタクセルと純水とを混合し、体系が完全に溶解するまで、攪拌しながら緩やかにアルコールを滴下することは、効果が完全に同等なステップである)、
体系が溶解した後、0.2 〜 0.4mmの微孔ろ過膜でろ過する、
ろ過液を減圧してアルコールを除去し、液体包接体を得る、
または、減圧でアルコールを除去してから、さらに減圧して水を除去し、乾燥させて、固形包接体を得る。
上記方法によって製造されたシクロデキストリン・パクリタクセル包接体を含有する薬物組成物における、アルコールの残存量は2%未満である。
本発明は、スルホブチル-b-シクロデキストリン(SBE-b-CD)またはヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン(HP-SBE-β-CD)を水溶液の下で、適量のアルコールが添加されたパクリタクセルの原料溶液と混合させる方法を採用するが、添加されたアルコールは包接作用を促進することができ、包接体を生成した後にアルコールを除去して(アルコール残存量が2%未満)、安定したパクリタクセル・シクロデキストリンの包接体を製造し、当該包接体と常用の薬用補助剤とを複合して、臨床応用が可能な包接状薬物組成物を得ることにより、パクリタクセルの溶解度、安定性を向上させ、副作用を低減して、臨床応用の価値を有するパクリタクセル製品を得る。包接体の製造が本発明の技術ポイントである。
現在、既に販売されている、注射用途に使用できるシクロデキストリン誘導体において、ヒドロキシプロピル-b-シクロデキストリンはノニオン系の中性誘導体であり、スルホブチル-b-シクロデキストリンはイオン化された誘導体である。その中、薬用成分としてのスルホブチル-b-シクロデキストリンは、6〜7位が置換された産物である(SBE7-β-CD、商品名:Captisol)。多くの研究によれば(「薬学先端」、中国医学科技出版社、2001: 46-59)。スルホブチル-b-シクロデキストリンは、安全性、安定性、薬物溶解度の向上作用及び製造技術などの面で、共に著しく向上されていることが確認された。そのメリットを概括的に言えば、高水溶性(>50g/100gH2O)、強い包接機能、薬理的活性がない、腎臓機能に影響がない、内服及び非内服調合剤に使用できる、低GMP生産コスト及びさらに広い用途などである。我々が研究、開発したヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン(HP-SBE-β-CD)は、ヒドロキシプロピルとスルホブチルで混合置換した、新規シクロデキストリン誘導体(CN1800221A)であり、該製品は優れた性能を備え、初歩的な実験によると、非常に高い安全性を有することが確認された。本発明は、(質量比が1:10〜150である)スルホブチル-b-シクロデキストリン或いはヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリンを使用して、パクリタクセル調合剤を改善し、これにより得られた1:25(質量比)の低配合比の包接体は、パクリタクセルの溶解度を9〜10 mg/mlまで向上させることができ、固形包接体を500倍以上に希釈しても、12時間以上安定的に保管でき、且つ化学性質が安定しており、薬剤学上の安定性が高く、刺激性が小さいため、重要な臨床応用価値を有する。
上記実施例を実現するキーポイントは本発明の第二実施例であり、該第二実施例によれば、下記ステップを含むシクロデキストリン・パクリタクセルの包接体を含有する薬物組成物の製造方法を提供する。即ち、
ヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン(HP-SBE-β-CD)、又はスルホブチル-b-シクロデキストリン(SBE-b-CD)、又はスルホブチル-b-シクロデキストリンとヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン混合物の純水溶液に、攪拌しながらパクリタクセルのアルコール溶液を滴下するステップ(或いは、まずシクロデキストリン、パクリタクセルと純水とを混合し、攪拌しながら体系が完全に溶解するまで緩やかにアルコールを滴下することは、効果が完全に同等なステップである)、
体系が溶解した後、0.2 〜 0.4mmの微孔ろ過膜でろ過するステップ、
ろ過液を減圧してアルコールを除去し、液体パクリタクセル包接体を得るステップ、
または、減圧してアルコールを除去した後、さらに減圧で水を除去し、乾燥させて、固形パクリタクセル包接体を得るステップ。
前記パクリタクセル包接体における、アルコール含有量が2%未満である。
具体的に言えば、本発明のシクロデキストリン・パクリタクセル包接体を含有する薬物組成物の製造方法の具体的なステップは下記の通りである。即ち、
1:25質量比のパクリタクセルとシクロデキストリンを配合してシクロデキストリンの純水溶液を得た。該溶液は、ヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン(HP-SBE-β-CD)、又はスルホブチル-b-シクロデキストリン(SBE-b-CD)、又はスルホブチル-b-シクロデキストリン及びヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン混合物と、2〜10倍質量の純水とを混合してなる溶液に、攪拌しながら、緩やかにパクリタクセルとアルコールで調合した溶液を規定比率で添加してなる溶液を指す。アルコールの使用量は、パクリタクセルを溶解できる量であれば特に限定がなく、通常パクリタクセルの同量〜パクリタクセル量の10倍質量の範囲である。パクリタクセルは、室温で攪拌しながら添加しても、25〜65℃に加熱・攪拌しながら添加してもよく、包接体を生成した後、0.2 〜 0.4mmの微孔ろ過膜でろ過してから、減圧してアルコールをできるだけ完全に除去して、液体の包接体を得た。または、更に水分が完全に除去できるまで引き続き減圧を行い、減圧、真空乾燥を行って、固形包接体を得た。
本発明により製造された固形包接体は、水溶性が高く、溶解しやすいため、他の助溶剤を添加する必要がなく、且つ得られた水溶液の溶血副作用が小さく、臨床応用に適用することができる。パクリタクセル30mg(臨床投与ドーセージ)を含有する固形包接体を、注射用生理食塩水で10〜500倍に希釈してなる溶液は、その安定性を数日間維持することができる。
該固体包接体と通常の注射可能な薬用補助材料を含む溶液とを適当な濃度に希釈し、殺菌処理をすることにより得られた組成物溶液は、注射用として使用することが出来る。
包接作用の検証:
D2Oを溶剤とするスルホブチル-b-シクロデキストリン原料と包接体のH,C-COSY(13C、1Hの関連スペクトル)対照結果によれば、包接体におけるシクロデキストリンのブドウ糖環内の H-3及びH-5プロトン(d4.1-3.4)の強磁場への移動が著しく(図1)、パクリタクセル分子のベンゾイル基側鎖がシクロデキストリンに包接されていることを表する。
紫外線スペクトル試験によると、水溶液におけるにパクリタクセルの紫外線吸収は、シクロデキストリン(シクロデキストリン自身は吸収しない)の濃度によって異なることが確認された(図2)。
シクロデキストリンの構造特徴としては、電子密度の高い疎水キャビティを有することで(「シクロデキストリン化学」、科学出版社2001, P135)、疎水キャビティに入る(包接)薬物分子の発色団(例えばフェニル基)のπ電子遷移が、シクロデキストリンの疎水キャビティの高電子密度に誘発されて変化し、紫外線スペクトルの変化を起こすため、体系の紫外線吸収を測定することは、包接作用を判断する有効な方法である。パクリタクセルの紫外線吸収は、シクロデキストリンの濃度の向上に伴って著しく強化され、パクリタクセルと本発明で使用するシクロデキストリンとの間に、顕著で、且つ強い包接作用が存在していることを説明する。
包接安定定数の測定:
包接安定定数Kaは、包接作用の強さを測る尺度であり、紫外線分光光度法は、Kaを測定する通常の方法である。シクロデキストリンの濃度(シクロデキストリン自身は吸収しない)を変える場合、一定濃度のパクリタクセル溶液の紫外線吸収は規律的な変化を示し、これによりシクロデキストリンの濃度(C)と紫外線吸光度(A)の関係を獲得し、1/C と1/Aの関係曲線より、シクロデキストリン・パクリタクセルの見掛けの1次元包接安定定数Kaを定量的に求めると共に、アルコールを添加して、アルコールがKaに対する影響を測定した。各シクロデキストリンのKaは、表1に示す通りである。
Figure 0005087086
その結果、本発明で使用するシクロデキストリンは、比較的に大きい包接定数Kaを有しており、且つアルコールの存在によりKa値が著しく向上されるため(シクロデキストリンの包接能力を向上する)、包接を促進する作用をもっており、単純な助溶剤ではないことを示す。一般的に、有機溶剤と薬物とは競争包接をしており、アルコールは通常薬物のKaを低減する効果を持っている。ヒドロキシプロピル-b-シクロデキストリンとは異なって、本発明で使用するシクロデキストリンは、純水中でパクリタクセルを包接する場合、やはり比較的に大きいKaを有しており、十分に安定した包接体を生成することができるため、本発明では、包接体を生成した後にアルコールをできるだけ除去し、アルコールの薬物に対する影響をできるだけ低減して、比較的に純粋な薬物包接体を得る。アルコールのパクリタクセル包接作用に対する影響を利用して包接体を製造することは、本発明の技術的基礎である。
包接体の製造及び検証。
適量のアルコールを添加して充分包接した後、さらに減圧してアルコールを除去し、乾燥して、各種比率のスルホブチル-b-シクロデキストリン・パクリタクセル、ヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン・パクリタクセル、スルホブチル-b-シクロデキストリン及びヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリンの混合物・パクリタクセルの固形包接体を製造した。DTAの実験によると、当該固形物が包接体であり、簡単な物理的な混合物ではないことが証明できた。以下、スルホブチル-b-シクロデキストリン・パクリタクセル(質量比として25:1)を挙げて説明する。
パクリタクセル、スルホブチル-b-シクロデキストリン、パクリタクセルとスルホブチル-b-シクロデキストリンの物理的混合物、包接体などの4つのサンプルをそれぞれ約5.0mgずつ秤取り、示差走査熱量分析を行う。分析条件としては、標準物質:A12O3、測定レンジ:±50mV、昇温範囲:30℃〜400℃、昇温速度:10℃/minであり、DTAグラフを得る。その結果、パクリタクセルは240℃に1つの溶融ピーク(分解)を持ち、シクロデキストリンは、70〜90℃と250〜270℃の範囲にそれぞれ脱水吸熱ピークと相変態ピークを持ち、且つ約360℃に溶融分解ピークを持っていることが確認された。物理的混合物は、シクロデキストリンとパクリタクセルの吸熱ピーク特徴を維持する。一方、包接体のグラフにおいて、脱水吸熱ピークは著しく低減されており、相変態ピークは殆ど消えてしまい、その他の各ピークの位置(温度)と形状(熱効率)はともに明らかな変化を生じており、包接体が既に形成されたことを示す。
包接体に残存するアルコール
包接体の1HNMRは、微弱なエタノールのメチル基ピークを示し、エタノールのメチル基ピーク(t, d=1.10941)とシクロデキストリンの特徴ピーク(H-1ピーク,d, d= 5.18258〜5.05405)の積分面積比から、各ロットの包接体におけるアルコール残存量(%)を求め、その結果を表2に示す。
Figure 0005087086
前記試験から分かるように、本発明の包接体の製造において、多量のアルコールを使用しているが、純化処理後のアルコール残存量は非常に低く、低比率のシクロデキストリン(1:50以下)により製造された包接体におけるアルコール残存量は1.0%未満であり、比較的に高比率のシクロデキストリンにより製造された包接体におけるアルコール残存量も2.0%未満である。揮発性、刺激性の強いアルコールの残存量が大幅に低減されたため、パクリタクセル調合剤の安定性を高め、刺激などの副作用を低減するために有利な保障を提供した。
包接による溶解度向上試験:
標準曲線:アルコール溶液で0.225mg/mlパクリタクセル母液を調製し、純水で希釈して0.25mg/ml〜2.25mg/mlシリーズの溶液にし、234nmにおける紫外線吸収Aを測定し、Aと濃度C(mg/ml)とをプロットして、標準曲線を得る(A = 393.2C-0.0123、r =0.9998 )。
純水で異なる濃度のシクロデキストリン溶液を調製し、パクリタクセル原料薬を添加して、25℃±1℃で72h振動させ、ろ過、静置してから、定量のろ過液を移液し、純水で希釈して、234nmにおける紫外線吸収を測定し、標準曲線から、パクリタクセルの溶解度を得る(表3)。
Figure 0005087086
高濃度のシクロデキストリン溶液(>50%)は、その溶解度向上の作用が強いが、実際の使用価値はほとんどないため、濃度が31%以下のシクロデキストリン水溶液の溶解度増加の試験を行った、その結果、本発明で使用したシクロデキストリンはパクリタクセルに対し、極めて強い溶解度向上の作用があった。
サンプルの安定性:
薬物組成物の安定性は、薬物の化学的安定性及び組成物の薬剤学上の安定性を含み、薬物組成物が応用できる基本的な要素である。
固形包接体の安定性
HPLC法クロマトグラフィー条件:クロマトカラムがODS C18(250mm×4.6mm)、流動相がメタノール:水:アセトニトリル(20:30:50)、流速が1.0ml/min、検測波長が228nm、測定時間:30.00分、検測感度が1.0000AUFS。
サンプル:パクリタクセル原料、パクリタクセル・スルホブチル-b-シクロデキストリンの包接体(a、質量比が1:25)、パクリタクセル・ヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリンの包接体(b、質量比が1:25)。
少量のパクリタクセル原料と包接体を取り、3組に均等に分けて試験用サンプルとし、それぞれ光を照射して、高温及び高湿での加速試験を行った。
(1)光照射試験
サンプルを透明な密閉容器に置き、デーライトランプが設けられた光照射試験用箱に入れ、4500 ±500LX照度の下で5日間置いてから、サンプルを取り出して、検査、分析を行い、その結果を0日間のサンプルと比較した。
(2)高温試験
サンプルをそれぞれ密閉した清潔容器に入れ、60℃下で5日間放置しから、サンプルを取り出して、検査、分析を行い、その結果を0日間のサンプルと比較した。
(3)高湿度試験
サンプルをそれぞれ温度が25℃、相対湿度が90±5%の密閉容器に置き、5日間放置してから、サンプルを取り出して、検査、分析を行い、その結果を0日間のサンプルと比較した。
HPLC測定結果を図3、図4に示し、各試験結果は表4に示した。加速試験の下で、パクリタクセル原料の色が少々深くなり、含有量が著しく低下した。包接体の外観色には変化がなく、含有量の低下も少ない、不純物は殆ど変化がなかった。試験結果から分かるように、固形包接体におけるパクリタクセルの化学性質は安定で、包接技術がパクリタクセルに対する安定性向上の効果が著しい。
Figure 0005087086
包接体溶液及び薬物の安定性
(1)溶液安定性
質量比が1:25の固形包接体を、それぞれ生理食塩水、等張ブドウ糖溶液でパクリタクセル10mg/mlを含有する溶液に配合し、更に1〜1000倍に希釈し、殺菌処理をして、濃度が異なる注射液とし、5時間〜10日間連続に観察した。パクリタクセル・ヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン包接体の生理食塩水希釈体系の安定性に対する観察試験結果は、表5に記載した通りである。
Figure 0005087086
(2)溶液におけるパクリタクセルの安定性試験(含有量の測定)
上記と同じサンプルとHPLCクロマトグラフィー条件を使用し、少量のパクリタクセル原料と包接体を取って、流動相(pH = 6.50)で溶解させ、超音波で30分間処理してから、100倍に希釈して、静置し、それぞれ0、2、4、6、8時間のサンプルを取って、HPLCクロマトグラフィーを測定する。各サンプルの含水溶液における化学性質は安定化し、含有量には殆ど変化がなかった。
Figure 0005087086
溶血作用の試験:
(参考文献:国家食品薬品監督管理局「化学薬物刺激性、過敏性及び溶血性研究の技術指導原則」、2005,3,18、国家薬品監督管理局「漢方薬注射剤研究の技術要求」、1999,11,12)
包接体、生理食塩水で調合した溶液の溶血性と現有パクリタクセル調合剤とを比べて見たところ、著しい差異があった。固形包接体を希釈してなる溶液の溶血作用は軽微であった。一方、現有パクリタクセル調合剤を臨床投与量0.06mg/mlの薄い濃度に希釈したところ、溶血作用はやはり15%以上であった。その結果を図5に示した。
体内の腫瘍抑え機能:
20±2の昆明雄マウスの右脇に、1×107/ml S180細胞(2×l06細胞)実体腫瘍モデル0.2mlを皮下注射し、パクリタクセル及びパクリタクセル・シクロデキストリン包接体のサンプル溶液を腹腔から7日間投与した。当該実験条件の下で、パクリタクセル・シクロデキストリン包接体5mg/kgドーセージの腫瘍抑え率は94.69%で、包接していないパクリタクセル(腫瘍抑え率が82.77%である)より明らかに高い。また、パクリタクセル及びパクリタクセル・シクロデキストリン包接体は、共に動物の体重を低減させるが、パクリタクセル組による体重の低減が、包接体組より大きい。これは、包接後のパクリタクセルの腫瘍抑え活性が強くなり、毒・副作用が降下されたことを表する。
包接体はパクリタクセルの溶解度を著しく向上させ(10mg/ml以上)、溶液を希釈した後も澄んで、安定した状態を長い間維持することができ、且つ溶血作用が低く、毒副作用が少なく、薬物の活性も良好である。
パクリタクセルとシクロデキストリンとを包接した後、固体、液体サンプルの含有量は安定し、薬物・シクロデキストリンの比率も小さく、調合剤におけるシクロデキストリンの使用量は低く、臨床応用として適宜する。
本発明の包接体の有機溶剤の残存量は少なく、薬物安全性の向上に有利である。
製造方法が簡単で、ハンドリング性が良好であり、コストが低く、且つ環境に対する汚染がない。また、包接体の性質が安定で、他の薬用補助材との相溶性がよく、調合剤の製造に適する。
包接体により製造した注射液は、腐食性成分を含んでいなく、毒性がない。また、臨床応用に便利で、且つ実用性が高い。
1:9モル比のパクリタクセル/スルホブチル-b-シクロデキストリン包接体H, C―COSY(溶剤D2O、d4.1〜3.4部分)。 異なる濃度のヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン水溶液におけるパクリタクセルの紫外線吸収走査図(210nm〜296nm)。 パクリタクセル/ヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン包接体の高温試験(5日間)のHPLCクロマトグラフィー図。 パクリタクセル原料の高温試験(5日間)のHPLCクロマトグラフィー図。 市販のパクリタクセル調合剤、パクリタクセル/ヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン(HP-SBE-β-CD)包接体、パクリタクセル/スルホブチル-b-シクロデキストリン包接体を生理食塩水で希釈した溶液、パクリタクセル濃度‐溶血作用の曲線図。
ヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン3gを純水6mlと混合させ、攪拌しながらパクリタクセル120mgとアルコール3mlとを配合してなる溶液を緩やかに滴下し、体系が完全に溶解するまで充分に攪拌して混合させた後、0.2 〜 0.4mmの微孔ろ過膜でろ過し、ろ過液を65℃の下で減圧、蒸留してアルコールを除去し、殺菌処理してからさらに減圧蒸留して水分を完全に除去して乾燥させ、固形物に対し引き続き減圧して48時間乾燥させて、白色の固形包接体を得た。各パラメータは図1〜図5に示した通りである。
上記粉状の包接体780mg(パクリタクセルを30mg含有する)と注射用生理食塩水250mlとを混合し、溶解させて液体の包接体組成物とし、この溶液は注射用として便利に利用できる。
実施例1において、ヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン4.5gを純水15mlとを混合させ、パクリタクセルの使用量を30mgにした以外は、実施例1と同様にする。
実施例1において、パクリタクセルを300mgにした以外は、実施例1と同様にする。
実施例1において、シクロデキストリンとしてスルホブチル-b-シクロデキストリンを使用した以外は、実施例1と同様にする。
実施例2において、シクロデキストリンとしてスルホブチル-b-シクロデキストリンを使用した以外は、実施例2と同様にする。
実施例3において、シクロデキストリンとしてスルホブチル-b-シクロデキストリンを使用した以外は、実施例3と同様にする。
実施例1において、シクロデキストリンとしてスルホブチル-b-シクロデキストリンとヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリンを1:1の質量比で混合した混合物を使用した以外は、実施例1と同様にする。
実施例2において、シクロデキストリンとしてスルホブチル-b-シクロデキストリンとヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリンを1:50の質量比で混合した混合物を使用した以外は、実施例2と同様にする。
実施例3において、シクロデキストリンとしてスルホブチル-b-シクロデキストリンとヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリンを50:1の質量比で混合した混合物を使用した以外は、実施例3と同様にする。
実施例1において、まずシクロデキストリン、パクリタクセルと純水6mlを混合させ、攪拌しながら体系が完全に溶解するまで緩やかにアルコールを滴下した以外は、実施例1と同様にする。
実施例1において、得られた粉状の包接体を等張濃度のブドウ糖注射液で希釈した以外は、実施例1と同様にする。
実施例1において、得られた粉状の包接体を等張濃度の果糖注射液で希釈した以外は、実施例1と同様にする。

Claims (5)

  1. シクロデキストリン・パクリタクセルの包接体を含有する薬物組成物であって、パクリタクセル、シクロデキストリン及び薬用補助剤からなり、ここで、パクリタクセルとシクロデキストリンの質量比が1:10〜150であり、前記シクロデキストリンがヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン、またはスルホブチル-b-シクロデキストリン、またはスルホブチル-b-シクロデキストリンとヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリンを任意の比率で混合した混合物であり、シクロデキストリンでパクリタクセルを包接する安定定数Ka=5396M-1〜14121M-1であることを特徴とするシクロデキストリン・パクリタクセルの包接体を含有する薬物組成物。
  2. 前記シクロデキストリン・パクリタクセルの包接体を含有する薬物組成物が、ヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン、またはスルホブチル-b-シクロデキストリン、またはスルホブチル-b-シクロデキストリンとヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリンの混合物の純水溶液に、攪拌しながらパクリタクセルのアルコール溶液を滴下し、体系が溶解した後、0.2〜0.4mmの微孔ろ過膜でろ過し、ろ過液を減圧してアルコールを除去し、さらに減圧して水分を除去し、乾燥して固形包接体を得る、または減圧してアルコールを除去して液体包接体を得る製造方法により得られることを特徴とする、請求項1に記載のシクロデキストリン・パクリタクセルの包接体を含有する薬物組成物。
  3. 前記包接体におけるアルコールの含有量が2%未満であることを特徴とする、請求項1または2に記載のシクロデキストリン・パクリタクセルの包接体を含有する薬物組成物。
  4. ヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン、またはスルホブチル-b-シクロデキストリン、またはスルホブチル-b-シクロデキストリンとヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン混合物の純水溶液に、攪拌しながらパクリタクセルのアルコール溶液を滴下し、
    体系が溶解した後、0.2〜0.4mmの微孔ろ過膜でろ過し、ろ過液を減圧してアルコールを除去して液体包接体を得る、または減圧でアルコールを除去した後さらに減圧して水分を除去し、乾燥して固体包接体とし、且つ得られた包接体におけるアルコールの含有量が2%未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシクロデキストリン・パクリタクセルの包接体を含有する薬物組成物の製造方法。
  5. 前記シクロデキストリン・パクリタクセルの包接体を含有する薬物組成物の製造方法において、その具体的なステップが、
    1:25の質量比のパクリタクセルとシクロデキストリンでシクロデキストリンの純水溶液を調製し、該溶液は、ヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン、又はスルホブチル-b-シクロデキストリン、又はスルホブチル-b-シクロデキストリンとヒドロキシプロピル-スルホブチル-b-シクロデキストリン混合物と、2〜10倍質量の純水とを混合してなる溶液に、攪拌しながら、緩やかにパクリタクセルとパクリタクセルを溶解できる適量のアルコールで配合した溶液を規定比率に添加してなる溶液を指し、パクリタクセルは、室温で又は25〜65℃の温度で攪拌しながら添加してなり、
    包接体を生成した後、0.2〜0.4mmの微孔ろ過膜でろ過してから、減圧してアルコールを完全に除去して、液体の包接体を得る、または、更に水分が完全に除去できるまで引き続き減圧を行い、減圧、真空乾燥を行って、固形包接体を得ることである、請求項4に記載のシクロデキストリン・パクリタクセルの包接体を含有する薬物組成物の製造方法。
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