JPH0753396A - タキソールのサイクロデキストリン包接物,その製造法および用途 - Google Patents

タキソールのサイクロデキストリン包接物,その製造法および用途

Info

Publication number
JPH0753396A
JPH0753396A JP5224999A JP22499993A JPH0753396A JP H0753396 A JPH0753396 A JP H0753396A JP 5224999 A JP5224999 A JP 5224999A JP 22499993 A JP22499993 A JP 22499993A JP H0753396 A JPH0753396 A JP H0753396A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
taxol
cyclodextrin
group
water
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5224999A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Takahashi
英樹 高橋
Takako Saitou
香子 斎藤
Katsuhiko Mikuni
克彦 三国
Nobuhiro Kuwabara
宣洋 桑原
Hiroki Hamada
博喜 浜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ensuiko Sugar Refining Co Ltd
Original Assignee
Ensuiko Sugar Refining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ensuiko Sugar Refining Co Ltd filed Critical Ensuiko Sugar Refining Co Ltd
Priority to JP5224999A priority Critical patent/JPH0753396A/ja
Priority to AU61835/94A priority patent/AU662467B2/en
Priority to DE69423683T priority patent/DE69423683T2/de
Priority to EP94106929A priority patent/EP0639380B1/en
Priority to HU9401425A priority patent/HU214338B/hu
Priority to CA002123946A priority patent/CA2123946C/en
Publication of JPH0753396A publication Critical patent/JPH0753396A/ja
Priority to US08/470,018 priority patent/US5684169A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y5/00Nanobiotechnology or nanomedicine, e.g. protein engineering or drug delivery
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/335Heterocyclic compounds having oxygen as the only ring hetero atom, e.g. fungichromin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/50Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates
    • A61K47/69Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the conjugate being characterised by physical or galenical forms, e.g. emulsion, particle, inclusion complex, stent or kit
    • A61K47/6949Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the conjugate being characterised by physical or galenical forms, e.g. emulsion, particle, inclusion complex, stent or kit inclusion complexes, e.g. clathrates, cavitates or fullerenes
    • A61K47/6951Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the conjugate being characterised by physical or galenical forms, e.g. emulsion, particle, inclusion complex, stent or kit inclusion complexes, e.g. clathrates, cavitates or fullerenes using cyclodextrin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Epoxy Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 タキソールの水への溶解性を改善すること。 【構成】 タキソールをサイクロデキストリンの一つ以
上の水酸基がエーテル結合を介してメチル基,ヒドロキ
シエチル基およびヒドロキシプロピル基のうちの少なく
とも一つで置換された置換型α−,β−もしくはγ−サ
イクロデキストリンに包接せしめたタキソールのサイク
ロデキストリン包接物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タキソールの水への溶
解性の改善に関し、詳しくは水系においてタキソールに
α−サイクロデキストリン,β−サイクロデキストリ
ン,γ−サイクロデキストリン(以後、サイクロデキス
トリンをCDと略記する。)またはこれらCDの一つ以
上の水酸基がエーテル結合を介してグルコシル基,マル
トシル基,マルトオリゴ糖残基,メチル基,ヒドロキシ
エチル基およびヒドロキシプロピル基のうちの少なくと
も一つで置換された置換型α−,β−もしくはγ−CD
を反応させるか、または有機溶媒−水系においてタキソ
ールにCDの一つ以上の水酸基がエーテル結合を介して
メチル基,ヒドロキシエチル基およびヒドロキシプロピ
ル基のうちの少なくとも一つで置換された置換型α−,
β−もしくはγ−CDを反応させることによりタキソー
ルのCD包接物を得、これによって水への溶解性を改善
し、タキソールを可溶化することに関する。
【0002】
【従来の技術】タキソールは、北米産のイチイの一種(T
axus brevifolia)の樹皮から抽出される物質であり、癌
細胞の細胞分裂を抑制する働きを持っている。特に、卵
巣癌の患者に効果があることが認められ、新手の強力な
抗癌剤として注目を浴びている。しかし、タキソールは
水に溶解しないので、患者に投与しても全く吸収されな
い。タキソールは最近発見された物質であり、その溶解
性に関する報告は特願平4−339495号明細書以外
はほとんど報告されていない。特願平4−339495
号明細書は、有機溶媒−水系においてタキソールにα−
CD,β−CD,γ−CDまたはCDの一つ以上の水酸
基がエーテル結合を介してグルコシル基,マルトシル基
およびマルトオリゴ糖残基のうちの少なくとも一つで置
換された置換型α−CD,β−CDもしくはγ−CDを
反応させることによりタキソールの水への溶解性を改善
するというものである。しかし、この方法はタキソール
のCD包接物を調製する際に有機溶媒を必要とするた
め、コスト高となる、操作が煩雑になる、包接物中への
有機溶媒の残存が問題となる、等の欠点を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、タキソール
のCD包接物を調製する際、有機溶媒を全く用いない新
規で経済的、且つ簡便な方法、また有機溶媒−水系にお
いてタキソールのCD包接物を調製する際、α−CD,
β−CD,γ−CD,CDの一つ以上の水酸基がエーテ
ル結合を介してグルコシル基,マルトシル基,マルトオ
リゴ糖残基のうち少なくとも一つで置換された置換型α
−CD,β−CD,γ−CD以外のCDを用いる新規な
方法で、タキソールの水への溶解性を改善し、タキソー
ルの可溶化を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)タキソ
ールをCDの一つ以上の水酸基がエーテル結合を介して
メチル基,ヒドロキシエチル基およびヒドロキシプロピ
ル基のうちの少なくとも一つで置換された置換型α−,
β−もしくはγ−CDに包接せしめたタキソールのCD
包接物、(2)水系において攪拌もしくは振盪しながら
タキソールにα−CD,β−CD,γ−CDまたはCD
の一つ以上の水酸基がエーテル結合を介してグルコシル
基,マルトシル基,マルトオリゴ糖残基,メチル基,ヒ
ドロキシエチル基およびヒドロキシプロピル基のうちの
少なくとも一つで置換された置換型α−,β−もしくは
γ−CDを反応させることを特徴とするタキソールのC
D包接物の製造法、(3)有機溶媒−水系においてタキ
ソールにCDの一つ以上の水酸基がエーテル結合を介し
てメチル基,ヒドロキシエチル基およびヒドロキシプロ
ピル基のうちの少なくとも一つで置換された置換型α
−,β−もしくはγ−CDを反応させることを特徴とす
るタキソールのCD包接物の製造法、(4)水系におい
て攪拌もしくは振盪しながらタキソールにα−CD,β
−CD,γ−CDまたはCDの一つ以上の水酸基がエー
テル結合を介してグルコシル基,マルトシル基,マルト
オリゴ糖残基,メチル基,ヒドロキシエチル基およびヒ
ドロキシプロピル基のうちの少なくとも一つで置換され
た置換型α−,β−もしくはγ−CDを反応させること
によりタキソールの水への溶解性を改善する方法および
(5)有機溶媒−水系においてタキソールにCDの一つ
以上の水酸基がエーテル結合を介してメチル基,ヒドロ
キシエチル基およびヒドロキシプロピル基のうちの少な
くとも一つで置換された置換型α−,β−もしくはγ−
CDを反応させることによりタキソールの水への溶解性
を改善する方法を提供するものである。
【0005】以下に本発明を詳細に説明する。CDと
は、D−グルコース6〜8個が環状にα−1,4結合し
ている化合物であり、D−グルコース6個,7個および
8個からなるものはそれぞれα−CD,β−CDおよび
γ−CDと呼ばれている。本発明で用いるCDは、これ
らCDもしくは該CDの一つ以上の水酸基をエーテル結
合を介して少なくとも一つ以上の官能基で置換された化
合物を言う。このようなCDとしては、官能基の種類と
して糖残基(グルコシル基,マルトシル基,マルトオリ
ゴ糖残基等)、アルキル基(メチル基等)、ヒドロキシ
アルキル基(ヒドロキシエチル基,ヒドロキシプロピル
基等)などで置換されたものが挙げられる。これらCD
は単独もしくは適宜組合わせて使用することができる。
【0006】水系の反応においてタキソールのCD包接
物を得るには、該CDを水に溶解させ、この液にタキソ
ールを添加し、激しく撹拌または振盪する。該CDの濃
度は水に対し0.0001〜200重量%であるが、好ま
しくは1〜50重量%が適当である。
【0007】タキソールに対する該CDの混合割合は、
1〜1億倍(モル比)、好ましくは100〜10万倍
(モル比)が適当である。撹拌または振盪はできるだけ
激しく、数分〜数十時間行う。なお、接触反応温度は0
〜60℃、好ましくは15〜40℃とする。
【0008】この反応によりタキソールがCDに包接さ
れる。なお、CDに対するタキソールの混合割合が高い
ために溶解しないタキソールが含まれている場合は、反
応液を濾過することにより該タキソールを除去する。こ
のようにして得たタキソールのCD包接物の水溶液を、
必要に応じて乾燥することにより、粉末化されたタキソ
ールのCD包接物を得ることができる。これらのタキソ
ールのCD包接物は、タキソール単独よりも水への溶解
性が飛躍的に高い。
【0009】次に、有機溶媒−水系の反応においてタキ
ソールのCD包接物を得るには、まずタキソールを有機
溶媒に溶解する。ここで、有機溶媒としては例えば酢酸
エチル,メタノール,エタノール,アセトン,アセトニ
トリル,テトラヒドロフラン,ジメチルスルホキシド等
が使用でき、特にアセトニトリル、メタノールが好まし
い。なお、有機溶媒の使用量については、タキソールが
溶解すれば良く、特に制限はない。一方、タキソールの
1〜1億倍(モル比)量、好ましくは100〜10万倍
(モル比)量の該CDを水溶液とし、タキソール溶液に
添加する。この場合、液全体が混和する程度に撹拌する
ことが好ましく、さらにはスターラー等を用いて激しく
撹拌することが一層好ましい。また、反応温度について
も格別な条件はなく、室温で十分に反応が進行する。反
応時間は、数分〜数時間で良い。
【0010】この反応によりタキソールがCDに包接さ
れる。さらに、この溶液を所望に応じて乾燥することに
より、安定なタキソールのCD包接物を得ることができ
る。このタキソールのCD包接物は水への溶解性が高
い。
【0011】このようにして得たタキソールのCD包接
物を静脈注射または経口投与などにより患者に投与する
と、タキソールを少量の投与量で、かつ効率良く患部に
運搬することが可能である。そのため、タキソールの持
つ生理活性を効率良く発現させることができる。
【0012】本発明により得られるタキソールのCD包
接物は、種々の形態で用いることが可能であり、例えば
注射薬として調製できるほか粉末としてそのまま用いた
り、その粉末を顆粒,タブレットとしたり、あるいは粉
末をカプセルに詰めるなどの形態として、利用者の便宜
を図るために製剤化することができる。勿論、溶液状の
まま用いることもできる。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例によって詳細に説明す
るが、本発明はこれらにより制限されるものではない。
【0014】実施例1 α−CD 0.058g, γ−CD 0.078g, 6−モ
ノ−O−マルトシル−α−CD(以後、G2 −α−CD
と略する。) 0.078g, 6−モノ−O−マルトシル
−β−CD(以後、G2 −β−CDと略する。) 0.0
88g, 6−モノ−O−マルトシル−γ−CD(以後、
2 −γ−CDと略する。) 0.097g,2,6−ジ
−O−メチル−α−CD(以後、DM−α−CDと略す
る。)0.069g, 2,6−ジ−O−メチル−β−CD
(以後、DM−β−CDと略する。) 0.080g, β
−CD1分子の水酸基21個のうち平均1.6個がエーテ
ル結合を介してヒドロキシエチル基に置換されているヒ
ドロキシエチル−β−CD(以後、HE−β−CDと略
する。) 0.098g, β−CD1分子の水酸基21個
のうち平均0.9個がエーテル結合を介してヒドロキシプ
ロピル基に置換されているヒドロキシプロピル−β−C
D(以後、HP−β−CDと略する。)0.090gをそ
れぞれ水に溶解して10mlに定容し、6mMの各CD
水溶液を調製した。それらにタキソールを2mgずつ添
加し、室温(20〜25℃)で5,000rpmにて撹
拌した。また、水10mlにタキソールを2mg添加
し、室温(20〜25℃)で5,000rpmにて撹拌し
た。70分後、これらを孔径0.45μmのフィルターで
濾過して得られた濾液中のタキソールを高速液体クロマ
トグラフ(HPLC)法で定量した。その結果を第1表
に示す。
【0015】
【表1】 第 1 表 ──────────────────────────── タキソール溶解度 ──────────────────────────── CD無添加 0 μg/ml α−CD 0.3 γ−CD 0.3 G2 −α−CD 0.3 G2 −β−CD 0.5 G2 −γ−CD 0.4 DM−α−CD 2.8 DM−β−CD 47.1 HE−β−CD 0.5 HP−β−CD 1.1 ────────────────────────────
【0016】実施例2 G2 −α−CD 1.296g、G2 −β−CD 1.45
8g、G2 −γ−CD1.620g、DM−β−CD 1.
331g、2,3,6−トリ−O−メチル−β−CD
(以後、TM−β−CDと略する。) 1.429g、H
E−β−CD1.629g、HP−β−CD 1.501g
をそれぞれ水に溶解して10mlに定容し、100mM
の各CD水溶液を調製した。タキソールをDM−β−C
D水溶液には20mg、HP−β−CD水溶液には2m
g、その他のCD水溶液には1mgずつ添加し、室温
(20〜25℃)で5,000rpmで撹拌した。また、
水10mlにタキソールを1mg添加し、室温(20〜
25℃)で5,000rpmにて撹拌した。70分後、こ
れらを孔径0.45μmのフィルターで濾過して得られた
濾液中のタキソールを定量した。その結果を第2表に示
す。
【0017】
【表2】 第 2 表 ────────────────────────── タキソール溶解度 ────────────────────────── CD無添加 0.4 μg/ml G2 −α−CD 1.6 G2 −β−CD 23.0 G2 −γ−CD 1.5 DM−β−CD 1236 TM−β−CD 28.0 HE−β−CD 22.2 HP−β−CD 68.9 ──────────────────────────
【0018】実施例3 DM−β−CD 1.331gを水に溶解して10mlに
定容し、100mMのCD水溶液を調製した。それにタ
キソールを20mg添加し、室温(20〜25℃)で5,
000rpmにて撹拌した。1時間から11時間まで経
時的に反応液を採取し、孔径0.45μmのフィルターで
濾過して得られた濾液中のタキソールを定量した。その
結果を図1に示す。
【0019】実施例4 メタノール:水=1:1(体積比), アセトニトリル:
水=1:1(体積比), アセトン:水=1:1(体積
比), テトラヒドロフラン:水=1:1(体積比)の各
溶液70mlにタキソールを5mgずつ加えて溶解し、
さらにDM−β−CDを500mgずつ加えて溶解し、
25℃でスターラーにて激しく撹拌した。2時間後、全
ての溶液に水を100mlずつ加えて凍結して凍結乾燥
を行い、水分及び有機溶媒を完全に除去した。このよう
にして得られた粉末をそれぞれ8mg取り、1mlの水
に加えて混合撹拌し、孔径0.45μmのフィルターで濾
過して得られた濾液中のDM−β−CD及びタキソール
をHPLC法を用いて定量した。第3表にDM−β−C
D濃度が6mMのときのタキソール溶解度を示す。
【0020】
【表3】 第 3 表 ─────────────────────────── 使用有機溶媒 タキソール溶解度 ─────────────────────────── メタノール 63.2 μg/ml アセトニトリル 78.6 アセトン 43.9 テトラヒドロフラン 10.3 ───────────────────────────
【0021】実施例5 メタノール:水=1:1(体積比)溶液100mlにタ
キソールを5mg加えて溶解し、さらにHE−β−CD
またはHP−β−CDを50mg加えて溶解し、25℃
でスターラーにて激しく撹拌した。2時間後、全ての溶
液に水を300mlずつ加えて凍結して凍結乾燥を行
い、水分及び有機溶媒を完全に除去した。このようにし
て得られた粉末をそれぞれ9.8mg、9.0mg取り、1
mlの水に加え、混合撹拌し、孔径0.45μmのフィル
ターで濾過して得られた濾液中のタキソールを定量し
た。その結果を第4表に示す。
【0022】
【表4】 第 4 表 ────────────────────────── 使用CD タキソール溶解度 ────────────────────────── HE−β−CD 1.3 μg/ml HP−β−CD 6.1 ──────────────────────────
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、水系においてタキソー
ルに特定のCDを反応させるか、または有機溶媒−水系
において特定のタキソールにCDを反応させることによ
り、タキソールのCD包接物を得、さらに該反応により
タキソールの水への溶解性を改善し、タキソールの可溶
化を向上させることができる。したがって、本発明のタ
キソールのCD包接物を抗癌剤として使用すれば、タキ
ソールを吸収し易い状態で癌患者に投与することがで
き、タキソールの生理作用を効果的に発現させることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】0. 1M DM−β−CD水溶液に対するタキ
ソール溶解量の経時変化を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 宣洋 神奈川県横浜市鶴見区大黒町13−46 塩水 港精糖株式会社内 (72)発明者 浜田 博喜 岡山県岡山市理大町1−1 岡山理科大学 内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タキソールをサイクロデキストリンの一
    つ以上の水酸基がエーテル結合を介してメチル基,ヒド
    ロキシエチル基およびヒドロキシプロピル基のうちの少
    なくとも一つで置換された置換型α−,β−もしくはγ
    −サイクロデキストリンに包接せしめたタキソールのサ
    イクロデキストリン包接物。
  2. 【請求項2】 水系において攪拌もしくは振盪しながら
    タキソールにα−サイクロデキストリン,β−サイクロ
    デキストリン,γ−サイクロデキストリンまたはサイク
    ロデキストリンの一つ以上の水酸基がエーテル結合を介
    してグルコシル基,マルトシル基,マルトオリゴ糖残
    基,メチル基,ヒドロキシエチル基およびヒドロキシプ
    ロピル基のうちの少なくとも一つで置換された置換型α
    −,β−もしくはγ−サイクロデキストリンを反応させ
    ることを特徴とするタキソールのサイクロデキストリン
    包接物の製造法。
  3. 【請求項3】 有機溶媒−水系においてタキソールにサ
    イクロデキストリンの一つ以上の水酸基がエーテル結合
    を介してメチル基,ヒドロキシエチル基およびヒドロキ
    シプロピル基のうちの少なくとも一つで置換された置換
    型α−,β−もしくはγ−サイクロデキストリンを反応
    させることを特徴とするタキソールのサイクロデキスト
    リン包接物の製造法。
  4. 【請求項4】 水系において攪拌もしくは振盪しながら
    タキソールにα−サイクロデキストリン,β−サイクロ
    デキストリン,γ−サイクロデキストリンまたはサイク
    ロデキストリンの一つ以上の水酸基がエーテル結合を介
    してグルコシル基,マルトシル基,マルトオリゴ糖残
    基,メチル基,ヒドロキシエチル基およびヒドロキシプ
    ロピル基のうちの少なくとも一つで置換された置換型α
    −,β−もしくはγ−サイクロデキストリンを反応させ
    ることによりタキソールの水への溶解性を改善する方
    法。
  5. 【請求項5】 有機溶媒−水系においてタキソールにサ
    イクロデキストリンの一つ以上の水酸基がエーテル結合
    を介してメチル基,ヒドロキシエチル基およびヒドロキ
    シプロピル基のうちの少なくとも一つで置換された置換
    型α−,β−もしくはγ−サイクロデキストリンを反応
    させることによりタキソールの水への溶解性を改善する
    方法。
JP5224999A 1992-11-27 1993-08-19 タキソールのサイクロデキストリン包接物,その製造法および用途 Pending JPH0753396A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5224999A JPH0753396A (ja) 1993-08-19 1993-08-19 タキソールのサイクロデキストリン包接物,その製造法および用途
AU61835/94A AU662467B2 (en) 1993-08-19 1994-05-02 Cyclodextrin inclusion product of taxol, process for producing the same, and its use
DE69423683T DE69423683T2 (de) 1993-08-19 1994-05-04 Cyclodextrin Einschluskomplexe mit Taxol, ein Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Anwendung
EP94106929A EP0639380B1 (en) 1993-08-19 1994-05-04 Cyclodextrin inclusion product of taxol, process for producing the same, and its use
HU9401425A HU214338B (hu) 1993-08-19 1994-05-06 Eljárás taxoltartalmú ciklodextrin zárványtermék előállítására
CA002123946A CA2123946C (en) 1993-08-19 1994-05-19 Cyclodextrin inclusion product of paclitaxel, process for producing the same, and its use
US08/470,018 US5684169A (en) 1992-11-27 1995-06-06 Cyclodextrin inclusion complex of taxol, and method for its production and its use

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5224999A JPH0753396A (ja) 1993-08-19 1993-08-19 タキソールのサイクロデキストリン包接物,その製造法および用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0753396A true JPH0753396A (ja) 1995-02-28

Family

ID=16822503

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5224999A Pending JPH0753396A (ja) 1992-11-27 1993-08-19 タキソールのサイクロデキストリン包接物,その製造法および用途

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP0639380B1 (ja)
JP (1) JPH0753396A (ja)
AU (1) AU662467B2 (ja)
CA (1) CA2123946C (ja)
DE (1) DE69423683T2 (ja)
HU (1) HU214338B (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005515982A (ja) * 2001-11-19 2005-06-02 ヴィアネックス・エス・エイ 2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンによるタキソールの包接錯体
JP2010090147A (ja) * 1998-02-05 2010-04-22 Novartis Ag エポシロン組成物
JP2011509925A (ja) * 2007-11-22 2011-03-31 エスケー ケミカルズ カンパニー リミテッド タキサン誘導体を含有する、改良された再構成時間を有する凍結乾燥医薬組成物及びその製法
JP2011529950A (ja) * 2008-08-06 2011-12-15 ビオアリアンス ファルマ 化学療法剤の経口製剤
KR101502533B1 (ko) * 2007-11-22 2015-03-13 에스케이케미칼주식회사 우수한 안정성을 갖는 택산 유도체 함유 주사제용동결건조 조성물 및 이의 제조방법
JP2020176063A (ja) * 2019-04-15 2020-10-29 国立大学法人 熊本大学 ライソゾーム病の治療または予防のための医薬組成物

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
HU213200B (en) 1993-05-12 1997-03-28 Chinoin Gyogyszer Es Vegyeszet The cyclodextrin or cyclodextrin derivative cluster complexes of taxol, taxotere, or taxus, pharmaceutical preparations containing them and process for their production
HUT73844A (en) * 1994-11-11 1996-09-30 Chinoin Gyogyszer Es Vegyeszet New taxol complexes and pharmaceutical compositions containing them
HUP9701945A3 (en) * 1997-11-10 2000-04-28 Hexal Ag Pharmaceutical composition for injection containing cyclodextrin and taxoids
FR2862649B1 (fr) * 2003-11-26 2006-01-27 Centre Nat Rech Scient Nouveaux dimeres de cyclodextrines et leurs derives, leurs procedes de preparation et leur utilisation notamment pour la solubilisation de substances pharmacologiquement actives
CN100486645C (zh) 2006-09-12 2009-05-13 南京师范大学 含有环糊精紫杉醇包合物的药物组合物及其制备方法
CN100411688C (zh) 2006-09-12 2008-08-20 南京师范大学 含有环糊精/多烯紫杉醇包合物的药物组合物及其制备方法
CN101250288B (zh) * 2008-01-18 2010-06-02 南通大学 环维黄杨星D羟丙基-β-环糊精包合物及制备方法
WO2010029575A2 (en) * 2008-08-18 2010-03-18 Vishwanath Kannan Docetaxel lyophilized parentaral formulation for safe drug delivery system and process of making thereof

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS574914A (en) * 1980-05-09 1982-01-11 Chinoin Gyogyszer Es Vegyeszet Manufacture of aqueous solution of water- insoluble or water-hard-soluble compound
JPS61200965A (ja) * 1985-03-04 1986-09-05 Yamanouchi Pharmaceut Co Ltd 新規包接化合物及びそれを含有する薬剤
JPS62220501A (ja) * 1986-03-20 1987-09-28 Kao Corp メチル化β−シクロデキストリン
JPS649914A (en) * 1987-07-01 1989-01-13 Kao Corp Water-soluble antibacterial agent and cosmetic containing same
JPH029825A (ja) * 1988-03-29 1990-01-12 Univ Florida 非経口投与用薬剤組成物
JPH02196709A (ja) * 1988-10-28 1990-08-03 Shiseido Co Ltd 化粧料および粉末化粧料
JPH035438A (ja) * 1989-05-31 1991-01-11 Kaken Pharmaceut Co Ltd フルルビプロフェン包接化合物およびこの包接化合物を用いる消炎鎮痛剤
JPH03157314A (ja) * 1989-11-16 1991-07-05 Shiseido Co Ltd 化粧料

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06157330A (ja) * 1992-11-27 1994-06-03 Ensuiko Sugar Refining Co Ltd タキソールのサイクロデキストリン包接物,その製造法と用途

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS574914A (en) * 1980-05-09 1982-01-11 Chinoin Gyogyszer Es Vegyeszet Manufacture of aqueous solution of water- insoluble or water-hard-soluble compound
JPS61200965A (ja) * 1985-03-04 1986-09-05 Yamanouchi Pharmaceut Co Ltd 新規包接化合物及びそれを含有する薬剤
JPS62220501A (ja) * 1986-03-20 1987-09-28 Kao Corp メチル化β−シクロデキストリン
JPS649914A (en) * 1987-07-01 1989-01-13 Kao Corp Water-soluble antibacterial agent and cosmetic containing same
JPH029825A (ja) * 1988-03-29 1990-01-12 Univ Florida 非経口投与用薬剤組成物
JPH02196709A (ja) * 1988-10-28 1990-08-03 Shiseido Co Ltd 化粧料および粉末化粧料
JPH035438A (ja) * 1989-05-31 1991-01-11 Kaken Pharmaceut Co Ltd フルルビプロフェン包接化合物およびこの包接化合物を用いる消炎鎮痛剤
JPH03157314A (ja) * 1989-11-16 1991-07-05 Shiseido Co Ltd 化粧料

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010090147A (ja) * 1998-02-05 2010-04-22 Novartis Ag エポシロン組成物
JP2005515982A (ja) * 2001-11-19 2005-06-02 ヴィアネックス・エス・エイ 2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンによるタキソールの包接錯体
JP2011509925A (ja) * 2007-11-22 2011-03-31 エスケー ケミカルズ カンパニー リミテッド タキサン誘導体を含有する、改良された再構成時間を有する凍結乾燥医薬組成物及びその製法
KR101502533B1 (ko) * 2007-11-22 2015-03-13 에스케이케미칼주식회사 우수한 안정성을 갖는 택산 유도체 함유 주사제용동결건조 조성물 및 이의 제조방법
JP2011529950A (ja) * 2008-08-06 2011-12-15 ビオアリアンス ファルマ 化学療法剤の経口製剤
JP2020176063A (ja) * 2019-04-15 2020-10-29 国立大学法人 熊本大学 ライソゾーム病の治療または予防のための医薬組成物

Also Published As

Publication number Publication date
EP0639380B1 (en) 2000-03-29
DE69423683T2 (de) 2000-08-03
AU6183594A (en) 1995-03-02
HUT71251A (en) 1995-11-28
HU9401425D0 (en) 1994-08-29
AU662467B2 (en) 1995-08-31
CA2123946A1 (en) 1995-02-20
DE69423683D1 (de) 2000-05-04
CA2123946C (en) 2006-02-28
EP0639380A1 (en) 1995-02-22
HU214338B (hu) 1998-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Szejtli Past, present and futute of cyclodextrin research
Loftsson et al. Cyclodextrins and their pharmaceutical applications
Del Valle Cyclodextrins and their uses: a review
JPH0753396A (ja) タキソールのサイクロデキストリン包接物,その製造法および用途
US5684169A (en) Cyclodextrin inclusion complex of taxol, and method for its production and its use
Schwarz et al. Solubilizing steroidal drugs by β-cyclodextrin derivatives
Budhwar Cyclodextrin complexes: An approach to improve the physicochemical properties of drugs and applications of cyclodextrin complexes
EP1476472B1 (en) Novel methylated cyclodextrin complexes
CA2162716C (en) Inclusion complexes of taxol or taxotere or taxus extract formed with cyclodextrins, its preparation and use
JP2002511861A (ja) 長期の貯蔵寿命を有する、極性薬物又は極性プロドラッグを含有する医薬組成物、及びその製造方法
Hedges Cyclodextrins: properties and applications
EP0736044B1 (fr) Derives de cyclodextrine, utilisables pour solubiliser des composes chimiques hydrophobes tels que des medicaments, et leurs procedes de preparation
KR20040012696A (ko) 모다피닐 및 시클로덱스트린의 복합체
JPH06157330A (ja) タキソールのサイクロデキストリン包接物,その製造法と用途
JPS6327440A (ja) グルコシル化分岐シクロデキストリン含有組成物
JPS63135402A (ja) シクロデキストリン組成物
JPS62123196A (ja) プレドニゾロン包接化合物
EP0886654A1 (fr) Thioureido-cyclodextrines, utilisables en particulier pour solubiliser des agents antitumoraux et antiparasitaires et leurs procedes de preparation
EP1554316B1 (en) Lignan complexes
Selvaraj et al. Computational and Experimental Binding Interactions of Drug and β-Cyclodextrin as a Drug-Delivery Vehicle
LV10245B (en) Inclusion complexes of n-ethoxycarbonyl-3-morpholino-sydnonimine or salts formed with cyclodextrin derivatives, preparation thereof and pharmaceutical composition containing th same
WO2004084883A1 (en) Complexes of isotretinoin with natural beta or gamma-cyclodextrin
JP3040015B2 (ja) フォルスコリンの包接化合物
JP2779424B2 (ja) α−トコフエロールビタミンA酸エステル−シクロデキストリン複合体
US20040127462A1 (en) Anilide and cyclodextrin complexes, their preparation and their use as medicine in particular for treating dyslipidemiae