JP5086742B2 - 水処理方法 - Google Patents

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本発明は、汚染物質を含有する汚染水から汚染物質を除去する水処理方法に関する。
工場廃水等の排水は、廃水中に含まれる特定有害物質の除去が義務付けられている。また、建設工事に伴い発生する湧水や揚水地下水等も、環境基準値を上回る有害物質が含まれている場合には、有害物質を除去してからの排水が義務付けられている。
従来、このような有害物質を含有する排水(汚染水)の無害化処理は、図6に示すように、吸着材130が充填されたカラム103内に汚染水120を通過させることで、吸着材130に汚染物質を吸着させる方法により行うのが一般的であった(例えば、特許文献1参照)。
このような、従来の水処理方法は、図6に示すように、吸着材130が所定の範囲内(吸着材充填範囲131に充填されたカラム103と、カラム103の上方に配設されて汚染水120を貯留する貯水槽102と、を備えた水処理装置101を利用して行う。
特開平5−50058号公報(段落番号[0008])
前記従来の汚染水の処理方法において、汚染水120の通過に伴い、カラム103内に水みち132が形成されることがある。特に、カラム103に汚染水120を流入させる際に空気が混入すると、カラム103内の吸着材130に空隙が形成されることで水みち132が形成されやすくなる。このように、カラム103内に水みち132が形成されると、汚染水120の多くがこの水みち132を通過することで、カラム103内の吸着材130に、早く使い切るもの(処理能力が低下するもの)と、使用されないものとが発生してしまう。
一般的に、カラム103内の吸着材130は、処理能力が低下した時点で、全ての吸着材を洗浄または交換する。そのため、水みち132等により吸着材130の使用状況にむらがあると、一部の吸着材130のみの処理能力が低下した時点で、全ての吸着材130の洗浄や交換を行うことになる。故に、吸着材130の洗浄または交換のサイクルが短期間なることや、未使用に近い吸着材130について洗浄等を行うことになるため、費用や手間が嵩むという問題点が生じていた。
また、カラム103内を通過する汚染水120の流速が速すぎると、吸着材130による所望の吸着効果が得られないため、汚染水120の浄化が不十分な場合があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、吸着材を均一に使用することで処理能力の向上と吸着材の寿命の長期化を図ることを可能とした、水処理方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明は、吸着材を内包する浄化槽に汚染水を通過させて、該汚染水が含有する汚染物質を吸着除去する水処理方法であって、前記浄化槽の内部を大気圧よりも低圧力にする減圧工程と、内部が低圧力状態の前記浄化槽に前記汚染水を注水する注水工程と、前記浄化槽に注水された前記汚染水を、前記吸着材に接した状態で貯留する吸着工程と、前記浄化槽に貯留された前記汚染水を排水する排水工程と、を備え、前記吸着工程において、前記汚染水の水位と前記吸着材との上端面を同一とするとともに、前記汚染水を10秒から5分間の範囲内で貯留し、前記排水工程において、前記浄化槽の内部を大気圧よりも高圧力にして強制的に排水することを特徴としている。
かかる水処理方法によれば、浄化槽内が低圧力の状態で汚染水を注水するため、汚染水の注水に伴い空気が混入することが抑制されて、浄化槽内に形成された吸着材の層に空隙が形成されることが防止される。そのため、空隙が原因による水みちの形成が防止される。
また、浄化槽内に注水された汚染水は、吸着材に接した状態で一定時間貯留されるため、吸着材による汚染物質の吸着が効果的に行われる。つまり、汚染水は、吸着材に接した状態で、その流れを停止するため、吸着効果が得られないまま流下することが防止される。
また、汚染水を浄化槽内において吸着材に接するように貯留した状態で、汚染物質の吸着を行うことで、汚染水が吸着材の層に形成された水みちを通過することにより、吸着材の使用にむらが生じることがなく、均一に吸着材が使用される。そのため、浄化槽の長期利用化が可能となる。
また、前記排水工程において、前記浄化槽の内部を大気圧よりも高圧力にして強制的に排水するため、汚染水の処理に要する時間を省略することが可能となる。そのため、時間当たりの汚染水の処理量を増加することが可能となる。
また、前記吸着工程において、前記汚染水を、10秒から5分間の範囲内、好ましくは1分間から2分間の範囲内、より好ましくは90秒程度貯留しているため、吸着材による汚染物質の吸着をより早期かつ効果的に行うことが可能となる。
また、前記減圧工程、前記注水工程、前記吸着工程および前記排水工程を繰り返し行った後、前記吸着材の吸着能力の低下が確認された場合に、前記吸着材から該吸着材が吸着した汚染物質を洗浄除去する洗浄工程を備えていれば、吸着材の再利用化が可能となるため、好適である。
さらに、前記洗浄工程において、前記浄化槽に前記吸着材が浸るまで洗浄液を注液、貯留した後、該浄化槽の内部を高圧力にして前記洗浄液を強制的に排液することにより吸着材の洗浄を行えば、より効果的に洗浄を行うことが可能となる。
本発明の水処理方法によれば、カラム内の吸着材を均一に使用することで処理能力の向上と吸着材の寿命の長期化を図ることが可能となる。
本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。ここで、図1は、本実施形態に係る水処理方法の作業手順を示すフローチャートである。
本実施形態では、吸着材を内包する浄化槽にホウ素やフッ素等を含有する汚染水を通過させて、この汚染水が含有する汚染物質を吸着除去する水処理方法について説明する。
なお、本発明の水処理方法により浄化可能な汚染物質は、ホウ素やフッ素に限定されるものではなく、例えば、ヒ素、鉛、カドミュウム等の他の重金属に対しても適用可能である。
かかる水処理方法は、図1に示すように、浄化槽の内部を低圧力にする減圧工程S1と、内部が低圧力状態の浄化槽に汚染水を注水する工程S2と、浄化槽に注水された汚染水を、吸着材に接した状態で貯留する吸着工程S3と、浄化槽に貯留された汚染水を排水する排水工程S4とを備えて構成されている。
ここで、本実施形態の水処理方法において使用する水処理装置1について図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る水処理装置の概略を示す斜視図である。
水処理装置1は、図2に示すように、貯水槽2と、浄化槽3と、真空ポンプ4と、コンプレッサ5と、を備えて構成されている。
貯水槽2は、ホウ素やフッ素等を含有することにより汚染された汚染水20を貯留するものであって、本実施形態では、浄化槽3の上方に配置されている。
本実施形態に係る貯水槽2は、円筒状の容器であって、下端部21が漏斗状に構成されている。なお、貯水槽2の材質は限定されるものではないが、本実施形態では、ガラス製のものを使用する。
漏斗状の下端部21の先端には、流水路22が形成されており、この流水路22は、浄化槽3に連通している。
また、流水路22には、流水路22から排水される汚染水20の流れを制御するためのバルブ23が配設されており、貯水槽2から浄化槽3への汚染水20の流入を制御することが可能に構成されている。
なお、貯水槽2の形状寸法等は限定されるものではなく、適宜設定することが可能であるが、少なくとも、浄化槽3に注水される量よりも多くの汚染水20を貯水することが可能な形状を有しているものとする。また、貯水槽2と浄化槽3との位置関係も、貯水槽2から浄化槽3への汚染水20の流入が可能であれば限定されるものではない。
浄化槽3は、吸着材30を内包しており、貯水槽2から送り込まれた汚染水20の無害化処理を行う。
浄化槽3は、円筒状の部材により構成されており、密閉が可能に構成されている。なお、浄化槽3を構成する材料は、浄化槽3の内部の圧力に対して十分な耐力を有したものであれば限定されるものではないが、本実施形態では、内部の状況を視認することが可能となるように、ガラスにより構成する。
浄化槽3の上端は、蓋部材35により遮蔽されている。この蓋部材35には、流水路22、送気管41,51が接続されていて、浄化槽3と、貯水槽2、真空ポンプ4およびコンプレッサ5が連通している。
浄化槽3の下端部32は、漏斗状に形成されて、その先端に、排水孔33が形成されている。さらに、排水孔33には、バルブ34が設置されており、浄化槽3からの排水の制御が可能に構成されている。
浄化槽3に内包される吸着材30は、細粒状のイオン交換樹脂からなり、浄化槽3の下端部から7〜8割程度の深さの範囲内(吸着材充填範囲31)に充填されている。なお、浄化槽3に内包される吸着材の種類は限定されるものではなく、汚染水20が含有する汚染物質に応じて適宜選定して使用すればよい。また、吸着材30の粒径等も限定されるものではなく、適宜公知のものの中から選定して使用すればよい。また、吸着材充填範囲31の範囲も限定されるものではない。
さらに、浄化槽3の形状寸法等は、前記の構成に限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
真空ポンプ4は、浄化槽3の内部の減圧を行う減圧手段であって、送気管41を介して浄化槽3に連通されている。
浄化槽3と真空ポンプ4とを結ぶ送気管41には、中間部にトラップタンク42が配設されており、浄化槽3の減圧に伴い、送気管41に吸引された不純物を集積する。これにより、不純物が真空ポンプ4に取り込まれることにより真空ポンプ4に破損が生じることや、不純物が外部に排出されることが防止される。
送気管41には、蓋部材35への接続部に、バルブ43が配置されており、浄化槽3と真空ポンプ4との接続を遮蔽可能に構成されている。
なお、真空ポンプ4の構成や能力等は、浄化槽3の規模等に応じて適宜設定すればよい。また、トラップタンク42は、必要に応じて配置すればよく、省略することも可能である。
コンプレッサ5は、浄化槽3の内部の加圧を行う加圧手段であって、送気管51を介して浄化槽3に連通されている。
送気管51には、蓋部材35への接続部に、バルブ52が配置されており、浄化槽3とコンプレッサ5との接続を遮蔽可能に構成されている。
なお、コンプレッサ5の構成や能力等は、浄化槽3の規模等に応じて適宜設定すればよく、限定されるものではない。また、コンプレッサ5は、必要に応じて配置すればよく、省略することも可能である。
次に、本実施形態の水処理方法の詳細について説明する。
減圧工程S1は、真空ポンプ4により、浄化槽3内の減圧を行い、浄化槽3内を真空にする工程である。
浄化槽3内の減圧は、真空ポンプ4に接続する送気管41のバルブ43のみを開放し、他のバルブ23,34,52は、遮蔽した状態で行う。
この状態で真空ポンプ4を作動させると、浄化槽3内の空気が送気管41を介して真空ポンプ4へと吸引されて、浄化槽3内が減圧される。
なお、減圧工程S1による減圧は、浄化槽3内の圧力が大気圧よりも低くなれば限定されるものではないが、本実施形態では、10−1Pa以下、好ましくは10−4Pa〜10−6Paの範囲内になるように行うものとする。
注水工程S2は、真空状態の浄化槽3に、貯水槽2から汚染水20を注水する工程である。
浄化槽3への汚染水20の注水は、バルブ23のみを開放して、他のバルブ34,43,52は遮蔽した状態で行う。
貯水槽2のバルブ23を開放すると、貯水槽2に貯水された汚染水20が、浄化槽3へと流下する。本実施形態では、吸着材充填範囲31の上端面と、汚染水20の水位とが同一になるまで、注水する。そして、浄化槽3内の吸着材30が汚染水20により浸された時点で、バルブ23を遮蔽して、注水を中止する。
吸着工程S3は、浄化槽3に注水された汚染水20を一定時間貯留することにより、吸着材30を利用して汚染水20が含有する汚染物質を吸着除去する工程である。
この時、浄化槽3に接続する全てのバルブ23,34,43,52は閉じられている。また、汚染水20の水位と吸着材30(吸着材充填範囲31)の上端面とは同一であるため、汚染水20は吸着材30に接した状態で貯留されている。したがって、全ての吸着材30の使用状況が均一となっている。
本実施形態では、汚染水20が吸着材30に接した状態で、約90秒間放置することにより、汚染水20が含有するホウ素やフッ素などの汚染物質を吸着する。なお、吸着工程S3における汚染水20の貯留時間は、限定されるものではないが、好適には、10秒から5分間の範囲内、より好ましくは1分間から2分間の範囲内であればよい。
排水工程S4は、吸着工程S3により、汚染物質が吸着除去された汚染水20である浄化水を、浄化槽3から排水する工程である。
浄化槽3からの浄化水の排水は、バルブ34を操作することにより排水孔33を開放するとともに、バルブ52を操作して送気管51を介して浄化槽3とコンプレッサ5とを連通させた状態でコンプレッサ5を作動させることにより行う。
コンプレッサ5を作動させると、圧縮空気が浄化槽3に送気管51を介して送り込まれて、浄化槽3内の状態を大気圧よりも高圧力にして、排水孔33から浄化水を強制的に排水する。
浄化槽3内の浄化水が全て排水されたら、コンプレッサ5を停止する。
図1に示すように、排水工程S4までが完了したら、再び減圧工程S1に戻り、減圧工程S1〜排水工程S4の作業工程を繰り返すことで、新たな汚染水20の水処理を行う。
ここで、排水工程S4において、排水された浄化水の汚染濃度を測定し、浄化槽3に内包された吸着材30の吸着能力の低下が確認された場合は、減圧工程S1に戻る前に、洗浄工程S5に移行する。なお、浄化水の汚染濃度の測定は適宜行う。
洗浄工程S5は、吸着能力が低下した吸着材30を洗浄することにより、吸着能力の回復を図る工程である。
洗浄工程S5では、図3に示すように、浄化槽3内において、酸洗浄S51、水洗浄S52、アルカリ中和S53、水洗浄S54を行うことにより吸着材30の洗浄を行う。
酸洗浄S51は、希硫酸(HSO)等により、吸着能力が低下した吸着材30を酸性条件下にすることで、吸着された汚染物質を分離するものである。
酸洗浄S51は、図4に示すように、浄化槽3内の減圧を行い(浄化槽減圧S5a)、真空状態とした後、浄化槽3に希硫酸を吸着材30が完全に浸るまで注液し(注液S5b)、一定時間放置した後、浄化槽3内を加圧して強制的に排液する(強制排液S5c)ことにより行う。
ここで、浄化槽減圧S5a、注液S5b、強制排液S5cは、それぞれ減圧工程S1、注水工程S2、排水工程S4において説明した内容と同様の手順により行うため、詳細な説明は省略する。また、本実施形態では希硫酸により洗浄を行うものとしたが、酸洗浄に使用する薬剤はこれに限定されるものではない。
水洗浄S52では、酸洗浄S51が行われた吸着材30について、水により洗浄を行うことで、吸着材30に付着した希硫酸の除去を行う。
水洗浄S52は、酸洗浄S51と同様に、浄化槽減圧S5a、注液(注水)S5b、強制排液S5cにより行う。
アルカリ中和S53では、酸洗浄S51により酸性となった吸着材30を水酸化ナトリウム等のアルカリ性薬剤により中和する。
アルカリ中和S53は、酸洗浄S51と同様に、浄化槽減圧S5a、注液(注水)S5b、強制排液S5cにより行う。
なお、アルカリ中和S53において使用する材料は限定されるものではない。
水洗浄S54では、アルカリ中和S53が行われた吸着材30について、水により洗浄を行うことで、吸着材30に付着した水酸化ナトリウムの除去を行う。
水洗浄S54は、酸洗浄S51と同様に、浄化槽減圧S5a、注液(注水)S5b、強制排液S5cにより行う。
なお、水洗浄S52,S54では、水道水を使用するものとするが、吸着材30に付着した薬剤(希硫酸や水酸化ナトリウム)を洗い流すことができればこれに限定されるものではない。また、水洗浄S52,S54は、繰り返し行ってもよい。
洗浄工程S5が完了したら、減圧工程S1に戻り、汚染水20の無害化処理を開始する。
以上、本実施形態の水処理方法によれば、浄化槽3への汚染水20の注水を、浄化槽3内が真空の状態で行うため、吸着材30同士の間隙に空気が滞留することがなく、汚染水20と吸着材30との接触が均一に行われる。そのため、吸着材30の使用が均一に行われ、水処理装置1の使用開始から洗浄工程S5までのスパンを最大限長くすることが可能となる。故に、洗浄工程S5の回数を減らして、その手間や費用を削減することが可能となる。
また、注水工程S2では、浄化槽3が真空状態であるため、バルブ23を操作して、貯水槽2と浄化槽3とを連通させることで、貯水槽2内の汚染水20が浄化槽3に強制的に引き込まれる。故に、汚染水20の注水を早期に行うことが可能となる。
また、吸着材30を汚染水20により浸すことで、汚染水20が含有する汚染物質を吸着するため、吸着材充填範囲31に水みちが形成されることがなく、吸着材30の使用を均一に行うことが可能である。
また、吸着材30による汚染物質の吸着が行われた浄化水は、浄化槽3内を高圧力にすることで強制的に排出するため、早期に排水することが可能となる。そのため、本実施形態に係る水処理方法の減圧工程S1から排水工程S4までの時間を8BV/h以上として、従来の自然流下による水処理方法と比較して、短縮することが可能となり、短時間で所定量の汚染水の浄化を行うことが可能となった。
ここで、従来の自然流下方式による水処理方法は、図5に示すように、浄化槽を通過する汚染水の流速をおおよそ8BV/hとするのが最適であった。つまり、吸着材の表面を通過する汚染水の流速Vが速すぎると、浄化効率E(=流量×破過指数I)が低下してしまう。一方、流速Vが遅すぎると、吸着材が本来持つ吸着能力のうち、使用されない不使用領域ΔQが発生してしまう。
したがって、従来の自然流下方式による水処理方法では、浄化槽の通過流量と破過するまでの流量(破過指数I)を総合的に評価すると、おおよそ8BV/hが最適速度であった。なお、BVはベットボリュームの略であって、充填された充填物の体積に対する通水した液体の通水倍数をいう。
また、洗浄工程S5においても、浄化槽3内を真空の状態での注液を行うため、吸着材20が洗浄液に浸った状態で洗浄を行うため、効果的である。
また、浄化槽3内の洗浄液の排液を、加圧した状態で強制的に行うため、短時間で行うことが可能である。
したがって、洗浄工程S5の全体の時間を、従来の自然流下による方法と比較して大幅に削減することが可能となる。
また、浄化槽3内の液体の排水を加圧状態で強制的に行うため、洗浄工程において、浄化水が浄化槽3内に残留していることがない。したがって、吸着材30の酸洗浄S51において、効果的に洗浄を行うことが可能である。同様に水洗浄S52、アルカリ中和S53、水洗浄S54において、前工程の液が浄化槽3内に残留していることがないため、各工程の洗浄を効果的に行うことが可能である。つまり、洗浄工程S5において、使用する各薬液や水の量を必要最小限として、効果的に吸着材の洗浄を行うことができる。
一方、従来の自然流下式の水処理方法では、前工程の液(浄化水等)が、浄化槽内に残留するため、浄化槽内において洗浄液と混合されてしまい、洗浄効果が不十分となる場合がある。そのため、必要以上に洗浄液を使用する必要がある場合があった。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施形態では、排水工程において、コンプレッサを介して加圧することにより強制排水を行うものとしたが、自然排水により排水を行ってもよい。
また、水処理装置の構成は、前記実施形態で示した構成に限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
また、前記実施形態に係る水処理装置において、各バルブの開閉や真空ポンプやコンプレッサ等の制御を自動制御により行ってもよい。
以下、本発明に係る水処理方法の実証実験結果について記載する。
本実証実験では、本発明の水処理方法により、吸着材が破過する流速を測定することで、本発明の水処理方法の処理能力の検証を行った。
本実証実験では、ホウ素を含有する汚染水であって、初期汚染濃度が200ppmの汚染水を使用し、流量(BV/h)を変化させて水処理を行い、排水された浄化水の汚染濃度を測定(パックテスト)することにより、吸着材が破過する流量を測定した。
なお、比較例として、従来の自然流下方式による水処理方法の破過までの流速の測定も行った。
ここで、注水時の真空圧は、注水開始時は−0.092MPa、注水完了時は−0.05MPaであった。また、排水時の浄化槽内の空気圧は0.05MPaとして行った。
表1に、本発明に係る水処理方法の実証実験器具と、従来の自然硫化方式による水処理方法の実験器具の寸法等を示す。
Figure 0005086742
表2に、本実証実験の結果を示す。
Figure 0005086742
表2に示すように、従来の自然流下方式による水処理方法では、流速8BV/hで行った場合に、8BV以上でホウ素濃度が1ppmを超えて(9BVでホウ素濃度が2ppmとなり)破過するのに対し、本発明の水処理方法(強制給排水方式)では、10BV以上でホウ素濃度が1ppmを超える(破過する)ことがわかった。
したがって、本発明の水処理方法によれば、流速を従来の自然流下方式で行われていた8BV/hよりも速めることが可能であることが実証された。
したがって、本発明の水処理方法によれば、水処理の速度を速めることで、汚染水の処理速度および処理量を増加させることが可能であることが実証された。
また、本発明の水処理方法によれば、破過を遅らせることが可能であるため、プラントサイズを小さくしても、従来の水処理方法による水処理プラントの処理能力と同等以上の能力を発揮することが可能なことが実証された。
本発明の好適な実施の形態に係る水処理方法の作業手順を示すフローチャートである。 図1に示す水処理方法に使用される水処理装置の概略を示す斜視図である。 図1に示す水処理方法の洗浄工程の作業手順を示すフローチャートである。 図3に示す洗浄工程の作業手順を示すフローチャートである。 従来の水処理方法による流量と浄化効率との関係を示すグラフである。 従来の水処理方法に使用される水処理装置の概略を示す斜視図である。
符号の説明
1 水処理装置
2 貯水槽
20 汚染水
23 バルブ
3 浄化槽
30 吸着材
4 真空ポンプ
5 コンプレッサ
S1 減圧工程
S2 注水工程
S3 吸着工程
S4 排水工程
S5 洗浄工程

Claims (2)

  1. 吸着材を内包する浄化槽に汚染水を通過させて、該汚染水が含有する汚染物質を吸着除去する水処理方法であって、
    前記浄化槽の内部を大気圧よりも低圧力にする減圧工程と、
    内部が低圧力状態の前記浄化槽に前記汚染水を注水する注水工程と、
    前記浄化槽に注水された前記汚染水を、前記吸着材に接した状態で貯留する吸着工程と、
    前記浄化槽に貯留された前記汚染水を排水する排水工程と、を備え
    前記吸着工程において、前記汚染水の水位と前記吸着材との上端面を同一とするとともに、前記汚染水を10秒から5分間の範囲内で貯留し、
    前記排水工程において、前記浄化槽の内部を大気圧よりも高圧力にして強制的に排水することを特徴とする水処理方法。
  2. 前記減圧工程、前記注水工程、前記吸着工程および前記排水工程を繰り返し行い、その後、前記吸着材の吸着能力の低下が確認された場合に、前記吸着材から該吸着材が吸着した汚染物質を洗浄除去する洗浄工程を備えることを特徴とする、請求項1に記載の水処理方法。
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