JP5086034B2 - 外部共振器型半導体レーザ装置 - Google Patents

外部共振器型半導体レーザ装置 Download PDF

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Description

この発明は,外部共振器型半導体レーザ装置に関する。
外部共振器型半導体レーザ装置(外部共振器型ダイオード・レーザ)(External Cavity Diode Laser)(ECDL)は,ゲイン・チップ(レーザ・チップまたは半導体光アンプと呼ばれることもある)から出射される光を,ゲイン・チップの外部に配置された回折格子に入射させ,回折格子からの回折光をゲイン・チップに帰還させ,ゲイン・チップの後方端面において回折光を反射させて再び回折格子に入射させることを繰返すことによって,レーザ発振させるものである。外部共振器型半導体レーザ装置には,回折格子からの回折光をミラーを介して間接的にゲイン・チップに帰還させるリットマン(Littman-Metcalf )型と,回折格子からの回折光をゲイン・チップに直接に帰還させるリトロー(Littrow )型が知られている(たとえば,特許文献1)。
特許第3795500号公報
リットマン型では,ミラーをチルトさせる(回転駆動させる)ことによってゲイン・チップに帰還する回折光の波長を変化させ,これにより出射されるレーザ光の波長を制御(チューニング)する。他方,リトロー型では,回折格子自体をチルトさせる(回転駆動させる)ことによってゲイン・チップに帰還する回折光の波長を変化させ,これにより出射されるレーザ光の波長を制御(チューニング)する。
リットマン型の外部共振器型半導体レーザ装置およびリトロー型の外部共振器型半導体レーザ装置のいずれについても,出射されるレーザ光の波長を可変させることができ,その波長可変幅は比較的大きい(一般には,0.2μm程度)。しかしながら,より大きい波長可変幅を実現しようとする場合,ゲイン・チップが発することのできる光の波長帯域に限界があるために回折格子からゲイン・チップに帰還される回折光の波長を変化させることによる波長制御には限界がある。
この発明は,波長可変幅が極めて広い外部共振器型半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
この発明による外部共振器型半導体レーザ装置は,バンドギャップ・エネルギが互いに異なる複数のストライプ状の活性層が,後方端面から出射端面にかけて,半導体基板の基板面と平行な面内において互いに間隔をあけて形成されているアレイ型ゲイン・チップ,および前記出射端面から出射される光が入射する回折格子を含み,前記回折格子によって回折された回折光のうちの所定波長の回折光を,光を出射したストライプ状の活性層に帰還させる,波長選択性を有する光帰還機構を備えていることを特徴とする。前記アレイ型ゲイン・チップの後方端面および前記光帰還機構によって光共振器が構成される。
アレイ型ゲイン・チップには,バンドギャップ・エネルギが互いに異なる複数のストライプ状の活性層が形成されているので,複数のストライプ状の活性層のそれぞれにおいて,電流が注入されたときに光が発生して出射端面から出射される。また,複数の活性層はそのバンドギャップ・エネルギが互いに異なっているので,出射端面から出射される複数の光は互いに異なる波長をもつものになる。
アレイ型ゲイン・チップから出射される光は,回折格子を含み前記回折格子によって回折された回折光のうちの所定波長の回折光を,光を出射したストライプ状の活性層に帰還させる波長選択性を有する光帰還機構に入射する。
外部共振器型半導体レーザ装置がリットマン型のレーザ装置であれば,前記光帰還機構は回折格子およびチルト(回転)可能なミラー(光帰還ミラー)を含む。ゲイン・チップから出射される光は回折格子を介して光帰還ミラーに入射し,光帰還ミラーによって反射された光(回折光)が,光を出射した活性層に帰還する。ゲイン・チップの後方端面(さらに好ましくは後方端面にコーティングされた光反射膜)と光帰還ミラーとの間で所定の波長の回折光の反射が繰返され,所定波長でレーザ発振が生じる。光帰還ミラーをチルト(回転駆動)させることによって,ゲイン・チップに帰還する回折光の波長が変化し,これにより出射されるレーザ光の波長選択制御が実現される。
他方,外部共振器型半導体レーザ装置がリトロー型のレーザ装置であれば,前記光帰還機構は回折格子を含み,ゲイン・チップから出射される光は回折格子によって反射され,回折格子によって反射された回折光が光を出射した活性層に帰還する。ゲイン・チップのゲイン・チップの後方端面(または後方端面にコーティングされた光反射膜)と回折格子との間で所定の波長の回折光の反射が繰返され,所定波長でレーザ発振が生じる。回折格子をチルト(回転駆動)させることによって,ゲイン・チップに帰還する回折光の波長が変化し,これにより出射されるレーザ光の波長選択制御が実現される。
この発明によると,アレイ型ゲイン・チップから互いに異なる波長の複数の光が出射され,そのそれぞれについて光帰還機構による波長選択制御が行われる。このため,出射されるレーザ光について,一つのストライプ状の活性層を持つゲイン・チップを利用した外部共振器型半導体レーザ装置では得ることができない,広い波長可変幅を実現することができる。
好ましくは,前記複数の活性層のそれぞれに独立に電流を注入するための電極が備えられる。複数のストライプ状の活性層のうちのいずれかに選択的に電流を注入することができるので,波長の異なる複数の光のうちのいずれかを,選択的に,アレイ型ゲイン・チップの出射端面から出射させることができる。
複数の活性層のバンドギャップ・エネルギは,好ましくは,前記光帰還機構による波長可変幅よりも小さい幅だけバンドギャップ波長が互いに離間するように,それぞれ設定される(活性層の組成が調節される)。たとえば,リットマン型の半導体レーザ装置の場合,光帰還ミラーをチルト(回転駆動)させることによって制御可能な波長可変幅は,0.2μm程度である。この場合,一の活性層のバンドギャップ波長と他の活性層のバンドギャップ波長が,0.2μmよりも小さい幅,たとえば,0.15μm離間するように,一および他の活性層のバンドギャップ・エネルギが設定される。一の活性層または他の活性層に選択的に電流を注入し,かつ光帰還ミラーをチルト(回転駆動)させることによって,0.3μmを超える連続的な広い波長可変幅が実現される。
出射端面から出射される光のいずれもが同じ回折格子に入射する。出射端面から出射される複数の光のそれぞれについて光帰還機構を設ける必要がなく,一つの光帰還機構を用いることによって,複数の光の波長(レーザ光の波長)をそれぞれ変化させることができる。一実施態様では,前記複数の活性層の少なくとも一つが,前記活性層を導波される光の光軸線が出射端面の位置において出射端面の法線方向に対して斜めを向くように,半導体基板の基板面と平行な面内において曲がっている。アレイ型ゲイン・チップの出射端面から光が斜めに出射するので,出射端面からその法線方向に出射する場合に比べて出射端面における光の反射率が低められ,不適切な端面反射を抑制することができる。
ストライプ状の活性層は,アレイ型ゲイン・チップの後方端面の位置において後方端面の法線方向に対して斜めを向くように,半導体基板の基板面と平行な面内において曲がっているものであってもよい。アレイ型ゲイン・チップの後方端面(光反射膜)と,光帰還ミラー(リットマン型の場合)または回折格子(リトロー型の場合)との間で光反射が繰返されて生じるレーザ光をゲイン・チップの後方端面から取り出す場合に,後方端面から出射されるレーザ光のいずれもが同じ位置に達する(同じ位置を通過する)ようにすることができるので,複数のレーザ光のいずれもを,効率よく光ファイバ等に入射させることができる。
他の実施態様では,前記アレイ型ゲイン・チップと,前記光帰還機構に含まれる前記回折格子との間に設けられ,前記アレイ型ゲイン・チップの出射端面から出射される光を前記回折格子に向けて反射する光路調整ミラーが備えられる。光路調整ミラーを回転駆動または平行移動させることによって,複数のストライプ状の活性層を導波して出射端面から出射される光の回折格子への入射位置を調整することができる。
図1は,外部共振器型半導体レーザ装置(外部共振器型波長可変レーザ光源)1の構成を概略的に示している。図2は外部共振器型半導体レーザ装置1に用いられるアレイ型ゲイン・チップ10の外観を,アレイ型ゲイン・チップ10に内包されている活性層とともに示す斜視図である。図1において,分かりやすくするために,アレイ型ゲイン・チップ10の大きさが強調して描かれている。
外部共振器型半導体レーザ装置は,ゲイン・チップから出射される光を,ゲイン・チップの外部に配置された回折格子に入射させ,回折格子からの回折光をゲイン・チップに帰還させ,ゲイン・チップの後方端面において回折光を反射させて再び回折格子に入射させることを繰返すことによって,レーザ発振させるものである。外部共振器型半導体レーザ装置には,回折格子からの回折光をミラーを介して間接的にゲイン・チップに帰還させるリットマン(Littman-Metcalf )型と,回折格子からの回折光をゲイン・チップに直接に帰還させるリトロー(Littrow )型が知られている。リットマン型ではミラーを回転駆動させることによってレーザ光の波長可変(チューニング)が実現される。リトロー型では回折格子を回転駆動させることによって波長可変が実現される。図1に示す外部共振器型半導体レーザ装置1は,リットマン型の外部共振器型半導体レーザ装置である。
図1を参照して,外部共振器型半導体レーザ装置1は,アレイ型ゲイン・チップ10,コリメート・レンズ2,回折格子3および光帰還ミラー4を備えている。
アレイ型ゲイン・チップ10の両端面(出射端面10aおよび後方端面10b)は互いに平行に劈開されている。出射端面10aには反射防止膜12が,後方端面10bには高光反射率の反射膜13が,それぞれコーティングされている。
アレイ型ゲイン・チップ1内には,その基板面と平行な面内に,2つ(2本)のストライプ状(筋状,細線状)の活性層が,出射端面10aから後方端面10bにかけて,所定の間隔をあけて形成されている。以下,2つのストライプ状の活性層のそれぞれを,第1の活性層11aおよび第2の活性層11bと呼ぶ。第1および第2の活性層11a,11bの一端がアレイ型ゲイン・チップ10の出射端面10aに接し,他端がアレイ型ゲイン・チップ10の後方端面10bに接している。
一般にゲイン・チップは,半導体基板上に,組成,不純物の種類と量等の異なる複数の半導体層が積層されて構成される。ストライプ状の第1,第2の活性層11a,11bは,その一または複数層内にストライプ状に光を閉じ込めることができる形態で形成される。図1においては,分かりやすくするために,ゲイン・チップ10に内包されている第1,第2の活性層11a,11bが実線で描かれている。
ストライプ状の第1,第2の活性層11a,11bは,出射端面10aに向かう途中において互いに向き合う方向に曲がって形成されている。第1,第2の活性層11a,11bから出射する光は,いずれも出射端面10aから斜めに出射してコリメート・レンズ2に入射する。
第1,第2の活性層11a,11bは,バンドギャップ・エネルギが互いに異なるように形成されており,このため,第1の活性層11aから生じる光の中心波長と,第2の活性層11bから生じる光の中心波長は互いに異なる。この実施例では,第1の活性層11aはバンドギャップ波長λg1=1.45μmとなる組成を有し,第2の活性層11bはバンドギャップ波長λg2=1.6μmとなる組成を有するものとする。第1の活性層11aおよび第2の活性層11bを含むアレイ型ゲイン・チップ10の製造方法の詳細は後述する。
図2を参照して,アレイ型ゲイン・チップ10の上面の,第1,第2の活性層11a,11bのそれぞれの上方に対応する範囲に,上面電極41a,41bがそれぞれ設けられている。アレイ型ゲイン・チップ10の下面の全面には下面電極42が設けられている。アレイ型ゲイン・チップ10はダイオード構造を有しており,第1の活性層11aの上方の上面電極41aと下面電極42との間に順方向電流を流すと,第1の活性層11aにおいて光が発生する。第1の活性層11aにおいて発生した光は第1の活性層11a(第1の活性層11aを含む光導波路)に沿って進行して出射端面10aから出射する。出射端面10aから出射された光はコリメート・レンズ2によって平行光とされた後,回折格子3に入射する。回折格子3において生じた回折光のうち特定の波長をもつ光は光帰還ミラー4に入射して反射され,再び回折格子3に入射する。回折格子3において発生した回折光(光帰還ミラー4による反射光の回折光)はコリメート・レンズ2を介して第1の活性層11aに帰還し,アレイ型ゲイン・チップ10の後方端面10b(反射膜13)によって反射される。アレイ型ゲイン・チップ1の後方端面10b(反射膜13)と光帰還ミラー4との間で光反射が繰返されて特定の波長でレーザ発振が生じる。レーザ光L1が所定方向に出射される。
第2の活性層11bについても同様である。上面電極41bと下面電極42との間に電流を流すと,第2の活性層11bにおいて光が発生し,アレイ型ゲイン・チップ10の後方端面10b(反射膜13)と光帰還ミラー4との間で光反射が繰返されてレーザ発振が生じる。レーザ光L2が所定方向に出射される。
光帰還ミラー4は回転軸5を中心にチルトする(たとえば,±20度程度の角度範囲の回転駆動)。回転軸5を中心とする光帰還ミラー4の回転駆動は,回転駆動用のアクチュエータ(たとえば,ステップ・モータ,圧電素子など)(図示略)によって行われる。光帰還ミラー4が回転駆動すると,光帰還ミラー4によって反射されてアレイ型ゲイン・チップ10に帰還する回折光の波長が変化する。これにより,レーザ光L1,L2のそれぞれについて,0.2μm程度の波長可変幅の波長制御が実現される。
外部共振器型半導体レーザ装置1は,上述のように,上面電極41a,41bのいずれかに選択的に電流を通電することによって,第1の活性層11aにおいて発生する光が発振することによって得られるレーザ光L1 ,または第2の活性層11bにおいて発生する光が発振することによって得られるレーザ光L2 を出射させることができる。上述のように,第1の活性層11aおよび第2の活性層11bにおいて発生する光の波長は互いに異なっているので(λg1=1.45μm,λg2=1.6μm),レーザ光L1およびレーザ光L2の波長も互いに異なるものになる。波長の異なるレーザ光L1,L2を選択的に出射させることができる。
また,上述のように,外部共振器型半導体レーザ装置1は,いわゆるリットマン型のレーザ装置であり,光帰還ミラー4を回転駆動させることによって,レーザ光L1およびL2のそれぞれについて0.2μm程度の波長可変幅の範囲内において波長の選択的な制御を行うことができる。具体的には,レーザ光L1 について1.27μm〜1.47μm程度の波長可変が実現され,レーザ光L2 について1.42μm〜1.62μm程度の波長可変が実現される。すなわち,外部共振器型半導体レーザ装置1は1.27μm〜1.62μm程度の波長を持つレーザ光をチューナブルに出射することができ,合わせて0.3μm(300nm)を超える連続的な広い波長可変幅が実現される。
さらに,上述したように,第1,第2のストライプ状の活性層11a,11bは,いずれも後方端面10bから出射端面10aに向かう途中において曲がって形成されている(図1および図2参照)。このため,第1,第2のストライプ状の活性層11a,11bにおいて発生した光は出射端面10aに斜めに入射し,出射端面10aから斜めに出射する。出射端面10aに垂直に光が入射する場合に比べて,光の出射端面10aにおける反射率を低く抑えることができる。出射端面10aにおける不適切な端面反射を抑えることができる。また,第1,第2のストライプ状の活性層11a,11bを通じて出射端面10aから出射される2つの光を,1枚のコリメート・レンズ2に入射させることができる。
図3(A)〜図8(B)は,図1および図2に示すアレイ型ゲイン・チップ10の製造工程を示している。これらの図面において,(A)は紙面下側を出射端面とする平面図である。(B)は(A)におけるB−B線に沿う断面図である。なお,図3(A)〜図8(B)では,作図の便宜上および分かりやすくするために,半導体層の積層(厚さ)方向が強調して描かれている。
図3(A),(B)を参照して,n型InP(インジウム−リン)基板31上に,バンドギャップ波長が1.6μmのInGaAsP(インジウム−ガリウム−ヒ素−リン)活性層32aを結晶成長する。活性層32aは井戸層および障壁層を交互に複数積層した多量子井戸構造を有していてもよい。活性層32aの上層および下層にさらに光分離閉込め層を積層してもよい。その後,p型InPクラッド層33を結晶成長する。p型InPクラッド層33および後述する他の半導体層の結晶成長には,有機金属気相成長法(MOCVD法)(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を用いることができる。
図4(A),(B)を参照して,p型InPクラッド層33上にSiO2膜 34を堆積し,その上にレジスト(図示略)を塗布する。レジストのほぼ半分をマスクした状態で,残りの半分(マスクされていない領域)に光を照射して露光する。現像を行い純水により洗浄すると,露光された領域のレジストが除去される(ポジ型)。その後エッチングを行うことにより,レジストで覆われていない領域のSiO2膜 34,p型InPクラッド層33および活性層32が除去され,n型InP基板31が露出する。その後SiO2膜 34を覆っていた残りのレジストも除去する。
図5(A),(B)を参照して,SiO2膜 34を結晶成長阻害マスクとして残した状態で,バンドギャップ波長が1.45μmのInGaAsP活性層32bおよびp型InPクラッド層33を結晶成長する。n型InP基板31が露出していた領域に,バンドギャップ波長が1.45μmのInGaAsP活性層32bが積層され,その上にp型InPクラッド層33が積層される。活性層32a,32bのバンドギャップ波長は,結晶成長時の各原料のガスの流量を変化させることによって異ならせる(調節する)ことができる。
図6(A),(B)を参照して,p型InPクラッド層33上にSiO2 膜を堆積し,ストライプ状の第1,第2の活性層11a,11bとなるべき領域のそれぞれに対応させて,後方端面となるべき位置から出射端面となるべき位置にかけて,その途中において曲がっている2つ(2本)のストライプ状のレジスト・マスクをSiO2 膜上に転写する。マスクされた部分以外のSiO2 膜を除去する。p型InPクラッド層33の上面には,曲がり部分を有する2つのストライプ状のSiO2膜35a,35bが残る。
図7(A),(B)を参照して,ストライプ状のSiO2 膜35a,35bを残した状態でエッチングを行う。ストライプ状のSiO2 膜35a,35bの周囲がエッチングによって削られ,2つのメサ構造が形成される。第1,第2のストライプ状の活性層11a,11bが形成される。
図8(A),(B)を参照して,p型InPブロック層36およびn型InPブロック層37を順次結晶成長する。2つのメサ構造の両側がp型InPブロック層36およびn型InPブロック層37によって埋め込まれる。SiO2 膜35a,35bを除去し,p型InPクラッド層38およびp型InGaAsコンタクト層39を結晶成長する。p型InGaAsコンタクト層39の上面には,第1,第2の活性層11a,11bが形成されている範囲に沿って上面電極(p型電極)41a,41bを蒸着し,n型InP基板11の下面の全体には,全体の厚さが100μm程度になるまで研磨した後に,下面電極(n型電極)42を蒸着する。上面電極(p型電極)41a,41bの直下部分以外のp型InGaAsコンタクト層39を除去する。劈開の後,出射端面に反射防止膜12を,後方端面に反射膜13をそれぞれコーティングする。2つのストライプ状の活性層11a,11bを有するアレイ型ゲイン・チップ10が完成する。
図9は,他の実施例による外部共振器型半導体レーザ装置1Aを示している。図1に示す外部共振器型半導体レーザ装置1とは,ゲイン・チップ15に内包されているストライプ状の活性層16a,16bが,出射端面15a付近のみならず,後方端面15b付近においても,互いに近づく方向に曲がっている点,および後方端面15bにコーティングされている反射膜13Aの反射率が,図1の外部共振器型半導体レーザ装置1の後方端面10bにコーティングされている反射膜13の反射率よりも低い点が異なる。図1に示す外部共振器型半導体レーザ装置1と同一部材には同一の符号を付し,重複説明を避ける。図9に示す外部共振器型半導体レーザ装置1Aも,リットマン型の半導体レーザ装置である。
リットマン型の半導体レーザ装置には,ゲイン・チップと光帰還ミラーとの間で光反射が繰返されることによって得られるレーザ光を,回折格子側(光帰還ミラー側)から出射させるタイプのものと(図1参照),ゲイン・チップ側から出射させるタイプのものがある。図9に示す半導体レーザ装置1Aは,ゲイン・チップ側からレーザ光を出射させるタイプのリットマン型半導体レーザ装置である。ゲイン・チップの後方端面にコーティングされる反射膜に高反射率の反射膜を用いると,レーザ光は回折格子3側から出射される(図1)。後方端面にコーティングされる反射膜として反射率が低いものを用いると,レーザ光はゲイン・チップ15の後方端面15bから出射される(図9)。
外部共振器型半導体レーザ装置1Aを構成するアレイ型ゲイン・チップ15に含まれる2つのストライプ状の活性層16a,16bは,上述のように,出射端面15aに向かうにしたがって互いに向き合うように曲がっているとともに,後方端面15bに向かうにしたがっても互いに向き合うように曲がっている。このため,後方端面15bから出射されるレーザ光L1,L2は,いずれも外部の一点(到達点,通過点)(ある程度の広がりを含む)に達する(通過する)。到達点の位置に光ファイバまたはレンズ部材を配置することによって,第1の活性層16aにおいて発生した光に基づくレーザ光L1 および第2の活性層16bにおいて発生する光に基づくレーザ光L2 のいずれもを,1本の光ファイバまたは1個のレンズ部材に入射させることができる。
図10は,さらに他の実施例による外部共振器型半導体レーザ装置1Bを示している。図1に示す外部共振器型半導体レーザ装置1とは,ゲイン・チップ20に内包されているストライプ状の活性層21a,21bがいずれも直線状である点,およびゲイン・チップ20(コリメート・レンズ2)と回折格子3との間の光路上に,光路調整ミラー6が設けられている点が異なる。図10に示す外部共振器型半導体レーザ装置1Bもリットマン型の半導体レーザ装置である。
ストライプ状の第1の活性層21aから出射した光は,コリメート・レンズ2を経て,光路調整ミラー6に入射する。光路調整ミラー6によって反射された光が回折格子3に入射する。回折格子3からの回折光のうちの特定の波長の光が光帰還ミラー4によって反射され,回折格子3,光路調整ミラー6,コリメート・レンズ2を経てゲイン・チップ20の活性層21aに帰還する。光帰還ミラー4と,ゲイン・チップ20の後方端面20b(反射膜13)との間で光反射が繰返されてレーザ発振が生じ,レーザ光L1 が所定方向に出射される。
ストライプ状の第2の活性層21bから出射する光についても,上述と同様に,コリメート・レンズ2,光路調整ミラー6および回折格子3を経て,光帰還ミラー4によって反射される。アレイ型ゲイン・チップ20の後方端面20b(反射膜13)と光帰還ミラー4との間で光反射が繰返されてレーザ発振が生じ,レーザ光L2が所定方向に出射される。
光路調整ミラー6は回転軸7を中心にチルト(回転駆動)する。光路調整ミラー6の回転駆動も,回転駆動用のアクチュエータ(たとえば,ステップ・モータ,圧電素子など)(図示略)によって行われる。光路調整ミラー6が回転駆動することによって,活性層21a,21bのいずれからの光も回折格子3のほぼ同じ位置に入射させることができ,ほぼ同じ光軸をもつレーザ光L1,L2を出射させることができる。光路調整ミラー6をチルト(回転駆動)させるのに代えて,光路調整ミラー6をその法線方向に平行移動させるようにしてもよい。2つのレーザ光L1,L2のいずれもを同じ入射角度によって回折格子3に入射させることができる。
上述した実施例では,チルト(回転駆動)可能な光帰還ミラー4を備えたリットマン型の半導体レーザ装置にアレイ型ゲインチップ10,15,20を用いる例を例示したが,回折格子3自体がチルト(回転駆動)可能なリトロー型の半導体レーザ装置に,アレイ型ゲインチップ10,15,20を用いてもよいのは言うまでもない。
外部共振器型半導体レーザ装置の構成を概略的に示す。 ゲイン・チップの斜視図を示す。 (A)および(B)は,ゲイン・チップの製造工程を示す。 (A)および(B)は,ゲイン・チップの製造工程を示す。 (A)および(B)は,ゲイン・チップの製造工程を示す。 (A)および(B)は,ゲイン・チップの製造工程を示す。 (A)および(B)は,ゲイン・チップの製造工程を示す。 (A)および(B)は,ゲイン・チップの製造工程を示す。 他の実施例による外部共振器型半導体レーザ装置の構成を概略的に示す。 他の実施例による外部共振器型半導体レーザ装置の構成を概略的に示す。
符号の説明
1,1A,1B 外部共振器型半導体レーザ装置
2 コリメート・レンズ
3 回折格子
4 光帰還ミラー
6 光路調整ミラー
10,15,20 アレイ型ゲイン・チップ
11a,11b,16a,16b,21a,21b 活性層
41a,41b 上面電極
42 下面電極

Claims (2)

  1. バンドギャップ・エネルギが互いに異なる2本のストライプ状の活性層が,後方端面から出射端面にかけて,半導体基板の基板面と平行な面内において互いに間隔をあけて形成されているアレイ型ゲイン・チップ,および
    前記出射端面から出射される光が入射する回折格子を含み,前記回折格子によって回折された回折光のうちの所定波長の回折光を,光を出射したストライプ状の活性層に帰還させる,波長選択性を有する光帰還機構を備え,
    前記2本の活性層が,前記後方端面の位置において前記活性層を導波される光の光軸線が前記後方端面と直交するように形成されるとともに,前記出射端面の位置において前記活性層を導波される光の光軸線が前記出射端面の法線方向に対して斜めでかつ互いに向かい合う方向に前記半導体基板の基板面と平行な面内において曲がって形成されており,
    前記アレイ型ゲイン・チップの後方端面および前記光帰還機構によって光共振器が構成されている,
    外部共振器型半導体レーザ装置。
  2. 前記2本の活性層のそれぞれに独立に電流を注入するための電極を備えている,
    請求項1に記載の外部共振器型半導体レーザ装置。
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