JP2645871B2 - 多波長半導体レーザ装置 - Google Patents
多波長半導体レーザ装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業状の利用分野〕 本発明は、波長の異なる複数のレーザ光を出射可能な
半導体レーザ装置に関するものである。
半導体レーザ装置に関するものである。
従来、1つの装置から2波長以上の複数レーザ光を出
射することのできる多波長半導体レーザ装置としては、
出射レーザ波長が異なるようにその組成を異ならせた複
数の活性層を配列した構成を有するもの;分布帰還型
(Distributed Feed Back、DBR)半導体レーザ構造、あ
るいは分布反射型(Distributed Bragg Reflector、DB
R)半導体レーザ構造からなる単位の複数を同一基板上
に配列し、各レーザ構造の回折格子のピッチを異ならせ
ることにより、各回折格子のピッチに対応するブラッグ
を異ならせ、各レーザ構造からの出射光の波長を異なら
せる構成を有するもの等が知られている。
射することのできる多波長半導体レーザ装置としては、
出射レーザ波長が異なるようにその組成を異ならせた複
数の活性層を配列した構成を有するもの;分布帰還型
(Distributed Feed Back、DBR)半導体レーザ構造、あ
るいは分布反射型(Distributed Bragg Reflector、DB
R)半導体レーザ構造からなる単位の複数を同一基板上
に配列し、各レーザ構造の回折格子のピッチを異ならせ
ることにより、各回折格子のピッチに対応するブラッグ
を異ならせ、各レーザ構造からの出射光の波長を異なら
せる構成を有するもの等が知られている。
更に、これに対し、近年さらに発振波長を大きく変え
る方法として、活性層に量子井戸型構造を用いこの量子
井戸の井戸を通常より深く設定し、2つ以上の量子準位
を持つ構造とし、かつレーザ共振器中の内部損失を活性
ストライプ領域の幅や、共振器長を変えて制御すること
によって、選択的に2つ以上の量子準位に対応する発振
波長を選ぶ方法が行なわれている。
る方法として、活性層に量子井戸型構造を用いこの量子
井戸の井戸を通常より深く設定し、2つ以上の量子準位
を持つ構造とし、かつレーザ共振器中の内部損失を活性
ストライプ領域の幅や、共振器長を変えて制御すること
によって、選択的に2つ以上の量子準位に対応する発振
波長を選ぶ方法が行なわれている。
しかしながら、従来の活性層に量子井戸型構造を用い
た多波長半導体レーザ装置においては以下のような問題
がある。
た多波長半導体レーザ装置においては以下のような問題
がある。
例えば、2以上の量子準位を持つ量子井戸層を活性層
として利用し、活性ストライプ領域の幅を異ならせて、
波長を制御する構成では、活性ストライプ領域の幅によ
ってニア・フィールド・パターンの形状や、非点収差な
どの光学特性が変わってくるため、望ましい光学特性を
有する波長数に限りがあり、1素子から発振できる波長
数が制限されてしまう。
として利用し、活性ストライプ領域の幅を異ならせて、
波長を制御する構成では、活性ストライプ領域の幅によ
ってニア・フィールド・パターンの形状や、非点収差な
どの光学特性が変わってくるため、望ましい光学特性を
有する波長数に限りがあり、1素子から発振できる波長
数が制限されてしまう。
一方、2以上の量子準位を持つ量子井戸層を活性層と
して利用し、共振器長を変えて、共振器での内部損失特
性を変える構成では、通常のへき開による端面形成法を
用いると、互いに波長の異なる複数のレーザ光を、1つ
のレーザ装置に一体化された構成を有するモノリシック
に形成された半導体レーザ装置から得ることができな
い。
して利用し、共振器長を変えて、共振器での内部損失特
性を変える構成では、通常のへき開による端面形成法を
用いると、互いに波長の異なる複数のレーザ光を、1つ
のレーザ装置に一体化された構成を有するモノリシック
に形成された半導体レーザ装置から得ることができな
い。
本発明は、以上述べたような従来の多波長半導体レー
ザ装置における問題に鑑みなされたものであり、同一基
板上に複数の活性ストライプ領域を配列可能な構成を有
し、良好、かつバラツキの少ない非点収差やニア・フィ
ールド・パターン等の光学特性を有する波長の異なる複
数のレーザ光を、出射可能な多波長半導体レーザ装置を
提供することにある。
ザ装置における問題に鑑みなされたものであり、同一基
板上に複数の活性ストライプ領域を配列可能な構成を有
し、良好、かつバラツキの少ない非点収差やニア・フィ
ールド・パターン等の光学特性を有する波長の異なる複
数のレーザ光を、出射可能な多波長半導体レーザ装置を
提供することにある。
本発明の多波長半導体レーザ装置は、活性層を有する
複数の半導体レーザ素子を同一基板上にモノリシックに
形成して成り、素子によって前記活性層の端面における
反射率を異ならせることによって、異なる波長のレーザ
光を発するように構成した多波長半導体レーザ装置にお
いて、前記各々の半導体レーザ素子の前記活性層が、各
々異なる波長に対応する複数の量子準位を持つ共通の量
子井戸構造を有しており、前記各々の半導体レーザ素子
の活性層の端面には、前記複数の波長の内のいずれか1
つの波長に対して高い反射率を示し、他の波長に対して
は低い反射率を示す波長選択性の反射膜がコーティング
されており、且つ、素子によって反射膜が高い反射率を
示す波長が異なることを特徴とする。
複数の半導体レーザ素子を同一基板上にモノリシックに
形成して成り、素子によって前記活性層の端面における
反射率を異ならせることによって、異なる波長のレーザ
光を発するように構成した多波長半導体レーザ装置にお
いて、前記各々の半導体レーザ素子の前記活性層が、各
々異なる波長に対応する複数の量子準位を持つ共通の量
子井戸構造を有しており、前記各々の半導体レーザ素子
の活性層の端面には、前記複数の波長の内のいずれか1
つの波長に対して高い反射率を示し、他の波長に対して
は低い反射率を示す波長選択性の反射膜がコーティング
されており、且つ、素子によって反射膜が高い反射率を
示す波長が異なることを特徴とする。
すなわち、従来、2つ以上の量子準位を持つ量子井戸
型構造を活性層とした半導体レーザ装置では、活性スト
ライプ幅や共振器長を変化させて、共振器としての損失
特性を変化させて選択的に、1つの量子準位に対応する
発振波長を得ていた。
型構造を活性層とした半導体レーザ装置では、活性スト
ライプ幅や共振器長を変化させて、共振器としての損失
特性を変化させて選択的に、1つの量子準位に対応する
発振波長を得ていた。
これに対して、本発明の多波長半導体レーザ装置は、
各活性ストライプ領域の有する共振器端面の反射率を異
ならせることによって、共振器の損失特性を制御し、選
択的に1つの量子準位に対応する発振波長を得るもので
ある。
各活性ストライプ領域の有する共振器端面の反射率を異
ならせることによって、共振器の損失特性を制御し、選
択的に1つの量子準位に対応する発振波長を得るもので
ある。
その結果、本発明の多波長半導体レーザ装置はモノリ
シックに形成でき、かつその活性ストライプ領域の幅を
出射レーザ光に良好な光学特性を付与できるように設定
できる。しかも、各活性ストライプ領域の横幅を均一に
でき、各活性ストライプ領域から発振される波長の異な
るレーザ光の光学特性を揃えることができる。
シックに形成でき、かつその活性ストライプ領域の幅を
出射レーザ光に良好な光学特性を付与できるように設定
できる。しかも、各活性ストライプ領域の横幅を均一に
でき、各活性ストライプ領域から発振される波長の異な
るレーザ光の光学特性を揃えることができる。
以下、本発明を実施例等により説明する。なお、本発
明の多波長半導体レーザを構成する各層は、通常この分
野で利用されている材料及び方法によって形成できるも
のであり、また、各層の層厚やリッジ構造等のサイズな
どは適宜変更可能である。
明の多波長半導体レーザを構成する各層は、通常この分
野で利用されている材料及び方法によって形成できるも
のであり、また、各層の層厚やリッジ構造等のサイズな
どは適宜変更可能である。
参考例 第1図は、参考例としての多波長半導体レーザ装置の
主要部を示す平面図であり、第2図は第1図におけるA
−B線での部分断面図である。
主要部を示す平面図であり、第2図は第1図におけるA
−B線での部分断面図である。
本参考例の半導体レーザ装置は(100)面をもつn−G
aAs基板8(厚さ:100μm)の上にn−GaAsバッファー
層9(厚さ:0.5μm)、n−AlGaAsクラッド層10(厚
さ:1.5μm)、組成が膜厚方向に対して徐々に変化して
いるn−AlGaAs SC(Separate Confinement)層11(厚
さ:150Å)、活性層としてのGaAs単一量子井戸型構造
(Single Quantum Well、SQW)を有する層12(厚さ:100
Å)、組成が膜厚方向に対して徐々に変化しているp−
AlGaAs SC層13(厚さ:150Å)、p−AlGaAsクラッド層1
4(リッジ構造内での厚さ:1.5μm)、p−GaAsキャッ
プ層17(厚さ:0.5μm)が順次積層されている。
aAs基板8(厚さ:100μm)の上にn−GaAsバッファー
層9(厚さ:0.5μm)、n−AlGaAsクラッド層10(厚
さ:1.5μm)、組成が膜厚方向に対して徐々に変化して
いるn−AlGaAs SC(Separate Confinement)層11(厚
さ:150Å)、活性層としてのGaAs単一量子井戸型構造
(Single Quantum Well、SQW)を有する層12(厚さ:100
Å)、組成が膜厚方向に対して徐々に変化しているp−
AlGaAs SC層13(厚さ:150Å)、p−AlGaAsクラッド層1
4(リッジ構造内での厚さ:1.5μm)、p−GaAsキャッ
プ層17(厚さ:0.5μm)が順次積層されている。
また、参考例では電流狭窄および光の閉じ込めをリッ
ジ構造(幅:2.5μm、SC層13の上部とリッジ両側の底部
との距離0.3μm)によって行ない、該リッジ構造が活
性ストライプ領域を形成している。
ジ構造(幅:2.5μm、SC層13の上部とリッジ両側の底部
との距離0.3μm)によって行ない、該リッジ構造が活
性ストライプ領域を形成している。
このリッジ構造は、前述の積層構造を形成した後、必
要部分がストライプ状に残るようにエッチングを行な
い、その後SiN絶縁膜15の成膜、次いでAu電極16を成膜
することによって形成できる。なお、Au電極(共通電極
7、個別電極16)はそれぞn−GaAs基板8およびp−Ga
Asキャップ層17と合金化されている。
要部分がストライプ状に残るようにエッチングを行な
い、その後SiN絶縁膜15の成膜、次いでAu電極16を成膜
することによって形成できる。なお、Au電極(共通電極
7、個別電極16)はそれぞn−GaAs基板8およびp−Ga
Asキャップ層17と合金化されている。
GaAs SQW層12は、ウェルの組成がGaAs、ウェル幅が10
0Å、バリアの組成がGa0.7Al0.3Asによって構成されて
おり、n=1およびn=2の2つの量子準位を有する。
n=1の量子準位を利用して発振を起こすと、波長870n
mのレーザ光を出射することができ、n=2の量子準位
での発振において波長810nmのレーザ光の出射が可能と
なる。
0Å、バリアの組成がGa0.7Al0.3Asによって構成されて
おり、n=1およびn=2の2つの量子準位を有する。
n=1の量子準位を利用して発振を起こすと、波長870n
mのレーザ光を出射することができ、n=2の量子準位
での発振において波長810nmのレーザ光の出射が可能と
なる。
また、同一基板上に設けられた活性ストライプ領域
1、2には、それぞれに独立な電極が設けられており、
これら活性ストライプ領域が独立に駆動できるようにな
っている。
1、2には、それぞれに独立な電極が設けられており、
これら活性ストライプ領域が独立に駆動できるようにな
っている。
さらに、活性ストライプ領域1の共振器を構成する反
射面の一方となる後端面には波長800〜880nmで反射率が
およそ5%の低反射膜3が、活性ストライプ領域2の反
射面の一方となる後端面には波長800〜880nmで反射率が
およそ90%の高反射膜4がコーティングされている。
射面の一方となる後端面には波長800〜880nmで反射率が
およそ5%の低反射膜3が、活性ストライプ領域2の反
射面の一方となる後端面には波長800〜880nmで反射率が
およそ90%の高反射膜4がコーティングされている。
また、両活性ストライプ領域のレーザ光出射端面側に
は反射率が30%の膜5がコーティングされている。
は反射率が30%の膜5がコーティングされている。
これら反射膜は、電子ビーム蒸着法によって形成する
ことができる。反射膜3はAl2O3 λ/4単層膜、反射膜5
はAl2O3 λ/2単層膜、反射膜4はAl2O3とSiのλ/4交互
4層膜によって形成することができる。
ことができる。反射膜3はAl2O3 λ/4単層膜、反射膜5
はAl2O3 λ/2単層膜、反射膜4はAl2O3とSiのλ/4交互
4層膜によって形成することができる。
また、その反射率は、所望の波長での発振を可能とす
る利得を得るために必要な値に適宜設定すれば良い。
る利得を得るために必要な値に適宜設定すれば良い。
上記構成での活性ストライプ領域での発振波長の選択
は以下のようにして行なうことができる。
は以下のようにして行なうことができる。
活性ストライプ領域2では、その端面の一方に高反射
膜3がコーティングされていて反射損失が少ないので、
そこへの注入電流(例えば30mA)が少なくても発振が起
こるため、エネルギー準位の低いn=1の量子準位での
発振が可能である。すなわち、活性ストライプ領域2の
端面から波長870nmのレーザ光λ2を出射できる。
膜3がコーティングされていて反射損失が少ないので、
そこへの注入電流(例えば30mA)が少なくても発振が起
こるため、エネルギー準位の低いn=1の量子準位での
発振が可能である。すなわち、活性ストライプ領域2の
端面から波長870nmのレーザ光λ2を出射できる。
一方、活性ストライプ領域1の端面には反射率の低い
膜がコーティングされているため、反射損失が大きくな
り、発振を起こすためには多くの電流(例えば80mA)の
注入が必要となる。その結果、注入電流量が多い状態で
は、n=2の量子準位で発振が起こるようになる。
膜がコーティングされているため、反射損失が大きくな
り、発振を起こすためには多くの電流(例えば80mA)の
注入が必要となる。その結果、注入電流量が多い状態で
は、n=2の量子準位で発振が起こるようになる。
なお、一度、n=2の量子準位での発振が可能となる
と、SQW中での光に対するゲインはn=2の量子準位の
方がn=1の量子準位に対して高いので、その結果、ス
トライプ1はn=2の量子準位、つまり波長810nmで発
振し、端面からは波長810nmのレーザ光λ1が出射され
る。
と、SQW中での光に対するゲインはn=2の量子準位の
方がn=1の量子準位に対して高いので、その結果、ス
トライプ1はn=2の量子準位、つまり波長810nmで発
振し、端面からは波長810nmのレーザ光λ1が出射され
る。
以上説明したように、各活性ストライプ領域の一方の
端面に異なった反射率を持つ膜をコーティングすること
によって、波長の異なる2つのレーザ光を出射する多波
長半導体レーザ装置が構成可能である。
端面に異なった反射率を持つ膜をコーティングすること
によって、波長の異なる2つのレーザ光を出射する多波
長半導体レーザ装置が構成可能である。
実施例1 第3図は本発明の多波長半導体レーザ装置の第1の実
施例の主要部の平面図である。
施例の主要部の平面図である。
この例における半導体レーザ装置の積層構造や、加工
形状は参考例と全く同一で、端面にコーティングする膜
の構成のみが異なっている。
形状は参考例と全く同一で、端面にコーティングする膜
の構成のみが異なっている。
参考例では、n=1の量子準位にある活性ストライプ
領域2への電流の注入量を更に増加させると、該領域の
量子順位がn=2にあがってしまうので、異波長のレー
ザ光をこれら活性ストライプ領域のそれぞれから発振さ
せるには、これら活性ストライプ領域2に流す電流の量
を異ならせる必要がある。その結果、各活性ストライプ
間での熱特性にバラツキが生じる。
領域2への電流の注入量を更に増加させると、該領域の
量子順位がn=2にあがってしまうので、異波長のレー
ザ光をこれら活性ストライプ領域のそれぞれから発振さ
せるには、これら活性ストライプ領域2に流す電流の量
を異ならせる必要がある。その結果、各活性ストライプ
間での熱特性にバラツキが生じる。
そこで、このような熱特性のバラツキについても改善
が必要とされる場合には、本実施例の構成が好適であ
る。
が必要とされる場合には、本実施例の構成が好適であ
る。
この例においては、第4図および第5図に示す分光反
射率特性を有する反射膜が組み合されて用いられてお
り、活性ストライプ領域18には、前端面及び後端面に反
射膜21、23がそれぞれコーティングされており、更に活
性ストライプ領域19の前端面及び後端面には反射膜22、
24がそれぞれコーティングされている。
射率特性を有する反射膜が組み合されて用いられてお
り、活性ストライプ領域18には、前端面及び後端面に反
射膜21、23がそれぞれコーティングされており、更に活
性ストライプ領域19の前端面及び後端面には反射膜22、
24がそれぞれコーティングされている。
なお、これら反射膜は、電子ビーム蒸着法により、Al
2O3,ZrO2,Siなどの絶縁物を端面に蒸着することで形成
できる。
2O3,ZrO2,Siなどの絶縁物を端面に蒸着することで形成
できる。
活性ストライプ領域18の反射面は、n=1の量子準位
で発光する波長870nmの光に対して高反射率を持ち、n
=2の量子準位で発光する波長810nmに対しては、ほと
んど反射しないような反射膜がコーティングされている
ため、レーザ発振はn=1の量子準位で起こり、注入電
流を増していても第6図に示す従来例のように発振する
量子準位がn=2に移行することはない。
で発光する波長870nmの光に対して高反射率を持ち、n
=2の量子準位で発光する波長810nmに対しては、ほと
んど反射しないような反射膜がコーティングされている
ため、レーザ発振はn=1の量子準位で起こり、注入電
流を増していても第6図に示す従来例のように発振する
量子準位がn=2に移行することはない。
一方、活性ストライプ領域19は、n=1の量子準位で
発光する波長870nmの光に対して低反射率であるので、
n=1の量子準位では発振は起こらず、高注入状態とな
ってn=2の量子準位まで、電子が注入された状態から
波長810nmの光での発振が開始する。一旦発振が始まる
と、n=2の量子準位での発光ゲインの高さや、後端面
反射率の高さが重なって、高い効率で発振が起こる。
発光する波長870nmの光に対して低反射率であるので、
n=1の量子準位では発振は起こらず、高注入状態とな
ってn=2の量子準位まで、電子が注入された状態から
波長810nmの光での発振が開始する。一旦発振が始まる
と、n=2の量子準位での発光ゲインの高さや、後端面
反射率の高さが重なって、高い効率で発振が起こる。
以上の結果I−L(電流−光出力)特性は、活性スト
ライプ領域18および活性ストライプ領域19に対して第7
図のようになり、同一の駆動電流でほぼ等しい光出力P
を得ることができる。
ライプ領域18および活性ストライプ領域19に対して第7
図のようになり、同一の駆動電流でほぼ等しい光出力P
を得ることができる。
以上の構成で、同一の駆動電流約60mAでストライプ1
8、19は波長がそれぞれ810nm、870nmの相異なるレーザ
光を発振可能である。
8、19は波長がそれぞれ810nm、870nmの相異なるレーザ
光を発振可能である。
この結果、それぞれの活性ストライプにおける熱特性
のばらつきがなくなった。(すなわちそれぞれの活性ス
トライプにおいて発生する熱量が均一となった。) 実施例2 第8図は、本発明の多波長半導体レーザ装置の第2の
実施例の主要部の平面図である。
のばらつきがなくなった。(すなわちそれぞれの活性ス
トライプにおいて発生する熱量が均一となった。) 実施例2 第8図は、本発明の多波長半導体レーザ装置の第2の
実施例の主要部の平面図である。
本実施例の多波長半導体レーザ装置の構造は、第2図
のものとほぼ同一であるが、活性層の構造が第9図に示
されているウェル幅80Å、55Å、40ÅのGaAsウェルがSC
層の内側に順次積層されている多量子井戸型構造を有す
る点で異なる。
のものとほぼ同一であるが、活性層の構造が第9図に示
されているウェル幅80Å、55Å、40ÅのGaAsウェルがSC
層の内側に順次積層されている多量子井戸型構造を有す
る点で異なる。
なお、それぞれのウェル間には、電子波が互いに干渉
しないように100Åの間隔が設けられている。
しないように100Åの間隔が設けられている。
この活性層に電流(およそ80mA)が注入されると、各
ウェルにおいてそれぞれ820、840、860nmでの発光が得
られる。
ウェルにおいてそれぞれ820、840、860nmでの発光が得
られる。
また、第10図に示す異なる反射率を持つ反射膜29、3
0、31が光出射端面と対向する端面にそれぞれコーティ
ングされ、さらに光出射端面には820〜860nmにおいて、
低い反射率を持つ反射膜28がコーティングされている。
0、31が光出射端面と対向する端面にそれぞれコーティ
ングされ、さらに光出射端面には820〜860nmにおいて、
低い反射率を持つ反射膜28がコーティングされている。
なお、これら反射膜は、電子ビーム蒸着法により、Al
2、ZrO2、Siなどの絶縁物を端面に蒸着することにより
形成される。
2、ZrO2、Siなどの絶縁物を端面に蒸着することにより
形成される。
この半導体レーザの活性ストライプ領域25、26、27に
不図示の電流源により電流(80mA)を注入すると、それ
ぞれ820、840、860nmの波長で最初の発振条件に至っ
た。
不図示の電流源により電流(80mA)を注入すると、それ
ぞれ820、840、860nmの波長で最初の発振条件に至っ
た。
なお、本発明の多波長半導体レーザ装置の構成は以上
述べた例に示されたものに限定されるものではなく、共
振器を構成する反射面の反射率を異ならせて、発振波長
を異ならせることのできる構成のものであればどのよう
な構成をも取り得る。例えば、埋め込みヘテロ構造(BH
構造)など良好な電流狭窄と光の閉じ込め効果が期待で
きる構造であればいずれでもかまわない。
述べた例に示されたものに限定されるものではなく、共
振器を構成する反射面の反射率を異ならせて、発振波長
を異ならせることのできる構成のものであればどのよう
な構成をも取り得る。例えば、埋め込みヘテロ構造(BH
構造)など良好な電流狭窄と光の閉じ込め効果が期待で
きる構造であればいずれでもかまわない。
以上説明したように、本発明によれば、1つの装置中
に複数の半導体レーザ素子が一体化された構成とするこ
とができ、しかも波長の選択に影響されずに、各半導体
レーザ素子の構造を非点収差やニア・フィールド・パタ
ーンなどの光学特性を良好かつバラツキのないものにす
ることができる。
に複数の半導体レーザ素子が一体化された構成とするこ
とができ、しかも波長の選択に影響されずに、各半導体
レーザ素子の構造を非点収差やニア・フィールド・パタ
ーンなどの光学特性を良好かつバラツキのないものにす
ることができる。
第1図は、参考例としての多波長半導体レーザ装置の主
要部を示す平面図、第2図は第1図におけるA−B線で
の部分断面図、第3図は本発明の多波長半導体レーザ装
置の第1の実施例の主要部の平面図、第4図および第5
図は実施例1で用いた反射膜の分光反射率特性を示すグ
ラフ、第6図は従来例における光出力、注入電流量及び
量子順位との関係を示すグラフ、第7図は実施例1の各
活性ストライプ領域における光出力と注入電流量の関係
を示すグラフ、第8図は実施例2の主要部の平面図、第
9図は実施例2の活性層の構造をその組成変化で示した
図、第10図は実施例2に用いた反射率の反射率を示すグ
ラフである。 1、2、18、19、25、26、27:活性ストライプ領域 3〜5、21〜24、28〜31:反射膜 6、8、20、23:レーザ基板 7、16:電極 9:GaAsバッファ層 10:n−AlGaAsクラッド層 11:n−AlGaAs SC層 12:GaAs SQW層 13:GaAs SC層 14:p−AlGaAsクラッド層 15:SiN層 17:p−GaAsキャップ層
要部を示す平面図、第2図は第1図におけるA−B線で
の部分断面図、第3図は本発明の多波長半導体レーザ装
置の第1の実施例の主要部の平面図、第4図および第5
図は実施例1で用いた反射膜の分光反射率特性を示すグ
ラフ、第6図は従来例における光出力、注入電流量及び
量子順位との関係を示すグラフ、第7図は実施例1の各
活性ストライプ領域における光出力と注入電流量の関係
を示すグラフ、第8図は実施例2の主要部の平面図、第
9図は実施例2の活性層の構造をその組成変化で示した
図、第10図は実施例2に用いた反射率の反射率を示すグ
ラフである。 1、2、18、19、25、26、27:活性ストライプ領域 3〜5、21〜24、28〜31:反射膜 6、8、20、23:レーザ基板 7、16:電極 9:GaAsバッファ層 10:n−AlGaAsクラッド層 11:n−AlGaAs SC層 12:GaAs SQW層 13:GaAs SC層 14:p−AlGaAsクラッド層 15:SiN層 17:p−GaAsキャップ層
Claims (3)
- 【請求項1】活性層を有する複数の半導体レーザ素子を
同一基板上のモノリシックに形成して成り、素子によっ
て前記活性層の端面における反射率を異ならせることに
よって、異なる波長のレーザ光を発するように構成した
多波長半導体レーザ装置において、前記各々の半導体レ
ーザ素子の前記活性層が、各々異なる波長に対応する複
数の量子準位を持つ共通の量子井戸構造を有しており、
前記各々の半導体レーザ素子の活性層の端面には、前記
複数の波長の内のいずれか1つの波長に対して高い反射
率を示し、他の波長に対しては低い反射率を示す波長選
択性の反射膜がコーティングされており、且つ、素子に
よって反射膜が高い反射率を示す波長が異なることを特
徴とする多波長半導体レーザ装置。 - 【請求項2】前記活性層が、1つの量子井戸内に2つ以
上の量子準位をもつ量子井戸構造を有する請求項1記載
の多波長半導体レーザ装置。 - 【請求項3】前記活性層が、互いに異なる量子準位をも
つ2以上の量子井戸から成る量子井戸構造を有する請求
項1記載の多波長半導体レーザ装置。
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EP89117766A EP0361399A3 (en) | 1988-09-28 | 1989-09-26 | Semmiconductor laser array including lasers with reflecting means having different wavelength selection properties |
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JP63262890A JP2645871B2 (ja) | 1988-10-20 | 1988-10-20 | 多波長半導体レーザ装置 |
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Family Applications (1)
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-
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- 1988-10-20 JP JP63262890A patent/JP2645871B2/ja not_active Expired - Fee Related
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