JP5085219B2 - 手術用ctシステム - Google Patents

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本発明は手術中の患者に対し、その生体内部の画像を得る術中画像診断システム、或いは画像支援下治療システムに関する技術で、特に脳腫瘍などの脳外科手術中に、患者の頭部への血液集中を避ける術中体位を維持して患部の画像を取得する手術用CTシステムに関する。
従来、手術中の患者に対し、患部の状況や、手術、治療の効果の確認を行うために、種々の医用画像診断装置が、消毒や滅菌の措置が施されて、これ等装置による一般的な画像検査、画像診断と同様の使用対応により、利用されることが多く行われている。特に超音波画像診断装置や内視鏡装置は、装置の構成がコンパクトな一筐体に収納されているので、種々の診療科における手術中に、患者に接する装置部分が厳重な滅菌消毒が施されて、術中画像診断に利用されている。
一方、CT画像装置、X線アンギオ装置、MR画像装置などいわゆる大型の医用画像装置では、対象の患者が横たわる患者テーブルを含む複数の機能ユニットにより構成され、患部の位置及び横たわる方位の情報は、画像情報採取機能部ユニットと患者テーブルの相対位置を検知するポジション検出機構により得るので、患者テーブル(画像診断用寝台)はそれぞれ装置の画像情報採取機能部ユニットと対を成す専用の患者テーブルにより構成されている。したがって、一般には、これ等大型の画像診断装置による術中の画像診断、治療効果の確認では、診療科毎の術式に対応する所定の術中体位となる手術用患者テーブルから、各画像診断装置の画像情報採取のため、一般的には水平に横たわるその画像診断装置の専用患者テーブルに、移動、載せ替えを行って、画像診断や確認画像を取得する必要があった。
この術中患者の移動・載せ替えは、術者にとって手間であるばかりではなく、手術中の患者にとっても負担が大きくなる。この載せ替えの煩雑と患者の負担を軽減するために、一般的な水平横臥位の手術中の患者に対し、画像診断装置の専用患者テーブルとほぼ同形態、同機能の手術・画像診断兼用テーブルを別途設けて、手術実施中に、画像診断装置の専用患者テーブルの逆位置で、この兼用テーブルに載せた術中患者の医用画像を取得することが行われる(例えば、特許文献1を参照。)。
しかし、術中の患者に対して、特に脳腫瘍などの脳外科手術等では、手術対象の周囲に重要な機能部位や血管が存在するため、ブレインシフトと呼ばれる脳の変形に対しても、術中の位置関係を正確に把握する必要がある。また、脳定位手術と呼ばれる脳髄の局所に対する手術では、手術部位に正確にアプローチするために、患者は脳外科手術寝台とそれに固定されたヘッドフレームにより、頭部が固定されている。さらに、このような脳外科手術では、術者が患部にアクセスし易くすると共に、患者の施術部位からの出血を最小限に抑えるために、患者テーブル(寝台背面)の背もたれを傾斜させた状態で、ヘッドフレームにより動かないように固定した患者頭部を心臓位置より高くして、手術を行うことが通常である。したがって、脳外科における手術、特に脳定位手術における術中画像検査・診断では、ヘッドフレームにより固定され、さらに上体を起こした背部傾斜位となる患者テーブル上の患者に対する画像データの取得が重要である。
特開平9−220223号公報
解決しようとする問題点は、いわゆる大型の医用画像装置といわれるCT画像装置、X線アンギオ装置などによる検査、診断画像の取得においては、対象の患者を標準患者テーブルである水平横臥位の状態以外での対応を要し、例えば、脳外科手術における頭部を高くする背部傾斜位で、さらに脳定位用のヘッドフレームを装着する患者では、撮像許容領域(ボア)を形成する機器の一部と物理的干渉が生じ、所望する患者診断、検査画像を取得することが困難になる点である。一方、術中検査・診断のために、手術中の患者を、いわゆる大型の医用画像装置の標準患者テーブルに移し替えることは、患者にとっても負担が大きく医学的に好ましくない。また、例えば脳外科手術では、対象が柔らかい脳髄であるため、所謂ブレインシフトにより、当初の状況と異なる位置関係になって検査・診断の用に不適切な情報を提供することになる問題もあった。さらには、患者テーブルの変更、移し替えは、手術器具の装脱作業や消毒滅菌作業の点においても、医療従事者へも負担が大きくなるという問題点があった。
本発明は上記のような従来の問題点に鑑みてなされたもので、脳外科手術中のCT検査画像、或いはX線アンギオ検査画像の取得において、背部傾斜位の患者テーブルにヘッドフレームを装着した術中患者の体位の変更、及び患者テーブルの移し替えを必要としない手術用CTシステムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1の手術用CTシステムは、被検体を載置する手術用の手術テーブルと、CT撮影を行うための撮影用寝台と、CTスキャン機構を備えたCTガントリ手段と、前記CTガントリ手段を移動するための移動手段とを備えた手術用CTシステムであって、前記撮影用寝台側でヘリカルスキャンを行う第1モードと、前記手術テーブル側でヘリカルスキャンを行う第2モードを切替える切替え制御手段と、前記第1、第2モードと表示方向情報を対応付けて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記表示方向情報に基づいて、画像の表示順序を変えるように処理を行う画像処理手段と、
を備え、前記第2モードは、前記被検体の体幹側よりの術中CT画像撮影始点へCTガントリ手段を位置させ、この始点位置から患者の頭頂部の方向に前記CTガントリ手段を移動させながらCT撮影を行うことを特徴とするものを提供する。
さらに、本発明の請求項2の手術用CTシステムにおいては、前記画像処理手段が、前記ヘリカルスキャンにおける移動方向に対応する複数の画像を再構成するものであり、前記移動方向に対して順方向にこれら画像を表示する第1画像表示と、逆方向に表示する第2画像表示とを、前記表示方向情報に基づいて切替えるものであることを特徴とするものを提供する。
さらに、本発明の請求項3の手術用CTシステムにおいては、前記画像処理手段が、前記ヘリカルスキャンにおける移動方向に対応する複数の画像を再構成するものであり、これら画像の再構成処理を投影データの収集開始側から行う第1再構成と、収集終了側から行う第2再構成とを、切替えることにより、前記画像の表示順序を変えるものであることを特徴とするものを提供する。
さらに、本発明の請求項4の手術用CTシステムにおいては、前記手術テーブルが、手術体位を維持した状態で患者を移送可能に構成されたものであり、前記切替え制御手段は、前記手術用テーブルが撮影用の位置に固定されていることを検出する検出手段の出力に基づいて前記第1、第2モードの切替え制御を行うことを特徴とするものを提供する。
本願発明によれば、手術中の患者に対し、術中体位を変更せずに、操作者への負担が減じると共に、操作者の技量、能力に左右されることなく、容易にこれ等の医用画像を取得、提供できる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
(実施形態1)
本願発明の第1の実施形態について、図1〜図5を用いて説明する。図1はCT画像装置による術中イメージングシステムである本願発明の手術用CTシステムの一実施形態を示すブロック構成図である。図2は、本願発明の手術用CTシステムの脳外科手術中の本実施形態における作用作動の状況を側方より示した模式図である。図3は、本実施形態が、病院などの医療機関に設置された場合のCT撮影室と手術室の平面図の例を示す。図4は、本実施形態により術中のCT画像撮影について、手術室からCT撮影室へ移動する時点から元の手術室へ戻る時点までのワークフローを示すフローチャートである。図5(a)は、従来の標準ボアCTガントリと本実施形態のラージボアのガントリにおける脳外科患者手術台の干渉関係を比較する模式図である。また、図5(b)は、本実施形態のラージボア設定におけるボア径と干渉の関係を纏めた比較表である。
本実施形態の主要部は、図1に示すように、CTシステムコントローラ1、CTガントリ2、手術テーブル3、CTスキャナ移動機構17、SW(スイッチ)操作入力部14及び撮影条件設定入力部16、表示モニタ20、及びCT画像データ記憶保存部21で構成される。さらに、これ等主要部のそれぞれ詳細構成は、CTシステムコントローラ1では、CT撮影機能制御部11、画像再構成処理部12、CT術中撮影制御部13、標準/術中切替え制御部15により構成される。CTガントリ2は、X線管照射機構部、X線検出部、スキャナ回転制御機構部から構成される。
後述するようにCTガントリのボア径は、一般標準のCTボア径700mmより一回り大きいボア径800mm以上に構成された大口径ボアCTガントリが好適である。さらに、手術テーブルは、脳外科手術対応のヘッドフレーム33が装備され、手術対象の患者の頭部位値を心臓より高くする傾斜した仰臥位姿勢を採って患者が横たわる形態のものが一般的である。本実施形態の手術テーブル3では、一般的な患者の上下位置、体位を調整する手術台上下動機構・体位変更機構制御部31と、さらにCT検査室220へ移動後に、術中CT検査の所定位置に手術テーブル3を設定する手術テーブル固定機構36を備える。手術テーブル3には、これ等の具備する機構の操作をする手術テーブル手動制御SW(スイッチ)部35が接続されている。
CTガントリ2が、標準固定位置に固定されて一般的なCT検査を実施する場合に、検査対象の患者を載せるCT標準寝台223と、このCT標準寝台223を一般的なCT検査領域を得る所定の位置まで移動させるCT標準寝台移動機構部222が、CT撮影室102に設けてある。また、本実施形態においては、さらに手術テーブル3を設定する前記手術テーブル固定機構36と嵌合する手術テーブル固定位置確認部221を、同じくCT撮影室220に設ける。
本実施形態に関わり、検査の対象とするヘッドフレームを装着した頭部を高くする背部傾斜位で、患者が横たわる手術用テーブルに適用可能なCTガントリのボア径について、CTガントリ/手術寝台の干渉問題に関する、発明者等のシミュレーション検討を次に示す。図5(a)は、このシミュレーションのモデルを示す図であり、同図(b)はシミュレーションの結果を表にまとめたものである。
この干渉の検討における設定の条件は、図5(a)に示すシミュレーションモデルに対し、
1)脳外科手術中の体位は、開頭部からの出血を抑えるために、手術寝台の背もたれ角度を15度〜30度傾斜させて治療するのが平均的である。したがって、干渉等のシミュレーションの計算では、背もたれ角度は15度及び30度にて検討した。
2)CTスキャナ開口(ボア)径は、φ700mm(既存標準ボア径)、750mm、800mm、850mm、900mmにて検討した。
3)患者頭部固定フレームも含めた頭部領域のサイズは直径500mmの球形を想定して干渉検討した。
の各条件の下で、手術テーブル若しくは患者の肩部と、CTガントリのボアカバー部との干渉により評価した。
このシミュレーションの結果は、同図(b)の結果表に示すように、背もたれ角15度ではボア口径800mm以上で、背もたれ角30度ではボア口径900mmで、術中患者の頭部全体に対するCT画像の取得が可能は十分なスキャンを実施できることが判明した。
次に、本実施形態の動作、作用について説明する。本実施形態におけるCTスキャナ機構格納部であるCTガントリ2を移動可能に据え付けたCT撮影室220と、手術テーブル3を置いて脳外科手術を行う手術室210は、例えば図3に示すように、好ましくは隣り合って配置される。これ等の両室が挟む壁部211には、患者10が横たわる手術テーブル3が両室を行き来するための通路212が設けられて、移動後に閉鎖する扉211a、211bを備えることが好ましい。なお、図3には、操作卓、手術器具装置などの一般的なCT撮影室或いは手術室に完備される装置、ユニットは、煩雑と成るので、表示記載を略してある。
また、CT撮影室220に設置されるCTガントリ2、CT標準テーブル223、及びCTシステムコントローラ1などにより一般的なCT診断画像を撮影するCT画像撮影装置230は、術中のCT画像撮影が行われない場合には、CTシステムコントローラ1の標準/術中切替え制御部15を「標準」とする設定により、一般的なCT画像撮影装置として機能作動する。この「標準」における一般的なCT画像撮影装置としての作動は、図3のCT撮影室220に、基本位置のCTガントリ2’として示すように、同室のほぼ中央にCTガントリが据えられる。そして、CT画像撮影時には、片持ちタイプのCT標準(寝台)テーブル223がCTスキャナ方向へ自走し、CTガントリ2’のボア内へ進入するように、CTシステムコントローラ1により制御される設定が成される。
なお、CT画像撮影装置の機種によっては、CTガントリがCT標準(寝台)テーブル223側へ自走する「標準」撮影方式もある。本実施形態の説明においては、CTガントリ2或いはCT標準(寝台)テーブル223のいずれの自走に関わらず、「標準」撮影における頭部CT画像撮影の撮影移動方向を頭頂側から体幹側へとする進入方向を基準とし、「通常」の画像表示、すなわち一般的なCT画像の表示形態である患者の右側を、表示画面上では左側に表示するものとする。すなわち、「頭入れ」の走行関係で、画像診断を目的とするCT撮影を、本実施形態では「標準」の接頭語で表示するものとする。
本実施形態による術中CT画像取得について、ワークフローを示すフローチャートの図4により、CT画像装置による術中イメージングシステムである手術用CTシステムの作用、作動を詳細に説明する。
手術中にCT画像撮影を要する患者は、図3に平面図を示しているような術中CT画像撮影を実施できる本実施形態の手術用CTシステムであるラージボアCTスキャナのCTガントリ2を備えるCT画像装置が設置されたCT撮影室220に、隣接して設けた手術室210において、手術治療処置が実施されることが手術に対する医学的な環境及びCT画像撮影時の移送の面で好適であり、同図に示す両室の配置に基づいて本実施形態を説明する。
手術室210の患者10は、脳外科手術処置を受けている最中で、頭部手術野を確保、安定化させるヘッドフレーム33が装着され、手術対象の頭部を高くする背部傾斜位の姿勢で横たわる手術台(手術テーブル)3に載っている。執刀医師が、患者10に対し術中CT画像撮影が必要と判断し、CT撮影室220への移動を決定すれば、患者10に施されているヘッドフレーム33以外の手術処置器具等の一部を取り外して、移送を準備する。この準備が終われば、図4に示すステップS11の患者移動が、CT撮影室220への通路212を通って、患者10を載せた手術テーブル3が移動されて行われる。
CT撮影室220へ移動した患者10が載っている手術テーブル3は、CT撮影室220の所定の設置位置である手術テーブル固定位置確認部221が設けられた場所まで移動させ、図2に示すように患者10の頭部がCTガントリ2側となる方向で、この手術テーブル固定位置確認部221に手術テーブル3の手術テーブル固定機構36を嵌合させる。この嵌合により、嵌合検出が作動し、ステップS12の手術寝台の設定確認が、CTシステムコントローラ1の標準/術中切替え制御部15へ、手術テーブル固定機構36から発せられる信号により行われる。
次に、ステップS14で、手術或いはCT画像撮影の担当医師が、手術テーブル3の傾斜させた肩当て部分の高さを、CTガントリ2の開口ボアの下縁とほぼ同じ高さになるように、手術テーブル手動制御SW(スイッチ)部35の上下操作スイッチを操作して手術テーブル3の高さを調整する。なお、ボアの下縁に設けた水平投光器によるポインティグ光を手術テーブル3の肩当て部分付近に照射し、これを目安に高さ調節を行っても良い。
ステップS12、S13により、手術テーブル3をCT撮影室220の所定位置、所定高さに設定が完了すると、ステップS14で、SW(スイッチ)操作入力部14の「標準撮影モード」/「術中撮影モード」切換えSWにより、標準/術中切替え制御部15に「術中撮影モード」が設定される。この「術中撮影モード」への切換えにより、CTガントリ2は、SW(スイッチ)操作入力部14からの操作、及びCTシステムコントローラ1からCTスキャナ移動機構17への制御信号により、レール18上を移動する自走タイプのCTスキャナとして作動する。
ステップS15で、自走タイプのCTスキャナとしてのCTガントリ2の「術中撮影待機位置」である患者の頭部側で少し距離が離れたCTガントリ2’と図示する場所に移動して、待機状態となっている。
次のステップS16、S17は、術中CT画像撮影においてCTガントリ2のボアカバーと手術テーブル3との干渉が生じないかをチェックするステップであり、先ずステップS16で、SW(スイッチ)操作入力部14からの操作により、CTガントリ2を低速度で患者の体幹(足側)方向にレール18上を移動させる。干渉が生じると操作者が判断すると、ステップS17で移動操作を停止させる。この停止の後、ステップS18へ進めて、このステップS18において、手術テーブル3の高さを干渉が回避できるように「上」へ高さ変更し、元の待機位置へ戻し、ボア上縁と患者、ヘッドフレームの干渉の有無をチェックし、ステップS15へ戻る。
一方、ステップS17で、所望する撮影範囲まで干渉が無いと判明すれば、ステップS19へ進めて、ステップS19において、CTガントリ2/手術テーブル3の干渉条件が厳しい位置である患者10の体幹側寄りの術中CT画像撮影始点へ、CTガントリ2を位置させる。
次のステップS20では、この始点位置から、干渉条件がより緩やかとなる患者の頭頂部の方向に、CTスキャナを搭載するCTガントリ2をレール18に沿って移動させながら、CT撮影を開始し、CT画像データを、CTシステムコントローラ1のCT撮影機能制御部11を介し、画像再構成処理部12に入力する。
さらに次のステップS21では、CT画像データが入力される画像再構成処理部12において、前述のステップS20でのCTスキャナの移動方向が患者の「足入れ」の方向となっているので、CTガントリ2の対床の相対移動方向は、「標準」撮影と同じであるが表示画像上では左右が逆と成るので、これを反転処理し、画像再構成を行う。この画像再構成の結果のCT画像データは、ステップS22で、CTシステムコントローラ1に接続されるCT画像記憶保存部21のデータディスクなどに蓄積保存される。そして、CTガントリ2のCTスキャナが、術中CT画像撮影終点である患者10の頭頂部を過ぎた時点で、CTガントリ2の自走を停止する。
ステップS23では、同患者で他の条件による術中CT画像撮影が必要な場合は、ステップS15へ戻り、再び所望の設定を行う。一方、さらなる術中CT画像撮影が不要な場合は、ステップS24へ手順を進めて、手術テーブル3の手術テーブル固定機構36をCT撮影室220の手術テーブル固定位置確認部221から離脱、解除すると共に、ステップS25で患者10が載っている手術テーブル3を手術室210へ戻し、術中CT画像撮影を終える。
なお、ステップS19〜S22のCTガントリ2の自走の方向を、CT撮影室の前記手術テーブル固定位置確認部221に設置した手術テーブル3に横たわる患者10’の頭頂側を始点とし、CTガントリ2/手術テーブル3の干渉条件が厳しくなる患者10’の体幹方向の下顎位置を終点とするようにCTスキャナ移動機構17に設定することもできる。この設定は、SW(スイッチ)操作入力部14からの操作により、標準/術中切替え制御部15を介してCTスキャナ移動機構17にされる。さらに、この場合は、CTガントリ2の自走の方向、及び対象患者10の体位方向が、一般的なCT画像撮影の「標準」撮影方法と相対的に同じとなるので、ステップS21の画像再構成における左右反転処理は、この場合は実施しなくてよい。
なお、一般的なボア径のCTスキャナにより、限局された傾斜した姿勢の患者に対し、ラージボアのCTスキャナの構成以外の点で、本実施形態が同様に上述のように実施できることは、説明するまでもない。
本実施形態によれば、脳外科手術のような、頭部を高くした体位をとっている手術中の患者に対し、術中体位を変更せずに、速やかに術中のCT画像撮影が行えるので、撮影対称な患者に対する影響や侵襲が非常に少ない医用画像撮影を実施できる。また、手術担当の医師や撮影担当の技師など操作者への負担が減じると共に、操作者の技量、能力に左右されることなく、容易にこれ等の医用画像を取得、提供できる。
(実施形態2)
患者の頭部を高くし、傾斜した体位で手術中に、CT画像撮影を実施する術中イメージングシステムの他の実施形態を説明する。
図6は、本願発明の第2の実施形態である傾斜させたCTガントリによる手術用CTシステムを示すブロック構成図である。図7は、本実施形態において、CT撮影室に設けるCTガントリ2に対する傾斜機構の作用作動の状況を示した模式図である。図8は、第2の実施形態により術中のCT画像撮影について、手術室からCT撮影室へ移動する時点から元の手術室へ戻るまでのワークフローを示すフローチャートである。
本願発明の第2の実施形態の主要部は、図6に示すように、CTシステムコントローラ1、CTガントリ2、手術テーブル3、CTスキャナ移動機構17、SW(スイッチ)操作入力部14及び撮影条件設定入力部16、表示モニタ20、及びCT画像データ記憶保存部21により構成される第1の実施形態と同様の構成部分に、さらにCTスキャナを傾斜して移動させるCTスキャナ傾斜機構部225を加えて、構成される。第1の実施形態と同様に構成される本実施形態の各主要部のそれぞれ詳細構成は、第1の実施形態のそれぞれと同様である。また、患者の上下位置、体位を調整する手術台上下動機構・体位変更機構制御部31、CT検査室220へ移動後に、術中CT検査の所定位置に手術テーブル3を設定する手術テーブル固定機構36も、本実施形態でも同様に備える。
なお、本実施形態では、後述するようにCTガントリの構成は、CTボア径700mm程度の一般標準口径のCTガントリであっても、手術テーブル3の患者の傾斜した姿勢を変更せずに適用できる。
本実施形態において設けるCTスキャナ傾斜機構部225は、図3に示すように、CT撮影室220のほぼ中央に位置させて、格納時には、CTガントリ2が自走するレール18を敷設した上部平面225aがCT撮影室220の床面と同面を形成して床下に埋設される。さらに、CTスキャナ傾斜機構部225は、SW(スイッチ)操作入力部14の「標準撮影モード」/「術中撮影モード」切換えSWにより、標準/術中切替え制御部15に「術中撮影モード」が設定されると、標準/術中切替え制御部15を介して、傾斜角データの入力を要求する。この要求される傾斜角データとは、手術テーブル3の患者10を傾斜させる体位にする肩当て部に設定した傾斜の角度θ1である。この要求に対し、SW(スイッチ)操作入力部14から、先の手術中に操作・設定した手術テーブル3の傾斜角度のデータが入力されると、標準/術中切替え制御部15を介してCTスキャナ傾斜機構部225に連絡、入力される。このデータの入力により、CTスキャナ傾斜機構部225は、上部平面225aの手術テーブル固定位置確認部221側辺端を軸に、上部平面225aのCT標準寝台223側辺端をCTスキャナ傾斜機構部225が上昇させ、この上部平面225aと同室の床面との角度が前記入力された傾斜角データと一致すると、この上昇を停止させる。この上部平面225aの傾斜にともないレール18上のCTガントリ2が、不意の移動をしないように、図示していないスクリューロッドなどの自走機構部により、走行ロックと転倒防止の構造が施されている。
次に、第2の実施形態によるワークフローを示すフローチャートの図8により、本実施形態の動作、作用について説明する。
本実施形態によるCT画像撮影のステップS31〜S34は、手術室210からCT撮影室220への患者の移動で、前述の第1の実施形態におけるステップS11〜S14と同様に行われる。すなわち、患者を手術テーブル3と共にCT撮影室に移動し、所定の術中撮影固定位置に設定し、CT装置を「術中撮影モード」に切換える。また、本実施形態の構成各部の作用、作動も同様である。
CT撮影室220の所定の位置に患者10が載っている手術テーブル3を据えて、ステップS35で、手術テーブル3の肩当て部分の傾斜設定角度を、その指示器から読み取って、このデータをSW(スイッチ)操作入力部14から指示、入力する。なお、この指示器の読み取りは、角度センサなどにより自動読み取りが行われて、その結果をSW(スイッチ)操作入力部14へ送信、入力するようにしても良い。
この指示入力は、ステップS36において、標準/術中切替え制御部15を介してCTスキャナ傾斜機構部225に入力され、これに搭載した駆動機構により上部平面225aの手術テーブル固定位置確認部221側辺端を軸に、上部平面225aの他端側辺端をCTスキャナ傾斜機構部225が上昇させ、この上部平面225aと同室の床面との角度がこの入力された傾斜角データと一致するまで上昇し、停止する。
次のステップS37において、この傾斜を維持した状態で、CTガントリ2を走行レール18に沿って、手術テーブル3側すなわち傾斜の下方に緩やかの移動速度で移動させて、ガントリと寝台或いは患者頭部との干渉の無いことを確認する。干渉が生じる場合は、CTガントリ2の移動を停止して、ステップS38へ進めて、CTスキャナ傾斜機構部225による傾斜の角度を調整し、ステップS36、S37を行う。
ステップS37において干渉の無いことが確認できれば、ステップS39に進める。
ステップS39では、CTガントリ2を患者の頭頂部側の術中撮影始点に一旦戻し、この始点位置からCTガントリ2をCTスキャナ傾斜機構部225による傾斜をCTスキャン移動機後部17の作動により下方へ移動させつつ、CT撮影データを取得する。この取得したデータは、CT術中撮影制御部13を介して画像再構成処理12でCT画像検査データとして処理する(ステップS41)。CTガントリ2が撮影終点位置まで移動するとステップS40で、移動の停止とCT画像情報の取得を終了する。さらに、このCTスキャンにて得た再構成画像データは、ステップS42で、CT画像記憶保存部21に転送、記録される。
異なる条件で同患者に対する術中CT撮影が有る場合は、ステップS43で、ステップS35へ戻り、再度患者の条件を設定して撮影を繰り返す。引き続く撮影が無い場合は、ステップS44へ進めて、CTスキャナ傾斜機構部225による傾斜を当初の床面の水平位置へ戻す。
その後、ステップS45により、手術テーブル3を術中撮影の所定位置から離脱させて、元の手術室210へ手術テーブル3共に患者10を戻す(ステップS46)。以上で、術中撮影を終える。
本実施形態によれば、頭部を高くした体位をとっている手術中の患者に対し、術中体位を変更せずに、速やかに術中のCT画像撮影が行えるので、撮影対称な患者に対する影響や侵襲が非常に少ない医用画像撮影を実施できる。また、手術担当の医師や撮影担当の技師など操作者への負担が減じると共に、操作者の技量、能力に左右されることなく、容易にこれ等の医用画像を取得、提供できる。手術中の患者に対し、術中体位を変更せずに、操作者への負担が減じると共に、操作者の技量、能力に左右されることなく、容易にこれ等の画像の合成像を提供できる。また、画像撮影のシステムにとっても、水平患者を撮影する処理がそのまま適用できるので、システム側の処理においても負担が増大しない処理で実施できる利点がある。
(実施形態3)
患者の頭部を高くし、傾斜した体位で手術中に、X線透視画像を取得するX線アンギオ撮影を実施する本願発明の第3の実施形態である術中医用画像撮影システムを以下に説明する。
図9は、本願発明の第3の実施形態の術中医用画像撮影システムの構成を示すブロック図である。図10は、本実施形態において、X線アンギオ撮影室に備える床置きCアームのX線透視撮影ユニットと、これにより術中アンギオ撮影を行う対象である患者が傾斜した体位で横たわる手術寝台との作用、作動の状況を示した模式図である。図11(a)は、本実施形態が、病院などの医療機関に設置されたアンギオ撮影室と手術室の平面図を示し、同図(b)は、本願実施形態のアンギオ撮影室における傾斜した手術寝台上の患者の頭部アンギオ撮影の状況を示すイラストである。図12は、第3の実施形態により術中のアンギオ画像撮影について、手術室からアンギオ撮影室へ移動する時点から元の手術室へ戻るまでのワークフローを示すフローチャートである。
本願発明の術中医用画像撮影システムの主要部は、図9に示すように、アンギオ撮影システムコントローラ5、Ω(オメガ)アーム部330、C(シー)アーム部340、手術テーブル3、SW(スイッチ)操作入力部54、及び撮影条件設定入力部56、表示モニタ70、及びアンギオ画像データ記憶保存部71により構成される。さらにCTスキャナ傾斜機構部225を加えて、構成される。さらに、これ等主要部のそれぞれ詳細構成は、アンギオ撮影システムコントローラ5では、アンギオ撮影機能制御部51、画像表示構成処理部52、術中アンギオ撮影制御部53、標準/術中切替制御部55により構成される。Ω(オメガ)アーム部330及びC(シー)アーム部340は、標準的なX線アンギオ撮影システムのそれぞれと同様に、Ωアーム移動・回転機構331、Ωアーム撮影部332、天吊り部333と、Cアーム移動・回転機構341、Cアーム撮影部342、床置き支柱機構343から構成されて、標準/術中切替制御部55からの術中アンギオ撮影の制御情報として、Ωアーム部330へはX線照射のインターロックが、Cアーム部340へは床置き支柱機構343の手術寝台方向90度横回転の各指示を送受信する構成がされる。
Ωアーム部33は、天井に沿って天吊り部333をスライド移動する移動機構、
天吊り部333に対してΩアーム移動・回転機構331を回転させる回転機構、
Ωアーム部に沿ってスライド回転させる回転機構を備えている。
Cアーム部340は、床面に対して垂直な軸を中心とした床置き支柱機構343を回転する回転機構、床面に対して水平な軸を中心としてCアーム移動・回転機構341を回転する回転機構、Cアーム部に沿ってスライド回転移動を行なう回転機構を備えている。
手術テーブル3は、脳外科手術対応のヘッドフレーム33が装備され、手術対象の患者の頭部位値を心臓より高くする傾斜した仰臥位姿勢を採って患者が横たわる形態の手術テーブルであり、その患者の上下位置、体位を調整する手術台上下動機構・体位変更機構制御部31と、アンギオ撮影室320へ移動後に、術中アンギオ撮影の所定位置に手術テーブル3を設定する手術テーブル固定機構36を備える。手術テーブル3には、これ等の具備する機構の操作をする手術テーブル手動制御SW(スイッチ)部35が接続されている。
次に、アンギオ撮影を行う本実施形態の動作、作用について説明する。本実施形態におけるアンギオ画像撮影システム50据え付けたアンギオ撮影室320と、手術テーブル3を置いて脳外科手術を行う手術室210は、図11(a)に示すように、好ましくは隣り合って配置されて、両室を挟む壁部311には、患者10が横たわる手術テーブル3が両室を行き来するための通路312が設けられて、移動後に閉鎖する扉311a、311bを備えることが好適である。なお、図11(a)においては、操作卓、手術器具装置などの一般的なアンギオ撮影室或いは手術室に完備される装置、ユニットは、煩雑と成るので、表示記載を略してある。
また、アンギオ撮影室320に設置されるΩアーム部330及びCアーム部340、アンギオ撮影標準テーブル323、及びアンギオ撮影システムコントローラ5などにより一般的なアンギオ診断画像を撮影することも行えるアンギオ画像撮影システム50は、術中のアンギオ画像撮影が行われない場合には、アンギオ撮影システムコントローラ5の標準/術中切替制御部55を「標準」とする設定により、一般的なアンギオ画像撮影システムとしてΩアーム部330、Cアーム部340、アンギオ撮影標準テーブル323などが機能作動する。この「標準」における一般的なアンギオ画像撮影システムとしての作動は、図11(a)の平面図或いは同図(b)のイラスト図に示すアンギオ撮影室320のほぼ中央辺りに、隣り合う手術室210とを仕切る壁部311に対し平行整列するCアーム部340、アンギオ撮影標準テーブル323、Ωアーム部330それぞれが据えられる。そして、通常のアンギオ画像撮影時には、床置きCアーム部340の床置き支柱機構343が支持するCアーム撮影部342は、図11(a)にCアーム撮影部342’と図示するアンギオ撮影標準テーブル323側へ位置して、Ωアーム部330のΩアーム撮影部332と共に、アンギオ撮影標準テーブル323上の患者10’のX線アンギオ撮影を行う。
本実施形態による術中アンギオ画像取得について、ワークフローを示す図12のフローチャートにより、本願発明の術中医用画像撮影システムの作用、作動を詳細に説明する。
手術中にアンギオ画像撮影を要する患者は、図11(a)に平面図を示しているような術中アンギオ画像撮影を実施できる本実施形態の術中イメージングシステムのアンギオ画像撮影システム50が設置されたアンギオ撮影室320に、隣接して設けた手術室210において、手術治療処置が実施されることが手術に対する医学的な環境及びアンギオ画像撮影時の移送の面で好適であり、同図(a)に示す両室の配置に基づいて本実施形態を説明する。
手術室210の患者10は、脳外科手術処置を受けている最中で、頭部手術野を確保、安定化させるヘッドフレーム33が装着され、手術対象の頭部を高くする背部傾斜位の姿勢で横たわる手術テーブル(手術寝台)3に載っている。執刀医師が、患者10に対し術中アンギオ画像撮影が必要と判断し、アンギオ撮影室320への移動を決定すれば、患者10に施されているヘッドフレーム33以外の手術処置器具等を取り外して、移送を準備する。この準備が終われば、図12に示すステップS51の患者移動が、アンギオ撮影室320への通路312を通って、患者10を載せた手術テーブル3が移動されて行われる。
アンギオ撮影室320へ移動した患者10が載っている手術テーブル3は、通路312の進行方向の正面で、アンギオ撮影室320の所定の設置位置である手術テーブル固定位置確認部321が設けられた場所まで移動させ、図10に示すように患者10の頭部側が床置きCアーム部340の床置き支柱機構343となる方向で、この手術テーブル固定位置確認部321に手術テーブル3の手術テーブル固定機構36を嵌合させる。この嵌合により、ステップS52の手術寝台の設定確認が、アンギオ撮影システムコントローラ5の標準/術中切替制御部55へ、手術テーブル固定機構36から発せられる信号により行われる。
次に、ステップS54で、手術或いはアンギオ画像撮影の担当医師が、手術テーブル3の患者の頭部の高さを、Cアーム部340のCアーム撮影部342の回転中心とほぼ同じ高さになるように、手術テーブル手動制御SW(スイッチ)部35の上下操作スイッチを操作して手術テーブル3の高さを調整する。なお、このステップは、後述するステップS55において、Cアーム撮影部342の照射照準投光器によるポインティグ光を対象の患者3に照射し、これを目安に高さ調節を行っても良い。
ステップS52、S53により、手術テーブル3をCT撮影室220の所定位置、所定高さに設定が完了すると、ステップS54で、SW(スイッチ)操作入力部14の「標準撮影モード」/「術中撮影モード」切換えSWにより、標準/術中切替え制御部15に「術中撮影モード」が設定される。この「術中撮影モード」への切換えにより、Ωアーム部330のΩアーム撮影部332は、所定のパーク位置に停止し、X線照射がインターロックされる。
このインターロックと共に次のステップS55で、Cアーム部340のCアーム移動・回転機構341が、床置き支柱機構343の「標準アンギオCアーム設定位置」への固定がアンロックと成って、「術中アンギオ撮影Cアーム設定位置」である前記通路312側方向へ90度回転した位置へCアーム撮影部342を回転移動する。
次のステップS56、S57は、術中アンギオ画像撮影において、Cアーム撮影部342と手術テーブル3との干渉が生じないかをチェックするステップであり、先ずステップS56で、SW(スイッチ)操作入力部14からの操作により、Cアーム移動・回転機構341を操作して、Cアーム撮影部342が低速度で患者の頭部周囲を移動させ観る。干渉が生じると操作者が判断すると、ステップS57で移動操作を停止させる。この停止の後、ステップS58において、手術テーブル3の高さ、Cアーム部340の回転軸の位置・方向を変更して、Cアーム部を干渉が回避できるようにして、ステップS55へ戻る。
また、このステップ55では、患者10が載っている手術テーブル3の傾斜角度情報を角度操作のスイッチや角度センサにより計測し、システムコントローラ5の標準/術中切替制御部55を介して、Cアーム部移動・回転機構341にこの傾斜角度情報を伝達する。この傾斜角度情報を基づいて、Cアーム撮影部342のX線管と検出器とによる撮影対向軸が、手術テーブル手段により手術体位を維持している患者の体軸と垂直を成すように制御し、干渉の条件を緩和することもできる。
一方、ステップS57で、Cアーム部340のCアーム移動・回転機構341が所望する所定の移動・回転を行って、この所定の範囲まで干渉が無いと判明すれば、ステップS59へ進める。このステップS59において、Cアーム部340のCアーム移動・回転機構341により位置移動、回転されるCアーム撮影部342が、アンギオ画像の撮影を開始し、ステップS60により、この撮影の自相に同期する他の生体信号、例えば心電図などを取得している画像と同期して重畳記録する処理が、術中アンギオ撮影制御部53を介して画像表示構成処理部52で実施される。
次のステップS61では、ステップS59、S60の結果データ、すなわち画像表示構成処理部52の出力が、表示モニタ70に表示されると共に、アンギオ画像記憶保存部71にアンギオ撮影結果として記録される。
ステップS62では、同患者で他の条件による術中アンギオ画像撮影が必要な場合は、ステップS55へ戻り、再び所望の設定を行う。一方、さらなる術中アンギオ画像撮影が不要な場合は、ステップS63へ手順を進めて、手術テーブル3の手術テーブル固定機構36をアンギオ撮影室320の手術テーブル固定位置確認部321から離脱、解除すると共に、ステップS64で患者10が載っている手術テーブル30を手術室210へ戻し、術中アンギオ画像撮影を終える。
本実施形態によれば、頭部を高くした体位をとっている手術中の患者に対し、術中体位を変更せずに、速やかに術中のアンギオ画像撮影が行えるので、撮影対称な患者に対する影響や侵襲が非常に少ない医用画像撮影を実施できる。また、手術担当の医師や撮影担当の技師など操作者への負担が減じると共に、操作者の技量、能力に左右されることなく、容易にこれ等の医用画像を取得、提供できる。
CT画像装置による本願の第1の実施形態を示すブロック構成図。 本実施形態における脳外科手術中の作用作動の状況を示す模式図。 本実施形態が設置されたCT撮影室と手術室を示す平面図。 第1の本実施形態におけるワークフローを示すフローチャート。 CTガントリのボア径と干渉関係示す模式図と、比較表。 本願の第2の実施形態を示すブロック構成図。 本願の第2の実施形態の傾斜機構の模式図。 第2の実施形態におけるワークフローを示すフローチャート。 本願の第3の実施形態の構成を示すブロック図。 本実施形態の床置きCアームと患者が横たわる手術寝台とを示した模式図。 本実施形態が設置されたアンギオ撮影室と手術室の平面図(a)と、その配置のイラスト(b)。 本願の第3の実施形態のワークフローを示すフローチャート。
符号の説明
1・・・CTシステムコントローラ、
2・・・CTガントリ、
3・・・手術テーブル(寝台)、
5・・・アンギオ撮影システムコントローラ、
10・・・患者、
11・・・CT撮影機能制御部、
12・・・画像再構成処理部、
13・・・CT術中撮影制御部、
14・・・SW(スイッチ)操作入力部、
15・・・標準/術中切替え制御部、
16・・・撮影条件設定入力部、
20・・・表示モニタ、
21・・・CT画像データ記憶保存部、
31・・・手術台上下動機構・体位変更機構制御部、
33・・・ヘッドフレーム、
35・・・手術テーブル手動制御SW(スイッチ)部、
36・・・手術テーブル固定機構、
50・・・アンギオ画像撮影システム、
51・・・アンギオ撮影機能制御部、
52・・・画像表示構成処理部、
53・・・術中アンギオ撮影制御部、
54・・・SW操作入力部、
55・・・標準/術中切替制御部、
56・・・撮影条件設定入力部、
70・・・表示モニタ、
71・・・アンギオ画像データ記憶保存部、
210・・・手術室、
211・・・手術室とCT撮影室が挟む壁部、
211a、211b・・・扉、
212・・・通路、
220・・・CT撮影室、
221・・・手術テーブル固定位置確認部、
222・・・CT標準寝台移動機構部、
223・・・CT標準寝台、
225・・・CTスキャナ傾斜機構部、
320・・・アンギオ撮影室、
322・・・アンギオ標準寝台移動機構、
323・・・アンギオ標準寝台、
330・・・Ωアーム部、
331・・・Ωアーム移動・回転機構、
332・・・Ωアーム撮影部、
333・・・天井吊り機構、
340・・・Cアーム部、
341・・・Cアーム移動・回転機構、
342・・・Cアーム撮影部、
343・・・床置き支柱機構。

Claims (5)

  1. 被検体を載置する手術用の手術テーブルと、CT撮影を行うための撮影用寝台と、CTスキャン機構を備えたCTガントリ手段と、前記CTガントリ手段を移動するための移動手段とを備えた手術用CTシステムであって、
    前記撮影用寝台側でヘリカルスキャンを行う第1モードと、前記手術テーブル側でヘリカルスキャンを行う第2モードを切替える切替え制御手段と、
    前記第1、第2モードと表示方向情報を対応付けて記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記表示方向情報に基づいて、画像の表示順序を変えるように処理を行う画像処理手段と、
    を備え
    前記第2モードは、前記被検体の体幹側よりの術中CT画像撮影始点へCTガントリ手段を位置させ、この始点位置から患者の頭頂部の方向に前記CTガントリ手段を移動させながらCT撮影を行う
    ことを特徴とする手術用CTシステム。
  2. 前記画像処理手段は、
    前記ヘリカルスキャンにおける移動方向に対応する複数の画像を再構成するものであり、前記移動方向に対して順方向にこれら画像を表示する第1画像表示と、逆方向に表示する第2画像表示とを、前記表示方向情報に基づいて切替えるものであることを特徴とする請求項1記載の手術用CTシステム。
  3. 前記画像処理手段は、
    前記ヘリカルスキャンにおける移動方向に対応する複数の画像を再構成するものであり、これら画像の再構成処理を投影データの収集開始側から行う第1再構成と、収集終了側から行う第2再構成とを、切替えることにより、前記画像の表示順序を変えるものであることを特徴とする請求項1記載の手術用CTシステム。
  4. 前記手術テーブルは、手術体位を維持した状態で患者を移送可能に構成されたものであり、
    前記切替え制御手段は、前記手術用テーブルが撮影用の位置に固定されていることを検出する検出手段の出力に基づいて前記第1、第2モードの切替え制御を行うことを特徴とする請求項1記載の手術用CTシステム。
  5. 前記CTガントリ手段は、そのボア内径が、800mm以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の手術用CTシステム。
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