JP5084376B2 - 真空断熱材 - Google Patents
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また、外包材として樹脂製のものを用いた真空断熱材も従来から考案されてきていた(例えば、特許文献2参照)。
芯材部と、前記芯材部を収納しかつ内部を減圧状態に維持できる金属製外包材と、を含む真空断熱材であって、
互いに向かい合う前記金属製外包材によって前記芯材部が挟まれて形成された介在部と、前記介在部から延在しかつ前記金属製外包材によって前記芯材部が挟まれていない非介在部とが形成され、
前記非介在部には、互いに向かい合う前記金属製外包材が接合されて、前記金属製外包材の内部を封止して減圧状態に維持する封止接合部が形成され、
被取り付け体に取り付けるための取り付け部材が前記非介在部に設けられたことを特徴とする。
前記非介在部が、
前記介在部に近接し、かつ、前記介在部と前記封止接合部との間に延在する近接領域と、
前記封止接合部よりも前記介在部から離隔して延在する離隔領域と、に画定され、
前記取り付け部材が、前記離隔領域に設けられたものが好ましい。
前記取り付け部材が、長尺な形状を有し、
前記取り付け部材の一の端部が、前記非介在部に接合されて、前記金属製外包材と前記取り付け部材との間に取り付け接合部が形成され、
前記取り付け部材の前記一の端部とは異なる他の端部に、前記被取り付け体に係止されるための係止部が形成されたものが好ましい。
前記取り付け接合部が、前記封止接合部と交差して形成され、かつ、互いに向かい合う前記金属製外包材の間に形成され、
前記取り付け接合部と前記封止接合部とによって、減圧状態が維持されるものが好ましい。
前記取り付け接合部と前記封止接合部とは、溶接法又はロウ付けによって形成されたものが好ましい。
図1は、真空断熱材100を示す斜視図である。図2は、この真空断熱材100を示す正面図であり、図3は、真空断熱材100に4つの取り付け部材160を取り付けた状態を示す正面図である。図4は、図3に示した線I−Iに沿った真空断熱材100を示す断面図である。なお、図4は、構成を明確に示すために、隣り合う部材の間に隙間があるように示したが、実際には、これらの部材は、密着するように構成されている。
<芯材部110の形状>
図1及び図4に示すように、芯材部110は、略薄板状の形状を有する。芯材部110の厚さや大きさは、断熱すべき対象物(以下、被取り付け体Bと称する。)の大きさや、被取り付け体Bに要する断熱性能に応じて適宜定めればよい。
芯材部110は、特に限定されないが、繊維集合体、連続気泡発泡体等が使用される。断熱性の観点から好ましくは繊維集合体である。繊維集合体は、作業性の観点から、上述したように、略板状の形態で使用されることが好ましい。繊維集合体を、そのままの「わた状態」や、微細化した「粉体状」で使用する場合には、芯材部110の取り扱い性が低下するので、芯材部110を、後述する外包材120へ収納する工程が煩雑になり、作業性が悪化する。
<外包材120の形状>
外包材120は、図1及び図2に示すように、2枚のシート状の外包材120a及び120bによって成形される。なお、以下では、外包材120a及び120bを、単に外包材120と称する場合もある。
外包材120は、真空断熱材100が使用される温度や圧力等の条件下で十分に耐え、真空断熱材100としての機能を維持できる金属であれば、どのようなものでも用いることができる。例えば、軟鋼薄板、ステンレス鋼薄板、亜鉛メッキ鋼薄板等の各種の鋼薄板や、アルミニウム合金薄板や、チタン薄板や、スズ薄板等を用いることができる。特に、板厚が0.05mmから0.5mm程度のステンレス、鉄、チタン等を使用するのが好ましい。
後述するように、真空断熱材100は、2枚の外包材120a及び120bの間に芯材部110を挟み、芯材部110の外周に沿って、2枚の外包材120a及び120bを溶接することによって作ることができる。図1〜図4に示すように、この2枚の外包材120a及び120bを溶接することによって、封止用溶接ライン130を形成することができる。
<ゲッター剤150の機能>
外包材120の中には、ゲッター剤150(図示せず)を設けてもよい。外包材120の内部を減圧して溶接した後に、外包材120の内部では、ガス、例えば、芯材部110からアウトガスや水分が発生する場合があり、真空度を低下させる可能性がある。このため、ガスや水分を吸着することができるゲッター剤150を、外包材120の内部に芯材部110と共に収納することが好ましい。
ガスや水分を吸着できる物質は、特に、限定されるものではなく、物理的にガスや水分等を吸着するものとして、例えば、活性炭、シリカゲル、酸化アルミニウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト等がある。また、化学的にガスや水分等を吸着するものは、例えば、酸化カルシウム、酸化バリウム、塩化カルシウム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウム等や、鉄、亜鉛等の金属粉素材、バリウム−リチウム系合金、ジルコニウム系合金等がある。
真空断熱材100は、以下のようにして作ることができる。
取り付け部材160は、真空断熱材100を被取り付け体Bに取り付けるための部材である。取り付け部材160は、真空断熱材100とは別体で製造される。後述するように、まず、取り付け部材160を真空断熱材100に取り付け、取り付け部材160が取り付けられた真空断熱材100を、取り付け部材160を介して被取り付け体Bに取り付ける。
取り付け部材160は、図3及び図4に示すように、外形が薄板状で略長方形の形状を有する。このように、取り付け部材160は、略長方形の形状を有するので、取り付け部材160の外形は、向かい合う2つの長辺(取り付け部材160の長手方向の長さ)と向かい合う2つの短辺166a及び166b(取り付け部材160の短手方向の長さ)とによって構成される。
取り付け部材160は、金属で構成されている。例えば、取り付け部材160をアルミニウムやステンレス等の金属で構成することができる。取り付け部材160を金属で構成することによって、金属で構成された外包材120に、溶接やハンダ付けやロウ付けによって取り付けることができ、取り付け部材160を真空断熱材100に的確にかつ強固に取り付けることができる。なお、取り付け部材160の真空断熱材100への取り付けは、金属同士を接合できるものであればよい。
上述した取り付け部材160の厚さや材質については、金切バサミ等の切断道具で切断可能なもの、例えば、略1mmのアルミニウム製のものが好ましい。後述するように、切断道具で切断できるようにすることで、真空断熱材100に予め取り付けられている取り付け部材160を真空断熱材100から除去して、別の取り付け部材160を真空断熱材100の所望する位置に取り付けることができる。このようにできるようにすることで、工場から出荷された状態の真空断熱材100を単に使用するだけでなく、工場から出荷された状態の真空断熱材100を取り付け現場で、被取り付け体Bの形状や大きさに応じて、部材160の取り付け位置を所望する位置に変更することができる。
4つの取り付け部材160を真空断熱材100に取り付けた状態を図3に示す。取り付け部材160は、真空断熱材100の離隔領域Dの4箇所に取り付けられる。上述したように、真空断熱材100の離隔領域Dに取り付けるようにすることで、取り付け部材160を取り付ける加工等の処理を行っても、真空断熱材100の減圧状態に影響を与えることなく、真空断熱材100の封止の状態を維持することができる。なお、真空断熱材100は、この4つの取り付け部材160を介して被取り付け体Bに取り付けられる。
図5は、真空断熱材100の被取り付け体Bに取り付ける態様を示す図である。図5(a)は、真空断熱材100を、そのまま折り曲げることなく被取り付け体Bに取り付ける場合を示す図であり、図5(b)は、真空断熱材100の非介在部Nを、被取り付け体Bの外形に併せて折り曲げて、被取り付け体Bに取り付ける場合を示す図である。このように、被取り付け体Bの大きさや形状や、断熱すべき箇所等に応じて、真空断熱材100をそのまま用いたり折り曲げて用いたりすればよい。図5(a)及び(b)の示すいずれの場合も、取り付け部材160に形成された貫通孔162にねじ170を通して被取り付け体Bに固定されている。真空断熱材100の取り付けは、ねじ170によるもののほか、リベット等による固定など、真空断熱材100の非介在部Nが、被取り付け体Bに密着するように、かつ、耐熱性を確保して固定できればよい。
上述したように、真空断熱材100と取り付け部材160とは、別個に製造されて、最終製造工程で、被取り付け体Bの形状や大きさに応じた位置に、取り付け部材160を真空断熱材100に取り付ける。したがって、工場から出荷される段階では、取り付け部材160が真空断熱材100に取り付けられたもの(図3参照)が出荷される。このように、被取り付け体Bの形状や大きさに応じた位置に、取り付け部材160は真空断熱材100に取り付けれているが、それでもなお、現場において、取り付け部材160の位置を変更する必要性が生ずる場合もある。以下では、このような場合の対応について説明する。
上述した第1の実施の形態では、取り付け部材160を真空断熱材100の辺に取り付けたものであった。これに対して、第2の実施の形態の真空断熱材200では、取り付け部材260を真空断熱材200の四隅に取り付けたものである。なお、図7に示す第2の実施の形態では、第1の実施の形態と共通する要素については、同一の符号を付して示した。
上述した第1の実施の形態や第2の実施の形態では、真空断熱材100や200を単一枚で用いる場合を示したが、これらの真空断熱材を複数枚連続して用いてもよい。
図8に示す2枚の真空断熱材100は、連結部材380によって連結されている。この連結部材380は、図8に示すように、外形が薄板状で略長方形の形状を有する。このように、連結部材380は、略長方形の形状を有するので、連結部材380の外形は、向かい合う2つの長辺(連結部材380の長手方向の長さ)と向かい合う2つの短辺382a及び382b(連結部材380の短手方向の長さ)とによって構成される。
連結部材380は、金属で構成されている。例えば、連結部材380をアルミニウムやステンレス等の金属で構成することができる。連結部材380を金属で構成することにより、金属で構成された外包材120に、溶接やハンダ付けやロウ付けによって取り付けることができ、連結部材380を真空断熱材100に的確にかつ強固に取り付けることができる。なお、連結部材380の真空断熱材100への取り付けは、金属同士を接合できるものであればよい。
また、取り付け部材160の長さや幅や厚さや材質は、真空断熱材100の大きさや形状や重さ材質や、被取り付け体Bの大きさや形状や、使用される環境等に応じて、適宜定めればよい。すなわち、真空断熱材100が使用される環境において、所望する期間にわたって、所望する断熱性を維持できるようなものであればよい。
2つの連結部材380を2枚の真空断熱材100の間に取り付けた状態を図8に示す。連結部材380は、真空断熱材100の離隔領域Dに取り付けられる。上述したように、真空断熱材100の離隔領域Dに取り付けるようにすることで、連結部材380を取り付ける加工等の処理を行っても、真空断熱材100の減圧状態に影響を与えることなく、真空断熱材100の封止の状態を維持することができる。なお、2枚の真空断熱材100は、この連結部材380によって、互いに連結されると共に、被取り付け体Bに取り付けられることができる。
上述した第1の実施の形態〜第3の実施の形態のいずれも、芯材部110よりも外側に、封止用溶接ライン130が形成されたものであった。しかしながら、真空断熱材が取り付けられる被取り付け体の外形は、平面で構成されている場合とは限られない。例えば、排気や吸気等のためのパイプやホース等の配管が被取り付け体に接続される場合もある。被取り付け体が、このような構成や構造であっても、被取り付け体を断熱する必要が生ずる場合がある。このような場合には、芯材部にも配管を通すための貫通孔が形成され、貫通孔の周囲を封止する必要がある。
110、410 芯材部
120、420 外包材
130(130a,130b,130c,130d) 封止用溶接ライン(接合部)
160 取り付け部材
430 封止用溶接ライン(接合部)
I 介在部
N 非介在部
B、B’ 被取り付け体
Claims (3)
- 芯材部と、前記芯材部を収納しかつ内部を減圧状態に維持できる金属製外包材と、を含む真空断熱材であって、
互いに向かい合う前記金属製外包材によって前記芯材部が挟まれて形成された介在部と、前記介在部から延在しかつ前記金属製外包材によって前記芯材部が挟まれていない非介在部とが形成され、
前記非介在部には、互いに向かい合う前記金属製外包材が接合されて、前記金属製外包材の内部を封止して減圧状態に維持する封止接合部が形成され、該封止接合部により、前記非介在部は、前記介在部に近接し、かつ、前記介在部と前記封止接合部との間に延在して、減圧状態が維持された真空維持領域として機能する近接領域と、前記封止接合部よりも前記介在部から離隔して延在して、真空状態ではない非真空領域として機能する離隔領域と、に画定され、
被取り付け体に取り付けるための取り付け部材が前記非介在部の前記離隔領域に設けられたことを特徴とする真空断熱材。 - 前記取り付け部材は、長尺な形状を有し、
前記取り付け部材の一の端部が、前記非介在部に接合されて、前記金属製外包材と前記取り付け部材との間に取り付け接合部が形成され、
前記取り付け部材の前記一の端部とは異なる他の端部に、前記被取り付け体に係止されるための係止部が形成された請求項1に記載の真空断熱材。 - 前記取り付け接合部と前記封止接合部とは、溶接法又はロウ付けによって形成された請求項2に記載の真空断熱材。
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