JP2010121638A - 真空断熱材の固定構造および固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高価な樹脂を用いることなく高温に耐えることができ、さらに、真空断熱材の取付作業を煩雑にせずに、断熱効果の低下が起こりにくい取り付けが可能な、真空断熱材の取付構造および固定方法を提供する。
【解決手段】真空断熱材100において、固定具200により保持される辺122c側の非介在部Nを折り曲げ、折り畳んだ非介在部Nの一個所を、延出部202および押止部203によって保持させた状態で、取付部201の切り欠きCLにおいて、ワッシャWを介したネジSにより、取付部201を被取り付け部Bに固定する。
【選択図】図3
【解決手段】真空断熱材100において、固定具200により保持される辺122c側の非介在部Nを折り曲げ、折り畳んだ非介在部Nの一個所を、延出部202および押止部203によって保持させた状態で、取付部201の切り欠きCLにおいて、ワッシャWを介したネジSにより、取付部201を被取り付け部Bに固定する。
【選択図】図3
Description
金属製の外包材を用いた真空断熱材の固定構造および固定方法に関する。
従前から、断熱材の耐熱性を高めるために、外包材として金属製のものを用いた真空断熱材が考案されてきていた(例えば、特許文献1参照)。
また、外包材として樹脂製のものを用いた真空断熱材も従来から考案されてきていた(例えば、特許文献2参照)。
特開平1−150098号公報
特開平7−113494号公報
また、外包材として樹脂製のものを用いた真空断熱材も従来から考案されてきていた(例えば、特許文献2参照)。
上述した金属製の外包材を用いた真空断熱材、および、樹脂製の外包材を用いた真空断熱材のいずれにおいても、真空にするために、断熱材を挟んだ状態で外包材同士を接合して封止する必要があり、外包材のみが存在する余剰部、いわゆるヒレと称される部分を形成せざるを得なかった。特に、断熱材としてガラス繊維を用い、これを2枚の金属製の外包材で挟んで溶接により封止する場合、ガラス繊維を挟み込んだ状態で溶接してしまうと、溶接不良となって真空状態を保てなくなる恐れがある。よって通常は、このような溶接不良を起こさないために、外包材の寸法に余裕を持たせ、ガラス繊維から離れた位置を溶接して封止しているので、どうしても余剰部が形成されてしまうことになる。
このような真空断熱材を発熱体等の被取り付け体に取り付ける場合、従来は、接着剤や両面テープ等の樹脂が用いられてきた。このため、真空断熱材は、それ自体では、耐熱性に優れているものの、取り付けの際に使用する樹脂は、使用条件によって長期の接着性に問題が生じるおそれがあり、用途に応じて樹脂以外の固定方法、又は樹脂と併用する固定方法が必要であった。また、一般に、耐熱性の高い樹脂は高価であるため、そのような樹脂を真空断熱材の取り付けに用いた場合、その費用が高価にならざるを得なかった。
また、被取り付け体に対して複数の真空断熱材を並べて取り付ける場合、上述した余剰部が存在するために、隣り合った真空断熱材の内部に各々封止されている断熱材同士の間隔を詰めて取り付けるのが困難であった。この余剰部は、断熱に何ら寄与するものではないため、真空断熱材に封止されている断熱材の間隔が余剰部によって開いてしまうと、断熱効果が低下してしまう恐れがある。そこで、従来は、使用される環境温度に耐え得る詰め物を、余剰部によって生じた断熱材の間に敷き詰めるなど処置を施していたため、取付作業の手間が煩雑になるとともに、取付後の見栄えも良いものとはいえなかった。また、他の方法として、真空断熱材の内部に封止されている断熱材の周縁を境として余剰部を折り曲げることで、断熱材同士の間隔をできるだけ詰めて取り付けることが考えられるが、この場合、真空断熱材を取り付けた後に、折り曲げた余剰部が他の作業などの邪魔にならないような処理を施す必要があり、やはり取付作業の手間が煩雑になるという問題が生じてしまう。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高価な樹脂を用いることなく高温に耐えることができ、さらに、真空断熱材の取付作業を煩雑にせずに、断熱効果の低下が起こりにくい取り付けが可能な、真空断熱材の取付構造および固定方法を提供することにある。
以上のような目的を達成するために、本発明は、直線部を含んだ形状を有するシート状の芯材部と、前記芯材部を収納しかつ内部を減圧状態に維持できる金属製外包材と、を含む真空断熱材を、被取り付け材に固定する真空断熱材の固定構造であって、前記真空断熱材には、互いに向かい合う前記金属製外包材によって前記芯材部が挟まれた状態において、前記芯材部が存在する領域である介在部と、前記介在部から延在しかつ前記金属製外包材によって前記芯材部が挟まれていない領域である非介在部と、前記非介在部において互いに向かい合う前記金属製外包材を接合し、前記金属製外包材の内部を封止して減圧状態に維持する封止接合部とが形成され、前記芯材部の直線部に沿って前記非介在部が折り曲げられた状態を保持する固定具によって、前記真空断熱材を前記被取り付け材に固定することを特徴とする。
上述したように、本発明に係る固定構造では、固定具を用いて被取り付け材に真空断熱材を取り付けるため、高価な樹脂を用いる場合比べ、低コストで高温の環境に耐え得る真空断熱材の取り付けが可能となる。また、真空断熱材を取り付ける際に、金属製外包材に収容されている芯材部の直線部に沿って非介在部を折り曲げ、取り付け後も固定具によってその状態が保持される。このため、複数の真空断熱材を並べて取り付ける場合、金属製外包材に収容された芯材部同士をより接近させることができ、断熱効果の低下を抑えることができる。また、一旦折り曲げた非介在部が起き上がってしまい、他の作業の邪魔になることがない。
また、本発明に係る固定構造は、前記固定具が、前記被取り付け材と接し、該被取り付け材の表面に取り付けられる取付部と、前記取付部が前記被取り付け材の表面に取り付けられた状態で、該被取り付け材の表面から離れる方向に、前記取付部から延出する延出部と、前記取付部が前記被取り付け材の表面に取り付けられた状態で、前記延出部の先端から該被取り付け材の表面に対して略平行な方向へ延出する押止部とを有し、前記真空断熱材を、前記芯材部の直線部に沿って折り曲げられた前記非介在部とともに、前記被取り付け材の表面と前記押止部とによって挟むことで、前記非介在部が折り曲げられた状態を保持することが好ましい。
上述した固定具を用いる固定構造では、被取り付け材の表面と、固定具の押止部とによって、折り曲げた非介在部とともに真空断熱材を挟むようにして、取付部を被取り付け材の表面に取り付ける。これにより、折り曲げた非介在部の保持、および、真空断熱材の被取り付け材への固定を、同時に行うことができるため、低コストで高温環境に耐え、断熱効果の低下を抑えるとともに、折り曲げた非介在部が他の作業の妨げとなることのない真空断熱材の取り付けを、容易に行うことができる。
また、本発明に係る固定構造は、前記真空断熱材の芯材部が、第一の直線部と、該第一の直線部に平行かつ対向する第二の直線部を有する形状であり、前記固定具は、前記押止部の、前記延出部および取付部が形成されていない側の端部に、前記延出部および取付部と対称を成す、さらなる延出部および取付部を形成してなり、該押止部の延出方向における長さが、各々、前記芯材部の第一および第二の直線部に沿って前記非介在部を折り曲げた複数の真空断熱材を、該折り曲げた非介在部同士が隣り合うように複数並べたときの、前記第一および第二の直線部に直交する方向における全長と、略同寸の長さになっており、該第一の直線部および第二の直線部に直交する方向が前記押止部の延出方向と平行になるように、前記複数並べた真空断熱材を、前記押止部および前記押止部の両端部において対向する2つの延出部によって形成される空間に収容し、前記被取り付け材の表面と前記押止部とによって該真空断熱材を挟むことで、前記非介在部が折り曲げられた状態を保持することが好ましい。
上述した固定具を用いる固定構造では、複数並べた真空断熱材が押止部および対向する2つの延出部で囲まれた空間に収容された状態で、被取り付け材に取り付けられることから、各真空断熱材の第一の直線部から第二の直線部に亘って、被取り付け材の表面と押止部とによって挟まれることになる。このため、被低コストで高温環境に耐え、折り曲げた非介在部が他の作業の妨げとなることのない真空断熱材の取り付けが可能となるばかりでなく、取り付け材の表面と、真空断熱材との密着性をより高まることで、断熱効果の低下をより抑えることができ、複数の真空断熱材に各々収納された芯材部の間隔をより密接にした状態で、ひとまとめにして被取り付け材に固定することができる。
次に、本発明は、直線部を含んだ形状を有するシート状の芯材部と、前記芯材部を収納しかつ内部を減圧状態に維持できる金属製外包材と、を含み、互いに向かい合う前記金属製外包材によって前記芯材部が挟まれた状態において、前記芯材部が存在する領域である介在部と、前記介在部から延在しかつ前記金属製外包材によって前記芯材部が挟まれていない領域である非介在部と、前記非介在部において互いに向かい合う前記金属製外包材を接合し、前記金属製外包材の内部を封止して減圧状態に維持する封止接合部とが形成された真空断熱材を、取付部と、該取付部が前記被取り付け材の表面に取り付けられた状態で、該被取り付け材の表面から離れる方向に、前記取付部から延出する延出部と、前記取付部が前記被取り付け材の表面に取り付けられた状態で、該被取り付け材の表面に対して略平行な方向に、前記延出部の先端から延出する押止部とを有する固定具によって、被取り付け材に固定する真空断熱材の固定方法であって、前記真空断熱材の非介在部を、前記芯材部の直線部に沿って折り曲げる工程と、該真空断熱材を前記被取り付け材の表面に配置する工程と、前記真空断熱材が前記折り曲げた非介在部とともに、前記被取り付け材の表面と、前記固定具の押止部とによって挟まれるように、前記固定具の取付部を前記真空断熱材の表面に配置する工程と、前記固定具の取付部を、前記被取り付け材の表面に固定する工程とを有することを特徴とする。
上述した真空断熱材の固定方法によれば、真空断熱材の非介在部が折り曲げられた状態で被取り付け材に固定されるため、複数の真空断熱材を並べて取り付ける場合、金属製外包材に収容された芯材部同士をより接近させることができ、断熱効果の低下を抑えることができる。また、固定具によって、非介在部が折り曲げられた状態で保持されるため、一旦折り曲げた非介在部が起き上がってしまい、他の作業の邪魔になることがない。
本発明に係る真空断熱材の取付構造および固定方法によれば、高価な樹脂を用いることなく高温に耐えることができ、さらに、真空断熱材の取付作業を煩雑にせずに、断熱効果の低下が起こりにくい取り付けが可能となる。
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
<<<第1の実施の形態>>>
図1は、真空断熱材100を示す斜視図である。図2は、この真空断熱材100を示す正面図であり、図3は、固定具200を用いて真空断熱材100を断熱すべき対象物(以下、被取り付け体Bと称する。)に取り付けた状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は図3(a)に示す矢印アの方向から見た側面図である。図4は、真空断熱材100とは異なる形状の真空断熱材を例示する正面図である。
図1は、真空断熱材100を示す斜視図である。図2は、この真空断熱材100を示す正面図であり、図3は、固定具200を用いて真空断熱材100を断熱すべき対象物(以下、被取り付け体Bと称する。)に取り付けた状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は図3(a)に示す矢印アの方向から見た側面図である。図4は、真空断熱材100とは異なる形状の真空断熱材を例示する正面図である。
図1〜図3に示すように、真空断熱材100は、芯材部110を外包材120に収納して、封止用溶接ライン130を形成することによって作ることができる。真空断熱材100の作り方の詳細については、後で述べる。なお、封止用溶接ライン130は、視認できるように形成されるので、図1〜図3においては、実線で示した。また、芯材部110は、外包材120で覆われているので、図1〜図3においては、破線で示した。
<<芯材部110>>
<芯材部110の形状>
図1および図3に示すように、芯材部110は、略薄板状の形状を有する。芯材部110の厚さや大きさは、被取り付け体Bの大きさや、被取り付け体Bに要する断熱性能に応じて適宜定めればよい。
<芯材部110の形状>
図1および図3に示すように、芯材部110は、略薄板状の形状を有する。芯材部110の厚さや大きさは、被取り付け体Bの大きさや、被取り付け体Bに要する断熱性能に応じて適宜定めればよい。
<芯材部110の材料>
芯材部110は、特に限定されないが、繊維集合体、連続気泡発泡体等が使用される。断熱性の観点から好ましくは繊維集合体である。繊維集合体は、作業性の観点から、上述したように、略板状の形態で使用されることが好ましい。繊維集合体を、そのままの「わた状態」や、微細化した「粉体状」で使用する場合には、芯材部110の取り扱い性が低下するので、芯材部110を、後述する外包材120へ収納する工程が煩雑になり、作業性が悪化する。
芯材部110は、特に限定されないが、繊維集合体、連続気泡発泡体等が使用される。断熱性の観点から好ましくは繊維集合体である。繊維集合体は、作業性の観点から、上述したように、略板状の形態で使用されることが好ましい。繊維集合体を、そのままの「わた状態」や、微細化した「粉体状」で使用する場合には、芯材部110の取り扱い性が低下するので、芯材部110を、後述する外包材120へ収納する工程が煩雑になり、作業性が悪化する。
繊維集合体は無機繊維、有機繊維またはそれらの混合物からなる。
無機繊維としては、例えば、ガラス繊維(グラスウール)、アルミナ繊維、スラグウール繊維、シリカ繊維、ロックウール等が挙げられる。
有機繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリウレタン繊維、ポリノジック繊維、レーヨン繊維等の合成繊維、麻、絹、綿、羊毛等の天然繊維等が挙げられる。無機繊維および有機繊維は、1種からなる単独繊維または複数種の混合繊維として用いられる。
この第1の実施の形態では、後述する外包材120の耐熱性の利点を活かすために、芯材部110としても耐熱性に優れる無機系芯材が好ましく、断熱性も考慮すれば、グラスウール製芯材が特に好ましい。
<<外包材120>>
<外包材120の形状>
外包材120は、図3(b)に示すように、2枚のシート状の外包材120a及び120bによって成形される。なお、図3(b)では、理解しやすいように外包材120a及び120bの厚みを誇張して図示しているが、後述するように、外包材120として金属薄板を用いた場合、実際の厚さは0.05mmから0.5mm程度となる。また、以下では、外包材120a及び120bを、単に外包材120と称する場合もある。
<外包材120の形状>
外包材120は、図3(b)に示すように、2枚のシート状の外包材120a及び120bによって成形される。なお、図3(b)では、理解しやすいように外包材120a及び120bの厚みを誇張して図示しているが、後述するように、外包材120として金属薄板を用いた場合、実際の厚さは0.05mmから0.5mm程度となる。また、以下では、外包材120a及び120bを、単に外包材120と称する場合もある。
2枚の外包材120a及び120bの各々は、同じ大きさの正方形や長方形等の一定の形状を有する。2枚の外包材120a及び120bの各々の形状及び大きさは、芯材部110の形状及び大きさや、後述する非介在部Nの形状及び大きさ等に合せて適宜定めればよい。
後述するように、2枚の外包材120a及び120bが、互いに重なり合うようにし、その間に芯材部110を挟んで、芯材部110を周回するように、2枚の外包材120a及び120bを溶接することで、真空断熱材100を作ることができる。
<外包材120の材料>
外包材120は、真空断熱材100が使用される温度や圧力等の条件下で十分に耐え、真空断熱材100としての機能を維持できる金属であれば、どのようなものでも用いることができる。例えば、軟鋼薄板、ステンレス鋼薄板、亜鉛メッキ鋼薄板等の各種の鋼薄板や、アルミニウム合金薄板や、チタン薄板や、スズ薄板等を用いることができる。特に、板厚が0.05mmから0.5mm程度のステンレス、鉄、チタン等を使用するのが好ましい。
外包材120は、真空断熱材100が使用される温度や圧力等の条件下で十分に耐え、真空断熱材100としての機能を維持できる金属であれば、どのようなものでも用いることができる。例えば、軟鋼薄板、ステンレス鋼薄板、亜鉛メッキ鋼薄板等の各種の鋼薄板や、アルミニウム合金薄板や、チタン薄板や、スズ薄板等を用いることができる。特に、板厚が0.05mmから0.5mm程度のステンレス、鉄、チタン等を使用するのが好ましい。
なお、外包材120を、単一の層の金属製の薄板で構成するだけでなく、複数の層の金属製の薄板で構成してもよい。外包材の構成は、耐熱性や芯材部110の断熱性等を考慮して適宜定めればよい。
<封止用溶接ライン130、介在部I、非介在部N(近接領域P、離隔領域D)>
後述するように、真空断熱材100は、2枚の外包材120a及び120bの間に芯材部110を挟み、芯材部110の外周に沿って、2枚の外包材120a及び120bを溶接することによって作ることができる。図1〜図3に示すように、この2枚の外包材120a及び120bを溶接することによって、封止用溶接ライン130を形成することができる。
後述するように、真空断熱材100は、2枚の外包材120a及び120bの間に芯材部110を挟み、芯材部110の外周に沿って、2枚の外包材120a及び120bを溶接することによって作ることができる。図1〜図3に示すように、この2枚の外包材120a及び120bを溶接することによって、封止用溶接ライン130を形成することができる。
この封止用溶接ライン130(130a〜130d)は、図1〜図3に示すように、外包材120の一の辺の端部から、一の辺と向かい合う他の辺の端部に至るまで、一の辺と他の辺とに挟まれた別の辺に沿って略平行に形成されている。
具体的には、封止用溶接ライン130aは、外包材120の一の辺122dの端部から、一の辺122dに向かい合う他の辺122bの端部に至るまで、一の辺122dと他の辺122bとに挟まれた別の辺122aに沿って略平行に形成されている。封止用溶接ライン130bは、外包材120の一の辺122aの端部から、一の辺122aに向かい合う他の辺122cの端部に至るまで、一の辺122aと他の辺122cとに挟まれた別の辺122bに沿って略平行に形成されている。封止用溶接ライン130cは、外包材120の一の辺122bの端部から、一の辺122bに向かい合う他の辺122dの端部に至るまで、一の辺122bと他の辺122dとに挟まれた別の辺122cに沿って略平行に形成されている。封止用溶接ライン130dは、外包材120の一の辺122cの端部から、一の辺122cに向かい合う他の辺122aの端部に至るまで、一の辺122cと他の辺122aとに挟まれた別の辺122dに沿って略平行に形成されている。なお、上述した外包材120の4つ辺122a〜122dは、2枚の外包材120a及び120bに共通する辺として、2枚の外包材120a及び120bについて同じ符号を付して示した。
上述したように、封止用溶接ライン130(130a〜130d)を形成することによって、封止用溶接ライン130は、芯材部110の周囲を周回するように形成され、芯材部110が含まれた領域を的確に封止することができる。この芯材部110が含まれた領域、すなわち、2枚の外包材120a及び120bによって芯材部110が挟まれて形成された領域は、芯材部110が介在するので(図3(b)参照)、介在部Iと称する。また、2枚の外包材120a及び120bによって芯材部110が挟まれていない領域は、芯材部110が介在しないので(図3(b)参照)、非介在部Nと称する。
また、非介在部Nは、封止用溶接ライン130によって、近接領域Pと離隔領域Dとに区分することができる。近接領域Pは、介在部Iと封止用溶接ライン130との間に延在する領域である。また、離隔領域Dは、封止用溶接ライン130よりも介在部Iから遠ざかるように延在する領域である。したがって、第1の実施の形態で示した真空断熱材100においては、介在部Iを周回するように、近接領域Pが延在し、近接領域Pを周回するように、離隔領域Dが延在する。また、封止用溶接ライン130は、近接領域Pと離隔領域Dとの双方に接するように形成されている。言い換えれば、近接領域Pと離隔領域Dとを区画して画定するように、封止用溶接ライン130が形成されている。なお、図2では、明確に示すために、近接領域Pを右下がり斜線のハッチングで示し、離隔領域Dを右上がり斜線のハッチングで示した。
上述したように、封止用溶接ライン130は、芯材部110の周囲を周回するように形成され、この封止用溶接ライン130によって、真空断熱材100は封止される。すなわち、封止用溶接ライン130によって、介在部Iと近接領域Pとの双方の領域が、減圧状態に維持される。この封止用溶接ライン130が、「封止接合部」に対応する。
また、上述したように、真空断熱材100の介在部Iと近接領域Pとの双方の領域は、減圧状態が維持された領域であるので、真空維持領域として機能する。一方、離隔領域Dは、介在部Iや近接領域Pを周回するように形成され、この離隔領域Dは、真空状態ではないので、非真空領域として機能する。
上述したように、封止用溶接ライン130は、介在部I(芯材部110)や近接領域Pを周回するように形成される。特に、この封止用溶接ライン130は、介在部I(芯材部110)と重ならないように、かつ、介在部I(芯材部110)の外周に可能な限り近づけて形成するものが好ましい。上述したように、封止用溶接ライン130を形成することによって、介在部I(芯材部110)を大きくできるので、断熱効果を奏する領域を大きくすることができる。非介在部N(近接領域P及び離隔領域D)には、芯材部110が存在しないので、断熱効果には寄与しない。
さらに、封止用溶接ライン130自体の幅を5mm以内にするのが好ましい。従来の外包材内層を熱融着する方式であれば、この幅は広いほど長期断熱性能に優れるので、熱融着するのに要する幅は、通常は10mm程度のシール幅である。しかし、本発明は、封止用溶接ライン130で区切られた離隔領域Dを用いて、真空断熱材100を被取り付け体Bに取り付けるため、必要以上の非存在部を設けることは断熱効率として好ましいものではなく、封止用溶接ライン130自体の幅を小さくするのが好ましい。特に好ましくは、0.5〜3mmである。
また、非介在部Nの幅は、真空断熱材の大きさにもより、特に制限されるものではないが、3〜70mm程度であり、断熱効率及び取り付け性の観点から好ましくは10〜40mmである。
上述した封止用溶接ライン130が、「封止接合部」に対応する。
<<ゲッター剤>>
<ゲッター剤の機能>
外包材120の中には、ゲッター剤(図示せず)を設けてもよい。外包材120の内部を減圧して溶接した後に、外包材120の内部では、ガス、例えば、芯材部110からアウトガスや水分が発生する場合があり、真空度を低下させる可能性がある。このため、ガスや水分を吸着することができるゲッター剤を、外包材120の内部に芯材部110と共に収納することが好ましい。
<ゲッター剤の機能>
外包材120の中には、ゲッター剤(図示せず)を設けてもよい。外包材120の内部を減圧して溶接した後に、外包材120の内部では、ガス、例えば、芯材部110からアウトガスや水分が発生する場合があり、真空度を低下させる可能性がある。このため、ガスや水分を吸着することができるゲッター剤を、外包材120の内部に芯材部110と共に収納することが好ましい。
このように、ゲッター剤を外包材120の内部に収納することで、ゲッター剤によってガスや水分を吸収できるので、真空断熱材100の断熱効果をより長く持続させることができる。
<ゲッター剤の材質>
ガスや水分を吸着できる物質は、特に、限定されるものではなく、物理的にガスや水分等を吸着するものとして、例えば、活性炭、シリカゲル、酸化アルミニウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト等がある。また、化学的にガスや水分等を吸着するものは、例えば、酸化カルシウム、酸化バリウム、塩化カルシウム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウム等や、鉄、亜鉛等の金属粉素材、バリウム−リチウム系合金、ジルコニウム系合金等がある。
ガスや水分を吸着できる物質は、特に、限定されるものではなく、物理的にガスや水分等を吸着するものとして、例えば、活性炭、シリカゲル、酸化アルミニウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト等がある。また、化学的にガスや水分等を吸着するものは、例えば、酸化カルシウム、酸化バリウム、塩化カルシウム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウム等や、鉄、亜鉛等の金属粉素材、バリウム−リチウム系合金、ジルコニウム系合金等がある。
<<真空断熱材100>>
真空断熱材100は、以下のようにして作ることができる。
真空断熱材100は、以下のようにして作ることができる。
まず、略同じ大きさの2枚の金属製の外包材120a及び120bを用意し、これらの2枚の外包材120a及び120bが、おおよそ重なるように配置する。次いで、2枚の外包材120a及び120bの間に芯材部110を挟み、芯材部110が、外包材120a及び120bの略中央部に位置するように位置づける。最後に、芯材部110の外周122に沿って、芯材部110を周回するように、2枚の外包材120a及び120bを溶接することによって、封止用溶接ライン130を形成する。この封止用溶接ライン130を形成するときには、芯材部110と2枚の外包材120a及び120bとの全体を真空状態にして溶接、いわゆる真空溶接をする。このようにすることで、内部を減圧状態にした真空断熱材100を作ることができ、2枚の外包材120a及び120bを溶接することによって、減圧状態を維持することができる。
溶接は、2枚の外包材120a及び120bを接合できるものであれば、アーク溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等のいかなる種類のものを用いてもよい。例えば、シーム溶接等の圧着接合方法、TIG溶接等の突き合わせ溶接、MIGブレージング等がある。特に、真空状態や高温状態であっても、接合部である封止用溶接ライン130からガスなどが発生しない溶接方法を用いるのが好ましい。
なお、上述した例では、接合部を封止用溶接ライン130として溶接によって形成したが、ハンダ付けやロウ付けによって形成してもよい。真空断熱材100の内部、すなわち、介在部Iと近接領域Pとを減圧状態にして封止を維持できるものであればよい。
<<固定具200>>
固定具200は、真空断熱材100を被取り付け体Bに取り付けるための部材である。固定具200は、真空断熱材100とは別体で製造される。以下、図3(a)および(b)を参照して、固定具200の形態について説明する。ここで、図3(a)は固定具200によって真空断熱材100を被取り付け材Bに取り付けた状態を示す正面図、同図(b)は、(a)中、矢印アから真空断熱材100および固定具200を見た時の側面図である。
固定具200は、真空断熱材100を被取り付け体Bに取り付けるための部材である。固定具200は、真空断熱材100とは別体で製造される。以下、図3(a)および(b)を参照して、固定具200の形態について説明する。ここで、図3(a)は固定具200によって真空断熱材100を被取り付け材Bに取り付けた状態を示す正面図、同図(b)は、(a)中、矢印アから真空断熱材100および固定具200を見た時の側面図である。
<固定具200の形態>
固定具200は、図3(a),(b)に示すように、略長方形の薄板状部材をクランク状に折り曲げた形状を有しており、ネジSによってネジ止めを行うための切り欠きCLが設けられ、被取り付け体Bと直に接する取付部201と、取付部201の一方端からほぼ垂直に延出する延出部202と、延出部202の先端部からほぼ垂直(取付部201とほぼ平行)に延出し、固定具200によって真空断熱材100を取り付ける際に、真空断熱材100を押える押止部203とからなっている。なお、固定具の材質は特に限定されるものではなく、温度や湿度等の使用環境に耐えられる物であればよい。金属製真空断熱材は高温下で使用されることが多いことに鑑みれば、金属製、例えばアルミニウムやステンレス製から成るものが好ましい。
固定具200は、図3(a),(b)に示すように、略長方形の薄板状部材をクランク状に折り曲げた形状を有しており、ネジSによってネジ止めを行うための切り欠きCLが設けられ、被取り付け体Bと直に接する取付部201と、取付部201の一方端からほぼ垂直に延出する延出部202と、延出部202の先端部からほぼ垂直(取付部201とほぼ平行)に延出し、固定具200によって真空断熱材100を取り付ける際に、真空断熱材100を押える押止部203とからなっている。なお、固定具の材質は特に限定されるものではなく、温度や湿度等の使用環境に耐えられる物であればよい。金属製真空断熱材は高温下で使用されることが多いことに鑑みれば、金属製、例えばアルミニウムやステンレス製から成るものが好ましい。
延出部202の高さh(図3(b)において、被取り付け材Bの表面から押止部203の裏面(被取り付け材Bとの対向面)までの距離)は、真空断熱材100の厚さにほぼ一致しているため、真空断熱材100が被取り付け材Bと押止部203とによって挟まれた状態となって、真空断熱材100が保持されることになる。また、切り欠きCLは、図3(a)に示すように、取付部201において延出部202とは反対側の端辺から、延出部202に向かって、ネジSの軸径よりも若干大きい一定の幅をもって形成されている。これにより、切り欠きCLの形成方向において固定具200の位置調整が可能となり、また、ネジSを被取り付け材Bに残したまま、真空断熱材100および固定具200を、被取り付け材Bから容易に取り外すことができる。
なお、より強く真空断熱材100を保持したい場合は、延出部202の高さhを真空断熱材100の厚さよりも短くする、または、図3(b)において、押止部203の先端部分tを、被取り付け材Bに近づく方向に押止部203を曲げるなどの加工を行っても良い。これにより、ネジSとワッシャWによって被取り付け材Bに固定具200を固定したときに、押止部203によって真空断熱材100がより強く押さえ付けられることになる。また、押止部203の長手方向における長さは、特に制限はないが、少なくとも折り曲げた非介在部N(図3(a)のハッチング部分)の幅よりも長くすることが望ましい。
<<固定具200による真空断熱材100の取り付け>>
固定具200を用いて真空断熱材100を被取り付け材Bに取り付ける際は、まず、真空断熱材100の、固定具200によって保持される個所の非介在部Nを、できるだけ介在部I(すなわち内包する断熱材110)に接近した位置で、かつ、介在部Iの縁に沿って折り曲げる。このとき、非介在部Nの表面が、介在部Iの表面に接するまで(図3(b)参照)折り曲げる。以下、この状態になるまで折り曲げることを、「折り畳む」と表現する。なお、図3(a)および(b)では、真空断熱材100の一の辺122c側の非介在部Nを、手前側に折り畳んだ例を示しているが、これとは逆に、裏側(紙面の奥方向)へ折り畳んでもよい。次に、被取り付け材Bにおいて、所望する真空断熱材100の取り付け位置に合わせて、予めネジS用の下穴を開けておく。すなわち、真空断熱材100を所望する取り付け位置に配し、折り畳んだ非介在部Nの一個所を延出部202および押止部203によって保持させる位置に固定具200を置いたときの、切り欠きCLの位置に合わせて下穴を開ける。
固定具200を用いて真空断熱材100を被取り付け材Bに取り付ける際は、まず、真空断熱材100の、固定具200によって保持される個所の非介在部Nを、できるだけ介在部I(すなわち内包する断熱材110)に接近した位置で、かつ、介在部Iの縁に沿って折り曲げる。このとき、非介在部Nの表面が、介在部Iの表面に接するまで(図3(b)参照)折り曲げる。以下、この状態になるまで折り曲げることを、「折り畳む」と表現する。なお、図3(a)および(b)では、真空断熱材100の一の辺122c側の非介在部Nを、手前側に折り畳んだ例を示しているが、これとは逆に、裏側(紙面の奥方向)へ折り畳んでもよい。次に、被取り付け材Bにおいて、所望する真空断熱材100の取り付け位置に合わせて、予めネジS用の下穴を開けておく。すなわち、真空断熱材100を所望する取り付け位置に配し、折り畳んだ非介在部Nの一個所を延出部202および押止部203によって保持させる位置に固定具200を置いたときの、切り欠きCLの位置に合わせて下穴を開ける。
そして、所望する取り付け位置に真空断熱材100を置き、さらに取付部201の切り欠きCLを、予め開けておいた下穴の位置に合わせ、ワッシャWを介してネジSにより取付部201を被取り付け材Bにネジ止めする。もしくは、先に固定具200を被取り付け材Bにネジ止めし、その後、真空断熱材100を、被取り付け材Bと、固定具200の押止部203との間に挿入して取り付けても良い。
このように、上述した固定具200を用いて真空断熱材100を取り付けた場合、真空断熱材100の周縁の四辺のうち一辺の非介在部Nを折り畳み、当該折り畳んだ個所を固定具200によって保持する。このため、折り畳んだ部分の非介在部Nが、真空断熱材100の表面から立ち上がり、他の作業などの邪魔になってしまうことがない。また、真空断熱材100の一辺を、内包する断熱材110の縁に沿って折り畳んでいるので、複数の真空断熱材100を並べて配置する場合、真空断熱材100に内包された断熱材110の配置間隔を狭くする(断熱材110同士を接近させる)ことができ、断熱効果の低下を抑えることができる。
次に、固定具200aおよび200bを用い、真空断熱材100aおよび100bを互いに接近させて被取り付け材Bに取り付けた場合の一例について、図4を参照して説明する。ここで、図4(a)は、固定具200aおよび200bを用いて真空断熱材100aおよび100bを取り付けた状態の一部を示す正面図、図4(b)は、(a)に示す矢印イからそれぞれ真空断熱材100a、100bおよび固定具200a、200bを見た時の側面図を示している。図4(a)および(b)に示すように、真空断熱材100aと100bとを並べて被取り付け材Bに取り付ける場合、たとえば、真空断熱材100bを保持する固定具200bの取付部201bの上に、真空断熱材100aを保持する固定具200aの取付部201aを重ねて、ワッシャWおよびネジSにより固定する。これにより、固定具200の長手方向における取付部201の長さを適宜設定することで、真空断熱材100aに内包されている断熱材100aと、真空断熱材100bに内包されている断熱材100bとの間隔を、ほぼワッシャWの直径に、延出部202aおよび202bの板厚を加えた寸法まで接近させることができる(図4(b)参照)。
なお、図4(b)において、延出部202aの高さ(図3(b)内のhに対応)は、延出部202bの高さよりも、取付部201bの板厚分だけ低くなっている。また、図4(a)および(b)では、真空断熱材100aおよび100bを、それぞれ固定具200aおよび200bを用いて、被取り付け材Bに取り付けていたが、例えば、図4(c)に示すように、固定具200aおよび200bを一体的に形成した固定具200’を用いて取り付けても良い。
また、図1から図4に示した真空断熱材100の形状は、ほぼ正方形の形状になっていたが、内包する断熱材の外形形状のうち少なくとも一個所に直線部分があれば、その直線部分において非介在部Nを折り畳み、固定具200によって被取り付け材Bに取り付けても良い。たとえば、図5(a)に示す真空断熱材150は、外包材152の形状が1本の曲線153cuと1本の直線153stで構成されており、内部に収容されている断熱材154の形状も外包材152の相似形となっている。また、曲線の溶接ライン156cuと、直線の溶接ライン156stとによって、非介在部Nが近接領域Pと離隔領域Dとに区画され、この結果、近接領域Pは外包材152の相似形となっている。このような形状を有する真空断熱材150の場合、図5(a)中、一点鎖線Cに沿って、非介在部Nを手前側または奥側へ折り畳み、当該折り畳んだ個所を図3に示した固定具200の延出部202および押止部203によって保持しつつ、取付部201の切り欠きCLをネジ止めすることによって、被取り付け材Bに取り付けるようにする。
また、図5(b)に示す真空断熱材160では、外包材162が、8つの辺163a〜163hを有する略正八角形の形状となっており、これに合わせて、外包材162の内部に収容される断熱材164の形状も略正八角形の形状となっている。また、非介在部Nには、外包材162の8つの辺163a〜163hの各々に平行な8本の溶接ライン166a〜166hによって、近接領域Pと離隔領域Dとに区画されている。このような形状を有する真空断熱材160の場合、たとえば、図5(b)中、一点鎖線C1に沿って、非介在部Nを手前側または奥側へ折り畳み、当該折り畳んだ個所を図3に示した固定具200の延出部202および押止部203によって保持しつつ、取付部201の切り欠きCLをネジ止めすることによって、被取り付け材Bに取り付けるようにする。
また、真空断熱材160の場合、固定具200によって固定する位置は、1個所に限らず、複数個所でも良い。たとえば図5(b)において、一点鎖線C1に加え、さらに一点鎖線C2およびC3に沿って非介在部Nを折り畳み、各々折り畳んだ個所を固定具200によって保持しつつ、被取り付け材Bに固定するようにしてもよい。この場合、固定具200によって固定される個所は、合計3個所か所となるが、これら3個所のうちいずれか2個所のみを固定具200によって固定しても良い。ただし、たとえば一点鎖線C1に沿って非介在部Nを折り畳んだ後、さらに、二点鎖線C4に沿って介在部Nを折り畳んでしまうと、一点鎖線C1に沿って折り畳まれた介在部Nの一部が、さらに折り曲げられることとなる。この場合、一点鎖線C1と二点鎖線C4との交点(折り目が重なる部分)における外包材162が痛んで切れやすくなり、外包材162に穴が開いて、介在部Iの低圧状態が保てなくなる可能性が高くなるため、非介在部Nを折り畳む位置は、折り目が重ならないようにする必要がある。
なお、図5(b)では、正八角形の形状を有する真空断熱材を示したが、真空断熱材の形状は、これに限らず、三角形を含む任意の多角形であってもよい。
<<<第2の実施の形態>>>
上述した第1の実施の形態は、1つの固定具により、1つの真空断熱材100の一辺を保持して被取り付け材Bに取り付ける固定構造であった。これに対して、第2の実施の形態では、1つの固定具につき、複数の真空断熱材の二辺をまとめて保持することによって、真空断熱材を被取り付け材により密着させて取り付けられるようにした固定構造について説明する。以下、図6および図7を参照して第2の実施の形態について説明する。ここで、図6は、第2の実施の形態における固定具210を用いて、被取り付け材Bに2つの真空断熱材100’を並べた状態でまとめて取り付けた状態を示す正面図である。また、図7(a)は、図6に示す矢印ウの方向から見たときの側面図である。さらに図7(b)は、2つの真空断熱材100’の、被取り付け材Bとの接触面が、図6および図7(a)と異なる場合を示す側面図である。なお、図6および図7において、図1〜図3に示した各部と同じものについては同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。
上述した第1の実施の形態は、1つの固定具により、1つの真空断熱材100の一辺を保持して被取り付け材Bに取り付ける固定構造であった。これに対して、第2の実施の形態では、1つの固定具につき、複数の真空断熱材の二辺をまとめて保持することによって、真空断熱材を被取り付け材により密着させて取り付けられるようにした固定構造について説明する。以下、図6および図7を参照して第2の実施の形態について説明する。ここで、図6は、第2の実施の形態における固定具210を用いて、被取り付け材Bに2つの真空断熱材100’を並べた状態でまとめて取り付けた状態を示す正面図である。また、図7(a)は、図6に示す矢印ウの方向から見たときの側面図である。さらに図7(b)は、2つの真空断熱材100’の、被取り付け材Bとの接触面が、図6および図7(a)と異なる場合を示す側面図である。なお、図6および図7において、図1〜図3に示した各部と同じものについては同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。
第2の実施の形態における2つの真空断熱材100’は、各々、前述した第1の実施の形態における真空断熱材100と同一の構成を有するが、図6(第1の実施の形態における図3(a)に対応)における横方向の辺の長さが、各真空断熱材100’の方が長く形成されている。よって図6では、各真空断熱材100’の横方向における図示を一部省略するとともに、外包材、断熱材、横方向における真空断熱材の辺、および、溶接ラインの符号には、図3の対応する部位に付した符号に、「’」(ダッシュ)を付したものを用いている。また、2つの真空断熱材100’は、その長手方向に沿って、複数の固定具210により固定されているが、図6では、1つの固定具210のみを示している。
第2の実施形態における固定具210は、アルミニウムやステンレス等の金属からなる略長方形の薄板状部材を、その長手方向の両端部分においてクランク状に折り畳んだ形状を有している。すなわち、固定具210の長手方向両端部には、それぞれ取付部211aおよび211bと、延出部212aおよび212bとが形成されている。なお、取付部211aおよび211bには、第1の実施の形態のものと同様の切り欠きCLが、各々2ヶ所ずつ設けられている。また、延出部212aおよび212bの高さhは、真空断熱材100’の厚さとほぼ同じ寸法になっている。さらに、延出部212aおよび212bの各上端部には、押止部213が連接しており、押止部213の内側(取り付け時において被取り付け材に対向する側の面)における長手方向の長さ(図7(a)に示した長さDに対応する長さ)が、真空断熱材100’の対向する二辺(辺122a’および122c’)を折り畳んだときの長さL(図6参照)を2倍した値に、若干のマージンを加えた長さとなっている。これにより、延出部212a、212bと押止部213とからなる凹部に、2つの真空断熱材100’を並べた状態で収容することができ、固定具210によって、2つの真空断熱材100’を1つにまとめて取り付け部材に取り付けることができる。
上述した固定具210を用いて2つの真空断熱材100’を被取り付け材Bに取り付ける場合、まず、各々の真空断熱材100’の長手方向における対向する2つの辺122aおよび122cの非介在部Nを、各々、対向する断熱材110’の辺(縁)に沿って折り曲げる。そして、固定具210の延出部212a、212bおよび押止部213からなる凹部に、2つの真空断熱材100’を並べて納めた状態で、固定具210の取付部211aおよび211bを、各々形成された切り欠きCLを介してワッシャWおよびネジSにより、取り付け材Bに取り付ける。これにより、2つの真空断熱材100’は、被取り付け材Bの表面と、延出部212a、212bおよび押止部213とによって囲まれた空間内に保持される。すなわち、図6において、2つ並べた真空断熱材100’の縦方向における全長に亘って保持されることになるので、各真空断熱材100’を被取り付け材Bにより密着させて取り付けることができる。
このような固定構造によれば、1つにまとめて被取り付け材に取り付ける2つの真空断熱材に各々内包されている、断熱材の間隔をさらに狭めることができるため、断熱効果の低下を抑えることができる。
なお、図6および図7(a)に示した固定具210は、2つの真空断熱材100’をまとめて取り付けるものであるが、押止部213の長手方向の寸法をさらに長くするなどして、3つ以上の真空断熱材100’をまとめて取り付けられるようにしてもよい。また、図6および図7(a)に示した取り付け例では、折り畳まれた非介在部Nが外部から見えるように、真空断熱材100’を被取り付け材Bに取り付けていたが、図7(b)に示すように、真空断熱材100’の折り畳まれた非介在部Nが、被取り付け材Bの表面と接するように取り付けてもよい。この場合、折り畳まれた非介在部Nによって、被取り付け材Bと、真空断熱材100’の介在部Iとの間の密着性は低下するが、外部から折り畳まれた非介在部Nが見えなくなるので、取り付け後の見栄えを良くすることができる。
上述した固定具210を用いて、2つの真空断熱材100’を、例えば、被取り付け材の垂直面に取り付けた場合、延出部212aおよび212bの高さによっては、固定具210内で、上側の真空断熱材100’が自重によって次第に下方へずれてくる可能性がある。そこで、固定具210内における真空断熱材100’のずれを防ぐため、押止部213の内側(真空断熱材100’に接する側の面)に、突起を設けても良い。すなわち、固定具210により、2つの真空断熱材100’を被取り付け材に取り付けたときに、押止部213の内側に設けられた突起によって、固定具210内の真空断熱材が、被取り付け材に押し付けられるようにして、固定具210内における真空断熱材のずれを防ぐものである。この突起の形状は、半球形、円錐形、三角錐、円錐台形、立方体など、任意であり、例えば、図6において、水平方向に伸びる線条の突起であってもよい。また、この突起を設ける位置は、上下2つの真空断熱材100’の各々に対応する位置、または、上側の真空断熱材と、下側の真空断熱材との境目となる位置など、適宜定めればよい。さらに、上側の真空断熱材と、下側の真空断熱材との境目となる位置に、線条の突起を形成し、当該突起に、2つの真空断熱材の仕切りとしての役割を持たせるようにしてもよい。
また、突起を設ける代わりに、押止部213の形状を変形させることによって、固定する2つの真空断熱材100’を被取り付け材に押圧するようにしてもよい。例えば、図6に示した固定具210において、押止部213の縦方向におけるほぼ中央(上側の真空断熱材100’と下側の真空断熱材100’との境目近辺)において、水平方向に延びる断面くさび状の切り込みを形成しておく。これにより、たとえば真空断熱材100’の取付作業の現場などにおいて、必要に応じて形成した切り込みに力を加え、押止部213を略V字状に変形させる。このように押止部213を変形させることで、2つの真空断熱材100’を並べた状態で、被取り付け材の垂直面に取り付ける場合、上側に位置する真空断熱材100’の下辺部が、変形した押止部213によって押さえ付けられるため、下方へずれる恐れを少なくすることができる。
さらに、真空断熱材のずれを防ぐ方法として、図6および図7(a)に示した固定具210では、延出部212aおよび212bの高さhを、真空断熱材100’の厚さとほぼ同じ寸法にしていたが、これらの寸法をさらに短くして、固定具210を被取り付け材にネジ止めしたときに、真空断熱材100’が押止部213により被取り付け材に押しつけられるようにしてもよい。
100、100’、150、160 真空断熱材
110、110’、152、162 断熱材(芯材部)
120、120’、154、164 外包材
130(130a,130b,130c,130d)、156(156cu,156st)、166(166a,166b,166c,166d,166e,166f,166g,166h) 封止用溶接ライン(封止接合部)
200、200’、210 固定具
201、211 取付部
202、212 延出部
203、213 押止部
I 介在部
N 非介在部
B 被取り付け体
110、110’、152、162 断熱材(芯材部)
120、120’、154、164 外包材
130(130a,130b,130c,130d)、156(156cu,156st)、166(166a,166b,166c,166d,166e,166f,166g,166h) 封止用溶接ライン(封止接合部)
200、200’、210 固定具
201、211 取付部
202、212 延出部
203、213 押止部
I 介在部
N 非介在部
B 被取り付け体
Claims (4)
- 直線部を含んだ形状を有するシート状の芯材部と、前記芯材部を収納しかつ内部を減圧状態に維持できる金属製外包材と、を含む真空断熱材を、被取り付け材に固定する真空断熱材の固定構造であって、
前記真空断熱材には、
互いに向かい合う前記金属製外包材によって前記芯材部が挟まれた状態において、
前記芯材部が存在する領域である介在部と、
前記介在部から延在しかつ前記金属製外包材によって前記芯材部が挟まれていない領域である非介在部と、
前記非介在部において互いに向かい合う前記金属製外包材を接合し、前記金属製外包材の内部を封止して減圧状態に維持する封止接合部と
が形成され、
前記芯材部の直線部に沿って前記非介在部が折り曲げられた状態を保持する固定具によって、前記真空断熱材を前記被取り付け材に固定する
ことを特徴とする真空断熱材の固定構造。 - 前記固定具は、
前記被取り付け材と接し、該被取り付け材の表面に取り付けられる取付部と、
前記取付部が前記被取り付け材の表面に取り付けられた状態で、該被取り付け材の表面から離れる方向に、前記取付部から延出する延出部と、
前記取付部が前記被取り付け材の表面に取り付けられた状態で、前記延出部の先端から該被取り付け材の表面に対して略平行な方向へ延出する押止部とを有し、
前記真空断熱材を、前記芯材部の直線部に沿って折り曲げられた前記非介在部とともに、前記被取り付け材の表面と前記押止部とによって挟むことで、前記非介在部が折り曲げられた状態を保持する
ことを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材の固定構造。 - 前記真空断熱材の芯材部は、
第一の直線部と、該第一の直線部に平行かつ対向する第二の直線部を有する形状であり、
前記固定具は、
前記押止部の、前記延出部および取付部が形成されていない側の端部に、前記延出部および取付部と対称を成す、さらなる延出部および取付部を形成してなり、
該押止部の延出方向における長さが、
各々、前記芯材部の第一および第二の直線部に沿って前記非介在部を折り曲げた複数の真空断熱材を、該折り曲げた非介在部同士が隣り合うように複数並べたときの、前記第一および第二の直線部に直交する方向における全長と、略同寸の長さになっており、
該第一の直線部および第二の直線部に直交する方向が前記押止部の延出方向と平行になるように、前記複数並べた真空断熱材を、前記押止部および前記押止部の両端部において対向する2つの延出部によって形成される空間に収容し、前記被取り付け材の表面と前記押止部とによって該真空断熱材を挟むことで、前記非介在部が折り曲げられた状態を保持する
ことを特徴とする請求項2に記載の真空断熱材の固定構造。 - 直線部を含んだ形状を有するシート状の芯材部と、前記芯材部を収納しかつ内部を減圧状態に維持できる金属製外包材と、を含み、互いに向かい合う前記金属製外包材によって前記芯材部が挟まれた状態において、前記芯材部が存在する領域である介在部と、前記介在部から延在しかつ前記金属製外包材によって前記芯材部が挟まれていない領域である非介在部と、前記非介在部において互いに向かい合う前記金属製外包材を接合し、前記金属製外包材の内部を封止して減圧状態に維持する封止接合部とが形成された真空断熱材を、
取付部と、該取付部が前記被取り付け材の表面に取り付けられた状態で、該被取り付け材の表面から離れる方向に、前記取付部から延出する延出部と、前記取付部が前記被取り付け材の表面に取り付けられた状態で、該被取り付け材の表面に対して略平行な方向に、前記延出部の先端から延出する押止部とを有する固定具によって、被取り付け材に固定する真空断熱材の固定方法であって、
前記真空断熱材の非介在部を、前記芯材部の直線部に沿って折り曲げる工程と、
該真空断熱材を前記被取り付け材の表面に配置する工程と、
前記真空断熱材が前記折り曲げた非介在部とともに、前記被取り付け材の表面と、前記固定具の押止部とによって挟まれるように、前記固定具の取付部を前記真空断熱材の表面に配置する工程と、
前記固定具の取付部を、前記被取り付け材の表面に固定する工程と
を有することを特徴とする真空断熱材の固定方法。
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---|---|---|---|
JP2008292963A JP2010121638A (ja) | 2008-11-17 | 2008-11-17 | 真空断熱材の固定構造および固定方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015021541A (ja) * | 2013-07-18 | 2015-02-02 | 日新製鋼株式会社 | 真空断熱パネル |
JP2015096743A (ja) * | 2013-11-15 | 2015-05-21 | 日新製鋼株式会社 | 真空断熱パネルの製造方法 |
JP2017053415A (ja) * | 2015-09-08 | 2017-03-16 | 日新製鋼株式会社 | 真空断熱パネルの製造方法及び真空断熱パネル製造装置 |
-
2008
- 2008-11-17 JP JP2008292963A patent/JP2010121638A/ja not_active Withdrawn
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