JP5084259B2 - 骨髄採取用の穿刺針およびそれを用いた医療器具セット - Google Patents

骨髄採取用の穿刺針およびそれを用いた医療器具セット Download PDF

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Description

本発明は骨髄採取用の穿刺針およびそれを用いた医療器具セットに関する。さらに詳しくは、長管骨の骨髄腔から骨髄を採取する方法に適する穿刺針および医療器具セットに関する。
Thomas et al.:Techniqe for human marrow grafting. Blood, pp.507, 1970 Ikehara et al.:A new method for bone marrow cell harvesting.Stem Cells, 18:6, pp453, 2000 日本コンピュータ外科学会2001年報告101〜102頁 大橋晃太、他:低侵襲骨髄採取デバイスの開発(第一報:大腿骨骨髄採取デバイスに関する検討:骨髄採取用の穿刺針および採取器具ならび骨髄採取方法) 米国特許第5,368,046号 特開2003−116862号公報 米国特許第6,315,737号 特開2001−309919号公報 米国特許第6,579,264号 米国特許第5,005,585号
骨髄を採取することは、血管疾患、とくに白血病などの悪性疾病の診断に不可欠である。この目的のためには非特許文献1などに報告されている通り、鋭利な先端を持つ骨髄穿刺針を骨に強く突き立てて骨皮質を破り、髄腔から骨髄を吸引する手法が採用されている。
骨髄を髄腔から吸引しやすくした穿刺針の開発に関しては、特許文献1などに詳細な記載がある。これらの中で多くの骨髄穿刺針では、骨穿刺の際に皮膚面から髄腔までの深さを調節するために先端から一定の距離、たとえは5mmから1cm程度離れたところに可動式のストッパが取りつけられていて、強い力で突き立てられても穿刺針が過剰に入らな
いような安全機構が組み込まれている。前述の特許文献1などでは、そのストッパ機構にそれぞれの工夫が凝らされている。
さらに一度限りの使い捨ての製品も多く考えられている。それらは内針と外針とからなる芯鞘構造を持ち、内針の先端に鋭利な刃があって骨穿刺を行い、外針の先端を骨皮質に貫通させ、その後、内針を抜去し、外針に注射器を接続して骨髄液を吸引する方式を採用している。これらの使い捨ての穿刺針ではストッパ機構がない製品が多い。このような単純構造の技術の基本構造は、たとえば特許文献2などに見られる。
いずれの先行技術にしても、穿刺針が直接骨髄腔内に到達する骨の穿刺に適しているので、一般的には胸骨や腸骨、仙骨などの体表面近くに存在する平坦な骨が骨髄採取骨に選ばれている。これらの骨の多くは体重が常にかかる部位にないので、厚い筋肉に覆われておらず、薄い皮膚などで覆われているだけである。そのため強く突き刺すことで骨皮質を破り、髄腔に至る穿刺が容易である。またこれらの体表面近くにある平坦な形態の骨は厚みが少なく、骨髄腔が狭いことから、得られる骨髄の量は0.5ml程度の少量であるが、疾患の診断にはその量で充分である。
しかしながら、最近、骨髄移植が新たな治療方法として広く行われるようになり、多量の骨髄を採取する必要が出てきた。このような要求に対しては、骨髄のドナーから従来技術による方式で骨髄を採取しているが、一度に採取できる量が限られている。そのため、一人の骨髄ドナーから約1000mlの骨髄(末梢血を含む。正味骨髄だけであれば10〜20ml)を採取するためには、100カ所以上、時には200カ所に至る数の穿刺を全身の骨に対して行い、少量ずつ集めているのが現実である。
従って採取する医師の苦労はもちろんのこと、採取されるドナーの負担は極めて大きくなっている。そこで一度の穿刺によって多量の骨髄を採取可能にする改良が必要であるが、それを実現する技術は開発されていない。
大きな骨には大きな骨髄腔があり、多量の骨髄を持つことは容易に推測できる。しかしながら、従来の骨髄採取には前述した胸骨や腸骨などの小さな薄い骨からの採取であり、哺乳類あるいはヒトの骨類のなかで最大の骨である大腿骨、さらには脛骨などからの採取は行われていない。それは、これらの長管骨の周囲が大きな厚い筋肉に取り囲まれており、骨に穿刺針を近づけることが難しいことに加えて、これらの骨の表面は薄いながらも硬固な緻密質からなっていることに理由がある。緻密質の直下に髄腔が存在し、表面から髄腔までの距離は近いが、緻密質が硬いことから緻密質を貫通させて骨髄穿刺針を刺し、骨髄を採取することは容易ではない。このような管状骨の多くは全身の体重がかかることが多いので、力学的強度を要求されることから、そのように丈夫な緻密層が形成させているのは当然である。
このような構造にもかかわらず、管状骨には骨髄が多いことから、池原らは非特許文献2にその骨から効率よく骨髄を採取する方法を報告をしている。これによると、管状骨の一部に骨髄穿刺針を刺し、これとは別の部位にさらに穿刺針を刺して、一方の穿刺針から環流液を流し、他方から吸引採取することによって、環流によって骨髄細胞を採取する方法である。なお、同様な方法およびそれに用いる剛性パイプとドリルとを備えた骨髄採取セットが特許文献2に開示されている。さらに特許文献3には、力任せに強く針を押し込むよりも、ねじ込む方が力が少なくて済むことから、先端にドリル構造をもたせた技術が開示されている。また特許文献4には、パイプ状のカニューレとその内部で摺動可能な作動片とを備えた骨髄液採取セット及び骨髄針とが開示されている。
特許文献2における2カ所に穿刺針を設けて環流する方法は獣医領域において利用され
ている。動物では1本の長管骨にかかる体重も相対的に軽くなることに加え、ヒトに比べて小さな動物では緻密層も薄いので、大腿骨穿刺も比較的容易であり、それが可能である。しかしながらこの環流法では、硬い緻密層部分を2カ所も穿刺する必要があり、大型の哺乳動物、とくにヒトへの実施には不都合が多い。
ところがこのような長管骨であっても、その骨端部には筋肉層に取り囲まれていない部分が存在する。しかもそのような骨端部には皮膚の薄い部分がある。この薄い部位では穿刺が比較的容易である。具体的にいえば、大腿骨においては大転子部分である。この部分には全身の体重がかからないこともあって、緻密層が表面には形成されていない。このような骨端部には緻密層の代わりに薄い骨皮質がある。しかしながら皮質の下層には厚い海綿骨の層があることから、穿刺針の先端を髄腔まで到達させることが難しく、骨髄を吸引採取することができない。
そのため、管状骨には骨髄が存在しない、と言われることすらあった。しかしながら、大きな骨、とくに管状骨にはそれなりに大きな髄腔があり、そこには多量の骨髄が存在することから、それを採取し活用することは、前述したとおり、多量の骨髄を採取する必要のある骨髄移植ドナーなどにとっては、穿刺部位数の減少、すなわち負担の軽減に繋がるので、望むべきことである。しかしそれが不可能であったのは、大転子部分から刺入するに際しては、深い部分に存在する髄腔まで到達させる器具がないためであった。
非特許文献3には、骨端部から骨髄を採取する方法がさらに報告されている。その技術は骨端部から環流液を流しつつ吸引するシステムを挿入する方法であり、それにより効率よく骨髄を採取可能であると報告されている。この報告によると、骨端部に大きな孔を穿ち、その孔からステンレス製のマルチルーメンの管からなるデバイスを挿入する。具体的には、ブタ大腿骨に対して骨端子から髄内リーマ(外径5.5mm)を用いて骨髄腔に到達した後、BMC Harbesterをセルジンガー方式で挿入し、ガイドワイヤに沿ってデバイスを挿入する。デバイスのマルチルーメンは、ガイドワイヤ挿入用の管、環流液流入用の管、および骨髄吸引用の管からなり、生理的食塩水の環流液を流しつつ吸引する。そのために、デバイスは硬くて太い構造となっている。セルジンガー方式については、たとえば特許文献5に記載がある。
この報告によると、寒天を用いて内径18mmのアクリルのパイプを管状骨に見立てて行ったシュミレーション実験は、デバイスの通過する部分の寒天を採取することは可能であったが、デバイスから離れた部分の寒天は採取できなかったとの記載がある。実際の骨の内部はアクリルのパイプのように滑らかでないので、このデバイスで実際の髄腔から骨髄を効率よく採取するには限界がある。さらにこのようなデバイスは太くて硬くなりがちである。骨端部にこのような太いデバイスを挿入することは、大きな孔を骨端部の深い部分にある骨髄孔内に真っ直ぐに開けることになるので、患者やドナーの負担が大きくなり、負担軽減目的から外れることも危惧される。
管状骨の末端、具体的には大腿骨骨端にある大転子部分は腰部にあって、大腿骨の中枢側末端部ではもっとも皮膚に近い部位に位置し、体重がかからない部分であることから、緻密質は形成されていないので、穿刺しやすい箇所である。しかしながら、この部位から厚い海綿骨を貫通して大腿骨の骨髄腔内に真っ直ぐに硬くて太い管を刺入することは、高度の技術を要する。
さらにそのような太くて硬い管を挿入するにあたっては、骨髄腔以外の部位に外れて刺入された場合は副損傷が大きくなることから、確実に挿入しなければならないので、レントゲンにて透視しながら刺入する必要がある。そして、運良く骨端部に刺入できたとしても、大腿骨は完全な直線でなく、緩やかなカーブを描いているので、その髄腔に硬性の管
を奥深くまで刺入する事には無理がある。またこのような処置を行うには、全身麻酔が必要となるため、患者やドナーの負担はさらに増加する。
従って、前述のステンレス製のマルチルーメンを持つ硬性の管を使う限りにおいては、効率よく管状骨の隅々まで挿入することが難しく、さらには負担をできるだけ軽くしつつ効率よく管状骨内部の骨髄を採取することは期待できないのが実状である。
さらに管状骨の多くは体軸方向に位置しているため、管状骨の軸に硬性の管を挿入するには、管状骨を体軸に対して強く屈曲させる必要がある。たとえば、大腿骨から採取する場合には、大腿を屈曲し、さらに強く内転させねばならず、そのために全身麻酔を掛けた状態で体位変換を行うと、麻酔上のトラブル、清潔上のトラブルなどが発生しやすくなる。また管状骨の末端には、多くの場合、関節が存在するので、このような太い管を真っ直ぐに挿入するには穿刺が関節腔内にかかることがあり、関節障害発生の危険性がある。
大腿骨の場合は、中枢側の骨端は大まかに2つに分かれている。一つは股関節を形成する骨頭部分であり、もう一つは大転子部分である。この大転子部分には関節がないので、この部位を穿刺すると関節への影響が生じない。しかしながら、その大転子に穿刺針を刺してカテーテルを導入する場合ですら、骨幹部に真っ直ぐ穿刺針を刺入することは極めて難しい。大腿骨が体軸に平行方向にあり、皮膚からの最短距離の刺入部位を選び、脚を内側に曲げて大腿骨を斜めにして、大転子部分をできる限り皮膚に近づけ、大腿骨の中軸を身体の長軸からずらすようにしても、大転子から骨管軸に真っ直ぐに刺入することは現実的には難しい。実際にこの操作をレントゲンで透視しつつ刺入させても、3次元的に確実に骨管軸に真っ直ぐに刺入させることは困難であり、硬性の穿刺針のみで大転子部分から骨髄腔内まで到達させることは極めて難しい。
従来技術では長管骨内の骨髄を直接穿刺して採取することはできず、2カ所に孔を穿って環流液を流しても充分な採取ができない。また、骨端部から穿刺するには、髄腔内までの距離が長いので穿刺が不可能である。その問題を解決するため、硬性の太いチューブを骨端部から挿入する手法も考えられているが、患者への負担が大きいこと、及びそのような処置を行っても、採取できる骨髄量には限りがあるという問題がある。本発明は、患者ないし治療対象の哺乳動物の負担が少なく、小さな穿刺で長管骨内の骨髄を効率よく多量に、そして容易に採取することができる骨髄採取方法およびそれに用いる医療器具を提供することを技術課題としている。
本発明の骨髄採取用の穿刺針の第1の態様は、骨端部に湾曲した孔を形成するための円弧状の湾曲形状を有し、その湾曲形状を保持する剛性を備え、先端に切削部を備え、ガイドワイヤを通すための軸方向の空洞を備え、その空洞は穿刺針の先端近辺開口していることを特徴としている。このような穿刺針では、前記先端の切削部が多角錘の錐状に形成されているものが好ましい。さらに前記空洞が穿刺針の湾曲の内側で開口しているものが好ましい。
本発明の骨髄採取用の穿刺針の第2の態様は、骨端部に湾曲した孔を形成するための円弧状の湾曲形状を有し、その湾曲形状を保持する剛性を備え、ガイドワイヤを通すための軸方向の空洞を備え、その空洞が先端で開口している外針と、前記外針の空洞内に回転自在かつ抜き取り可能に収容される可撓性を有する内針とを備えており、その内針の先端が錐状を呈し、かつ、内針が外針に収容された状態で内針の基部が操作可能に外針から外部に出て全体として芯鞘構造を呈することを特徴としている
本発明の医療器具セットの第1の態様は、前記内針と外針とからなる穿刺針と、前記外針内に、または前記外針によって形成される骨の孔に挿入される可撓性を備えたチューブ状のカテーテルとの組み合わせからなることを特徴としている。
本発明の医療器具セットの第2の態様は、前記内針と外針とからなる穿刺針と、その穿刺針の外針の空洞に挿入しうるガイドワイヤと、そのガイドワイヤを通す空洞を有し、前記穿刺針によって形成される骨の孔に挿入しうる、軸心方向に延びる湾曲した空洞を有する針状デバイスとの組み合わせからなることを特徴としている。
このような医療器具セットの第2の態様では、骨皮質に固定する固定手段および空洞を有する穿刺孔確保材を備えたものが好ましい。
本発明の骨髄採取用の医療器具セットの第3の態様は、前記いずれかの穿刺針と、その穿刺針の空洞に挿入可能なガイドワイヤと、前記ガイドワイヤの外周に通される屈曲可能なカテーテルとの組み合わせからなることを特徴としている。このような医療器具セットでは、前記ガイドワイヤの外周に摺動自在に装着されて案内される屈曲可能な探索管をさらに備えているものが好ましい。
これらの医療器具セットにおいて、骨皮質に固定する固定手段および空洞を有する穿刺孔確保材を備えたものが好ましい。
本発明の穿刺針は、骨端部に湾曲した孔を形成するための湾曲部を備えているので、管状骨の骨端部で関節構造から離れた側面から穿刺針を刺入させ、骨端部に湾曲した孔を穿ちながら、先端を骨髄腔内に達するようにすることができる。すなわち骨端部には関節があることや、骨の長軸が体軸と同じ方向であることから、骨の末端から長軸に沿って真っ直ぐに刺すことは困難であるが、本発明の穿刺針を用いる場合は、骨端部における側面から穿刺針を刺入し、ついで骨内部において針の先端を髄腔方向に向けて徐々に方向転換させ、針の先端を骨軸方向に向けることができる。そして穿刺針の空洞により、ガイドワイヤを通す湾曲した経路を確保することができる。なお、穿刺針の先端は髄腔内に達するまで進めてもよく、海綿質内に達する程度とし、その後、海綿質内でガイドワイヤを押し出して髄腔まで貫通させることもできる。
その後は空洞にガイドワイヤを通し、穿刺針を抜去して探索管を用いたり、採取用のカテーテルを挿入して、骨髄を採取することができる。このように本発明の穿刺針を採用すると、骨端部の側方、とくに皮膚の直下にある大転子から穿刺することができるので、ドナーや患者が大腿を大きく曲げたり、さらに内転させたりする必要がない。そのため、ドナーや患者の負担が少なく、医師の負担も少ない。また、外径を細くする場合は、さらにドナーの負担が少なく、挿入が容易である。なお穿刺針に湾曲をもたすことで大転子から髄腔までの刺入が一層容易になる。さらに穿刺針の外径を細くすることにより、穿刺後に骨端部に残る孔の径を小さくすることができ、ドナーあるいは患者の負担が少なくなる。
また、前述のように、骨端部で関節から外れた骨端部分の側面から針を刺すことができるので、下腿の頸骨や腓骨、あるいは上肢の上腕骨に対しても穿刺針を通すことができ、それらからも骨髄を採取することができる。
前記穿刺針において、先端が多角錘の錐状に形成され、前記空洞が穿刺針の先端近辺で側方に開口している場合は、骨表面の皮質を容易に破ることができる。すなわち骨端部の骨表面にある骨皮質は骨幹部の緻密層に比べると薄いが、骨端部といえども、皮質は硬くて穿孔し難い。空洞を穿刺針の先端近辺で側方に開口させ、穿刺針の先端を多角錘の錐状に形成した穿刺針では、先端が鋭利で、しかも多角錘状であるので、先端を骨表面に当てて回転させることにより、容易に皮質を破り、内部に刺入させることができる。また、力のかかり具合と穿刺針の通過経路との関係から、骨片が開口に強く押し込まれる可能性が少なくなる。さらに前述のように湾曲形状を利用して骨内部で方向転換できるので、骨表面にはほぼ直角に当てて刺入することができ、滑りにくく、刺入が容易である。また、この方式によって硬い骨皮質も過剰な力を入れることなく穿つことができることから、従来の技術のような、過剰に挿入することを防ぐストッパなどの安全装置は必ずしも必要でない。
前記空洞が穿刺針の湾曲の内側で開口している穿刺針においては、海綿骨内でガイドワイヤを押し出すとき、穿刺針のカーブが不充分で、まだその先端が髄腔に真っ直ぐ向いていない状態であっても、開口が空洞の方向に向いている。そのため、その状態であってもガイドワイヤを髄腔に向けて押し出すことができる利点がある。
本発明の穿刺針の第2の態様は、前述の穿刺針を外針とし、その外針の内部に内針を収容した芯鞘を備えているので、内針で骨端部や海綿骨を破り、外針で湾曲した経路を確保することができる。そのとき、内針が可撓性を備えているので、内針を回転させながら、場合により、前後に往復させながら、外針内を進行させることができる。そのため、強く押し当てなくても進行させることができ、一層容易に穿刺針を骨端部に刺入することができる。また、内針を外針に対して抜き取り可能にする場合は、骨端部に刺入した後、内針を抜き取れば、前述の場合と同様に、空洞内にガイドワイヤを挿入することができる。そしてそのガイドワイヤにより、その後の探索用のカテーテルの装着のためのガイド、あるいは骨髄採取用カテーテルの装着のためのガイドとすることができる。
本発明の医療器具セットは、本発明の剛性を備えた空洞を有する外針およびその外針に挿入する内針からなる穿刺針と、可撓性を備えたチューブ状のカテーテルとの組み合わせから構成されているので、穿刺針で骨皮質に孔を形成し、内針を抜き、外針に、あるいは、その外針によって形成される骨の孔にカテーテルを通して、骨髄を吸引することができる。それにより多量の骨髄を容易に採取しうる。
本発明の医療器具セットの第2の態様は、湾曲部を備えた針状デバイスを備えているので、ガイドワイヤの向きを変えることができる。それによりカテーテルを案内するガイドワイヤを髄腔内の奥深くまで案内することができる。
前述した医療器具セットであって、骨皮質に固定する固定手段および空洞を有する穿刺孔確保材を備えている場合、手元が狂うなどによる穿刺針の横飛びを防止しつつ、安全に骨への穿刺を行うことができる。
本発明の医療器具セットの第3の態様は、前述の穿刺針と、ガイドワイヤと、カテーテルを備えているので、前述の骨髄の吸引採取方法を実施することができ、それらの器具による作用効果を奏することができる。前記医療器具セットの第3の態様に所定の探索管を加える場合は、髄腔内に達しているかどうかを早期に検出できる。
また、このような医療器具セットに骨皮質に固定する固定手段および空洞を有する穿刺孔確保材を備えている場合は、穿刺針の保持ができ、骨髄吸引採取を容易にすることができる。
図1aおよび図1bはそれぞれ本発明の穿刺針の一実施形態を示す正面図および側面図である。 図2aおよび図2bはそれぞれその穿刺針の先端部の拡大側面図および拡大断面図である。 本発明の穿刺針の使用方法の一実施形態を示す側面図である。 図1の穿刺針の使用状態を示す断面図である。 図5aおよび図5bは本発明の穿刺針の他の実施形態を示す正面図および側面図である。 図6aおよび図6bはそれぞれその穿刺針の先端部の拡大側面図および拡大断面図である。 図7aおよび図7bはそれぞれ本発明の穿刺針のさらに他の実施形態を示す要部側面図である。 その穿刺針に用いられる内針の実施形態を示す要部拡大側面図である。 本発明の穿刺針のさらに他の実施形態を示す要部斜視図である。 本発明の穿刺針のさらに他の実施形態を示す要部斜視図である。 本発明に関わる外針の使用状態を示す要部断面図である。 図12aは本発明に関わる穿刺針のさらに他の実施形態を示す要部拡大斜視図、図12bはその穿刺針に用いる外針の要部斜視図である。 図13aは本発明の範囲外の穿刺針の形態を示す要部斜視図、図13bはその穿刺針の内針を示す要部斜視図、図13cおよび図13dはそれぞれ図13aの穿刺針の外針を示す要部斜視図である。 図14a〜dはそれぞれ本発明の範囲外の外針の形態を示す要部斜視図である。 本発明の穿刺針を用いた骨髄採取方法の部分工程を示す側面図である。 図15に続く骨髄採取方法の部分工程を示す側面図である。 図16に続く骨髄採取方法の部分工程を示す側面図である。 図17に続く骨髄採取方法の部分工程を示す側面図である。 本発明の穿刺針を用いた骨髄採取方法の他の実施形態を示す部分工程側面図である。 本発明の穿刺針を用いた骨髄採取方法のさらに他の実施形態を示す部分工程側面図である。 図21a〜dはそれぞれ本発明のガイドワイヤの他の実施形態を示す側面図である。 テーテルの形態を示す側面図である。 図23aおよび図23bはそれぞれ図22のカテーテルの要部拡大斜視図および要部断面図、図23cおよび図23dはそれぞれ本発明に関わるカテーテルの他の実施形態を示す要部拡大斜視図および要部断面図である。 図24aはカテーテルのさらに他の形態を示す側面図、図24bおよび図24cはそれぞれそのカテーテルの要部拡大斜視図および要部断面図である。 髄採取方法の他の形態を示す部分工程図である。 髄採取方法の他の形態を示す部分工程図である。 図27aは本発明に用いられる穿刺孔確保材の一実施形態を示す側面断面図であり、図27bはその穿刺孔確保材を備えた骨髄穿刺システムの一実施形態を示す側面図であり、図27cはその骨髄穿刺システムを構成する部品の側面図である。 髄採取方法を示す工程図である。 図29aは図27aの穿刺孔確保材を備えた穿刺孔確保用針システムの一実施形態を示す側面図であり、図29bはその穿刺孔確保用針システムを構成する部品の側面図である。
つぎに図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1aおよび図1bに示す穿刺針10は、円弧状に湾曲した針11と、その針の基部に取りつけたグリップ12とからなる。針11はステンレス、チタン合金、貴金属合金、コバルト合金などの強度が高く身体への悪影響がない金属製である。レントゲン線が透過できない金属を用いるのが好ましい。針11は、基端11aから先端11bに至る空洞(図2bの符号13参照)を備えた管状を呈している。針11はいくらか撓む程度の弾力性を備えているが、基本的には湾曲形状を保持する剛性を備えている。前記グリップ12は棒状を呈し、その中心部が針11の基端11aの外周に固定されている。グリップ12の材質はとくに制限されないが、金属製あるいは合成樹脂製のものが用いられる。
針11の先端11bは図2aおよび図2bに示すように、鋭利な錐状あるいは多角錘状の切削部14を備えている。切削部14は2面、3面あるいは4面が好ましい。切削部14の稜線は鋭い切り刃とされており、太い部位14aの外径は針11の他の部分15の外径より太い。他の部分15は実質的に同じ外径で延びている。空洞13は針11の外径と
同心状に設けられ、針の中心に沿って延びており、基端11aでは軸方向に真っ直ぐに開口している。他方、針の先端11b側では切削部14の手前側で緩やかに湾曲し、同径の部分15の端部近辺で開口している。開口部16は湾曲の内側に設けられており、その向きは針11の中心線に対して先端側に傾いている。切削部14は通常は他の部分15とは別個に製造し、その後、他の部分にろう付けなどで固着する。それにより他の部分15の可撓性を損なわずに、硬度が高いものを使用することができる。ただし切削部14と他の部分15を一体形成してもよい。
前記穿刺針10は、図3に示すように、ドナーや患者の大腿骨(長管骨)20の大転子21に刺入し、髄腔22に向かって押し進める。そのとき施術者はグリップ12を握り、前後に押し引きし、あるいは左右に交互に捻って切削部14の先端および切り刃で骨端部に孔23を開けながら進める。その孔23は全体として穿刺針10の湾曲形状に倣った湾曲形状を呈し、内径は切削部14の太い部位14aの径とほぼ同じである。そのため、孔23とパイプ状の部分15の間に隙間が生じ、骨の切削屑はその隙間から、あるいは開口部16を通って外部に排出される。穿孔作業はレントゲンで透視しながら行うこともできる。
なお、針11の湾曲形状は少なくとも先端部近辺のみでもよく、それより後部は、圧縮・引っ張り力、あるいは捻り力を伝達することができれば柔軟な素材であってもよい。その場合、剛性を有する湾曲形状の先端部近辺が、途中までできている湾曲した孔23によって案内される。したがって軸方向への圧縮力あるいは捻り力を伝達することができれば、できている湾曲した孔23と連続する円弧状に湾曲した孔23を延長していくことができる。なお、穿孔作業は穿刺針10の先端が髄腔22に達するまで行ってもよいが、海綿骨に達した状態で図4に示すようにガイドワイヤ24を空洞13に通し、ガイドワイヤ24で海綿骨22aを穿孔するようにしてもよい。
その場合、図4に示すように、開口部16が湾曲の内側に設けられており、中心線に対して角度θで傾いている。そのため、力のかかり具合と穿刺針10の通過経路の関係から、骨片が開口部16に強く押し込まれる可能性が少なくなる。また、穿刺針10のカーブが不充分で、まだその先端が髄腔22に真っ直ぐに向いていない状態でも、ガイドワイヤ24の先端を髄腔22に向かわせることができ、海綿骨内にガイドワイヤ24を進めることができる。このように途中からガイドワイヤ24で穿孔させる場合は、ガイドワイヤで穿孔した孔23aは細く、ほぼ直線状になる。しかし後述するように、探索管などで細い孔23aを太くすることができ、また、全体を円弧状に穿孔することもできる。
穿刺針10の空洞13に通すガイドワイヤ24は従来公知の可撓性を備えた金属線、たとえばステンレス線からなる。ガイドワイヤ24は空洞内をスムーズに摺動するように、その外径は空洞13の内径より細くするほうがよい。ステンレス線の先端は硬くしておくのが好ましい。このガイドワイヤ24はつぎに探索管やカテーテルを湾曲した孔23に通すときのガイドとなる。ガイドワイヤ24を通した後は、穿刺針10を抜き取るが、その場合もグリップ12を握って引っ張ればよいので、抜き取りやすい。
図5aおよび図5bに示す穿刺針30は、内針31と、その内針31を収容する筒状の外針32とを有する芯鞘構造を備えている。内針31は可撓性を有し、基端に摘み33が固定されている。他方、外針32は剛性を有し、湾曲している。外針32の基端には図1の場合と同様のグリップ12が固定されている。内針31は外針32の内部に往復回動自在あるいは回転自在に収容されている。外針32は湾曲しているが、内針31が可撓性を有するので、大きく往復回動させることができ、さらに同一方向に回転を続けることができる。内針31を外針32内に軸方向に移動自在に設けてもよいが、移動しないようにインターロックされていてもよい。この穿刺針30は、グリップ12を保持し、先端側に押
しながら摘み33を往復回動させることにより、あるいは回転させることにより、効率的に穿孔していくことができる。
前記インターロック機構は、内針31を軸方向手前側に移動しない状態と、移動可能な状態に切り換える操作ができるものが好ましい。その場合は、移動可能な状態に切り換えて内針31を外針32から抜き取ることができ、ガイドワイヤを挿入するときに外針32によって案内させることができる。前記内針31は、たとえばバネ鋼線などの可撓性が高い線材等から構成することができる。外針32はステンレスなどの金属製の管ないしチューブから構成することができる。
図6aおよび図6bの穿刺針25は、空洞13の先端側の開口部16が切削部14の面に設けられている。他の部分は図2a、図2bの穿刺針10と同一である。この穿刺針25は開口部16が切削部14に設けられているので、切削により生じた骨片を開口部16から外部に容易に排出することができる。
図7aの穿刺針35は、可撓性を有する内針36と、その内針をガイドする湾曲した外針37とを備えた芯鞘構造にされている。内針36は空洞が設けられていない点を除けば後述する図8の内針31と実質的に同じである。すなわち図7bに示すように、内針36は先端に多角錘状の切削部34を有し、円筒状の外針37内に往復回動自在あるいは回転自在に収容されている。このような空洞を有しない内針36を用いる場合は、内針36を外針35から抜き取ることができるように構成する。それにより、図9に示すように、内針36を抜き取った後の外針37内にガイドワイヤ24を通すことができる。
図8に示す内針31は、先端部に図2の切削部14と同様の角錐状の切削部34が設けられている。ただしこの切削部34には太い部分(図2aの符号14a参照)が設けられておらず、同径で連続する部位15から先端に向かって傾斜している複数の面によって構成されている。そのため先端側から外針32に挿入することが容易である。このような切削部34を設けているので、内針31を外針32内で往復回動あるいは回転させることにより、骨を穿孔することが容易である。さらにこの内針31は図2aの穿刺針10と同様に軸方向に延びる空洞13を有し、その空洞13は切削部34よりいくらか後方で側面に開口している。そのため、切削した骨片は空洞13を通して排出することができる。
なお図8の内針31の材料として剛性を有する材料を用い、所定の湾曲形状に構成する場合は、図2a、図2bの場合と同様にそれ自体で穿刺針として用いることができる。また、このような剛性を備えた内針31の外周に可撓性を備えた筒状の外針32を装着したものも、穿刺針として用いることができる。その場合は外針の先端に切り刃を設け、内針31をガイドとして外針32を回転させながら進行させることができる。本発明の芯鞘構造の穿刺針には、このような内針が剛性を有し、外針が可撓性を有するものも含まれる。
図10の穿刺針38は、内針31と外針39とからなる芯鞘構造を備えている。内針31は空洞13および側面の開口部16を備えており、外針39は側面に開口部40を備えている。このものは内針31の開口部16と外針の開口部40を揃えると、空洞13が開口部16、40を介して外部と連通する。その状態では図4の場合と同様に、基端側からガイドワイヤを挿入し、先端側の開口部16、40からガイドワイヤの先端側を導き出すことができる。
図11の穿刺針41は、円柱状の線材を斜めの傾斜面42で切断した形状の切削部43を有する内針44と、その内針44の外周に設けた外針39とを備えている。このように内針の切削部の形状は、前述の多角錘状のものに限らず、このような1面の傾斜面42と円筒状の外周面との間の稜線で切り刃を構成したものであってもよい。このような切削部
43であっても、回転あるいは往復回動させることにより、骨を穿孔していくことができる。
図12aの穿刺針45は、筒状の外針39の先端に鋸刃状の切削部46を形成している以外は、図7bの穿刺針と同一である。その切削部46は図12bに示すように、環状に配列された複数個の三角形状の歯から構成されている。歯の数はとくに限定されないが、通常は3〜4個で充分である。そして外針39を回転あるいは往復回動させると円状の溝を切削することができる。このものは内針36を往復回動させたり、一方向に回転させることにより、内針36の切削部34で穿孔することができ、さらに外針39をわずかに往復回動させることにより、外針39の切削部46の断面形状に応じた環状溝を切削することができる。それにより効率的に穿刺しうる。なお、前述したように、内針36として剛性を備えた湾曲した線材を用い、その外周に可撓性を有する筒状の外針39を設ける場合も、このような鋸刃状の切削部46を設けると、効率的に穿孔していくことができる。
図13aに示す穿刺針47は、その外周にスリーブ48を摺動自在に設けている。スリーブ48の先端にはV字状の切り欠き部49を形成している。穿刺針47は図1などの穿刺針と同様に、剛性を備え、先端には角錐状の切削部14を有する断面円状の線材である(図13b参照)。スリーブ48の切り欠き部49は、穿刺針47が図13aのように突出しているときは図13dのように開き、穿刺針47が引っ込んでいるときは図13cのように閉じるための開閉機構を構成している。なお、閉じる作用はスリーブ48の先端部自体の弾力性によって行わせるのが好ましい。スリーブ48は可撓性を有する材料、たとえば合成樹脂などが用いられる。ただし薄い金属等によっても構成することができる。このような開閉機構を設けると、穿刺針47を皮膚の表面に突き刺すときに、穿刺針47の先端が皮膚に触れにくくなり、皮膚の表面の細菌によって汚染されにくくなる。そのため、穿刺針47を何回も挿入する作業中に、細菌が体内に入るのを防止することができ、感染防止に役立つ。
図14aは切り欠き部49を4個所にしたスリーブ50を示している。このものは可動片51の開閉が容易である。図14bに示すスリーブ52では4個所の切り欠き部49を形成すると共に、1枚の可動片53が他の可動片51に比していくらか長くされている。このものは図14cに示すように可動片51、53が閉じたとき、開口54が側方(図では上側)に形成される。そのためガイドワイヤを側方に方向変換しながら案内する場合でも、細菌が隙間から入りにくい。図14dに示すスリーブ55は長い可動片53の先端が鋭くされている。このスリーブ55は、内針を抜いたときに内針で開けた穴に残しやすく、また、穴の中で前後にずれたときに元の位置に戻りやすい。さらに万が一、骨から抜けたときでも、開けた穴を探しやすい利点がある。
つぎに図1の穿刺針10を用いて長管骨の骨髄を採取する方法を説明する。この方法は本発明の骨髄採取方法の実施形態でもある。まず概略的に説明すると、図3に示すように、管状骨20の骨端で、関節部分を外して穿刺しやすい部分に細くカーブした穿刺針10を突き立て、穿刺部位から海綿骨内に穿刺針10を押し進める。そして海綿骨内で穿刺針10の先端が髄腔22a内に向くようにし、そのまま穿刺針を進め、もしくは海綿骨に穿刺針10の先端が到達した後、図15に示すようにガイドワイヤ24を通し、ガイドワイヤの先端で海綿骨を穿ちながら貫通させ、髄腔22内に至らしめる。さらにガイドワイヤ24を残して穿刺針10を抜き、図16に示すように、探索管60をガイドワイヤ24に沿って装着し、髄腔22に至る経路を確保する。そして探索管60から骨髄のサンプルを採取し、あるいは図17〜19に示すように採取用のカテーテル61を装着して多量の骨髄を採取する。このように本発明では、カーブした穿刺針10と、それに付随するカテーテル61などとの組み合わせによって、容易に誰でも確実に管状骨から骨髄を採取する方法、およびその方法を容易に行いうるキット器具を提供する。
本発明で、従来技術との大きい相違は、管状骨の骨端で関節構造から離れた側面から細くてカーブした穿刺針を刺入させ、骨内で針の先端方向を骨髄に向ける手法を採用している点である。すなわち従来の真っ直ぐな穿刺針を用いる場合は、骨端から軸方向に挿入するか、あるいは骨端近辺から斜めに刺入する必要があったが、骨端部には関節があることや、骨の長軸が体軸と同じ方向にあることから、刺入が困難であった。本発明では湾曲した穿刺針を用いるので、骨端部における側面に対して直角あるいはそれに近い角度で刺入させることができる。それにより刺入が容易で、ドナーや患者にかける負担が少ない。
すなわち骨端部の骨表面にある骨皮質部分は骨幹部の緻密層に比べて薄いが、骨端部といえども皮質は硬くて穿孔しがたい。そこで本発明では、穿刺針の先端を鋭利な錐状構造を持たせ、容易に皮質を破ることができるようにした。ところで、先行技術の多くは、穿刺針の先端を鋭利な状態にして、針を力強く骨に突き立てることで骨皮質を破っていた。そのため、過剰な力が入り、骨表面で針先が滑り軟部組織を深く刺すことによる事故も報告されている。そのため、多くの先行技術で針が深く入らないように安全装置のストッパが考案されてきた。しかしながらこのように力任せに強く針を押し入れるよりも、ねじ込む方が力が少なくて済むことから、先端にドリル構造を持たせた技術として特許文献3が報告されている。この方式を用いると、針の長軸方向に力を加えなくても、穿刺針を進めることが可能であり、安全である。これに対し、本発明では、穿刺針の先端に錐状の切削部を設けている。それにより、穿刺針を回転させつつ軽く押し進めると、硬い骨皮質も過剰な力を入れることなく、穿つことができる。この構成によって、過剰な力は不要となり、そのため、過度に刺入する事を防ぐ安全装置を組み込む必要がない。
さらに本発明の方法では、骨髄採取の対象骨が従来技術が対象とする骨に比べて厚くて太く大きいことから、力を入れて穿刺針を押しても、その骨を貫通することは少ない。また、このような骨の多くは周囲に重要な臓器が少なく、大きい筋肉に囲まれているので、針先が滑って周囲臓器(皮膚を含む)を刺したとしても、副損傷による実害が少ない。
前述のように穿刺針で皮膚を破り、穿刺針の先端を海綿骨内に押し進める操作を行うが、海綿骨の厚さは個人差によって、年令によって、あるいは性差によって、さらには運動習慣や生活習慣などの違いによって大きく異なっている。さらに同じ人物でも、左右によって異なる。したがって、海綿骨層が薄い人では前述した操作によって穿刺針の先端がそのまま髄腔に達することもあるが、多くは到達できない。そこで前述したように、穿刺針の空洞にガイドワイヤを挿入し、あるいは二重構造の場合は内針を抜いて外針内にガイドワイヤを挿入して、海綿骨を穿孔させて髄腔内に到達させるようにする。
海綿骨は幸いにしてこの程度のガイドワイヤでも充分に貫通させうる構造をもつ。しかし少し抵抗があるので、それを押し進めると、髄腔内に入ったところで急に抵抗がなくなり、容易にガイドワイヤを押し進めることができるようになる。そしてさらに進めると、反対側の骨端部の内面に当たって止まる。止まる位置は骨の長さで決まるので、どの程度で止まるかは容易に予測できる。もしも予測を超えて挿入可能であった場合は、そのガイドワイヤは骨内に入っていないと考えるべきである。
上記のガイドワイヤは、海綿骨内を突き進む必要があるので、先端にはある程度の硬度が要求される。しかし骨端末を探る必要がある場合には、過剰な刺激は好ましくない。そこでこのようなときにも使用できるように、他の端末には柔軟性を持たせておくと便利である。
穿刺針などで骨皮質を刺入するのに力が必要であると同時に、皮質を破って骨外に出すにも大きい力が必要である。そのため、通常は一度骨皮質を破って海綿骨内の髄腔に入っ
たガイドワイヤの先端は、再び骨外に出ることはない。もし出るとすれば、それは最初から骨皮質を破っていない段階でガイドワイヤを押し進めた結果であり、そのような結果を招かないように、確実に骨皮質を穿つように配慮する必要がある。その確認のため、レントゲン透視を併用することが好ましい。
上記のようにしてガイドワイヤ24が髄腔22に至ると、次に図16に示すように、穿刺針10を抜去し、代わりに探索管60をガイドワイヤ24でガイドさせながら海綿骨内を押し進める。探索管60は筒状の部材であり、ガイドワイヤ24に沿ってカーブを進むだけの屈曲性(可撓性)、とくに穿刺針10で形成されるカーブした孔(図4の符号23参照)からガイドワイヤ24で形成される直線状の細い孔まで進むだけの屈曲性を備えている。また、先端は必ずしも穿刺針の場合のような切削可能な鋭い先端構造は不要であるが、海綿骨を突き進むに耐えうる硬度を有する。さらに基端には、骨髄のサンプルを吸引する手段、たとえば注射器の接続が可能な形態を備えていることが好ましい。図16の場合は、拡径した円筒状の部分62が接続部として設けられている。このようなガイドワイヤ24は、柔軟性を有する金属で作成してもよいし、合成樹脂材料で作成しても構わない。
つぎに探索管60が骨内に約10cm以上入ったところでガイドワイヤ24を抜去し、探索管60の基端に注射器を取り付け、吸引を行い、骨髄を吸引することができるかどうかのテストを行う。これで骨髄が出なければ、さらにガイドワイヤ24を挿入し、そのガイドワイヤに沿って探索管60を押し進め、骨髄が吸引できるところまで進める。30cm以上進めても骨髄を吸引できないときは、その骨に骨髄がないものとして諦めるが、高齢者であっても、多くの場合は15cm挿入以内で骨髄を吸引できるレベルに達する。この操作は探索管60による純的な海綿骨内管腔拡張作業となる。
上記のようにして探索管60が髄腔22に至ると、再びガイドワイヤ24を探索管の中に通し、ガイドワイヤを残した状態で探索管60を抜去し、代わりに図17に示すカテーテル61を挿入する。この操作を容易にするためには、穿刺針10と、探索管60およびカテーテル61の太さをほぼ同一にしておくことが望ましい。通常は12ゲージから15ゲージ程度の静脈留置針程度、すなわち内径が1.4mmから2.4mm、外径が1.8mmから2.8mm程度の太さに合わせておくと好都合である。フレンチの表現では、5フレンチから8フレンチ程度のカテーテルであれば、容易に骨髄を吸引できる。このようなガイドワイヤ使用技術は、血管内にカテーテルを挿入するときに用いるセルジンガー方式を転用する考え方であり、血管用のカテーテルと同じ材質、構成のものを用いることができる。セルジンガー方式に関しては、たとえば特許文献5にその一部の記載があり、その既存の技術の考え方を転用することが可能である。
一般的にセルジンガー方式で血管内にカテーテルを挿入する場合、血管壁は柔軟であるため、ガイドワイヤに沿って初回に使用する穿刺針より太いカテーテルの挿入も可能である。しかしながら、骨にカテーテルを刺入させる場合は、血管の場合のような太いカテーテルを挿入することはできない。少なくとも骨皮質部分は硬いため、穿った孔のサイズ以上の太いカテーテルを挿入することは困難である。そのため、図17に示すカテーテル61の場合は、前述したとおり、探索管であらかじめ必要とされるサイズの貫通孔を確保し、カテーテルの太さはそれに合わせておくことが肝要である。
カテーテル61は骨髄を吸引するのみならず、骨髄浮遊液を髄腔22で作るために生理的食塩水などの希釈液を送り込む経路として用いられる。そのため、図18に示すカテーテル61では、基端部が2本に分岐した形態を有し、一方の接続部63には生理的食塩水を充填した輸液バッグ64を接続し、他方の接続部65には吸引用の注射器66を接続している。そしてそれぞれの接続部には、切り換え用の三方活栓67、67が設けられてい
る。それにより、1本のカテーテル61であっても、それぞれの三方活栓67、67を切り換えながら輸液バッグ64から生理的食塩水を注入したり、注射器66で骨髄浮遊液を吸引することができる。
なお、図18の医療器具では、カテーテル61内に、先端部に屈曲した攪拌部68を備えたガイドワイヤ69が通されている。この先端を屈曲させたガイドワイヤ69は通常のガイドワイヤと同じ金属製のワイヤで構成しうるが、海綿骨を穿孔する真っ直ぐなガイドワイヤとは別個のガイドワイヤとする。このような攪拌部68を備えたガイドワイヤ69を回転させて髄腔22内を攪拌すると、髄腔の骨髄を隅々まで摺り取ることができると同時に、髄腔内で骨髄の浮遊液を作ることができる。それにより細いカテーテルからでも、容易に骨髄の末梢血の混在を抑えて採取することが可能になる。たとえばポリエチレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリウレタン、テトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))などの合成樹脂が用いられる。また、ステンレス、チタン合金、コバルト合金、形状記憶合金などの金属を用いることもできる。
上記のように、カテーテル61は生理的食塩水を注入すると共に、骨髄浮遊液を吸引するので、図19に示すように、2本のカテーテル61a、61bを挿入するか、1本であってもダブルルーメンなど、マルチルーメンであればその操作が容易になる。たとえば図18の場合は、生理的食塩水を注入するルーメンと、骨髄浮遊液を吸引するルーメンと、攪拌用のガイドワイヤ69を通すためのルーメンの3本のルーメンを備えたカテーテルが望ましい。しかしそのような構造のカテーテルを挿入する場合でも、大きな孔を骨に明けることはできるだけ避けなければならない。そのため、細いカテーテルを追加挿入し、役割分担を行うことが望ましい(図19参照)。
このようなことを満足させるには、まず患者負担を軽くするために、挿入するカテーテル61が細くなければならない。ヒトや大型の哺乳動物の大腿骨はその先端の直径が約2cm程度であり、その部分には周辺の筋肉の腱が付着している。そのため、この部分に大きな孔を明けると骨構造を破壊し、後々に障害が起きると共に、穿刺後の骨治癒も遅れて持続した疼痛が残るおそれがある。そのため、カテーテルの太さはできるだけ細いほうが好ましく、たとえば外径を6mm以内、好ましくは4mm以内、さらには3mm以内、さらには2mm以内に抑えることが望ましい。
カテーテルのサイズとしては、内径が1.5mmあれば骨髄の吸引に充分である。しかしながら、髄腔内の小さな骨片を引き込むことがあるので、さらに太い方が有利である。しかしながらダブルルーメンの構造にしても、外径は前述したとおり、最大限で6mm以下で、できるだけ細い方が好ましいので、内径を多く稼ぐためには、肉薄の高分子材料によって製造することが望ましい。
図18のように、輸液バッグ64から生理的食塩水を注入しつつ、ガイドワイヤ69で攪拌し、同時に注射器66で骨髄浮遊液を吸引する場合は、カテーテル61内には生理的食塩水を満たしておくことが肝要である。すなわち骨髄腔内は末梢の血管との交通が緻密に形成されているので、カテーテル内に空気があると、その空気が血管内に吸い込まれる可能性があるからである。この条件を満たすため、図18の装置では、カテーテル61の手元端に注射器66を接続できる構造を持たせている。そして医療の現場で多用する三方活栓67を介して接続している。また、その先端には、一般に血管のカテーテル操作に使用する逆流防止弁を接合させるのが好ましい。それにより、生理的食塩水の液漏れを防ぎながら、ガイドワイヤを通す構成を維持することができる。
髄腔は単純な筒状の形態をしているのではない。髄腔内の中央部分は寒天のゲル程度の固さの骨髄が詰まっているが、髄腔内面は平滑ではなく、骨組織が複雑にせり出してきて
、迷路状の構造を作っている。その迷路のそれぞれにも骨髄が充満している。それらを可能な限り掻き出して取り出すには、単純な吸引のみでは不可能である。前述した非特許文献3では、硬性のカテーテルを通した部分のみ、寒天を吸引することが可能であったとの記載がある。単純な吸引では少量の骨髄しか吸引できない。さらに環流方式を併用しても、骨髄はある程度の固さと構造を持っているので、容易には吸引できず、採取量は限られるのが実状である。
図20に示す医療器具では、カテーテル71自体の先端を屈曲させることにより攪拌部72を設けている。それによりカテーテル71を回転あるいは往復回動させることにより、髄腔攪拌を行うことができ、採取率を向上することができる。さらに採取率を向上させるには、図21a〜dに示すような専用の攪拌ワイヤ73〜76の使用を推奨する。すなわち先端に屈曲部77を設けた攪拌ワイヤ73(図21a参照)や、その屈曲部にコイル状のブラシ構造78を設けた攪拌ワイヤ74、あるいは湾曲部79を設けた攪拌ワイヤ75、あるいはマルチフィラメントで構成され、部分的にモノフィラメントにばらけて篭状に拡がる構造80を持たせた攪拌ワイヤ76を用いるのが好ましい。これらの専用の攪拌ワイヤ73〜76を骨髄腔内で回転させたり前後に動かすことで、骨髄組織を充分に攪拌しうる。そして同時に生理的食塩水を注入することで、骨髄組織浮遊液を効率よく髄腔で作ることができる。それにより骨髄の採取率を大きく向上させることができる。なお、混合液として採取した骨髄は、生理的食塩水と共に患者や治療対象動物に移植する場合は、そのまま、あるいは希釈度を調整して移植することができる。また、遠心沈澱などによって骨髄と生理的食塩水とを分離して保存することもできる。
図19の骨髄採取方法では、長管骨の一端に、前述の穿刺針やガイドワイヤ、検索管を用いて2カ所の孔を形成し、一方のカテーテルから生理的食塩水を注入し、他方のカテーテルから骨髄を吸引している。この場合、一方の孔を長管骨の下端に形成することもできる。しかし一度外部に出した液は戻す環流方法は採用せず、常に新しい液を注入するのが好ましい。それにより骨髄内をできるだけ清潔に保つことができ、感染の機会を減らすことができる。
図21に示す専用の攪拌ワイヤ73〜76は、図18および図19に示すように、生理的食塩水注入用のルーメンあるいはカテーテルを介して挿入すると好都合である。しかし役割分担を考えて、3孔のマルチルーメンのカテーテルを用いることも可能であり、また、3本の細いカテーテルを挿入することも可能である。
骨髄を採取する管に折れ曲がりを持たせる工夫は特許文献6に記載がある。これによると、先端が折れ曲がった管を進めることによって、効率よく組織を採取すると記載されている。図18、図19、図20、図21の場合は、単に折れ曲がりのみならず、これに回転運動を可能とすることで、髄腔で骨髄を骨の内面壁から剥離させ、吸引採取を容易にしている。このとき、同時に、カテーテルの先端から生理的食塩水を流し込むことで、骨髄腔内で骨髄の浮遊液、細胞懸濁液を作製しうる。このようにすると、単純な吸引でも容易に骨髄を骨髄腔内から採取可能となる。
図20の場合はカテーテル自体に屈曲を設けている。そのカテーテルの屈曲程度に関しては、骨髄腔をかき回すに必要最小限のカーブとサイズで充分である。具体的にはカテーテルの先端から約1cm、2.5cm、4cm程度のところに、それぞれ約120度のカーブをもつ屈曲を一つずつ、全部で3カ所設けると、そのカテーテルを骨髄腔内で回転させ、あるいは前後させることで、骨髄腔を攪拌でき、骨髄浮遊液を効率よく作りうる。なお、屈曲部は1〜5カ所程度が好ましい。
専用の攪拌ワイヤの構造に関しては、カテーテルと同じような屈曲を持たせてもよいし
(21a参照)、さらには金属や高分子繊維などで起毛したブラシを付けることも考え得る。しかしながら、髄腔にこれらのブラシ片が脱落する危険性を考えると、決して脱落しない構造を選ばねばならない。そうなると単にマルチフィラメントのワイヤの先端部分を個々のモノフィラメントに分散させる程度の構造(図21d参照)でも骨髄攪拌には充分なる威力を発揮する。攪拌程度が少ない場合は、繰り返し同じ動作を行うことで攪拌効果が上がる。さらに、この先端部分に形状記憶性を持たせることによって、挿入するときは1本の線となり、体温と同じ37℃付近でブラシ効果を発揮するような構造にすることもできる。たとえば図21dのように所定の温度ではマルチフィラメントが個々のモノフィラメントに分かれて拡がって篭状を呈し、低温ではまっすぐになる。
これらに用いるワイヤやカテーテルは、手元で回転させることによって先端部分もそれに合わせた回転が要求される。そのためトルク伝達性に優れた素材を選別する必要がある。カテーテルは挿入部分がカーブすることをはじめとして、さらには骨幹部が必ずしも真っ直ぐでなくカーブした構造であることから、屈曲性ないし柔軟性が要求され、ステンレスなどの硬性ないし剛性の管は採用できない。カテーテルも攪拌ワイヤも、それらを手元で回転させている最中に先端が捩れて絡まり、抜去不可能な事態にならないように、よじれ、絡みの生じにくい材質を選別する必要がある。
そのように配慮したにしても、抜去するときに抵抗が感じられた場合には、レントゲン透視にてカテーテルやワイヤの先端状況を確認するのが望ましい。このことを容易に実現できるように、カテーテルやワイヤの先端には、レントゲン造影性が高い材料を用いるか、コーティングするのが好ましい。そして問題があれば、躊躇なく整形外科医師に相談することも必要である。このときも、全ての挿入するカテーテル内には、生理的食塩水を満たしておくことを推奨する。空気を髄腔内に入れては行けない。したがって、攪拌装置にあっても、一般的なカテーテル操作に準じて逆流防止弁を付けて操作することが好ましい。上記の髄採取方法では、このような穿刺針と探索管、攪拌ワイヤ、カテーテルの組み合わせによって長管骨の中から髄液を容易に得ることが可能である。
図22に示すカテーテル81はシングルルーメンタイプのカテーテルであり、図23aおよび図23bに示すように、先端の開口82のほか、近辺の側壁を貫通する側孔83を設けている。側孔83は両側にそれぞれ一列で複数個、この実施形態では3個設けている。ただし片側のみに設けてもよく、1個、2個あるいは4個以上設けてもよい。また、一列に配列せず、ランダムに設けることもできる。側孔83は図23aでは円形にしているが、形状には限定されない。たとえば図23c、図23dに示すように、長円形ないし楕円形の側孔83aにすることもでき、また、矩形など他の形状にすることもできる。
このカテーテル81は図22に示すようにT字状の三方活栓67のまっすぐに延びている管の一端67aに連結し、上向きの管67bに生理的食塩水を導入する輸液バッグ64を連結して用いる。まっすぐに延びている管の他端67cからは、カテーテル81を骨内まで案内するためのガイドワイヤを通したり、骨髄攪拌用のワイヤ84を挿入するため、さらに生理的食塩水と骨髄の混合液を吸引する注射器を連結するために用いる。すなわちカテーテル81のルーメンは、(1)生理的食塩水を注入するルーメン、(2)骨髄攪拌用のワイヤ(あるいはカテーテル案内用ガイドワイヤ)を通すルーメンおよび(3)生理的食塩水と骨髄の混合液を採取するルーメンの3つの役割を果たす。
三方活栓67のレバー67dは、まっすぐに延びている管の一端67aと他端67cとを連通する状態と、一端67aと上向きの管67bとを連通させる状態とを切り換え操作するためのものである。
上記のように側孔83を設けたカテーテル81は、生理的食塩水と骨髄との混合液を吸
引する場合、先端の開口82で吸引するだけでなく、側孔83からも吸引することができる。そのため、カテーテル81の先端近辺の周囲の広い範囲から骨髄を採取することができる。そしてカテーテル81を髄腔に沿って移動させながら吸引することにより、髄腔内の骨髄を効率的に採取することができる。なお、生理的食塩水を髄腔内に注入する場合も、先端の周囲に広く注入することができ、効率的に骨髄と生理的食塩水とを混合することができる。
図24はダブルルーメンタイプのカテーテル86の実施形態を示している。このカテーテル86はその長手方向に沿って図24bおよび図24cに示すように隔壁87によって2本のルーメン88、89に区画されている。そして先端近辺の側壁には図22の場合と同様の側孔83が形成されている。側孔83は隔壁87を挟んで左右の側壁に設けることもでき、一方の側壁のみに設けることもできる。また、図23c、図23dのような長円状ないし楕円状にしたり、矩形状にすることもできる。
このダブルルーメンタイプのカテーテル86は、たとえば図24aのように分岐用のコネクタ90に連結し、図24aの上側のルーメン88で生理的食塩水を注入しながら、下側のルーメン89に骨髄攪拌用のワイヤ84を通して同時に生理的食塩水と骨髄を攪拌したり、ワイヤを抜いた後、吸引用の注射器を接続して攪拌した混合液を吸引することができる。また、上側のルーメン88から生理的食塩水を注入した後、攪拌用ワイヤを挿入して髄腔内を攪拌しながら下側のルーメン89から混合液を吸引することもできる。
前述のシングルルーメンタイプのカテーテル81もダブルルーメンタイプのカテーテル86も用いられる。図24aのカテーテル86は2本のルーメン88、89を備えたダブルルーメンであるが、3本以上のルーメンを備えたマルチルーメンとすることもできる。その場合は生理的食塩水を注入する操作と、攪拌用のワイヤで髄腔内を攪拌する操作と、髄腔内から混合液を吸引する操作を同時に行うこともできる。また、交互に行う場合も、輸液バッグ、ワイヤ、吸引用の注射器あるいはシリンダや真空ポンプを連結し直す必要がないので、効率的に骨髄採取を行うことができる。
つぎに図25および図26を参照して本発明の骨髄採取方法、とくにカテーテルを導入するまでの他の実施形態を説明する。図3などの穿刺工程では、はじめに湾曲した穿刺針を用いて湾曲した孔を骨端部に形成しているが、図25の場合はほぼ直線状の穿刺針92と、先端が湾曲したパイプ状の針状デバイス93とを組み合わせて用いる。
すなわち図25の第1ステップS1では、まず直線状の内針94と、その内針を抜き取り可能かつ回転可能に挿入する直線状の外針95とからなる芯鞘構造の穿刺針92を用いて、大転子21に直線上の孔96を形成する。孔96は髄腔22側に向かって斜め方向に形成する。穿刺針92の内針94および外針95はそれぞれ図6の穿刺針30の内針31と外針32とほぼ同様であるが、湾曲せずに直線状を呈している。外針95あるいは内針94の先端を錐状にしたり、切り刃を設けたりすること、外針95にグリップ12を設けること、内針94に摘み33を設けることも同様である。なお、直線状であるため、内針に可撓性をもたせる必要はない。また内針94は中空にする必要がなく、中実でよい。ただし必要によっては中空パイプ状にすることもできる。芯鞘構造の穿刺針のほか、図1と同様の鞘がない穿刺針を用いることもできる。なお図25の符号97は骨皮質であり、符号98は骨頭である。
ついで図25の第2ステップS2において、内針94を抜き取り、外針95内にガイドワイヤ24を挿入する。このガイドワイヤ24は図4の場合と同じものでよい。外針95が真っ直ぐで、形成した孔96が斜めである場合、その外針95と髄腔の角度によっては、ガイドワイヤ24は髄腔22の奥の方までは入れることができない。
その場合、ガイドワイヤ24を残したまま外針95を抜き取り、ガイドワイヤ24を案内として中空パイプ状の針状デバイス93を挿入する(図25の第3ステップS3)。針状デバイス93は図16の探索管60とほぼ同様であり、骨組織に形成した孔96を拡張することもできる。ただし針状デバイス93の全体あるいは先端部は湾曲しており、内部空洞は先端で開口している。なお開口は側面で開口していてもよい。その場合は湾曲の内面側で開口するのが好ましい。湾曲している針状デバイス93を直線状の孔96に通すため、針状デバイス93は可撓性および弾力性を備えている。針状デバイス93は探索管60と同様に、金属あるいは合成樹脂で構成することができる。針状デバイス93の端部にはグリップ93aが取りつけられている。
針状デバイス93を孔96内に通していき、先端が孔96から髄腔22に入ると、弾力性により針状デバイス93の先端が湾曲した状態に戻る。それによりガイドワイヤ24の向きが髄腔22の奥の方を向く。それによりガイドワイヤ24を押し進めていくことにより、その先端を髄腔22の奥の方まで案内することができる。それらの操作はレントゲンで監視しながら行う。
一旦ガイドワイヤ24が髄腔22の奥深くまで挿入されると、図26に示すように、ガイドワイヤ24をその状態で留置しておき、針状デバイス93を抜き取り、カテーテル61をガイドワイヤ24に沿って挿入していく。それによりカテーテル61の先端が髄腔22の奥深くまで案内される(図26の第4ステップS4)。その後は図18などと同様に、髄腔22内の骨髄に生理的食塩水を注入し、混合攪拌しながら骨髄を吸引して採取する。
上記の直線状の穿刺針92と湾曲した針状デバイスとを用いた骨髄の採取方法は、穿刺針92が真っ直ぐであるので、力が必要な骨皮質に孔96を形成するのが比較的容易である。なお、針状デバイス93は前述のように探索管と似ているので、1本の針で探索管と針状デバイスとを兼用させることもできる。なお針状デバイスとして、湾曲せず、図5aなどと同様の側孔を備えたものを採用することもできる。その場合は、一旦、ガイドワイヤを抜き、針状デバイスを孔に挿入した上で、再度針状デバイスの内部空洞にガイドワイヤを通し、ガイドワイヤの先端を側孔から出す。それによりガイドワイヤの向きを髄腔側に向けることができる。
つぎに図25および図26の本発明の骨髄採取方法に用いることができる穿刺孔確保材について説明する。
図27aに示す穿刺孔確保材100は、空洞を有する穿刺孔確保用針101と、その上端に設けられ、穿刺孔確保用針の空洞に通じている連通孔102を有するフランジ部103とからなる。また、この穿刺孔確保材のフランジ部103の上端には空洞を有する補助具104を取り付けることができる。そして、このように補助具104を取り付けた穿刺孔確保材100に穿刺針92を挿入し、骨髄穿刺システム105として使用するものである(図27a、図27b参照)。
この穿刺孔確保用針101は下端が鋭利な錐状の切削部106を備えている。この切削部106はその下端が斜めにカットされた一面カット形状である。このように設けることにより穿刺孔確保用針101を回転させながら骨皮質に穿刺することができる。しかし、切削部106は多角錘状であってもよい。またこの切削部106は、穿刺針92の下端の切削部14と同じ形状であり、穿刺針92を補助具104に取り付けたとき、切削部14および切削部106の面は揃うように構成されている。また、骨髄穿刺システム105を一体として錐のようにして用いてもよい。
このように構成されているが、穿刺孔確保用針の切削部106にて穿刺部位を固定し、穿刺孔確保材100内で穿刺針92を回転させることにより、穿刺針92を骨皮質にある程度食い込ませる工程と、穿刺孔確保用針101にて穿刺部位を固定しながら穿刺針92を回転させることにより、穿刺孔確保用針101を骨皮質に食い込ませる工程とを交互に行うことにより、穿刺孔確保材100を固定することができる。この場合、穿刺孔確保用針101と穿刺針92の切削部の二点で穿刺部位を支持しながら穿刺するため、穿刺孔確保材はぶれることなく固定される。
また、フランジ部の連通孔102には、フランジ部103から穿刺孔確保用針101の方向への液体の流れを許し、逆方向の流れを阻止する逆止弁107が設けられている。これにより抹消血および骨髄液の流出を防止し、さらには感染を防止することができる。
この穿刺孔確保材100を用いて骨髄を採取する場合、まず穿刺孔確保材100に補助具104を取り付け、穿刺針92を挿入した骨髄穿刺システム105を骨の大転子に対して穿刺する(図28a参照)。そして、穿刺孔確保用針101の先端が骨皮質に食い込み、しっかり固定されたら穿刺針92を抜き、補助具104を穿刺孔確保材100から取り外す。これにより穿刺孔確保材100が骨皮質に固定される。この穿刺孔確保材100に再度穿刺針92をフランジ部の連通孔102から挿入し、穿刺針92の先端が髄腔内に届くまで穿刺する(図28b参照)。
穿刺針92による穿刺後は、穿刺針92の内針94を抜き、ガイドワイヤ24を挿入する(図28c参照)。このときガイドワイヤ24の向きと髄腔22の軸との間には若干の角度があるが、ガイドワイヤ24の先端は髄腔22の側壁にそって進み、髄腔22の奥まで挿入される。このとき穿刺角度が大きくガイドワイヤ24が入りにくい場合、図25で用いた空洞を有する針状デバイス93を使用することによりガイドワイヤ24を容易に髄腔22の奥まで挿入することができる。ガイドワイヤ24を挿入した後、穿刺針92の外針95を抜き、ガイドワイヤ24に沿ってカテーテル110を挿入する(図28d参照)。その後は図27と同様の手段で髄腔22内の骨髄を吸引する(図28e参照)。
このように穿刺孔確保材100は、骨皮質に固定後、穿刺針92を骨に穿刺するためのアンカーになるため、穿刺開始時の穿刺針92の横飛びを防止し、穿刺作業の安全化に寄与することができる。また、穿刺孔確保材100を骨に対して斜めに固定することにより、容易に穿刺針92を骨に対して斜めに穿刺することができる。これによりガイドワイヤそしてカテーテルを他のデバイスを用いることなく髄腔の奥まで挿入させることができ好ましい。
また穿刺孔確保材100に、上端にグリップ111を有する内針112を挿入した穿刺孔確保用針システム115を用いて骨皮質に穿刺孔確保材100を固定してもよい(図29参照)。これは穿刺孔確保用針システム115を骨に穿刺し、内針112を抜き取ることにより達成される。穿刺孔確保材100固定後、フランジ部の連通孔102から穿刺針92を挿入して髄腔22内まで穿刺針92を通す。この後は図27aの骨髄穿刺システムと同様にガイドワイヤ、カテーテルを挿入する。この場合も骨髄穿刺システム105を用いる場合と同様に安全に、そして確実に骨髄を吸引することができる。
またこの穿刺孔確保用針システム115を用いる場合、穿刺孔確保材100を骨皮質に固定(穿刺)するときも、穿刺孔確保材を固定しながら内針112を回転させることにより、穿刺孔確保材100を単独に用いて穿刺するときに比べて小さい穿刺抵抗で穿刺孔確保材100を固定することができる。この場合も穿刺孔確保材100とその内針112の歯先が2点あるため、穿刺孔確保材システム115はぶれることなく安全に穿刺できる。しかし、内針112が穿刺孔確保材100内を回動しないようにしてもよい。この場合、骨髄穿刺システム105と同様に穿刺孔確保用針システム115を捻りながら押し込むこ
とにより穿刺孔確保材100を固定する。
この穿刺孔確保材100を湾曲状に形成することにより、図1に示す湾曲した穿刺針10にも用いることができる。これにより同様に穿刺部位がずれたり、横滑りして臓器を傷つけたりすることを防止することができる。
前述の骨髄採取操作は、全て無菌的に清潔下で行わなければならない。骨髄にカテーテルを挿入することによって感染を起こし、骨髄炎という危険な結果を招くおそれがあるため、感染防止には充分なる注意が必要である。以下、本発明の医療器具の構成およびそれらの使用方法の具体的な実施例を説明する。
外径2.2mm、内径2mm、長さ7cmの外針と、外径1.9mm、長さ7.2mmの中実の内針を組み合わせ、曲率半径5cmのカーブを持った穿刺針を硬質のステンレス鋼で作成した。その先端は3面の錐状にした。内針と外針とは先端の反対部分である手元端でインターロック状態にして、時計方向に少し廻すことで締まり、半時計方向に回転させることで緩む構造にした。これをテスト用に用いる骨髄針とした。
外径2.2mm、内径1.5mm、長さ12cmの探索管をポリエチレンで作成した。この探索管は屈曲性があり、なおかつ、海綿骨への刺入には充分な強度があった。
外径2.2mm、内径2mm、長さ25cmのポリエチレン製のカテーテルを準備した。その先端から1cm、2cm、3cmの所にそれぞれ120度の屈曲を熱加工によって付けた。さらに先端から0.7cmの所に径2mmの側孔を一つ明けた。手元端には三方活栓を付け、その先に血管カテーテル操作で使用する逆流防止弁を付けた。
同じサイズのポリエチレン製のカテーテルを準備した。これには、手元端に三方活栓を付け、その先に血管カテーテルで使用する逆流防止弁を受けたが、先端には屈曲や側孔を付けなかった。他方、外径0.4mm、長さ40cmのガイドワイヤを用意した。これには血管造影用のガイドワイヤを用いた。その一端は柔軟性を持ち、他端は硬性を持つ。
外径0.5mm、長さ30cmのピアノ線のマルチフィラメントからなるワイヤを準備した。このワイヤの先端から0.5cm、1.5cm、2.5cmの所にそれぞれ120度の屈曲を付けた。これを攪拌棒とした。
体重20kgのオスの成犬を全身麻酔し、右側臥位にして、清潔下に左腰部の左大腿骨の大転子部分を触診で観察し、その部位に前述の準備した穿刺針を刺した。このとき、最初の皮膚を切るところと大転子に刺すところは軽く力を入れたが、後は錐を押して廻して進める要領で針を押し進めることによって、穿刺線の先端が骨皮質を穿ち、穿刺針が大腿骨内に刺入された。
そこで、さらに針の先端を長軸方向に針のカーブに沿って湾曲するように向けて押し進め、先端を骨の内部で髄腔に向けて約3cm刺したところで内針を抜去し、準備したガイドワイヤを挿入した。このとき、抵抗があったが、それを強く押し進めると、約1cm進んだところで抵抗がなくなり、そのまま約20cm先まで容易に進めることができた。ここでレントゲン透視によりガイドワイヤの位置を観察したところ、この操作によってガイドワイヤは大腿骨の髄腔にあって、その先端は膝関節近くまで至ったことが確認された。
そこで穿刺針を抜去し、それに代えて探索管を挿入した。このとき少し抵抗があったが、約6cm挿入し、ついでそれを抜去した。さらに準備した屈曲と側孔付きのカテーテルに生理的食塩水を充填した輸液バッグを、点滴注射できる状態で三方活栓を介して接続し
、それをガイドワイヤに被せるように沿わせて挿入し、約20cm入ったところで止めて、ガイドワイヤを抜去した。
次に同じような操作で再び、穿刺針を大転子付近の骨皮質を破って海綿骨部分に刺入し、内針を抜去した後に外針を経由してガイドワイヤを髄腔内まで挿入した。これをレントゲン透視により確認した後、外針を抜去し、代わりに外針の代用となる屈曲性を持つ探索管をガイドワイヤに被せるように挿入して回転させながら挿入した。この操作は容易に行うことができた。次に探索管を抜去して代わりに側孔と屈曲のないカテーテルに、生理的食塩水入りの輸液バッグを点滴注射のできる状態で三方活栓を介して接続し、それを挿入して、それが20cm以上刺入されたところでガイドワイヤを抜去した。
次に、2番目に挿入したカテーテル内に準備した攪拌棒を約24cm挿入した。この時点でレントゲン透視によって攪拌棒とカテーテルの位置を確認したところ、攪拌棒はカテーテルの先端から約5cm髄腔内に出ていた。そして攪拌棒を手元で廻すことによって、先端もそれにつれて回ることが確認された。
次に側孔付きのカテーテルの三方活栓から容量20mlの注射器で吸引しつつ、側孔のないカテーテルより生理的食塩水を徐々に16ml注入し、攪拌棒を廻し、髄腔で前後に移動させたところ、黄色みを帯びた骨髄の懸濁液を27ml吸引することができた。さらに懸濁液は毎分100回転で2分間の遠心沈澱によって生理的食塩水を分離することができた。
採取した骨髄懸濁液を光学顕微鏡で観察したところ、メガカリオサイトや赤芽球のような骨髄組織に特有の細胞が多く見られ、その液に多量の骨髄が含まれていることが判明した。この実施例1の操作によって、容易に大腿骨から骨髄を大量に採取することが可能であることが判明した。さらにこの手術を行ったイヌの術後の観察を続けた結果、とくに左足を痛がる様子も、気にしている様子もなく、さらには発熱や食欲不振なども観察されなかったことから、この処置による全身及び局所への影響は極めて少ないと推測される。
体重20kgの別のイヌを用いて同様に全身麻酔科に骨髄採取を行った。この度も実施例1と同様の穿刺針、探索管、カテーテル、ガイドワイヤなどを用意した。ただしカテーテルとしては、外径は実施例1の場合と同様の2.2mmでありながら、内径は1.4mmの円形の主管と、その側面に設けた厚みが0.4mmの薄い隙間からなる側管とのダブルルーメンのカテーテルを準備した。
この両方の管にはそれぞれ手元端に三方活栓を接続し、それぞれコネクティングチューブを介して生理的食塩水入りの輸液バッグを点滴注射ができる状態で接続し、カテーテル内を生理的食塩水で満たした。三方活栓の一部には、血管カテーテル操作で使用する逆流防止弁を付けた。このカテーテルは先端から0.7mmの所に側孔があって、内径1.4mmの主管に通じている。また、その先端から1cm、2.5mm、4mmの所にそれぞれ120度の屈曲を熱加工によって付けた。
まず、動物を左側臥位にして、清潔下に左腰部で左大腿骨の大転子部分を触診で観察し、その部位に準備した穿刺針を刺した。このとき、実施例1と同じように、最初の皮膚を切るところと大転子に刺すところでは軽く力を入れたが、強い力は不要であった。次に錐を用いて孔を穿つ要領で針を廻しつつ進めると、少し抵抗が出て穿刺針の先端が骨に入り込んだことが判った。
次に内針を抜去し、その代わりにガイドワイヤを挿入し、力を入れて押すと、約4cm
挿入されたところから抵抗がなくなり、20cmまで挿入することができた。次に外針を抜去して、探索管を挿入して回転させつつ押し進め、約4cmの所まで入った。そこでその操作を止めて、その探索管を外した。
次に用意したカテーテルをガイドワイヤに沿って挿入した。先端が4cmのところで少し抵抗があったが、少し力を入れると、すぐに抵抗がなくなり挿入可能であった。そこで20cm挿入したところで挿入をやめて、ガイドワイヤを抜去した。
次に、カテーテルの側管から生理的蒸留水を徐々に滴下しつつカテーテルを手元で回転させながら、押したり引いたりする操作を何度も繰り返し、この操作を行いつつ主管から注射器で吸引したところ、骨髄液の混じった液が31ml採取できた。このときまでに注入した生理的食塩水は20mlであった。
採取した液を光学顕微鏡で観察し、骨髄固有の細胞が多く認められたことから、これが骨髄の懸濁液であることが確認できた。この液の中には赤血球も多く含まれていたが、肉眼的には真っ赤な血液状態ではなく、泥状の組織片が混在した混濁液状態であった。この処置によって、レントゲンで確認することなく、盲目的であっても大転子部分に刺入させるとほぼ必ず髄腔内にカテーテルを挿入可能で、骨髄を確実に、しかも大量に採取することが可能であることが明らかになった。また、手術後の動物の観察では、実施例1の場合と同じく異常は全く認められなかったことから、安全な処置であることが明らかとなった。
同じようにカーブを持つ穿刺針であるが、内針を持たないタイプの穿刺針を用いてその効果を見るために動物で骨髄穿刺を実施した。使用した穿刺針は、外径2.2mm、内径2mm、長さ7cmの外針のみで、内針を持たない。その先端は3面の錐状にした。先端から5mmのところで、針のカーブの内側に幅0.6mm、長さ2mmの側孔を設けた。針の手元端は注射器の取付が可能な構造にした。これと同時に使用するガイドワイヤ、探索管は実施例2と同じものを用い、ダブルルーメンで、先端に屈曲構造を持つカテーテルを使用した。
まず、実施例2と同じ方法で動物を左側臥位にして清潔下に左腰部で左大腿骨の大転子部分を触診で確認し、その部位に準備した穿刺針を刺した。この時、実施例2と同じように、皮膚と骨表面を刺すところでは軽く力を入れたが、強い力は不要であった。次に先端を錐を用いて孔を穿つ要領で針を廻しつつ進めると、抵抗が少なくなり、針先が骨皮質を貫通して海綿骨層に至ったことが判った。そこで針先を骨幹部方向に向けて約4cmほど押し進めたところで止め、穿刺針の中にガイドワイヤを押し込んだ。このとき、ガイドワイヤに少し力を入れて押すと、約5cm挿入したところから抵抗がなくなり、20cmまで挿入することができた。
次に穿刺針を抜去し、ガイドワイヤを介して探索管を挿入して回転させつつ押し進めることで、約5cmの所まで入った。そこでその操作をやめて、ガイドワイヤを抜去し、探索管に注射器を取りつけて陰圧を少しかけたところ、骨髄と思われる赤みを帯びた組織を吸引することができた。そこで再びガイドワイヤを挿入して探索管を抜去した。
次に用意したカテーテルをガイドワイヤに沿って挿入した。ごく少し抵抗があったが、少し力を入れると、すぐに抵抗がなくなり挿入可能であった。そこで20cm挿入したところで挿入をやめて、ガイドワイヤを抜去した。
次に、実施例2と同じく、カテーテルを髄腔で回転しつつ前後運動も繰り返し行い、そ
れと同時に生理的食塩水を注入しつつ注射器で陰圧をかけると、容易に骨髄の浮遊液を採取することができた。このとき、注入した生理的食塩水は30mlであり、採取した骨髄浮遊液は39mlであった。この骨髄浮遊液は軽く遠心沈澱を行うことで、純粋の骨髄液を集めることができた。
この処置を行った動物の観察では、全く副作用と思われる症状は見られなかった。このことから、内針のない穿刺針であっても、針がカーブしていると、骨片が側構内に入り込まず、安全かつ確実に骨端部の側面から骨幹部にカテーテルを挿入させて、大量に骨髄を採取することが可能であることが判明した。
穿刺針の側孔に骨片が入り込んだときのことを想定して、実験的に海綿骨の一部を取り、無理矢理に側孔に押し入れた。このようにしておいてガイドワイヤを挿入し、それで力を入れて突くと、容易に詰まった骨片が取り除かれた。従って、内針のない穿刺針の側孔に骨片が詰まったとしても、ガイドワイヤで押し出されることが確認された。そのため、内針がなくとも、側孔内に骨片は入りにくく、たとえ入ったにしてもガイドワイヤで容易に押し出すことが可能であることが判明した。
穿刺針の側孔の位置に関しては、カーブのいずれの位置にあっても、先端から少し離れていれば骨片が入りにくいので、問題は生じないようである。また、側孔の位置がカーブの内側であれば、穿刺針の先端が海綿骨内で完全に髄腔方向に向ききっていなくとも、その穿刺針に押し入れたガイドワイヤの先端が髄腔方向に向きやすい、という利点があることが上記の実験で明らかとなった。

Claims (10)

  1. 骨端部に湾曲した孔を形成するための円弧状の湾曲形状を有し、その湾曲形状を保持する剛性を備え、先端に切削部を備え、ガイドワイヤを通すための軸方向の空洞を備え、その空洞は穿刺針の先端近辺開口している骨髄採取用の穿刺針。
  2. 前記先端の切削部が多角錘の錐状に形成されている請求項1記載の穿刺針。
  3. 前記空洞が穿刺針の湾曲の内側で開口している請求項1記載の穿刺針。
  4. 骨端部に湾曲した孔を形成するための円弧状の湾曲形状を有し、その湾曲形状を保持する剛性を備え、ガイドワイヤを通すための軸方向の空洞を備え、その空洞が先端で開口している外針と、
    前記外針の空洞内に回転自在かつ抜き取り可能に収容される可撓性を有する内針とを備えており、
    その内針の先端が錐状を呈し、かつ、内針が外針に収容された状態で内針の基部が操作可能に外針から外部に出て全体として芯鞘構造を呈する骨髄採取用の穿刺針。
  5. 請求項4記載の穿刺針と、前記外針内に、または前記外針によって形成される骨の孔に挿入される可撓性を備えたチューブ状のカテーテルとの組み合わせからなる骨髄採取用の医療器具セット。
  6. 請求項4記載の穿刺針と、その穿刺針の外針の空洞に挿入しうるガイドワイヤと、そのガイドワイヤを通す空洞を有し、前記穿刺針によって形成される骨の孔に挿入しうる、軸心方向に延びる湾曲した空洞を有する針状デバイスとの組み合わせからなる骨髄採取用の医療器具セット。
  7. 骨皮質に固定する固定手段および空洞を有する穿刺孔確保材を備えた請求項または記載の医療器具セット。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載の穿刺針と、その穿刺針の空洞に挿入可能なガイドワイヤと、前記ガイドワイヤの外周に通される屈曲可能なカテーテルとの組み合わせからなる骨髄採取用の医療器具セット。
  9. 前記ガイドワイヤの外周に摺動自在に装着されて案内される屈曲可能な先端部が硬性を有する探索管をさらに備えている請求項記載の医療器具セット。
  10. 骨皮質に固定する固定手段および空洞を有する穿刺孔確保材を備えた請求項または記載の医療器具セット。
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