JP5083803B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP5083803B2
JP5083803B2 JP2007064730A JP2007064730A JP5083803B2 JP 5083803 B2 JP5083803 B2 JP 5083803B2 JP 2007064730 A JP2007064730 A JP 2007064730A JP 2007064730 A JP2007064730 A JP 2007064730A JP 5083803 B2 JP5083803 B2 JP 5083803B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
main groove
pneumatic tire
groove
width direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007064730A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008222091A (ja
Inventor
幸洋 木脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2007064730A priority Critical patent/JP5083803B2/ja
Publication of JP2008222091A publication Critical patent/JP2008222091A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5083803B2 publication Critical patent/JP5083803B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、タイヤ周方向に延びる主溝からタイヤ幅方向の両外側に向かって傾斜して延びる複数の傾斜溝をトレッド部に有し、車両への装着時に回転方向が指定される空気入りタイヤに関し、特に、排水性能の低下を抑制しつつ制動性能を向上させた空気入りタイヤに関する。
例えばラジアルタイヤ等の空気入りタイヤは、一般に、トレッド部の路面と接する外周面(踏面)に、要求させるタイヤ性能等に応じて、各種の溝やサイプ等からなるトレッドパターンが形成されている。このトレッドパターンの代表的なものとして、従来、各溝をタイヤの回転方向に対して所定方向に傾斜させて配列させる等、パターンの構成要素をタイヤの回転方向に対して方向性を有するように形成し、高い排水性能等を確保した、いわゆる方向性パターンが知られている(特許文献1参照)。
図3は、特許文献に記載されたものではないが、このような従来の方向性パターンを有する空気入りタイヤのトレッドパターンの例を展開して示す平面図であり、そのタイヤ周方向の一部を模式的に示している。
なお、このような方向性パターンを有する空気入りタイヤは、車両に対し、その回転方向(車両前進時の回転方向)がパターンの性能を発揮し得る指定方向になるように装着される。図では、矢印Rで示す方向が、この車両装着時の指定された回転方向である。
この空気入りタイヤ100は、図示のように、トレッド部2に、タイヤ赤道面CL上に配置されたタイヤ周方向(図では上下方向)に延びる主溝10と、主溝10からタイヤ幅方向(図では左右方向)の両外側に向かって傾斜して延びる複数の傾斜溝20と、傾斜溝20間を結ぶ略タイヤ周方向に延びる複数の副溝11と、を有し、これら各溝10、11、20によりトレッド部2を複数のブロック30、31に区画している。
傾斜溝20は、タイヤ赤道面CL側の一端側が主溝10に連通し、そこからタイヤ幅方向の両外側に向かって、主溝10を挟んだ両側で互いにタイヤ幅方向に対して逆方向に傾斜してトレッド端TEまで延び、タイヤ周方向に所定の間隔で配置されている。また、各傾斜溝20は、タイヤ赤道面CLからトレッド端TEに向かって順に、主溝10から延びる中央側部21、略タイヤ周方向に屈曲する副溝11が連結された屈曲部22、及びトレッド端TEに開口する外側部23からなり、中央側部21のタイヤ幅方向に対する傾斜角度が、外側部23のそれよりも大きくなっている。更に、この空気入りタイヤ100では、これら複数の傾斜溝20を、主溝10からタイヤ幅方向の両外側に向かって、それぞれタイヤの回転方向Rの逆側(反回転方向側)(図では上側)に傾斜して延びるように、主溝10を挟んで略対称に形成している。これにより、複数の傾斜溝20を、全体として主溝10側がタイヤの回転方向Rに向かって延びる略V字状に配置している。
この従来の空気入りタイヤ100では、このように複数の傾斜溝20を配置して、タイヤ転動時に、各傾斜溝20を、主溝10に連通する部分から、タイヤ幅方向外側に向かって順に接地させる。これにより、主溝10内の水を、タイヤ回転に伴い各傾斜溝20に排水させ、接地面内の水を、傾斜溝20内をトレッド端TE側に向かって移動させて外部に円滑に排出している。空気入りタイヤ100は、このように複数の傾斜溝20によるトレッドパターンの方向性を、タイヤ転動時(路面接地時)に生じるトレッド部2と路面との間の水の流れ(流線)と一致させ、タイヤの排水性能を高めて耐ハイドロプレーニング性能を向上させている。
ところが、この空気入りタイヤ100では、タイヤ転動時に、タイヤ赤道面CL側の中央側ブロック30が、その回転方向Rの前方側(図では下側)に位置する傾斜溝20により区画された鋭角な角部、即ち、剛性が低い部分の先端から接地する。そのため、車両の制動時には、路面から受ける力等により、中央側ブロック30の主溝10側に位置する鋭角角部がめくれるように変形する等、その付近の中央側ブロック30に大きな変形が生じる傾向がある。その結果、この従来の空気入りタイヤ100では、トレッド部2が発揮する制動力が小さくなって、充分な制動性能が得られない恐れがあり、特に新品時の制動性能を確保するのが難しいという問題がある。
ここで、このような問題に対処するトレッドパターンの設計手法としては、各傾斜溝20のタイヤ幅方向に対する傾斜方向を、この空気入りタイヤ100と逆方向にし、トレッドパターンの方向性を逆方向に形成することが考えられる。
図4は、この逆方向の方向性パターンを有する空気入りタイヤのトレッドパターンの例を展開して示す平面図であり、そのタイヤ周方向の一部を模式的に示している。
この空気入りタイヤ110は、図示のように、トレッド部2に、上記した空気入りタイヤ100(図3参照)と同様の構成を有するが、複数の傾斜溝20を、主溝10からタイヤ幅方向の両外側に向かって、それぞれタイヤの回転方向R側(図では下側)に傾斜して延びるように形成し、全体として略逆V字状に配置している。
この空気入りタイヤ110では、中央側ブロック30の主溝10側の鋭角な角部を、その回転方向Rの後方側(図では上側)に位置させ、転動時に、トレッド端TE側に位置する、変形に対する剛性等が比較的高い外側ブロック31が先に接地するようにしている。これにより、この空気入りタイヤ110では、上記した中央側ブロック30(鋭角角部)のめくれ変形を防止して、制動時の中央側ブロック30の変形を抑制できる等、トレッド部2が発揮する制動力を大きくできるため、充分な制動性能を確保することができる。
ところが、この空気入りタイヤ110では、上記した空気入りタイヤ100(図3参照)とは逆に、タイヤ転動時に、各傾斜溝20がトレッド端TE側から順に接地して主溝10に連通する部分が最後に接地するため、タイヤ回転に伴い、両側の各傾斜溝20内の水が、タイヤ赤道面CL側に移動して主溝10内に流入(図4の矢印S)する。その結果、この空気入りタイヤ110では、両側からの水が合流する付近(図のW領域付近)を中心に、主溝10内の水流が大きく乱されて主溝10内の水の流れに乱流が発生し、これに起因して、主溝10内の水の円滑な流れ、及び各溝10、20内からの円滑な排水が妨げられて排水性能が低くなる傾向がある。従って、この空気入りタイヤ110では、制動性能を高めることができるものの、排水性能が低下して充分な耐ハイドロプレーニング性能を確保できない恐れがある。
特開2002−337513号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、車両装着時に回転方向が指定される空気入りタイヤの制動性能を向上させるとともに、排水性能の低下を抑制して充分な耐ハイドロプレーニング性能を確保することである。
請求項1の発明は、トレッド部に、タイヤ周方向に延びる(本発明では、タイヤ周方向に直線状に延びる場合に加えて、同方向にジグザグ状や波状に延びる等、タイヤ周方向の要素を含んで延びることをいう)主溝と、該主溝に連通し、該主溝を挟んだ両側で互いにタイヤ幅方向に対して逆方向に傾斜して延びる(本発明では、傾斜方向に向かって直線状に延びる場合に加えて、傾斜角度を連続変化させて湾曲しつつ、又は傾斜角度を不連続変化させて屈曲しつつ延びる等、タイヤ幅方向外側に向かって全体として実質的に傾斜して延びることをいう)複数の傾斜溝とを有し、車両装着時に回転方向が指定される空気入りタイヤであって、前記主溝内に形成されて該主溝の溝底からタイヤ半径方向外側に向かって先細り状に突出し、該主溝の内部をタイヤ幅方向に区画する該主溝に沿って延びる突条を有し、前記複数の傾斜溝が、前記突条が形成された前記主溝に開口し、該主溝からタイヤ幅方向の両外側に向かってそれぞれ前記回転方向側に傾斜して延びるように配置されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された空気入りタイヤにおいて、前記主溝が、タイヤ赤道面上に配置されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された空気入りタイヤにおいて、前記突条は、前記溝底からのタイヤ半径方向の突出高さが、前記主溝のタイヤ半径方向深さの50〜100%の範囲の高さであることを特徴とする
本発明によれば、車両装着時に回転方向が指定される空気入りタイヤの制動性能を向上できるとともに、排水性能の低下を抑制して充分な耐ハイドロプレーニング性能を確保することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の空気入りタイヤは、例えばラジアル構造のカーカス層を備えた乗用車用タイヤ等であり、一対のタイヤビード部に配置されたビードコアや、その間に渡ってトロイダル状に延びる少なくとも一層のカーカス層、トレッド部のカーカス層の外周側に配置されたベルト層、及び所定のトレッドパターンが形成されたトレッド(トレッドゴム)を備える等、周知の空気入りタイヤの構造を有する。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤ1のトレッドパターンを展開して示す平面図であり、そのタイヤ周方向の一部を模式的に示している。
また、この空気入りタイヤ1は、上記した空気入りタイヤ110(図4参照)と同様に、トレッドパターンが方向性パターンに形成されて車両装着時に回転方向が指定されるものであり、図では、矢印Rで示す方向が指定の回転方向である。
空気入りタイヤ1は、図示のように、トレッド部2に、タイヤ赤道面CL上に配置されたタイヤ周方向(図では上下方向)に延びる主溝10と、主溝10からタイヤ幅方向(図では左右方向)の両外側に向かって傾斜して延びる複数の傾斜溝20と、傾斜溝20間を結ぶ略タイヤ周方向に延びる複数の副溝11と、を有し、これら各溝10、11、20により、トレッド部2を複数のブロック30、31に区画している。
主溝10は、要求されるタイヤ性能等に応じて、タイヤ周方向に例えば直線状に、又はジグザグ状や波状に屈曲又は湾曲等しつつ延びる等、タイヤ周方向の要素を含んで、タイヤ赤道面CLに沿って連続して延びる形状に形成される。ここでは、主溝10は、直線状に、かつ、そのタイヤ幅方向の溝中心をタイヤ赤道面CLに略一致させて、所定の溝幅及び溝深さに形成されている。
傾斜溝20は、タイヤ赤道面CL側の一端側が主溝10に開口して連通し、そこからタイヤ幅方向の両外側に向かって、主溝10を挟んだ両側で互いにタイヤ幅方向に対して逆方向に傾斜して延びるように形成されている。また、各傾斜溝20は、それぞれタイヤ周方向に所定の間隔で、かつ主溝10の両側で僅かにずれたタイヤ周方向位置に配置され、そこからトレッド部2のタイヤ幅方向外側端(トレッド端TE)まで、例えば直線状に又は湾曲等して延びるように形成されている。
本実施形態では、これら複数の傾斜溝20を、主溝10からタイヤ幅方向の両外側に向かって、それぞれタイヤの回転方向R側(図では下側)に傾斜して延びるように、主溝10を挟んで略対称に形成している。これにより、複数の傾斜溝20を、全体として主溝10側がタイヤの回転方向Rの逆方向(反回転方向)(図では上方向)に向かって延びる略逆V字状に配置している。また、各傾斜溝20を、タイヤ赤道面CL(主溝10)からトレッド端TEに向かって順に、トレッド部2のタイヤ幅方向の中央領域に位置する中央側部21、タイヤ赤道面CLとトレッド端TEの略中間に位置して略タイヤ周方向に延びる屈曲部22、及びトレッド部2のタイヤ幅方向の外側(ショルダ部側)領域に位置する外側部23から構成している。
この傾斜溝20の中央側部21は、主溝10への開口部側のタイヤ幅方向に対する傾斜角度が比較的大きく、そこからタイヤ幅方向外側に向かって、同方向に対する傾斜角度を連続的に小さくし、僅かに湾曲して延びるように形成されている。屈曲部22は、中央側部21に続いてタイヤの回転方向R側に屈曲する部分であり、傾斜溝20は、この屈曲部22を挟んで傾斜角度が不連続に変化している。一方、外側部23は、屈曲部22に続いて再びタイヤ幅方向に傾斜して延びてトレッド端TEに開口する部分であり、中央側部21と同様に、屈曲部22側からトレッド端TEに向かって傾斜角度を連続的に小さくして僅かに湾曲している。ただし、外側部23は、中央側部21よりもタイヤ幅方向に対する傾斜角度が小さく、比較的タイヤ幅方向に近い方向に延びるように形成されている。
このように、傾斜溝20は、傾斜角度を連続変化させて湾曲しつつ、又は傾斜角度を不連続変化させて屈曲しつつ延びる等、タイヤ幅方向外側に向かって全体として実質的に傾斜して延びるように形成される。また、この空気入りタイヤ1では、各傾斜溝20を、タイヤの回転方向Rの後方側(反回転方向側)に向かうほどタイヤ赤道面CLに近づき、同方向に向かって、その傾斜方向も次第にタイヤ赤道面CLに近くなるように形成している。
副溝11は、タイヤ周方向に隣り合う傾斜溝20同士を連結する細溝又はサイプであり、タイヤ赤道面CLとトレッド端TEの略中間位置に、各傾斜溝20を挟んで両側に配置されて、各端部が傾斜溝20の屈曲部22付近に開口している。
この空気入りタイヤ1では、以上の各溝10、11、20によりトレッド部2を区画し、主溝10と副溝11との間に配置されたトレッド部2の中央領域に位置する中央側ブロック30と、副溝11とトレッド端TEとの間に配置されたトレッド部2の外側領域に位置する外側ブロック31と、を形成している。これら両ブロック30、31は、それぞれタイヤ周方向に配列されるとともに、傾斜溝20の各部21、22、23の傾斜角度や形状等に応じて、タイヤ幅方向に対して傾斜する平面視湾曲形状に形成されている。また、中央側ブロック30は、タイヤ幅方向に対する傾斜角度が、外側ブロック31のそれよりも大きく、かつ、主溝10側の鋭角な角部が、タイヤの回転方向Rの後方側(反回転方向側)に配置されている。
以上に加えて、この空気入りタイヤ1は、主溝10内に、その溝底から突出して主溝10に沿って延びる所定高さの突条40を有する。突条40は、主溝10をタイヤ幅方向に区画して、配置範囲内の主溝10の内部空間を2分割する溝分離壁又は隔壁としての機能を有し、タイヤ幅方向両側の中央側ブロック30から独立して、主溝10に沿って、その形状に合わせてタイヤ周方向に連続して延びている。また、この突条40は、タイヤ幅方向の断面形状(以下、単に断面形状という)が略矩形状や三角形状等の所定形状(ここでは略三角形状)に、かつタイヤ周方向に直線状に延びる形状に形成されている。
図2は、この突条40等を拡大して模式的に示す図1のX領域付近の斜視図であり、その付近をタイヤ幅方向に切断して示す一部断面図である。
突条40は、図示のように、主溝10の溝底10Aの略中央部に配置され、溝底10Aからタイヤ半径方向外側に向かって順次厚さを減少させて先細り状に延びるように突出し、断面形状が略三角形状に形成されている。また、突条40は、そのタイヤ半径方向外側の突出端41が、両側のブロック30から略等間隔の位置に配置され、主溝10を、それぞれタイヤ周方向に延びる2本の分離溝10B、10Cに区画している。加えて、この突条40は、溝底10Aから突出端41までのタイヤ半径方向の突出高さ(図のH)が、主溝10のタイヤ半径方向の深さ(図のD)に対して所定範囲(ここでは深さDの50〜100%の範囲の高さ)に形成されている。
以上説明したように、本実施形態の空気入りタイヤ1では、複数の傾斜溝20を、主溝10からタイヤ幅方向外側に向かってそれぞれタイヤの回転方向R側に傾斜して延びるように配置したため、上記した空気入りタイヤ110(図4参照)と同様の効果が得られる。即ち、この空気入りタイヤ1では、制動時に、中央側ブロック30の主溝10側の鋭角な角部にめくれ変形が生じるのを防止できるとともに、各ブロック30、31(特に中央側ブロック30)の変形を抑制できる等、制動時にトレッド部2が発揮する制動力を大きくでき、その制動性能を向上させることができる。
また、この空気入りタイヤ1では、主溝10内に、その内部をタイヤ幅方向に区画(分離)する突条40を形成したため、これにより、タイヤ回転に伴い、両側の各傾斜溝20から流入(図4の矢印S参照)する水が主溝10内で合流するのを防止、又は合流時の衝撃を緩和することができる。同時に、主溝10に両側から流入する水が、それぞれの側の分離溝10B、10C内を主に移動(流動)する等、主溝10内の水の流れを整流させて水流の乱れを低減することもできる。その結果、主溝10内で乱流が発生するのを抑制できるため、主溝10内の水の流れ、及び各溝10、20からの排水を円滑化でき、充分な排水性能を確保することもできる。
従って、本実施形態によれば、車両装着時に回転方向が指定される方向性パターンを有する空気入りタイヤ1の制動性能を向上できるとともに、排水性能の低下を抑制して充分な耐ハイドロプレーニング性能を確保することもできる。
ここで、突条40のタイヤ半径方向の突出高さH(図2参照)が、主溝10のタイヤ半径方向の深さDの50%の高さに満たないと、主溝10内に両側から流入する水の合流時の衝撃を充分に緩和できない等、主溝10内の乱流の発生を抑制する効果が小さくなり、必要な排水性能を確保できない恐れがある。一方、突条40の突出高さHを、主溝10の深さDの100%を超える高さにしても、その乱流を抑制する効果は変化せず、従って、突条40の突出高さHは、主溝10の深さDの50〜100%の範囲の高さに形成するのが望ましい。
なお、本実施形態では、突条40の断面形状を略三角形状に形成したが、この断面形状は、例えば略矩形状や台形状等の他の形状に形成してもよく、その突出端部の形状も、尖ったもの以外、例えば平面形状や曲面形状等、他の形状であってもよい。ただし、突条40は、その突出端部の形状を問わず、主溝10の溝底10Aからタイヤ半径方向外側に向かって先細り状に突出する形状に形成することで、変形に対する剛性を高めつつ、主溝10内に水が流れる充分な容積を確保できるため、そのような形状に形成するのがより望ましい。
また、この空気入りタイヤ1では、主溝10をタイヤ赤道面CL上に配置したが、主溝10は、タイヤ赤道面CLの近傍位置、又はトレッド部2の中央領域に配置する等、タイヤ赤道面CLからタイヤ幅方向にずれた位置に配置してもよい。しかしながら、本実施形態のように、主溝10をタイヤ赤道面CL上に配置した場合には、タイヤ転動時に、タイヤ赤道面CLを挟んだ両側の水を均等に排出できる等、空気入りタイヤ1の性能をタイヤ幅方向で均一にできるため、主溝10は、タイヤ赤道面CL上に配置するのが望ましい。
更に、本実施形態では、トレッド部2に1本の主溝10を有する空気入りタイヤ1を例に採り説明したが、本発明は、この主溝10に加えて、タイヤ幅方向の他の位置にタイヤ周方向に延びる複数の主溝を有する等、この空気入りタイヤ1が有する各溝10、11、20以外の溝等を有する空気入りタイヤに適用することもできる。
(タイヤ試験)
本発明の効果を確認するため、以上説明したトレッドパターン(図1、2参照)を形成した実施例の空気入りタイヤ1(以下、実施品という)と、実施品に対して主溝10内に突条40を有さない比較例(図4参照)の空気入りタイヤ110(以下、比較品という)と、突条40を有さず、かつ複数の傾斜溝20を、実施品及び比較品の複数の傾斜溝20とタイヤ幅方向に対して逆方向に傾斜させた従来例(図3参照)の空気入りタイヤ100(以下、従来品という)を試作し、以下の条件で制動性能と耐ハイドロプレーニング性能(排水性能)を試験して評価した。
これら各タイヤはいずれも、JATMA YEAR BOOK(2007、日本自動車タイヤ協会規格)で定めるタイヤサイズ205/55R16の乗用車用ラジアルプライタイヤ(サマータイヤ)である。
試験では、各タイヤを、リム幅6.5J−16のリムに組み付けて、欧州向けのセダン型車両に回転方向を指定方向に向けて装着し、ドライバの体重に600Nの荷重を加えた荷重条件下で、車両指定内圧を充填した。また、制動性能試験は、各タイヤを装着した車両を乾燥路面上で走行させて、ABS(Anti-lock Brake System)機能を発揮させた状態で制動(ブレーキ)をかけ、時速100kmからの車両の減速度を測定して、それらを比較して評価した。一方、耐ハイドロプレーニング性能試験は、各タイヤを装着した車両を水深10mmの路面上で走行させ、加速時に、各車両にハイドロプレーニング現象が発生する速度(ハイドロプレーニング発生速度)を測定して、それらを比較して評価した。
表1に、これら各試験の結果を示すが、各試験結果(性能)は、従来品の減速度、及びハイドロプレーニング発生速度を100とした指数で表し、その値が大きいほど各試験結果が良好で性能が優れていることを示す。
Figure 0005083803
試験の結果、表1に示すように、乾燥路での制動性能は、従来品の100に対し、比較品では103、実施品では104と、共に高くなっており、比較品及び実施品では制動性能が向上したことが分かった。また、耐ハイドロプレーニング性能は、従来品の100に対し、各傾斜溝20の傾斜方向が異なる比較品では91と大きく低下していた。一方、実施品の耐ハイドロプレーニング性能は98であり、各傾斜溝20の傾斜方向が同じ方向である比較品のそれよりも高く、従来品に近い性能を発揮して同程度に維持できることが分かった。
以上の結果から、本発明により、車両装着時に回転方向が指定される空気入りタイヤ1の制動性能を向上できるとともに、排水性能の低下を抑制して充分な耐ハイドロプレーニング性能を確保できることが証明された。
本実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンを展開して示す平面図である。 図1のX領域付近を拡大して模式的に示す斜視図である。 従来の方向性パターンを有する空気入りタイヤのトレッドパターンの例を展開して示す平面図である。 図3の空気入りタイヤに対し、逆方向の方向性パターンを有する空気入りタイヤのトレッドパターンの例を展開して示す平面図である。
符号の説明
1・・・空気入りタイヤ、2・・・トレッド部、10・・・主溝、10A・・・溝底、11・・・副溝、20・・・傾斜溝、21・・・中央側部、22・・・屈曲部、23・・・外側部、30・・・中央側ブロック、31・・・外側ブロック、40・・・突条、41・・・突出端、CL・・・タイヤ赤道面、TE・・・トレッド端。

Claims (3)

  1. トレッド部に、タイヤ周方向に延びる主溝と、該主溝に連通し、該主溝を挟んだ両側で互いにタイヤ幅方向に対して逆方向に傾斜して延びる複数の傾斜溝とを有し、車両装着時に回転方向が指定される空気入りタイヤであって、
    前記主溝内に形成されて該主溝の溝底からタイヤ半径方向外側に向かって先細り状に突出し、該主溝の内部をタイヤ幅方向に区画する該主溝に沿って延びる突条を有し、
    前記複数の傾斜溝が、前記突条が形成された前記主溝に開口し、該主溝からタイヤ幅方向の両外側に向かってそれぞれ前記回転方向側に傾斜して延びるように配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 請求項1に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記主溝が、タイヤ赤道面上に配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 請求項1又は2に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記突条は、前記溝底からのタイヤ半径方向の突出高さが、前記主溝のタイヤ半径方向深さの50〜100%の範囲の高さであることを特徴とする空気入りタイヤ。
JP2007064730A 2007-03-14 2007-03-14 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP5083803B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007064730A JP5083803B2 (ja) 2007-03-14 2007-03-14 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007064730A JP5083803B2 (ja) 2007-03-14 2007-03-14 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008222091A JP2008222091A (ja) 2008-09-25
JP5083803B2 true JP5083803B2 (ja) 2012-11-28

Family

ID=39841188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007064730A Expired - Fee Related JP5083803B2 (ja) 2007-03-14 2007-03-14 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5083803B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6175861B2 (ja) * 2013-03-29 2017-08-09 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4286586B2 (ja) * 2003-05-26 2009-07-01 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
JP4800709B2 (ja) * 2005-08-25 2011-10-26 株式会社ブリヂストン 二輪車用空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008222091A (ja) 2008-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108146154B (zh) 轮胎
EP3025874B1 (en) Pneumatic tire
CN107813661B (zh) 充气轮胎
EP3178668B1 (en) Pneumatic tire
EP3015286B1 (en) Pneumatic tire
JP4369734B2 (ja) 空気入りタイヤ
KR101834576B1 (ko) 공기 타이어
JP4905599B1 (ja) 空気入りタイヤ
JP5083451B1 (ja) 空気入りタイヤ
WO2016125814A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP5102711B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4420623B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2010247759A (ja) 空気入りタイヤ
EP2058145A1 (en) Pneumatic tire
JP6382647B2 (ja) 空気入りタイヤ
CN107639975B (zh) 轮胎
WO2012133334A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP7187255B2 (ja) 空気入りタイヤ
CN108501625B (zh) 轮胎
WO2008075630A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP2014073776A (ja) 空気入りタイヤ
JP4122179B2 (ja) 空気入りタイヤ
CN107867126B (zh) 轮胎
JP2012180063A (ja) 空気入りタイヤ
JP3035172B2 (ja) ラジアルタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120829

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120829

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150914

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees