JP5083739B2 - スクリュー・プロペラおよび推進器 - Google Patents

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Description

本発明は、スクリュー・プロペラおよびそれを備える推進器に関する。
船舶の推進力を得る推進装置としては、スクリュー・プロペラ(以下単に「プロペラ」と言う)を有するものが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロペラは、同公報の図2、図3に示されているように、単に板状をなす3枚の羽根を有している。このような構成のプロペラは、水中内で回転して各羽根がそれぞれ水を切った際に、それによってカルマン渦列やキャビテーションが生じ易いものとなっている。そして、カルマン渦列やキャビテーションが生じると、その分だけ、推進力が低下したり、騒音、振動、壊食が生じたりする等の不具合が起きるという問題があった。
特開2008−74389号公報
本発明の目的は、水中内でスクリュー・プロペラが回転した際、その回転によって得られる推進力が低下するのを確実に防止または抑制することができるスクリュー・プロペラおよび推進器を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(13)の本発明により達成される。
(1) ボスと、該ボスの外周部にその周方向に沿って配置された複数の羽根とを備え、船舶の推進力を得るのに使用されるスクリュー・プロペラであって、
前記複数の羽根のうちの少なくとも1枚の羽根は、当該スクリュー・プロペラが回転した際にその回転方向後方に位置する後縁が、複数箇所で屈曲または湾曲した波形をなすものであり、当該羽根は、水を押圧する圧力面と反対側の背面に突出形成され、前記波形の各山からそれぞれ前記後縁と反対側の前縁に向かって延びる突部を有し、
前記各突部の長さは、前記羽根の羽根先側に行くに従って順に長くなっており、
当該スクリュー・プロペラが回転した際、隣接する2つの前記突部同士の間に生じる渦同士が相殺し合うようになっていることを特徴とするスクリュー・プロペラ。
) 前記各突部は、それぞれ、その長手方向の途中に高さが最大となる最大高さ部を有する上記(1)に記載のスクリュー・プロペラ。
) 前記各突部の前記最大高さ部の高さは、それぞれ、同じである上記(2)に記載のスクリュー・プロペラ。
) 前記各突部の前記最大高さ部の高さは、前記羽根の羽根先側に行くに従って順に高くなっている上記(2)に記載のスクリュー・プロペラ。
) 前記各突部は、それぞれ、その長手方向の途中に幅が最大となる最大幅部を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のスクリュー・プロペラ。
) 前記各突部の前記最大幅部の幅は、それぞれ、同じである上記(5)に記載のスクリュー・プロペラ。
) 前記各突部の前記最大幅部の幅は、前記羽根の羽根先側に行くに従って順に大きくなっている上記(5)に記載のスクリュー・プロペラ。
) 隣接する2つの前記突部のピッチは、前記羽根の羽根先側に行くに従って順に大きくなっている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のスクリュー・プロペラ。
) 前記各突部は、それぞれ、その頂部が角張っている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のスクリュー・プロペラ。
10) 前記波形の隣接する山同士を結んだ仮想線を想定したとき、該仮想線は、当該スクリュー・プロペラの回転方向に向かって湾曲している上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のスクリュー・プロペラ。
11) 前記前縁は、前記線と同方向に湾曲しており、その平均曲率が前記線の平均曲率よりも大きい上記(10)に記載のスクリュー・プロペラ。
12) 前記各羽根では、それぞれ、その羽根先側に前記突部が偏在している上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のスクリュー・プロペラ。
13上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のスクリュー・プロペラを備えることを特徴とする推進器。
本発明によれば、水中内でスクリュー・プロペラが回転すると、それによって各羽根の背面側に向かってカルマン渦が生じるが、この渦は、波形をなす後縁で細かく刻まれて、各突部の両側面に沿って流れる、さらに小さいカルマン渦となる。このとき、隣接する2つの突部同士との間では、一方の突部側の前記小さいカルマン渦と他方の突部側の前記小さいカルマン渦とが、互いに巻回方向が逆となる。これらの渦同士が干渉して、相殺し合う、すなわち、打ち消し合うこととなる。これにより、カルマン渦を解消することができ、よって、スクリュー・プロペラの回転することにより得られる推進力が、低下するのを確実に防止または抑制することができる。
本発明の推進器(スクリュー・プロペラ)を備える船舶を示す側面図である。 図1に示す推進器(本発明のスクリュー・プロペラの第1実施形態)の拡大部分縦断面図である。 図2中の矢印A方向から見た図(平面図)である。 図2中の矢印B方向から見た図である。 図4中のスクリュー・プロペラの羽根の拡大詳細図である。 図5中の矢印C方向から見た図である。 図5中のD−D線断面図である。 本発明のスクリュー・プロペラの第2実施形態を示す図である。 本発明のスクリュー・プロペラの第3実施形態を示す図である。 本発明のスクリュー・プロペラの第4実施形態を示す図である。
以下、本発明のスクリュー・プロペラおよび推進器を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の推進器(スクリュー・プロペラ)を備える船舶を示す側面図、図2は、図1に示す推進器(本発明のスクリュー・プロペラの第1実施形態)の拡大部分縦断面図、図3は、図2中の矢印A方向から見た図(平面図)、図4は、図2中の矢印B方向から見た図、図5は、図4中のスクリュー・プロペラの羽根の拡大詳細図、図6は、図5中の矢印C方向から見た図、図7は、図5中のD−D線断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1、図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図1〜図3中の右側を「前」または「船首側」、左側を「後」または「船尾側」と言う。
図1に示す船舶1は、船体2と、船体2の船尾に設置された推進器であるプロペラシステム3とを備えている。以下、各部の構成について説明する。
船体2は、人が搭乗したり、貨物を積載したりすることができるものである。この船体2には、操縦室21が設置されており、ここで舵とり操作やエンジン操作等を行なうことができる。
また、船体2には、エンジン22が内蔵されている。このエンジン22は、例えばディーゼル機関やガソリン機関であり、その動力をプロペラシャフト23を介して、プロペラシステム3に伝達することができる。なお、プロペラシャフト23は、船体2の船底24に固定された軸受け25によって回転可能に支持されている。
図2、図3に示すように、プロペラシステム3は、船舶用プロペラ(単に「プロペラ」と言う)4と、プロペラ4を覆うドラム(フード)6と、ドラム6内に設置された複数枚(図示の構成では5枚)の整流板7と、ドラム6の後部に設置された複数枚(図示の構成では5枚)の舵8と、各舵8をそれぞれ駆動する駆動機構9とを備えている。
図2に示すように、ドラム6は、筒状をなすドラム本体61と、ドラム本体61を船体2の船底24に連結、固定する固定部材としてのブラケット62とで構成されている。
ドラム本体61は、その中心軸が船体2の長手方向と平行となるように設置されている。また、ドラム本体61の長手方向の途中には、その内径が後方に向かって漸減したテーパ状をなすテーパ部611が形成されている。このような構成のドラム本体61内には、プロペラ4、整流板7および舵8が、船首側からこの順に配置されている。そして、ドラム本体61により、プロペラ4が回転することによって生じた推進エネルギを後方に確実に振り向けることができ、よって、推進エネルギの損失を防止することができる。
なお、ドラム本体61の最大内径は、船体2の大きさにもよるが、例えば、0.2〜7mであるのが好ましく、0.2〜4mであるのがより好ましい。ドラム本体61の最小内径は、船体2の大きさにもよるが、例えば、ドラム本体61の最大内径よりも1〜20%小さいのが好ましく、1〜10%小さいのがより好ましい。
また、ドラム本体61の外周部には、板状に突出したブラケット62が設置されている。このブラケット62を介して、ドラム本体61が船体2の船底24に固定されている。
ドラム6の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼等のような各種金属材料が挙げられる。また、このような材料は、整流板7や舵8の構成材料としても用いることができる。
図2に示すように、ドラム本体61の内側には、テーパ部611よりも後方に、5枚の整流板7が固定されている。これらの整流板7は、上下方向に1列に配置されている。また、各整流板7は、それぞれ、横断面形状が板状をなす部材で構成されており、水平方向に対し例えば5度傾斜している。
ところで、船舶1は、船尾側にエンジン22やプロペラシステム3が設置されているため、船尾側の方が船首側よりも重くなっている。このため、船舶1は、停止中では、船尾側がよりも船首側よりも沈む。そして、船舶1が推進した際には、整流板7が設置されていることにより、プロペラ4によって後方に押された水は、斜め下方に方向転換される。この方向転換された水の力により、船舶1は、船尾側の沈み分が相殺されるように、船尾側が浮き上がり、結果、水平な姿勢となる。これにより、船舶1は、安定して推進することができる。
なお、整流板7の枚数は、図示の構成では5枚であるがこれに限定されず、例えば、1枚、2枚、3枚、4枚または6枚以上であってもよい。
また、整流板7の水平方向に対する傾斜角度は、特に限定されないが、例えば、1〜8度であるのが好ましく、3〜5度であるのがより好ましい。
図2、図3に示すように、整流板7の後方には、板状をなす5枚の舵8が設置されている。これらの舵8は、水平方向に1列に配置されている(図3参照)。このような舵8が回動することにより、船舶1の推進方向を転換することができる。
また、5枚の舵8と前述した5枚の整流板7とで格子が構成され、その格子の各開口を水が通過する際、当該水は、絞られて後方に向かって勢いよく噴出する。これにより、推進力が増大する。なお、整流板7と舵8との離間距離は、特に限定されないが、例えば、0.1〜1mであるのが好ましく、0.1〜0.5mであるのがより好ましい。
舵8の枚数は、図示の構成では5枚であるがこれに限定されず、例えば、1枚、2枚、3枚、4枚、6枚以上であってもよい。
各舵8は、駆動機構9によって駆動する。図2、図3に示すように、駆動機構9は、各舵8にそれぞれ対応して設置された油圧シリンダ91と、油圧シリンダ91と舵8とを連結するクランク92と、パイプ93を介して油圧シリンダ91に作動流体としてのオイルを供給するポンプ94とを有している。
このような構成の駆動機構9では、ポンプ94から各油圧シリンダ91へのオイルの供給量に応じて当該油圧シリンダ91のシリンダロットが変位する。このシリンダロットが変位すると、その力がクランク92を介して舵8に伝達される。これにより、舵8が回動する(図3参照)。
図1に示すように、プロペラ4は、船体2に推進力を与えるスクリュー・プロペラである。プロペラ4は、ボス41と、ボス41に固定された複数枚(図示の構成では4枚)の羽根5を有している(図4参照)。
なお、プロペラ4の直径は、特に限定されないが、例えば、プロペラ4が格納されるドラム6の内径の1〜20%小さいのが好ましく、1〜10%小さいのがより好ましい。
また、プロペラ4の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、マンガン青銅、ニッケルアルミ青銅等が挙げられる。
ボス41は、円筒状をなし、プロペラシャフト23の後端部が挿入される部分である。ボス41の内周部とプロペラシャフト23の外周部とには、それぞれ、キー溝(図示せず)が形成されている。そして、ボス41とプロペラシャフト23とは、各キー溝に一括して挿入されるキー(図示せず)を介して互いに固定されている。
また、ボス41の船尾側の部分には、丸みを帯びたキャップ42が装着されている。
ボス41は、円筒状をなすものに限定されず、例えば、円柱状をなすものであってもよい。
ボス41の外周部には、その周方向に沿って等間隔に4枚の羽根5が配置されている。プロペラ4は、各羽根5がそれぞれボス41に対し固定されており、各羽根5のピッチが変化しない固定ピッチ・プロペラとなっている。4枚の羽根5の構成は、同じであるため、以下1枚の羽根5について代表的に説明する。
図4に示すように、羽根5は、板状部材で構成され、羽根先55が羽根元56よりも長さが長い、いわゆる展開輪郭が末広型ものである。羽根5の羽根先55は、外方に向かってほぼ円弧状をなすように湾曲した部分となっている。また、プロペラ4が図4中反時計回りに回転した際、羽根5は、紙面裏側の面が、水を押圧する圧力面51となり、その反対側、すなわち、紙面表側の面が背面52となる。また、羽根5は、その回転方向前方に位置する縁が、水を先に切る前縁53となり、その反対側、すなわち、回転方向後方に位置する縁が後縁54となる。
図5(図4についても同様)に示すように、羽根5の前縁53は、前記回転方向に向かってほぼ円弧状をなすように湾曲している。これにより、羽根5は、プロペラ4が回転した際、水を容易かつ確実に切ることができ、よって、その回転駆動が容易となる。
羽根5の後縁54は、その複数箇所(図示の構成では9箇所)で屈曲した、すなわち、4つの山(頂点)541と5つの谷542とが交互に配置された波形(鋸刃状)をなす部分となっている。これにより、後縁54は、前縁53のように単に円弧状をなすように湾曲した場合に比べて、その長さが増大したものとなる。これにより、後縁54の水と接触する部分が多くなり、その分、プロペラ4が回転した際に、後述する突部同士の間で小渦Q1、Q2が生じるのを防止または抑制することができる。これにより、プロペラ4の回転によって得られる推進力の低下を確実に防止または抑制することができる。
また、図5に示すように、後縁54は、その屈曲波形での隣接する山541同士を結んだ仮想線543を想定したとき、その仮想線543は、プロペラ4の回転方向、すなわち、前縁53と同方向に向かってほぼ円弧状に湾曲している。そして、前縁53の平均曲率は、仮想線543の平均曲率よりも大きい。このような平均曲率に大小関係が生じていることと、前述した後縁54が屈曲波形となすこととが相まって、前縁53の長さと後縁54の長さとにさらに顕著な差が生じる。これにより、プロペラ4が回転した際に、前記小渦Q1、Q2が生じるのを確実に防止または抑制することができ、よって、推進力の低下をより確実に防止または抑制することができる。
ところで、一般的にプロペラが回転すると、各羽根には、それぞれ、その船首側に向かってカルマン渦が生じる。このカルマン渦は、推進力の低下の原因の一つとなっている。そこで、プロペラ4は、渦をできる限り解消することができるよう構成されたものである。以下、これについて説明する。
図4〜図7に示すように、羽根5の背面52には、複数(図示の構成では4つ)の突部57a、57b、57c、57dが山状に突出形成されており、等間隔に配置されている。また、各突部57a〜57dは、それぞれ、後縁54の各山541から前縁53に向かって延びている。
羽根5が回転すると、それによって羽根5の船首側に向かってカルマン渦が生じるが、この渦は、波形をなす後縁54の各山541で細かく刻まれて、図5に示すように、各突部57a〜57dの両側面572に沿って流れる、さらに小さいカルマン渦(以下この渦を「小渦」と言う)Q1、Q2となる。
このとき、例えば、突部57aと、突部57aに隣接する突部57bとの間では、互いに巻回方向が逆となる突部57a側の小渦Q1と突部57b側の小渦Q2とが、干渉して、相殺し合う、すなわち、打ち消し合うこととなる。この現象は、突部57bと突部57cとの間、突部57cと突部57dとの間についても同様である。
以上により、推進力の低下の原因の一つであるカルマン渦を解消することができる。これにより、推進力が低下するのを確実に防止(または抑制)することができる。また、キャビテーションも解消することができ、よって、キャビテーションによる推進力の低下、その他、騒音、振動、壊食等も防止することができる。
また、図5、図7に示すように、各突部57a〜57dの長さLは、羽根先55側に行くに従って順に長くなっている。換言すれば、隣接する2つの突部同士の長さLを比べた場合、羽根先55側の突部の長さが、羽根元56側の突部の長さよりも長い。これにより、プロペラ4が例えば回転数が2500〜4000rmpの高速で回転した場合、プロペラ4の外側での水との摩擦を低減することができ、よって、過流を防止することができる。
図5〜図7に示すように、各突部57a〜57dには、それぞれ、その長手方向の途中、図示の構成では後縁54の2つの谷542の間に、高さHが最大で、幅Wも最大となる最大部(最大高さ部・最大幅部)571が形成されている。この最大部571が形成されていることにより、例えば、突部57aと突部57bとの間では、最大部571でこれらの側面572同士の距離が最小となる。これにより、できる限り早期に、突部57aの最大部571と突部57bの最大部571との間の付近で小渦Q1と小渦Q2とが最も接近して相殺し合い、小渦Q1、Q1を迅速に解消することができる。また、プロペラ4の周囲に過流や乱流が生じるのを防止することができるとともに、振動も抑制することができる。これは、突部57bと突部57cとの間、突部57cと突部57dとの間についても同様である。
また、各突部57a〜57dでは、それぞれ、最大部571よりも山541側の部分は、その高さHおよび幅Wが山541側に向かって漸減しており、同様に、最大部571よりも前縁53側の部分も、その高さHおよび幅Wが前縁53側に向かって漸減している。
図6に示すように、各突部57a〜57dの最大部571は、それぞれ、その高さHおよび幅Wが同じである。これにより、例えばエンジン22が低速や中速のものである場合に、好適に小渦Q1、Q1を解消することができる。ここで、「低速」とは、回転数が例えば300rpm以下のことを言い、「中速」とは、回転数が例えば300〜1000rpmのことを言う。また、船舶1が小型船舶の場合、そのプロペラ4の大きさは、比較的小さいものとなるため、プロペラ4の中心と外側とで圧力差が少なくなる傾向にあり、よって、各最大部571がそれぞれ高さHおよび幅Wが同じであることは、小型船舶に適している。
また、各突部57a〜57dは、それぞれ、その頂部573が角張っている。これにより、各突部57a〜57dの頂部573付近でポケットが生じるのを防止することができ、よって、小渦Q1、Q2の発生を抑制することができる。
図4に示すように、プロペラ4では、隣接する2枚の羽根5同士は、一方の羽根5の前縁53と、他方の羽根5の後縁54の山541との距離が、外方に向かって漸増している。
<第2実施形態>
図8は、本発明のスクリュー・プロペラの第2実施形態を示す図である。
以下、この図を参照して本発明のスクリュー・プロペラおよび推進器の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、各突部の大きさが異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図8に示すプロペラ4Aでは、各突部57a〜57dの最大部571の高さHは、羽根先55側に行くに従って順に高くなっている。
羽根5は、ボス41を回転中心として回転しており、当該羽根5に接する水には、遠心力が作用する。このため、小渦Q1、Q2の大きさは、羽根先55側にあるものの方が、羽根元56側にあるものよりも大きくなる傾向にある。プロペラ4Aでは、この羽根先55側の大きい小渦Q1、Q2を、高さHが高い突部57aや突部57bで解消することができる。これにより、推進力が低下するのを確実に防止することができる。
<第3実施形態>
図9は、本発明のスクリュー・プロペラの第3実施形態を示す図である。
以下、この図を参照して本発明のスクリュー・プロペラおよび推進器の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、各突部の大きさが異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図9に示すプロペラ4Bでは、各突部57a〜57dの最大部571の幅Wは、羽根先55側に行くに従って順に大きくなっている。また、突部57aと突部57bとのピッチP、突部57bと突部57cとのピッチP、突部57cと突部57dとのピッチPも、羽根先55側に行くに従って順に大きくなっている。
羽根5は、ボス41を回転中心として回転しており、当該羽根5に接する水には、遠心力が作用する。このため、小渦Q1、Q2の大きさは、羽根先55側にあるもの方が、羽根元56側にあるものよりも大きくなる傾向にある。プロペラ4Bでは、この羽根先55側の大きい小渦Q1、Q2を、ピッチPが大きい突部57aと突部57bとの間で解消することができる。これにより、推進力が低下するのを確実に防止することができる。
<第4実施形態>
図10は、本発明のスクリュー・プロペラの第4実施形態を示す図である。
以下、この図を参照して本発明のスクリュー・プロペラおよび推進器の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、各突部の配置状態が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図10に示すプロペラ4Cでは、各突部57a〜57dが羽根先55側に偏在している。
羽根5は、ボス41を回転中心として回転しており、当該羽根5に接する水には、遠心力が作用する。このため、小渦Q1、Q2は、羽根先55側に偏在する傾向にある。プロペラ4Cでは、この羽根先55側に偏在した小渦Q1、Q2を、これと同様に羽根先55側に偏在した各突部57a〜57dで解消することができる。これにより、推進力が低下するのを確実に防止することができる。
以上、本発明のスクリュー・プロペラおよび推進器を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、スクリュー・プロペラおよび推進器を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明のスクリュー・プロペラおよび推進器は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、プロペラは、図示の構成では固定ピッチ・プロペラであるが、これに限定されず、例えば、ピッチが変化する可変ピッチ・プロペラであってもよい。
また、プロペラに設置されている羽根の枚数は、前記各実施形態では4枚であるがこれに限定されず、例えば、2枚、3枚または5枚以上であってもよい。
また、羽根は、それぞれ、前記各実施形態ではその後縁が屈曲波形をなすものとなっているが、これに限定されず、例えば、後縁がその複数箇所で湾曲した湾曲波形をなすものとなっていてもよい。
また、羽根の背面に突出形成されている突部の形成数は、前記各実施形態では4つであるが、これに限定されず、例えば、2つ、3つまたは5つ以上であってもよい。
また、プロペラでは、前記各実施形態では各羽根がそれぞれ突部を有しているが、これに限定されず、例えば、突部を有する羽根と、突部が省略された羽根とが交互に配置されていてもよい。
また、プロペラでは、羽根は、その圧力面がフラットな面となっていているものであってもよいし、各突部に対応する位置に凹部が形成されたものであってもよい。
1 船舶
2 船体
21 操縦室
22 エンジン
23 プロペラシャフト
24 船底
25 軸受け
3 プロペラシステム
4、4A、4B、4C 船舶用プロペラ(プロペラ)
41 ボス
42 キャップ
5 羽根
51 圧力面
52 背面
53 前縁
54 後縁
541 山(頂点)
542 谷
543 仮想線
55 羽根先
56 羽根元
57a、57b、57c、57d 突部
571 最大部(最大高さ部・最大幅部)
572 側面
573 頂部
6 ドラム(フード)
61 ドラム本体
611 テーパ部
62 ブラケット
7 整流板
8 舵
9 駆動機構
91 油圧シリンダ
92 クランク
93 パイプ
94 ポンプ
H 高さ
L 長さ
P ピッチ
Q1、Q2 小渦(渦)
W 幅

Claims (13)

  1. ボスと、該ボスの外周部にその周方向に沿って配置された複数の羽根とを備え、船舶の推進力を得るのに使用されるスクリュー・プロペラであって、
    前記複数の羽根のうちの少なくとも1枚の羽根は、当該スクリュー・プロペラが回転した際にその回転方向後方に位置する後縁が、複数箇所で屈曲または湾曲した波形をなすものであり、当該羽根は、水を押圧する圧力面と反対側の背面に突出形成され、前記波形の各山からそれぞれ前記後縁と反対側の前縁に向かって延びる突部を有し、
    前記各突部の長さは、前記羽根の羽根先側に行くに従って順に長くなっており、
    当該スクリュー・プロペラが回転した際、隣接する2つの前記突部同士の間に生じる渦同士が相殺し合うようになっていることを特徴とするスクリュー・プロペラ。
  2. 前記各突部は、それぞれ、その長手方向の途中に高さが最大となる最大高さ部を有する請求項1に記載のスクリュー・プロペラ。
  3. 前記各突部の前記最大高さ部の高さは、それぞれ、同じである請求項2に記載のスクリュー・プロペラ。
  4. 前記各突部の前記最大高さ部の高さは、前記羽根の羽根先側に行くに従って順に高くなっている請求項2に記載のスクリュー・プロペラ。
  5. 前記各突部は、それぞれ、その長手方向の途中に幅が最大となる最大幅部を有する請求項1ないし4のいずれかに記載のスクリュー・プロペラ。
  6. 前記各突部の前記最大幅部の幅は、それぞれ、同じである請求項5に記載のスクリュー・プロペラ。
  7. 前記各突部の前記最大幅部の幅は、前記羽根の羽根先側に行くに従って順に大きくなっている請求項5に記載のスクリュー・プロペラ。
  8. 隣接する2つの前記突部のピッチは、前記羽根の羽根先側に行くに従って順に大きくなっている請求項1ないし7のいずれかに記載のスクリュー・プロペラ。
  9. 前記各突部は、それぞれ、その頂部が角張っている請求項1ないし8のいずれかに記載のスクリュー・プロペラ。
  10. 前記波形の隣接する山同士を結んだ仮想線を想定したとき、該仮想線は、当該スクリュー・プロペラの回転方向に向かって湾曲している請求項1ないし9のいずれかに記載のスクリュー・プロペラ。
  11. 前記前縁は、前記線と同方向に湾曲しており、その平均曲率が前記線の平均曲率よりも大きい請求項10に記載のスクリュー・プロペラ。
  12. 前記各羽根では、それぞれ、その羽根先側に前記突部が偏在している請求項1ないし11のいずれかに記載のスクリュー・プロペラ。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載のスクリュー・プロペラを備えることを特徴とする推進器。
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