JP7432877B2 - 船舶用プロペラガード、船舶、及び船舶用プロペラガードの設計方法 - Google Patents

船舶用プロペラガード、船舶、及び船舶用プロペラガードの設計方法 Download PDF

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Description

本発明は、船舶用プロペラガード、船舶、及び船舶用プロペラガードの設計方法に関する。詳しくは、船舶の推進性能を低下させることなく、プロペラの破損を防止することができる船舶用プロペラガード、船舶、及び船舶用プロペラガードの設計方法に係るものである。
わが国の沿岸地域においては、主にアジ、サバ、イワシ等の捕獲のための漁法として、魚の群れを網で囲い込んで獲る「まき網漁業」が行われている。まき網漁業は、魚群を探す「探索船」、光で魚を集める「灯船」、網を投入する「網船」、漁獲物を運ぶ「運搬船」といったように、それぞれの船が役割をもって操業する船団方式で行われるのが一般的である。
ところで、まき網漁業においては、船団の船舶が漁場で作業をする際に、網の近傍で低速で移動したり、浮子を超えたりする場合がある。このとき、船舶のプロペラが網や浮子を巻き込むと、プロペラが破損して船舶の航行が不能となったり、或いは網が破損して操業が不能となったりすることにより、操業者の安全性や経済性に多大な損失を生じることになる。
そこで、まき網漁業を行う船舶が、プロペラとまき網や浮子との接触を避けるために、プロペラ後方と船尾の間に丸棒材により構成された防護柵で囲むことでプロペラを保護するプロペラガードの開発が行なわれている(特許文献1)。
前記した特許文献1に開示のプロペラガードによれば、まき網や浮子を巻き込むことによるプロペラの破損を防止することはできる。一方、前記した従来の丸棒材から構成されたプロペラガードは、走行時に流体の抵抗を受けやすくなるため、船舶の推進性能を低下させ、さらにはプロペラガードの後流に発生する乱流渦により、プロペラガードからの振動や騒音が発生するという課題がある。
このような課題について、例えば特許文献2には、プロペラガードの構造や船体の取り付け構造を工夫することで、プロペラガードに起因する振動騒音を低減することが可能なプロペラガードが開示されている。具体的には、船尾側からの正面視で略U字状からなるプロペラガードにおいて、プロペラガードと船体の接続部分に防振ゴム等からなる振動吸収部材を介装することで、プロペラガードから発生する振動騒音を低減する技術が開示されている。
実開昭58-89499号公報 特開2008-18877号公報
前記した特許文献2に開示のプロペラガードによれば、船体との取り付けには防振ゴムを介して取り付けられることから、係る防振ゴムにおいてある程度の振動が吸収されるため、船舶の航行に際してプロペラガードの周囲より発生する振動騒音の抑制効果は期待されるものと推測できる。
しかしながら、プロペラガードを構成する部材は、断面略矩形の板状体からなるものである。そのため、前記特許文献1に開示のプロペラガードの丸棒材と同じく、板状体の周囲には剥離渦が発生しやすく、係る剥離渦の影響により船舶の推進性能が悪化することが懸念される。そのため、特許文献2に係るプロペラガードでは、依然として推進性能が悪化するという課題に対して十分に解決できるものとはなっていなかった。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、船舶の推進性能を低下させることなく、プロペラの破損を防止することができる船舶用プロペラガード、船舶、及び船舶用プロペラガードの設計方法を提供することを目的とするものである。
前記の目的を達成するために、本発明の船舶用プロペラガードは、回転軌道の半径がDと定義されるプロペラの回転中心から回転軸方向視で鉛直下方に略1.1D~1.3Dだけ離間した位置において、プロペラの回転中心から回転軸方向視で水平方向に略0.5D~0.8Dの範囲で水平軸方向に延在する第1の区画部と、プロペラの回転中心から回転軸方向視で略1.1D~1.3Dだけ離間した位置において、前記第1の区画部の端部を始端としてプロペラの回転中心から回転軸方向視で鉛直上方に略0.4D~1.0Dの高さ位置である終端まで、プロペラの外周端縁に沿って鉛直上方に向けて延在する第2の区画部と、該第2の区画部の終端を始端として、終端がプロペラの回転中心から回転軸方向視で水平方向に略0.6D~1.0Dの範囲で船体と接続されるように鉛直上方に向けて延在する第3の区画部とを備える。
ここで、プロペラの鉛直下方に、水平軸方向に延在する第1の区画部を備えることにより、プロペラの下面が第1の区画部により保護されるため、プロペラの下面に水面浮遊物(例えばまき網漁業において使用する浮子)が接触してプロペラが破損することを防止することができる。
また、第1の区画部は、プロペラの回転軌道の半径をDと定義した場合に、プロペラの回転中心から回転軸方向視で鉛直下方に略1.1D~1.3Dだけ離間した位置において水平軸方向に延在することにより、プロペラの外縁とプロペラガードとの距離が適切なものとなり、水流を船体からプロペラの回転中心に向けて誘導することができる。
即ち、船体からプロペラの回転中心に向かう水流により、第1の区画部におけるプロペラ側と船体外側の水流に流速差が生じ、プロペラ側に向けて大きな揚力を生じさせる。このとき、第1の区画部に生じた揚力により船体の船尾に鉛直方向上向きの力が作用し、船首喫水と船尾喫水の差(船体トリム)が小さくなるため、船体の推進性能を高めることができる。
さらにプロペラが回転することで、第1の区画部に作用する鉛直上向きの揚力のうち船体の推進方向成分により、船体を推進させる力が作用する。この推進力はプロペラの推進力を補助し、船体の推進性能を高めることができる。
なお、プロペラの回転中心から第1の区画部までの離間距離が略1.1D未満の場合には、第1の区画部のプロペラ側を流れる流速が速くなり過ぎることにより、プロペラ近傍の振動発生の要因となる。一方、プロペラの回転中心から第1の区画部までの離間距離が略1.3Dよりも大きい場合には、第1の区画部のプロペラ側を流れる流速が遅くなるためプロペラ側に向けて発生する揚力が小さくなる。従って、船体トリムが大きくなるとともに船体の推進抵抗も増加する。
また、第1の区画部は、プロペラの回転中心から回転軸方向視で水平方向に略0.5D~0.8Dの範囲で水平軸方向に延在することにより、第1の区画部の端部とプロペラの外縁の距離が適切なものとなり、船体が水面浮遊物を通過する際に、水面浮遊物がプロペラに接触することを防止することができる。
なお、第1の区画部が延在する範囲として、プロペラの回転中心から回転軸方向視で水平方向に略0.5D未満の場合には、第1の区画部の端部とプロペラの外縁の距離が短くなるため、船体が水面浮遊物を通過する際に、水面浮遊物がプロペラに接触する可能性が高まる。
一方、第1の区画部の延在する範囲として、プロペラの回転中心から回転軸方向視で水平方向に略0.8Dよりも大きい場合には、第1の区画部の端部とプロペラの回転中心との距離が長くなるため、第1の区画部のプロペラ側の水流の流速が遅くなることにより、プロペラ側に向けて発生する揚力が小さくなり、さらには揚力の船体の推進方向成分も小さくなる。従って、船体トリムが大きくなるとともに、船体の推進抵抗も増加する。
また、プロペラの外周端縁に沿って鉛直上方に向けて延在する第2の区画部を備えることにより、プロペラの側縁が第2の区画部により保護されるため、プロペラの側面に水面浮遊物が接触してプロペラが破損することを防止することができる。
また、第2の区画部は、プロペラの回転中心から回転軸方向視で略1.1D~1.3Dだけ離間した位置において、プロペラの回転中心から鉛直上方に回転軸方向視で略0.4D~1.0Dの高さ位置である終端までプロペラの外周端縁に沿って鉛直上方に向けて延在することにより、水流を船体外側からプロペラの回転中心に向けて誘導することがでる。
即ち、船体からプロペラの回転中心に向かう水流により、第2の区画部におけるプロペラ側と船体外側の水流に流速差が生じ、プロペラ側に向けて大きな揚力が生じる。このとき、第2の区画部に生じた揚力の船体の推進方向成分により、船体を推進させる力が作用する。この推進力はプロペラの回転によりさらに強くなるため、プロペラの推進力を補助し、船体の推進性能を高めることができる。
なお、プロペラの回転中心から第2の区画部までの離間距離が回転軸方向視で略1.1D未満の場合には、第2の区画部のプロペラ側を流れる流速が速くなり過ぎるため、プロペラ近傍の振動発生の要因となる。
一方、プロペラの回転中心から第2の区画部までの離間距離が回転軸方向視で略1.3Dよりも大きい場合には、第2の区画部のプロペラ側を流れる流速が遅くなるため推進性能を得ることができず、船体の推進抵抗が増加する。
また、第2の区画部の終端位置として、プロペラの回転中心から回転軸方向視で鉛直上方に略0.4Dよりも低い場合には、第2の区画部の周囲流れとしてプロペラの回転による流れが支配的となるため船体外側からの流れを利用することができず、十分な揚力を得ることができない。
一方、第2の区画部の終端位置として、プロペラの回転中心から回転軸方向視で鉛直上方に略Dよりも高い場合には、第2の区画部のプロペラ側の流れとして船体外側からの流れが支配的となるためプロペラの回転による流れを利用することができず、十分な揚力を得ることができない。従って、船体トリムが大きくなるとともに、船体の推進抵抗も増加する。
また、第2の区画部から船体に至るまで鉛直上方に向けて延在する第3の区画部を備えることにより、プロペラの側縁から上方にかけて第3の区画部により保護されるため、プロペラの側面に水面浮遊物が接触してプロペラが破損することを防止することができる。
また、第3の区画部は、第2の区画部の終端を始端として、終端がプロペラの回転中心から回転軸方向視で水平方向に略0.6D~1.0Dの範囲で船体と接続されることにより、船体外側からの水流をプロペラの回転中心に向けて誘導することがでる。
即ち、船体からプロペラの回転中心に向かう水流により、第3の区画部におけるプロペラ側と船体外側の水流に流速差が生じ、プロペラ側に向けて大きな揚力が生じる。このとき、第3の区画部に生じた揚力の船体の推進方向成分により、船体を推進させる力が作用する。
なお、第3の区画部の船体との接続部分(第3の区画部の終端位置)が、プロペラの回転中心から回転軸方向視で水平方向に略0.6D未満の位置である場合には、第3の区画部がプロペラに近接することで、プロペラ側を流れる流速が速くなり過ぎるため、プロペラ近傍の振動発生の要因となる。
一方、第3の区画部の終端が、プロペラの回転中心から回転軸方向視で水平方向に略1.0Dよりも大きい位置である場合には、第3の区画部のプロペラ側を流れる流速が遅くなるため推進性能を得ることができず、船体の推進抵抗が増加する。
また、第2の区画部は、始端が第1の区画部と第1の屈曲部を介して連接された第1の直線部、及び第1の直線部の終端と第2の屈曲部を介して連接された第2の直線部から構成され、プロペラの回転中心と第1の屈曲部を結んだ第1の仮想直線、及びプロペラの回転中心と第2の屈曲部を結んだ第2の仮想直線のなす角度が略35~45度である場合には、船体からプロペラの回転中心に向かう水流により、第2の区画部におけるプロペラ側と船体外側の水流に流速差が生じ、プロペラ側に向けて大きな揚力が生じる。このとき、第2の区画部に生じた揚力の船体の推進方向成分により、船体を推進させる力が作用する。この推進力はプロペラの回転によりさらに強くなるため、プロペラの推進力補助し、船体の推進性能を最も高めることができる。
また、第3の区画部は、始端が第2の区画部と第3の屈曲部を介して連接された第3の直線部、及び第3の直線部の終端と第4の屈曲部を介して連接され終端が船体に接続された第4の直線部から構成され、プロペラの回転中心と第3の屈曲部を結んだ第3の仮想直線、及びプロペラの回転中心と第4の屈曲部を結んだ第4の仮想直線のなす角度が略35~45度である場合には、船体からプロペラの回転中心に向かう水流により、第3の区画部におけるプロペラ側と船体外側の水流に流速差が生じ、プロペラ側に向けて大きな揚力が生じる。このとき、第3の区画部に生じた揚力の船体の推進方向成分により、船体の推進性能を最も高めることができる。
また、第1の区画部、第2の区画部、及び第3の区画部の断面形状は膨出部と平坦部からなる非対称翼型であり、膨出部がプロペラ側を指向する場合には、プロペラ側に向かう揚力を発生させることができるため、船体の推進性能を高めることができる。
前記の目的を達成するために、本発明の船体は、船体と、回転軌道の半径がDと定義され前記船体の船尾に配置されたプロペラと、該プロペラの回転中心から回転軸方向視で鉛直下方に略1.1D~1.3Dだけ離間した位置において前記プロペラの回転中心から水平方向に略0.5D~0.8Dの範囲で水平軸方向に延在する第1の区画部、前記プロペラの回転中心から回転軸方向視で略1.1D~1.3Dだけ離間した位置において前記第1の区画部の端部を始端として前記プロペラの回転中心から回転軸方向視で鉛直上方に略0.4D~1.0Dの高さ位置である終端まで前記プロペラの外周端縁に沿って鉛直上方に向けて延在する第2の区画部、該第2の区画部の終端を始点として終端が前記プロペラの回転中心から回転軸方向視で水平方向に略0.6D~1.0Dの範囲で前記船体と接続されるように鉛直上方に向けて延在する第3の区画部を有するプロペラガードとを備える。
前記の構成により、プロペラに水面浮遊物が接触してプロペラが破損することを防止することができる。さらに、第1の区画部、及び第2の区画部とプロペラとの離間距離を適度なものとすることで、船体からの水流とプロペラの回転による水流を効率的に利用して船体の推進性能を高めることができる。さらに第3の区画部とプロペラとの離間距離が適度なものとなることで、船体からの水流を効率的に利用することで、船体の推進性能を高めることができる。
前記の目的を達成するために、本発明の船舶用プロペラガードの設計方法は、前記第3の区画部をモデル化するステップは、始端が前記第2の区画部の終端と第3の屈曲部を介して連接された第3の直線部をモデル化するステップと、前記第3の直線部の終端と第4の屈曲部を介して連接され終端が船体に接続された第4の直線部をモデル化するステップと、を有し、前記第3の直線部をモデル化するステップと、前記第4の直線部をモデル化するステップにおいて、プロペラの回転中心と前記第3の屈曲部を結んだ第3の仮想直線、及びプロペラの回転中心と前記第4の屈曲部を結んだ第4の仮想直線のなす角度が略35~45度となるようにモデル化するステップを含む。
以上の設計方法により設計された船舶用プロペラガードにより、プロペラに水面浮遊物が接触してプロペラが破損することを防止することができる。また、第1の区画部、及び第2の区画部とプロペラとの離間距離を適度なものとすることで、船体からの水流とプロペラの回転による水流を効率的に利用して船体の推進性能を高めることができる。さらに第3の区画部とプロペラとの離間距離が適度なものとなることで、船体からの水流を効率的に利用することで、船体の推進性能を高めることができる。
本発明に係る船舶用プロペラガード、船舶、及び船舶用プロペラガードの設計方法は、船舶の推進性能を低下させることなく、プロペラの破損を防止することができるものとなっている。
本発明の実施形態に係るプロペラガードであり、(a)は船尾側からみた正面図、(b)は船体右側からみた側面図である。 本発明の実施形態に係るプロペラガードの断面図である。 本発明の実施形態に係るプロペラガードの設計方法の説明図ある。 本発明の実施形態に係るプロペラガードを装着した場合の、プロペラの回転数と船体に発生する抗力の関係を示すグラフである。 CFD計算による解析結果を示す図であり、(a)はプロペラガード非装着、(b)は本発明の実施形態に係るプロペラガードを装着、(c)は(b)においてプロペラを駆動した場合のそれぞれ圧力分布、及び流線を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。なお、各図において説明の便宜上、プロペラガードを船体に設置した状態において、上方に向かう方向を上方、上方の反対方向を下方、上方および下方により表される軸方向を鉛直方向、鉛直方向と垂直な船体の幅方向を水平方向とそれぞれ定義する。
まず、本発明の実施形態に係るプロペラガード3について図1乃至図3を用いて説明する。プロペラガード3は、船体1の船尾側であって、船体1の幅方向の略中心部が回転中心となるように船体1に取り付けられたプロペラ2の外周縁を囲むように、その一部が船体1に取り付けられている(なお、以下では、プロペラの回転中心を通過する鉛直直線を「船体中心線l」という。)。
ここで、必ずしも、プロペラ2は、その回転中心が船体の幅方向の略中心部分に位置するように船体1に取り付けられている必要はない。例えば、船体中心線lを境界として、左右に鏡面対称となるように2個のプロペラを備えるタイプの船舶や、その他プロペラの配置については様々なタイプの船舶に対して本発明の実施形態に係るプロペラガード3を取り付けることができるものとする。
プロペラガード3は、船尾側からの正面視において船体中心線lを境界として船体の左右で対称形状をなし、主に第1の区画部31、第2の区画部32、及び第3の区画部33から構成され、プロペラ2の外周縁の全体を覆い、また側面視においてプロペラ2の奥行全体を覆う大きさ、及び形状となっている。
プロペラガード3はその上方端が船体1の船尾に接続されるとともに、プロペラガード3の高さ方向の略中心位置付近からプロペラ2のボス21に向かって延在する支持板34により強固に固定されている。なお、プロペラガード3を構成する第1の区画部31、第2の区画部32、及び第3の区画部33の位置や寸法等については後述する。
第1の区画部31は、プロペラ2の外縁よりもやや鉛直下方であって、船体中心線lを境界として船体1の左右方向に均等な長さで、水平方向に所定の距離だけ延在している。この第1の区画部31は、その中間部分で分割されており、分割された端部が船体1の舵4を支持するシューピース5に溶接等の公知の手段により接続されている。
ここで、必ずしも、第1の区画部31は分割された構造である必要はなく、一体のものとして、その所定の位置がシューピース5に接続されていてもよい。
また、必ずしも、第1の区画部31はシューピース5に接続されている必要はない。例えば、シューピース5以外の船体部品に接続されていてもよい。なお、第1の区画部31がシューピース5に接続されていることにより、プロペラガード3の剛性が高まるため、航行中のプロペラガード3の破損等を未然に防止することができる。
第2の区画部32は、第1の区画部31の両端部からプロペラ2の所定の高さ位置までプロペラ2の外周端縁に沿って鉛直上方に延在する部材であり、第1の直線部321と第2の直線部322から構成されている。第1の直線部321は、内角が鈍角の所定の角度からなる第1の屈曲部323を介して始端が第1の区画部31の端部に連接され、プロペラ2の外周端縁に沿って鉛直方向斜め上方に向けて延在する。第2の直線部322は、第1の直線部の終端に内角が鈍角の所定の角度からなる第2の屈曲部324を介して連接され、プロペラ2の外周端縁に沿って船体中心線lに略平行に鉛直方向上方に向けて延在する。
第3の区画部33は、第2の区画部32から船体1の船尾に至るまで鉛直上方に延在する部材であり、第3の直線部331と第4の直線部332から構成されている。第3の直線部331は、内角が鈍角の所定の角度からなる第3の屈曲部333を介して始端が第2の区画部32の終端に連接され、プロペラ2の外周端縁に沿って鉛直方向斜め上方に向けて延在する。また、第4の直線部332は、第3の直線部の終端に優角の所定の角度からなる第4の屈曲部334を介して連接され、終端が船体1の船尾の所定の位置で接続されている。
プロペラガード3を構成する部材(第1の区画部31、第2の区画部32、及び第3の区画部33)は、図2に示すように、一側が膨出部35、他側が平坦部36からなる非対称の翼型断面形状から構成され、膨出部35がプロペラ側、平坦部36が船体外側を向くように配置されている。なお、本発明の実施形態において使用した翼型の膨出部35はNACA0012の翼型を基準とするものである。
プロペラガード3の断面形状を前記した翼型とすることにより、プロペラガード3の周囲においては、図2に示すように、プロペラガード3からプロペラ2側に向けて大きな揚力Lを発生させることができる。このプロペラガード3からプロペラ2に向けて発生する揚力Lは、船体1の船尾を水面側に押し上げることができるため、船体トリムが小さくなり、直進性能、及び旋回性能が高まり、船体1の航行持の安定性を高めることができる。さらに、揚力Lの推進方向成分Lxにより、プロペラ2の推進力を補助することができるため、船体1の推進性能も高めることができる。
ここで、必ずしも、プロペラガード3の断面形状は翼型である必要はない。但し、船体1の航行時における安定性、及び推進性を高めるという観点からは、プロペラガード3の断面形状を翼型とし、かつ膨出部35をプロペラ側、平坦部36を船体外側に向くようにすることが好ましい。
なお、プロペラガード3は、前記した支持板34により船体1に強固に固定されるため、船体1の推進方向の力が作用した場合でも、プロペラガード3の破損を防止できる。係る支持板34についても、その断面形状は非対称の翼型断面形状から構成されていることが好ましい。
次に、プロペラガード3の詳細な設計方法について、主に図3に基づいて説明する。なお、以下ではプロペラ2の回転軌道の半径をD、プロペラの回転中心をO(以下、「プロペラ回転中心O」という。)と定義し、前記した通り、プロペラガード3は船体中心線lを境界として左右両舷で対称形状をなすため、便宜上、船尾側からの正面視で左舷側のプロペラガード3について説明する。
[第1の区画部]
第1の区画部31は、プロペラ2の回転軸方向視で、プロペラ2の鉛直下方に略1.1D~1.3Dだけ離間した位置において、プロペラ回転中心Oから水平方向に略0.5D~0.8Dの範囲で水平軸方向に延在するように、その大きさ、及び位置が設計される。
[第2の区画部]
第2の区画部32は、プロペラ2の回転軸方向視で、プロペラ回転中心Oから略1.1D~1.3Dだけ離間した位置において、プロペラ回転中心Oから鉛直上方に略0.4D~1.0Dの高さ位置である終端までプロペラ2の外周端縁に沿って鉛直上方に向けて延在するように、その大きさ、及び位置が設計される。
まず、第2の区画部32を構成する第1の直線部321の設計においては、第1の区画部31の端部(A点)を第1の直線部321の始端とする。そして、A点とプロペラ回転中心Oを結んだ第1の仮想直線V1を基準に、角度θとして略35度~45度だけ鉛直上方向に向けて回転させた位置であって、かつ第1の仮想直線V1と等距離の地点を第1の直線部321の終端(B点)と規定する。このとき、A点には、内角が鈍角の屈曲角が形成され、係る屈曲角からなる屈曲部を第1の屈曲部323と定義し、プロペラ回転中心OとB点を結んだ仮想直線を第2の仮想直線V2と定義する。
次に、第2の直線部322の設計においては、第1の直線部321の終端(B点)を第2の直線部322の始端とする。そして、B点とプロペラ回転中心Oを結んだ第2の仮想直線V2を基準に、角度θとして略35度~45度だけ鉛直上方向に向けて回転させた位置であって、かつ第2の仮想直線V2と等距離の地点を第2の直線部322の終端(C点)と規定する。このとき、第2の直線部322は船体中心線lと略平行となり、B点には内角が鈍角の屈曲角が形成される。係る屈曲角からなる屈曲部を第2の屈曲部324と定義し、プロペラ回転中心OとC点を結んだ仮想直線を第3の仮想直線V3と定義する。
[第3の区画部]
第3の区画部33は、第2の区画部32を構成する第2の直線部322の終端を始端として鉛直上方に延在し、終端がプロペラ2の回転軸方向視で、プロペラ回転中心Oから水平方向に略0.6D~1.0Dの範囲で船体1と接続されるように、その大きさ、及び位置が設計される。
まず、第3の区画部33を構成する第3の直線部331の設計においては、第2の区画部32を構成する第2の直線部の終端(C点)を第3の直線部331の始端とする。そして、C点とプロペラ回転中心Oを結んだ第3の仮想直線V3を基準に、角度θとして略35度~45度だけ鉛直上方向に向けて回転させた位置であって、かつ第2の仮想直線V2と等距離の地点を第3の直線部331の終端(D点)と規定する。このとき、C点には、内角が鈍角の屈曲角が形成され、係る屈曲角からなる屈曲部を第3の屈曲部333と定義し、プロペラ回転中心OとC点を結んだ仮想直線を第3の仮想直線V3と定義する。
次に、第4の直線部332の設計においては、第3の直線部331の終端(D点)を第4の直線部332の始端とする。そして、プロペラ回転中心Oから水平方向に略0.6D~1.0Dの範囲内において船体1との接続点であるE点を規定する。係るE点が第4の直線部332の終点となる。
ここで、図3中の実線部分は、E点としてプロペラ回転中心Oから水平方向に下限である略0.6Dの距離とした場合、図3中の一点鎖線部分は、E点としてプロペラ回転中心Oから水平方向に上限である略1.0Dの距離とした場合のプロペラガード3をそれぞれ示す。
E点としてプロペラ回転中心Oからの水平距離を略0.6Dとした場合(図3中の実線部分)には、D点には内角が優角の屈曲角が形成される。係る屈曲角からなる屈曲部を第4の屈曲部334と定義し、プロペラ回転中心OとD点を結んだ仮想直線を第4の仮想直線V4と定義する。このとき、第3の仮想直線V3と第4の仮想直線V4は等距離となる。即ち、第1の仮想直線V1~第4の仮想直線V4は互いに等距離となる。
一方、E点としてプロペラ回転中心Oからの水平距離を略1.0Dとした場合には、E点のみを船体外側に向けて移動させるのではなく、第4の屈曲部334であるD点の位置も含めて船体外側に向けて移動させる。これにより、D点の屈曲角(第3の直線部331と第4の直線部332のなす角度)は略180度となり、第3の直線部331と第4の直線部332は直線状を形成することになる。
ここで、必ずしも、E点の位置を船体外側に向け移動させる場合(図3中の一点鎖線部分)に、D点の位置も同時に船体外側に向けて移動させる必要はない。但し、その場合、第3の直線部331と第4の直線部332により形成される内角が大きくなり、水流の抵抗となる可能性がある。そのため、船体側からの流れを効率的にプロペラガード3へ誘導して船体の推進性能を高めるという観点からも、D点についても同時に船体外側に移動させることが好ましい。
以上のように第1の区画部31、第2の区画部32、及び第3の区画部33を設計することにより、第1の区画部31、及び第2の区画部32の領域においてはプロペラ2の回転による水流を利用して、プロペラガード3にプロペラ側への揚力を発生させ、第3の区画部33においては船体1側からの水流を利用してプロペラ側への揚力を発生させることができるため、船体トリムを小さくして船体の安定性、及び推進性能を高めることができるプロペラガード3を設計することができる。
さらにプロペラ2が回転することで、第1の区画部31に作用する鉛直上向きの揚力Lのうち船体の推進方向成分Lxにより、船体1を推進させる力が作用する。この推進力はプロペラ2の推進力を補助し、船体1の推進性能を高めることができる。
なお、プロペラ回転中心Oから第1の区画部31までの離間距離が略1.1D未満の場合には、第1の区画部31のプロペラ側を流れる流速が速くなり過ぎることにより、プロペラ2近傍の振動発生の要因となる。一方、プロペラ回転中心Oから第1の区画部31までの離間距離が略1.3Dよりも大きい場合には、第1の区画部31のプロペラ側を流れる流速が遅くなるため、プロペラ側に向けて発生する揚力Lが小さくなる。従って船体トリムが大きくなり、船体1の安定性が悪化するとともに船体1の推進抵抗も増加する。
また、第1の区画部31は、プロペラ回転中心Oから水平方向に略0.5D~0.8Dの範囲で水平軸方向に延在することにより、第1の区画部31の端部とプロペラ2の外縁の距離を十分に確保することができる。従って、船体1が水面浮遊物を通過する際に、水面浮遊物がプロペラ2に接触することを防止することができる。
なお、第1の区画部31が延在する範囲として、プロペラ回転中心Oから水平方向に略0.5D未満の場合には、第1の区画部31の端部とプロペラ2の外縁の距離が短くなるため、船体1が水面浮遊物を通過する際に、水面浮遊物がプロペラ2に接触する可能性が高まる。一方、第1の区画部31の延在する範囲として、プロペラ回転中心Oから水平方向に略0.8Dよりも大きい場合には、第1の区画部31の端部とプロペラ回転中心Oとの距離が長くなるため、第1の区画部31のプロペラ側の水流の流速が遅くなることにより、プロペラ側に向けて発生する揚力Lが小さくなる。従って、船体トリムが大きくなるとともに、船体1の推進抵抗も増加する。
即ち、船体1からプロペラ回転中心Oに向かう水流により、第2の区画部32におけるプロペラ側と船体外側の水流に流速差が生じ、プロペラ側に向けて大きな揚力Lが生じる。このとき、第2の区画部32に生じた揚力Lの船体の推進方向成分Lxにより、船体1を推進させる力が作用する。この推進力はプロペラの回転によりさらに強くなるため、プロペラの推進力を補助し、船体の推進性能を高めることができる。
さらにプロペラ2が回転することで、第1の区画部31に作用する鉛直上向きの揚力Lのうち船体の推進方向成分Lxにより、船体1を推進させる力が作用する。この推進力はプロペラ2の推進力を補助し、船体1の推進性能を高めることができる。
なお、プロペラ回転中心Oから第2の区画部32までの離間距離が略1.1D未満の場合には、第2の区画部のプロペラ側を流れる流速が速くなり過ぎるため、プロペラ2近傍の振動発生の要因となる。一方、プロペラ回転中心Oから第2の区画部32までの離間距離が略1.3Dよりも大きい場合には、第2の区画部32のプロペラ側を流れる流速が遅くなるため、プロペラ側に向けて発生する揚力Lが小さくなる。従って船体トリムが大きくなり、船体1の安定性が悪化するとともに船体1の推進抵抗も増加する。
次に、本発明の実施形態に係るプロペラガード3の船体1の推進性能に与える影響について三次元CFD(COmputatiOnal Fluid Dynamics)により検証した。なお、乱流の計算方法には、時間平均モデルであるRANS(ReynOlds Averaged Navier-StOkes)を採用し、渦粘性係数を求める乱流モデルには標準k-ε方程式を用いた。
表1は、船体速度(Vs)を15ノット相当としたときの船体、舵、及びプロペラガードに働く圧力抵抗、摩擦抵抗、及びそれらの合力である全抵抗をプロペラ荷重(回転数)の有無に応じてCFD計算により求めた結果を示す(表1中の「PG無し」とはプロペラガードが装着されていない計算結果、「PG有り」とは本発明の実施形態に係るプロペラガードを装着した場合の計算結果である。)。なお、圧力抵抗は進行方向成分、摩擦抵抗は表面上の接線力の抵抗成分であり、これらを合わせ力が全抵抗となる。
[表1]
Figure 0007432877000001
表1中、抵抗試験(プロペラ非作動)の結果から、プロペラガードの装着有無の抵抗を比較すると、プロペラガードを装着することにより圧力抵抗、摩擦抵抗ともに増加するものの、圧力抵抗をみると、プロペラガードは負圧となっていることがわかる。このプロペラガードの負圧は推力となるため、船体の推進効率を高めることができる。
図4はプロペラ荷重(回転数)の影響を示す。回転数の増加とともに、船体、及び舵の抵抗は増加する。プロペラガードに作用する圧力抵抗も回転数とともに増加するが、14rpsを超えると徐々に平滑化され、プロペラガードによる推力は増加し、摩擦抵抗は減少する。即ち、プロペラガードによる全抵抗の増加は抑制される傾向となる。
次に、プロペラガードの装着の有無による船尾周囲の流れを、CFD計算を用いて可視化した結果を図5に示す。図5(a)はプロペラガードを装着しない場合、図5(b)はプロペラガードを装着した場合の流線、及び圧力分布を示す図である。なお、いずれもプロペラ2は作動しない状態である。
図5(b)に示すように、プロペラガードを装着することにより、船体の負圧が強くなることがわかる。また、プロペラガードの外側が正圧、内側(プロペラ側)が負圧となっており、船体の外側からプロペラガードの内側に向けて水流が流れ込んでいることがわかる。
図5(c)は、プロペラガードを装着した状態で、プロペラを作動させたときの圧力分布と流線を示す計算結果である。図5(b)と比較すると、プロペラの作動の影響が現れ、プロペラガードの外側の正圧が強くなり、かつその範囲が広がり、またプロペラガード内側の負圧も強くなることがわかる。これにより、プロペラの作動によりプロペラガードの揚力、及び推力が増加することが推察される。
以上により、プロペラガードの内側には揚力が発生し、その船体の前後方向成分は、前記した通り船首向きとなり推力を発生していることがわかる。また、流線はプロペラガードにより船体外側から船体中央に集められ、プロペラに向かって加速された流れが流入していることが認められる。
次に、プロペラガードの形状による影響を検証するために、本発明の実施形態に係るプロペラガード(PG1)と、従来型の略円筒形からなるプロペラガード(PG2)を装着した場合の計算結果を表2に示す。なお、表2中の「PG無し」はプロペラガード非装着の場合の結果を示している。
[表2]
Figure 0007432877000002
全抵抗として、抵抗値はPG1とPG2でそれほど大きな差は見られないものの、推進性能に必要なプロペラの推力、及びトルクは、PG1はPG2に対して約2%程度向上することが確認できる。即ち、プロペラが回転することにより、PG1はPG2に対してプロペラガード内面の流速がより高まることで、推力が向上することが推察される。
以上、本発明に係るプロペラガード、船舶、及び船舶用プロペラガードの設計方法は、船舶の推進性能を低下させることなく、プロペラの破損を防止することができるものとなっている。
1 船体
2 プロペラ
21 ボス
3 プロペラガード
31 第1の区画部
32 第2の区画部
321 第1の直線部
322 第2の直線部
323 第1の屈曲部
324 第2の屈曲部
33 第3の区画部
331 第3の直線部
332 第4の直線部
333 第3の屈曲部
334 第4の屈曲部
34 支持板
35 膨出部
36 平坦部
4 舵
5 シューピース
O プロペラ回転中心
V1 第1の仮想直線
V2 第2の仮想直線
V3 第3の仮想直線
V4 第4の仮想直線

Claims (8)

  1. 回転軌道の半径がDと定義されるプロペラの回転中心から回転軸方向視で鉛直下方に略1.1D~1.3Dだけ離間した位置において、プロペラの回転中心から回転軸方向視で水平方向に略0.5D~0.8Dの範囲で水平軸方向に所定の距離だけ延在し、膨出部がプロペラ側を指向する非対称翼型断面形状の第1の区画部と、
    プロペラの回転中心から回転軸方向視で略1.1D~1.3Dだけ離間した位置において、前記第1の区画部の端部を始端としてプロペラの回転中心から回転軸方向視で鉛直上方に略0.4D~Dの高さ位置である終端まで、プロペラの外周端縁に沿って鉛直上方に向けて延在し、始端が前記第1の区画部の端部と第1の屈曲部を介して連接された第1の直線部、該第1の直線部の終端と第2の屈曲部を介して連接された第2の直線部から構成され、膨出部がプロペラ側を指向する非対称翼型断面形状の第2の区画部と、
    該第2の区画部の終端を始端として、終端がプロペラの回転中心から回転軸方向視で水平方向に略0.6D~1.0Dの範囲で船体と接続されるように鉛直上方に向けて延在し、始端が前記第2の区画部の終端と第3の屈曲部を介して連接された第3の直線部、該第3の直線部の終端と第4の屈曲部を介して連接され終端が船体に接続された第4の直線部から構成され、膨出部がプロペラ側を指向する非対称翼型断面形状の第3の区画部と、を備える
    船舶用プロペラガード。
  2. 前記第2の区画部は、プロペラの回転中心と前記第1の屈曲部を結んだ第1の仮想直線、及びプロペラの回転中心と前記第2の屈曲部を結んだ第2の仮想直線のなす角度が略35~45度である
    請求項1に記載の船舶用プロペラガード。
  3. 前記第3の区画部は、プロペラの回転中心と前記第3の屈曲部を結んだ第3の仮想直線、及びプロペラの回転中心と前記第4の屈曲部を結んだ第4の仮想直線のなす角度が略35~45度である
    請求項1または請求項2に記載の船舶用プロペラガード。
  4. 前記第1の区画部は、プロペラの回転軸に直交して回転中心を通過する鉛直軸線上に位置する船体に付属する舵を支持するシューピースに接続されている
    請求項1または請求項2に記載の船舶用プロペラガード。
  5. 船体と、
    回転軌道の半径がDと定義され前記船体の船尾に配置されたプロペラと、
    該プロペラの回転中心から回転軸方向視で鉛直下方に略1.1D~1.3Dだけ離間した位置において前記プロペラの回転中心から回転軸方向視で水平方向に略0.5D~0.8Dの範囲で水平軸方向に所定の距離だけ延在し膨出部が前記プロペラ側を指向する非対称翼型断面形状の第1の区画部、前記プロペラの回転中心から回転軸方向視で略1.1D~1.3Dだけ離間した位置において前記第1の区画部の端部を始端として前記プロペラの回転中心から回転軸方向視で鉛直上方に略0.4D~1.0Dの高さ位置である終端まで前記プロペラの外周端縁に沿って鉛直上方に向けて延在し始端が前記第1の区画部の端部と第1の屈曲部を介して連接された第1の直線部及び該第1の直線部の終端と第2の屈曲部を介して連接された第2の直線部から構成され膨出部が前記プロペラ側を指向する非対称翼型断面形状の第2の区画部、該第2の区画部の終端を始点として終端が前記プロペラの回転中心から回転軸方向視で水平方向に略0.6D~1.0Dの範囲で前記船体と接続されるように鉛直上方に向けて延在し始端が前記第2の区画部の終端と第3の屈曲部を介して連接された第3の直線部及び該第3の直線部の終端と第4の屈曲部を介して連接され終端が船体に接続された第4の直線部から構成され膨出部が前記プロペラ側を指向する非対称翼型断面形状の第3の区画部を有するプロペラガードと、を備える
    船舶。
  6. 回転軌道の半径がDと定義されるプロペラの回転中心から回転軸方向視で鉛直下方に略1.1D~1.3Dだけ離間した位置において、プロペラの回転中心から回転軸方向視で水平方向に略0.5D~0.8Dの範囲で水平軸方向に所定の距離だけ延在し、膨出部がプロペラ側を指向する非対称翼型断面形状の第1の区画部をモデル化するステップと、
    プロペラの回転中心から回転軸方向視で略1.1D~1.3Dだけ離間した位置において、前記第1の区画部の端部を始端としてプロペラの回転中心から回転軸方向視で鉛直上方に略0.4D~1.0Dの高さ位置である終端まで、プロペラの外周端縁に沿って鉛直上方に向けて延在し、始端が前記第1の区画部の端部と第1の屈曲部を介して連接された第1の直線部、該第1の直線部の終端と第2の屈曲部を介して連接された第2の直線部から構成され、膨出部がプロペラ側を指向する非対称翼型断面形状の第2の区画部をモデル化するステップと、
    該第2の区画部の終端を始点として、終端がプロペラの回転中心から回転軸方向視で水平方向に略0.6D~1.0Dの範囲で船体と接続されるように鉛直上方に向けて延在し、始端が前記第2の区画部の終端と第3の屈曲部を介して連接された第3の直線部、及び該第3の直線部の終端と第4の屈曲部を介して連接され終端が船体に接続された第4の直線部から構成され、膨出部がプロペラ側を指向する非対称翼型断面形状の第3の区画部をモデル化するステップと、を備える
    船舶用プロペラガードの設計方法。
  7. 前記第2の区画部をモデル化するステップは、プロペラの回転中心と前記第1の屈曲部を結んだ第1の仮想直線、及びプロペラの回転中心と前記第2の屈曲部を結んだ第2の仮想直線のなす角度が略35~45度となるようにモデル化するステップを含む
    請求項6に記載の船舶用プロペラガードの設計方法。
  8. 前記第3の区画部をモデル化するステップは、プロペラの回転中心と前記第3の屈曲部を結んだ第3の仮想直線、及びプロペラの回転中心と前記第4の屈曲部を結んだ第4の仮想直線のなす角度が略35~45度となるようにモデル化するステップを含む
    請求項6または請求項7に記載の船舶用プロペラガードの設計方法。
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