JPS5931515Y2 - ノズルプロペラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として船舶に用いられ、推進性能向上とノ
ズル内面のキャビテーションエロージョン等の発生防止
を図ったノズルプロペラの改良に関する。

第１図及び第２図は従来のノズルプロペラを装備した１
軸船の船尾部の側面図を示す。

図において、１は後部船体、２は上部舵支持体１０及び
シューピース１１ｖｃよって支持された舵、３は舵２の
前方に設けられたプロペラ、４は船尾ボンシング１４に
、支持されたプロペラ軸、５はプロペラ軸中心線、６は
プロペラキャップ、１はプロヘラ３の周囲を囲繞するリ
ング状のノズルで、上部ノズル支持体８を介して船体ｉ
Ｖｃ、ｉた下部ノズル支持体９を介してシューピース１
１に固定されている。

１２は船体基線、１３は船体後部垂線、１５はプロペラ
軸スリーブ、１６はプロペラ３をプロペラ軸４に固定す
るためのプロペラナンドである。

ノズルプロペラは、肥大船のように速力が低くその割り
に主機出力が大きい船や、曳船や作業船のごとく大きい
推力を発揮する必要がある船においては推進性能を向上
することができる。

このようなノズルプロペラの効果は、第２図に示すよう
に、プロペラ３の作動によってノズルＴのまわりに流線
１γ、１８のような水流を生じ、その結果船体停止時に
比ベプロペラ前方のノズル内面７ａの部分で静圧力の減
少１９ａを、またプロペラ後方のノズル内面γｂの部分
で静圧力の増加１９ｂを生じ、これらが共にノズルＴを
前方に押す方向の力を生ずることに基づいている。

このように、ノズルプロペラは推進性能向上の有力な手
段として、最近は大型タンカーなどにも数多く採用され
ている。

しかしながら、ノズルプロペラにおいてはプロペラ３翼
の先端がノズルＴ内面に近接して配置されているため（
通常その間隙はプロペラ直径の１係程度乃至それ包丁と
されている。

）、プロペラ３ｒｃ生じたキャビテーションがノズル７
内面に接して崩壊し、この結果ノズルＴ内面にエロージ
ョンが発生する欠点がある。

この結果ノズルＴ内面が侵食され、場合によっては内面
板に貫通孔を生ずることもあり、現在までこのエロージ
ョン防止のための完全な解決策は見出されていない。

上記のノズル内面のエロージョン発生を防止するため、
第３図及び第４図に示すようなショートノズルプロペラ
が考案されている。

このノズルプロペラは、第３，４図に示すように、ノズ
／Ｌ／７の縦方向の長さを短縮して、ノズルをプロペラ
３の前方にのみ配置したものである。

この種のノズルプロペラでは、プロペラ３の翼先端付近
おヨヒソの後方にノズルがないため、ノズルγ内面にエ
ロージョンが発生する不具合は完全に解消される。

しかし、第２図と第４図とを比較すると明らかなように
、ショートノズルプロペラにおいては、第２図のノズル
内面のプロペラ後方部分７ｂｔｉｃ生ずる正圧１９ｂを
期待することができないので、ノズルＴの発生推力はそ
の分だけ減少してしまう。

さらに第４図の符号１９８に示したように、プロペラの
吸引作用による静圧力の減少がノズルＩの内筒γ８のみ
ならず、ノズルの外面Ｔ。

にも及んでしまうため、この部分も負圧１９ を生じや
すく、この結果ノズル１０発生推力を更に減少させてし
まう欠点がある。

本考案は、これら従来リノズルプロペラの欠点を解消す
る目的で提案されたもので、船尾部の推進用スクリュー
プロペラの周囲にプロペラ軸と同心にリング状ノズルを
設けたノズルプロペラにおいて、同リング状ノズルの上
部をプロペラ軸線に平行に船体前方方向にずらした形状
とし、同リング状ノズルをプロペラ翼端がノズルの下部
においてノズルの内側に位置するようにかつノズルの上
部においてノズル後縁の後方に位置するように配設した
ことを特徴とするノズルプロペラを提供する。

本考案のノズルプロペラにおいては、ノズル下部でプロ
ペラ翼をノズルの内側に配置してプロペラの吸引力がノ
ズルの外筒全周にわたって及ぶのを防ぐと共に、プロペ
ラ翼先端がノズル上部後縁の後方に露出するようにノズ
ルの上部をプロペラ軸中心に平行に船体前方方向へ丁ら
した形状とすることにより、キャビチージョンの崩壊が
ノズル上部内面で発生しないようにし、しかもノズル上
部をプロペラ軸線に平行に船体前方向にずらした形状と
することによりノズルの抵抗を増加することがないよう
にしたものである。

包丁本考案装置の一実施例を図崩に基づいて説明する。

第５図は本考案のノズルプロペラを取付けた１軸船の船
尾側面図を示す。

図において、ノズｌＬ／２７は、その下部２８において
は、通常のノズルプロペラと同様プロペラ３の翼先端が
ノズル２Ｔの前後方向長さのほぼ中央の内側に位置する
ように、下部ノズル支持体９を介シてシューピース１１
に固定されている。

一方、ノズル上部３０はプロペラ軸中心線５に平行に船
体前方方向へずらし、ノズル上部３０の後縁がプロペラ
３の翼先端より前方に位置するように構成し、ノズル上
部２９の前線は船体１の船尾に結合されている。

なお、ノズル２７の中心線はプロペラ軸中心線５と一致
している。

その他の構成は第１〜第４図に示す従来のものと同じで
、同一符号は同一部材を示す。

本装置において、第５図より明らかなように、プロペラ
３０大部分はノズル２Ｔの内部に収容されているため、
プロペラ３の吸引力の大部分がノズル２γの内面に作用
する。

その為ショートノズルプロペラに比べて、プロペラ前方
のノズル内面の負圧２９ａは大きく、プロペラ後方のノ
ズル内面の正圧２９ｂもノズル上部３０を除いて発生す
るので、ノズル２γの推力増加もショートノズルより太
ぎくなる。

−Ｊ、プロペラ３のキャビテーションは一軸船の場合は
とんどプロペラの鉛直上方でプロペラ３の翼先端付近に
のみ発生するが、本装置ではこの位置でプロペラ３の翼
先端がノズル２１の上部後端から離れているため、ノズ
ル内面にキャビテーションによるエロージョンは発生し
ない。

更に、ノズル２γの上部３０がフロペラ３の上流におい
て船尾の流れ３１を整流する作用を有するため、船体抵
抗が軽減されるという利点もある。

また、本考案のノズルプロペラではノズル上部をプロペ
ラ軸線に平行に船体前方向にずらした形状にすることに
よりノズルの流れに対する迎角が過大となることもなく
ノズル前縁附近での流れの剥離を生じることもなく、抵
抗の増加を防止できるとともに、流れの剥離による推進
器効率も損うことなく推進性能のアップに寄与するとい
う利点もある。

曳上のように、本考案のノズルプロペラは、従来のノズ
ルプロペラに比べて推進性能を低下させることなく、簡
単かつ安価な構造でキャビテーシヨンエロージョン及び
騒音等の発生を効果的に除去し得ろもので、船舶の推進
装置、特に大型タンカーなどの肥大船用に用いて好適で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のノズルプロペラを装備したｌ軸船の船尾
部を示す側面図、第２図は第１図のノズルプロペラの上
半分を断裁して示す縦断面図、第３図は従来のショート
ノズルプロペラを装備したｌ軸船の船尾部を示す側面図
、第４図は第３図の／ヨードノズルプロペラの上半分を
断裁して示す縦断面図、第５図は本考案のノズルプロペ
ラを装備した１軸船の船尾部を示す側面図である。 １・−・後部船体、２・・・舵、３・・・推進用スクリ
ューフロペラ、４・・・プロペラ軸、５・・・プロペラ
軸中心線、６・・・プロペラキャンプ、Ｔ、１１・・・
リング状ノズル、１ａ・・・プロペラ前方のノズル内面
、１ｂ・・・プロペラ後方のノズル内面、γ。 ・・・ノズル外筒、８・・・上部ノズル支持体、９・・
・下部ノズル支持体、１０・・・上部舵支持体、１１・
−・シューピース、１２・・・船体基線、１３・・・船
体後部垂線、１４・・・船尾ボソシング、１５・・・プ
ロペラ軸スリーフ、１６・・・プロペラ後方）、１７．
３１・・・ノズル内側の水流を示す流線、１８・・・ノ
ズル外側の水流を示す流線、２８・・・ノズル下部、３
０・・・ノズル上部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 船尾部の推進用スクリュープロペラの周囲にプロペラ軸
   と同心にリング状ノズルを設けたノズルプロペラにおい
   て、同リング状ノズルの上部をプロペラ軸線に平行に船
   体前方方向にずらした形状とし、同リング状ノズルをプ
   ロペラ翼端がノズルの下式においてノズルの内側に位置
   するようにかつノズルの上部においてノズル後縁の後方
   に位置するように配設したことを特長とするノズルプロ
   ペラ。