JP5083584B1 - 内燃機関のデポジット堆積量推定装置 - Google Patents

内燃機関のデポジット堆積量推定装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、燃料噴射弁(22)の噴孔壁面に堆積しているデポジット堆積量を算出することによってデポジット堆積量を推定するデポジット堆積量推定装置に関する。予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実燃料噴射量がそれに対応する要求燃料噴射量よりも多いか否かを判断する増量判断が行われ、該増量判断において実燃料噴射量がそれに対応する要求燃料噴射量よりも多いと判断されたときには該実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量との間の差に基づいてデポジット堆積量が推定される。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関のデポジット堆積量推定装置に関する。
燃料が燃焼室内に直接噴射されるように燃料噴射弁が配置された内燃機関が知られている。また、このような内燃機関では、燃料噴射弁の噴孔出口近傍壁面(すなわち、燃料噴射弁の燃料噴射孔の出口近傍の燃料噴射弁壁面)に燃焼生成物(すなわち、燃料の燃焼に関連して生成される物質)が堆積することも知られている。そして、このように噴孔出口近傍壁面に燃焼生成物が堆積すると、所期の量の燃料を燃料噴射弁に噴射させるための指令が燃料噴射弁に送られたとしても、燃料噴射弁から所期の量の燃料が噴射されないことがある。そして、燃料噴射弁から所期の量の燃料が噴射されない場合、内燃機関の出力特性や排気特性が低下することがある。そこで、特許文献1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置では、噴孔出口近傍壁面に堆積している燃焼生成物の量(以下、噴孔出口近傍壁面に堆積している燃焼生成物を「デポジット」ともいい、このデポジットの量を「デポジット堆積量」という)が基準量以上であるときには、デポジットを噴孔出口近傍壁面から剥離させるように燃料噴射弁からの燃料噴射を制御するようにしている。
ところで、特許文献1に記載の燃料噴射装置では、デポジットを噴孔出口近傍壁面から剥離させるべきか否かを判断するためにデポジット堆積量が用いられる。したがって、特許文献では、デポジット堆積量を推定する必要がある。ここで、燃料噴射弁から実際に噴射される燃料の量を実燃料噴射量と称し、燃料噴射弁から噴射させる燃料として要求される量を要求燃料噴射量と称し、デポジット堆積量が零であるときに要求燃料噴射量の燃料を燃料噴射弁から噴射させるために燃料噴射弁に与えられる指令値を燃料噴射指令値と称したとき、特許文献1では、デポジットが噴孔出口近傍壁面に堆積していると実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少なくなり、しかも、デポジット堆積量が多いほど実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少なくなるとの認識から、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少ないときに実燃料噴射量と要求燃料噴射量との間の差に基づいてデポジット堆積量が推定される。なお、この場合、実燃料噴射量と要求燃料噴射量との間の差が大きいほどデポジット堆積量が多いと推定される。
特開2009−257100号公報 特開2010−65537号公報
ところで、特許文献2には、デポジットが噴孔出口近傍壁面に堆積しているときに燃料噴射圧(すなわち、燃料噴射弁から燃料が噴射されるときの当該燃料の圧力)が比較的高く且つ燃料噴射量(すなわち、燃料噴射弁から噴射される燃料の量)が比較的少ない場合、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少なくなるのではなく、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多くなる旨が記載されている。つまり、特許文献2は、内燃機関の運転状態によっては、デポジットが噴孔出口近傍壁面に堆積していたとしても実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少なくならない場合があることを示唆している。そして、こうした場合において特許文献1に記載の手法によってデポジット堆積量を推定したとしても、デポジット堆積量を正確に推定することはできない。
そこで、本発明の目的は、デポジットが噴孔出口近傍壁面に堆積していたとしても実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少なくならない場合において、デポジット堆積量を正確に推定することにある。
本願の発明は、燃料噴射弁を備えた内燃機関において、燃料噴射弁の燃料噴射孔を画成する壁面である噴孔画成壁面、該噴孔画成壁面以外の壁面であって燃料噴射孔の入口近傍の燃料噴射弁の壁面、および、前記噴孔画成壁面以外の壁面であって燃料噴射孔の出口近傍の燃料噴射弁の壁面の少なくとも1つから構成される噴孔壁面に堆積しているデポジットの量であるデポジット堆積量を算出することによってデポジット堆積量を推定するデポジット堆積量推定装置に関する。そして、燃料噴射弁から実際に噴射される燃料の量を実燃料噴射量と称し、燃料噴射弁から噴射させる燃料の量として要求される量を要求燃料噴射量と称し、デポジット堆積量が零であるときに要求燃料噴射量の燃料を燃料噴射弁から噴射させるために燃料噴射弁に与えられる指令値を燃料噴射指令値と称したとき、本発明では、予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実燃料噴射量がそれに対応する要求燃料噴射量よりも多いか否かを判断する増量判断が行われ、該増量判断において実燃料噴射量がそれに対応する要求燃料噴射量よりも多いと判断されたときには該実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量との間の差に基づいてデポジット堆積量が推定される。
本発明によれば、デポジットが噴孔壁面に堆積していたとしても実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少なくならない場合において、デポジット堆積量を正確に推定することができる。すなわち、デポジットが噴孔壁面に堆積しているときに要求燃料噴射量が比較的多ければ(すなわち、適切な量として予め定められた量よりも多ければ)、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少なくなる。しかしながら、デポジットが噴孔壁面に堆積しているときに要求燃料噴射量が比較的少なければ(すなわち、上記予め定められた量よりも少なければ)、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多くなる。したがって、デポジット堆積量を正確に推定するためには、このことが考慮されるべきである。本発明では、このことを考慮したうえでデポジット堆積量が推定される。このため、本発明によれば、デポジットが噴孔壁面に堆積していたとしても実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少なくならない場合において、デポジット堆積量を正確に推定することができるのである。
なお、上記燃料噴射弁は、その噴孔壁面にデポジットが堆積することがある燃料噴射弁である限り如何なる燃料噴射弁でもよく、例えば、燃料を内燃機関の燃焼室に直接噴射することができるようにその先端が燃焼室内に露出されているタイプの燃料噴射弁(いわゆる筒内噴射タイプの燃料噴射弁)でもよいし、燃料を内燃機関の吸気ポート内に噴射することができるようにその先端が吸気ポート内に露出されているタイプの燃料噴射弁(いわゆるポート噴射タイプの燃料噴射弁)でもよい。
また、実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量との間の差として、この差を代表するパラメータがデポジット堆積量の推定に用いられてもよい。例えば、トルクを発生させるタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させる燃料噴射が内燃機関の複数の作動サイクルに亘って禁止されるフューエルカットが行われ、該フューエルカットが行われている期間中にトルクを発生させるタイミングで前記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与られたときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量に一致している場合に発生するトルクを基準トルクと称した場合、フューエルカットが行われている期間中にトルクを発生させるタイミングで前記予め定められた量よりも少ない前記要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実際のトルクと前記基準トルクとの間の差が実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量との間の差としてデポジット堆積量の推定に用いられてもよい。
この場合、結果的には、基準トルクと実際のトルクとの間の差に基づいてデポジット堆積量が推定されることになるが、このときの実際のトルクは、フューエルカットが行われている期間において上記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量の燃料を燃料噴射弁から噴射させる燃料噴射(以下この燃料噴射を「微少燃料噴射」という)が行われたときのトルクである。ここで、この微少燃料噴射によって燃料噴射弁から噴射される燃料(以下この燃料を「微少燃料」という)の量は比較的少ない(つまり、上記予め定められた量よりも少ない)のであるから、微少燃料の燃焼によって発生するトルクも小さい。このため、微少燃料の燃焼によって発生するトルク以外にトルクが発生していると、微少燃料の燃焼によって発生するトルクを把握することが困難である。しかしながら、微少燃料噴射はフューエルカットが行われている期間中に行われ、この期間中、微少燃料の燃焼によって発生するトルク以外のトルクは零である。したがって、微少燃料の燃焼によって発生するトルクを把握することが容易である。したがって、基準トルクと実際のトルクとの間の差に基づいてデポジット堆積量を推定する場合において、デポジット堆積量を正確に推定することができる。
また、例えば、トルクを発生させるタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させる燃料噴射が内燃機関の複数の作動サイクルに亘って禁止されるフューエルカットが行われる場合において、該フューエルカットが行われている期間中にトルクを発生させるタイミングで前記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量に一致している場合に発生するトルクを基準トルクとし、フューエルカットが行われている期間中にトルクを発生させるタイミングで前記予め定められた量よりも少ない前記要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられ、このときの実際のトルクが前記基準トルクよりも大きい場合、実燃料噴射量がそれに対応する要求燃料噴射量よりも多いと判断されてもよい。
この場合、結果的には、基準トルクと実際のトルクとに基づいて実燃料噴射量がそれに対応する要求燃料噴射量よりも多いか否かが判断されることになるが、このときの実際のトルクは、微少燃料噴射が行われたときのトルクである。ここで、この微少燃料噴射によって燃料噴射弁から噴射される燃料(すなわち、微少燃料)の量は比較的少ない(つまり、上記予め定められた量よりも少ない)のであるから、微少燃料の燃焼によって発生するトルクも小さい。このため、微少燃料の燃焼によって発生するトルク以外にトルクが発生していると、微少燃料の燃焼によって発生するトルクを把握することが困難である。しかしながら、微少燃料噴射はフューエルカットが行われている期間中に行われ、この期間中、微少燃料の燃焼によって発生するトルク以外のトルクは零である。したがって、微少燃料の燃焼によって発生するトルクを把握することが容易である。したがって、基準トルクと実際のトルクとに基づいて実燃料噴射量がそれに対応する要求燃料噴射量よりも多いか否かを正確に判断することができる。
また、例えば、トルクを発生させるタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させる燃料噴射が内燃機関の複数の作動サイクルに亘って禁止されるフューエルカットが行われ、該フューエルカットが行われている期間中にトルクを発生させるタイミングで前記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与られたときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量に一致している場合に発生するトルクを基準トルクと称し、フューエルカットが行われている期間中にトルクを発生させるタイミングで前記予め定められた量よりも少ない前記要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実際のトルクと前記基準トルクとの間の差に基づいて前記予め定められた量よりも少ない前記要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実燃料噴射量が前記要求燃料噴射量に一致するように前記燃料噴射指令値を補正するための補正値が学習される場合、該学習された補正値が実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量との間の差としてデポジット堆積量の推定に用いられてもよい。
この場合、結果的には、学習された補正値に基づいてデポジット堆積量が推定され、この補正値が基準トルクと実際のトルクとの間の差に基づいて学習されることになるが、このときの実際のトルクは、フューエルカットが行われている期間において上記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量の燃料を燃料噴射弁から噴射させる燃料噴射(以下この燃料噴射を「微少燃料噴射」という)が行われたときのトルクである。ここで、この微少燃料噴射によって燃料噴射弁から噴射される燃料(以下この燃料を「微少燃料」という)の量は比較的少ない(つまり、上記予め定められた量よりも少ない)のであるから、微少燃料の燃焼によって発生するトルクも小さい。このため、微少燃料の燃焼によって発生するトルク以外にトルクが発生していると、微少燃料の燃焼によって発生するトルクを把握することが困難である。しかしながら、微少燃料噴射はフューエルカットが行われている期間中に行われ、この期間中、微少燃料の燃焼によって発生するトルク以外のトルクは零である。したがって、微少燃料の燃焼によって発生するトルクを把握することが容易である。したがって、基準トルクと実際のトルクとの間の差に基づいて補正値を学習する場合において、補正値を正確に学習することができ、ひいては、デポジット堆積量を正確に推定することができる。
また、上記増量判断は、上記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量とに基づいて行われる限り如何なる燃料噴射に関連して行われてもよい。これに関し、トルクを発生させるタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させる燃料噴射が内燃機関の複数の作動サイクルに亘って禁止されるフューエルカットが行われ、該フューエルカットが行われている期間中にトルクを発生させるタイミングで前記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与られたときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量に一致している場合に発生するトルクを基準トルクと称し、フューエルカットが行われている期間中にトルクを発生させるタイミングで前記予め定められた量よりも少ない前記要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実際のトルクと前記基準トルクとの間の差に基づいて前記予め定められた量よりも少ない前記要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実燃料噴射量が前記要求燃料噴射量に一致するように前記燃料噴射指令値を補正するための補正値が学習される場合、該学習された補正値に基づいて前記増量判断が行われることが好ましい。
また、例えば、前記燃料噴射弁が内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁であり、内燃機関の1回の作動サイクル中にトルクを発生させることができるタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるメイン燃料噴射とトルクを発生させることがないタイミングであって前記メイン燃料噴射の実行タイミングよりも前のタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるサブ燃料噴射とが行われる場合、該サブ燃料噴射が行われるときに前記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの該サブ燃料噴射による実燃料噴射量と該サブ燃料噴射に関する要求燃料噴射量との間の差が実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量との間の差としてデポジット堆積量の推定に用いられてもよい。
この場合、内燃機関の性能を高く維持した状態で且つより高い頻度でデポジット堆積量の推定を行うことができる。すなわち、通常であれば要求燃料噴射量が予め定められた量以上であるにも係わらず、デポジット堆積量の推定を行う目的で予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量を燃料噴射弁から噴射すれば、内燃機関の性能が低下してしまう。一方、内燃機関の性能の低下を最小限に留めようとすれば、予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量の燃料が燃料噴射弁から噴射される機会が少なくなる。この場合、デポジット堆積量の推定を行う頻度が低くなる。しかしながら、デポジット堆積量の推定以外の目的で行われるサブ燃料噴射に関連してデポジット堆積量の推定を行うようにすれば、デポジット堆積量の推定を行う目的で強制的に予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量を燃料噴射弁から噴射させる必要がない。そして、サブ燃料噴射の実行が内燃機関の性能を低下させることはないのであるから、サブ燃料噴射の実行の度にデポジット堆積量の推定が行われたとしても内燃機関の性能が低下することはない。このため、上記サブ燃料噴射に関連してデポジット堆積量の推定を行うようにすることによって、内燃機関の性能を高く維持した状態で且つより高い頻度でデポジット堆積量の推定を行うことができるのである。
また、上記増量判断は、上記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量とに基づいて行われる限り如何なる燃料噴射に関連して行われてもよい。これに関し、前記燃料噴射弁が内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁であり、内燃機関の1回の作動サイクル中にトルクを発生させることができるタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるメイン燃料噴射とトルクを発生させることがないタイミングであって前記メイン燃料噴射の実行タイミングよりも前のタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるサブ燃料噴射とが行われる場合、該サブ燃料噴射が行われるときに前記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの該サブ燃料噴射による実燃料噴射量と該サブ燃料噴射に関する要求燃料噴射量とに基づいて前記増量判断が行われることが好ましい。
これによれば、内燃機関の性能を高く維持した状態で且つより高い頻度でデポジット堆積量の推定を行うことができる。すなわち、通常であれば要求燃料噴射量が予め定められた量以上であるにも係わらず、増量判断を行う目的で予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量を燃料噴射弁から噴射すれば、内燃機関の性能が低下してしまう。一方、内燃機関の性能の低下を最小限に留めようとすれば、予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量の燃料が燃料噴射弁から噴射される機会が少なくなる。この場合、増量判断を行う頻度が低くなる。しかしながら、増量判断以外の目的で行われるサブ燃料噴射に関連して増量判断を行うようにすれば、増量判断を行う目的で強制的に予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量を燃料噴射弁から噴射させる必要がない。そして、サブ燃料噴射の実行が内燃機関の性能を低下させることはないのであるから、サブ燃料噴射の実行の度に増量判断が行われたとしても内燃機関の性能が低下することはない。このため、上記サブ燃料噴射に関連して上記増量判断を行うようにすることによって、内燃機関の性能を高く維持した状態で且つより高い頻度で増量判断を行い、ひいては、デポジット堆積量の推定を行うことができるのである。
なお、上記サブ燃料噴射は、上記メイン燃料噴射の実行タイミングよりも前のタイミングであってトルクを発生させることのないタイミングで行われ且つ上記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量の燃料を燃料噴射弁から噴射する燃料噴射である限り如何なる燃料噴射でもよく、例えば、いわゆるパイロット燃料噴射でもよいし、いわゆるプレ燃料噴射でもよい。
また、例えば、前記燃料噴射弁が内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁であり、内燃機関の1回の作動サイクル中にトルクを発生させることができるタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるメイン燃料噴射とトルクを発生させることがないタイミングであって前記メイン燃料噴射の実行タイミングよりも後のタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるサブ燃料噴射とが行われる場合、該サブ燃料噴射が行われるときに前記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの該サブ燃料噴射による実燃料噴射量と該サブ燃料噴射に関する要求燃料噴射量との間の差が実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量との間の差としてデポジット堆積量の推定に用いられてもよい。
この場合、内燃機関の性能を高く維持した状態で且つより高い頻度でデポジット堆積量の推定を行うことができる。すなわち、通常であれば要求燃料噴射量が予め定められた量以上であるにも係わらず、デポジット堆積量の推定を行う目的で予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量を燃料噴射弁から噴射すれば、内燃機関の性能が低下してしまう。一方、内燃機関の性能の低下を最小限に留めようとすれば、予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量の燃料が燃料噴射弁から噴射される機会が少なくなる。この場合、デポジット堆積量の推定を行う頻度が低くなる。しかしながら、デポジット堆積量の推定以外の目的で行われるサブ燃料噴射に関連してデポジット堆積量の推定を行うようにすれば、デポジット堆積量の推定を行う目的で強制的に予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量を燃料噴射弁から噴射させる必要がない。そして、サブ燃料噴射の実行が内燃機関の性能を低下させることはないのであるから、サブ燃料噴射の実行の度にデポジット堆積量の推定が行われたとしても内燃機関の性能が低下することはない。このため、上記サブ燃料噴射に関連してデポジット堆積量の推定を行うようにすることによって、内燃機関の性能を高く維持した状態で且つより高い頻度で増量判断を行うことができる。
また、上記増量判断は、上記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量とに基づいて行われる限り如何なる燃料噴射に関連して行われてもよい。これに関し、前記燃料噴射弁が内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁であり、内燃機関の1回の作動サイクル中にトルクを発生させることができるタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるメイン燃料噴射とトルクを発生させることがないタイミングであって前記メイン燃料噴射の実行タイミングよりも後のタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるサブ燃料噴射とが行われる場合、該サブ燃料噴射が行われるときに前記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの該サブ燃料噴射による実燃料噴射量と該サブ燃料噴射に関する要求燃料噴射量とに基づいて前記増量判断が行われることが好ましい。
これによれば、内燃機関の性能を高く維持した状態で且つより高い頻度でデポジット堆積量の推定を行うことができる。すなわち、通常であれば要求燃料噴射量が予め定められた量以上であるにも係わらず、増量判断を行う目的で予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量を燃料噴射弁から噴射すれば、内燃機関の性能が低下してしまう。一方、内燃機関の性能の低下を最小限に留めようとすれば、予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量の燃料が燃料噴射弁から噴射される機会が少なくなる。この場合、増量判断を行う頻度が低くなる。しかしながら、増量判断以外の目的で行われるサブ燃料噴射に関連して増量判断を行うようにすれば、増量判断を行う目的で強制的に予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量を燃料噴射弁から噴射させる必要がない。そして、サブ燃料噴射の実行が内燃機関の性能を低下させることはないのであるから、サブ燃料噴射の実行の度に増量判断が行われたとしても内燃機関の性能が低下することはない。このため、上記サブ燃料噴射に関連して上記増量判断を行うようにすることによって、内燃機関の性能を高く維持した状態で且つより高い頻度で増量判断を行い、ひいては、デポジット堆積量の推定を行うことができる。
なお、上記サブ燃料噴射は、上記メイン燃料噴射の実行タイミングよりも後のタイミングであってトルクを発生させることのないタイミングで行われ且つ上記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量の燃料を燃料噴射弁から噴射する燃料噴射である限り如何なる燃料噴射でもよく、例えば、いわゆるアフター燃料噴射でもよいし、いわゆるポスト燃料噴射でもよい。
また、上記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときにのみデポジット堆積量の推定が行われてもよいし、上記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときだけでなく、これ以外のときにもデポジット堆積量の推定が行われてもよい。これに関し、前記予め定められた量以上の要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実燃料噴射量がそれに対応する要求燃料噴射量よりも少ないか否かを判断する減量判断が行われ、該減量判断において実燃料噴射量がそれに対応する要求燃料噴射量よりも少ないと判断されたときには該実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量との間の差に基づいてデポジット堆積量が推定されることが好ましい。
これによれば、増量判断の実行時だけでなく、減量判断の実行時にもデポジット堆積量の推定が行われることから、より高い頻度でデポジットの推定を行うことができる。
本発明のデポジット剥離量推定装置またはデポジット堆積量推定装置が適用される内燃機関を示した図である。 図1に示された内燃機関の燃料噴射弁の先端部分を示した図である。 燃料噴射量の増量分ΔQiに基づいてデポジット堆積量Xdを求めるために用いられるマップを示した図である。 第1実施形態のデポジット堆積量の推定を実行するルーチンの一例を示した図である。 第2実施形態の微少燃料噴射量学習を実行するルーチンの一例を示した図である。 第2実施形態のデポジット堆積量の推定を実行するルーチンの一例を示した図である。 第3実施形態のデポジット堆積量の推定を実行するルーチンの一例を示した図である。 第4実施形態のデポジット堆積量の推定を実行するルーチンの一例を示した図である。 燃料噴射量の減量分ΔQdに基づいてデポジット堆積量Xdを求めるために用いられるマップを示した図である。 第5実施形態のデポジット堆積量の推定を実行するルーチンの一例を示した図である。
以下、図面を参照して本発明のデポジット剥離量推定装置の実施形態について説明する。まず、本発明のデポジット剥離量推定装置が適用される内燃機関の構成について説明する。この内燃機関が図1に示されている。図1において、10は内燃機関の本体、11はシリンダブロック、12はシリンダヘッドをそれぞれ示している。シリンダブロック11内には、シリンダボア13が形成されている。シリンダボア13内には、ピストン14が配置されている。ピストン14は、コンロッド15を介してクランクシャフト16に接続されている。一方、シリンダヘッド12には、吸気ポート17と排気ポート18とが形成されている。また、シリンダヘッド12には、吸気ポート17を開いたり閉じたりするための吸気弁19と、排気ポート18を開いたり閉じたりするための排気弁20とが配置されている。また、ピストン14の上壁面とシリンダボア13の内周壁面とシリンダヘッド12の下壁面とによって燃焼室21が画成されている。
なお、吸気ポート17は、吸気マニホルド(図示せず)を介して吸気管(図示せず)に接続され、吸気通路の一部を構成する。一方、排気ポート18は、排気マニホルド(図示せず)を介して排気管(図示せず)に接続され、排気通路の一部を構成する。
また、シリンダヘッド12には、燃料噴射弁22が配置されている。燃料噴射弁22は、図2に示されているように、ノズル30とニードル31とを有する。ノズル30の内部には、空洞(以下「内部空洞」という)が形成されている。そして、この内部空洞内にニードル31がノズル30の中心軸線(すなわち、燃料噴射弁22の中心軸線)CAに沿って移動可能に収容されている。また、ニードル31の先端部は、テーパ形状にされている。そして、ニードル31がノズル30の内部空洞内に収容されたとき、ノズル30の内周壁面(すなわち、ノズル30の内部空洞を画成する壁面)とニードル31の外周壁面との間に燃料を通すための燃料通路32が形成される。また、ノズル30の先端部における燃料通路32は、いわゆるサック33を形成している(以下、燃料通路32とは、このサック33を除いた燃料通路のことを意味することとする)。さらに、ノズル30の先端部には、複数の燃料噴射孔34が形成されている。これら燃料噴射孔34は、ノズル30内(すなわち、燃料噴射弁22内)のサック33とノズル30の外部(すなわち、燃料噴射弁22の外部)とを連通している。
そして、ニードル31のテーパ形状の先端部の外周壁面がノズル30の先端部の内周壁面に当接するようにニードル31がノズル30内に位置決めされたとき、サック33と燃料通路32との間の連通が遮断される。このときには燃料噴射弁22の燃料噴射孔34から燃料は噴射されない。一方、ニードル31のテーパ形状の先端部の外周壁面がノズル30の先端部の内周壁面から離れるようにニードル31がノズル30内において移動せしめられると、サック33と燃料通路32とが互いに連通し、燃料通路32かサック33に燃料が流入する。そして、サック33に流入した燃料は、燃料噴射孔34の入口を介して同燃料噴射孔34に流入し、同燃料噴射孔34を介してその出口から噴射される。
また、燃料噴射弁22は、燃焼室21内に燃料を直接噴射するようにシリンダヘッド12に配置されている。云い方を換えれば、燃料噴射弁22は、その燃料噴射孔が燃焼室21内に露出するようにシリンダヘッド12に配置されている。
また、燃料噴射弁22は、燃料供給通路23を介して蓄圧室(すなわち、いわゆるコモンレール)24に接続されている。蓄圧室24は、燃料供給通路25を介して燃料タンク(図示せず)に接続されている。蓄圧室24には、燃料タンクから燃料供給通路25を介して燃料が供給される。そして、蓄圧室24には、高圧の燃料が貯留されている。また、燃料噴射弁22には、蓄圧室24から燃料供給通路23を介して高圧の燃料が供給される。また、蓄圧室24には、その内部の燃料の圧力を検出するための圧力センサ26が配置されている。
また、シリンダブロック11内には、冷却水を流すための冷却水通路27が形成されている。冷却水通路27は、シリンダボア13を包囲するように形成されている。したがって、少なくとも、冷却水通路27内を流れる冷却水によって燃焼室21内部が冷却される。また、シリンダブロック11には、冷却水通路27内を流れる冷却水の温度を検出するための温度センサ28が配置されている。
また、内燃機関は、電子制御装置40を有する。電子制御装置40は、マイクロコンピュータからなり、双方向バス41によって互いに接続されたCPU(マイクロプロセッサ)42、ROM(リードオンリメモリ)43、RAM(ランダムアクセスメモリ)44、バックアップRAM45、および、インターフェース46を有する。インターフェース46は、燃料噴射弁22、圧力センサ26、および、温度センサ28に接続されている。電子制御装置40は、燃料噴射弁22の動作を制御すると共に、圧力センサ26から燃料の圧力に対応する出力値を受け取り、温度センサ28から冷却水の温度に対応する出力値を受け取る。
次に、上述した内燃機関に適用される本発明のデポジット堆積量推定装置の実施形態について説明する。なお、以下の説明において「噴孔画成壁面」は「燃料噴射弁の燃料噴射孔を画成する燃料噴射弁壁面」であり、「噴孔入口近傍壁面」は「燃料噴射弁の燃料噴射孔の入口近傍において噴孔画成壁面に隣接する燃料噴射弁壁面」であり、「噴孔出口近傍壁面」は「燃料噴射弁の燃料噴射孔の出口近傍において噴孔画成壁面に隣接する燃料噴射弁壁面」である。また「燃焼生成物」は「燃料の燃焼に関連して生成される物質」であり、「燃焼ガス」は「燃焼室内で燃料が燃焼することによって発生するガス」であり、「燃料噴射」とは「燃料噴射弁の燃料噴射孔からの燃料の噴射」であり、「燃料噴射圧」は「燃料噴射弁の燃料噴射孔から噴射される燃料の圧力」であり、「噴孔温度」は「燃料噴射弁の燃料噴射孔内部の温度」である。
燃料が燃焼室内に直接噴射されるように燃料噴射弁が配置されている内燃機関では、燃料噴射弁の噴孔出口近傍壁面に燃焼生成物が堆積することが知られている。また、燃料中の金属成分(例えば、亜鉛、カルシウム、マグネシウムなど)が燃焼ガスと反応することによって金属成分由来の燃焼生成物(例えば、低級カルボン酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩などであり、以下この燃焼生成物を「金属由来生成物」という)が生成され、この金属由来生成物も噴孔出口近傍壁面に堆積することが本願の発明者の研究により明らかとなった。また、この金属由来生成物は噴孔画成壁面や噴孔入口近傍壁面にも堆積することが本願の発明者の研究により明らかとなった。以下、この金属由来生成物について簡単に説明する。
従来、噴孔画成壁面や噴孔入口近傍壁面には燃焼生成物が堆積することはないものと認識されていた。しかしながら、本願の発明者の研究によれば、上述したように、噴孔出口近傍壁面だけでなく噴孔画成壁面や噴孔入口近傍壁面にも金属由来生成物の形態の燃焼生成物が堆積することが明らかとなった。このように噴孔画成壁面や噴孔入口近傍壁面にも金属由来生成物が堆積する理由は以下のように推察される。すなわち、燃料噴射弁が燃料を燃焼室内に直接噴射するように、すなわち、燃料噴射弁の燃料噴射孔が燃焼室内部に露出するように燃料噴射弁が内燃機関に配置されている場合、燃焼ガスが燃料噴射孔に入り込み、この燃焼ガスが燃料噴射孔内およびその入口近傍において燃料と反応し、金属由来生成物が生成される。そして、この金属由来生成物の壁面への付着力が比較的強いことから、燃料噴射孔内およびその入口において強い燃料の流れがあるにも係わらず、噴孔画成壁面および噴孔入口近傍壁面に付着し堆積する。これが金属由来生成物が噴孔画成壁面や噴孔入口近傍壁面にも堆積する理由であると推察されるのである。
ところで、このように噴孔出口近傍壁面、噴孔画成壁面、および、噴孔入口近傍壁面(以下これら壁面をまとめて「噴孔壁面」という)に金属由来生成物を含む燃焼生成物(以下、この燃焼生成物には金属由来生成物が含まれるものとする)が堆積していると、この噴孔壁面に堆積している燃焼生成物(以下このように噴孔壁面に堆積している燃焼生成物を「デポジット」という)が燃料の流れを阻害してしまう。したがって、本来であれば要求されている量(以下この量を「要求燃料噴射量」という)の燃料を燃料噴射弁に噴射させることができる指令値が燃料噴射弁に与えられたとしても、要求燃料噴射量の燃料が燃料噴射弁から噴射されない可能性がある。
そして、要求燃料噴射量の燃料が燃料噴射弁から噴射されない場合、内燃機関の出力特性や排気特性が低下してしまう可能性がある。したがって、こうした内燃機関の出力特性や排気特性の低下を抑制し或いは改善しようとする場合にはこうした特性の低下が生じる可能性の有無を知ることは不可欠であるし、こうした特性の低下が生じる可能性の有無を知ることは少なからず有用である。そして、こうした特性の低下が生じる可能性の有無を知るためには、噴孔壁面に堆積しているデポジットの量(以下この量を「デポジット堆積量」という)を正確に知ることが必要である。
ところで、一般的には、デポジットが噴孔壁面に堆積していると実燃料噴射量(すなわち、燃料噴射弁から実際に噴射される燃料の量)が要求燃料噴射量(すなわち、燃料噴射弁から噴射される燃料の量として要求される量)よりも少なくなり、しかも、デポジット堆積量が多いほど実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少なくなるとの認識がある。確かに、燃料噴射量(すなわち、単に「燃料噴射弁から噴射される燃料の量」を意味し、「実燃料噴射量」であっても「要求燃料噴射量」であってもよい)が比較的多い場合には、デポジットが噴孔壁面に堆積していると実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少なくなる。しかしながら、燃料噴射量が比較的少ない(特に、燃料噴射量が微少な量である)場合には、デポジットが噴孔壁面に堆積していると実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少なくならず、逆に多くなる。
すなわち、噴孔壁面にデポジットが堆積していると燃料噴射孔内を燃料が流れづらくなる。このため、燃料噴射量が多かろうが少なかろうが、噴孔壁面にデポジットが堆積していると燃料噴射孔を通過することができる燃料の量が少なくなる。ところが、燃料噴射孔を通過することができる燃料の量が少なくなる分だけ、燃料噴射弁のサック内の燃料の圧力が上昇する。そして、このサック内の燃料の圧力の上昇によって、燃料噴射弁のニードルの開弁速度(すなわち、ニードルのテーパ形状の先端部の外壁面がノズルの先端部の内周壁面から離れるようにニードルが移動する速度)が速くなる。このため、燃料噴射期間(すなわち、燃料噴射孔から燃料が噴射されている期間であり、ニードルのテーパ形状の先端部の外壁面がノズルの先端部の内周壁面から離れている期間に相当する)が少なからず長くなる。ところが、燃料噴射量が比較的多い場合、燃料噴射期間が比較的長いことから、サック内の燃料の圧力の上昇による燃料噴射期間の長期化よりも燃料噴射孔を通過する燃料の少量化のほうが燃料噴射量に対して支配的である。その結果、燃料噴射量が比較的多い場合に噴孔壁面にデポジットが堆積していると、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少なくなるものと推察される。一方、燃料噴射量が比較的少ない場合、燃料噴射期間が比較的短いことから、燃料噴射量を通過する燃料の少量化よりもサック内の燃料の圧力の上昇による燃料噴射期間の長期化のほうが燃料噴射量に対して支配的である。その結果、燃料噴射量が比較的少ない場合に噴孔壁面にデポジットが堆積していると、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多くなるものと推察される。
このように燃料噴射量が比較的少ない場合に噴孔壁面にデポジットが堆積していると、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多くなることを考慮してデポジット堆積量を推定しなければ、デポジット堆積量を正確に推定することができない。
そこで、本発明の1つの実施形態(以下「第1実施形態」)では、微少燃料噴射の実行時のトルク差を利用してデポジット堆積量を推定する。すなわち、第1実施形態では、アクセルペダルの踏込量が零になったとき(すなわち、いわゆる減速時)に燃料噴射(すなわち、燃料噴射弁からの燃料の噴射)を禁止するフューエルカットが行われる。そして、このフューエルカットの実行中は燃料噴射が禁止されるのであるが、それに反して内燃機関の1回の作動サイクル(すなわち、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、および、排気行程の4つの行程からなる1回の作動サイクル)中に微少量の燃料を燃料噴射弁から噴射させる微少燃料噴射が実行される。詳細には、第1実施形態では、デポジットが噴孔壁面に堆積していないときに要求燃料噴射量を燃料噴射弁に噴射させるために燃料噴射弁に与えられるべき指令値(以下この指令値を「燃料噴射指令値」という)が要求燃料噴射量毎に予め求められており、微少燃料噴射では、微少量を要求燃料噴射量として該要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられる。
なお、微少燃料噴射において燃料を燃料噴射弁から噴射させるタイミングは、トルクを発生するように燃料が燃焼するタイミングに設定される。
また、微少燃料噴射における要求燃料噴射量は、当該要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときにデポジットが噴孔壁面に堆積していると実燃料噴射量が当該要求燃料噴射量よりも多くなる量であれば如何なる量であってもよい。つまり、要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときにデポジットが噴孔壁面に堆積していると実燃料噴射量が当該要求燃料噴射量よりも多くなるような要求燃料噴射量のうち最も大きい要求燃料噴射量を「予め定められた量」としたとき、微少燃料噴射における要求燃料噴射量は、この予め定められた量以下の量であれば如何なる量であってもよい。しかしながら、第1実施形態の微少燃料噴射は本来、トルクを必要としないフューエルカット中に実行されることから、微少燃料噴射によって発生するトルクを可能な限り小さくするという観点から、微少燃料噴射における要求燃料噴射量は、燃料噴射弁から噴射可能な燃料の量のうち最も少ない量であることが好ましい。
そして、第1実施形態では、微少燃料噴射における実燃料噴射量が要求燃料噴射量に一致しているときに当該微少燃料噴射によって噴射された燃料の燃焼によって発生するトルクが実験等によって予め求められ、この求められたトルクが基準トルクとして電子制御装置に記憶されている。そして、フューエルカット中に微少燃料噴射が実行されたときに当該微少燃料噴射によって噴射された燃料の燃焼によって発生するトルクが検出される(以下このトルクを「検出トルク」という)。そして、検出トルクが基準トルクよりも大きいか否かが判断される。ここで、検出トルクが基準トルクよりも大きいと判断された場合、微少燃料噴射における実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多いことになる。そして、微少燃料噴射では比較的少ない量の燃料が燃料噴射弁から噴射されるのであるから、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多い場合、デポジットが噴孔壁面に堆積していることになる。したがって、第1実施形態では、検出トルクが基準トルクよりも大きい場合、デポジットが噴孔壁面に堆積していると判断される。
そして、第1実施形態では、デポジットが噴孔壁面に堆積していると判断されたとき(すなわち、検出トルクが基準トルクよりも大きいとき)には、検出トルクから基準トルクを減算することによって検出トルクと基準トルクとの間の差がトルク差として算出される。そして、この算出されたトルク差に基づいて実燃料噴射量と要求燃料噴射量との間の差(この差は実燃料噴射量から要求燃料噴射量を減算して得られる値に相当し、以下これを「燃料噴射量の増量分」という)が算出される。なお、ここで算出される燃料噴射量の増量分はトルク差が大きいほど大きい。
そして、第1実施形態では、微少燃料噴射が実行されたときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多い場合における燃料噴射量の増量分に対応するデポジット堆積量が実験等によって予め求められ、図3に示されているように、これら求められたデポジット堆積量Xdが燃料噴射量の増量分ΔQiの関数のマップの形で電子制御装置に記憶されている。そして、微少燃料噴射が実行されたときに算出される燃料噴射量の増量分ΔQiに基づいて図3のマップからデポジット堆積量Xdが算出される。なお、ここで算出されるデポジット堆積量Xdは燃料噴射量の増量分ΔQiが大きいほど大きい。
微少燃料噴射では燃料噴射量が比較的少ないことから、微少燃料噴射が実行されたときにデポジットが噴孔壁面に堆積していると実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多くなる。第1実施形態では、このことを考慮したうえでデポジット堆積量が算出される。したがって、第1実施形態によれば、デポジット堆積量が正確に算出される。
なお、第1実施形態では、デポジット堆積量を算出するためのマップとして燃料噴射量の増量分ΔQiに基づいてデポジット堆積量を算出するマップが用意されていることから、トルク差を燃料噴射量の増量分ΔQiに換算したうえで当該燃料噴射量の増量分ΔQiを用いてデポジット堆積量を算出している。しかしながら、デポジット堆積量を算出するためのマップとしてトルク差に基づいてデポジット堆積量を算出するマップを用意し、トルク差を用いてデポジット堆積量を直接算出するようにしてもよい。このことから、第1実施形態では、微少燃料噴射における燃料噴射量の増量分に基づいてデポジット堆積量を算出しているとも言えるし、微少燃料噴射におけるトルク差に基づいてデポジット堆積量を算出しているとも言える。
また、第1実施形態では、微少燃料噴射が実行されたときに検出トルクが基準トルクよりも大きいか否かが判断される。ここで、検出トルクは微少燃料噴射における実燃料噴射量に対応するトルクであり、基準トルクは微少燃料噴射における要求燃料噴射量に対応するトルクである。このことから、第1実施形態では、微少燃料噴射が実行されたときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多いか否かが判断されているとも言える。
次に、第1実施形態のデポジット堆積量の算出を実行するルーチンの一例について説明する。このルーチンが図4に示されている。図4のルーチンは所定時間が経過する毎に実行される。
図4のルーチンが開始されると、始めに、ステップ100において、フューエルカットフラグFfcがセットされている(Ffc=1)か否かが判別される。フューエルカットフラグFfcは、フューエルカットが開始されたときにセットされ、図4のルーチンによってデポジット堆積量が算出されるとリセットされる。ステップ100において、Ffc=1であると判別されたときには、ルーチンはステップ101に進む。一方、Ffc=0であると判別されたときには、ルーチンはそのまま終了する。
ステップ100でFfc=1であると判別され、ルーチンがステップ101に進むと、微少燃料噴射が実行される。次いで、ステップ102において、トルクTQが検出される。次いで、ステップ103において、ステップ102で検出されたトルク(すなわち、検出トルク)TQが基準トルクTQstよりも大きい(TQ>TQst)か否かが判別される。ここで、TQ>TQstであると判別されたとき(すなわち、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多いことから、基準トルクよりも大きいトルクが発生しているとき)には、ルーチンはステップ104に進む。一方、TQ≦TQstであると判別されたときには、ルーチンはそのまま終了する。
ステップ103でTQ>TQstであると判別され、ルーチンがステップ104に進むと、ステップ102で検出されたトルクTQと基準トルクTQstとの差(すなわち、トルク差)に基づいて燃料噴射量の増量分ΔQiが算出される。次いで、ステップ105において、ステップ104で算出された燃料噴射量の増量分ΔQiに基づいて図3のマップからデポジット堆積量Xdが算出される。次いで、ステップ106において、フューエルカットフラグFfcがリセットされ(Ffc←0)、ルーチンが終了する。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、微少燃料噴射量学習によって学習された学習補正値を利用してデポジット堆積量を推定する。以下、このデポジット堆積量の推定について説明するが、その説明の前に微少燃料噴射量学習について説明する。
第2実施形態では、アクセルペダルの踏込量が零になったときにフューエルカットが行われる。そして、このフューエルカットの実行中は燃料噴射が禁止されるのであるが、それに反して内燃機関の1回の作動サイクル中に第1実施形態の微少燃料噴射と同じ微少燃料噴射が実行される。
第2実施形態では、微少燃料噴射における実燃料噴射量が要求燃料噴射量に一致しているときに当該微少燃料噴射によって噴射された燃料の燃焼によって発生するトルクが実験等によって求められ、この求められたトルクが基準トルクとして電子制御装置に記憶されている。そして、フューエルカット中に微少燃料噴射が実行されたときに当該微少燃料噴射によって噴射された燃料の燃焼によって発生するトルクが検出される(以下このトルクを「検出トルク」という)。そして、検出トルクから基準トルクを減算することによって検出トルクと基準トルクとの間の差がトルク差として算出される。
ここで、トルク差が零であれば、実燃料噴射量が要求燃料噴射量に一致しているのだから、要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値を補正する必要はない。
一方、トルク差が零よりも大きければ、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多いのだから、実燃料噴射量を要求燃料噴射量に一致させるためには、要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が小さくなるように当該燃料噴射指令値を補正することによって燃料噴射期間(すなわち、燃料噴射孔から燃料が噴射されている期間)を短くする必要がある。そこで、トルク差が零よりも大きい場合、燃料噴射指令値を小さくする補正値が算出され、この算出された補正値が前回の微少燃料噴射量学習の実行時に更新されて電子制御装置に記憶された(すなわち、学習された)学習補正値に加算されることによって当該学習補正値が更新され、新たな学習補正値として電子制御装置に記憶される(すなわち、学習される)。なお、第2実施形態では、トルク差が零よりも大きい場合、零よりも大きい補正値が算出される。したがって、この補正値が学習補正値に加算されることによって学習補正値は大きくなる。
一方、トルク差が零よりも小さければ、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少ないのだから、実燃料噴射量を要求燃料噴射量に一致させるためには、要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が大きくなるように当該燃料噴射指令値を補正することによって燃料噴射期間を長くする必要がある。そこで、トルク差が零よりも小さい場合、燃料噴射指令値を大きくする補正値が算出され、この算出された補正値が前回の微少燃料噴射量学習の実行時に更新されて電子制御装置に記憶された(すなわち、学習された)学習補正値に加算されることによって当該学習補正値が更新され、新たな学習補正値として電子制御装置に記憶される(すなわち、学習される)。なお、第2実施形態では、トルク差が零よりも小さい場合、零よりも小さい補正値が算出される。したがって、この補正値が学習補正値に加算されることによって学習補正値は小さくなる。
そして、要求燃料噴射量が比較的少ないときに当該要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値から学習補正値を減算することによって当該燃料噴射指令値が補正され、この補正された燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられる。これによれば、要求燃料噴射量が比較的少ないときに実燃料噴射量を要求燃料噴射量に一致させることができる。
ところで、デポジットが噴孔壁面に堆積しているときに微少燃料噴射において要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられると、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多くなる。一方、第2実施形態の微少燃料噴射量学習では、微少燃料噴射が実行されたときのトルク差が零よりも大きければ、すなわち、微少燃料噴射が実行されたときの実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多ければ、零よりも大きい補正値が算出され、この補正値が学習補正値に加算される。したがって、学習補正値が零よりも大きい値である場合、微少燃料噴射において要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられると、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多くなる。つまり、学習補正値が零よりも大きい値である場合、デポジットが噴孔壁面に堆積していることになる。そして、実燃料噴射量と要求燃料噴射量との間の差(すなわち、燃料噴射量の増量分)は学習補正値が大きいほど大きく、デポジット堆積量は燃料噴射量の増量分が大きいほど多い。
そこで、第2実施形態では、微少燃料噴射量学習によって学習補正値が学習されたときに、この学習された学習補正値が取得される。そして、学習補正値が零よりも大きいか否かが判断される。ここで、学習補正値が零よりも大きいと判断された場合、微少燃料噴射における実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多いことになる。そして、微少燃料噴射では比較的少ない量の燃料が燃料噴射弁から噴射されるのであるから、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多い場合、デポジットが噴孔壁面に堆積していることになる。したがって、第1実施形態では、学習補正値が零よりも大きい場合、デポジットが噴孔壁面に堆積していると判断される。
そして、第2実施形態では、デポジットが噴孔壁面に堆積していると判断されたとき(すなわち、学習補正値が零よりも大きいとき)には、学習補正値に基づいて燃料噴射量の増量分(これは、実燃料噴射量から要求燃料噴射量を減算して得られる値に相当する)が算出される。なお、ここで算出される燃料噴射量の増量分は学習補正値が大きいほど大きい。そして、斯くして算出される燃料噴射量の増量分ΔQiに基づいて図3のマップからデポジット堆積量Xdが算出される。なお、ここで算出されるデポジット堆積量Xdは燃料噴射量の増量分ΔQiが大きいほど大きい。
微少燃料噴射では燃料噴射量が比較的少ないことから、微少燃料噴射が実行されたときにデポジットが噴孔壁面に堆積していると実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多くなる。第2実施形態では、このことを考慮したうえでデポジット堆積量が算出される。したがって、第2実施形態によれば、デポジット堆積量が正確に算出される。
なお、第2実施形態では、デポジット堆積量を算出するためのマップとして燃料噴射量の増量分ΔQiに基づいてデポジット堆積量を算出するマップが用意されていることから、学習補正値を燃料噴射量の増量分ΔQiに換算したうえで当該燃料噴射量の増量分ΔQiを用いてデポジット堆積量を算出している。しかしながら、デポジット堆積量を算出するためのマップとして学習補正値に基づいてデポジット堆積量を算出するマップを用意し、学習補正値を用いてデポジット堆積量を直接算出するようにしてもよい。このことから、第2実施形態では、微少燃料噴射における燃料噴射量の増量分に基づいてデポジット堆積量を算出しているとも言えるし、学習補正値に基づいてデポジット堆積量を算出しているとも言える。
また、第2実施形態では、微少燃料噴射量学習が実行されたときに学習補正値が零よりも大きいか否かが判断される。ここで、学習補正値は、燃料噴射量の増量分に対応する値である。このことから、第2実施形態では、微少燃料噴射量学習が実行されたときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多いか否かが判断されているとも言える。
次に、第2実施形態の微少燃料噴射量学習を実行するルーチンの一例について説明する。このルーチンが図5に示されている。なお、図5のルーチンは所定時間が経過する毎に実行される。
図5のルーチンが開始されると、始めに、ステップ20において、フューエルカットフラグFfcがセットされている(Ffc=1)か否かが判別される。フューエルカットフラグFfcは、フューエルカットが開始されたときにセットされ、図5のルーチンによって学習補正値が学習されるとリセットされる。ステップ20において、Ffc=1であると判別されたときには、ルーチンはステップ21に進む。一方、Ffc=0であると判別されたときには、ルーチンはそのまま終了する。
ステップ20でFfc=1であると判別され、ルーチンがステップ21に進むと、微少燃料噴射が実行される。次いで、ステップ22において、トルク差ΔTQが算出される。次いで、ステップ23において、ステップ22で算出されたトルク差ΔTQに基づいて補正値Kが算出される。次いで、ステップ24において、ステップ23で算出された補正値Kが前回の図5のルーチンの実行時にステップ24で学習された学習補正値に加算されることによって新たな学習補正値KGが学習される。次いで、ステップ25において、フューエルカットフラグFfcがリセットされる(Ffc←0)と共に、図6のルーチンで利用される学習完了フラグFkgがセットされ(Fkg←1)、ルーチンが終了する。
次に、第2実施形態のデポジット堆積量の推定を実行するルーチンの一例について説明する。このルーチンが図6に示されている。なお、図6のルーチンは所定時間が経過する毎に実行される。
図6のルーチンが開始されると、始めに、ステップ200において、学習完了フラグFkgがセットされている(Fkg=1)か否かが判別される。学習完了フラグFkgは、図5のルーチンによって学習補正値の学習が完了したときに(具体的には、図5のルーチンのステップ15において)セットされ、図6のルーチンによってデポジット堆積量が算出されるとリセットされる。ステップ200において、Fkg=1であると判別されたときには、ルーチンはステップ201に進む。一方、Fkg=0であると判別されたときには、ルーチンはそのまま終了する。
ステップ200でFkg=1であると判別され、ルーチンがステップ201に進むと、図5のルーチンのステップ14で学習された学習補正値KGが取得される。次いで、ステップ202において、ステップ201で取得された学習補正値KGが零よりも大きい(KG>0)か否かが判別される。ここで、KG>0であると判別されたとき(すなわち、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多いことから、学習補正値が零よりも大きい値になっているとき)には、ルーチンはステップ203に進む。一方、KG≦0であると判別されたときには、ルーチンはそのまま終了する。
ステップ202でKG>0であると判別され、ルーチンがステップ203に進むと、ステップ201で取得された学習補正値KGに基づいて燃料噴射量の増量分ΔQiが算出される。次いで、ステップ204において、ステップ203で算出された燃料噴射量の増量分ΔQiに基づいて図3のマップからデポジット堆積量Xdが算出される。次いで、ステップ205において、学習完了フラグFkgがリセットされ(Fkg←0)、ルーチンが終了する。
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、パイロット燃料噴射の実行時のパティキュレート生成量差を利用してデポジット堆積量を推定する。以下、このデポジット堆積量の推定について説明するが、その説明の前にパイロット燃料噴射について説明する。
内燃機関の1回の作動サイクル中にトルクを発生させることができるタイミング(例えば、圧縮上死点近傍のタイミング)で燃料を燃料噴射弁から噴射させる燃料噴射を「メイン燃料噴射」と称したとき、第3実施形態では、メイン燃料噴射の実行タイミングよりも前のタイミングであってトルクを発生させることがないタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるサブ燃料噴射(このサブ燃料噴射が「パイロット燃料噴射」である)を実行するパイロット燃料噴射モードが用意されている。パイロット燃料噴射によって燃料噴射弁から噴射される燃料(以下この燃料を「パイロット燃料」という)は、メイン燃料噴射の実行タイミングよりも前に燃焼する。そして、この燃焼によって燃焼室内の温度が上昇せしめられ、その結果、メイン燃料噴射によって燃料噴射弁から噴射される燃料(以下この燃料を「メイン燃料」という)の着火性が向上すると共に、メイン燃料の燃焼に起因して生成されるパティキュレートの量が低減される。第3実施形態では、内燃機関の運転状態に応じて(例えば、メイン燃料の着火性の向上が要求されたとき、あるいは、メイン燃料の燃焼に起因して生成されるパティキュレートの量の低減が要求されたときに)パイロット燃料噴射モードが選択され、パイロット燃料噴射が実行される。
ところで、デポジットが噴孔壁面に堆積しているときに微少燃料噴射において要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられると、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多くなる。一方、パイロット燃料(すなわち、パイロット燃料噴射によって燃料噴射弁から噴射される燃料)の量は、デポジットが噴孔壁面に堆積しているときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多くなる程度に少ない量である。つまり、パイロット燃料噴射は微少燃料噴射であると言える。また、パイロット燃料噴射が実行されるとメイン燃料(すなわち、メイン燃料噴射によって燃料噴射弁から噴射される燃料)の燃焼に起因して生成されるパティキュレートの量(以下この量を「パティキュレート生成量」という)が少なくなる。そして、このパティキュレート生成量はパイロット燃料の量が多いほど少ない。
そこで、第3実施形態では、パイロット燃料噴射における実燃料噴射量が要求燃料噴射量に一致しているときのパティキュレート生成量が実験等によって予め求められ、この求められたパティキュレート生成量が基準パティキュレート生成量として電子制御装置に記憶されている。そして、パイロット燃料噴射が実行されたときのパティキュレート生成量が検出される(以下このパティキュレート生成量を「検出パティキュレート生成量」という)。そして、検出パティキュレート生成量が基準パティキュレート生成量よりも少ないか否かが判断される。ここで、検出パティキュレート生成量が基準パティキュレート生成量よりも少ないと判断された場合、パイロット燃料噴射における実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多いことになる。そして、パイロット燃料噴射では比較的少ない量の燃料が燃料噴射弁から噴射されるのであるから、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多い場合、デポジットが噴孔壁面に堆積していることになる。したがって、第3実施形態では、検出パティキュレート生成量が基準パティキュレート生成量よりも大きい場合、デポジットが噴孔壁面に堆積していると判断される。
そして、第3実施形態では、デポジットが噴孔壁面に堆積していると判断されたとき(すなわち、検出パティキュレート生成量が基準パティキュレート生成量よりも少ないとき)には、基準パティキュレート生成量から検出パティキュレート生成量を減算することによって基準パティキュレート生成量と検出パティキュレート生成量との間の差がパティキュレート生成量差として算出される。そして、この算出されたパティキュレート生成量差に基づいて燃料噴射量の増量分(これは、実燃料噴射量から要求燃料噴射量を減算して得られる値に相当する)が算出される。なお、ここで算出される燃料噴射量の増量分はパティキュレート生成量差が大きいほど大きい。
そして、第3実施形態では、斯くして算出される燃料噴射量の増量分ΔQiに基づいて図3のマップからデポジット堆積量Xdが算出される。なお、ここで算出されるデポジット堆積量Xdは燃料噴射量の増量分ΔQiが大きいほど大きい。
パイロット燃料噴射では燃料噴射量が比較的少ないことから、パイロット燃料噴射が実行されたときにデポジットが噴孔壁面に堆積していると実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多くなる。第3実施形態では、このことを考慮したうえでデポジット堆積量が算出される。したがって、第3実施形態によれば、デポジット堆積量が正確に算出される。
なお、第3実施形態では、デポジット堆積量を算出するためのマップとして燃料噴射量の増量分ΔQiに基づいてデポジット堆積量を算出するマップが用意されていることから、パティキュレート生成量差を燃料噴射量の増量分ΔQiに換算したうえで当該燃料噴射量の増量分ΔQiを用いてデポジット堆積量を算出している。しかしながら、デポジット堆積量を算出するためのマップとしてパティキュレート生成量差に基づいてデポジット堆積量を算出するマップを用意し、パティキュレート生成量差を用いてデポジット堆積量を直接算出するようにしてもよい。このことから、第3実施形態では、パイロット燃料噴射における燃料噴射量の増量分に基づいてデポジット堆積量を算出しているとも言えるし、パイロット燃料噴射におけるパティキュレート生成量差に基づいてデポジット堆積量を算出しているとも言える。
また、第3実施形態では、パイロット燃料噴射が実行されたときに検出パティキュレート生成量が基準パティキュレート生成量よりも少ないか否かが判断される。ここで、検出パティキュレート生成量はパイロット燃料噴射における実燃料噴射量に対応するパティキュレート生成量であり、基準パティキュレート生成量はパイロット燃料噴射における要求燃料噴射量に対応するパティキュレート生成量である。このことから、第3実施形態では、パイロット燃料噴射が実行されたときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多いか否かが判断されているとも言える。
なお、メイン燃料(すなわち、メイン燃料噴射によって燃料噴射弁から噴射される燃料)の燃焼に起因して生成される窒素酸化物(NOx)の量(以下この量を「NOx生成量」という)を低減する目的で、メイン燃料噴射の実行タイミングよりも前のタイミングであってトルクを発生させることがないタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるサブ燃料噴射(このサブ燃料噴射がいわゆる「プレ燃料噴射」である)を実行するプレ燃料噴射モードが用意されている場合、プレ燃料噴射によって燃料噴射弁から噴射される燃料の量は、デポジットが噴孔壁面に堆積しているときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多くなる程度に少ない量である。つまり、プレ燃料噴射は微少燃料噴射であると言える。そこで、プレ燃料噴射モードが用意されている場合、第3実施形態において、パイロット燃料噴射の実行時のパティキュレート生成量差の代わりに、プレ燃料噴射の実行時のNOx生成量差を利用してデポジット堆積量を推定するようにしてもよい。この場合、基準パティキュレート生成量の代わりに、プレ燃料噴射における実燃料噴射量が要求燃料噴射量に一致しているときのNOx生成量として実験等によって予め求められて電子制御装置に記憶されている基準NOx生成量が用いられ、検出パティキュレート生成量の代わりに、プレ燃料噴射が実行されたときに検出されるNOx生成量が用いられる。また、パティキュレート生成量差の代わりに、基準NOx生成量から検出NOx生成量を減算することによって算出されるNOx生成量差が用いられる。なお、NOx生成量差に基づいて算出される燃料噴射量の増量分はNOx生成量差が大きいほど大きい。
つまり、第3実施形態に含まれる思想は、特定の目的でメイン燃料噴射の実行タイミングよりも前のタイミングであってトルクを発生させることがないタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるサブ燃料噴射を実行する燃料噴射モードが用意されており、このサブ燃料噴射における実燃料噴射量と要求燃料噴射量との間の差と相関関係のあるパラメータがある場合に適用可能である。
次に、第3実施形態のデポジット堆積量の推定を実行するルーチンの一例について説明する。このルーチンが図7に示されている。なお、図7のルーチンは所定時間が経過する毎に実行される。
図7のルーチンが開始されると、始めに、ステップ300において、パイロット燃料噴射フラグFplがセットされている(Fpl=1)か否かが判別される。パイロット燃料噴射フラグFplは、パイロット燃料噴射モードが選択されたときにセットされ、パイロット燃料噴射モードの選択が解除されたときにリセットされる。ステップ300において、Fpl=1であると判別されたときには、ルーチンはステップ301に進む。一方、Fpl=0であると判別されたときには、ルーチンはそのまま終了する。
ステップ300でFpl=1であると判別され、ルーチンがステップ301に進むと、パティキュレート生成量PMが検出される。次いで、ステップ302において、ステップ301で検出されたパティキュレート生成量(すなわち、検出パティキュレート生成量)PMが基準パティキュレート生成量PMstよりも少ない(PM<PMst)か否かが判別される。ここで、PM<PMstであると判別されたとき(すなわち、パイロット燃料噴射における実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多いことから、パティキュレート生成量が基準パティキュレート生成量よりも少なくなっているとき)には、ルーチンはステップ303に進む。一方、PM≧PMstであると判別されたときには、ルーチンはそのまま終了する。
ステップ302でPM<PMstであると判別され、ルーチンがステップ303に進むと、ステップ301で検出されたパティキュレート生成量PMと基準パティキュレート生成量PMstとの間の差(すなわち、パティキュレート生成量差)に基づいて燃料噴射量の増量分ΔQiが算出される。次いで、ステップ304において、ステップ303で算出された燃料噴射量の増量分ΔQiに基づいて図3のマップからデポジット堆積量Xdが算出され、ルーチンが終了する。
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、ポスト燃料噴射の実行時の触媒温度差を利用してデポジット堆積量を推定する。以下、このデポジット堆積量の推定について説明するが、その説明の前にポスト燃料噴射について説明する。
内燃機関の1回の作動サイクル中にトルクを発生させることができるタイミング(例えば、圧縮上死点近傍のタイミング)で燃料を燃料噴射弁から噴射させる燃料噴射を「メイン燃料噴射」と称したとき、第4実施形態では、メイン燃料噴射の実行タイミングよりも後のタイミングであってトルクを発生させることがないタイミング(例えば、排気行程中のタイミング)で燃料を燃料噴射弁から噴射させるサブ燃料噴射(このサブ燃料噴射が「ポスト燃料噴射」である)を実行するポスト燃料噴射モードが用意されている。ポスト燃料噴射によって燃料噴射弁から噴射される燃料(以下この燃料を「ポスト燃料」という)は、燃焼室内で燃焼せずにそのまま燃焼室から排気通路に排出され、排気通路に配置されている排気浄化触媒(図示せず)に到達する。そして、この排気浄化触媒に到達した燃料が当該排気浄化触媒において燃焼することによって排気浄化触媒の温度(以下この温度を「触媒温度」という)が上昇せしめられる。第4実施形態では、内燃機関の運転状態に応じて(例えば、触媒温度の上昇が要求されたときに)ポスト燃料噴射モードが選択され、ポスト燃料噴射が実行される。
ところで、デポジットが噴孔壁面に堆積しているときに微少燃料噴射において要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられると、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多くなる。一方、ポスト燃料(すなわち、ポスト燃料噴射によって燃料噴射弁から噴射される燃料)の量は、デポジットが噴孔壁面に堆積しているときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多くなる程度に少ない量である。つまり、ポスト燃料噴射は微少燃料噴射であると言える。また、ポスト燃料噴射が実行されると触媒温度が上昇する。そして、この触媒温度の上昇度合はポスト燃料の量が多いほど大きい。
そこで、第4実施形態では、ポスト燃料噴射における実燃料噴射量が要求燃料噴射量に一致しているときの触媒温度が実験等によって予め求められ、この求められた触媒温度が基準触媒温度として電子制御装置に記憶されている。そして、ポスト燃料噴射が実行されたときの触媒温度が検出される(以下この触媒温度を「検出触媒温度」という)。そして、検出触媒温度が基準触媒温度よりも高いか否かが判断される。ここで、検出触媒温度が基準触媒温度よりも高いと判断された場合、ポスト燃料噴射における実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多いことになる。そして、ポスト燃料噴射では比較的少ない量の燃料が燃料噴射弁から噴射されるのであるから、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多い場合、デポジットが噴孔壁面に堆積していることになる。したがって、第4実施形態では、検出触媒温度が基準触媒温度よりも高い場合、デポジットが噴孔壁面に堆積していると判断される。
そして、第4実施形態では、デポジットが噴孔壁面に堆積していると判断されたとき(すなわち、検出触媒温度が基準触媒温度よりも高いとき)には、検出触媒温度から基準触媒温度を減算することによって検出触媒温度と基準触媒温度との間の差が触媒温度差として算出される。そして、この算出された触媒温度差に基づいて燃料噴射量の増量分(これは、実燃料噴射量から要求燃料噴射量を減算して得られる値に相当する)が算出される。なお、ここで算出される燃料噴射量の増量分は触媒温度差が大きいほど大きい。
そして、第4実施形態では、斯くして算出される燃料噴射量の増量分ΔQiに基づいて図3のマップからデポジット堆積量Xdが算出される。なお、ここで算出されるデポジット堆積量Xdは燃料噴射量の増量分ΔQiが大きいほど大きい。
ポスト燃料噴射では燃料噴射量が比較的少ないことから、ポスト燃料噴射が実行されたときにデポジットが噴孔壁面に堆積していると実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多くなる。第4実施形態では、このことを考慮したうえでデポジット堆積量が算出される。したがって、第4実施形態によれば、デポジット堆積量が正確に算出される。
なお、第4実施形態では、デポジット堆積量を算出するためのマップとして燃料噴射量の増量分ΔQiに基づいてデポジット堆積量を算出するマップが用意されていることから、触媒温度差を燃料噴射量の増量分ΔQiに換算したうえで当該燃料噴射量の増量分ΔQiを用いてデポジット堆積量を算出している。しかしながら、デポジット堆積量を算出するためのマップとして触媒温度差に基づいてデポジット堆積量を算出するマップを用意し、触媒温度差を用いてデポジット堆積量を直接算出するようにしてもよい。このことから、第4実施形態では、ポスト燃料噴射における燃料噴射量の増量分に基づいてデポジット堆積量を算出しているとも言えるし、ポスト燃料噴射における触媒温度差に基づいてデポジット堆積量を算出しているとも言える。
また、第4実施形態では、ポスト燃料噴射が実行されたときに検出触媒温度が基準触媒温度よりも高いか否かが判断される。ここで、検出触媒温度はポスト燃料噴射における実燃料噴射量に対応する触媒温度であり、基準触媒温度はポスト燃料噴射における要求燃料噴射量に対応する触媒温度である。このことから、第4実施形態では、ポスト燃料噴射が実行されたときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多いか否かが判断されているとも言える。
なお、メイン燃料(すなわち、メイン燃料噴射によって燃料噴射弁から噴射される燃料)の燃焼に起因して生成されるパティキュレートを燃焼することによって燃焼室から排出されるパティキュレートの量(以下この量を「パティキュレート排出量」という)を低減する目的で、メイン燃料噴射の実行タイミングよりも後のタイミングであってトルクを発生させることがないタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるサブ燃料噴射(このサブ燃料噴射がいわゆる「アフター燃料噴射」である)を実行するアフター燃料噴射モードが用意されている場合、アフター燃料噴射によって燃料噴射弁から噴射される燃料の量は、デポジットが噴孔壁面に堆積しているときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多くなる程度に少ない量である。つまり、アフター燃料噴射は微少燃料噴射であると言える。そこで、アフター燃料噴射モードが用意されている場合、第4実施形態において、ポスト燃料噴射の実行時の触媒温度差の代わりに、アフター燃料噴射の実行時のパティキュレート排出量差を利用してデポジット堆積量を推定するようにしてもよい。この場合、基準触媒温度の代わりに、アフター燃料噴射における実燃料噴射量が要求燃料噴射量に一致しているときのパティキュレート排出量として実験等によって予め求められて電子制御装置に記憶されている基準パティキュレート排出量が用いられ、検出パティキュレート生成量の代わりに、アフター燃料噴射が実行されたときに検出されるパティキュレート排出量が用いられる。また、パティキュレート生成量差の代わりに、基準パティキュレート排出量から検出パティキュレート排出量を減算することによって算出されるパティキュレート排出量差が用いられる。なお、パティキュレート排出量差に基づいて算出される燃料噴射量の増量分はパティキュレート排出量差が大きいほど大きい。
つまり、第4実施形態に含まれる思想は、特定の目的でメイン燃料噴射の実行タイミングよりも後のタイミングであってトルクを発生させることがないタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるサブ燃料噴射を実行する燃料噴射モードが用意されており、このサブ燃料噴射における実燃料噴射量と要求燃料噴射量との間の差と相関関係のあるパラメータがある場合に適用可能である。
次に、第4実施形態のデポジット堆積量の推定を実行するルーチンの一例について説明する。このルーチンが図8に示されている。なお、図8のルーチンは所定時間が経過する毎に実行される。
図8のルーチンが開始されると、始めに、ステップ400において、ポスト燃料噴射フラグFpoがセットされている(Fpo=1)か否かが判別される。ポスト燃料噴射フラグFpoは、ポスト燃料噴射モードが選択されたときにセットされ、ポスト燃料噴射モードの選択が解除されたときにリセットされる。ステップ400において、Fpo=1であると判別されたときには、ルーチンはステップ401に進む。一方、Fpo=0であると判別されたときには、ルーチンはそのまま終了する。
ステップ400でFpo=1であると判別され、ルーチンがステップ401に進むと、触媒温度Tcatが検出される。次いで、ステップ402において、ステップ401で検出された触媒温度(すなわち、検出触媒温度)Tcatが基準触媒温度Tcatstよりも高い(Tcat>Tcatst)か否かが判別される。ここで、Tcat>Tcatstであると判別されたとき(すなわち、ポスト燃料噴射における実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも多いことから、触媒温度が基準触媒温度よりも高くなっているとき)には、ルーチンはステップ403に進む。一方、Tcat≦Tcatstであると判別されたときには、ルーチンはそのまま終了する。
ステップ402でTcat>Tcatstであると判別され、ルーチンがステップ403に進むと、ステップ401で検出された触媒温度Tcatと基準触媒温度Tcatstとの間の差(すなわち、触媒温度差)に基づいて燃料噴射量の増量分ΔQiが算出される。次いで、ステップ404において、ステップ403で算出された燃料噴射量の増量分ΔQiに基づいて図3のマップからデポジット堆積量Xdが算出され、ルーチンが終了する。
なお、上述した実施形態では、微少燃料噴射に関連してのみデポジット堆積量が推定される。しかしながら、これに加えて、微少燃料噴射以外の燃料噴射(すなわち、デポジットが噴孔壁面に堆積していると実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少なくなる量以上の燃料を噴射する燃料噴射であり、例えば、燃料噴射量が比較的多いメイン燃料噴射)に関連してデポジット堆積量を推定するようにしてもよい。次に、この実施形態(以下「第5実施形態」)のデポジット堆積量の推定について説明する。
第5実施形態では、例えば、要求燃料噴射量が予め定められた量(すなわち、デポジットが噴孔壁面に堆積していると実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少なくなる燃料噴射量)以上であるメイン燃料噴射における実燃料噴射量が要求燃料噴射量に一致しているときに当該メイン燃料噴射によって噴射された燃料の燃焼によって発生するトルクが実験等によって予め求められ、この求められたトルクが基準トルクとして電子制御装置に記憶されている。そして、メイン燃料噴射が実行されたときに当該メイン燃料噴射によって噴射された燃料の燃焼によって発生するトルクが検出される(以下このトルクを「検出トルク」という)。そして、この検出トルクが基準トルクよりも小さいか否かが判断される。ここで、検出トルクが基準トルクよりも小さいと判断された場合、メイン燃料噴射における実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少ないことになる。そして、メイン燃料噴射では比較的多い量の燃料が燃料噴射弁から噴射されるのであるから、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少ない場合、デポジットが噴孔壁面に堆積していることになる。したがって、第5実施形態では、メイン燃料噴射の実行時の検出トルクが基準トルクよりも小さい場合、デポジットが噴孔壁面に堆積していると判断される。
そして、第5実施形態では、デポジットが噴孔壁面に堆積していると判断されたとき(すなわち、メイン燃料噴射の実行時の検出トルクが基準トルクよりも小さいとき)には、基準トルクから検出トルクを減算することによって基準トルクと検出トルクとの間の差がトルク差として算出される。そして、この算出されたトルク差に基づいて実燃料噴射量と要求燃料噴射量との間の差(この差は要求燃料噴射量から実燃料噴射量を減算して得られる値に相当し、以下これを「燃料噴射量の減量分」という)が算出される。なお、ここで算出される燃料噴射量の減量分はトルク差が大きいほど大きい。
そして、メイン燃料噴射が実行されたときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少ない場合における燃料噴射量の減量分に対応するデポジット堆積量が実験等によって予め求められ、図9に示されているように、これら求められたデポジット堆積量Xdが燃料噴射量の減量分ΔQdの関数のマップの形で電子制御装置に記憶されている。そして、メイン燃料噴射が実行されたときに算出される燃料噴射量の減量分ΔQdに基づいて図9のマップからデポジット堆積量Xdが算出される。なお、ここで算出されるデポジット堆積量Xdは燃料噴射量の減量分ΔQdが大きいほど大きい。
次に、第5実施形態のデポジット堆積量の推定を実行するルーチンの一例について説明する。このルーチンが図10に示されている。図10のルーチンは所定時間が経過する毎に実行される。また、図10のルーチンのステップ501〜506は、図4のルーチンのステップ101〜106と同じであるので、これらステップの説明は省略する。
図10のルーチンが開始されると、始めに、ステップ500において、フューエルカットフラグFfcがセットされている(Ffc=1)か否かが判別される。フューエルカットフラグFfcは、フューエルカットが開始されたときにセットされ、図10のルーチンのステップ505においてデポジット堆積量が算出されるとリセットされる。ステップ500において、Ffc=1であると判別されたときには、ルーチンはステップ501に進む。一方、Ffc=0であると判別されたときには、ルーチンはステップ507に進む。
ステップ500でFfc=0であると判別され、ルーチンがステップ507に進むと、メイン燃料の量(すなわち、メイン燃料噴射によって燃料噴射弁から噴射される燃料の量)Qmainが予め定められた量Qth以上である(Qmain≧Qth)か否かが判別される。ここで、Qmain≧Qthであると判別されたときには、ルーチンはステップ508に進む。一方、Qmain<Qthであると判別されたときには、ルーチンはそのまま終了する。
ステップ507でQmain≧Qthであると判別され、ルーチンがステップ508に進むと、トルクTQが検出される。次いで、ステップ509において、ステップ508で検出されたトルク(すなわち、検出トルク)TQがメイン燃料噴射の実行時の基準トルクTQstよりも小さい(TQ<TQst)か否かが判別される。ここで、TQ<TQstであると判別されたとき(すなわち、実燃料噴射量が要求燃料噴射量よりも少ないことから、基準トルクよりも小さいトルクが発生しているとき)には、ルーチンはステップ510に進む。一方、TQ≧TQstであると判別されたときには、ルーチンはそのまま終了する。
ステップ509でTQ<TQstであると判別され、ルーチンがステップ510に進むと、ステップ508で検出されたトルクTQとメイン燃料噴射の実行時の基準トルクTQstとの差(すなわち、トルク差)に基づいて燃料噴射量の減量分ΔQdが算出される。次いで、ステップ511において、ステップ510で算出された燃料噴射量の減量分ΔQdに基づいて図9のマップからデポジット堆積量Xdが算出される。

Claims (10)

  1. 燃料噴射弁を備えた内燃機関において、燃料噴射弁の燃料噴射孔を画成する壁面である噴孔画成壁面、該噴孔画成壁面以外の壁面であって燃料噴射孔の入口近傍の燃料噴射弁の壁面、および、前記噴孔画成壁面以外の壁面であって燃料噴射孔の出口近傍の燃料噴射弁の壁面の少なくとも1つから構成される噴孔壁面に堆積しているデポジットの量であるデポジット堆積量を算出することによってデポジット堆積量を推定するデポジット堆積量推定装置であって、燃料噴射弁から実際に噴射される燃料の量を実燃料噴射量と称し、燃料噴射弁から噴射させる燃料の量として要求される量を要求燃料噴射量と称し、デポジット堆積量が零であるときに要求燃料噴射量の燃料を燃料噴射弁から噴射させるために燃料噴射弁に与えられる指令値を燃料噴射指令値と称したとき、予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実燃料噴射量がそれに対応する要求燃料噴射量よりも多いか否かを判断する増量判断が行われ、該増量判断において実燃料噴射量がそれに対応する要求燃料噴射量よりも多いと判断されたときには該実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量との間の差に基づいてデポジット堆積量が推定されるデポジット堆積量推定装置。
  2. トルクを発生させるタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させる燃料噴射が内燃機関の複数の作動サイクルに亘って禁止されるフューエルカットが行われ、該フューエルカットが行われている期間中にトルクを発生させるタイミングで前記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与られたときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量に一致している場合に発生するトルクを基準トルクと称した場合、フューエルカットが行われている期間中にトルクを発生させるタイミングで前記予め定められた量よりも少ない前記要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実際のトルクと前記基準トルクとの間の差が実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量との間の差としてデポジット堆積量の推定に用いられる請求項1に記載のデポジット堆積量推定装置。
  3. トルクを発生させるタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させる燃料噴射が内燃機関の複数の作動サイクルに亘って禁止されるフューエルカットが行われ、該フューエルカットが行われている期間中にトルクを発生させるタイミングで前記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与られたときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量に一致している場合に発生するトルクを基準トルクと称した場合、フューエルカットが行われている期間中にトルクを発生させるタイミングで前記予め定められた量よりも少ない前記要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実際のトルクが前記基準トルクよりも大きい場合、実燃料噴射量がそれに対応する要求燃料噴射量よりも多いと判断される請求項1または2に記載のデポジット堆積量推定装置。
  4. トルクを発生させるタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させる燃料噴射が内燃機関の複数の作動サイクルに亘って禁止されるフューエルカットが行われ、該フューエルカットが行われている期間中にトルクを発生させるタイミングで前記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与られたときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量に一致している場合に発生するトルクを基準トルクと称し、フューエルカットが行われている期間中にトルクを発生させるタイミングで前記予め定められた量よりも少ない前記要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実際のトルクと前記基準トルクとの間の差に基づいて前記予め定められた量よりも少ない前記要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実燃料噴射量が前記要求燃料噴射量に一致するように前記燃料噴射指令値を補正するための補正値が学習される場合、該学習された補正値が実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量との間の差としてデポジット堆積量の推定に用いられる請求項1〜3のいずれか1つに記載のデポジット堆積量推定装置。
  5. トルクを発生させるタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させる燃料噴射が内燃機関の複数の作動サイクルに亘って禁止されるフューエルカットが行われ、該フューエルカットが行われている期間中にトルクを発生させるタイミングで前記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与られたときに実燃料噴射量が要求燃料噴射量に一致している場合に発生するトルクを基準トルクと称し、フューエルカットが行われている期間中にトルクを発生させるタイミングで前記予め定められた量よりも少ない前記要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実際のトルクと前記基準トルクとの間の差に基づいて前記予め定められた量よりも少ない前記要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実燃料噴射量が前記要求燃料噴射量に一致するように前記燃料噴射指令値を補正するための補正値が学習される場合、該学習された補正値に基づいて前記増量判断が行われる請求項1〜4のいずれか1つに記載のデポジット堆積量推定装置。
  6. 前記燃料噴射弁が内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁であり、内燃機関の1回の作動サイクル中にトルクを発生させることができるタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるメイン燃料噴射とトルクを発生させることがないタイミングであって前記メイン燃料噴射の実行タイミングよりも前のタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるサブ燃料噴射とが行われる場合、該サブ燃料噴射が行われるときに前記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの該サブ燃料噴射による実燃料噴射量と該サブ燃料噴射に関する要求燃料噴射量との間の差が実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量との間の差としてデポジット堆積量の推定に用いられる請求項1〜5のいずれか1つに記載のデポジット堆積量推定装置。
  7. 前記燃料噴射弁が内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁であり、内燃機関の1回の作動サイクル中にトルクを発生させることができるタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるメイン燃料噴射とトルクを発生させることがないタイミングであって前記メイン燃料噴射の実行タイミングよりも前のタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるサブ燃料噴射とが行われる場合、該サブ燃料噴射が行われるときに前記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの該サブ燃料噴射による実燃料噴射量と該サブ燃料噴射に関する要求燃料噴射量とに基づいて前記増量判断が行われる請求項1〜6のいずれか1つに記載のデポジット堆積量推定装置。
  8. 前記燃料噴射弁が内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁であり、内燃機関の1回の作動サイクル中にトルクを発生させることができるタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるメイン燃料噴射とトルクを発生させることがないタイミングであって前記メイン燃料噴射の実行タイミングよりも後のタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるサブ燃料噴射とが行われる場合、該サブ燃料噴射が行われるときに前記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの該サブ燃料噴射による実燃料噴射量と該サブ燃料噴射に関する要求燃料噴射量との間の差が実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量との間の差としてデポジット堆積量の推定に用いられる請求項1〜7のいずれか1つに記載のデポジット堆積量推定装置。
  9. 前記燃料噴射弁が内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁であり、内燃機関の1回の作動サイクル中にトルクを発生させることができるタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるメイン燃料噴射とトルクを発生させることがないタイミングであって前記メイン燃料噴射の実行タイミングよりも後のタイミングで燃料を燃料噴射弁から噴射させるサブ燃料噴射とが行われる場合、該サブ燃料噴射が行われるときに前記予め定められた量よりも少ない要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの該サブ燃料噴射による実燃料噴射量と該サブ燃料噴射に関する要求燃料噴射量とに基づいて前記増量判断が行われる請求項1〜8のいずれか1つに記載のデポジット堆積量推定装置。
  10. 前記予め定められた量以上の要求燃料噴射量に対応する燃料噴射指令値が燃料噴射弁に与えられたときの実燃料噴射量がそれに対応する要求燃料噴射量よりも少ないか否かを判断する減量判断が行われ、該減量判断において実燃料噴射量がそれに対応する要求燃料噴射量よりも少ないと判断されたときには該実燃料噴射量とそれに対応する要求燃料噴射量との間の差に基づいてデポジット堆積量が推定される請求項1〜9のいずれか1つに記載のデポジット堆積量推定装置。
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