JP5083519B2 - 地盤構造推定方法及び地盤構造推定装置 - Google Patents

地盤構造推定方法及び地盤構造推定装置 Download PDF

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本発明は、主要には、弾性波を解析して地中の地盤構造を推定する方法に関する。
地中の地盤構造を推定する方法の1つとして、いわゆる微動波探査と呼ばれる方法が知られている。この微動波探査は、計測地点に複数の検出器を設置し、遠方の自然振動(波浪や、遠方の交通振動)からレイリー波成分を取り出すこととしている。そして、検出器間のレイリー波の検出時間差を検出器間の距離で除することで、1〜数十Hz(数百Hz)の各周波数におけるレイリー波速度を求める。次に、このレイリー波速度に所定の定数を乗じて、地盤の深度毎のS波速度(S波構造)を求める。この微動波探査は、例えば特許文献1に開示されている。
特開2001−193046号公報
また、いわゆるP−S検層によって地中の地盤構造を推定することも行われている。このP−S検層は、地表面に起振機を設置するとともに、起振機から数十cm〜数百mの適宜の距離だけ離れた地点で垂直に穴を掘って、穴内のそれぞれの深さに検出器を設置する。そして、例えば数Hz〜数百Hzで起振機を作動させ、起振機から検出器までの距離を検出器の振動検出遅れ時間で除することで、地盤の深度毎のS波速度を直接的に求める。
更に、近年は、表面波探査と呼ばれる方法も公知とされている。この表面波探査は、地表面に起振機を設置するとともに、起振機から数十cm〜数百mの適宜の距離だけ離れた地点の地表に検出器を複数個設置する。そして、例えば数Hz〜数百Hzで起振機を作動させ、検出器で取り出した振動波をレイリー波とみなして、検出器の間隔を検出器間の振動検出時間差で除してレイリー波速度を求める。次に、このレイリー波速度に所定の定数を乗じて、地盤の深度毎のS波速度(S波構造)を求める。この表面波探査は、例えば特許文献2及び3に開示されている。
特開2005−127760号公報 特開2007−120959号公報
上述の微動波探査は、自然振動をレイリー波として利用するもので、人工振動の発生源(例えば、工場や建設現場等)が近距離にある場合は適用が困難である。また、長時間にわたってデータを蓄積して相関処理を行う必要があり、時間と工数がかかってしまう。
また、P−S検層法は、地中にボーリング孔等を形成する必要があって、適用できる場所が限られてしまう。また、探査に大掛かりな設備を必要とし、時間とコストの増大要因となっている。
一方、表面波探査は、上述した微動波探査やP−S検層の課題を解決でき、狭い敷地で短時間かつ簡便に測定ができることから、近年特に普及が進んでいる。
しかしながら一般に、起振機で地盤に振動を加える場合は、その起振点から近い領域においてはレイリー波のみならず多種の弾性波が含まれ、その中からレイリー波だけを取り出すのは困難である。一方で、前記表面波探査は、検出される振動はレイリー波であると一律にみなして解析を行っている。
この点に関し、本願の発明者らは、特に加振点から近距離の領域において地表面速度とレイリー波速度に大きな差異があることを公知の論文で指摘している(原田隆典,王宏沢,斉藤将司,山下典彦,森源次、調和振動荷重によるP−SV波の地盤振動・波動伝播特性,応用力学論文集,Vol.8,pp.685−692,2005)。この論文では、起振機から検出器までの距離に応じて弾性波速度が変化し、また、同じ距離であっても、周波数が異なると弾性波速度が変化する旨の知見が述べられている。
この知見を実際に確認するために、本願発明者らは実機を用いて検証試験を行った。すると、特に起振点から数十cm〜数mの距離に検出器が設置された場合、同じ地層であるにもかかわらず、計測によって得られる層厚や速度等の結果が検出器の位置によって大きく異なることが確認された。また、実際のボーリング調査により得られた地盤構造を上記計測結果と比較したところ、従来の表面波探査による地盤構造推定では相当の誤差が生じる恐れがあることが確認された。
以上のとおり、従来の表面波探査は、起振機と検出器との距離を大きく確保できない場合の測定結果の信頼性において、改善の余地が残されていた。本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、狭い敷地でも簡便に計測できるとともに、信頼性の高い結果が得られる地盤構造推定方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下のような地盤構造推定方法が提供される。即ち、対象地盤の地表に起振機と検出器とを設置して、前記起振機で前記地盤に振動を加え、前記検出器が弾性波を検出して出力する信号に基づいて地中の地盤構造を推定する地盤構造推定方法であって、以下の第1〜第4ステップを含む。即ち、第1ステップでは、振動周波数を変化させながら前記起振機により前記地盤を振動させて、前記検出器に弾性波を検出させ、この検出器の出力信号に基づいて、当該地盤における位相速度の振動数特性と卓越振動数を算出する。第2ステップでは、仮説地盤モデルを作成するとともに、前記第1ステップで得られた前記位相速度の振動数特性において、前記卓越振動数付近の位相速度ピークと、当該卓越振動数より振動数が大きい領域での位相速度ピークとの間での振動数領域における位相速度に基づいて、前記仮説地盤モデルの少なくとも何れか一層のS波速度を定める。第3ステップでは、前記仮説地盤モデルから算出される卓越振動数と、前記第1ステップで算出された卓越振動数との差が所定範囲内となり、かつ、前記仮説地盤モデルから算出される位相速度の振動数特性と、前記第1ステップで算出された位相速度の振動数特性との差が所定範囲内となるまで、当該仮説地盤モデルのパラメータを変更しながら卓越振動数及び位相速度の振動数特性の算出を繰り返し、差が所定範囲内となった場合に当該仮説地盤モデルを推定結果地盤モデルとする。第4ステップでは、前記推定結果地盤モデルを出力する。
本方法では、波をレイリー波とみなすのではなく、他の波を含む複合波として解析するため、加振点からの距離の長短にかかわらず一定の推定結果が得られ、特に加振点近傍に検出器を設置した場合でも信頼性の高い推定結果が得られる。従って、測定のために広いスペースを確保できない場合でも精度の良い推定が可能になる。また、作成当初の仮説地盤モデルの層のS波速度が適切に定められるため、推定結果地盤モデルを得るための計算時間及び計算負荷を軽減できる。更に、本方法では、加振点近傍の2地点間(又は、加振点を含む2地点間)で観測される位相速度と地盤振動特性(だけ)を利用して地中の地盤を推定することができる。従って、強い加振力を有する起振機が不要になり、また、少ない検出器の数で地盤を精度良く推定できる。
前記地盤構造推定方法においては、以下のようにすることが好ましい。即ち、前記第2ステップは、前記位相速度の振動数特性において、前記卓越振動数付近の位相速度ピークと、当該卓越振動数より振動数が大きい領域での位相速度ピークとの間での振動数領域における位相速度の最大値を、前記仮説地盤モデルの少なくとも何れか一層のS波速度として設定する。
これにより、作成当初の仮説地盤モデルの層のS波速度が一層適切に定められるため、推定結果地盤モデルを得るための計算時間及び計算負荷を更に軽減できる。
前記地盤構造推定方法においては、以下のようにすることが好ましい。即ち、前記第3ステップは、ステップAと、ステップBと、を含む。ステップAでは、前記仮説地盤モデルにおいて卓越振動数を算出し、この仮説地盤モデルの卓越振動数と前記第1ステップで算出された卓越振動数の差が所定範囲内となるまで、当該仮説地盤モデルのパラメータを変更しながら卓越振動数の算出を繰り返し、卓越振動数の差が所定範囲内となった場合に当該仮説地盤モデルを第2仮説地盤モデルとする。ステップBでは、前記第2仮説地盤モデルにおいて位相速度の振動数特性を算出し、この第2仮説地盤モデルの位相速度の振動数特性と前記第1ステップで算出された位相速度の振動数特性の差が所定範囲内となるまで、当該仮説地盤モデルのパラメータを変更しながら位相速度の振動数特性の計算を繰り返し、位相速度の振動数特性の差が所定範囲内となった場合に当該第2仮説地盤モデルを推定結果地盤モデルとする。
これにより、仮説地盤モデルにおいて先ず卓越振動数を一致させてから位相速度の振動数特性を一致させるように計算することで、少ない計算量で推定結果地盤モデルを簡単に得ることができる。従って、計算時間及び計算負荷を軽減できる。
前記地盤構造推定方法においては、対象地盤の地表に設置される前記起振機と、当該起振機に最も近い前記検出器との間隔が10m以下であることが好ましい。
即ち、本発明の方法は、起振機と検出器との間隔を狭くせざるを得ないような狭いスペースしかない場合でも、信頼性のある推定結果が得られる点で特に有用である。
前記地盤構造推定方法においては、前記第3ステップにおいて、前記仮説地盤モデルの卓越振動数及び位相速度の振動数特性を剛性マトリクス法により算出することが好ましい。
これにより、仮説地盤モデルにおける数値計算上の解の安定性を容易に確保でき、また、比較的簡単なプログラムで計算することができる。
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の地盤構造推定装置が提供される。即ち、この地盤構造推定装置は、対象地盤の地表に起振機と検出器とを設置して、前記起振機で前記地盤に振動を加え、前記検出器が弾性波を検出して出力する信号に基づいて地中の地盤を推定する地盤構造推定方法に用いられる。当該地盤構造推定装置は、振動周波数を変化させながら前記起振機により前記地盤を振動させて前記検出器に弾性波を検出させたときのデータに基づいて、当該地盤における位相速度の振動数特性と卓越振動数を算出する。そして地盤構造推定装置は、仮説地盤モデルを作成するとともに、得られた前記位相速度の振動数特性において、前記卓越振動数付近の位相速度ピークと、当該卓越振動数より振動数が大きい領域での位相速度ピークとの間での振動数領域における位相速度に基づいて、前記仮説地盤モデルの少なくとも何れか一層のS波速度を定める。更に、地盤構造推定装置は、前記仮説地盤モデルから算出される卓越振動数と、前記第1ステップで算出された卓越振動数との差が所定範囲内となり、かつ、前記仮説地盤モデルから算出される位相速度の振動数特性と、前記第1ステップで算出された位相速度の振動数特性との差が所定範囲内となるまで、当該仮説地盤モデルのパラメータを変更しながら卓越振動数及び位相速度の振動数特性の算出を繰り返し、差が所定範囲内となった場合に当該仮説地盤モデルを推定結果地盤モデルとする。また、地盤構造推定装置は、得られた前記推定結果地盤モデルを出力可能に構成されている。
本装置では、波をレイリー波とみなすのではなく、他の波を含む複合波として解析するため、加振点からの距離の長短にかかわらず一定の推定結果が得られ、特に加振点近傍に検出器を設置した場合でも信頼性の高い推定結果が得られる。従って、測定のために広いスペースを確保できない場合でも精度の良い推定が可能になる。また、作成当初の仮説地盤モデルの層のS波速度が適切に定められるため、推定結果地盤モデルを得るための計算時間及び計算負荷を軽減できる。更に、本装置では、加振点近傍の2地点間(又は、加振点を含む2地点間)で観測される位相速度と地盤振動特性(だけ)を利用して地中の地盤を推定することができる。従って、強い加振力を有する起振機が不要になり、また、少ない検出器の数で地盤を精度良く推定できる。
前記地盤構造推定装置においては、前記位相速度の振動数特性において、前記卓越振動数付近の位相速度ピークと、当該卓越振動数より振動数が大きい領域での位相速度ピークとの間での振動数領域における位相速度の最大値を、前記仮説地盤モデルの少なくとも何れか一層のS波速度として設定することが好ましい。
これにより、作成当初の仮説地盤モデルの層のS波速度が一層適切に定められるため、推定結果地盤モデルを得るための計算時間及び計算負荷を更に軽減できる。
前記地盤構造推定装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記仮説地盤モデルから推定結果地盤モデルを得るときは、前記仮説地盤モデルにおいて卓越振動数を算出し、この仮説地盤モデルの卓越振動数と前記第1ステップで算出された卓越振動数の差が所定範囲内となるまで、当該仮説地盤モデルのパラメータを変更しながら卓越振動数の算出を繰り返し、卓越振動数の差が所定範囲内となった場合に当該仮説地盤モデルを第2仮説地盤モデルとする。次に、前記第2仮説地盤モデルにおいて位相速度の振動数特性を算出し、この第2仮説地盤モデルの位相速度の振動数特性と前記第1ステップで算出された位相速度の振動数特性の差が所定範囲内となるまで、当該仮説地盤モデルのパラメータを変更しながら位相速度の振動数特性の計算を繰り返し、位相速度の振動数特性の差が所定範囲内となった場合に当該第2仮説地盤モデルを推定結果地盤モデルとする。
これにより、仮説地盤モデルにおいて先ず卓越振動数を一致させてから位相速度の振動数特性を一致させるように計算することで、少ない計算量で推定結果地盤モデルを簡単に得ることができる。従って、計算時間及び計算負荷を軽減できる。
前記地盤構造推定装置においては、対象地盤の地表に設置される前記起振機と、当該起振機に最も近い前記検出器との間隔が10m以下であるときのデータに基づいて推定結果地盤モデルを得ることが好ましい。
即ち、本発明の装置は、起振機と検出器との間隔を狭くせざるを得ないような狭いスペースしかない場合でも、信頼性のある推定結果が得られる点で特に有用である。
前記地盤構造推定装置においては、前記仮説地盤モデルの卓越振動数及び位相速度の振動数特性を剛性マトリクス法により算出することが好ましい。
これにより、仮説地盤モデルにおける数値計算上の解の安定性を容易に確保でき、また、比較的簡単なプログラムで計算することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は地盤に起振機及び検出器を設置して計測を行う様子を示す概略図、図2は計測作業を説明するフローチャートである。図3及び図4は、解析作業を説明するフローチャートである。
図1に示す地盤探査装置1は、起振機11と、検出器12a,12b,12cと、接続箱13と、信号処理器3と、パーソナルコンピュータ(演算表示器)4と、を主要な構成として備えている。
起振機11は、調査対象の地盤5の地表に設置されており、地盤5の一点(加振点6)に対して鉛直方向の振動を加えることができる。
検出器12a,12b,12cは、地盤5の地表において、前記加振点6から直線状に伸びるように設定された計測線上に並べて設置されている。起振機11に最も近い検出器12aは、起振機11から10m以内の距離に設置されている。それぞれの検出器12a,12b,12cは、振り子とサーボアンプとからなる公知のサーボ型加速度ピックアップを備えており、検出器設置点の振動に応じた信号を出力できるようになっている。
信号処理器3は、パワーアンプ50と、メインアンプ51a,51b,51cと、信号処理部52と、通信インタフェース53と、を備えている。
前記パワーアンプ50の出力側は、前記起振機11にケーブルを介して接続される。また、前記検出器12a,12b,12cのそれぞれが出力する検出信号は、ケーブルを介して接続箱13に送られ、この接続箱13に内蔵された図略のプリアンプによって増幅される。増幅された検出信号は、信号処理器3のメインアンプ51a,51b,51cにケーブルを介して送られる。
そして、メインアンプ51a,51b,51cで増幅された検出信号に対して、信号処理器3の信号処理部52において処理が行われる。処理結果のデータは、通信インタフェース53を介して、パーソナルコンピュータ4が備える通信インタフェース24へ送られる。
パーソナルコンピュータ4は、CPU21と、メモリ22と、ハードディスク23と、通信インタフェース24と、表示部25と、操作部26と、を備えている。
操作部26は、例えばキーボードやマウスからなり、ユーザは操作部26を介して、パーソナルコンピュータ4の種々の操作を行うことができる。また、表示部25は例えば液晶ディスプレイからなり、各種の演算結果等を表示可能に構成されている。
パーソナルコンピュータ4には、適宜のソフトウェアが記憶媒体を使用してインストールされている。このインストール操作によって、ハードディスク23には適宜のプログラムが記憶されている。
ユーザが操作部26を適宜操作することにより、前記プログラムをメモリ22にロードして実行することができる。このプログラムの実行により、起振機11の駆動や信号処理器3の制御、信号処理器3からのデータの受信等が通信インタフェース24を介して行われるとともに、信号処理器3からの受信データに対する演算処理等が行われる。
次に、上記の地盤探査装置1を使用した計測作業について、図2のフローチャートを参照して説明する。なお、この計測作業前の開始前に、地盤探査装置1のオペレータが、計測対象となる地盤5に起振機11及び検出器12a,12b,12cを図1のように設置し、信号処理器3や接続箱13等も予めセットアップしておくものとする。
計測作業では、最初にオペレータが操作部26を操作して、パーソナルコンピュータ4に所要の計測条件データを入力する(図2のS101)。この計測条件データは、加振点6と検出器12aとの間の距離、検出器12a,12b,12cの間隔L1,L2(図1を参照)、起振機11の駆動周波数を変化させる範囲、及び、起振機11の周波数を1度に変化させる大きさ(ステップ周波数)等からなる。なお、前記の周波数の範囲は、例えば、3〜250Hzの範囲とされる。入力された計測条件データは、メモリ22に適宜保存される。
計測条件の入力が完了すると、最初の周波数がCPU21によって信号処理器3に設定される(S102)。続いて、CPU21の指示によって、その設定された周波数での駆動信号(正弦波信号)が信号処理器3から起振機11へ送信され、起振機11が駆動される(S103)。この結果、加振点6において地盤5に上下方向の調和振動が加えられる。
この起振機11の駆動後、直ちに、CPU21から信号処理器3に対して計測開始が指示される(S104)。すると、信号処理部52が、それぞれの検出器12a,12b,12cから得られた振動の計測処理(S105〜S107)を開始する。
具体的には、信号処理器3は、検出器12aの信号を受信することにより、そのときの振幅W1を取得するとともに、起振機11で生成された振動波が検出器12aで検出されるまでの遅れ時間ΔAを計算して取得する。これを他の検出器12b,12cにおいても行い、検出器12bにおける振幅W2及び遅れ時間ΔB、並びに、検出器12cにおける振幅W3及び遅れ時間ΔCを取得する。
以上の処理(S105〜S107)で取得された各検出器12a,12b,12cの地点での振幅W1〜W3及び遅れ時間ΔA〜ΔCは、信号処理器3からパーソナルコンピュータ4へ送信され、パーソナルコンピュータ4のメモリ22に随時記憶される。
次に、隣り合う2つの検出器12a,12b間の波の速度を計算する(S108)。具体的には、検出器12a,12bに波が到達した時間の差Δt1を、前記遅れ時間の差を計算することにより取得する(Δt1=ΔB−ΔA)。そして、検出器12a,12b間の間隔L1を前記時間差Δt1で除することにより、両検出器12a,12b間での波の速度V1を求める(V1=L1/Δt1)。
更に、求められた波の速度V1をD1=V1/(K×F)の公知の式に代入し、両検出器12b,12a間の下方領域での深度D1を計算する(S109)。なお、上式において、Fは周波数、Kは変換定数である。計算された速度V1及び深度D1は、パーソナルコンピュータ4のメモリ22に適宜記憶される。
次に、2つの検出器12b,12c間の波の速度を計算する(S110)。具体的には、検出器12b,12cに波が到達した時間の差Δt2を、前記S108の処理と同様に、遅れ時間の差を計算することにより取得する(Δt2=ΔC−ΔB)。そして、検出器12b,12c間の間隔L2を前記時間差Δt2で除することにより、両検出器12c,12b間での波の速度V2を求める(V2=L2/Δt2)。
更に、求められた波の速度V2をD2=V2/(K×F)の式に代入して、両検出器12b,12c間の下方領域での深度D2を計算する(S111)。計算された速度V2及び深度D2は、パーソナルコンピュータ4のメモリ22に適宜記憶される。
次に、全ての周波数の計測が完了したかどうかが判定される(S112)。計測が完了していないときは、現在の周波数に前記ステップ周波数を加算した周波数を信号処理器3に設定するとともに(S113)、その新しい周波数で起振機11を駆動し(S103)、再びS104〜S111の処理を行って各種データを計算して取得する。このように、周波数を前記ステップ周波数ずつ変化させながらデータの計算を反復することにより、周波数ごとに、振幅W1,W2,W3、波の速度V1,V2、及び深度D1,D2を求めて、メモリ22に次々と蓄積させることができる。
処理の反復の結果、S112の判断で全周波数での計測が完了したと判定されると、起振機11が停止されるとともに(S114)、メモリ22に記憶されていた計測条件や計算結果が、データファイルとして例えばハードディスク23に保存される(S115)。
なお、このデータファイルに保存される計測条件には、S101の処理で入力された計測条件データの内容が含まれる。また、データファイルに保存される計測結果には、振幅と周波数の関係(F−W1特性、F−W2特性、及びF−W3特性)、速度と周波数の関係(F−V1特性及びF−V2特性)、並びに、速度と深度の関係(D1−V1特性及びD2−V2特性)が含まれる。保存の完了後、計測作業を終了する。
次に、上記の計測作業で得られたデータを解析する解析作業について、図3及び図4のフローチャートを参照して説明する。この解析作業は、図1に示すパーソナルコンピュータ4(図2で示す計測処理を実行したパーソナルコンピュータ)で行っても良いが、今回は別のコンピュータで行った場合を例に説明する。
このコンピュータ(地盤構造推定装置)は、演算部としてのCPUや、記憶部としてのメモリやハードディスク、出力部としてのディスプレイ及びプリンタ、操作部としてのキーボード及びマウス等を備えている。このコンピュータのハードディスクには、適宜の解析プログラムがインストールされている。
ユーザがコンピュータを操作し、前記解析プログラムがメモリに読み出されて実行されると、以下の解析作業が行われる。この解析作業では、最初に、前記計測作業のS115の処理で保存されたデータファイルを読み込み、パーソナルコンピュータの適宜のメモリに記憶する(S201)。
そして、読み込まれた速度と周波数の関係(F−V1特性)から、地盤5の位相速度特性を算出する(S202)。更に、読み込まれた振幅と周波数の関係(F−W1特性)から、地盤5の卓越振動数を算出する(S203)。
ここで、卓越振動数とは、地盤振動においてピークを示す振動数のことをいう。例えば、振幅と周波数の関係が図7のようなグラフで表されたとすると、このグラフでは5Hz付近の振動数で振幅がピークを示していることから、卓越振動数は5Hzであると求められる。
次に、F−V1特性のデータに平均値処理等を施してノイズを除去した上で、周波数−深度特性を再度計算し、更に、これに基づいてD1’−V1’特性を計算して得る(図3のS204)。そして、D1’−V1’特性において位相速度V1’が最小値を示す点(変曲点)に基づいて、地盤の層厚と各層のS波速度を算出し、仮地盤構造を求める(S205)。
図5には、D1’−V1’特性から地盤の層厚と各層のS波速度を求める例が示されている。この図5はコンピュータのディスプレイの表示例であり、D1’−V1’特性(黒い点)をグラフ形式で表示させた様子が示されている。また、図5に示すように、ディスプレイには、ユーザによってプロットされた、D1’−V1’特性の変曲点が白抜き丸印で表示されている。なお、この変曲点は、コンピュータ側で自動判定してプロットしても良い。
この状態でユーザが適宜の操作を行うと、そのプロットされている変曲点の位置が層厚とS波速度を示しているものとして、各層の層厚とS波速度(仮地盤構造)が算出される。なお、図5に示すように、求められた仮地盤構造の深度−S波速度グラフを、D1’−V1’特性のグラフに重ねてディスプレイに表示することもできるようになっている。図5で描かれている深度−S波速度グラフは、地層を挟む2つの変曲点の速度の相加平均を当該地層のS波速度として採用している。ただし、この算出法に限定されるものでもなく、例えば二乗平均等でS波速度を求めても良い。
算出された仮地盤構造は、地表付近の地層の層数及び層厚、並びに、各層内での弾性定数のデータを含んでいる。この仮地盤構造は、後述の仮説地盤モデルを最初に作成するときのパラメータ設定の根拠として用いることができる。
以上のようにして仮地盤構造を求めた後は、地盤の推定結果を得るための出発点となる、仮説としての地盤モデルを作成する(図3のS206)。なお、以下、この地盤モデルを「仮説地盤モデル」と称する。この仮説地盤モデルのパラメータは、地盤の層の数と、各層の層厚及び物性値(S波速度、P波速度、密度、材料減衰定数)よりなる。
S206の処理において、仮説地盤モデルのパラメータは以下のようにして与える。即ち、S202の処理で得られた位相速度特性においては、S203の処理で得られた卓越振動数付近に位相速度のピークが現れるとともに、それよりも大きい振動数領域に位相速度の第2ピークが現れる。例えば、位相速度と振動数の関係が図8のようなグラフで表されたとすると、卓越振動数(5Hz)付近に位相速度のピークが現れるとともに、それよりも大きい振動数(38Hz)で位相速度の第2ピークが現れているのが判る。そして、この2つのピークを示す振動数に挟まれた領域Rにおいては、位相速度はほぼ一定の値を示している。
本実施形態では、この略一定の傾向を示す振動数範囲Rでの位相速度に基づく値(具体的には、当該範囲Rでの位相速度の最大値)を、前記仮説地盤モデルにおいて、地表に最も近い第1層のS波速度のパラメータとして設定するのである。なお、仮説地盤モデルのその他のパラメータ(例えば、第1層のP波速度や、第2層以降のP波速度、S波速度等)については、S205で得られた仮地盤構造の値を設定する。
この仮説地盤モデルの設定方法は、以下の知見に基づくものである。即ち、剛性マトリクスによる水平成層地盤の波動場解析法(上述の論文を参照)によれば、弾性波が地中を伝播して地表面に現れた際の地表面における伝達関数は、加振点6からの距離をx、角速度をωとしたときに、以下の式(1)で表される。
Figure 0005083519
なお、上記の式(1)において、Rは実数部、Iは虚数部である。
また、位相速度(位相角θが一定である点の移動する速さ)を、加振点6からの距離x、角速度ωの関数c(x,ω)として表すと、以下の式(2)のようになる。
Figure 0005083519
上記の式から判るように、本実施形態の地盤構造推定方法においては、伝達関数及び位相速度を、角速度ωだけでなく、加振点6からの距離xをパラメータとして考慮して計算している。従って、この方法によれば、加振点からの距離に関係なく一定の結果が得られるようになり、信頼性及び再現性の高い地盤構造の推定が可能になる。
また、式(2)から判るように、位相速度c(x,ω)は、加振点6からの距離xに関する微分で与えられる。従って、位相角θが距離xに対して連続であれば位相速度は滑らかに変化するが、位相角θが距離xに対して不連続であれば、その地点での位相速度は非常に大きくなるということが言える。
ここで本願発明者は、図6に示すような水平成層地盤構造(層厚)と、その物性値(S波速度、P波速度、各層の地盤密度、材料減衰定数)が与えられたサンプル地盤モデルを設定した。このサンプル地盤モデルは、半無限地盤上に横たわる3層の水平成層地盤モデルとなっている。なお、図6において、Hは層厚、CSはS波速度、CPはP波速度、ρは各層の地盤密度、Qは材料減衰定数である。
この図6に示すサンプル地盤モデルにおいて、地表面の1地点(加振点)に上下方向の調和振動加重を作用させ、剛性マトリクス法から導かれる式(上記の2つの式)に基づいて、地表面の上下方向の地盤の伝達関数と位相速度をシミュレーション計算した。
図7及び図8は、そのシミュレーション計算の結果を示している。図7は、加振点から1メートル離れた地点での伝達関数の計算結果を振動数毎に示したものである。また、図8は、加振点から1メートル離れた地点での位相速度の計算結果を振動数毎に示したものである。
図7に示すように、サンプル地盤モデルにおける地盤の伝達関数は5Hz付近でピークを示しており、地盤の卓越振動数(1次固有振動数)が約5Hzであることが判る。
また、図8に示すように、上記卓越振動数より若干小さい3Hz付近において、位相速度にピークが現れている。なお、このピーク振動数と地盤の卓越振動数との間に若干ズレが生じているのは、図8のグラフの縦軸は速度であって、傾き(即ち、単位時間当たりの変化)が大きいところが位相速度のピークとなるためである。
図8のグラフを更に考察すると、位相速度がピークを示す振動数よりも高い振動数領域では、位相速度が比較的一定な値を示す一方、約38Hzで位相速度が極端に大きくなっている。そして、地盤の卓越振動数付近から約38Hzまでの比較的一定な位相速度の値は、最大で約80m/sであることがグラフから読み取れる。更に、この80m/sという速度は、図6のサンプル地盤モデルにおける地表面近傍の地盤(第1層)のS波速度CSと一致していることが判る。
以上により、位相速度の振動数特性(図8)において、地盤の卓越振動数付近のピーク値から極端に大きい第2のピーク値までの振動数領域での位相速度は、地表面近傍地盤のS波速度と等しくなるのではないかと推測することができる。このような関係は、本願の出願時点で、理論的かつ明解に説明できるまでには至っていない。しかしながら、この関係は、今回の説明のサンプル地盤モデルのみならず、他の複数のモデルを本願発明者が計算した場合においても同様に認められるため、偶然の一致ではなく、公知となっていないある種の必然的な特性であると考えられる。
本実施形態のS206の処理(図3)では上記発見に鑑み、当初の仮説地盤モデルでの地表に最も近い第1層のS波速度のパラメータとして、卓越振動数付近で位相速度がピークを示す振動数と、それより大きい振動数であって位相速度がピーク(第2ピーク)を示す振動数とに挟まれた振動数領域における、一定の傾向を示す位相速度の最大値を設定するのである。これにより、当初の仮説地盤モデルから出発して後述の推定結果地盤モデルを得るための計算量を良好に低減できる。
次に、上記仮説地盤モデルにおいて、実際の地盤5の計測時(図1)と同じ位置関係となるように検出器12a,12b,12cを設置したと仮定する(S208)。そして、仮説地盤モデルの加振点6を正弦波により振動させたときの各検出器12a,12b,12cの信号データをシミュレーション計算する。このシミュレーション計算には、計測作業時にS101で入力された条件(起振機11と検出器12aの間隔、各検出器12a,12b,12c間の間隔、起振機11を駆動する周波数の範囲等)が用いられる。
具体的には、加振点6の振動数として、前記計測条件における最初の周波数と同じ振動数を設定する(S209)。そして、この加振点6に設定振動数での調和振動を与えたときの、検出器12a,12b,12cの得る信号データを計算する(S210)。そして、前記剛性マトリクス法から導かれる式(上述の(1)及び(2)の式)を用いて、S210での計算結果から伝達関数及び位相速度等を算出する(S211)。算出された結果は、コンピュータのメモリに適宜蓄積される。
そして、以上に説明した伝達関数及び位相速度の計算を、周波数を前記ステップ周波数ずつ変化させながら繰り返すのである(S212,S213)。これにより、伝達関数の振動数特性と、位相速度の振動数特性が得られる。
次に、伝達関数の振動数特性から、地盤モデルの卓越振動数を求める(S214)。また、位相速度の振動数特性から、地表面近傍のS波速度の近似値を求めておく(S215)。
続いて、S214で算出した仮説地盤モデルの卓越振動数と、S203で実際の地盤5から算出した卓越振動数とを比較する(S216)。そして、卓越振動数の差が予め設定された許容範囲より大きい場合には、仮説地盤モデルの層厚又は地盤定数の少なくとも何れか一方を変更して(S217)、S207の処理に戻り、変更後の仮説地盤モデルについてS207〜S215の処理を再び行う。なお、S217において層厚及び地盤定数をどのように変更するかは、予めコンピュータに記憶させておいた適宜の計算式を用いるものとする。
S216の判断で、仮説地盤モデルの卓越振動数とS203で算出した卓越振動数の差が許容範囲以内であると判定された場合は、その仮説地盤モデルを第2仮説地盤モデルとして採用する(S218)。
次に、この第2仮説地盤モデルに対して、図3のS208〜S215の計算を同様に行い、位相速度特性を算出する(図4のS219)。そして、S219の処理で算出した第2仮説地盤モデルの位相速度特性と、S202の処理で実際の地盤5から算出した位相速度特性を比較する(S220)。この判断で、位相速度特性の差が予め設定された許容範囲より大きい場合は、第2仮説地盤モデルの層厚又は地盤定数の少なくとも一方を変更して(S221)、S219に戻り、変更後の第2仮説地盤モデルについてS219の処理を再び行う。なお、S221において層厚及び地盤定数をどのように変更するかは、予めコンピュータに記憶させておいた適宜の計算式を用いるものとする。
S220の判断で、第2仮説地盤モデルの位相速度特性とS202で算出した位相速度特性の差が許容範囲以内であると判定された場合は、その第2仮説地盤モデルを、推定結果地盤モデルとして採用する(S222)。そして、得られた推定結果地盤モデルの層厚と地盤定数をコンピュータのディスプレイに表示したり、プリンタから印刷したりする(S223)。
その後は、ユーザの操作に応じて、前記推定結果地盤モデルの地盤構造(層厚と各層のS波速度等)を出力する(S224)。この地盤構造の出力形式としては、例えば図6に示すようなパラメータの一覧として出力することが考えられる。
また、ユーザの操作に応じて、地盤構造解析に有用な各種情報も出力する(S225)。出力可能な情報としては、例えば、周波数と伝達関数の関係や、周波数と位相速度の関係や、深度と位相速度の関係や、深度とS波速度の関係や、深度と地盤構造の関係等が考えられる。情報の出力形式としては、グラフ形式や表形式とすることが考えられる。なお、図9には、深度と地盤構造(層厚及びS波速度)の関係をグラフ形式で出力した例が示されている。
以上により、一連の解析処理が終了する。ユーザは、こうして得られた推定結果地盤モデルの情報や、それに基づく各種情報を更に分析及び考察することにより、土木建築分野の基礎、構造物の設計や耐震設計、あるいは地震対策等に有用な情報を得ることができる。
以上に示すように、本実施形態の地盤構造推定方法においては、振動周波数を変化させながら前記起振機11により前記地盤5を振動させて、前記検出器12a,12b,12cに弾性波を検出させ、この検出器12a,12b,12cの出力信号に基づいて、当該地盤における位相速度の振動数特性と卓越振動数を算出する(図2の測定作業フロー及び図3のS202、S203)。そして、仮説地盤モデルを作成するとともに、前記位相速度の振動数特性において、前記卓越振動数付近の位相速度ピークと、当該卓越振動数より振動数が大きい領域での位相速度ピークとの間での振動数領域における位相速度に基づいて、前記仮説地盤モデルの複数の層のうち選択された層(地表近傍の層)のS波速度を定める(図3のS206)。更に、前記仮説地盤モデルから算出される卓越振動数と、前記第1ステップで算出された卓越振動数との差が所定範囲内となり、かつ、前記仮説地盤モデルから算出される位相速度の振動数特性と、前記第1ステップで算出された位相速度の振動数特性との差が所定範囲内となるまで、当該仮説地盤モデルのパラメータを変更しながら卓越振動数及び位相速度の振動数特性の算出を繰り返し、差が所定範囲内となった場合に当該仮説地盤モデルを推定結果地盤モデルとする(図3のS207〜図4のS222)。その後、前記推定結果地盤モデルを出力する(S223)。
この方法では、レイリー波のみならず他の波を含む複合波(弾性波全般)を探査及び解析することになるため、加振点6からの距離の長短にかかわらず一定の推定結果が得られ、特に加振点6の近傍に検出器を設置した場合でも、従来の表面波探査と異なり、誤差が少なく信頼性の高い推定結果が得られる。従って、計測作業のために広いスペースを確保できない場合でも精度の良い推定が可能になる。同様に、低周波数領域の振動を用いる場合でも、精度の良い推定が可能になる。また、作成当初の仮説地盤モデルにおいて幾つかの層のS波速度が適切に定められるため、仮説地盤モデルから推定結果地盤モデルを逆解析により導くまでの計算の繰返し数を少なくできる。従って、推定結果地盤モデルを得るための計算時間及び計算負荷を軽減できる。更に、本方法では、起振機11の近傍の2地点間で観測される位相速度と地盤振動特性(だけ)を利用して、地中の地盤を推定することができる。従って、強い加振力を有する起振機が不要になり、また、少ない検出器の数で地盤を精度良く推定できる。
また、本実施形態では、S206の処理において、前記位相速度の振動数特性において、前記卓越振動数付近の位相速度ピークと、当該卓越振動数より振動数が大きい領域での位相速度ピークとの間での振動数領域における位相速度の最大値を、前記仮説地盤モデルの層(地表近傍の層)のS波速度として設定している。
これにより、作成当初の仮説地盤モデルにおいて幾つかの層のS波速度が一層適切に定められるため、仮説地盤モデルから推定結果地盤モデルを導くための計算時間及び計算負荷を更に軽減できる。
また、本実施形態では、当初の仮説地盤モデルから推定結果地盤モデルを導き出すにあたっては、前記仮説地盤モデルにおいて卓越振動数を算出し(S214)、この仮説地盤モデルの卓越振動数とS203の処理で算出された卓越振動数の差が所定範囲内となるまで、当該仮説地盤モデルのパラメータを変更しながら卓越振動数の算出を繰り返し(S207〜S217)、卓越振動数の差が所定範囲内となった場合に当該仮説地盤モデルを第2仮説地盤モデルとする(S218)。その後、前記第2仮説地盤モデルにおいて位相速度の振動数特性を算出し(S219)、この第2仮説地盤モデルの位相速度の振動数特性と前記第1ステップで算出された位相速度の振動数特性の差が所定範囲内となるまで、当該仮説地盤モデルのパラメータを変更しながら位相速度の振動数特性の計算を繰り返し(S219〜S211)、位相速度の振動数特性の差が所定範囲内となった場合に当該第2仮説地盤モデルを推定結果地盤モデルとする(S222)。
このように、当初の仮説地盤モデルから、最初に卓越振動数が一致する第2仮説地盤モデルを導き、当該第2仮説地盤モデルの位相速度の振動数特性を一致させるようにして推定結果地盤モデルを得るようにすることで、少ない計算量で推定結果地盤モデルを簡単に得ることができる。従って、計算時間及び計算負荷を軽減できる。
また、本実施形態では、対象地盤5の地表に設置される起振機11と、当該起振機11に最も近い前記検出器12aとの間隔が10m以下に設定されている。
即ち、本実施形態の地盤構造推定方法は、作業スペース等の事情から上記のように起振機11と検出器12a,12b,12cとの間隔を狭くせざるを得ないような場合でも、信頼性のある推定結果が得られる点で特に有用である。
また、本実施形態では、S214の処理において仮説地盤モデルの卓越振動数を剛性マトリクス法により算出し、S219の処理において位相速度の振動数特性を剛性マトリクス法により算出している。
これにより、仮説地盤モデルにおける数値計算上の解の安定性を容易に確保でき、また、比較的簡単なプログラムで計算することができる。
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記の実施形態では、位相速度等の数値計算に剛性マトリクス法を採用した場合で説明している。しかしながら、弾性波動場の解析方法としては、剛性マトリクス法のほかにも伝達マトリクス法、反射・透過マトリクス法等があるので、それらの方法を用いて数値計算を行うように変更することができる。ただし、剛性マトリクス法を用いる場合は、伝達マトリクス法や反射・透過マトリクス法に比べ、数値計算上の解の安定性を容易に確保できること、比較的簡単なプログラムで計算できること等、様々な利点があるため好ましい。
上記の実施形態では、図3のS206の処理で、仮説地盤モデルにおける第1層(地表の最も近傍の層)のS波速度を、S202の処理で得られた位相速度特性に基づいて設定している。しかしながら、仮説地盤モデルの第1層に限らず、例えば第2層、第3層等のS波速度(仮説地盤モデルにおいて任意に選択された1つ以上の層)を位相速度特性に基づいて設定するようにしても良い。
上記の実施形態では、図3のS206の処理で、仮説地盤モデルにおける第1層のS波速度以外のパラメータを、S205の処理で得られた仮地盤構造を根拠に設定している。しかしながらこれに限定されず、例えば、コンピュータで生成した乱数を前記パラメータに設定することもできる。
地盤の位相速度特性の算出(S202の処理)は、隣り合う検出器間の位相遅れを検出器間の距離で除することで求めることもできる。あるいは、起振機11からセンサまでの位相遅れを、起振機11からセンサまでの距離で除することで求めることもできる。
図3及び図4の解析作業においては、起振機11に近い側の2つの検出器12a,12bから得られたデータの解析についてだけ説明したが、例えば検出器12b,12cから得られたデータの解析についても同様に行うことができるのは勿論である。
図1で説明した計測作業において、検出器は4つ以上配置したり、1つ又は2つだけ配置するように変更することができる。
地盤に起振機及び検出器を設置して計測を行う様子を示す概略図。 計測作業を説明するフローチャート。 解析作業の前半部を説明するフローチャート。 解析作業の後半部を説明するフローチャート。 深さ−速度特性から仮地盤構造を求める様子を示す図。 本願発明者が計算に用いたサンプル地盤モデルを示す説明図。 サンプル地盤モデルから計算された伝達関数を示すグラフ。 サンプル地盤モデルから計算された位相速度の振動数特性を示すグラフ。 推定結果モデルの地盤構造の出力例を表す図。
符号の説明
1 地盤探査装置
3 信号処理器
4 パーソナルコンピュータ
5 地盤
6 加振点
11 起振機
12a,12b,12c 検出器

Claims (10)

  1. 対象地盤の地表に起振機と検出器とを設置して、前記起振機で前記地盤に振動を加え、前記検出器が弾性波を検出して出力する信号に基づいて地中の地盤構造を推定する地盤構造推定方法において、
    振動周波数を変化させながら前記起振機により前記地盤を振動させて、前記検出器に弾性波を検出させ、この検出器の出力信号に基づいて、当該地盤における位相速度の振動数特性と卓越振動数を算出する第1ステップと、
    仮説地盤モデルを作成するとともに、前記第1ステップで得られた位相速度の振動数特性における、前記卓越振動数付近の位相速度ピークと、当該卓越振動数より振動数が大きい領域での位相速度ピークとの間での振動数領域における位相速度に基づいて、前記仮説地盤モデルの少なくとも何れか一層のS波速度を定める第2ステップと、
    前記仮説地盤モデルから算出される卓越振動数と、前記第1ステップで算出された卓越振動数との差が所定範囲内となり、かつ、前記仮説地盤モデルから算出される位相速度の振動数特性と、前記第1ステップで算出された位相速度の振動数特性との差が所定範囲内となるまで、当該仮説地盤モデルのパラメータを変更しながら卓越振動数及び位相速度の振動数特性の算出を繰り返し、差が所定範囲内となった場合に当該仮説地盤モデルを推定結果地盤モデルとする第3ステップと、
    前記推定結果地盤モデルを出力する第4ステップと、
    を含むことを特徴とする地盤構造推定方法。
  2. 請求項1に記載の地盤構造推定方法であって、
    前記第2ステップは、
    前記位相速度の振動数特性において、前記卓越振動数付近の位相速度ピークと、当該卓越振動数より振動数が大きい領域での位相速度ピークとの間での振動数領域における位相速度の最大値を、前記仮説地盤モデルの少なくとも何れか一層のS波速度として設定することを特徴とする地盤構造推定方法。
  3. 請求項1又は2に記載の地盤構造推定方法であって、
    前記第3ステップは、
    前記仮説地盤モデルにおいて卓越振動数を算出し、この仮説地盤モデルの卓越振動数と前記第1ステップで算出された卓越振動数の差が所定範囲内となるまで、当該仮説地盤モデルのパラメータを変更しながら卓越振動数の算出を繰り返し、卓越振動数の差が所定範囲内となった場合に当該仮説地盤モデルを第2仮説地盤モデルとするステップAと、
    前記第2仮説地盤モデルにおいて位相速度の振動数特性を算出し、この第2仮説地盤モデルの位相速度の振動数特性と前記第1ステップで算出された位相速度の振動数特性の差が所定範囲内となるまで、当該仮説地盤モデルのパラメータを変更しながら位相速度の振動数特性の計算を繰り返し、位相速度の振動数特性の差が所定範囲内となった場合に当該第2仮説地盤モデルを推定結果地盤モデルとするステップBと、
    を含むことを特徴とする地盤構造推定方法。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載の地盤構造推定方法であって、
    対象地盤の地表に設置される前記起振機と、当該起振機に最も近い前記検出器との間隔が10m以下であることを特徴とする地盤構造推定方法。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載の地盤構造推定方法であって、
    前記第3ステップにおいては、前記仮説地盤モデルの卓越振動数及び位相速度の振動数特性を剛性マトリクス法により算出することを特徴とする地盤構造推定方法。
  6. 対象地盤の地表に起振機と検出器とを設置して、前記起振機で前記地盤に振動を加え、前記検出器が弾性波を検出して出力する信号に基づいて地中の地盤を推定する地盤構造推定方法に用いられる地盤構造推定装置において、
    振動周波数を変化させながら前記起振機により前記地盤を振動させて前記検出器に弾性波を検出させたときのデータに基づいて、当該地盤における位相速度の振動数特性と卓越振動数を算出し、
    仮説地盤モデルを作成するとともに、得られた前記位相速度の振動数特性における、前記卓越振動数付近の位相速度ピークと、当該卓越振動数より振動数が大きい領域での位相速度ピークとの間での振動数領域における位相速度に基づいて、前記仮説地盤モデルの少なくとも何れか一層のS波速度を定め、
    前記仮説地盤モデルから算出される卓越振動数と、前記第1ステップで算出された卓越振動数との差が所定範囲内となり、かつ、前記仮説地盤モデルから算出される位相速度の振動数特性と、前記第1ステップで算出された位相速度の振動数特性との差が所定範囲内となるまで、当該仮説地盤モデルのパラメータを変更しながら卓越振動数及び位相速度の振動数特性の算出を繰り返し、差が所定範囲内となった場合に当該仮説地盤モデルを推定結果地盤モデルとし、
    前記推定結果地盤モデルを出力可能に構成したとを特徴とする地盤構造推定装置。
  7. 請求項6に記載の地盤構造推定装置であって、
    前記位相速度の振動数特性において、前記卓越振動数付近の位相速度ピークと、当該卓越振動数より振動数が大きい領域での位相速度ピークとの間での振動数領域における位相速度の最大値を、前記仮説地盤モデルの少なくとも何れか一層のS波速度として設定することを特徴とする地盤構造推定装置。
  8. 請求項6又は7に記載の地盤構造推定装置であって、
    前記仮説地盤モデルから推定結果地盤モデルを得るときは、
    前記仮説地盤モデルにおいて卓越振動数を算出し、この仮説地盤モデルの卓越振動数と前記第1ステップで算出された卓越振動数の差が所定範囲内となるまで、当該仮説地盤モデルのパラメータを変更しながら卓越振動数の算出を繰り返し、卓越振動数の差が所定範囲内となった場合に当該仮説地盤モデルを第2仮説地盤モデルとし、
    前記第2仮説地盤モデルにおいて位相速度の振動数特性を算出し、この第2仮説地盤モデルの位相速度の振動数特性と前記第1ステップで算出された位相速度の振動数特性の差が所定範囲内となるまで、当該仮説地盤モデルのパラメータを変更しながら位相速度の振動数特性の計算を繰り返し、位相速度の振動数特性の差が所定範囲内となった場合に当該第2仮説地盤モデルを推定結果地盤モデルとすることを特徴とする地盤構造推定装置。
  9. 請求項6から8までの何れか一項に記載の地盤構造推定装置であって、
    対象地盤の地表に設置される前記起振機と、当該起振機に最も近い前記検出器との間隔が10m以下であるときのデータに基づいて推定結果地盤モデルを得ることを特徴とする地盤構造推定装置。
  10. 請求項6から9までの何れか一項に記載の地盤構造推定装置であって、
    前記仮説地盤モデルの卓越振動数及び位相速度の振動数特性を剛性マトリクス法により算出することを特徴とする地盤構造推定装置。
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