JPH10319128A - 受動型地下構造探査装置 - Google Patents

受動型地下構造探査装置

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JPH10319128A
JPH10319128A JP14604197A JP14604197A JPH10319128A JP H10319128 A JPH10319128 A JP H10319128A JP 14604197 A JP14604197 A JP 14604197A JP 14604197 A JP14604197 A JP 14604197A JP H10319128 A JPH10319128 A JP H10319128A
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vibration
data
underground structure
detecting
analysis
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JP14604197A
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Inventor
Hiroshi Okada
廣 岡田
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NIPPON NETSUSUI KAIHATSU KK
Original Assignee
NIPPON NETSUSUI KAIHATSU KK
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  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地球固有の振動を測定解析することにより地
下構造を探査する装置を構成する。 【解決手段】 装置は振動検出装置1の複数台と解析装
置とから成り、振動検出装置1は特定の観測位置に対し
て複数台配置される。各振動検出装置検出部2は海洋の
波動、風等の自然現象に起因する地球固有の振動(1H
z或いはそれ以下)を検出し、検出したデータはA/D
変換されたのち、クロックから出力される正確な時間デ
ータが重畳されて記憶手段9に記憶される。解析に当た
っては、解析装置は各振動検出装置1ら出力される振動
データを、重畳された時間データを用いて時間軸を統一
させて波形分析し、この振動検出装置1の配置されてい
る位置の下部の地下構造を解析する。このようにして観
測地点毎に振動データを解析し、各観測地点毎の解析デ
ーテを総合的に解析することにより所定の区域の地下構
造を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は地球という球体自身
が有している振動を検出し、かつこの振動データを解析
することにより地下構造を探査する地下探査装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】地下構造を探査する必要性は、(1)土
木・建築のための立地(地盤)調査等の主として産業上
の必要性、(2)地震等の自然災害を防止する防災上の
必要性、(3)石油・鉱物・温泉等の資源探査上の必要
性に大別することができる。
【0003】一方地下構造探査の方法としては地盤をボ
ーリングしてサンプルを得ることにより探査する方法
(直接探査法)と、地面に対して人工的な振動を与え、
地下を構成する各地層からの反射波等を測定分析する等
の方法により地下構造を推定する方法(間接探査法)に
分けることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記方法のうちボーリ
ングにより直接地下を探査する方法は、地下を精査する
ことが可能であるが、探査区域が広くなると膨大な数の
ボーリングを行う必要があること、及び経済的な探査深
度は100m程度とあまり深い探査はできないこと等に
より、その探査対象は(1)に示す土木・建築のための
立地(地盤)調査に事実上限定される。また(3)に示
す資源探査においては大深度ボーリングを行うが、この
ボーリングには多大な費用が掛かるため、ボーリング地
点を安易に決めることができず、ボーリングの前に広範
囲に地下の状態を把握し、ボーリング位置を決定するこ
とが経済上も切実な課題となる。
【0005】上記直接探査法に比較して、間接探査法は
比較的広い地域を経済的に探査可能であること、浅深度
から大深度まで幅広く探査可能であること等の利点を有
している。この間接探査法は、地下の物理的特性のレス
ポンスを得るという意味で物理的探査法とも称され、地
下の物理的性質を捉えるために人為的に地面に与えられ
た物理的信号に対するレスポンスを観測・測定する方法
と、本発明者らが研究している、潮汐等の自然の営為に
より生じる物理的信号を観測・測定する方法の二つがあ
る。
【0006】このうち、前者は人工的な振動を発生させ
ることが探査の前提となるため、この人工振動の発生源
として起振機(バイブロサイス)を用いたり、或いはダ
イナマイト等の爆発物を使用する必要がある。このため
例えば建物の密集する都市部での探査は極めて困難或い
は不可能であり、上記(2)に示す防災上の探査におい
て、地震防災上最も必要である都市部の地殻探査が事実
上不可能となるという大きな問題を有している。また人
工的に発生させる振動は比較的高周波であるため、人間
の活動による比較的周波数の高い振動が、この人工的に
発生させた振動の反射波中に含まれてしまうと、これを
ノイズとして除去することが困難となり、測定精度を低
下させるおそれがある。
【0007】なお、間接探査法の他の例として、電気探
査法及び重力探査法がある。これらの方法は何れも低い
コストで、かつ人工的な振動なども必要としないが、例
えば電気探査法では大電流を用いること、電線を長く張
る必要がある等の問題がある。また重力探査法も含めて
探査精度が悪く、特定の目的以外には使用できない。従
って一定以上の精度を必要とする間接探査方法は、人工
振動の発生を前提とした方法となるので、「従来の間接
探査方法」の語は、特に断らない限りこの人工振動を前
提とする探査方法を意味するものとする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題点を
解決する受動型の地下構造探査装置であることを特徴と
する。即ち、本発明は自然の営為により生じる物理的信
号を観測・測定する方法を実施する装置であって、観測
地点に対して配置される複数の振動検出装置と、この振
動検出装置により得られた振動データを解析する解析装
置とからなり、振動検出装置は、地盤の振動を検出する
振動検出手段と、この振動検出手段により検出された観
測データを記憶する手段と、当該記憶手段に時刻データ
を出力する手段と、自己の配置位置を測定検出する位置
決め手段を有し、解析装置は特定の観測地点にそれぞれ
配置された複数の振動検出装置の測定データを分析する
手段と、分析したデータから特定の観測地点に於ける地
下構造を推定する手段と、各観測地点の推定地下構造か
ら所定の地域の地下構造を総合的に解析する手段とを有
する。
【0009】
【本発明を構成する技術的前提】本発明に係る装置を構
成するための技術的前提となる地下構造探査方法は上記
何れの方法とも異なるため、先ずこの地下構造探査方法
を説明する。先ずこの地下構造探査方法(以下「新探査
方法」とする)は本発明者等が長年の研究と実験により
確立した革新的な探査方法である。即ち、この新探査方
法は、地下からの振動を検出し、かつ解析して地下構造
を推定する点において前記した間接探査方法に分類され
る。しかしながら、前記従来型間接探査方法が、人工的
な振動を発生させることを探査の前提とするのに対し
て、新探査方法はこのような人工的振動を必要とせず、
地球という球体の有する固有の振動を検出、解析するこ
とにより地下構造を推定する。即ち従来型の間接探査方
法がいわばアクティブ(能動)型の観測を前提とするの
に対して、新探査方法では観測側が振動(人工振動)を
発生することはなく、地殻側からの振動を受動的に観測
するパッシブ(受動)型の観測となる点にある。このパ
ッシプ型であることにより、殆ど場所を選ぶことなく地
下探査が可能になるという画期的な効果が得られるので
ある。
【0010】この新探査方法をより具体的に説明すると
次のとおりである。先ず、観測対象である地面は地球と
いう球体自体が有している固有の振動を持っている。即
ち、新探査方法は、地球が海洋波浪、気象変動等の地球
の自然現象に起因する恒常的な自然微振動を持っている
ことに着目し、この自然微振動の表面波を検出、解析す
ることにより、人工振動を発生させることなく地下構造
を解析推定することにその特徴がある。
【0011】図10に示すように、地球の表層は地震以
外でも符号Waで示す波浪、符号Wiで示す風等の自然
現象に起因して、或いは交通、生産活動等の人間の活動
による人工的な要因によりかすかに揺れ動いている。こ
のような微弱な振動(以下「微動」とする)は、主とし
て自然現象によると思われる周期及び波長が長いもの、
および主として人工的な要因によるものと思われる周期
及び波長の短いものがある。本発明装置では、主として
波長の短いものを検出することにより比較的浅い地下構
造(100m程度まで)を推定し、また波長の長いもの
を検出することにより地下数千m程度までの地下構造を
推定するよう構成されている。
【0012】図11は微動の周波数に対するパワースペ
クトルを示す。同図から明らかなように1Hzを境にし
て低周波側と高周波側にピークが生じるが、低周波側は
波浪等の自然現象に起因し、かつ高周波側は主として人
間活動を要因とするるものと考えられる。本装置はこの
ように周波数の低い微動を観測して地下構造を推定する
ものである。なお、主とし人間活動による振動はこの微
動よりも周波数の高い振動であるためノイズとして容易
に除去することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る装置は、観測対象の
微動を直接検出する複数の振動検出装置と、この振動検
出装置により検出された微動のデータから地下構造を解
析する解析装置とからなる。振動検出装置は観測地点に
対して複数設置され、各振動検出装置が地盤の微動を観
測し、この観測データが記録される。なお、この観測デ
ータには時間データが重畳されて解析装置にデータを入
力することにより、後刻解析装置においてこの時間デー
タにより時間軸を一致させて各観測データを比較解析
し、これにより当該測定装置群が設置された観測地点に
おける地下構造を解析、推定する。なお、各振動検出装
置に通信手段を設けることにより検出データを解析装置
に出力し、より短時間で解析するよう構成することもも
とより可能である。
【0014】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参考に具体的に
説明する。本発明に係る受動型地下構造解析装置は図1
に示す振動検出装置1の複数個と、図2に示す解析装置
(通常は一台)とから構成される。先ず、図1を用いて
振動検出装置の構成から説明する。矢印1で示す振動検
出装置は直接振動を検出する検出部(地震計)2と、こ
の検出部2により検出されたデータを入力しかつ記憶す
る本体部3とから構成されている。図示の構成では検出
部2と本体部3とは別構成とされケーブル等の接続手段
を用いて接続された構成となっているが、両者を一体的
に構成して一つの装置として形成することも可能であ
る。
【0015】検出部2は地面の振動を検出する検出手段
4と、この検出手段4の検出信号を増幅して本体部3に
出力する出力手段5とを有している。なお、この出力手
段5に増幅手段の外に、検出したデータからノイズを除
去するフィルタを設けてもよいが、図示の実施例ではフ
ィルタは本体部側に設けられている。なおこのこの検出
手段4の構成を適宜選択することにより、この検出手段
4により検出される振動の成分を水平方向の2成分(N
−S方向/E−W方向)にしたり、或いはこの成分に加
えて上下方向の成分を加えた3成分とする等の選択が可
能である。
【0016】前記検出部2は本体部3の入力ポート6に
接続している。入力ポート6に入力された検出データは
増幅/フィルタ部7において増幅され、かつフィルタに
より解析対象以外の高周波成分が除去され、A/D変換
部8を経て記憶手段9に格納される。この場合クロック
10から時刻データが出力され、検出データに対してこ
の時刻データが重畳される。
【0017】一方符号11は位置決め手段であって、図
示の構成ではこの位置決め手段はカーナビケーションに
用いられるものと基本的には同じ、人工衛星を用いた位
置決めシステム(grobal positioning system /GP
S)が用いられ、各振動検出装置の位置データも前記記
憶手段9に記憶される。また地下探査は多点のデータを
解析することになるため、図7に示すように観測地点に
対して配置コードを割り振っておくことが望ましく、こ
の場合キーボード等の設定手段13を用いて設定した配
置コードも記憶手段9に記憶させておくようにする。符
号14は本体部3の中央処理装置、15は液晶等の表示
手段であり、観測中の振動の波形、パワースペクトル、
設定手段13における設定内容等を適宜表示する。
【0018】図3は上述の振動検出装置1の配置状態の
例を示す。(A)、(B)共に一つの観測地点に設定さ
れる複数の観測を行う地点(以下「観測要素点」とす
る)の配置関係を示す。即ち各振動検出装置1はこれら
各観測要素点にそれぞれ配置されるので、図示の各点は
これら観測用途点に各々配置された振動検出装置1の配
置関係(以下「アレイ」とする)を示すことになる。
(A)は各振動検出装置1が三角形の頂点に位置するよ
う各々配置された三角形アレイ、(B)は各振動検出装
置1が仮想円の円周上およびその中心に配置された円形
アレイを示す。なお、(A)、(B)共に各振動検出装
置1の間が実線で結んであるが、これは各振動検出装置
1の配置関係を明瞭にするためのものであり、各振動検
出装置1がケーブル等の物理的接続手段で接続されてい
ることを意味するものではない。また図示のものはアレ
イの一例であって、地形等に合わせて色々なアレンジが
可能である。
【0019】図2は解析装置16の構成例を示す。各振
動検出装置が検出記憶したデータはデータ入力部17を
経て解析装置16に取り込まれる。取り込まれたデータ
は、アレイ配置コード検出手段18によりコード化され
たアレイの配置位置(以下「配置コード」とする)が検
出される。特定された配置コード毎の波形データはクロ
ックデータ検出手段20から出力されるクロックデータ
により時間軸が統一されて波形分析手段19により分析
され、かつ分析された波形データから地下構造推定手段
21において当該配置コードで示される地点直下の地下
構造が推定される(分析、推定の内容、方法等は後述す
る)。
【0020】次に推定された地下構造は配置コード毎に
記憶手段22に配置され、最終的には総合解析手段23
において各配置コードの推定地下構造を総合解析するこ
とにより、特定の区域全体の地下構造を推定する。中央
処理装置24は以上の一連の処理を制御する。また、表
示手段25を介して処理内容、推定地下構造等を適宜表
示する。
【0021】なお、図示の構成では振動検出装置1と解
析装置16とは別個に形成されているが、振動検出装置
1と当該解析装置16とを一体的に構成し、一つの装置
とすることも可能である。この場合には振動検出装置1
と解析装置16とを一体化した装置を、一つのアレイに
対して少なくとも一基設置し、個々の振動検出装置1の
振動データをこの一体化された解析装置に出力するよう
構成し、特定のアレイの振動データ全体を解析する。
【0022】図4乃至図7は上述の解析装置16におけ
る地下構造の解析の原理及び手順を示している。先ず振
動検出装置1から検出されたデータから表面波のみを抽
出する。因みに解析装置16においては波形分析手段1
9において波形分析の前提として表面波のみの抽出を行
っている。この表面波は地下構造を反映して周波数毎に
伝搬速度が異なる性質を有している(図4参照)ので、
この分散性を表示する分散曲線から、分散の原因となる
地下構造を解析する。より具体的には地下の各層の物性
値はS波(ねじれ波)の伝搬速度で表されることが土木
工学おいて公知であり、このS波速度を解析することに
より地下の構造を推定する。
【0023】図5においてS波はSL1、SL2、SL3、S
L4の4種類に解析され、この速度に対応して解析対象と
なった配置コードにおける地下構造が推定される。即ち
各物性値を表すS波速度により、速度SL1は最初の地層
1 (深さH1 )を、速度S L2は地層L2 (深さH2
を、速度SL3は地層L3 (深さH3 )を、速度SL4は地
層L4 (深さH3 以下)を表すことになる。
【0024】ここで、上記分析の対象データが図7に示
す配置コードPa1 のデータであるとすると、図6及び
図7ににおいて、多点で示される配置コードのうち同P
1で示される配置コードの地下構造が推定されたこと
になる。このようにして例えば直線上に位置する配置コ
ードPa2 、Pa3 ・・・・の解析を行うことにより図
6に示すように配置コードに沿った直線の直下における
地下構造が連続的に推定されることにある。
【0025】図7はこの配置コードの配置状態の例を示
す。このようにアレーの配置を格子状とすることによ
り、格子を構成した区域全体の地下構造を推定すること
が可能となる。また格子の配置間隔等は観測する目的に
応じて適宜変更可能であることはもとより当然である。
【0026】図8乃至図9は解析手法のフローの一例を
示す。各振動検出装置1において検知されたデータが入
力され(S1)、各データの配置コードがチェック(S
3)を受けながら分類(S2)され、分類された各配置
コード毎のデータがそれぞれ記憶手段に格納(S4)さ
れる。次に格納された配置コード毎のデータが取り出さ
れ(S5)、クロックデータにより同一の配置コードを
有するそれぞれの観測データの時間軸が統一され(S
6)、前述の手法により配置コード毎の地下構造が推定
され(S7)、かつこのデータが格納される(S8)。
次に各配置コード(例えば図7に示すように格子状に配
置された各配置コード)の総合解析(S9)を行うこと
により各アレーが配置された区域全体の地下構造を推定
する(S10)。
【0027】なお、図9は上記解析手順において符号A
で示す部分に追加する手順を示す。この手順では解析を
必要とする地下深さに対応して抽出する波長を選択す
る。即ち地下100m程度までであれば波長の短い振動
データが有効であり、また地下数千m迄の深い地下構造
を知りたい場合には波長の長い振動データが必要である
ため、探査を行いたい地下深度を設定(S11)し、こ
の設定した地下深度に対応する波長Wnを設定(S1
2)し、前記配置コードPnの中からこの波長Wnに対
応するデータをチエック(S14)を受けながら抽出
(S13)する。以後はこの抽出されたデータを前記手
順に従って解析する。
【0028】上述の実施例では振動検出装置1には検出
した振動データを一時記憶する記憶手段9が設けられ、
例えば予め設定された各地点でのデータ収集が終了した
後にこのデータを解析装置16に出力するよう構成して
いるが、この構成に限定するものではない。即ち各振動
検出装置1をそれぞれ解析装置16にケーブル等の通信
手段で接続することにより各振動検出装置1の振動デー
タを解析装置16で短時間のうちに解析するよう構成す
ることももとより可能である。このようにすれば基本的
に時間軸の統一という問題はなくなるので高精度のタイ
マは必要なくなる。但し一つのアレーの構成中、観測深
度によっては各振動検出装置間の距離が数百mとなる場
合もあり、このような広い間隔を設定した場合にはケー
ブルで接続するのは現実的ではないので、アレーの配置
間隔等の事情を比較考量していずれかの構成を選択す
る。なお、それぞれの配置コードに対応する複数の観測
要素点に対してもそれぞれ副コードを割り振ることによ
り、観測要素点毎の振動検出装置1のデータを分類する
ことももとより可能である。次に本装置の適用分野の例
を装置の構成効果も一部含めて説明する。
【0029】〔地震防災地質調査〕地震による災害は、
地表面の地震動の強さに強く影響される。地震動の強さ
は震源からの距離、表層部分の地盤のみでなく深部の基
盤構造およびその形状にも支配される。本装置は地震応
答解析に必要なS波速度構造を求めることを前提とする
ので、分析した地下構造を地震防災地質調査に直接的に
利用することができる。
【0030】〔地下資源調査〕石油探査に代表される地
下資源調査は大深度ボーリングを行う必要があるが、大
深度ボーリングには多大の経費と時間が必要となる。こ
のためボーリングを行う前に広範な区域の地下探査を行
い、成功の可能性の高い地点を選択する必要がある。本
装置を用いれば各振動検出装置は自己の有する位置決め
手段により容易かつ正確に位置決め可能であり、従って
採取したデータの信頼性が高く、然も一つの位置(特定
の配置コードで示される位置)に於ける観測は大深度で
30分〜1時間、浅深度では10〜30分程度と非常に
短時間で行えるため、適正なボーリング地点を短時間で
正確に決定することができる。
【0031】〔土木・建築の地盤調査〕土木・建築の工
事に当たっては深さ100m以内の浅い地盤の状況を把
握する必要がある。この場合には各振動検出装置の得た
データのうち特に波長の短い成分を抽出、解析すること
により(図9参照)、土木・建築に必要な浅深度の地下
構造を正確に推定することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上の如く、起振機やダイナマ
イト等の爆発物を用いて人工的な振動を発生させる必要
がないので経済的、かつ安全に、しかも場所を選ぶこと
なく都市部等従来では測定不可能であった地域において
も地下構造を探査することが可能となり、特に地震等の
防災上の地下探査に極めて有効である。
【0033】また、正確な地下構造を測定するには多点
での振動データの収集が必要となるが、本発明装置では
振動検出装置に位置決め手段が設けられているため、究
めて簡単にしかも短時間で各振動検出装置を所定の位置
に配置することができ、作業時間の短縮が可能で、しか
も収集したデータの信頼性を高めることが可能となる。
【0034】更に100m以下の浅深度から数千mの大
深度までの地下構造の探査が可能であるため、従来装置
に比較して極めて広範な需要に答えることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の受動型地下探査装置の一部を構成する
振動検出装置のブロック図である。
【図2】前記振動検出装置と共に受動型地下探査装置を
構成する解析装置のブロック図である。
【図3】(A)および(B)共に一つの観測地点に於け
る振動検出装置の配置状態(アレイ)を示す概念図であ
る。
【図4】表面波の周波数と伝搬速度との関係を示す分散
曲線である。
【図5】S波速度と各地層との関係を示す線図である。
【図6】配置コードが割り振られた観測地点と地下構造
との関係を示す地下断面図である。
【図7】各々のアレイの配置コードの割り振りの例を示
す概念図である。
【図8】検知した振動データの解析例を示すフロー図で
ある。
【図9】前記フローの変更部分を示すフロー部分図であ
る。
【図10】自然現象および人間の活動による振動の発生
状態を概念的に示す図である。
【図11】地面の振動の周波数とパワースペクトルとの
関係を示す線図である。
【符号の説明】
1 振動検出装置 2(振動検出装置の)検出部 3(振動検出装置の)本体部 10 クロック 11 位置決め手段 16 解析装置 18 アレー配置コード検出手段 19 波形分析手段 20 クロックデータ検出手段 21 地下構造推定手段 23 総合解析手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地球が有する固有の低周波振動を検出
    し、かつこの低周波振動を解析することにより地下構造
    を探査する装置であって、複数の振動検出装置と、各振
    動検出装置が検出した振動データを解析する解析装置と
    から成り、振動検出装置は振動を直接検出する検出部
    と、この検出部の検出データが入力される本体部とを有
    し、本体部には自己の配置位置を検出する位置決め手段
    が設けられ、解析装置には振動検出装置から出力された
    振動データを解析して地下構造を推定する手段を有して
    いることを特徴とする受動型地下構造探査装置。
  2. 【請求項2】 振動検出装置には検出部で検出された振
    動データを記憶する手段と、この振動データに時刻デー
    タを重畳させるクロックとを有し、解析装置には各振動
    検出装置から出力された振動データに重畳された時刻デ
    ータにより各振動データの時間軸を統一する手段が設け
    られたことを特徴とする請求項1記載の受動型地下構造
    探査装置。
  3. 【請求項3】 観測地点に複数設定された観測要素点に
    対してそれぞれ設置された各振動検出装置により一つの
    アレイが構成され、各アレイにはそれぞれ配置コードが
    割り振られ、配置コードは当該配置コードに対応する各
    振動検出装置の振動データと重畳して記憶するよう構成
    され、解析装置は各振動検出装置の振動データを配置コ
    ード毎に分類する手段と、各配置コード毎の振動データ
    を分析しかつ当該配置コード毎の地下構造を推定する手
    段とを有することを特徴とする請求項1又は2記載の受
    動型地下構造探査装置。
  4. 【請求項4】 振動検出装置には振動のパワースペクト
    ルを評価する手段が設けられ、予め設定された値以上の
    パワースペクトルを有する場合のみ当該振動検出装置の
    振動データを記憶するよう構成したことを特徴とする請
    求項1乃至3の何れかに記載の受動型地下構造探査装
    置。
  5. 【請求項5】 解析装置には総合解析手段が設けられ、
    各配置コード毎の推定データを総合解析することにより
    各配置コードから成る複数の観測地点全体の地下構造を
    解析するよう構成したことを特徴とする請求項1ないし
    4の何れかに記載の受動型地下構造探査装置。
  6. 【請求項6】 前記振動検出装置に於ける位置決め手段
    は、人工衛星から発振される電波を受けて自己の位置決
    めを行うGPSシステムであることを特徴とする請求項
    1記載の受動型地下構造探査装置。
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