JP2016099183A - ハイブリッド表面波探査方法及びハイブリッド表面波探査システム - Google Patents

ハイブリッド表面波探査方法及びハイブリッド表面波探査システム Download PDF

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Abstract

【課題】地盤を大きい深度まで精度よくかつ短時間で探査できるハイブリッド表面波探査方法及びハイブリッド表面波探査システムを提供する。
【解決手段】打撃手段1で地面10を打撃した際に発生伝播する表面波を測定解析する能動的表面波探査と、常時微動源から発生伝播する表面波の一形態である微動を測定解析する受動的表面波探査とを、探査測線に沿って配置された複数のセンサ2を共用して連続的に実施する。
【選択図】図1

Description

本発明は、河川堤防の堤体盛土や道路高盛土などの人工地盤及び基礎地盤の内部の状況を、能動的表面波探査と受動的表面波探査とを統合して用い、非破壊的に調べるハイブリッド表面波探査方法及びハイブリッド表面波探査システムに関する。
地盤の探査には、電気を利用した電気探査、磁気を利用した磁気探査、表面波などを利用した弾性波探査など様々なものがある。弾性波探査の一種である表面波探査は、地盤の表面を伝わる表面波(レイリー波)の速度分散性(周波数によって伝播速度が異なるという性質)を利用してS波速度層構造を推定する探査法であり、能動的表面波探査と受動的表面波探査に大別される。
能動的表面波探査は、所定の地点で地表をかけ矢などの地盤に打撃を与える打撃手段で打撃し、発生した表面波を直線状又は曲線状の測線上に展開した地震計で測定し、測定データから位相速度を求めることにより、S波速度層構造を推定する探査方法である(例えば、特許文献1参照。)。
受動的表面波探査は、地表に生じる常時微動を面的に展開した複数の地震計、例えば三角形の各頂点と重心に配置した地震計で測定し、測定データから位相速度を求めることにより、S波速度層構造を推定する探査方法である(例えば特許文献2参照。)。
従来能動的表面波探査と受動的表面波探査とは、異なる測定装置及び測線展開、並びに異なった解析方法を用い、別々の探査方法として適用されてきた。
特開2006−17584号公報(第11欄第27行−第12欄第27行、図9−図10) 特開2001−249187号公報(段落0009−段落0016、図1−図5)
上述した能動的表面波探査は、相対的に位相速度を精度よく得ることができ、空間分解能が高く探査の精度が良いものの、探査解析深度が例えば15m程度と浅く、そのため道路高盛土や長大堤防などに対しては盛土下層部や基礎地盤部の情報が充分に得られないという問題があった。また、不均質な地盤、例えば盛土では、高次モードの表面波の影響を受けやすいという問題があった。さらに、かけ矢などの打撃により発生した表面波を用いるため、交通量の多い道路近傍では通行車両によって生起される表面波がノイズとなるという問題があった。
一方、受動的表面波探査は、探査解析深度が例えば数10mから数km程度と深いものの相対的に空間分解能が低く、解像度、特に最表層における解像度が良くないという問題があった。さらに従来の受動式表面波探査は、地震計を面的に展開する必要があったため、直線的な測線上での連続的な探査を実現することが困難であるという問題があった。
道路高盛土や堤防高の高い長大堤防などの土工構造物に対して、盛土内部のみならず基礎地盤の2次元S波速度層構造も推定しようとするには、この能動的表面波探査と受動式表面波探査の両方を実施すればよい。しかし、この両方の探査を実施するためには、別々の探査システムを用意する必要が生じ、また各々の探査方法に合わせて地震計を設置し直さなければならないため、探査に要する時間が長くなるという問題があった。
受動的表面波探査において地震計を面的に設置するのは、常時微動の到来方向が特定の方向に偏っていても安定的に分散曲線を得るためであるが、本発明者らは常時微動が全ての方向からランダムに到来する場合は1対の地震計、すなわち線状に配列した2点の地震計からでも真の分散曲線を求めることができ、さらに、地震計を配列した直線の方向が微動の卓越到来方向に含まれる場合においても2点の地震計を用いた受動的表面波探査が可能であることを見出した。すなわち、直線的な測線上に多数の地震計を設置したセンサアレイによっても受動式表面波探査が可能であることを見出した。さらに本発明者らは、同一測線上において同一の探査システムを用い、地震計を設置し直さなくても能動的表面波探査と受動的表面波探査とを連続的に行うことができれば、道路高盛土や長大堤防などの高い地盤であっても精度よい探査結果を得ることができると考えた。
本発明は、上記した問題点を解決しようとするもので、地盤を大きい深度まで精度よくかつ短時間で探査できるハイブリッド表面波探査方法及びハイブリッド表面波探査システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明のハイブリッド表面波探査方法は、第1に、打撃手段で地面を打撃した際に発生伝播する表面波を測定解析する能動的表面波探査と、常時微動源から発生伝播する表面波の一形態である微動を測定解析する受動的表面波探査とを、探査測線に沿って配置された複数のセンサを共用して同じ場所で、時間的に連続して実施することを特徴としている。
この特徴によれば、能動的表面波探査と受動的表面波探査の両方の利点を生かすことができ、道路高盛土や長大堤防などの高い地盤であっても、地盤を大きい深度まで精度よく探査することができる。また、同一測線上において同一の探査システムを用いることができるため、測定システムを小型化及び簡略化することができる。さらに、地震計を設置し直す必要がないため、現場測定にかかる時間を大幅に短縮することができる。
また、本発明のハイブリッド表面波探査方法は、第2に、第1の特徴において、
前記能動的表面波探査で得られた測定データから能動的表面波分散曲線を求めると共に、前記受動的表面波探査で得られた測定データから受動的表面波分散曲線を求め、
前記能動的表面波分散曲線と前記受動的表面波分散曲線とを合成して単一のハイブリッド表面波分散曲線を作成し、
前記ハイブリッド表面波分散曲線をインバージョン解析して1次元S波速度構造を求め、
前記1次元S波速度構造を測線上の複数点で計算すると共に、空間的に補間して2次元S波速度層構造断面を得ることを特徴としている。
この特徴によれば、能動的表面波探査と受動的表面波探査とによる結果を一つの合成された2次元S波速度層構造断面として示すことができるため、浅部から深部までのS波速度層構造を高精度で、かつ空間的に高い分解能を有する2次元断面として短時間で提供することが可能となる。
また、本発明のハイブリッド表面波探査方法は、第3に、第1又は第2の特徴において、
前記複数のセンサからなるセンサアレイを配置して最初の能動的表面波探査と受動的表面波探査を実施し、前記最初の探査の終了後、探査測線に沿って前記センサアレイをセンサアレイ長の一部が重複するようにして再配置し、次の能動的表面波探査と受動的表面波探査を繰り返すことで測線全区間の探査を行うようにしたことを特徴としている。
この特徴によれば、長大な測線に対しても相対的に短い長さのセンサアレイを用いて繰り返し測定することにより、全測線区間にわたって2次元S波速度層構造断面を連続的に把握することができる。
また、本発明のハイブリッド表面波探査システムは、第1に、
地盤に打撃を与える打撃手段と、
表面波及び微動を感知できる複数のセンサからなるセンサアレイと、
前記センサアレイからの波形信号を収録するマルチチャンネル記録装置と、
記録された波形信号を解析して能動的表面波分散曲線と受動的表面波分散曲線とを求めると共に、前記両分散曲線を合成してハイブリッド表面波分散曲線を作成する解析処理部と、
合成された前記ハイブリッド表面波分散曲線から2次元S波速度層構造断面を作成するインバージョン処理解析部と、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、能動的表面波探査と受動的表面波探査とを別々に実施する必要がなく、また同一測線上において同一の探査システムを用いることができると共に、地震計を設置し直す必要がないため、測定システムを小型化及び簡略化することができる。さらに、現場測定にかかる時間を大幅に短縮することができる。
加えて、能動的表面波探査と受動的表面波探査とによる結果を統合的に解析処理して一つの合成された2次元S波速度層構造断面として示すことができるため、個々の結果を別々に解析処理する必要がなく、最適な断面を短時間で提供することが可能となる。
また、本発明のハイブリッド表面波探査システムは、第2に、第1の特徴において、一定の長さのアレイ長を有するセンサアレイを用い、最初の探査の終了後、次の探査に向けて、探査測線に沿ってセンサアレイの一部が重複するようにして再配置することによって長大な測線に対しても対応できることを特徴としている。
この特徴によれば、測線長に合わせてセンサアレイの長さをその都度変更する必要がなく、センサアレイの用意にかかる時間と経費を大幅に削減することが可能となる。
また、本発明のハイブリッド表面波探査システムは、第3に、第1又は第2の特徴において、前記マルチチャンネル記録装置は、能動的表面波探査記録条件設定部と受動的表面波探査記録条件設定部とを備えることを特徴としている。
この特徴によれば、前記マルチチャンネル記録装置を能動的表面波探査と受動的表面波探査において別々に用意する必要がなく、また測定時に前記能動的表面波探査記録波形と前記受動的表面波探査記録波形の両方の品質を現場でリアルタイムで評価できることから、前記マルチチャンネル記録装置の用意にかかる経費を半減することが可能となるばかりでなく、現地において前記能動的表面波探査と前記受動的表面波探査の両方の記録条件設定に必要な時間を短縮することも可能となる。
また、本発明のハイブリッド表面波探査システムは、第4に、第1ないし第3のいずれかの特徴において、前記解析処理部は、前記能動的表面波分散曲線を決定する能動的表面波探査記録解析処理部、前記受動的表面波分散曲線を決定する受動的表面波探査記録解析処理部及び前記能動的表面波分散曲線と前記受動的表面波分散曲線とからハイブリッド表面波分散曲線を合成するハイブリッド表面波探査記録解析処理部を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、前記能動的表面波探査記録解析処理、前記受動的表面波探査記録解析処理及びハイブリッド表面波探査記録解析処理を別々のシステム上で別個に実施する必要がなく、相互参照も容易であることから前記解析処理に係る経費と時間を大幅に削減することが可能である。
また、本発明のハイブリッド表面波探査システムは、第5に、第4の特徴において、前記能動的表面波探査記録解析処理部は、前記能動的表面波分散曲線を求める際に,能動的表面波探査の全ての波形記録に対し、任意の2本の波形を抽出して相互相関を計算し、前記2本の波形の中点の距離が共通するものを集積して相互相関波形を作成することを特徴としている。
この特徴によれば、起伏のある地盤や不均質な地盤に対しても、それらを識別可能な高い空間分解能を担保する能動的表面波分散曲線を得ることができる。
また、本発明のハイブリッド表面波探査システムは、第6に、第4の特徴において、前記受動的表面波探査記録解析処理部は、前記受動的表面波分散曲線を求める際に,直線状のセンサアレイに対して空間自己相関法を適用して解析する2次元リニアアレイ微動解析法を採用することを特徴としている。
この特徴によれば、設置したセンサアレイ区間で得られた前記受動的表面波探査記録を用いて、前記センサアレイ設置区間のほぼ全域に対して同時に複数の受動的表面波分散曲線を得ることができる。
また、本発明のハイブリッド表面波探査システムは、第7に、第4の特徴において、前記ハイブリッド表面波探査記録解析処理部は、前記ハイブリッド表面波分散曲線を求める際に、第1の周波数より低い周波数帯域では前記受動的表面波分散曲線を採用し,第2の周波数よりも高い周波数帯域では前記能動的表面波分散曲線を採用し、前記第1の周波数から第2の周波数の間では前記能動的表面波分散曲線と前記受動的表面波分散曲線とを合成することを特徴としている。
この特徴によれば、前記能動的表面波分散曲線と前記受動的表面波分散曲線から各々の信頼性の高い領域を抽出することによって、最適な分散曲線を決定することが可能となる。
また、本発明のハイブリッド表面波探査システムは、第8に、第1ないし第7のいずれかの特徴において、前記インバージョン処理解析部は、インバージョン処理部と2次元S波速度層構造断面作成処理部を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、前記ハイブリッド表面波分散曲線に対する前記インバージョン処理にかかる最適条件の設定と、前記2次元S波速度層構造断面作成処理にかかる最適条件設定とを、同一システム上においてフィードバックさせながら実行できるため、最適な2次元S波速度層構造断面を短時間で効率的に得ることができる。
また、本発明のハイブリッド表面波探査システムは、第9に、第8の特徴において、前記インバージョン処理部は、前記ハイブリッド表面波分散曲線から非線形最小二乗法インバージョンにより1次元S波速度構造を推定することを特徴としている。
この特徴によれば、安定的に、かつ短時間で最適な1次元S波速度構造モデルを求めることができる。
また、本発明のハイブリッド表面波探査システムは、第10に、第8の特徴において、前記2次元S波速度層構造断面作成処理部は、前記1次元S波速度構造を空間的に補間して2次元S波速度層構造断面を得ることを特徴としている。
この特徴によれば、前記1次元S波速度構造モデルから、局所的なノイズの影響や最適解からの乖離の影響を低減し、最適な2次元S波速度層構造断面を得ることができる。
また、本発明のハイブリッド表面波探査システムは、第11に、第1ないし第10のいずれかの特徴において、前記インバージョン処理解析部は、前記能動的表面波分散曲線と前記受動的表面波分散曲線から別個に非線形最小二乗法インバージョンにより1次元S波速度構造を推定し、さらにそれを空間的に補間して求めた2つの2次元S波速度層構造断面を合成し、最終的な2次元S波速度層構造断面を得ることを特徴としている。
この特徴によれば、均質な地盤に対して、簡易的に2次元S波速度層構造断面を得ることができる。
実施の形態1を示すハイブリッド表面波探査方法及びハイブリッド表面波探査システムの概略を説明する図である。 実施の形態1におけるハイブリッド表面波探査システムの構成及び構成各部品の機能を示すブロック図である。 同時取得チャンネル数144チャンネルのマルチチャンネル記録装置を使用し、かつ地震計を1m間隔に設置した場合の、実施の形態1におけるハイブリッド表面波探査の実施方法を例示する図である。 同時取得チャンネル数144チャンネルのマルチチャンネル記録装置を使用し、かつ地震計を1m間隔に設置した場合の、実施の形態1におけるハイブリッド表面波探査のうち、能動的表面波探査の実際の測定データを例示する図であって、(a)は、1266m〜1409m間に展開した144チャンネルの地震計センサアレイにおいて、起振点1356mで打撃手段としてかけ矢を使用して発生させた能動的表面波探査の波形記録例を、(b)は、1356mを共通中心点とするクロスコリレーション波形を、(c)は、周波数−位相速度図上における、測線距離1356m地点の能動的表面波分散曲線54を示したものである。 同時取得チャンネル数144チャンネルのマルチチャンネル記録装置を使用し、かつ地震計を1m間隔に設置した場合の、実施の形態1におけるハイブリッド表面波探査のうち、受動的表面波探査の実際の測定結果の具体例を示す図であって、(a)は、1266m〜1409m間に展開した144チャンネルの地震計センサアレイにおいて、約30秒間にわたって常時微動を測定した受動的表面波探査の波形記録例を、(b)は、1356mを共通中心点とする複素コヒーレンスの実数部を、(c)は、周波数−位相速度図上における、測線距離1356m地点の受動的表面波分散曲線55を示したものである。 ハイブリッド表面波探査システムのうち、解析処理部及びインバージョン処理解析部の機能の具体例を示す図であって、(a)は、測線距離1356m地点の能動的表面波分散曲線54を、(b)は、測線距離1356m地点の受動的表面波分散曲線55を、(c)は、測線距離1356m地点のハイブリッド表面波分散曲線56を、(d)は、測線距離1356m地点のハイブリッド表面波分散曲線に対するインバージョン処理解析結果としての1次元S波速度構造63を、(e)は、測線距離1356m地点を含むハイブリッド表面波探査結果としての2次元S波速度層構造断面例64を示したものである。
本発明に係るハイブリッド表面波探査方法とそれを実施するためのハイブリッド表面波探査システムの形態を、実施の形態に基づいて図を用いて以下に説明する。
実施の形態1
<測定方法及びシステムについて>
図1は実施の形態1のハイブリッド表面波探査システムの概略を示しており、周波数帯域2Hz〜50Hz程度の微動を検出することができるスパイク付きの多数の地震計からなる多数のセンサ2を一列に地面10に設置したセンサアレイ3、能動的表面波探査の際に地面に打撃を与える打撃手段1(例えば、かけ矢)、センサアレイのうちの一部からの信号を記録するマルチチャンネル記録装置4、測定データを解析処理してハイブリッド表面波分散曲線を作成する解析処理部5及び2次元S波速度層構造断面を作成するインバージョン処理解析部6により主に構成される。
なお、受動的表面波探査においては常時微動を測定するが、常時微動とは、通行車両が発生させる交通振動、風による地盤振動、工場に設置された機械類から発生する人工的な振動などの総称で、本明細書では常時微動を発生させる微小振動源を常時微動源といい、常時微動源7として通行車両を例示してある。
なお、センサ2としては、例えば、動コイル方式鉛直振動成分感応型低周波速度型地震計が挙げられる。
また、打撃手段1を操作して発生させ、能動的表面波探査において利用する表面波8は比較的浅部を伝播するのに対し、受動的表面波探査において利用する表面波9は相対的に深部を伝播する性質を有する。本発明ではこの両方の表面波を利用することで、浅部から相対的に深部までの2次元S波速度層構造断面の推定を可能にしている。
舗装路面上など、スパイクを挿入してセンサ2を地面に固定設置することができない場合においては、ハイブリッド表面波探査システムのうちのセンサアレイ3を牽引式表面波探査装置(例えば、特開2003−043152号公報参照。)に置き換えて実施する。
<データ解析処理について>
図2は、ハイブリッド表面波探査方法における、データ解析処理、すなわち測定データから2次元S波速度層構造断面を作成する手順と、その解析処理などの作業を担うハイブリッド表面波探査システムの装置構成を示したものである。
まず、一列に配列された多数のセンサ2で構成されるセンサアレイ3で受信された微動は、マルチチャンネル記録装置4に送られ、能動的表面波探査においては前記マルチチャンネル記録装置4を構成する能動的表面波探査記録条件設定部41において特定の測定条件を設定し、能動的表面波探査記録波形43をディジタル信号として記録する。一方受動的表面波探査においては前記マルチチャンネル記録装置4を構成する受動的表面波探査記録条件設定部42において特定の測定条件を設定し、受動的表面波探査記録波形44をディジタル信号として記録する。
なお、前記能動的表面波探査記録条件設定部41及び受動的表面波探査記録条件設定部42は独立した装置であってもよいし、両方の機能を兼ね添えた単一の装置であっても構わない。
別々のファイルとしてディジタル記録された能動的表面波探査記録波形43と受動的表面波探査記録波形44は解析処理部5にインポートされ処理される。このインポート操作はオンサイトであるかオフサイトであるか、オンラインであるかオフラインであるかを問わない。すなわち、前記能動的表面波探査記録波形43及び受動的表面波探査記録波形44が解析処理部5に確実に転送されさえすれば、時間的に間隔が空いていても、また解析処理部5がハイブリッド表面波探査現場と離れた場所にあっても構わない。
解析処理部5に転送された能動的表面波探査記録波形43を、能動的表面波探査記録解析処理部51において処理し、能動的表面波分散曲線54を決定する。
一方、受動的表面波探査記録波形44は、受動的表面波探査記録解析処理部52において処理し、受動的表面波分散曲線55を決定する。 この両方の分散曲線をハイブリッド表面波探査記録解析処理部53で処理し、単一の分散曲線すなわちハイブリッド表面波分散曲線56を合成する。
合成されたハイブリッド表面波分散曲線56は、次にインバージョン処理解析部6に送られ、まずインバージョン処理部61において後述する手法によってインバージョン解析され、1次元S波速度構造63が求められる。この一連の解析を多点で実施し、2次元S波速度層構造断面を作成するものであり、測線上の多点で求められた1次元S波速度構造は次に2次元S波速度層構造断面作成処理部62に送られ、後述する手法によって最終的に2次元S波速度層構造断面64が作成される。
<ハイブリッド表面波探査における測定方法>
実施の形態1におけるハイブリッド表面波探査では、概直線的な測線を設定し、測線上にセンサ2を一列に等間隔で予め多数設置しておき、そのうちの起点からの一部をマルチチャンネル記録装置4と接続し第1展開とする。この第1展開区間において一定間隔で打撃手段1を用いて発生させた表面波を測定する能動的表面波探査を実施し、次に同じ位置で常時微動源7の常時微動を測定する受動的表面波探査を実施する。この測定作業の後、センサ2の1/3程度を重複させて第2展開を設定し、この第2展開区間において能動的表面波探査と受動的表面波探査を繰り返す。これを探査測線の端部に到達するまで繰り返す。
なお、牽引式表面波探査装置の場合は、測線端部に牽引式表面波探査装置を配置して第1展開とし、以降は上記の測定手順を踏襲する。
図3は、同時取得チャンネル数144チャンネルのマルチチャンネル記録装置4を使用し、かつ地震計を1m間隔に設置した場合のハイブリッド表面波探査の実施方法を例示する図である。
まず、探査測線の起点側端部1mから144mまでに配置したセンサアレイの第1展開31を前記マルチチャンネル記録装置4と接続する。次に測線上のセンサ設置点かつ能動的表面波探査起振点22において打撃手段1を用いて地面を打撃し、表面波を発生させて能動的表面波探査を実施する。第1展開における能動的表面波探査起振点22は、1mから4m間隔で145mまでの合計36点を標準とする。その後に適当な測定条件を設定して同一の第1展開において受動的表面波探査を実施する。
第1展開における能動的表面波探査及び受動的表面波探査が終了したら、第2展開32のセンサアレイと前記マルチチャンネル記録装置4と接続し、第1展開の場合と同様に能動的表面波探査及び受動的表面波探査を実施する。スパイク付きの多数のセンサ2を用いる場合は、97mから240m間に予め設置しておいた地震計と前記マルチチャンネル記録装置とを接続しなおせばよい。牽引式表面波探査装置の場合には、牽引式表面波探査装置を第2展開の位置まで移動させる。
第2展開における能動的表面波探査及び受動的表面波探査が終了したら、193mから336mに設置した第3展開33において能動的表面波探査及び受動的表面波探査を実施する。
さらに第3展開における能動的表面波探査及び受動的表面波探査が終了したら、289mから432mに設置した第4展開34において能動的表面波探査及び受動的表面波探査を実施する。この測定作業を測線の終点側端部に達するまで繰り返す。
この測定方法では、各展開をセンサアレイ長の1/3ずつ重複させていることが特徴である。この重複区間の長さは、探査深度にもよるが、概ね48mから60m程度に設定することが望ましい。したがってセンサの設定間隔を2mとし、360チャンネルのマルチチャンネル記録装置4を使用した場合はセンサアレイ長が720mとなり、重複区間長を60mとした場合の重複割合は1/12にまで減少し、展開移動に係る測定時間を大幅に短縮することができる。
<能動的表面波探査に使用する解析処理部とその機能>
本発明におけるハイブリッド表面波探査システムのうち、能動的表面波探査に係る構成装置は図2に示したマルチチャンネル記録装置4のうちの能動的表面波探査記録条件設定部41、解析処理部5のうちの能動的表面波探査記録解析処理部51である。前記条件設定部41では、センサアレイ3で観測した表面波を忠実にディジタル化して再生できるように、かつアレイ全域で観測できるよう振幅及び時間軸を調整する。またA/Dコンバータの分解能は24bit、サンプル間隔は1msec、データ長は2秒程度を標準とする。
なお前記の能動的表面波探査記録条件設定部41と後述する受動的表面波探査記録条件設定部42は独立した装置であってもよいし、両方の機能を兼ね添えた単一の装置であっても構わない。
解析処理部5のうちの能動的表面波探査記録解析処理部51では、測定した能動的表面波探査記録波形を解析処理し、能動的表面波分散曲線54を決定する。
この装置の機能を、同時取得チャンネル数144チャンネルのマルチチャンネル記録装置を使用し、かつ地震計を1m間隔に設置した場合の、実際の測定結果である図4を用いて説明する。
まず図4(a)は、約1.5kmの測線のうち、1266m〜1409m間に展開した144チャンネルの地震計センサアレイにおいて、起振点1356mで打撃手段1としてかけ矢を使用して発生させた能動的表面波探査の波形記録である。この一連の探査では4m間隔で起振して波形を収録しているが、それら全ての波形記録に対し、波形記録中の任意の2本の波形(本明細書においては「トレース」ということがある。)を抽出し、相互相関(本明細書においては、「クロスコリレーション」ということがある。)を計算して各々1本のクロスコリレーショントレースを作成する。
次にそれらのトレース群の中から元の2本のトレースの中点が1356mとなる数10対の波形を集め出す。その際、元の2本の波形間の間隔が同じものが含まれる場合はそれらを重合処理する。
以上の操作(CMP−CC法)を適用することによって、図4(b)に示すような、1356mを中点とするクロスコリレーション波形を作成する。
次に、このクロスコリレーション波形に含まれる各々のトレースを離散フーリエ解析により、周波数領域に変換する。さらに各トレースのセンサ間隔に対応した位相シフトを与えて空間領域で積分することにより、図4(c)に示す周波数−位相速度図が得られる。この図上において相関強度が大きい部分(図中暗色部が高相関)を追跡し、最終的に測線距離1356m地点の能動的表面波探査による分散曲線54を決定する。
なお、前記能動的表面波探査記録解析処理部51は、能動的表面波分散曲線54が得られ、かつ測線方向の空間分解能が高いものであれば、上述したいわゆるCMP−CC法によるものに限らない。
<受動的表面波探査に使用する解析処理部とその機能>
本発明におけるハイブリッド表面波探査システムのうち、受動的表面波探査に係る構成装置は図2に示したマルチチャンネル記録装置4のうちの受動的表面波探査記録条件設定部42、解析処理部5のうちの受動的表面波探査記録解析処理部52である。受動的表面波探査記録条件設定部42では、センサアレイ3で観測した微弱な微動を高感度で、かつアレイ全域で観測できるよう振幅及び時間軸を調整する。またA/Dコンバータの分解能は24bit、サンプル間隔は2msec、データ長は32秒程度を標準とする。
前記受動的表面波探査記録条件設定部42と前記能動的表面波探査記録条件設定部41は独立した装置であってもよいし、両方の機能を兼ね添えた単一の装置であっても構わない。
解析処理部5のうちの受動的表面波探査記録解析処理部52では、測定した受動的表面波探査記録波形を解析処理し、受動的表面波分散曲線55を決定する。
この装置の機能を、同時取得チャンネル数144チャンネルのマルチチャンネル記録装置を使用し、かつ地震計を1m間隔に設置した場合の、実施の形態1によって実施した実際の測定結果である図5を用いて説明する。まず図5(a)は、約1.5kmの測線のうち、1266m〜1409m間に展開した144チャンネルの地震計センサアレイにおいて、約32秒間連続測定した受動的表面波探査の波形記録である。この一連の探査では、同一展開において12から24回程度繰り返し微動を記録する。しかしこれに要する時間は、高々10分ないし20分程度であり、前記能動的表面波探査の開始前あるいは終了後に同一展開において時間的に連続して実施すれば、独自にセンサアレイを設置する必要がないため、極めて作業性の高い探査方法といえる。
前記展開で測定した受動的表面波探査の波形記録を、解析処理部5を構成する受動的表面波探査記録解析処理部52に取り込み、空間自己相関法(SPAC法)を直線的なセンサアレイに適用した2次元リニアアレイ解析法(LAMS法)を適用して図5(b)に示すように、1356mを中心とする波形トレースの複素コヒーレンスを計算してその実数部を図化する。この操作では、受動的表面波探査記録波形44に対してLAMS解析をする最大間隔をまず設定する。例えば最大間隔を64mに設定した場合、1356m+/−32m間の64本のトレース群の中から任意の2本1対のトレースを抽出し、複素コヒーレンスを計算する。同じ間隔の計算結果(実数部)を重合することで、1356mを中心とするコヒーレンスを作成する。
ここで、トレース間隔64mのトレース対は1組しかないのに対し、トレース間隔32mのトレース対は最大32組得られること、すなわち測線方向の空間分解能と探査深度がトレードオフの関係にあることに留意して最大間隔を決定する。
次にそれを各トレースの距離と周波数に対応した空間自己相関関数を計算して、測定された複素コヒーレンスの実数部と比較し残差を計算することにより、図5(c)に示す周波数−位相速度図を作成する。
この図上において残差が小さい部分(図中暗色部が小残差)を追跡し、最終的に測線距離1356m地点の受動的表面波探査による分散曲線55を決定する。
なお、前記受動的表面波探査記録解析処理部52は、受動的表面波分散曲線55が安定的に得られ、かつ測線方向の空間分解能が高いものであれば、上述したLAMS法以外のいわゆるReMi法やTau−P変換法、あるいは地震波干渉法によるものでも構わない。
<ハイブリッド表面波探査に使用する解析処理部とその機能>
本発明におけるハイブリッド表面波探査システムのうち、ハイブリッド表面波探査記録解析処理部53は、能動的表面波分散曲線54と受動的表面波分散曲線55からハイブリッド表面波分散曲線56を合成する。 以下、図6を用いて前記解析処理の方法と機能を説明する。
図6(a)に示した能動的表面波分散曲線54と図6(b)に示す受動的表面波分散曲線55とは、重複する周波数帯域を有するが、両者が完全に一致しない場合がある。そこで本発明では、前記ハイブリッド表面波探査記録解析処理部53の機能を用い、第2の周波数よりも高い周波数帯域では前記能動的表面波分散曲線54を採用し、前記第2の周波数から第1の周波数までの帯域では前記能動的表面波分散曲線54と、前記受動的表面波分散曲線55とを合成し、前記第1の周波数より低い周波数帯域では前記受動的表面波分散曲線55を採用して単一の分散曲線を合成する。例えば前記1356mの両分散曲線に対しては、20Hzを第2周波数として設定し、第1周波数は10Hzとしている。
この2つの周波数は、合成する両分散曲線の類似性や測線内での各分散曲線の相似性に着目し、各距離の各々の分散曲線に対して設定する。
この機能により、本発明では前記第1の周波数より高い周波数帯域の表面波が伝播する浅い深度領域に対しては空間分解能の高い能動的表面波分散曲線が作用していることから、例えば舗装などの影響により速度逆転層が存在していても、それを確実に把握することができ、また前記第2の周波数から第1の周波数までの領域では特に能動的表面波分散曲線に出現しやすい高次モードの表面波を識別分離し、基本モードに基づいたインバージョン処理解析により、適切な1次元S波速度構造を推定することができる。
これに加え、前記第2の周波数から第1の周波数の帯域では能動的表面波分散曲線と、受動的表面波分散曲線とを合成していることにより、特に、LAMS法により求められた受動的表面波分散曲線に出現しやすい、微動の到来方向の偏りによる分散曲線の異常を識別分離することが可能であり、受動的表面波探査の測定データの品質を評価することにより、適切な1次元S波速度構造を推定することを担保することができる。
<ハイブリッド表面波探査に使用するインバージョン処理解析部とその機能>
本発明におけるハイブリッド表面波探査システムのうち最終的な2次元S波速度層構造断面の作成は、図2に示したインバージョン処理解析部6のうちのインバージョン処理部61と2次元S波速度層構造断面作成処理部62で構成される。
前記インバージョン処理部61では、合成されたハイブリッド表面波分散曲線56に対して、まず適当な初期1次元S波速度構造モデルを与え、その構造に対する理論分散曲線を計算し、両者の誤差を非線形最小二乗法インバージョン等によって最小化し、最適な1次元S波速度構造モデルを推定する、という方法を利用する。
なお適当な初期1次元S波速度構造モデルの設定には、いわゆる1/3波長モデルを標準的に使用するが、非線形最小二乗法インバージョンなどの解析が収束し最適解が得られる方法であれば他のいかなる方法でも構わない。
この処理によって得られた各測線位置における1次元S波速度構造63は次に2次元S波速度層構造断面作成処理部62に送られ、空間的接合およびスムージング処理を施し、最終的な2次元S波速度層構造断面64が作成される。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、センサアレイの形状を概直線状の測線に配列した単列状としたが、副数列のセンサアレイを同時に牽引する形状の探査装置(特開2004−20448号公報参照。)を用いれば、3次元的なS波速度層構造を得ることも可能となる。
また、受動的表面波探査記録波形において、特に車両通行振動が著しい場合は、能動的表面波探査記録波形に対する解析処理であるCMP−CC法を適用することも本発明の範囲に含まれる。
また、本発明では能動的表面波分散曲線54と受動的表面波分散曲線55とを合成し、ハイブリッド表面波分散曲線56を作成したのちにインバージョン処理解析部6において、インバージョン処理を施すことを標準的な手順としているが、両分散曲線の差異が顕著でない場合は、各々から2次元S波速度層構造断面を作成し、それを合成して最終的な2次元S波速度層構造断面64を得るものであってもよい。
1 打撃手段(かけ矢)
2 センサ
21 センサ設置点
22 センサ設置点かつ打撃手段操作能動的表面波探査起振点
3 センサアレイ
31 第1展開
32 第2展開
33 第3展開
34 第4展開
4 マルチチャンネル記録装置
41 能動的表面波探査記録条件設定部
42 受動的表面波探査記録条件設定部
43 能動的表面波探査記録波形
44 受動的表面波探査記録波形
5 解析処理部
51 能動的表面波探査記録解析処理部
52 受動的表面波探査記録解析処理部
53 ハイブリッド表面波探査記録解析処理部
54 能動的表面波分散曲線
55 受動的表面波分散曲線
56 ハイブリッド表面波分散曲線
6 インバージョン処理解析部
61 分散曲線インバージョン処理部
62 2次元S波速度層構造断面作成処理部
63 1次元S波速度構造
64 2次元S波速度層構造断面
7 常時微動源(通行車両)
8 能動的表面波探査時利用表面波
9 受動的表面波探査時利用表面波(微動)
10 地表面

































Claims (14)

  1. 打撃手段で地面を打撃した際に発生伝播する表面波を測定解析する能動的表面波探査と、常時微動源から発生伝播する表面波の一形態である微動を測定解析する受動的表面波探査とを、探査測線に沿って配置された複数のセンサを共用して、同じ場所で時間的に連続して実施することを特徴とするハイブリッド表面波探査方法。
  2. 前記能動的表面波探査で得られた測定データから能動的表面波分散曲線を求めると共に、前記受動的表面波探査で得られた測定データから受動的表面波分散曲線を求め、
    前記能動的表面波分散曲線と前記受動的表面波分散曲線とを合成して単一のハイブリッド表面波分散曲線を作成し、
    前記ハイブリッド表面波分散曲線をインバージョン解析して1次元S波速度構造を求め、
    前記1次元S波速度構造を測線上の複数点で計算すると共に、空間的に補間して2次元S波速度層構造断面を得ることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド表面波探査方法。
  3. 前記複数のセンサからなるセンサアレイを配置して最初の能動的表面波探査と受動的表面波探査を実施し、前記最初の探査の終了後、探査測線に沿って前記センサアレイをセンサアレイ長の一部が重複するようにして再配置し、次の能動的表面波探査と受動的表面波探査を繰り返すことで測線全区間の探査を行うようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハイブリッド表面波探査方法。
  4. 地盤に打撃を与える打撃手段と、
    表面波及び微動を感知できる複数のセンサからなるセンサアレイと、
    前記センサアレイからの波形信号を収録するマルチチャンネル記録装置と、
    記録された波形信号を解析して能動的表面波分散曲線と受動的表面波分散曲線とを求めると共に、前記両分散曲線を合成してハイブリッド表面波分散曲線を作成する解析処理部と、
    合成された前記ハイブリッド表面波分散曲線から2次元S波速度層構造断面を作成するインバージョン処理解析部と、
    を備えることを特徴とするハイブリッド表面波探査システム。
  5. 一定の長さのアレイ長を有するセンサアレイを用い、最初の探査の終了後、次の探査に向けて、探査測線に沿ってセンサアレイの一部が重複するようにして再配置することによって長大な測線に対しても対応できることを特徴とする請求項4に記載のハイブリッド表面波探査システム。
  6. 前記マルチチャンネル記録装置は、能動的表面波探査記録条件設定部と受動的表面波探査記録条件設定部とを備えることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のハイブリッド表面波探査システム。
  7. 前記解析処理部は、前記能動的表面波分散曲線を決定する能動的表面波探査記録解析処理部、前記受動的表面波分散曲線を決定する受動的表面波探査記録解析処理部及び前記能動的表面波分散曲線と前記受動的表面波分散曲線とからハイブリッド表面波分散曲線を合成するハイブリッド表面波探査記録解析処理部を備えることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載のハイブリッド表面波探査システム。
  8. 前記能動的表面波探査記録解析処理部は、前記能動的表面波分散曲線を求める際に、能動的表面波探査の全ての波形記録に対し、任意の2本の波形を抽出して相互相関を計算し、前記2本の波形の中点の距離が共通するものを集積して相互相関波形を作成することを特徴とする請求項7に記載のハイブリッド表面波探査システム。
  9. 前記受動的表面波探査記録解析処理部は、前記受動的表面波分散曲線を求める際に、直線状のセンサアレイに対して空間自己相関法を適用して解析する2次元リニアアレイ微動解析法を採用することを特徴とする請求項7に記載のハイブリッド表面波探査システム。
  10. 前記ハイブリッド表面波探査記録解析処理部は、前記ハイブリッド表面波分散曲線を求める際に、第1の周波数より低い周波数帯域では前記受動的表面波分散曲線を採用し、第2の周波数よりも高い周波数帯域では前記能動的表面波分散曲線を採用し、前記第1の周波数から第2の周波数の間では前記能動的表面波分散曲線と前記受動的表面波分散曲線とを合成することを特徴とする請求項7に記載のハイブリッド表面波探査システム。
  11. 前記インバージョン処理解析部は、インバージョン処理部と2次元S波速度層構造断面作成処理部を備えることを特徴とする請求項4ないし請求項10のいずれか1項に記載のハイブリッド表面波探査システム。
  12. 前記インバージョン処理部は、前記ハイブリッド表面波分散曲線から非線形最小二乗法インバージョンにより1次元S波速度構造を推定することを特徴とする請求項11に記載のハイブリッド表面波探査システム。
  13. 前記2次元S波速度層構造断面作成処理部は、前記1次元S波速度構造を空間的に補間して2次元S波速度層構造断面を得ることを特徴とする請求項11に記載のハイブリッド表面波探査システム。
  14. 前記インバージョン処理解析部は、前記能動的表面波分散曲線と前記受動的表面波分散曲線から別個に非線形最小二乗法インバージョンにより1次元S波速度構造を推定し、さらにそれを空間的に補間して求めた2つの2次元S波速度層構造断面を合成し、最終的な2次元S波速度層構造断面を得ることを特徴とする請求項4ないし請求項13のいずれか1項に記載のハイブリッド表面波探査システム。






















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