JP3579043B1 - 地盤情報処理方法と地盤情報処理システム及びアースリソースシステム - Google Patents

地盤情報処理方法と地盤情報処理システム及びアースリソースシステム Download PDF

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
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Abstract

【課題】アースリソースシステムの設計に用いる地盤情報を正確で迅速に算出可能な地盤情報処理方法を提供する。
【解決手段】表面波探査手段4を用いて非破壊的に調査対象の地盤3の状況を検出し、データ解析手段5で、表面波探査手段4で検出された検出データに基づき地盤3のS波速度構造を算出し、算出されたS波速度構造を基にしてS波速度と土相との対応に関して予め設定された土相判定標準表を用いて地盤の土相分布を特定するとともに、S波速度とN値との対応に関して予め設定されたN値換算式またはN値換算表を用いて地盤のN値分布を特定し、土相と熱量の関係及びN値と熱量の関係に関して予め設定された熱量換算表から特定した土相分布及びN値分布に基づきパラメータとなる地盤3の単位厚さ当たりの単位吸放熱量を推定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤情報処理方法と地盤情報処理システム及びアースリソースシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
地球資源の1つである地中熱を熱源として利用して冷房や暖房を行う熱交換システムであるアースリソースシステムの1つとしてヒートポンプシステムが知られている。このシステムは、地中に設けた井戸に熱交換器を配設するとともに、地上にヒートポンプと液状媒体貯留部を配設して、これらを配管でつないで、液状媒体を地上と地中との間で循環させることで熱交換を行っている。通常、熱交換システムを設計するには、空調・給湯・暖房負荷の計算に加え、地盤の土相、地中温度、比熱、熱伝導率、地下水位、地下水流速を見極め、地盤の吸熱・放熱量を判定し、ヒートポンプの容量を選定している。
このように熱交換システムの設計は、様々な要素を考慮して行われるが、中でも吸熱・放熱量がシステム設計においては重要である。このため、従来は、調査対象の地盤を直接ボーリング調査し、地盤の土相分布、N値分布をつかみ、システム設計に必要にパラメータを推定している。
【0003】
一方、地盤探査法には、ボーリング調査のような破壊的な調査方法の他に、振動の伝達状態から地盤構造を知る非破壊的な調査手法がある。非破壊的調査手法としては、表面波探査法や微動探査法が知られている。
表面波探査法は、受振手段となる複数の振動センサを等間隔に直線状に配置した測線を設け、この測線の端部からオフセット距離をとった加振点で加振し、発生した弾性波の全波動(表面波、直達波、屈折波、反射波等)を前記測線上の振動センサで受振して記憶手段で記憶し、この記憶した波動記録の中から表面波を識別して測線下におけるS波速度構造を解析して地下構造を推定している。
【0004】
微動探査方法は、地盤の自然微動を観測する手段として、地表に描いた円周上に等間隔に配置された複数の微動観測器(地震計及び記憶装置)と、当該円の中心に配置された一つの微動観測器(地震計及び記憶装置)とからなる円形アレーを用いた微動観測手段を有している。円は一つの円である他に同心の2重、3重、4重の複数の多重円を設ける場合があり、円形アレーを構成する微動観測器によって観測した微動記録から表面波を抽出し、抽出した表面波から周波数・位相速度関係を算出し、これに基づき地下のS波速度構造を解析している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
地盤探査手法の一つであるボーリング調査は、調査対象領域の局部的な地下構造の抽出に限定されるため、熱交換システムの設計に用いるためには、調査対象範囲に対して多数のボーリング調査を実施しなければならず、調査に多大な時間と費用と労力を要することから、大雑把な地盤予測で済ましてしまうことが多い。このため、熱交換システムであるアースリソースシステムに用いる熱交換器を埋設する井戸の掘削段階において、設計で想定された地盤の単位厚さ当たりの吸熱・放熱量(単位吸放熱量)と、システム施設稼動後に実際の地盤から得られる単位厚さ当たりの吸熱・放熱量(単位吸放熱量)との誤差が大きく、井戸の掘削深度や井戸本数、熱量計算の修正を迫られることが多く、結果として工期が延長されることになる。
【0006】
地盤探査法として表面波探査法や微動探査法を用いることは、調査にかかる時間と費用と労力を軽減できる反面、調査対象から得られた検出データの解析を素早くするという観点からすると、調査場所に測定・観測・解析に関して熟練した能力を持つ専門技術者を配置しなければならない。また、専門技術者の個人差もあり、同一調査場所であっても、専門技術者が異なると検出データの品質や解析結果にばらつきが生じてしまう。さらに、調査場所が多数となると専門技術者が不足することになり、解析精度にばらつきが生じる場合や解析に時間を要してしまう。
【0007】
本発明は、アースリソースシステムの設計に用いる地盤情報を正確に迅速に解析することを可能とする地盤情報処理方法と地盤情報処理システムを提供することを、その目的とする。
本発明は、設計と実際との誤差を極小化して設計変更が極めて少なく、工期の短縮、人件費の削減が可能で、多様な個々の地盤に対応したアースリソースシステムを提供することを、その目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかる地盤情報処理方法は、非破壊的に調査対象の地盤状況を検出する手段として表面波探査手段を用いる。そして、これら表面波探査手段で検出された検出データに基づき地盤のS波速度構造を解析し、この解析されたS波速度構造に基づき、地盤の地中熱を熱源として利用するアースリソースシステムの設計に必要なパラメータを導出することを特徴とする。このような地盤情報処理方法では、地盤の状況を非破壊的に検出できるため、ボーリング調査による方法に比べて調査にかかる時間や費用や労力が低減するとともに、精度の良い地盤情報を推定することができる。
【0009】
本発明にかかる地盤情報処理方法は、表面波探査手段により検出された検出データを記憶するとともに、この記憶された検出データを表面波探査手段に接続された探査通信部を介して検出データの処理・解析を行うデータ解析手段へ送信することを特徴としている。このような地盤情報処理方法では、表面波探査手段で検出されたデータがデータ解析手段で一括処理されるので、データ処理の効率化が図ることができる。
【0010】
本発明にかかる地盤情報処理方法は、データ解析手段において、探査通信部から送信された検出データを記憶するともに、探査通信部によって送信された検出データに対し、ノイズの多寡、及び周波数と位相速度との関係に関し予め設定されたデータ品質評価基準(標準波形、標準F−Kスペクトルからなる)に基づき、検出データの品質評価を行うことを特徴としている。本発明にかかる地盤情報処理方法では、データ解析手段が、検出データが品質不良の場合には地盤の再調査を促す内容を、検出データが品質良好の場合には地盤の調査終了を促す内容をそれぞれ指示データとして解析通信部を介して表面波探査手段へ送信することを特徴としている。
【0011】
このような地盤情報処理方法では、データ解析手段での処理結果に応じた指示データが現場の表面波探査手段に対してフィードバックされる。そして検出データが品質不良の場合には、表面波探査手段に対して地盤の再調査を促す内容が送信されるので、必要に応じて再調査を行うことができ地盤調査の精度が高められる。また、検出データが品質良好の場合には表面波探査手段に対して地盤の調査終了を促す内容が送信されるので、無駄な調査をしなくて済み調査時間の短縮を図ることができる。
【0012】
本発明にかかる地盤情報処理方法は、データ解析手段において、探査通信部によって送信された検出データに基づき、周波数・位相速度関係曲線を算出し、この算出結果によりS波速度構造を解析し、このS波速度構造を基にして、S波速度と土相との対応に関し予め設定された土相判定標準表を用いて、地盤の土相分布を特定するとともに、S波速度とN値との対応に関し予め設定されたN値換算式またはN値換算表等の換算手段を用いて地盤のN値分布を特定することを特徴としている。
【0013】
すなわち、データ解析手段は、検出データをフーリエ変換して、周波数毎の表面波位相速度を算出し、周波数・位相速度関係(分散曲線という曲線で表現される)を特定し、これに基づきS波速度構造を解析する。S波速度構造の解析法は、通常逆解析と呼ばれる方法であり、検出データから得られた分散曲線(観測分散曲線)と、これに基づき初めに試行解析したS波速度構造(初期構造モデル)から理論的に算出される分散曲線(理論分散曲線)とを対比し、2つの曲線が良好に一致するまでS波速度構造を修正し、順次これを繰り返していくという方法で行なわれる。
【0014】
この他に、S波速度構造を略式に解析する方法を用いる場合もあり、それは表面波速度がS波速度のほぼ90%であることと、ある周波数の表面波の速度はその波長(周波数によって異なる)のほぼ1/2に相当する深さまでの荷重平均的S波速度を示す、という表面波伝播特性を利用してS波速度構造を解析する方法である。これらにより、精度の良い検出データを用いてS波速度構造が解析できるとともに、土相分布及びN値分布を精度良く特定することができる。
【0015】
本発明にかかる地盤情報処理方法は、データ解析手段において、土相と熱量の関係及びN値と熱量の関係に関し予め設定された熱量換算表を用いて、土相分布及びN値分布に基づきパラメータとなる地盤の単位厚さ当たりの単位吸放熱量を推定することを特徴としている。このため、精度良く特定した土相分布及びN値分布に基づき、熱量換算表から地盤の単位吸放熱量を精度高く推定することができる。
【0016】
本発明にかかる、地中熱を利用した熱交換を行うアースリソースシステムでは、上記地盤情報処理方法により得られた精度の高い単位吸放熱量を用いてシステム設計が行われるので、設計で用いた単位吸放熱量とシステム施設稼動後に得られる実際の地盤の単位吸放熱量との誤差が少なくなるので、設計変更が極めて少な
くなる。
【0017】
上記目的や方法を達成するため、本発明は、非破壊的に地盤の状況を調査する表面波探査手段と、表面波探査手段により得られた検出データに基づき地盤のS波速度構造を解析するとともに、解析されたS波速度構造を基に地盤の地中熱を熱源として利用するアースリソースシステムの設計に必要なパラメータを導出するデータ解析手段とを有する地盤情報処理システムを提案している。
【0018】
本発明にかかる地盤情報処理システムにおいて、データ解析手段は、表面波探査手段で得られた検出データからS波速度構造を解析するS波解析部と、S波解析部で解析されたS波速度構造を基に地盤の土相分布、N値分布を特定する土相・N値判定部と、土相・N値判定部で特定した土相分布及びN値分布とからパラメータとなる単位吸放熱量を推定する熱量解析部や、表面波探査手段で得られた検出データの品質を評価するデータ品質評価部や、表面波探査手段で得られた検出データ、S波解析部での解析結果、土相・N値判定部での特定結果、熱量解析部での推定結果及びデータ品質評価部での品質評価結果のうちの少なくとも1つを記憶する解析記憶部等を備えている。
【0019】
本発明にかかる地盤情報処理システムにおいて、表面波探査手段は、地盤を加振する加振手段と、この加振手段によって地盤に発生した振動を受振する受振手段と、受振手段で受振した検出データを記憶する探査記憶部と、探査記憶部に記憶された検出データをデータ解析手段へ送信するとともにデータ解析手段から送信される再調査及び調査終了を促す指示データを受信する探査通信部とを備えている。
【0020】
本発明にかかる地盤情報処理システムにおいて、データ解析手段は、表面波探査手段から探査通信部を介して送信されてくる検出データを受信するとともに、指示データを表面波探査手段へ探査通信部を介して送信する解析通信部を備えている。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1に示す地盤情報処理システム1は、非破壊的に調査対象の地盤3の内部状況を検出する手段として表面波探査手段4を用いたものである。地盤情報処理システム1は、表面波探査手段4と、表面波探査手段4により検出された検出データに基づき地盤3のS波速度構造を解析するとともに、このS波速度構造を基に地盤3の地中熱を熱源として利用する後述のアースリソースシステムの設計に必要なパラメータを導出するデータ解析手段5とを備えている。
【0022】
表面波探査手段4は、検出データを記憶するとともに表示機能を有する探査記憶部6と、探査記憶部6に記憶された検出データをデータ解析手段5へ送信するとともにデータ解析手段5から送信される再調査及び調査終了を促す指示データを受信する探査通信部7とを備えている。探査通信部7とデータ解析手段5とは、ネットワークの一形態であるインターネット8に接続されており、互いに交信可能とされている。
【0023】
表面波探査手段4は、加振手段としてのハンマー11と、地盤3に配置されてハンマー11によって叩かれることで加振点を成す鉄板12と、受信点を構成する複数の受振手段としての受振センサ13・・を備えている。受振センサ13は、所定の間隔(例えば0.5〜2.0m)を空けて直線状に配置されており、探査記憶部6とケーブル6aで接続されている。ハンマー11で打撃される部位が加振点となる鉄板12は、受振センサ13の列と同一直線上に配置され、最近接する受信センサ13aとの間にオフセット距離Lが設けられている。オフセット距離Lは、通常2〜30m程度である。本形態では、ハンマー11で叩かれる部材を鉄板12としたが、硬質樹脂やこれに類したものを用いても良い。
【0024】
表面波探査手段4は、鉄板12をハンマー11で打撃することにより地盤3を起振し、発生した弾性波の全波動(表面波、直達波、屈折波、反射波)を受振センサ13で受振して探査記憶部6に記憶する。探査記憶部6は、受振センサ13が受振した検出データである波動データを記憶し、この記憶した波形データを、到達走時を基に表示される波形データとして、図示しないディスプレイ装置に表示するなど目的に応じて、受振点下部の地下構造を反映した波動伝播特性を表示するとともに、受振した検出データを記憶するものである。
【0025】
各受振センサ13の設置間隔、およびオフセットLの距離については、地盤3の特性に対応した最適な波動データ(検出データ)を得るため適宜設定するもので、特定の値に限定されるものではない。図2は、地盤3にセットした受振センサ13による検出データを記憶した際の波形記録を示す。
【0026】
データ解析手段5は、演算回路やメモリ等を備えた周知のコンピュータであって、図示しないが表示手段となるモニター、操作手段となるキーボートやマウス等を備えている。データ解析手段5は、図1に示すように、表面波探査手段4の探査通信部7との間で検出データを送受信できる解析通信部9と、データ解析手段5側の各種情報を記憶する解析記憶部10と、表面波探査手段4で得られた検出データからS波速度構造を解析するS波解析部20と、S波解析部20で解析されたS波速度構造を基に地盤の土相分布、N値分布を特定する土相・N値判定部21と、土相・N値判定部21で特定した土相分布及びN値分布とからパラメータとなる単位吸放熱量を推定する熱量解析部22と、表面波探査手段4で得られた検出データの品質を評価するデータ品質評価部23とを備えている。データ解析手段5は、解析通信部9を介してインターネット8にアクセスでき、探査通信部7との間でデータの送受信が行えるように構成されている。
【0027】
本形態において、解析記憶部10は、表面波探査手段4の探査通信部7から送信されて解析通信部9で受信した検出データ、S波解析部20での解析結果、土相・N値判定部21での特定結果、熱量解析部22での推定結果及びデータ品質評価部23での品質評価結果をそれぞれ記憶するように構成されている。
【0028】
データ解析手段5は、データ品質評価基準に基づいてデータ品質評価部23でなされた検出データの品質評価結果を指示データとして、解析通信部9を介して探査通信部7へ送信する機能を備えている。データ解析手段5は、データ品質評価部23で、検出データが品質不良と判断された場合には、調査対象地盤の再調査を促す内容を指示データとし、検出データの品質が良好と判断された場合には、調査対象の地盤3の調査終了を促す内容を指示データとして、解析通信部9から探査通信部7を介して表面波探査手段4へ送信する機能を備えている。
【0029】
検出データの品質とは、各受振センサ13の配置の良し悪しにより得られるデータの質のことである。各受振センサ13の配置の方角または位置が良好な場合と悪い場合とでは検出によって得られる波形データが異なる。また、調査対象の地盤3の周囲に雑音の原因となる土木・建築工事や重車両の通行等の状況がある場合には検出によって得られる波形データは不良となり、この場合には測定時間帯を変えて再調査しなければならない。このため,本形態ではデータ品質評価基準として、各受振センサ13の配置が悪い場合と良い場合の波形データのパターンを類型化して標準波形、標準F−Kスペクトルの形として、データ解析手段5に設けた記憶手段24に記憶されてデータベース化されている。
【0030】
記憶手段24には、観測分散曲線に対応する初期構造モデルがデータベース化されて記憶されている。この初期構造モデルは、観測分散曲線が特定されることで自動的に選択設定されるように構成されている。S波解析部20は、観測分散曲線と理論分離曲線との一致度を目標化した所定の基準値が設定され、この基準値に達するまでS波速度構造の解析試行を繰り返すようになっている。この基準値は通常、1.000に近い値とするが、調査対象の地盤3に応じて決めるもので(例えば0.935、0.950、0.980)、図示しないキーボードから入力して設定する。
【0031】
土相・N値判定部21は、S波速度から土相を特定するためのデータベース化された図4に示す土相判定標準表から土相を特定するためのものである。土相判定標準表は、記憶手段24にデータベース化されて記憶されている。一般に、地盤3の土相は非常に様々で、それぞれの土相に対応してS波速度はすべて異なる。例えば、沖積世(地質時代名)の地盤において、土質が細粒砂であるか粗粒砂であるか、シルトであるか砂混りシルトであるか、粘土であるか砂混り粘土であるか、または砂礫であるか同じ砂礫でも礫分が多いか少ないか、その礫は大きいか小さいか、その礫は硬いか軟いかで、すべてS波速度は異なり、また、同じ土質でも地質時代が沖積世か、より古い洪積世か、第三紀かでもS波速度は違ってくる。さらに、地盤が岩盤である場合、強風化岩の岩相か弱風化岩の岩相かでもS波速度は違ってくる。また、地域特性が異なることでも対応は違い、軟弱地盤地域であるか扇状地性堆積地であるか河岸段丘であるか火山山麓であるかでも、S波速度と土相の対応は異なってくる。図4に示す土相判定標準表は、このような様々な土相、岩相に対応したS波速度を具体的、総合的にまとめたものである。
【0032】
土相・N値判定部21は、S波速度からN値を特定するための周知のN値換算式または図5に示すN値換算表等の換算手段を用いてN値を特定するものである。周知のN値換算式としては、例えば(S波速度/91)2.97の式が挙げられる。しかし、この式は土相の多様性や地域特性を無視して算出した平均的な統計式であり、異なる土相に応じて換算方法を適宜補正しなければならない作業を省いて作られており、あらゆる地盤に適用して正確であるかという面で限界をもっている。N値換算式またはN値換算表は、いろいろな地域での様々な土相における数多くの表面波探査実測データによって構築されたデータベースを基にして作られたもので、S波速度からN値を高精度に特定できる特徴を有しており、記憶手段24に記憶されている
熱量解析部22には、N値分布及び土相分布から導き出した地盤の単位厚さ当たりの単位吸放熱量をデータベース化した図6に示す熱量換算表から推定するものである。熱量換算表は記憶手段24にデータベース化されて記憶されている。
【0033】
データ解析手段5での処理内容の流れを図7、図8に示すフローチャートを用いて説明する。図7と図8は一連のフローであるが、便宜上それぞれ端子▲1▼の部分で分割している。図7のステップA2〜ステップA8までの処理はS波解析部20での流れを示す。ステップA1では検出データ(波形データ)が入力され、ステップA2及びA3において、F−Kスペクトルの算出の経過を経て図2にドットの状の線で示す観測分散曲線が特定される。
ステップA4では、記憶手段24に記憶されたデータベースを参照して初期構造モデルが設定される。ステップA5では、設定された初期構造モデルから表面波理論に基づき図2に実線で示す理論分離曲線が算出されてステップA6に進む。ステップA6では、算出された理論分離曲線とステップA3で算出した観測分散曲線とが一致するか否かが目標基準値との対比によって判断される。観測値と理論値という性質上、両曲線が最初から一致することは少なく、両曲線が一致しない場合には、ステップA7に進んで、理論分離曲線が観測分散曲線に近づくように構造モデルの修正を行い、ステップA5に戻り、再度理論分離曲線を算出する。
このステップA5〜A7のステップは、理論分離曲線と観測分散曲線とが一致するまで繰り返される。ステップA6において、理論分離曲線と観測分散曲線との一致度が目標基準値に達すると、ステップA8に進んで、S波速度構造を解析する。このS波速度構造と分散曲線との関係を図3に示す。図3において、縦軸は深度、横軸は表面波の位相速度及びS波速度を示す。
【0034】
次に、ステップA8でS波速度構造が解析されると、図8のステップA9に進み、解析したS波速度構造を解析記憶部10に記憶することで取り込み、ステップA10において、データベース化されたS波速度構造に応じた図4に示す土相判定標準表と解析記憶部10に記憶されているS波速度構造とから地盤3の土相分布を特定し、特定した結果を一旦解析記憶部10に記憶する。
ステップA11では、S波速度構造とN値換算式によりN値分布を算出し、算出した値を解析記憶部10に記憶する。なお、N値換算式ではなく、図5に示すN値換算表からN値分布を選択・特定してもよい。これらステップA9〜A11は、土相・N値判定部21で処理される。
ステップA12では、熱量解析部23により、記憶手段24に記憶してあるN値分布と土相分布に対応してデータベースされている図6に示す熱量換算表が参照されて地盤3の単位厚さ当たりの単位吸放熱量(アースリソースシステムの設計に用いるバラメータ)を推定し、推定した値を解析記憶部10に記憶した後、この一連の処理を終了する。
【0035】
このように、快適表面波探査手段4で検出された波形データに基づき地盤3のS波速度構造を算出し、算出されたS波速度構造に基づき地盤3の地中熱を熱源として用いるアースリソースシステムの設計に必要なパラメータである地盤3の単位厚さ当たりの単位吸放熱量をデータ処理手段5で導出(推定)することができるとともに、検出データの収集から単位吸放熱量の推定までの工程を全て非破壊的な作業で行うことができる。このため、ボーリング調査等の破壊的な地盤調査方法に比べて調査にかかる時間や費用や労力が低減するとともに、アースリソースシステムの設計に不可欠な地盤情報を精度の良く推定することができる。
【0036】
表面波探査手段4により検出されて探査記憶部6に記憶された波形データを、探査記憶部6と接続された探査通信部7を介してデータ処理手段5へ送信するので、表面波探査手段4からの波形データ処理をデータ処理手段5で一括処理でき、データ処理時間の短縮を図ることができるとともに、地盤情報の解析結果のバラツキや解析人員配置数を低減することができる。
【0037】
図9に示すフローチャートを用いてデータ品質評価部23での処理を説明する。ステップB1では、解析記憶部10から検出データが入力され、ステップB2において波形及びS波解析部20で算出されたF−Kスペクトルを図示しないディスプレイに表示する。ステップB3では、データベース化されたデータ品質評価基準と前記した波形及びF−Kスペクトルとを対比して検出データの品質評価が行われる。この形態では、データベース化された標準波形及び標準F−Kスペクトルとの対比によってデータの良・不良が判断される。
ステップB3において、波形及びF−Kスペクトルが標準以上(データ良)の場合は、波形及びF−Kスペクトルを解析記憶部10に記憶してこの処理を終え、波形及びF−Kスペクトルが標準以下(データ不良)の場合にはステップB4に進む。ステップB4では、各振動センサ13の方角や位置あるいは測定時間帯をずらすなりして再調査する内容を指示データとして探査通信部7へ送信する。
【0038】
このように、データ解析手段5では、表面波探査手段4側から送信された検出波形データが品質不良の場合、データ品質評価部23により表面波探査手段4による調査対象の地盤3の再調査を促す内容を指示データとして探査通信部6へ送信するので、迅速に再調査を行え、調査対象の地盤3での調査精度を高められるとともに、パラメータを算出する基礎データとなる波形データの精度を高められ、より高精度なパラメータを推定することができる。
【0039】
本形態においては、データ品質評価基準、土相判定標準表、N値換算式、N値換算表、熱量換算表及び観測分散曲線に対応する初期構造モデルが、共通の記憶手段24に予め記憶されてデータベース化されているが、S波解析部20、土相・N値判定部21、熱量解析部22、データ品質評価部23にそれぞれ記憶手段を接続し、各記憶手段に各部で用いる情報をそれぞれデータベース化して記憶させる形態としてもよい。
【0040】
本形態において、各受振センサ13は、同一直線状に配置したが、このような配置に限定されるものではなく、同一直線に対して左右にずらして配置したものであっても良い。加振手段としてハンマー11を例示したが、花火あるいは周知の振動機を加振手段として用いても良い。加振機を用いる場合には、振動周波数を制御できるものが好ましい。また、探査方法としては、所謂板たたきによるS波屈折探査法を用いても良い。
【0041】
本形態では、非破壊的に地盤3の内部状況の検出手段として表面波探査手段4を用いているが、このようなものに限定されるものではなく、広義の意味で表面波探査法に含まれる微動探査法を用いても良い。この場合でもS波速度構造までは、微動探査法独自の解析手法で解析できるので、解析されたS波速度構造と図4,図5,図6とを用いて地盤3の単位厚さ当たりの単位吸放熱量をデータ処理手段5で導出することができる。
【0042】
図10,11は、地中熱を利用した熱交換システムであるアースリソースシステムの一例であるヒートポンプシステム100の概略構成を示す。図10は加熱時の状態を示し、図11は冷却時の状態を示す。
【0043】
このヒートポンプシステム100は、設置場所の地盤3内(地中)に設けた井戸101と、井戸101内に配設された地中内熱交換器102と、地中内熱交換器102と接続されて地表側に配設されたヒートポンプ103と、ヒートポンプ103の凝縮側の熱交換器104と地中内熱交換器102とに間に接続され、液状媒体となる水と不凍液の混合溶液を熱交換器104と地中内熱交換器102との間で循環させるポンプ106を有するブライン回路107と、混合溶液を貯留する貯留手段としての冷温水タンク108と、ヒートポンプ103の蒸発側の熱交換器105と冷温水タンク108とに間に接続され、冷温水タンク108の混合溶液を熱交換器105と冷温水タンク108との間で循環させるポンプ109を有する回路110とを備えている。ヒートポンプ103は、熱交換器104と熱交換器105とは、拡張弁111,112及び圧縮機113と四方弁114とを備えた冷媒回路115上に設けられている。
このようなヒートポンプシステム100を設計するには、通常、空調・給湯・暖房負荷の計算や、ヒートポンプの容量を選定、地盤の吸熱・放熱量の算出等を行う。本形態で用いるヒートポンプシステム100においては、これら設計に際し、地盤情報処理システム1により得られた高精度の単位吸放熱量を用いるので、設計により算出された単位吸放熱量(吸熱・放熱量)とシステム施設稼動後に実際の地盤3から得られる単位吸放熱量(吸熱・放熱量)との誤差が小さくなり、設計変更が極めて少なくなる。このため、システムの設計変更に伴う工期の延期がなく短縮を図れるとともに、人件費の削減を図りながら地盤に対応したシステム設計を行える。システム設計の変更が極めて少なくなるので、安価なシステム設計と施工を行うことができる。
【0044】
このような構成のヒートポンプシステム100では、加熱時においては井戸101内の地中内熱交換器102により液状媒体が地中の熱を吸熱し、冷却時においては地中内熱交換器102により液状媒体の熱が地中に放熱されることになる。このため、吸熱及び放熱が地中で行われるので、ヒートアイランド現象を著しく低減することができ、ヒートポンプシステム100に用いる電力を低減することができ、二酸化炭素の削減に貢献することができる。また、地中内は外気温に関係なく一年を通して略一定の温度であるため、上記効果を安定的に発揮することができる。
【0045】
本形態におけるヒートポンプシステム100は、井戸101と地中内熱交換器102とをそれぞれ1本として例示したが、これら本数に限定されるものではなく、地盤情報処理システム1により得られた高精度の吸放熱量データを基に、効率良く採熱して、適宜所望の出力を得られるように井戸101の深度や本数を設計すればよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、非破壊的に調査対象の地盤状況を検出する手段として表面波探査手段を用いれば、地盤の状況を非破壊的に調査でき、この表面波探査手段で検出された検出データに基づき地盤のS波速度構造を算出し、算出されたS波速度構造に基づき地盤の地中熱を熱源として用いるアースリソースシステムの設計に用いる必要なパラメータをデータ解析手段で導出することができる。このため、ボーリング調査に比べて調査にかかる時間や費用や労力が低減するとともに、熱交換システムであるアースリソースシステムの設計に用いる地盤情報を精度の良く推定することができる。
【0047】
本発明によれば、表面波探査手段により検出された検出データが、表面波探査手段に接続された探査通信部を介して検出データの処理・解析を行うデータ解析手段へ送信されるので、この検出データをデータ解析手段で一括処理することができ、データ処理の効率化が図ることができる。
【0048】
本発明によれば、探査通信部から送信された検出データに対してノイズの多寡、及び周波数と位相速度との関係に関し予め設定されたデータ品質評価基準に基づき検出データの品質評価が行われるので、検出データの質を高めることができる。
【0049】
本発明によれば、検出データが品質不良の場合には地盤の再調査を促す内容が、検出データが品質良好の場合には地盤の調査終了を促す内容がそれぞれ解析通信部を介して表面波探査手段へ送信されるので、データ解析手段での処理結果に応じた指示データが現場の表面波探査手段に対してフィードバックされる。検出データが品質不良の場合には、表面波探査手段に対して地盤の再調査を促す内容が送信されるので、必要に応じて再調査を行うことができ地盤調査の精度が高められ、検出データが品質良好の場合には表面波探査手段に対して地盤の調査終了を促す内容が送信されるので、無駄な調査をしなくて済み調査時間の短縮を図れる。
【0050】
本発明によれば、検出データに基づき、周波数・位相速度関係曲線が算出され、この算出結果によりS波速度構造を解析し、このS波速度構造を基にしてS波速度と土相との対応に関し予め設定された土相判定標準表を用いて、地盤の土相分布が特定されるとともに、S波速度とN値との対応に関し予め設定されたN値換算式またはN値換算表を用いて地盤のN値分布が特定されるので、精度の良い検出データを用いてS波速度構造が解析できるとともに、土相分布及びN値分布を精度良く特定することができる。また、この特定された土相分布及びN値分布を用いて、土相と熱量の関係及びN値と熱量の関係に関し予め設定された熱量換算表からパラメータとなる地盤の単位厚さ当たりの単位吸放熱量が精度高く推定することができる。
【0051】
本発明にかかる、地中熱を利用した熱交換を行うアースリソースシステムでは、上記地盤情報処理方法により得られた精度の高い単位吸放熱量を用いてシステム設計が行われるので、設計で用いた単位吸放熱量とシステム施設稼動後に得られる実際の地盤の単位吸放熱量との誤差が少なくなるので、設計変更が極めて少なくなり、工期の短縮、人件費の削減を図りながら地盤に対応したシステム設計を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面波探査手段を用いた地盤情報処理システムの概略構成を示す図である。
【図2】探査記憶部に表示される波形データの一例を示す図である。
【図3】分散曲線とS波速度構造との関係を示す図である。
【図4】S波速度から土相を特定するための土相判定標準表の一例を示す図である。
【図5】S波速度からN値を特定するためのN値換算表の一例を示す図である。
【図6】N値分布及び土相分布から導き出した地盤の単位厚さ当たりの単位吸放熱量を導出するための熱量換算表の一例を示す図である。
【図7】データ処理手段のパラメータ処理部によるデータ処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図7の端子▲1▼に続くデータ処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】データ処理手段の品質判断処理部によるデータ処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】アースリソースシステムの一形態であるヒートポンプシステムの構成と発熱時の状態を示す図である。
【図11】図10に示したヒートポンプシステムの冷却時の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 地盤情報処理システム
3 地盤
4 表面波探査手段
5 データ解析手段
6 探査記憶部
7 探査通信部
9 解析通信部
10 解析記憶部
11 加振手段
13 受振手段
20 S波解析部
21 土相・N値判定部
22 熱量解析部
23 データ品質評価部
100 アースリソースシステム

Claims (11)

  1. 表面波探査手段を用いて非破壊的に調査対象の地盤の状況を調査し、前記表面波探査手段で検出された検出データに基づき前記地盤のS波速度構造を解析し、この解析されたS波速度構造に基づき、前記地盤の地中熱を熱源として用いるアースリソースシステムの設計に必要なパラメータを導出する方法であって、
    前記表面波探査手段は、前記検出データを記憶するとともに、この記憶された検出データを前記表面波探査手段と接続された探査通信部を介して前記検出データの処理・解析を行うデータ解析手段へ送信し、
    前記データ解析手段は、前記探査通信部によって送信された検出データに基づき、周波数・位相速度関係曲線を算出し、この算出結果により前記S波速度構造を解析し、解析したS波速度構造を基にして、S波速度と土相との対応に関し予め設定された土相判定標準表を用いて前記地盤の土相分布を特定するとともに、前記S波速度と前記N値との対応に関して予め設定されたN値換算式またはN値換算表を用いて前記地盤のN値分布を特定し、特定した土相と熱量の関係及びN値と熱量の関係に関し予め設定された熱量換算表を用いて、前記土相分布及び前記N値分布に基づき前記パラメータとなる前記地盤の単位厚さ当たりの単位吸放熱量を推定することを特徴とする地盤情報処理方法。
  2. 請求項1記載の地盤情報処理方法において、
    前記データ解析手段は、前記探査通信部から送信された検出データを記憶するとともに、前記探査通信部によって送信された検出データに対し、ノイズの多寡、及び周波数と位相速度との関係に関し予め設定されたデータ品質評価基準に基づき、前記検出データの品質評価を行うことを特徴とする地盤情報処理方法。
  3. 請求項2記載の地盤情報処理方法において、
    前記データ解析手段は、前記検出データが品質不良の場合には前記地盤の再調査を促す内容を、前記検出データが品質良好の場合には前記地盤の調査終了を促す内容をそれぞれ指示データとして解析通信部を介して前記表面波探査手段へ送信することを特徴とする地盤情報処理方法。
  4. 地中熱を用いて熱交換を行うアースリソースシステムであって、
    請求項1ないし3の何れかに記載の地盤情報処理方法によって得られた単位吸放熱量を用いてシステム設計を行うことを特徴とするアースリソースシステム
  5. 請求項4記載のアースリソースシステムにおいて、
    システム設置場所の地盤内に設けた井戸と、この井戸内に配設された地中内熱交換器と、前記地中内熱交換器と接続されて地表側に配設されたヒートポンプと、前記ヒートポンプの凝縮側の熱交換器と前記地中内熱交換器とに間に接続され、液状媒体となる水と不凍液の混合溶液を熱交換器と地中内熱交換器との間で循環させるポンプを有するブライン回路と、混合溶液を貯留する貯留手段と、ヒートポンプの蒸発側の熱交換器と前記貯留手段とに間に接続され、前記貯留手段の混合溶液を前記熱交換器と前記貯留手段との間で循環させるポンプを有する回路とを備えたことを特徴とするアースリソースシステム
  6. 非破壊的に地盤の状況を調査する表面波探査手段と、
    前記表面波探査手段により得られた検出データに基づき前記地盤のS波速度構造を解析するとともに、解析されたS波速度構造を基に前記地盤の地中熱を熱源として利用するアースリソースシステムの設計に必要なパラメータを導出するデータ解析手段とを有し、
    前記データ解析手段は、前記表面波探査手段で得られた検出データからS波速度構造を解析するS波解析部と、前記S波解析部で解析されたS波速度構造を基に前記地盤の土相分布、N値分布を特定する土相・N値判定部と、前記土相・N値判定部で特定した土相分 布及びN値分布に基づき前記パラメータとなる前記地盤の単位吸放熱量を推定する熱量解析部とを有することを特徴とする地盤情報処理システム
  7. 請求項6記載の地盤情報処理システムにおいて、
    前記データ解析手段は、前記表面波探査手段で得られた検出データの品質を評価するデータ品質評価部を有することを特徴とする地盤情報処理システム
  8. 請求項7記載の地盤情報処理システムにおいて、
    前記データ解析手段は、前記表面波探査手段で得られた検出データ、前記S波解析部での解析結果、前記土相・N値判定部での特定結果、前記熱量解析部での推定結果及び前記データ品質評価部での品質評価結果のうちの少なくとも1つを記憶する解析記憶部を有することを特徴とする地盤情報処理システム
  9. 請求項6ないし8の何れかに記載の地盤情報処理システムにおいて、
    前記表面波探査手段は、前記地盤を加振する加振手段と、この加振手段によって地盤に発生した振動を受振する受振手段と、前記受振手段で受振した検出データを記憶する探査記憶部と、前記探査記憶部に記憶された検出データを前記データ解析手段へ送信するとともに前記データ解析手段から送信される再調査及び調査終了を促す指示データを受信する探査通信部とを有することを特徴とする地盤情報処理システム。
  10. 請求項9記載の地盤情報処理システムにおいて、
    前記データ解析手段は、前記表面波探査手段から前記探査通信部を介して送信されてくる検出データを受信するとともに、前記探査通信部を介して前記指示データを前記表面波探査手段へ送信する解析通信部を有することを特徴とする地盤情報処理システム。
  11. 請求項6ないし10の何れかに記載の地盤情報処理システムにおいて、
    前記アースソースシステムが、システム設置場所の地盤内に設けた井戸と、この井戸内に配設された地中内熱交換器と、前記地中内熱交換器と接続されて地表側に配設されたヒートポンプと、前記ヒートポンプの凝縮側の熱交換器と前記地中内熱交換器とに間に接続され、液状媒体となる水と不凍液の混合溶液を熱交換器と地中内熱交換器との間で循環させるポンプを有するブライン回路と、混合溶液を貯留する貯留手段と、ヒートポンプの蒸発側の熱交換器と前記貯留手段とに間に接続され、前記貯留手段の混合溶液を前記熱交換器と前記貯留手段との間で循環させるポンプを有する回路とを備えたことを特徴とする地盤情報処理システム。
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