JP5082052B2 - 土壌熱源ヒートポンプシステムの性能予測方法及びシステム、地中温度算出方法 - Google Patents

土壌熱源ヒートポンプシステムの性能予測方法及びシステム、地中温度算出方法 Download PDF

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Description

本発明は、地下水流れが存在する場合に好適な土壌熱源ヒートポンプシステムの性能予測方法及びシステム、地中温度算出方法に関する。
近年では、冷房や暖房等のために、ヒートポンプを用いて地盤を熱源として地中熱交換器に熱媒を循環させて採放熱し、負荷側に温熱又は冷熱を供給する土壌熱源ヒートポンプシステムが国内においても広く認知され始めている。土壌熱源ヒートポンプシステムは、大気と違い地中温度が年間を通して大きな変化がなく安定していることから、省エネルギー性、安価なランニングコスト、二酸化炭素(CO2)排出量の抑制といった優位性があり、今後さらなる導入が期待される。
ところで、地下水流れを有する地層の存在により、土壌熱源ヒートポンプシステムにおいて、地中熱交換器長さあたりの採熱量が増大することが知られている。日本は流動性の地下水が豊富に存在していることから、地下水流れを考慮した設計を行い、土壌熱源ヒートポンプシステムの最大の課題となっている掘削コストの削減を図ることが可能になれば、更なる導入促進が期待できるものと考えられる。
本願発明者等は、地下水流れが存在する場合については、埋設管を利用した地中熱交換器及びその周囲土壌の温度応答を把握し、時間ごとの重ね合わせを行うことが有効な手段であると考え、地下水流れを有する地中内の温度応答を検討する実験を行った。さらに、The moving line source theory(移動線熱源温度応答理論)(非特許文献1、2)と、差分法による数値計算の双方の計算値が実測値をよく再現していることを確認している。
ここで、差分法による数値計算について簡単に説明する。計算は前進差分法を用いた2次元非定常解析で行う。このときの土壌内の熱収支式は、地下水流れがダルシーの法則によって表わされるものとすれば、下式(51)で示される。右辺の第1項は熱伝導による熱移動、第2項は地下水による移流を示している。地下水流れは定常流であり、流れ方向はx軸方向のみに一様に発生するものとする。また、土壌は等方均質な半無限媒体として扱い、その物性は温度によらず一定とする。また、埋設管の長さは口径に比べて十分に大きいものとする。なお、式(51)において、cは比熱、ρは密度、λは熱伝導率、Tは温度、Kは透水係数、hは水頭であり、添え字のsは土壌、wは水を意味する。
Figure 0005082052
円筒周囲の流れを理想流体の2次元ポテンシャル流れとすれば、速度ポテンシャルφは下式(52)によって表わされる(非特許文献3、4)。なお、式(52)において、u∞は無限遠での地下水流速である。速度ポテンシャルφを用いて上記熱収支式(51)を書き換えると、下式(53)が得られる。
Figure 0005082052
計算対象領域を図24に示す。円筒熱源周囲は四角形要素法(非特許文献5)を用いて、円筒熱源を正三十二角形で近似した。円筒熱源の中心を原点として、y軸方向に対して上流側と下流側に、片側x軸方向に、それぞれ円筒径の200倍の範囲を計算領域にとった。メッシュ分割は不等間隔分割とし、円筒中心からそれぞれの軸方向に対して110分割した。上流側と下流側の境界には地下水流れが存在する場合には温度境界、無い場合には断熱境界を与えた。円筒熱源部分の境界には熱流・不透水性境界を、y軸に平行となる境界については、断熱・不透性境界を与えた。移流項については一次の風上差分により離散化した。
H.S.Carslaw,J.C.Jaeger:Conduction of Heat in solid,Oxford University Press(1959) Nairen Diao,Qinyun Li,Zhaohon Fang:Heat Transfer in Ground Heat Exchanger with Groundwater Advection,International Journal of Thermal Sciences 43(2004),pp.1203-1211 木村繁男:地下帯水層に埋設された等熱流側壁を有する円柱からの熱伝導特性:地下水流速・流向計への応用、日本地熱学会誌、vol.12-1(1990),pp.79-90 堀田和之:工学のためのモデリングの数理、日本工業新聞社(1982) 斉藤武雄:数値伝熱学第4版、養賢堂(1996) 長野克則、葛隆生:土壌熱源ヒートポンプシステム設計・性能予測ツールの開発に関する研究(第1報)、空気調和・衛生工学会論文集、No.101(2005)、pp.11−20 葛隆生、長野克則、武田清香:土壌熱源ヒートポンプシステム設計・性能予測ツールの開発に関する研究(第2報)、空気調和・衛生工学会論文集、2006
しかしながら、移動線熱源温度応答は短時間で計算が行えるものの、理論的に口径が無限小の熱源を取り扱うものであるため、実際の地中熱交換器周囲では誤差が生じる場合がある。
一方で、差分法による数値計算は円筒周囲のポテンシャル流れに存在する円筒熱源周囲の温度応答を再現することが可能であると考えられるものの、計算に時間がかかるため、条件を変更し、繰り返し計算を行うことは実用上難しい。
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、地下水流れを考慮した土壌熱源ヒートポンプシステムの設計を可能とすることを目的とする。さらには、地下水流れが存在する場合の地中温度計算を実用的な精度及び速度で行えるようにすることを目的とする。
本発明による土壌熱源ヒートポンプシステムの性能予測方法は、ヒートポンプを用いて地盤を熱源として地中熱交換器に熱媒を循環させて採放熱し、負荷側に温熱又は冷熱を供給する土壌熱源ヒートポンプシステムの性能を予測するための性能予測方法であって、前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転をシミュレーションし、地中温度を算出する解析手順を有し、前記解析手順において地中温度を算出するに際して、地下水流れが存在する場合の温度応答を、無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答に、予め得られている補正係数を乗じて求め、前記補正係数は、地下水流れが存在する場合の温度応答を差分法による数値計算によって算出し、その算出した温度応答から無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答を除すことによって予め得られている点に特徴を有する。
本発明による地中温度算出方法は、埋設管を熱源とする場合の地中温度を算出するための地中温度算出方法であって、地中温度を算出するに際して、地下水流れが存在する場合の温度応答を、無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答に、予め得られている補正係数を乗じて求め、前記補正係数は、地下水流れが存在する場合の温度応答を差分法による数値計算によって算出し、その算出した温度応答から無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答を除すことによって予め得られている点に特徴を有する。
本発明による土壌熱源ヒートポンプシステムの性能予測システムは、ヒートポンプを用いて地盤を熱源として地中熱交換器に熱媒を循環させて採放熱し、負荷側に温熱又は冷熱を供給する土壌熱源ヒートポンプシステムの性能を予測するための性能予測システムであって、前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転をシミュレーションし、地中温度を算出する解析手段を備え、前記解析手段において地中温度を算出するに際して、地下水流れが存在する場合の温度応答を、無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答に、予め得られている補正係数を乗じて求め、前記補正係数は、地下水流れが存在する場合の温度応答を差分法による数値計算によって算出し、その算出した温度応答から無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答を除すことによって予め得られている点に特徴を有する。
本発明によるコンピュータプログラムは、ヒートポンプを用いて地盤を熱源として地中熱交換器に熱媒を循環させて採放熱し、負荷側に温熱又は冷熱を供給する土壌熱源ヒートポンプシステムの性能を予測するためのコンピュータプログラムであって、前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転をシミュレーションし、地中温度を算出する解析処理をコンピュータに実行させ、前記解析処理において地中温度を算出するに際して、地下水流れが存在する場合の温度応答を、無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答に、予め得られている補正係数を乗じて求め、前記補正係数は、地下水流れが存在する場合の温度応答を差分法による数値計算によって算出し、その算出した温度応答から無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答を除すことによって予め得られている点に特徴を有する。
本発明による別のコンピュータプログラムは、埋設管を熱源とする場合の地中温度を算出するためのコンピュータプログラムであって、地中温度を算出するに際して、地下水流れが存在する場合の温度応答を、無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答に、予め得られている補正係数を乗じて求める処理をコンピュータに実行させ、前記補正係数は、地下水流れが存在する場合の温度応答を差分法による数値計算によって算出し、その算出した温度応答から無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答を除すことによって予め得られている点に特徴を有する。
本発明によれば、土壌熱源ヒートポンプシステムの運転をシミュレーションして、運転効率を左右する地中温度を予測するようにしたので、土壌熱源ヒートポンプシステムの時々刻々変化する性能を予測して正確な経済性や環境性の評価を行い、システムの設計に反映させることができる。そして、地中温度を算出するに際して、地下水流れが存在する場合の温度応答を組み込んだかたちで計算を行うので、地下水流れを考慮した精度の高い地中温度の算出が可能となり、かつ、その地中熱交換器促進効果を定量的に把握することができるので、これまでの設計に比べて地中熱交換器長さを短くすることができ、土壌熱源ヒートポンプシステムのイニシャルコストを削減することが可能となる。
また、地下水流れが存在する場合の温度応答を、無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答に、予め得られている補正係数を乗じて求めるようにしたので、地下水流れが存在する場合の地中温度計算を実用的な精度及び速度で行うことができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
まず、図1を参照して、土壌熱源ヒートポンプシステムの全体の概略構成について説明する。土壌熱源ヒートポンプシステムは、地中に埋設された単数又は複数の地中熱交換器101と、各地中熱交換器101に熱媒を循環させて放採熱するためのヒートポンプ102と、ヒートポンプ102により加熱又冷却された熱媒を介して室内を暖房又は冷房する空調機103とを主要な構成要素として構成される。なお、地中熱交換器101とヒートポンプ102との間、及び、ヒートポンプ102と空調機103との間には熱媒循環搬送のためのポンプが存在するが、その図示は省略する。
ここで、採放熱を行うための地中熱交換器101として、埋設管(例えば建物の基礎杭)を利用することは掘削コスト削減の有効な手段として考えられており、更なる導入が期待されている。中空管体である鋼管杭はその一つであるが、止水性があるので、空洞部を水で充填することが可能となる。特に大口径の鋼管杭の場合には保有水量が大きいので、温度変化の緩和性がある。また、内部に自然対流が発生することにより、熱抵抗が小さくなるので、優れた採熱性能が期待できる。
図2には、本実施形態における土壌熱源ヒートポンプシステムの性能予測システムの機能構成を示す。本実施形態の性能予測システムは、土壌熱源ヒートポンプシステムの運転をシミュレーションするために必要なデータ(性能予測プログラムや各種演算式データ等)を記憶する記憶装置2と、暖房期間及び冷房期間を含む条件に基づいて、各種演算処理により土壌熱源ヒートポンプシステムの運転をシミュレーションする演算処理装置3と、データや暖房期間及び冷房期間を含む条件を入力するための入力装置4と、演算処理装置3による演算処理に供される作業メモリ5と、演算処理装置3による演算結果等を出力する出力装置6とにより構成されており、バス7により相互にデータ通信可能に接続されている。
演算処理装置3は、解析部31と、システム効率演算部32と、消費電力演算部33と、二酸化炭素排出量演算部34と、ランニングコスト演算部35と、ライフサイクル演算部36とにより構成される。
解析部31は、暖房期間及び冷房期間を含む条件に基づいて、演算処理により土壌熱源ヒートポンプシステムの運転をシミュレーションする。そして、条件として設定された暖房期間及び冷房期間と、シミュレーションの結果である熱源側の温度、例えば地中温度との関係を出力装置6を介して設計者に提示する。これにより、暖房期間開始時と次年の冷房期間終了時において熱源側の温度が略一致するまで条件設定を変更しながらシミュレーションを繰り返し実行させて、土壌熱源ヒートポンプシステムの仕様を決めることができる。なお、土壌熱源ヒートポンプシステムの運転シミュレーション計算に関しては、例えば非特許文献6、7に開示されている。
このように土壌熱源ヒートポンプシステムの運転をシミュレーションして、運転効率を左右する熱源側の温度変化を予測するようにしたので、土壌熱源ヒートポンプシステムの時々刻々変化する性能を予測して正確な経済性や環境性の評価を行い、システムの設計に反映させることができる。しかも、暖房期間開始時と次年の冷房期間終了時、及び、冷房期間開始時と次年の暖房期間終了時のうち少なくともいずれかにおいて、シミュレーションの結果である熱源側の温度が略一致するように土壌熱源ヒートポンプシステムの仕様を決めることができるので、夏期の地中への放熱量、冬期の地中からの採熱量、及び周辺地盤との熱収支をバランスさせ、地中熱交換器周囲温度を安定させた設計が可能となり、土壌熱源ヒートポンプシステムの長期的な運転を実現させることができる。
システム効率演算部32は、ヒートポンプ102のCOP(Coefficient of Performance:成績係数)を算出するものであり、ヒートポンプ102の出力を入力である消費電力量で除することで算出する。
消費電力演算部33は、土壌熱源ヒートポンプシステムにおける消費電力量を算出するものであり、空調機103における熱出力をシステム効率演算部32により算出されるヒートポンプ102のCOPで除することにより算出する。
二酸化炭素排出量演算部34は、土壌熱源ヒートポンプシステムにおける1年間あたりのCO2排出量を算出するものであり、消費電力演算部33により算出される消費電力量と所定の換算係数を用いて算出する。
ランニングコスト演算部35は、土壌熱源ヒートポンプシステムにおける1年間あたりのランニングコストを算出するものであり、消費電力演算部33により算出される消費電力量と所定の電力料金形態を用いて算出する。
ライフサイクル演算部36は、イニシャルコスト及び耐用年数を考慮した、所定期間内における土壌熱源ヒートポンプシステムの平均年間一次エネルギー消費量、平均年間CO2排出量、及び平均年間コストを算出する。
本発明は、上述したように解析部31において土壌熱源ヒートポンプシステムの運転をシミュレーションし、地中温度を算出するに際して、地下水流れが存在する場合の温度応答を組み込んだかたちで計算を行うようにしたものである。ここで、地中温度とは、埋設管の表面温度及び埋設管の周囲土壌の温度を意味するものとする。
以下、地下水流れが存在する場合の土壌内の線熱源と円筒熱源の温度応答の比較を行った上で、今回提案する地下水流れが存在する場合の地中温度計算方法について説明する。
<地下水流れが存在する場合の土壌内の線熱源と円筒熱源の温度応答の比較検討>
表1に計算条件を示す。各条件において無次元数Rp *(=Urp/as)を変更し、埋設管半径rpと地下水流速を変えて、移動線熱源温度応答の理論式と、差分法による数値計算の双方で温度計算を行った。温度は、図3に示すように、埋設管の表面又は表面位置における地中温度に加えて、埋設管の中心から2m、8mの地点で地下水流れの方向となす角度φ(φ=0、p/4、p/2、3p/4、p)を変えた計10点における温度の計算を行った。
Figure 0005082052
線熱源理論における計算の場合、埋設管の表面温度とは埋設管の表面位置における地中温度であり、地下水流れを想定した場合には、移動線熱源温度応答の理論式による下式(1)を用いて、線熱源の無次元温度応答Tswf-L *(=2pλsΔTswf-L/r/q´)の計算を行った。
また、円筒の無次元温度応答Tswf-C *(=2pλsΔTswf-C/r/q´)について、差分法による数値計算により、既述したように四角形要素法により円筒熱源周囲を正三十二角形で近似し、その埋設管表面部16点の温度の平均値より算出した。
Figure 0005082052
無次元時間F0(=U2t/as)を導入し、Rp *を変更したときの、F0に対するTswf-L *の変化とTswf-C *の変化を図4に示す。Rp *の値が等しい場合には、Tswf-L *と同様にF0に対するTswf-C *の変化は全て等しくなっていることがわかる。また、図4から、Rp *の値が小さい場合には、Tswf-L *とTswf-C *の差は小さくなっているのに対して、Rp *の値が大きくなるにつれて差が大きくなっていることがわかる。
さらには、R*=16で等しくなる各条件・地点(CASE1-1(2m)地点、CASE1-2(8m)地点、CASE2-2(2m)地点)における、F0に対するTswf-L *とTswf-C *の変化を図5に示す。図5より、全ての条件において円筒の温度応答は線源の温度応答よりも大きな値を示している。また、Tswf-C *の変化について検討を行うと、CASE2-2(2m)地点では、他の条件よりもTswf-C *が大きな値を示しており、一方で、CASE1-1(2m)地点とCASE1-2(8m)地点のTswf-C *は一致している。
ここで、埋設管半径rpに対する温度計算を行う地点の径方向距離rを表わす無次元距離r*(=r/rp)を導入した場合、CASE2-2(2m)地点はr*=10、CASE1-1(2m)地点とCASE1-2(8m)地点はr*=40となる。したがって、F0が等しい場合のTswf-C *は、Tswf-L *と異なり、R*の他にr*によっても変化することが確認された。
これらの結果より、地下水流れが存在する場合の円筒熱源周囲の温度応答については、移動線熱源温度応答を整理する場合に用いられる、R*、F0、Ts *の各無次元数の他に、無次元距離r*をパラメータに加えることによって整理できるものと考えられる。
<地下水流れが存在する場合の地中温度計算>
(補正係数を用いた埋設管表面の温度応答計算)
埋設管表面の温度応答については、無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答(以下、「無限円筒の温度応答」と称する)に、補正係数を乗じることによって求める手法を用いることとした。
無限円筒表面熱流応答理論では、土壌を等方均質な固体として扱い、垂直地中熱交換器はその地中に埋設された無限長さの中空円筒とみなすことにより、地中熱交換器周囲の熱移動は円筒座標系の軸対称2次元の非定常熱移動問題として扱うことができる。この場合、例えば埋設管表面r=rb0における、ある経過時間tの温度Tsr=rb0は、下式(2)により表わされる。なお、式(2)において、uは熱伝導の理論解を算出するために必要な固有値、Jxはx次の第一種ベッセル関数、Yxはx次の第二種ベッセル関数である。
Figure 0005082052
ここでは、地下水流れが存在する場合の温度応答を差分法による数値計算によって算出し、その算出した温度応答から無限円筒の温度応答を除すことによって補正係数CCを求めた。無次元温度応答Ts *を用いれば、CCは下式(3)によって得られる。
Figure 0005082052
上述したように、無次元数Rp *の値が等しい場合には、F0に対するTswf-C *の変化は全て同じとなることが確認されているので(図4を参照)、ここでは、Rp *の値が異なる場合の、F0に対する無次元管表面平均温度Tswf-C *の変化と、無限円筒からの補正係数CCの変化を検討した。F0の変化に対するTswf-C *の変化を図6に、補正係数CCの変化を図7に示す。
土壌熱源ヒートポンプシステムの性能予測システム内では、このF0に対する補正係数CCの近似式を予め作成して保持しておく。そして、補正係数CCを無限円筒の温度応答に与えることによって、地下水流れが存在する場合の温度応答を計算することとした。
(複数埋設管の地中温度計算)
次に、地下水流れが存在する場合の、複数埋設管の地中温度計算手法を説明する。埋設管の相互干渉については、空間内の温度場の重ね合わせを適用する(非特許文献7)。図8に示すように、注目する半径rpの埋設管のiとして、埋設管iを含めて半径rpの埋設管をn本任意に地中に埋設したものとする。また、地中には水平方向に一定速度の地下水流が存在するものとする。このとき、埋設管iの表面温度ΔTsは、全ての埋設管の温度応答を足し合わせた下式(4)によって表わすことができる。iは注目する埋設管、jは周囲の埋設管であり、また、j≠iである。
Figure 0005082052
ここで、地下水流れが無い場合において、それぞれの埋設管表面の熱流qが経過時間tに対して変動する場合、埋設管iの表面の温度応答ΔTs-C(r,t)は下式(5)によって表わされる。
Figure 0005082052
さらに、式(5)の両辺を単位発熱量q0で除して、ΔTs-C(r,t)を無次元化すれば、下式(6)を得ることができる。ただし、q*(t*)=q(t)/q0である。
Figure 0005082052
ここで、地下水流れが存在する場合の埋設管表面の温度応答ΔTswf-C *(1,t*)については、式(3)で得られた補正係数CCをTs-C *(1,t*)に乗じることによって計算が可能となる。
Figure 0005082052
一方、周囲の埋設管の無次元温度応答については、地下水流れが無い場合において、r*が十分に大きい場合には無限円筒の温度応答は無限線源の温度応答とみなすことが可能であることが示されている(非特許文献7)。しかしながら、上述したように、地下水流れが存在する場合には、r*が十分に大きい範囲でも、線熱源と円筒熱源には誤差が生じることが示されている。
それゆえ、ここではまず、図8に示す地下水流れの方向と埋設管i、jの中心を通る直線によって形成される角度φ=0(すなわち、埋設管iに対して地下水流れの下流に位置する埋設管)の場合の、移動線熱源温度応答を下式(8)によって計算した上で、その無次元温度応答に、各無次元数R*及びr*をパラメータとして与えた補正を行うことで、円筒の無次元温度応答を得る方法をとることにした。
Figure 0005082052
まず、R*及びr*の影響による補正係数については、定常状態における移動線熱源と円筒の無次元温度応答の比較により検討した。定常状態におけるr*=1とした場合の、Rp *に対する移動線熱源と円筒の無次元温度応答の比Tswf-C *|φ=0/Tswf-L *|φ=0の変化を図9に、R*=0.4とした場合の、r*に対する比Tswf-C *|φ=0/Tswf-L *|φ=0の変化を図10に示す。
これらの結果と線熱源と円筒熱源の差から考えられる条件、Rp *→0でCR=1、r*→8でCr=1を考慮して、φ=0におけるTswf-L *|φ=0からTswf-C *|φ=0を算出するための補正係数CR、Crを下式(9)、(10)によって決定することにした。
Figure 0005082052
さらに、角度φに対する温度応答について検討を行うと、図11に示すように、移動線熱源と同様に円筒の場合もφに対し温度応答の変化は対数軸に対して線形となっていることがわかる。ここで、移動線熱源の温度応答については、式(8)に示されるとおり、時間によらず一定であることがわかる。そこで、円筒のφに対する温度応答も時間によらず一定であるとみなして、その変化は、下記の条件を与えることにより、下式(11)の近似式で計算することとした。
Figure 0005082052
これから、任意の角度φにおけるTswf-C *|φ=φはTswf-L *|φ=0に補正係数を乗じることによって、下式(12)で近似することが可能となる。
Figure 0005082052
ここで、地下水流れが無い場合には、周囲の埋設管からの温度応答ΔTs-L *(r*,t*)は下式(13)によって近似できることが示されている(非特許文献7)。
Figure 0005082052
式(13)に式(12)、(8)を代入することによって、ΔTswf-C *|φ=φ(r*,t*)は下式(14)で表わすことができる。この計算により、地下水流れが存在する場合の、複数埋設管の地中温度の変化を計算することが可能となる。なお、 ̄は平均値を表わす。
Figure 0005082052
以上の複数埋設管の計算のフローチャートを図12に示す。ステップS101〜S104では、あらかじめ各埋設管同士の無次元距離r* ijと無次元数R* ijを算出し、フーリエ数t*´、t*´´、t* kを算出する。各埋設管においてR*が異なり、温度応答が異なるため、温度上昇の開始となるフーリエ数t*´、埋設管表面の温度応答に用いることができるフーリエ数t*´´、t*´とt*´´の間の分割される区間のk番目の区間における終点フーリエ数t* kの計算は各埋設管間隔に対して行う。ここでは、t*´とt*´´をそれぞれ、無次元温度応答Ts *が0.01、1.5以上となるフーリエ数に設定し、その間の区間数nは6としている。
次に、ステップS105では、ΔTswf-C(rp,t)を算出する。次に、ステップS106、S107では、ある埋設管iについて、式(14)より、すべてのjについてのΔTswf-C|φ=φ(rdij,t)を算出する。そして、ステップS108では、式(4)より、複数埋設管の重ね合わせ計算を行い、埋設管iの表面温度ΔTsi(rp,t)を算出する。その後、ステップS106〜S108の処理を埋設管iを変えて行い(ステップS109)、ステップS106〜S109の処理を時間を進めて行う(ステップS110)。
(温度応答の計算精度の検証)
地下水流れを有する地中に埋設した2本の埋設管の温度応答について、今回提案した計算手法と、差分法による数値計算の計算結果を比較することにより、計算精度を検証した。差分法による数値計算の計算対象領域を図13に示す。中心間距離rdをおいて2本の埋設管を設置した計算を行っており、2本の埋設管の上流側、下流側の計算条件や境界条件等については既述した差分法による数値計算と同様とした。
計算精度の検証は、無次元距離r*=40一定とし、無次元数R*を変更したときの、2本の埋設管の無次元温度応答を今回提案した計算手法と差分法による数値計算により計算し、それらの計算値を比較することによって行った。
計算結果を図14に示す。温度応答には若干の誤差があるものの、傾向は非常によく一致している。R*=0.4と、R*=1.6の下流側である時間経過後に温度が急激に上昇するのは、上流側の影響が下流側に現れるためである。温度応答t*=1000における2本の温度応答の平均相対誤差は、R*=0.1で約0.7%、R*=0.4で約1.0%、R*=1.6で約2.0%であった。
また、一般的な採熱の条件の範囲として考えられる、as=5.0×10-72/s、rp=0.05m、λs=1.5W/m/K、q=150W/m2(47W/m)を条件として与えた場合の温度変化で考えると、誤差は最大で0.2℃程度である。この誤差より、ヒートポンプのCOPへの影響を考えても、誤差による影響は0.02未満となり、性能予測に大きく影響を与えるには至らないものと考えられる。これにより、今回提案した計算手法によって、地下水流れが存在する場合の地中温度計算を実用的な精度及び速度で行えることが示された。
なお、ここでは埋設管表面の温度応答について説明したが、埋設管の周囲土壌の温度応答についても同様である。
<地下水流れが存在する場合の土壌熱源ヒートポンプシステムの性能予測と導入効果の検討>
以下では、今回提案した計算手法を用いて、地下水流れが土壌熱源ヒートポンプシステムの性能と導入効果にもたらす影響について検討を行った。
(計算条件)
一般的な戸建住宅に土壌熱源ヒートポンプシステムを導入した場合について、システムの性能と導入効果に地下水流れがもたらす影響の検討を行う。計算条件を表2に示す。地下水は全ての地層で均一に流れるものと仮定した。計算例として、まず単独埋設管の地中熱交換器について、次に複数埋設管について、地下水流速を変更して計算を行い、それぞれ計算結果から地下水流れの影響について考察した。
Figure 0005082052
単独埋設管の計算については、はじめに地中熱交換器長さを100mに設定し、地下水流れによるシステム性能向上の検討を行い、次に、地下水流速0m、地中熱交換器長さ100mの場合と同等の性能(冷暖房期間平均のCOP)が得られる長さまで地中熱交換器長さを変更して、導入効果(従来方式に対するコストペイバックタイムとライフサイクルコスト(LCC))の比較を行った。
複数埋設管については、10mの地中熱交換器を使用した場合の、地下水流速0m、地中熱交換器長さ100mの単独埋設管と同等の性能が得られる地中熱交換器本数を検討した。複数埋設管の配管については、図15に示すように、5本を直列回路として、地中熱交換器本数に応じて並列回路を設定した。計算では、地下水流速の増大に応じて、並列回路数を減らし、回路数が1以下となった場合には、1本ずつ地中熱交換器の本数を減少させた。地中熱交換器は単独埋設管と同様のものを使用すると想定し、2m間隔で配置した。流量は各回路に均等に循環するものとし、内部の熱媒の温度計算を行った。計算は二年間の土壌熱源ヒートポンプシステムの運転を想定して行った。
(単独埋設管の計算結果及び考察)
単独埋設管の計算結果の一例として、地下水流速100m/year、地中熱交換器長さ100mとしたときの、2年目の時間ごとの各部分の温度変化を図16に示す。図16において、Tp:鋼管杭表面温度、T1out:ヒートポンプ1次側出口温度(送水温度)、T1in:ヒートポンプ1次側入口温度(還水温度)、T2out:ヒートポンプ2次側(室内側)出口温度(送水温度)、T2in:ヒートポンプ2次側(室内側)入口温度である。ここでは示さないが、地下水流速0mの場合の温度変化と比較して、地中温度(ボアホール表面温度)、熱媒温度ともに高くなっており、このときの熱媒最低温度は−2.2℃であった。
地中温度が高くなる理由について考察すると、図17に示すように、地下水流れが存在する場合の線熱源に対する温度応答は、一定時間経過後に定常状態に達し、∂(Tswf-C *(1,τ*)/∂τ*=0となる。それゆえ、式(7)により計算される温度応答についても、一定時間経過後の熱流による応答は0になる。図17から、地下水流速が100m/year(3.17×10-6m/s)の場合、一定加熱時の定常状態に達する時間は106s(277h)程度である。これより、それ以前の採熱の影響による温度変化は0となり、暖房(採熱)時の地中温度の低下幅が小さくなる。その結果として、地下水流れが存在する場合には地中温度及び熱媒温度が高くなる。
さらには、地中熱交換器を100mとした場合の、地下水流速の変化に対する暖房期間平均のCOPとSCOPを図18に示す。図16に示したように、地下水流れの影響により平均の地中温度、熱媒温度が上昇するため、冷暖房期間平均のCOP及び同期間平均のSCOPは向上する。また、その効果は地下水流が増加するにつれて大きくなる。しかし、その上昇幅は地下水流速が大きくなるほど小さくなることがわかる。
次に地下水流速を変更し、地下水流速0mの場合と同等の性能(平均COP)が得られる長さまで地中熱交換器長さを変更して計算を行った。地下水流速に対する、変更した地中熱交換器長さを図19に示す。図19には、同条件で換算したイニシャルコストについても示す。図19に示すように、地下水流速が100m/yearの場合、長さは55mとなり、地下水流速0mの場合と比較して45mの地中熱交換器長さの削減が可能となり、イニシャルコストの削減効果が得られる。また、地下水流速が50m/yearの場合には30mの地中熱交換器の削減効果となる。
さらに、地中熱交換器長さが100m一定の場合、図19に示した地中熱交換器長さに変更した場合の、地下水流速に対する、対象方式(灯油ボイラと冷専エアコン)に対するコストペイバックタイムと、60年をライフサイクルと設定した場合のライフサイクルを図20に示す。コストペイバックシステムについてもライフサイクルコストについても、地下水流れに対して地中熱交換器長さを変更した方が、値が小さくなることがわかる。
これらの結果として、地下水流れを有する場合には、地下水流れによる一定長さの地中熱交換器に対する土壌熱源ヒートポンプシステムの性能向上は限られてしまうため、地下水流速を把握してそれを設計に反映させ、地中熱交換器長さを変更し、イニシャルコスト削減を図る方が、より地下水流れの効果をシステムに反映させられることが、ライフサイクルコスト分析より明らかとなった。また、これにより土壌熱源ヒートポンプシステムの最大の課題となっているイニシャルコストの削減を効果的に行えるものと考えられる。
(複数埋設管の計算結果及び考察)
はじめに、地下水流速0m、地中熱交換器10m×20本の土壌熱源ヒートポンプシステムの、2年目の時間ごとの各部分の温度変化を図21に、地下水流速150m/year、地中熱交換器長さ10m×5本の土壌熱源ヒートポンプシステムの、2年目の時間ごとの各部分の温度変化を図22に示す。
地下水流速0mの場合は、地中熱交換器本数が多いため、採熱による瞬時の温度低下は小さいが、周囲からの熱移動が小さいため、地中温度が徐々に低かしていることがわかる。また、採熱量が放熱量に比べ過多であるため、地中温度は十分に回復されないことが伺える。一方、地下水流速が150m/yearの場合は、地中熱交換器本数が少ないため、瞬時の温度低下は大きいものの、運転開始時と終了時の温度は略一致しており、地中温度が回復していることがわかる。したがって、それ以降の安定した運転が可能であることが伺える。
地下水流速0mで、単独埋設管の地中熱交換器長さ100mの場合と同様の性能(平均COP)が得られる、地下水流れに対する長さ10mの地中熱交換器の必要本数の変化を図23に示す。地下水流速0mの場合は、地中熱交換器合計長さは200mと、単独埋設管と比較して2倍となっている。一方、地下水流速が100m/yearの場合は、地中熱交換器合計長さは60mと、単独埋設管と比較してほとんど差がないことがわかる。この結果から、浅い地層部に卓越した地下水流れがある場合には、長さの短い地中熱交換器を複数埋設し、地下水流れを効果的に利用することで、更なるイニシャルコストの削減を図ること等も可能であると考えられる。
なお、表3に、本明細書で用いる記号についてまとめる。特に断わりのない場合、各記号は表3に示す内容を表わすものとする。
Figure 0005082052
以上述べた実施形態の土壌熱源ヒートポンプシステムは具体的にはコンピュータシステム或いは装置により構成されるものである。したがって、上述した機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
土壌熱源ヒートポンプシステムの全体の概略構成を示す図である。 土壌熱源ヒートポンプシステムの性能予測システムの機能構成を示す図である。 温度計算地点を説明するための図である。 無次元数F0に対する無次元温度Tswf-L *とTswf-C *の変化を示す特性図である。 *=16で等しくなる条件におけるF0に対するTswf-L *とTswf-C *の変化を示す特性図である。 各無次元数Rp *におけるF0の変化に対するTswf-C *の変化を示す特性図である。 各無次元数Rp *におけるF0の変化に対する補正係数CCの変化を示す特性図である。 地中に埋設された複数管と埋設管間隔を説明するための図である。 定常状態におけるRp *に対する移動線熱源と円筒の無次元温度応答の比を示す特性図である。 定常状態におけるr*に対する移動線熱源と円筒の無次元温度応答の比を示す特性図である。 各R*における定常状態の角度φに対する温度応答を示す特性図である。 地下水流れが存在する場合の地中温度計算のフローチャートである。 差分法による数値計算の計算領域及び境界条件を説明するための図である。 2本の埋設管に対する無次元温度応答の比較を示す特性図である。 複数埋設管の配管を説明するための図である。 地下水流速100m/year、地中熱交換器長さ100mとしたときの、2年目の時間ごとの各部分の温度変化を示す特性図である。 移動線熱源のフーリエ数t*に対する無次元温度応答Ts *及び時間tに対する温度応答Tsを示す特性図である。 地下水流速100m/yearにおける、地下水流速に対する暖房期間平均COP、SOPの変化を示す特性図である。 地下水流速に対する、地下水流れ0mにおける地中熱交換器長さ100m×1本の場合と同等の平均COP(=4.6)が得られる地中熱交換器長さを示す特性図である。 地下水流速に対するコストペイバックタイムとライフサイクルコストを示す特性図である。 地下水流速0、地中熱交換器長さ10m×20本としたときの、2年目の時間ごとの各部分の温度変化を示す特性図である。 地下水流速150m/year、地中熱交換器長さ10m×6本としたときの、2年目の時間ごとの各部分の温度変化を示す特性図である。 地下水流速に対する、地下水流れ0mにおける地中熱交換器長さ100m×1本の場合と同等の平均COPが得られる10mの地中熱交換器の必要本数と合計長さを示す特性図である。 差分法による数値計算の計算対象領域を説明するための図である。
符号の説明
101 地中熱交換器
102 ヒートポンプ
103 空調機
2 記憶装置
3 演算処理装置
4 入力装置
5 作業メモリ
6 出力装置
7 バス
31 解析部

Claims (8)

  1. ヒートポンプを用いて地盤を熱源として地中熱交換器に熱媒を循環させて採放熱し、負荷側に温熱又は冷熱を供給する土壌熱源ヒートポンプシステムの性能を予測するための性能予測方法であって、
    前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転をシミュレーションし、地中温度を算出する解析手順を有し、
    前記解析手順において地中温度を算出するに際して、地下水流れが存在する場合の温度応答を、無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答に、予め得られている補正係数を乗じて求め、
    前記補正係数は、地下水流れが存在する場合の温度応答を差分法による数値計算によって算出し、その算出した温度応答から無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答を除すことによって予め得られていることを特徴とする土壌熱源ヒートポンプシステムの性能予測方法。
  2. 前記解析手順において地中温度を算出するに際して、無次元数、無次元温度応答、無次元時間を導入して、地下水流れが存在する場合の温度応答を、無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答に、予め得られている補正係数を乗じて求め、
    前記補正係数は、無次元数、無次元温度応答、無次元時間を導入して、地下水流れが存在する場合の温度応答を差分法による数値計算によって算出し、その算出した温度応答から無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答を除すことによって予め得られ、
    無次元数ごとに、無次元時間に対する前記補正係数の近似式が予め作成されていることを特徴とする請求項1に記載の土壌熱源ヒートポンプシステムの性能予測方法。
  3. 地中熱交換器が複数埋設管である場合、空間内の温度場の重ね合わせを適用することを特徴とする請求項1又は2に記載の土壌熱源ヒートポンプシステムの性能予測方法。
  4. 注目する埋設管の周囲の埋設管の温度応答は、前記注目する埋設管に対して地下水流れの下流に位置する埋設管の移動線熱源温度応答を求め、その温度応答に補正係数を乗じて求めることを特徴とする請求項に記載の土壌熱源ヒートポンプシステムの性能予測方法。
  5. 埋設管を熱源とする場合の地中温度を算出するための地中温度算出方法であって、
    地中温度を算出するに際して、地下水流れが存在する場合の温度応答を、無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答に、予め得られている補正係数を乗じて求め、
    前記補正係数は、地下水流れが存在する場合の温度応答を差分法による数値計算によって算出し、その算出した温度応答から無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答を除すことによって予め得られていることを特徴とする地中温度算出方法。
  6. ヒートポンプを用いて地盤を熱源として地中熱交換器に熱媒を循環させて採放熱し、負荷側に温熱又は冷熱を供給する土壌熱源ヒートポンプシステムの性能を予測するための性能予測システムであって、
    前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転をシミュレーションし、地中温度を算出する解析手段を備え、
    前記解析手段において地中温度を算出するに際して、地下水流れが存在する場合の温度応答を、無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答に、予め得られている補正係数を乗じて求め、
    前記補正係数は、地下水流れが存在する場合の温度応答を差分法による数値計算によって算出し、その算出した温度応答から無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答を除すことによって予め得られていることを特徴とする土壌熱源ヒートポンプシステムの性能予測システム。
  7. ヒートポンプを用いて地盤を熱源として地中熱交換器に熱媒を循環させて採放熱し、負荷側に温熱又は冷熱を供給する土壌熱源ヒートポンプシステムの性能を予測するためのコンピュータプログラムであって、
    前記土壌熱源ヒートポンプシステムの運転をシミュレーションし、地中温度を算出する解析処理をコンピュータに実行させ、
    前記解析処理において地中温度を算出するに際して、地下水流れが存在する場合の温度応答を、無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答に、予め得られている補正係数を乗じて求め、
    前記補正係数は、地下水流れが存在する場合の温度応答を差分法による数値計算によって算出し、その算出した温度応答から無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答を除すことによって予め得られていることを特徴とするコンピュータプログラム。
  8. 埋設管を熱源とする場合の地中温度を算出するためのコンピュータプログラムであって、
    地中温度を算出するに際して、地下水流れが存在する場合の温度応答を、無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答に、予め得られている補正係数を乗じて求める処理をコンピュータに実行させ、
    前記補正係数は、地下水流れが存在する場合の温度応答を差分法による数値計算によって算出し、その算出した温度応答から無限円筒表面熱流応答理論により求められる地下水流れが無い場合の温度応答を除すことによって予め得られていることを特徴とするコンピュータプログラム。
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