JP5083349B2 - 空気調和機の室内機 - Google Patents

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本発明は、空気調和機の室内機に関するものであり、特に遠心ファンを用いた天井埋め込み型の空気調和機の室内機に関する。
空気調和機の室内機は、吸い込んだ室内空気を熱交換器で熱交換して再び室内に吹出す動作を行うため、ファンと熱交換器を格納している。特に、天井埋め込み型の室内機では、遠心ファン、例えばターボファンによって室内空気をファンの回転中心付近から空気を吸い込み、ファンの外周から360度の方向に吹出す。ファンを通った空気はファンの周囲に設けられた熱交換器によって温め又は冷やされて、吹出口から室内に吹出される。
空気調和機の室内機は、人の居住空間に設置されることから、低騒音化が求められている。特に、室内空気が室内機内のファン及び熱交換器を通過して、再び室内に吹出される際に生じる干渉音や風切り音の低減が求められている。
従来の空気調和機の室内機では、ファンの翼形状を工夫することによって、ファンの低騒音化を実現しようとする事例が数多く提案されている。しかし、室内機内の風路形状はファンの回転軸に対して回転対称ではないため、圧力分布や風速分布といった流れ場も回転軸に対して回転対称にならない。例えば、ファン単体で試験した場合には、周囲に均一に風が吹出し、圧力分布や風速分布も周方向でほぼ均一である。ところが、室内機のユニットに載せると騒音が想定より悪化するなど、ファン単体の特性(回転軸に対して回転対称な空間に置かれたときの特性)を十分に活かすことができない。
天井埋め込み型の空気調和機の室内機では、円筒形状のファンの周囲を略四角に取り囲んで熱交換器が配置される。このため、ファンを構成する複数の翼と熱交換器との距離が同じにはならず、ファンから熱交換器へ流れる風路の通風抵抗が不均一になる。この通風抵抗が不均一であることによる騒音悪化を緩和するため、従来、熱交換器がファンロータに対して遠距離となる領域に、ファンロータの外周全域における吹出し空気圧の不均一化を低減する整流ガイドを設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。熱交換器がファンに対して遠距離及び近距離を有する非円形に構成されている空気調和機において、整流ガイドによって、送風音の低減と吹出し空気圧の圧力損失の低減を図っている。
また、吸込みシュラウドの吸込み口に空気を導く吸込み胴を備え、吸込みシュラウドと吸込み胴の間を通る循環流れの吹出し方向を遠心方向に向けるようにして、送風効率を向上しようとする事例もある(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−83599号公報(第2頁、図1) 特開2008−138536号公報(第18頁〜第19頁、図6、図8)
特許文献1に示された整流ガイドの場合、熱交換器とファンの距離差による通風抵抗の不均一性を緩和できるが、整流ガイドを風路高さ全域に亘って取り付ける構成では、角部の熱交換器に気流が当たらなくなり、空気調和機の能力を低下させる恐れがある。また、一部に開口部を設けた構成では、前者に比べて能力は回復されるが、吹出し下流に整流ガイドがあるため、気流が整流ガイドに衝突して騒音が大きくなる恐れがある。また、整流ガイドを通過した下流側で渦が発生して騒音増加を招くこともある。
また、特許文献2は、熱交換器とファンの距離差に応じて吸込み胴の形状を決定するものではなく通風抵抗の不均一性から生じる問題を解消するものではない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、空気調和機の能力を低下させることなく、熱交換器とファンの距離差による通風抵抗の不均一性を緩和して騒音を低減でき、低騒音な空気調和機の室内機を得ることを目的とする。
本発明に係る空気調和機の室内機は、中央部に吸込口が設けられ、この吸込口の周辺に複数の吹出口が設けられる面を有する筐体、
中央に回転軸が固着される主板と、前記主板と同心であるドーナツ形状のシュラウドと、前記主板と前記シュラウドとの間に挟持される複数の翼とを有すると共に、前記シュラウドが前記吸込口に対向するように前記筐体内に配設され、前記吸込口から空気を吸い込んで前記吹出口に送風する遠心ファン、
複数の並列するフィンと、前記フィンのそれぞれを貫通する伝熱管とを有し、前記筐体内の前記遠心ファンの外周で前記フィンの並列方向に前記遠心ファンを囲むように配置され、前記吸込口から吸い込まれた空気と熱交換する熱交換器、
前記吸込口と前記シュラウドとの間に設けられ、前記吸込口から吸い込まれた空気を前記複数の翼間に導くベルマウス、を備え、
前記熱交換器は、前記フィンの並列方向が前記吹出口の長手方向に直線的に伸びる複数の直線部分を有し、
前記熱交換器の直線部分の両端と前記遠心ファンの回転中心とを結ぶ直線で囲まれる前記筐体内の領域を直線領域、前記直線領域に含まれない領域を角部領域として、前記筐体が、複数の前記直線領域及び複数の前記角部領域に分割されたとき、前記ベルマウスは、前記回転軸を含んで前記回転軸に平行な断面における前記吸込口側の上流端から前記シュラウド側の下流端までの長さについて、少なくとも1つの前記角部領域における前記長さが、前記直線領域における前記長さより長く構成されているものであって、
前記複数の角部領域の1つで、前記熱交換器の両端部間に設けられ、この角部領域を内周側と外周側とに仕切ると共に、前記外周側に前記熱交換器の端部から伸びた配管が配置される仕切り板を備え、
前記ベルマウスは、この仕切り板が設けられている角部領域と前記回転軸を挟んで対向する角部領域における前記長さが、前記複数の角部領域の中で最も長く構成されているものである。
本発明によれば、遠心ファンを有する空気調和機の室内機において、ファンの外周と熱交換器との距離の遠近に関わらず風速分布を均一化し、翼表面の流れ変動を小さくでき、ファンの回転によって誘発される騒音を低減できる。また、翼間の最大風速を小さくすることで、さらに騒音を低減でき、低騒音な空気調和機の室内機が得られる。
本発明の実施の形態1に係る遠心ファンを一部切り欠いて示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る天井埋め込み型の空気調和機の室内機の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る天井埋め込み型の空気調和機の室内機の構成を示す正面図であり、ファンが見えるように、ベルマウス、フィルター、化粧板を取り除いて示す。 本発明の実施の形態1に係る熱交換器を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る熱交換器の基本構成を示す図であり、図5(a)は側面図、図5(b)は1枚のフィンを拡大して示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係り、筐体を複数の領域に分割した状態を示す説明図で、ファンが見えるように、ベルマウス、フィルター、化粧板を取り除いて、室内機を正面から見た図である。 本発明の実施の形態1に係り、回転軸を含んで回転軸に平行な断面を説明する説明図である。 本発明の実施の形態1に係り、空気調和機の室内機の回転軸を含んで回転軸に平行な断面構成を示す説明図で、図8(a)は角部領域Aの断面構成を示し、図8(b)は直線領域Bの断面構成を示す。 本発明の実施の形態1に係るベルマウスの構成を示す図であり、図9(a)はベルマウスを示す斜視図、図9(b)はベルマウスを展開して示す展開図である。 本発明の実施の形態1に係るJISB8330送風機試験を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係り、JISB8330送風機試験によってファン単体を運転した場合の空気の流れを示す説明図であり、図11(a)は角部領域Aの空気の流れを示し、図11(b)は直線領域Bの空気の流れを示す。 本発明の実施の形態1に係るファンの特性を示すグラフであり、図12(a)において横軸は風量、縦軸は差圧を示し、図12(b)において横軸は風量、縦軸は空気の流れと翼とで発生する比騒音を示す。 本発明の実施の形態1に係り、角部領域Aにおけるベルマウスの長さによって空気の流れが変化する様子を示す説明図であり、図13(a)はベルマウスを回転軸方向に短くした場合を示し、図13(b)はベルマウスを長くした場合を示す。 本発明の実施の形態1に係り、ベルマウスを回転軸方向に長くした角部領域Aの空気の流れ(図14(a))と、ベルマウスが短いままの直線領域Bの空気の流れ(図14(b))を比較して示した説明図である。 本発明の実施の形態2に係るベルマウスの形状と空気の流れを示す説明図であり、図15(a)、(b)共に角部領域Aでの回転軸を含んで回転軸に平行な断面を示す。 本発明の実施の形態3に係るベルマウスの形状と空気の流れを示す説明図であり、図16(a)は角部領域Aでの回転軸を含んで回転軸に平行な断面を示し、図16(b)は直線領域Bでの回転軸を含んで回転軸に平行な断面を示す。 本発明の実施の形態3に係るベルマウスを示す斜視図(図17(a))、及びベルマウスを展開して示す展開図(図17(b))である。 本発明の実施の形態4に係るベルマウスの形状と空気の流れを示す説明図であり、図18(a)は角部領域Aでの回転軸を含んで回転軸に平行な断面を示し、図18(b)は直線領域Bでの回転軸を含んで回転軸に平行な断面を示す。 本発明の実施の形態4に係るベルマウスの構成を示す図であり、図19(a)はベルマウスを示す斜視図、図19(b)はベルマウスを展開して示す展開図である。 本発明の実施の形態5に係り、空気調和機の室内機を示す正面図で、ファンが見えるように、ベルマウス、フィルター、化粧板を取り除いて示す。 本発明の実施の形態5に係り、図20のXXI−XXI線における断面図である。 本発明の実施の形態5に係り、空気調和機の室内機において、従来のベルマウスを装着した場合の翼から吹出す空気の風速分布を示す説明図である。 本発明の実施の形態5に係るベルマウスの形状を示す説明図であり、ファンの回転軸を含んで回転軸に平行な断面を示す。 本発明の実施の形態6に係るベルマウスの構成を示す図であり、図24(a)はベルマウスを示す斜視図、図24(b)はベルマウスを展開して示す展開図である。 本発明の実施の形態6に係るベルマウスの突出部を拡大して示す説明図である。 本発明の実施の形態6に係るベルマウスの構成を示す図であり、図26(a)はベルマウスを示す斜視図、図26(b)はベルマウスを展開して示す展開図である。 本発明の実施の形態6に係るベルマウスを示す展開図である。 本発明の実施の形態6に係るベルマウスを示す展開図である。 本発明の実施の形態7に係り、筐体を複数の領域に分割した状態を示す説明図で、ファンが見えるように、ベルマウス、フィルター、化粧板を取り除いて、室内機を正面から見た図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る空気調和機に搭載される遠心ファンとして、例えばターボファン1を一部切り欠いて示す斜視図である。遠心ファン1は全体で略円筒形状を成し、主板2と、主板2に対向するように配設されるドーナツ状のシュラウド3と、主板2とシュラウド3との間に狭持されるように連結固定された複数、例えば7枚の翼4から構成されている。翼4は、前縁4aから径方向に広がり、且つ回転方向Fに対して後退して後縁4bが配置される。翼4の内部は軽量化のため中空構造5になっているものもある。また、シュラウド3の中央部分は、空気を吸い込む吸込口17と対向するように配設されている。主板2の中央にはモータ10が配置され、主板2の回転中心6に位置するボスがモータ10の回転軸6aに固着され、ドーナツ状のシュラウド3も主板2と同心で回転軸6bを中心とする。ファン1には回転軸としての部材は設けられていないが、モータ10の回転軸6aの延長線を回転軸6bと称する。ここで、ファン1の外周1aとは、ファン1を正面から見て、翼4が回転したときの翼4の後縁4bの軌跡によって描かれる円とする。図中、矢印Hは回転軸方向を示し、白抜き矢印Ga、Gbは空気の流れ方向を示している。
以下、ファン1の動作を説明する。
モータ10の回転によってファン1が矢印Fの方向に回転中心6を中心に回転すると、白抜き矢印Gaに示すように、シュラウド3の中央部分から回転軸方向Hに空気を吸い込む。そして、主板2に向かって流れながら径方向に向きを変え、白抜き矢印Gbに示すように翼4の間を通過する。空気は、翼4の間を通過する間に圧力上昇してファンの外周1aから360度で周囲に吹出す。
図2は遠心ファン1を用いた天井埋め込み型の空気調和機の室内機の構成を示す断面図、図3は正面図である。図3は、ファン1が見えるようにベルマウス14、フィルター15、化粧板16を取り除いて示しており、図2は図3のII−II線断面図である。室内機の筐体50は、1枚の天板8と複数枚の側板9で構成されるボックス型であり、複数枚、例えば8枚の側板9によって平面外形が多角形、ここでは8角形を成す。筐体50は天井面7よりも天井側に、天板8が天井と平行になるように埋め込まれる。筐体50の天井面7に開口する一面は、中央部に室内空気を吸い込む吸込口17、この吸込口17の周辺に複数の吹出口18が設けられる。筐体50の内部には、モータ10が格納されると共に、シュラウド3が吸込口17に対向するように配設される。また、空気と冷媒で熱交換をする熱交換器11は、ファン1の外周1aを適度な距離だけ離れて囲むように配置される。熱交換器11の両端部11a、11b間には仕切り板13が設けられている。熱交換器11の伝熱管に冷媒を循環させる入口配管及び出口配管11dは、図3の点線領域12に収納される。この配管部12は通常熱交換に使わないため、仕切り板13によって、回転中心側である内周側と反回転中心側である外周側とに区切られ、仕切り板13の外周側に配管部12が配置される。熱交換器11の外側には、筐体50を構成する側板9との間に吹出口18へ通じる風路がある。
ファン1の上流側には室内から吸い込んだ室内空気をファン1に誘導するベルマウス14が設けられている。このベルマウス14は、吸込口17とシュラウド3との間に設けられ、吸込口17からシュラウド3の内側に向かって開口面積が減少する形状であり、ベルマウス14の中央に形成されている開口は主板2及びシュラウド3と同心である。ベルマウス14の下流側の端部は、ドーナツ形状のシュラウド3の開口部の内周側に挿入される。このような形状のベルマウス14は、吸込口17から吸い込まれた室内空気を複数の翼4の間の風路に導く働きをする。ベルマウス14の上流側には空気中の埃を除去するフィルター15が配置される。
また、フィルター15の上流側は部屋側であり、化粧板16が配置され、化粧板16の中央に吸込口17が設けられる。吸込口17の周辺には空気を室内に吹出す吹出口18が設けられる。本実施の形態では、吹出口18は筐体50の8角形の平面外形において、少なくとも2辺以上、ここでは例えば4つの辺にそれぞれ沿って設けられている。ここで、強度の関係から1辺に例えば2つづつの吹出口18を備え、吹出口18のそれぞれは、平面外形で側板9の伸びる方向、即ち筐体50の多角形状の4辺にそって長く伸びた形状である。吹出口18のそれぞれには気流方向を制御するベーン19が備え付けられている。
空気調和機の運転時に、遠心ファン1によって、吸込口17から吸い込まれた室内空気が吹出口18に送風される。その空気の流れは、矢印20のように吸込口17、フィルター15、ベルマウス14を通過するあたりでは回転軸方向Hに流れ、シュラウド3に沿って徐々に径方向Iに流れ、翼4の間を翼4の面に沿って回転方向の後方に通過する。さらに、室内空気は、熱交換器11を通過する際に熱交換器11内を流れる冷媒とで熱交換を行い、暖房時は温められ、また冷房時は冷やされて、吹出口18からベーン19の方向に応じて室内に吹出される。
図4は熱交換器を示す斜視図、図5は熱交換器の基本構成を示す図であり。図5(a)は側面図、図5(b)は一枚のフィンを拡大して示す斜視図である。熱交換器11は遠心ファン1を囲むように設けられる際、熱交換器11は伝熱面積を稼ぐために、ファン1を丸く囲むのではなく図4に示すように角形状に配置される。熱交換器11の詳細な構成は、図5(a)に示すように複数枚のフィン22はフィン面が略平行になるように並列方向Jに並設され、このフィン22のそれぞれを並列方向Jに伝熱管23が貫通する構成である。伝熱管23はフィン22の並列方向Jと垂直な方向に複数段設けられており、これを段方向Kとする。熱交換器11を筐体50内に配置した状態では、熱交換器11の段方向Kは、ファン1の回転軸方向Hと同方向である。隣り合うフィン22の間の伝熱管23は、伝熱管23の周囲のフィン22が切り起こされて覆われている。製造工程では、図5(a)に示すような縦横に長い熱交換器11が折り曲げられて、図4に示すようにフィンの並列方向Jにファン1を略四角形に取り囲むように配置される。そのため、熱交換器11の角部では曲線、辺部では直線部分11cであり、直線端21で曲線と直線とが変化する。熱交換器11の両端部11a、11bも直線端21として取り扱う。熱交換器11の直線部分11cの伸びている方向は、吹出口18の長手方向に伸びている方向と一致する。
本実施の形態では、ファン1の周囲に熱交換器11を多重列、例えば2列設け、伝熱管23に冷媒を流通させる。翼4の後縁4bから吹出す空気は、フィン22間を流れ、伝熱管23内を流れる冷媒と熱交換する。伝熱管23に接続され、熱交換器11の端部から伸びる配管11dは、流入配管と流出配管とで構成される。例えば室内機と室外機(図示せず)とを循環する冷媒は、室外機から流入配管11dに流入し、熱交換器11内の伝熱管23を、一列目の上段から下段に流れ、さらに二列目の下段に流れ、二列目の下段から上段に流れ、流出配管11dから流出されて、室外機に循環する。
本実施の形態では、ファン1を正面から見て、翼4の後縁4bと熱交換器11との距離を考慮して筐体50を複数の領域に分割する。図6は複数の領域を示す説明図であり、ファン1が見えるように、ベルマウス14、フィルター15、化粧板16を取り除いて、室内機を正面から見た図である。
熱交換器11はフィンの並列方向Jに直線部と円弧部で構成されるため、直線から曲線に変化する直線端21がある。熱交換器11において、フィンの並列方向Jが吹出口18の長手方向に直線的に伸びる直線部分11cの両端を直線端21とする。この直線端21とファンの回転中心6を結んだ直線と直線部分11cで囲まれる領域を“直線領域B”と定義する。図に示すように、吹出口18は、筐体50の4辺に沿って設けられており、これに応じて4つの直線部分11cがあり、直線領域B1〜B4に分割される。そして、筐体50内の直線領域Bに含まれない領域を“角部領域A” と定義する。即ち、本実施の形態では、例えば筐体50の空間は8つの領域に分割される。熱交換器11の構成上、例えば角部領域A2のように一部直線部が形成される場合もあるが、この部分では吹出口18の長手方向と平行な構成ではなく、筐体50の隅に位置しており角部領域Aに含める。また、仕切り板13の部分も角部領域Aに含める。説明の便宜上、図6に示すように4つの角部領域AをA1〜A4で識別し、4つの直線領域BをB1〜B4で識別する。
図6の説明図で示すように、ファン1の外周1aと熱交換器11の距離を比較すると、角部領域Aにおける距離Laは、直線領域Bにおける距離Lbよりも長い。そこで、角部領域Aのベルマウス14の軸方向長さ30aを、直線領域Bのベルマウス14の軸方向長さ30bより長くする。本実施の形態では、例えば角部領域A1〜A4の全てにおいて、ベルマウス14の軸方向長さ30aを直線領域B1〜B4における軸方向長さ30bよりも長く構成している。なお、熱交換器11の直線部分11cは、上記の距離Laが距離Lbよりも長いことを満たしていれば、必ずしも一直線状である必要はない。吹出口18の長手方向に伸びるなかで、全体的に緩やかに湾曲していたり、途中に湾曲部(カーブ形状)を有したり、もしくは途中に凹凸部を有したりするものも含む。
図7は回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面24を示す説明図であり、以下、この断面24における構成及び空気の流れについて説明する。図8は、空気調和機の室内機の回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面構成を示す説明図である。回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面では、横方向が径方向Iを示し、径方向Iで回転中心6と反対側の方向が遠心方向となる。また、縦方向では上方にある吸込口17側が上流側であり、下方に示される主板2側、又は翼4の配設されている遠心側が下流側となる。図8(a)は角部領域Aの断面構成を示し、図8(b)は直線領域Bの断面構成を示す。上流側から下流側に向かってベルマウス14の形状を示すと、吸込口17側では天井面16と平行な直線形状であり、図8に示す上流端28で吸込口17から空気を導入するように曲面を描き、直線開始部27で再び直線形状となり、下流端29まで直線形状で構成される。
ベルマウス14の上流端28から下流端29までの軸方向長さ30において、角部領域Aに位置するベルマウス14の上流端28から下流端29aまでの軸方向長さ30aを、直線領域Bに位置するベルマウス14の上流端28から下流端29bまでの軸方向長さ30bよりも長くする。この断面において、翼4の前縁4aは断面が見えている翼の前縁であり、点線4bは後縁の仮想線である。
図9(a)は本実施の形態に係るベルマウス14を示す斜視図である。また、図9(b)はベルマウス14を展開して示す展開図であり、図9(a)の点線Mで展開して外側から見た図である。角部領域A1〜A4では、上流端28から下流端29aまでの軸方向長さ30aを長くしており、ここでは、4つの角部領域A1〜A4に対応して4つの突出部14aを有するベルマウス14が全体として一体に形成されている。ただし、これに限るものではなく、直線領域Bにおけるベルマウス14の下流端29bに接着などによって、別体のものを突出部14aとして固着し、角部領域Aの下流端29aとしてもよい。この実施例では、ベルマウス14の下流端29に設けた下流端側に突出する突出部14aは例えば四角形状とする。
一般的にターボファン1では、吸込口17から吸い込まれた室内空気は、主に軸方向H成分を有する流れから、約90度曲げられて、主に径方向I成分を有する流れとなる。そして、シュラウド3と主板2間で且つ翼4間の風路から吹出した後、熱交換器11を通過する。この時の流れについて、図10、図11及び図12に基づいて説明する。
図10はJISB8330送風機試験を示す説明図である。この試験は、ファン単体の特性を試験するもので、図に示すように構成された装置に供試送風機を配置し、補助送風機によって風量を調整して測定管路における風速、圧力、温度などを計測する。例えば、補助送風機で風量を大きくした場合には、擬似的にファンにかかる通風抵抗が小さい風路を構成しており、開放状態と称する。逆に補助送風機で風量を小さくした場合には、擬似的にファンにかかる通風抵抗が大きい風路を構成しており、締め切り状態と称する。図10の詳細については、JISB8330送風機試験に基づく。
図11は、図10に示すJISB8330送風機試験によって本実施の形態に係る遠心ファン1を供試送風機として、ファン単体を運転した場合の空気の流れを示す説明図であり、回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面を示している。図11(a)、図11(b)は、ファン1を同じ回転数で運転した時の軸方向の風速分布32を示し、図11(a)は風量大のときの分布、図11(b)は風量小のとき分布を示す。同じ回転数条件下で、風量の大小による吹出し風速分布32を比較すると、風量(風速)が大きい場合は、流入した気流20aは慣性の影響で急に曲がることができない。従って、シュラウド3側に流れず主板2側に偏り、吹出し風速分布32aに示すように回転軸方向Hの風速差が大きくなる(図11(a))。
逆に、風量(風速)が小さい場合は、流入した気流20bはシュラウド3側、即ち径方向Iに曲がることが容易になり、吹出し風速分布32bのように回転軸方向Hの風速差は小さい(図11(b))。
さらに、風量(風速)、圧力上昇、音について説明する。遠心ファン1の特性を図12に示す。図12(a)において横軸は風量、縦軸は差圧を示し、図12(b)において横軸は風量、縦軸は空気の流れと翼4とで発生する比騒音を示す。この差圧は、吸込口17側の小さい静圧と、風路を流れるに従って圧力上昇して翼4から吹出される大きな静圧との差である。また、比騒音は単位風量、単位圧力当りの音である。
風量が大きいとき(開放状態と称する)は圧力上昇はほとんどなく、風量が小さくなるに従って圧力上昇が大きくなり、風量がゼロに近くなる(締め切り状態と称する)と、圧力上昇は最大になる。一方、音に関しては、開放状態と締め切り状態との間の所定の風量のときに、比騒音が最小となる動作点が存在する。
図11、図12で示した特性を有するファン1を空気調和機の室内機に実装すると、図6で示した様に、円周方向でファン1の外周1aと熱交換器11の間の距離が不均一となる。ファン1の外周1aと熱交換器11の間の距離が遠い領域、例えば角部領域(A1、A2、A3、A4)では、近い領域と比較して気流同士の衝突が少ないないので通風抵抗が小さくなり、風量(風速)が増加する。即ち、図11(a)のように、気流が主板2側に偏り、回転軸方向Hでの風速差が大きい。一方、ファン1の外周1aと熱交換器11の間の距離が近い領域、例えば直線領域(B1、B2、B3、B4)では、気流衝突による通風抵抗が大きくなり、風量(風速)が減少する。即ち、図11(b)のように、気流がシュラウド3側に曲がりやすくなり、回転軸方向Hでの風速差は小さい。
例えば、図12で、直線領域Bでの風量を、音が小さくなる付近に設定すると、角部領域Aでは、直線領域Bでの風量よりも大きくなり、図の領域Dに示すような動作点で運転することになる。即ち、空気調和機に実装されたファンの流れ場は、ファン1の回転中心6と熱交換器11との距離が近い場所で締め切り状態、遠い場所で開放状態になる。このために騒音が増加してしまう。さらに、熱交換器11との距離が遠い場所では主板2からシュラウド3にかけて軸方向Hの風速差が大きく、最大風速値も高くなる。騒音は最大風速の6乗に比例して大きくなるため、さらに騒音を大きくしていた。そこで、本実施の形態では、図8に示すように、角部領域Aのベルマウス14の上流端28から下流端29aまでの長さ30aを、直線領域Bの上流端28から下流端29bまでの長さ30bよりも長く構成する。例えば、図8(a)では、角部領域Aのベルマウス14の下流端29aを、シュラウド3の軸方向下端と同程度の位置とする。そして、図8(b)では、直線領域Bのベルマウス14の下流端29bを、例えばシュラウド3の軸方向長さの半分程度の位置とする。例えばファン1の直径が480mmの場合には、回転軸方向Hに、2〜4cm程度、角部領域Aのベルマウス14を直線領域Bより長く構成する。ただし、この長さは一例であり、この数値に限定されるものではない。ファン1の外周1aと熱交換器11との距離において、角部領域Aと直線領域Bとの距離の差に応じて通風抵抗に差が生じるので、この距離の差を考慮して決定すればよい。
図13は角部領域Aにおけるベルマウス14の長さによって空気の流れが変化する様子を示す説明図であり、図13(a)はベルマウス14を短くした場合(30c)であり、図13(b)はベルマウス14を長くした場合(30a)である。どちらも角部領域Aとする。図13(a)では、ベルマウス14が回転軸方向Hに短いので、通風抵抗が小さく、風量(風速)が大きくなり、吸込口17から熱交換器11へ流れる気流20cは主板2側に偏っている。これに対し、図13(b)では、ベルマウス14が回転軸方向Hに長いので、通風抵抗が大きく、翼4間に供給される風量が抑制されて小さくなる。このため、主板2側に偏っていた気流が、シュラウド3側にも流れ、回転軸方向Hの風速分布が均一化される。
さらに、ファン1とベルマウス14が重なる領域30dが長くなるため、漏れ流れ36の発生を抑制できる。この漏れ流れ36は、静圧が高いファン出口側34から静圧が低い入口側35へ向かって、ファン1の隙間を通って空気が流れる現象である。ベルマウス14の回転軸方向Hの長さを長くすることで、シュラウド3とベルマウス14の間を通って逆流する漏れ流れ36が抑制されて圧力上昇量が確保される。このため、図12で示した差圧を上昇でき、風量を減少できるので、流れ場は高風量・低昇圧の開放状態であったDから低風量・高昇圧の締め切り状態であるEに変化する。DからEに流れ場が変化することで、ファン1が1回転する間の風速分布の変化が小さくなり、翼4表面の流れ変動が小さくなり、回転によって誘発される騒音が低下する。
ファン1の外周1aと熱交換器11の距離が短い場所では、通風抵抗が大きく風量(風速)が小さい。このため、回転軸方向Hの風速分布は元々均一であり、ベルマウス14を長くする必要はない。直線領域Bでは、図12のBに示したように、動作点が締め切り状態に近いところで運転される。図14は、ベルマウス14を長くした角部領域Aの空気の流れ(図14(a))と、ベルマウス14を短いままの直線領域Bの空気の流れ(図14(b))を比較して示した説明図である。図14(a)では、角部領域Aのベルマウス14の回転軸方向Hの長さを長くしたことで、通風抵抗が大きくなり、直線領域Bの通風抵抗(図14(b))と同等になる。このため、気流20dと気流20eとが同程度の風量で流れ、翼4間を流れる気流20dと気流20eの回転軸方向Hの風速分布も図に示すように同程度になる。
この風速分布で明らかなように、両領域A、Bで風速分布が均一になっている。その結果、ファン1の外周1aと熱交換器11との距離の遠近に関わらず、ファン1が1回転する間の円周方向で流れ状態が均一化され、風速分布の変化が小さくなるため、翼4の表面の流れ変動が小さくなる。このため、回転によって誘発される騒音が低減される。さらに、角部領域Aでは、回転軸方向Hで風速分布も均一化され、同一風量で吹出し最大風速を低減できる。最大風速の6乗に比例して大きくなっていた騒音も、最大風速が小さくなることで低減できる。
また、本実施の形態では、ファン1の吸込み側で流れを制御しているため、従来例の吹出し側に整流板を置く場合に比べ、気流衝突の影響を防止することができる。
以上説明したように、中央部に吸込口17が設けられ、この吸込口17の周辺に複数の吹出口18が設けられる面を有する筐体50、
中央に回転軸6a、6bが固着される主板2、主板2と同心であるドーナツ形状のシュラウド3と、主板2とシュラウド3との間に挟持される複数の翼4とを有すると共に、シュラウド3が吸込口17に対向するように筐体50内に配設され、吸込口17から空気を吸い込んで吹出口18に送風する遠心ファン1、
複数の並列するフィン22と、フィン22のそれぞれを貫通する伝熱管23とを有し、筐体50内の遠心ファン1の外周でフィン22の並列方向Jに遠心ファン1を囲むように配置され、吸込口17から吸い込まれた空気と熱交換する熱交換器11、
吸込口17とシュラウド3との間に設けられ、吸込口17から吸い込まれた空気を複数の翼4間に導くベルマウス14、を備え、
熱交換器11は、フィン22の並列方向Jが吹出口18の長手方向に直線的に伸びる複数の直線部分11cを有し、
熱交換器11の直線部分11cの両端21と遠心ファン1の回転中心6とを結ぶ直線で囲まれる筐体50内の領域を直線領域B、直線領域Bに含まれない領域を角部領域Aとして、筐体50が、複数の直線領域B及び複数の角部領域Aに分割されたとき、ベルマウス14は、回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面24における吸込口17側の上流端28からシュラウド3側の下流端29までの長さについて、少なくとも1つの角部領域Aにおける長さが、直線領域Bにおける長さより長く構成されていることを特徴とすることにより、
ファン1を空気調和機の室内機に搭載したときの風路形状から生じる騒音の増加を抑制することができ、ファン単体の性能を活かして低騒音な空気調和機の室内機が得られる効果がある。
なお、本実施の形態では、ファンの外周1aと熱交換器11の距離の大、小に従って、ベルマウス14の上流端28から下流端29までの回転軸方向Hの長さを長、短とすることを特徴としている。図6では筐体50内の空間を、4つの角部領域Aと4つの直線領域Bとの8領域に分割したが、これに限るものではない。もっと細かく領域を分けてもよい。例えば、4つの角部領域Aと、角部領域Aのそれぞれの両隣に角部に近い領域を設けると、角部に近い領域のファンの外周1aと熱交換器11との距離Lcが、La>Lc>Lbとなる。これに応じて、ベルマウス14の上流端28から下流端29までの長さを、3段階で構成してもよい。もちろんさらに細かく設定することで、さらに翼4間を流れる空気の風速分布を均一化でき、さらに騒音低減の効果を得ることができる。
また、全ての角部領域Aにおいて、ベルマウス14の上流端28から下流端29までの長さを直線領域Bよりも長くしたが、全ての角部領域Aに限るものではない。例えば少なくとも1つの角部領域Aにおいて、ベルマウス14の上流端28から下流端29までの長さを直線領域Bよりも長くすることで、従来よりも騒音を低減できる効果を得ることができる。もちろん、2箇所の角部領域Aや3箇所の角部領域Aにおいて、ベルマウス14の上流端28から下流端29までの長さを直線領域Bよりも長くしてもよい。程度の差はあるが、従来よりも騒音を低減できる効果がある。
また、本実施の形態では、回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面におけるベルマウス14の上流端28から下流端29aまでの長さを変化させる場合、図9に示すように角部領域Aと直線領域Bの境界でベルマウス14の長さを変化させている。ただし、これに限るものではない。回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面におけるベルマウス14の上流端28から下流端29aまでの長さについて、角部領域Aにおける長さの平均が、直線領域Bにおける長さの平均よりも長くなるように構成されればよい。
実施の形態2.
図15は、本発明の実施の形態2に係るベルマウス14の形状と空気の流れを示す説明図であり、図15(a)及び図15(b)のどちらも角部領域Aでの回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面を示している。図において、図14と同一符号は同一、又は相当部分を示す。図15(a)、図15(b)に示す構成は、ベルマウス14の上流端28から下流端29aまでの回転軸方向Hの長さ30aは同様とし、ベルマウス14の下流端29a近傍の形状を異なる形状にしている。ここで、直線領域Bの形状は、図14(b)と同様とする。
即ち、図15(a)に示すベルマウス14の形状は、ベルマウス14の上流端28から回転軸方向Hに円弧状に伸びる曲線を描き、直線開始部27から直線終了部31まで直線を描く。そして、さらに直線終了部31から下流端29aまで再び遠心方向、即ち径方向Iで回転軸6bと反対の方向に円弧状に伸びる曲線形状37で構成する。一方、図15(b)に示すベルマウス14の形状は、実施の形態1における図14(a)と同様であり、ベルマウス14の上流端28から回転軸方向Hに円弧状に伸びる曲線を描き、直線開始部27から下流端29aまで直線形状38を描く。例えば回転軸6bを中心として回転させると、下流端29aの直線形状38でできる全体の軌跡は円筒形状となる。
図15(a)と図15(b)の構成による作用を比較する。図15(b)では円筒形状のベルマウス14を通過した後の気流20dは、ベルマウス14の下流端29aの形状に沿ってそのまま回転軸方向Hに吹出しやすい。これに対し、図15(a)では、ベルマウス14の直線部分に沿って回転軸方向Hに流れ、直線終了部31を通過した気流20fは、下流端29a近傍の曲線形状37によって滑らかに径方向Iに導かれる。このため、翼4間の風路において、空気がシュラウド3側に流れ易くなり、主板2側よりもシュラウド3側により供給される。
実施の形態1では、図15(b)に示すように、角部領域Aのベルマウス14の軸方向長さ30aを長くすると共に、下流端29a近傍の形状を直線形状38とした。ベルマウス14を回転軸方向Hに長くすることで、通風抵抗を大きくし、風量(風速)を小さくしてシュラウド3側に気流を供給しようとする効果が、下流端29a近傍を直線形状38にすることで主板2側に流れやすくなるので、十分に発揮されない。そこで、本実施の形態では、図15(a)に示すように、ベルマウス14の下流端29a近傍を曲線形状37とすることで、回転軸方向Hに流れる気流を径方向Iに滑らかに導き、ベルマウス14を回転軸方向Hに長くすることによる効果を確実に得ることができる。
以上のように、本実施の形態では実施の形態1と同様、回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面において、角部領域Aのベルマウス14の上流端28から下流端29aの回転軸方向Hの長さを、直線領域Bのベルマウス14の上流端28から下流端29bの回転軸方向Hの長さよりも長くしたので、ファン1と熱交換器11との距離の遠近に関わらず風速分布が均一化され、翼表面の流れ変動が小さくなり、ファンの回転によって誘発される騒音が低減される。また、翼間の最大風速を低減できるため、さらに騒音を小さくでき、低騒音な空気調和機を実現することができる。
さらに、実施の形態1に加え、回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面において、角部領域Aのベルマウス14の下流端29aの形状を遠心方向に円弧状に伸びる曲線形状としたので、翼4間の気流をシュラウド3側に確実に導き、遠心ファン1を空気調和機の室内機に搭載したときの風路形状から生じる騒音の増加を抑制することができる効果がある。
なお、全ての角部領域A1〜A4のベルマウス14の下流端29a近傍の形状を遠心方向に円弧状に伸びる曲線形状37とすれば、全ての角部領域A1〜A4で気流をシュラウド3側に確実に導くことができ、効果的である。ただし、4つの角部領域A1〜A4のうちの少なくとも1つの角部領域Aで、ベルマウス14を回転軸方向Hに長く構成した場合、その長くしたベルマウス14の下流端29a近傍の形状を遠心方向に円弧状に伸びる曲線形状37とすれば、その角部領域Aで気流をシュラウド3側に確実に導く効果を得ることができる。また、1つの角部領域Aの全領域で曲線形状37にしなくてもよい。角部領域Aの少なくとも一部のベルマウス14の下流端29a近傍の形状を曲線形状37とすれば、ある程度の効果を得ることができる。
また、例えば、角部領域A1〜A4の全てで、ベルマウス14を回転軸方向Hに長くし、且つ下流端29a近傍を曲線形状37とする場合、曲線形状37の端部が、シュラウド3の回転軸側の角部3aよりも回転軸側に位置するように構成する。このように構成することで、製造工程においてシュラウド3の内側にベルマウス14を挿入する際、スムーズに挿入できる。ただし、4つの角部領域Aのうち、例えば隣り合う2つ角部領域Aで曲線形状37の端部が、径方向Iでシュラウド3の角部3aよりも翼4側に多少伸びていても、製造工程において問題なく挿入できる。また、製造工程でスムーズに挿入できるように、角部領域Aの全領域ではなく一部の下流端29a近傍を曲線形状37としてもよい。
実施の形態3.
図16は、本発明の実施の形態3に係るベルマウス14の形状と空気の流れを示す説明図であり、図16(a)は角部領域Aでの回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面を示し、図16(b)は直線領域Bでの回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面を示している。図において、図15と同一符号は同一、又は相当部分を示す。また、図17(a)は本実施の形態に係るベルマウス14を示す斜視図である。また、図17(b)はベルマウス14を展開して示す展開図であり、17(a)の点線Mで展開して外側から見た図である。
図16(a)に示す角部領域Aのベルマウス14は、上流端28から回転軸方向Hに円弧状に伸びる曲線部39a、下流端29a近傍で遠心方向に円弧状に伸びる曲線部39c、この曲線部39a、39cを接続する直線部39bで構成される。また、図16(b)に示す直線領域Bのベルマウス14も、上流端28から回転軸方向Hに円弧状に伸びる曲線部40a、下流端29b近傍で遠心方向に円弧状に伸びる曲線部40c、この曲線部40a、40cを接続する直線部40bで構成される。さらに、角部領域Aのベルマウス14の上流端28から下流端29aまでの長さ(39a+39b+39c)を、直線領域Bの上流端28から下流端29bまでの長さ(40a+40b+40c)よりも長くしている。例えば、曲線部39aと40aの形状は略同一の形状、即ち上流端28から直線部39b、40bの開始部分27までは略同一の形状である。そして、直線部39bと40bの回転軸方向Hの長さを、直線部39b>直線部40bとする。即ち、直線部開始部分27から直線部終了部分31aまでの直線部39bの長さを、直線部開始部分27から直線部終了部分31bまでの直線部40bの長さより長く構成する。
角部領域Aのベルマウス14は、直線領域Bのベルマウス14に比べて、直線部39bが回転軸方向Hに長くなっていることを特徴としている。このため、角部領域Aの通風抵抗を大きくでき、この部分に供給される風量(風速)を抑制できる。即ち、気流20gと気流20hとが同程度の風量で流れ、翼4間を流れる回転軸方向Hの風速分布も図に示すように均一化される。その結果、ファン1が1回転する間の流れ状態が均一化され、風速分布の変化が小さくなるため、翼4の表面の流れ変動が小さくなる。このため、ファン1の回転によって誘発される騒音が低下される。さらに、角部領域Aでは、回転軸方向Hで風速分布も均一化され、同一風量で吹出し最大風速を低減でき、最大風速の6乗に比例して大きくなる騒音も低減できる。
さらに、角部領域A及び直線領域Bの全周に亘って、ベルマウス14の下流端29a、29b側は曲線部39c、40cを構成する。このため、吸込口17から吸い込んだ回転軸方向Hの気流は、曲線部39c、40cで方向を変更され、径方向Iに流れていく。そして、翼4間を流れ、吹出口18へ吹出す。本実施の形態では、角部領域A及び直線領域Bのどちらにおいても、回転軸方向Hから径方向Iに流れを変える部分で風路に沿って円弧形状39c、40cである。このため、ファン1の全周に亘って空気の流れをスムーズに変更して風路に沿うように導くことができる。
さらに、全周に亘ってベルマウス14の回転軸方向Hの下流端を円弧形状の曲線部39c、40cとしたことで、漏れ流れの発生を抑制できる。即ち、図13(a)で示したように、シュラウド3とベルマウス14との回転軸方向Hの重なりが短かったり、この間の隙間が広く開いていると、静圧が高いファン出口側34から静圧が低い入口側35へ向かって、逆流する漏れ流れ36が発生する。これに対し、本実施の形態では曲線部39c,40cの形状とすることで、シュラウド3とベルマウス14との隙間が狭くなり、漏れ流れ36の発生を抑制できる。このため、ファン出口側と入口側との差圧を上昇でき、流れ場は高風量・低昇圧の開放状態から低風量・高昇圧の締め切り状態に変化する。従って、さらに騒音を低減できる効果がある。
ただし、ベルマウス14の下流端29の形状が、直線領域Bの少なくとも一部で遠心方向に円弧状に伸びる曲線形状40cとし、他の直線領域Bの部分では直線形状としてもよい。ベルマウス14の下流端29bを直線形状とすることで、形状が単純になり、製造しやすい。また、組み立てやすい構成となる。そして、曲線形状40cにした部分では、翼4間の気流をシュラウド3側に確実に導くと共に漏れ流れの発生を抑制できる効果がある。
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1と同様、ベルマウス14は、回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面における吸込口17側の上流端28からシュラウド3側の下流端29までの長さについて、少なくとも1つの角部領域Aにおける長さが、直線領域Bにおける長さより長く構成されていることを特徴とすることにより、ファン1を空気調和機の室内機に搭載したときの風路形状から生じる騒音の増加を抑制することができ、ファン単体の性能を活かして低騒音な空気調和機の室内機が得られる効果がある。
また、本実施の形態では、実施の形態2と同様、回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面において、角部領域Aのベルマウス14の下流端29aの形状を遠心方向に円弧状に伸びる曲線形状としたので、翼4間の気流をシュラウド3側に確実に導き、遠心ファン1を空気調和機の室内機に搭載したときの風路形状から生じる騒音の増加を抑制することができる効果がある。
さらに、ベルマウス14の下流端29の形状が、直線領域Bの少なくとも一部で遠心方向に円弧状に伸びる曲線形状40cであることを特徴とすることにより、翼4間の気流をシュラウド3側に確実に導くと共に漏れ流れの発生を抑制でき、騒音を低減することができる効果がある。
さらにまた、ベルマウス14は、回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面における下流端29の形状が、全周に亘って遠心方向に円弧状に伸びる曲線形状39c、40cに構成されていることを特徴とすることにより、翼4間の気流をシュラウド3側に確実に導くと共に漏れ流れの発生を抑制でき、騒音をさらに低減することができる効果がある。
なお、本実施の形態では、直線部39bと直線部40bの長さを異なるようにしてベルマウス14の回転軸方向Hの長さを、領域Aと領域Bとで異なるように構成したが、これに限るものではない。曲線部39cと曲線部40cの長さも異なるようにしてもよい。曲線部39cと曲線部40cの長さや円弧形状は、互いに異なるように構成できる。曲線部39aと曲線部40aの長さも異なるようにしてもよいが、全体の形状や製造工程を考えると、同じにするほうが好ましい。
実施の形態2と同様、製造工程の観点から、曲線部39c、40cの先端は、シュラウド3の回転軸側の角部3aよりも回転軸側、即ち内周側に位置するように構成するのが好ましい。ただし、角部領域Aの少なくとも一部では、曲線部39cによってシュラウド3の角部3aを囲むように構成してもよい。4つの角部領域A1〜A4のうち、例えば隣り合う2つの角部領域Aの曲線部39cの先端が、径方向Iでシュラウド3の角部3aよりも翼4側に多少伸びていても、製造工程において問題なく挿入できる。
また、ベルマウス14を一体に成形しなくてもよい。例えば、曲線部39a、40a、及び直線部39b、40bまでを一体に成形し、これをシュラウド3の中に挿入した後、曲線部39c、40cを直線部39b、40bに接着や凹凸で勘合させるなどして固着してもよい。また、曲線部39cのみを後で固着してもよい。別体で成形する場合、曲線部39cの先端の位置はどこでもよく、翼4が円滑に回転できる構成であればよい。
実施の形態4.
図18は、本発明の実施の形態4に係るベルマウス14の形状と空気の流れを示す説明図であり、図18(a)は角部領域Aでの回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面を示し、図18(b)は直線領域Bでの回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面を示している。また、図19は、本実施の形態に係るベルマウスを示す斜視図(図19(a))、ベルマウスを展開して示す展開図(図19(b))である。図において、実施の形態1と同一符号は同一、又は相当部分を示す。
図18(a)に示す角部領域Aのベルマウス14は、上流端28から回転軸方向Hに円弧状に伸びる曲線部39a、下流端29a近傍で遠心方向(径方向Iで、回転軸6bと反対の方向)に円弧状に伸びる曲線部39c、この曲線部39a、39cを接続する直線部39bで構成される。また、図18(b)に示す直線領域Bのベルマウス14も、上流端28から回転軸方向Hに円弧状に伸びる曲線部40a、下流端29b近傍で遠心方向に円弧状に伸びる曲線部40c、この曲線部40a、40cを接続する直線部40bで構成される。さらに、回転軸方向Hで、角部領域Aのベルマウス14の上流端28から下流端29aまでの長さ(39a+39b+39c)を、直線領域Bの上流端28から下流端29bまでの長さ(40a+40b+40c)よりも長くしている。例えば、曲線部39aと曲線部40aの形状は同様とすると共に、直線部39bと直線部40bの形状を同様とする。そして、直線部39bと直線部40bの下流側に位置する曲線部39cと曲線部40cの回転軸方向Hの長さを、曲線部39c>曲線部40cとする。特に、この曲線部39cの直線部39bに接続する部分と、曲線部40cの直線部40bに接続する部分は同様の形状とし、曲線部39cは曲線部40cの下流端29bにさらにその円弧形状に沿って連続的に延長する。この時、曲線部39cは、曲線部40cの円弧形状を遠心方向且つ回転軸方向Hに延長し、翼4の回転に支障がない範囲で、例えば径方向Iに主板2と平行になる位置まで延長する。
本実施の形態は、曲線部40cを回転軸方向Hに延長して曲線部39cを構成している。この延長部分によって、突出部14aが構成され、回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面において、角部領域Aのベルマウス14の上流端28から下流端29aの回転軸方向Hの長さが、直線領域Bのベルマウス14の上流端28から下流端29bの回転軸方向Hの長さよりも長くなっている。
角部領域Aのベルマウス14は、直線領域Bのベルマウス14に比べて、曲線部39cが回転軸方向Hに長くなっていることを特徴としている。このため、角部領域Aの通風抵抗を大きくでき、この部分に供給される風量(風速)を抑制できる。即ち、気流20iと気流20jとが同程度の風量で流れ、翼4間を流れる回転軸方向Hの風速分布も図に示すように均一化される。その結果、ファン1が1回転する間の流れ状態が均一化され、風速分布の変化が小さくなるため、翼4の表面の流れ変動が小さくなる。このため、ファン1の回転によって誘発される騒音が低下される。
特に、角部領域Aでベルマウス14を長くした部分が曲線部39cであるため、気流20iを翼4間にスムーズに導くことができる。即ち、気流20iがシュラウド3側に流れやすくなることで、回転軸方向Hで風速分布がさらに均一化される効果がある。
また、実施の形態3と同様、回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面において、角部領域A及び直線領域B共に、ベルマウス14の下流端29a、29b側の形状が径方向Iに滑らかな曲線形状である。このため、シュラウド3側への気流供給が促進され易くなる。また、この曲線部39c、40cによって、シュラウド3とベルマウス14の間の距離が近くなるので、静圧の大きなファン1の吹出し側から静圧の小さな上流側へ、シュラウド3とベルマウス14の間を通る漏れ流れの発生が抑制される。このため、差圧を大きく維持でき、低風量・高圧の締め切り状態を維持し易く、風速分布が均一化されやすくなり騒音を低減できる。
さらに、本実施の形態では、ベルマウス14の全周で、上流側の形状は略同一であり、角部領域Aの曲線部39cを、直線領域Bの下流端29bからその曲面を保ちながら径方向Iに延長すればよい。このため、ベルマウス14の形状が単純化されており、製造が容易である。
また、実施の形態3では、図17に示すように、直線領域Bで曲線部40cが形成されているベルマウス14の円周の形状を見ると、直線部39bと曲線部40cとが交互に形成されている。直線部39bと曲線部40cとの境界は、例えば切込みが形成されている。この部分で、気流が渦になったり衝突したりしてスムーズに流れないことも考えられる。これに対し、本実施の形態では全周に亘って気流がスムーズに流れる構成になっている。
このように、ベルマウス14は、角部領域Aの円弧形状が、直線領域Bの円弧形状を遠心方向且つ前記回転軸方向Hに延長して構成されるものであって、回転軸方向Hに延長されることで、角部領域Aにおける長さが、直線領域Bにおける長さよりも長く構成されることにより、風速分布を均一化でき、低騒音で、製造しやすい構成の空気調和機の室内機が得られる効果がある。
実施の形態5.
図20は、本発明の実施の形態5に係り、空気調和機の室内機を示す正面図である。ファン1が見えるように、ベルマウス14、フィルター15、化粧板16を取り除いて示す。また、図21は図20の角部を結ぶ対角線XXI−XXI線における断面図である。
熱交換器11は、図4及び図5に示すように、直線的に使用するのに適しており、また両端部11a、11bやこの両端部11a、11bの一方から伸びた冷媒用入口・出口配管11dがあるため、ファン1の全周が熱交換器11のフィン22で囲まれることはない。フィン22がない部分(配管部)で、入口・出口配管11dが配置される部分は熱交換に有効でないため、熱交換器11の両端部11a、11b間に例えば金属による仕切り板13が設けられる。仕切り板13によって、回転中心側である内周側と反回転中心側である外周側とに仕切られる。例えば、角部領域A3に設けられる仕切り板13は、回転軸方向Hには筐体50の上から下まで伸びる構成である。仕切り板13の背面、即ちファン1が配置されている側と反対側は配管部12であり、熱交換器11に接続し外部から伝熱管23に冷媒を供給する配管11dなどが格納される。
図6のように筐体50内の空間を領域A、Bに分割する際、熱交換器の直線部分11cの両端21と遠心ファン1の回転中心6とを結ぶ直線で囲まれる筐体50内の領域を直線領域B、直線領域Bに含まれない領域を角部領域Aとしている。仕切り板13を配置する場所は熱交換器の直線部分11cがない場所であり、直線領域Bではなく、角部領域Aに含まれる。
角部領域A3において、翼4によってファン1の外周から吹出した空気は、仕切り板13で遮られ、仕切り板13に当たって熱交換器の両端部11a、11bの方に流れていく。このように、仕切り板13の存在する角部領域A3では、気流が通過できないため、他の角部領域(A1、A2、A4)よりも通風抵抗が大きくなる。
図22は、図20に示す構成の空気調和機の室内機において、従来のベルマウスを装着した場合の翼4から吹出す空気の風速分布を示す説明図であり、気流解析による結果である。図22(a)に示すように翼4間の空間を回転軸方向Hに2等分し、シュラウド3側と、主板2側に吹出し高さを2分する。図22(b)は、筐体50内の分割した領域、角部領域A1〜A4,直線領域B1〜B4で、全体平均風速に対する比を示すグラフであり、横軸に領域の位置、縦軸に対平均風速を示す。主板2側の対平均風速を実線、シュラウド3側の対平均風速を点線で示す。主板2側の対平均風速とシュラウド3側の対平均風速の差が大きいということは、図22(a)に示す回転軸方向Hの分布が偏っていることを示している。
図22(b)から、角部領域A1で主板2側の対平均風速とシュラウド3側の対平均風速の差がもっとも大きく、回転軸方向Hの風速分布が最も偏っていることが明らかである。これは図20に示すように、角部領域A1の回転中心6を中心とした180度の回転対称の位置に仕切り板13が存在し、この部分で通風抵抗が大きくなることが原因と考えられる。仕切り板13に対し、ファン1の回転軸6bを挟んで対向する角部領域A1で風速分布が主板2に偏り、他の角部領域A2〜A4と比較して、図12に示す開放状態に最も近くなる。即ち、角部領域A1で開放特性が最も強くなり、比騒音が大きく、回転軸方向Hで風量(風速)が偏るため、最大風速が増加して、風速の6乗に比例する音が増加すると共に、翼4による風切り音も大きくなる。
図23は本実施の形態に係るベルマウスの形状を示す説明図であり、角部領域A1におけるファン1の回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面を示す。本実施の形態では、角部領域A1において、ベルマウスの上流端28から下流端29aまでの軸方向長さ30eを、4つの角部領域A1〜A4の中で最も長くしている。即ちベルマウス14の長さは、A1>A2=A3=A4>B1=B2=B3=B4を満足するように構成した。このため、角部領域A1〜A4のうちで、仕切り板13の回転軸6bを挟んで対向する角部領域A1で、通風抵抗が最も大きくなる。即ち、最も風量が大きくなっている角部領域A1で、他の角部領域A2、A3、A4よりも風量の低減化を図ることで、結果として全ての領域A1〜A4、B1〜B4で風量が均一化される。従って、翼4が回転して隣の領域B4、領域A1,次の領域B1と通過する際、翼4の風切り音が低減され、領域A1〜A4での最大風速も領域B1〜B4と同様になり、風速の6乗に比例する騒音も低下する。
本実施の形態では、室内機の構成の都合で仕切り板13があるために、その反対側の領域で風量が大きくなることに対して、角部領域A1のベルマウス14の回転軸方向Hの長さを最も長くなるようにして、騒音の低減を図った。ただし、これに限るものではない。ファン1の吸込口17から空気を吸い込んで、翼4間、ファン1の外周1a、熱交換器11、吹出口18に到る風路において、ファン1の外周1a付近を流れる空気の風量に応じてベルマウス14の回転軸方向Hの長さを決定すればよい。例えば、角部領域A2で、熱交換器11の外側に結露水を溜める水溜めなどが配置されている場合には、ファン1の外周1aと熱交換器11との距離が角部領域A4よりも短くなる。このため、角部領域A4と比較して角部領域A2の通風抵抗が高くなる。この場合には、ベルマウス14の回転軸方向Hの長さをA1>A4>A3=A2>B1=B2=B3=B4のように構成してもよい。
また、図22(b)の解析結果に基づいて、領域A、Bのそれぞれにおいてベルマウス14の長さを異なるようにしてもよい。風速分布の偏りが大きいところで、ベルマウス14の回転軸方向Hの長さが長くなるように構成すればよい。
また、ベルマウス14の断面形状は、図23に示す形状に限るものではなく、実施の形態2〜実施の形態4で示したような下流端29a近傍の形状を遠心方向に円弧状に伸びる曲線形状としてもよい。
以上のように、ベルマウス14は、仕切り板13が設けられている角部領域A3と回転軸6bを挟んで対向する角部領域A1における長さが、複数の角部領域A1〜A4の中で最も長く構成されていることを特徴とすることにより、流れ場を高風量・低昇圧の開放状態から低風量・高昇圧の締め切り状態に近づけることができ、風速分布をさらに均一化できる。その結果、空気調和機の低騒音効果をさらに得ることができる。
実施の形態6.
図24は、本発明の実施の形態6に係るベルマウス14を示す図であり、図24(a)は斜視図、図24(b)は図24(a)の点線Mで広げて展開し、外側から示す展開図である。このベルマウス14の下流側且つ外周側に遠心ファン1の翼4が配設される。図に示す矢印Fは翼4の回転方向を示しており、矢印Nはベルマウス14の円周方向を示す。
図24では、突出部14aを、角部領域Aの下流端29aと直線領域Bの下流端29bの間で、滑らかに変化するような形状にする。翼4の回転方向Fを考慮し、翼4が回転する時に生じる気流が段差に対向しないように、例えば直線的に滑らかに変化させている。この例では、突出部14aの形状は展開図で直角三角形を成す。
図25は、本実施の形態に係るベルマウス14の突出部14aを拡大して示す説明図である。図25(a)は実施の形態1で示した突出部14aを拡大して示す。突出部14aは、下流側に突出する基端となる突出基端41a,41bと、最も下流側に位置する突出先端42a,42b、及び突出基端41a,41bと突出先端42a,42bを接続する突出接続部29c、29dで構成される。翼4が回転する方向Fに対して、突出接続部29cは後側に位置し、これを後側突出接続部と称する。一方、突出接続部29dは前側に位置し、これを前側突出接続部と称する。図25(a)に示した突出部14aの形状は、翼4が回転する方向Fに対して、後側突出接続部29cで接続される突出先端42aと突出基端41aが略同じ位置にある。これは突出部14aの形状において、直線領域Bの下流端29bと後側突出接続部29cとが略90度の角度の段差を成すことを示している。
この段差は、ファン1の回転によって生じる旋回流れに対向することになり、後側突出接続部29cに向かって流れてきた気流43aが後側突出接続部29cにぶつかる。この衝突によって干渉音が大きくなる可能性がある。そこで、図25(b)に示す突出部14aではファンの回転によって生じる旋回流れに対向しないように、後側突出接続部29cを滑らかに変化させる。例えば、図25(b)に示した突出部14aは、翼4が回転する方向Fに対して、後側突出接続部29cで接続される突出先端42aが突出基端41aよりも前側に前進させた形状である。後側突出接続部29cに向かって流れてきた気流43cは、後側突出接続部29cの傾斜に沿って徐々に向きを変えて流れていく。このように旋回流が後側突出接続部29cに衝突するのを防止できるので、ベルマウス14の下流端29a、29b付近の形状による気流の乱れを防止でき、気流衝突による騒音の増加を防ぐことができる。
図25(c)に示す構成でも図25(b)と同様、後側突出接続部29cに向かって流れてきた気流43cの向きを、後側突出接続部29cの傾斜に沿って徐々に変え、スムーズに下流側に流れていく。このように旋回流が後側突出接続部29cに衝突するのを防止できるので、ベルマウス14の下流端29a、29b付近の形状による気流の乱れを防止でき、気流衝突による騒音の増加を防ぐことができる。
直線領域Bの下流端29bと後側突出接続部29cとのなす角度が90度及び鋭角でなく、90度よりも大きい鈍角で構成すれば、上記と同様の効果を得ることができる。即ち、突出部14aの後側突出接続部29cの形状において、突出先端42aが、突出基端41aよりも方向Fに前進して配置されれば、方向Fに流れる気流の方向を徐々に下流に導くことができる。この後側突出接続部29cの突出先端42aと突出基端41a間の形状は、ここでは直線としたが、緩やかな曲線形状でもよい。
このように、ベルマウス14は、長さが直線領域Bよりも長い角部領域Aの下流端29aに、下流端側に突出する突出部14aを有する形状であって、突出部14aは、下流側に突出する基端となる突出基端41a,41b、最も下流側に位置する突出先端42a,42b、及び突出基端41a,41bと突出先端42a,42bを接続する突出接続部29c,29dを有し、翼4が回転する方向Fに対して前側に位置する前側突出接続部29dと後側に位置する後側突出接続部29cのうち、後側突出接続部29cで接続される突出基端41aと突出先端42aにおいては、突出先端42aが、突出基端41aよりも翼4が回転する方向Fに前進して構成されることを特徴としたので、気流衝突による騒音の増加を防ぐことができ、実施の形態1〜実施の形態5のそれぞれの効果が確実に得られ、低騒音な空気調和機の室内機を実現できる効果がある。
図26は、本実施の形態に係るベルマウス14の別の構成例を示す図であり、図26(a)は斜視図、図26(b)は図26(a)の点線Mで広げて展開し、外側から示す展開図である。この突出部14aの形状は展開図で台形を成し、図25(c)で示した形状である。前述のように、後側突出接続部29cが滑らかな傾斜した形状であるので、後側突出接続部29cに向かって流れてきた気流43cは、後側突出接続部29cの傾斜に沿って徐々に向きを変えて流れていく。さらに、図26に示す突出部14aの形状は、翼4の回転方向Fに対し、後側突出接続部29cだけではなく、前側突出接続部29dも直線的に滑らかに変化している。
図25(a)、(b)に示す突出部14aは、翼4が回転する方向Fに対して、前側突出接続部29dで接続される突出先端42bと突出基端41bが略同じ位置にある。これは突出部14aの形状において、直線領域Bの下流端29bと前側突出接続部29dとが略90度の角度の段差を成すことを示している。この段差は、ファン1の回転によって生じる気流に対し、急激な窪みを形成することになり、前側突出接続部29dで流れが乱れ、渦43bが発生する可能性がある。この気流の乱れによって騒音が大きくなったり効率が悪くなったりする。
図25(c)及び図26では、前側突出接続部29dの形状も例えば直線的に徐々に変化させ、下流端29bに対して鈍角で交わるように構成している。上流から流れる気流は、前側突出接続部29dの傾斜に沿って徐々に向きを変えて気流43dのように下流側に流れていく。このように前側突出接続部29d付近で渦が発生するのを防止できるので、ベルマウス14の下流端29a、29b付近の形状による気流の乱れを防止でき、気流衝突による騒音の増加を防ぐことができる。
直線領域Bの下流端29bと前側突出接続部29dとのなす角度が90度及び鋭角でなく、90度よりも大きい鈍角で構成すればよい。即ち、突出部14aの前側突出接続部29dの形状において、突出基端41bが、突出先端42bよりも方向Fに前進して配置されれば、方向Fに流れる気流の方向を徐々に下流に導くことができる。この前側突出接続部29dの突出先端42bと突出基端41b間の形状は、ここでは直線としたが、緩やかな曲線形状でもよい。
このように、前側突出接続部29dで接続される突出基端41bと突出先端42bにおいては、突出基端41bが、突出先端42bよりも翼4が回転する方向Fに前進して構成されることを特徴としたので、気流衝突による騒音の増加をさらに防ぐことができ、実施の形態1〜実施の形態5のそれぞれの効果が確実に得られ、低騒音な空気調和機の室内機を実現できる効果がある。
図27は本実施の形態に係る別の構成例のベルマウスを示す展開図である。図27に示すように、ベルマウス14の下流端29a、29bを、円周方向Nで全体的に滑らかに変化させてもよい。即ち、角部領域A1〜A4では、領域の円周方向Nの中央でベルマウス14の上端部28から下端部29aの長さを長さ30aとする。そして、直線領域B1〜B4では、領域の円周方向Nの中央でベルマウス14の上端部28から下端部29bの長さを長さ30bとする。長さ30a>長さ30bとし、さらに角部領域Aの中央部分と直線領域Bの中央部分とを滑らかに接続するようにベルマウス14の下流端29a、29bを構成する。ベルマウス14の下流端29a、29bを、円周方向Nで全体的に滑らかに変化させる構成によって、気流の乱れを防止して騒音を低減することができる。このため、空気調和機の室内機の低騒音化を図ることができる。
ここでは、図24、図26、図27は、例えば実施の形態1の図9に対して下流端29a、29bを滑らかに構成した例について示した。もちろん、下流端29a、29bを円弧形状とした構成例のベルマウス14(図17、図19)などについても同様であり、ベルマウス14の下流端29a、29bの長さを異なるようにした構成に対して、同様に適用できる。即ち、回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面で、ベルマウス14の上流端28から下流端29a、29bまでの長さを、円周方向Nで滑らかに変化させるように構成すればよい。
円弧状に構成することで、気流を回転軸6b方向でシュラウド3側に導き、さらにシュラウド3とベルマウス14の隙間を通る漏れ流れの発生も抑制できる。これに加えて本実施の形態に示すベルマウス14の下端部29a、29bを円周方向Nで滑らかな形状にすることで、ベルマウス14の下流端29a、29b付近での気流が乱れるのを防ぎ、さらに低騒音化を図ることができる。
また、図28(a)、(b)に示すように、突出部14aが直線領域Bにかかっても、図24、図26と同様の効果を奏する。突出部14aのうち、少なくとも最も突出している部分は角部領域A内に位置するように構成すればよい。即ち、図28(a)のように、展開図で三角形の突出部14aを有する場合、頂点は角部領域A内に位置し、斜辺の一部は直線領域Bに位置してもよい。また、図28(b)のように、展開図で台形の突出部14aを有する場合、上底は角部領域A内に位置し、斜辺の一部は直線領域Bに位置してもよい。このように突出部14aを位置した場合でも、角部領域Aのベルマウスの平均的な長さは直線領域Bの平均的長さよりも長くなる。
実施の形態7.
図29は本発明の実施の形態7による空気調和機の室内機に係り、筐体50内の空間を複数の領域に分割した状態を示す説明図で、ファンが見えるように、ベルマウス14、フィルター15、化粧板16を取り除いて、室内機を正面から見た図である。
実施の形態1では、天井埋め込み型の空気調和機であって、吹出口18がファン1の周辺の四方向に設けられている室内機について述べた。本実施の形態では、吹出口18がファン1の周辺の二方向に設けられている室内機について説明する。吹出口18以外の構成は、実施の形態1と略同様である。
吹出口18の長手方向と平行な方向にフィンの並列方向Jが伸びる直線部分11cの両端を直線端25とする。この直線端25と回転中心6とを結ぶ直線(図では点線)で囲まれる領域、例えば平面図で略三角形の領域を直線領域Bとする。図29では直線領域B1、B2である。そして、この直線領域B1、B2に含まれない領域を角部領域Aとする。図29では角部領域A1、A2であり、この部分は筐体50の平面図を見た場合に角部に位置するものではないが、角部領域として取り扱う。このように、筐体50内の空間を複数の直線領域B1、B2と複数の角部領域A1、A2とに分割する。そして、実施の形態1〜実施の形態6における、直線領域Bのベルマウス14の形状を直線領域B1、B2に適用し、角部領域Aのベルマウス14の形状を角部領域A1、A2に適用する。
即ち、回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面におけるベルマウス14の上流端28から下流端29までの長さを、角部領域A1、A2で直線領域B1、B2よりも長く構成する。このとき、角部領域A1、A2の長さが直線領域B1、B2の長さよりも長く構成すればよい。
このような二方向に吹出口18を有する室内機では、実施の形態1と同様、ファンの外周1aと熱交換器11との距離は、直線領域B1、B2での距離Lbよりも角部領域A1、A2での距離Laのほうが遠い構成となる。直線領域B1、B2の通風抵抗は大きく、角部領域A1、A2の通風抵抗は小さいので、風量(風速)が異なり、周方向で不均一となって動作音が大きくなる。そこで、実施の形態1と同様、図14に示すように、回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面において、角部領域A1、A2のベルマウス14の上流端28から下流端29aの回転軸方向Hの長さを、直線領域B1、B2のベルマウス14の上流端28から下流端29bの回転軸方向Hの長さよりも長くすればよい。角部領域A1、A2で長く構成することで、ファン1と熱交換器11との距離の遠近に関わらず風速分布が均一化され、翼4表面の流れ変動が小さくなり、ファン1の回転によって誘発される騒音が低減される。また、角部領域A1、A2での翼4間の最大風速を低減できるため、さらに騒音を小さくでき、低騒音な空気調和機の室内機を実現することができる。
以上のように、熱交換器11の直線部分11cの両端25と遠心ファン1の回転中心6とを結ぶ直線で囲まれる筐体50内の領域を直線領域B、直線領域Bに含まれない領域を角部領域Aとして、筐体50が、複数の直線領域B1、B2及び複数の角部領域A1、A2に分割されたとき、ベルマウス14は、回転軸6bを含んで回転軸6bに平行な断面における吸込口17側の上流端28からシュラウド3側の下流端29a、29bまでの長さについて、少なくとも1つの角部領域Aにおける長さが、直線領域Bにおける長さより長く構成されていることを特徴とすることにより、通風抵抗を均一化し、低騒音な空気調和機の室内機を得ることができる。
また、この構成の室内機においても、実施の形態2〜実施の形態6を適用すれば、それぞれの実施の形態における効果と同様の効果を得ることができる。
図6、図29に示すように、吹出口18は強度の関係上、1つの長い吹出口ではなく、複数に分割して構成されている場合もある。筐体50の空間を直線領域Bと角部領域Aに分割する場合、長手方向が同一になる吹出口18は1つの吹出口と見なして領域に分割すればよい。また、吹出口18が矩形形状ではなく、例えば楕円形状であっても、長く伸びている方向を長手方向と見なせばよい。
なお、実施の形態1〜実施の形態7のそれぞれにおいて、翼4が7枚のものを示したが、翼の枚数はこれに限るものではない。
また、実施の形態1〜実施の形態7のそれぞれにおいて、ベルマウス14の回転軸方向Hの長さについて、角部領域Aの長さを直線領域Bの長さよりも長く構成する際、角部領域Aの長さとは、角部領域Aでの平均的な長さであり、直線領域Bの長さとは、直線領域Bでの平均的な長さを意味する。
1 遠心ファン
2 主板
3 シュラウド
4 翼
6 回転中心
6a、6b 回転軸
10 モータ
11 熱交換器
11a、11b 熱交換器両端部
11c 直線部分
11d 入口・出口配管
12 配線領域
13 仕切り板
14 ベルマウス
14a 突出部
17 吸込口
18 吹出口
29c 後側突出接続部
29d 前側突出接続部
37 曲線形状
38 直線形状
39b、40b 直線部
39c、40c 曲線部
41a、41b 突出基端
42a、42b 突出先端
A、A1〜A4 角部領域
B、B1〜B4 直線領域

Claims (7)

  1. 中央部に吸込口が設けられ、この吸込口の周辺に複数の吹出口が設けられる面を有する筐体、
    中央に回転軸が固着される主板と、前記主板と同心であるドーナツ形状のシュラウドと、前記主板と前記シュラウドとの間に挟持される複数の翼とを有すると共に、前記シュラウドが前記吸込口に対向するように前記筐体内に配設され、前記吸込口から空気を吸い込んで前記吹出口に送風する遠心ファン、
    複数の並列するフィンと、前記フィンのそれぞれを貫通する伝熱管とを有し、前記筐体内の前記遠心ファンの外周で前記フィンの並列方向に前記遠心ファンを囲むように配置され、前記吸込口から吸い込まれた空気と熱交換する熱交換器、
    前記吸込口と前記シュラウドとの間に設けられ、前記吸込口から吸い込まれた空気を前記複数の翼間に導くベルマウス、を備え、
    前記熱交換器は、前記フィンの並列方向が前記吹出口の長手方向に直線的に伸びる複数の直線部分を有し、
    前記熱交換器の直線部分の両端と前記遠心ファンの回転中心とを結ぶ直線で囲まれる前記筐体内の領域を直線領域、前記直線領域に含まれない領域を角部領域として、前記筐体が、複数の前記直線領域及び複数の前記角部領域に分割されたとき、前記ベルマウスは、前記回転軸を含んで前記回転軸に平行な断面における前記吸込口側の上流端から前記シュラウド側の下流端までの長さについて、少なくとも1つの前記角部領域における前記長さが、前記直線領域における前記長さより長く構成されているものであって、
    前記複数の角部領域の1つで、前記熱交換器の両端部間に設けられ、この角部領域を内周側と外周側とに仕切ると共に、前記外周側に前記熱交換器の端部から伸びた配管が配置される仕切り板を備え、
    前記ベルマウスは、この仕切り板が設けられている角部領域と前記回転軸を挟んで対向する角部領域における前記長さが、前記複数の角部領域の中で最も長く構成されていることを特徴とする空気調和機の室内機。
  2. 前記ベルマウスは、前記回転軸を含んで前記回転軸に平行な断面における下流端の形状が、少なくとも1つの前記角部領域の少なくとも一部で遠心方向に円弧状に伸びる曲線形状に構成されていることを特徴とする請求項1記載の空気調和機の室内機。
  3. 前記ベルマウスの下流端の形状が、前記直線領域の少なくとも一部で遠心方向に円弧状に伸びる曲線形状であることを特徴とする請求項2記載の空気調和機の室内機。
  4. 前記ベルマウスは、前記回転軸を含んで前記回転軸に平行な断面における下流端の形状が、全周に亘って遠心方向に円弧状に伸びる曲線形状に構成されていることを特徴とする請求項1記載の空気調和機の室内機。
  5. 前記ベルマウスは、前記角部領域の円弧形状が、前記直線領域の円弧形状を遠心方向且つ前記回転軸方向に延長して構成されるものであって、前記回転軸方向に延長されることで、前記角部領域における前記長さが、前記直線領域における前記長さよりも長く構成されることを特徴とする請求項4記載の空気調和機の室内機。
  6. 前記ベルマウスは、前記長さが前記直線領域よりも長い前記角部領域の下流端に、下流端側に突出する突出部を有する形状であって、
    前記突出部は、下流側に突出する基端となる突出基端、最も下流側に位置する突出先端、及び前記突出基端と前記突出先端を接続する突出接続部を有し、前記翼が回転する方向に対して前側に位置する前側突出接続部と後側に位置する後側突出接続部のうち、前記後側突出接続部で接続される前記突出基端と前記突出先端においては、前記突出先端が、前記突出基端よりも前記翼が回転する方向に前進して構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の空気調和機の室内機。
  7. 前記前側突出接続部で接続される前記突出基端と前記突出先端においては、前記突出基端が、前記突出先端よりも前記翼が回転する方向に前進して構成されていることを特徴とする請求項記載の空気調和機の室内機。
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