JP5082584B2 - 反射型液晶表示媒体及び液晶層の反射ピーク波長設定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、反射型液晶表示媒体及び液晶層の反射ピーク波長設定方法に関する。
コレステリック液晶は、棒状分子からなる螺旋構造を有し、螺旋ピッチが光学波長オーダーの場合には特定波長付近の可視光を選択的に反射する。この現象は、コレステリック液晶の選択反射として知られている。選択反射の反射率は、電気、磁気、光、熱、応力などにより螺旋軸の方向を制御し、または螺旋構造そのものを破壊/生成することによって、変化させることができる。これによって反射光をオンオフ制御するのが、コレステリック液晶を用いた反射型液晶表示媒体である。
コレステリック液晶を用いた反射型液晶表示媒体は、外光を照明として利用して表示を行う表示素子であるので、照明用の電力を必要とせず、低消費電力である。しかも、無電源で表示を保持できるメモリ性を有すること、そのため駆動に薄膜トランジスタなどの高価なアクティブマトリクス基板を必要としないこと、樹脂基板などのフレキシブル基板を利用できること、偏光板を用いないことから反射率が高く鮮明な表示が可能であること、などの特長を有する。
この場合、光の3原色である青色光、緑色光、赤色光を選択反射する3つのコレステリック液晶層を積層することによって、多色表示の反射型液晶表示媒体を得ることができる。この反射型液晶表示媒体では、青色光、緑色光、赤色光を選択反射する各々のコレステリック液晶層のうちの1つを反射状態にし、他の2つを無色状態にすることによって、青色、緑色または赤色の表示が得られる。また、青色光、緑色光、赤色光を選択反射する各々のコレステリック液晶層のうちの2つを反射状態にし、他の1つを無色状態にすることによって、シアン、マゼンタまたは黄色の表示が得られる。さらに、青色光、緑色光、赤色光を選択反射する各々のコレステリック液晶層のすべてを反射状態にすることによって、白色表示が得られ、逆にすべてを無色状態にすれば、観察側と反対側の光吸収層によって、黒色表示が得られる。
上記コレステリック液晶層を複数積層した反射型カラー液晶表示媒体において、ITO透明電極の光吸収が短波長ほど大きくなることを考慮して、観察者側から、液晶層を反射光が青緑赤の順で積層することが提案されているが、この構造では、下層ほど光散乱や層界面の反射の影響により反射光量が減少してしまい白に青味がかってしまう。
これに対し、コレステリック液晶層を複数積層し、いずれの液晶層の選択反射ピーク、半値幅、反射率とも隣接する観察者側の液晶層のそれらより大きく、全ての液晶層が最大反射状態でのXYZ表色系における色度座標が標準白色点から距離を0.02以内の範囲に存在させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、白の反射率を低下させずに色味を改善する目的で、黄色光を選択反射する液晶層を追加する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。これにより青色光反射層及び緑色光反射層の反射光量を抑えることなしに、色味が改善され、白反射率が改善された。
また、コレステリック液晶の選択反射は円偏光の片側しか利用できないため、反射強度は最大でも50%を超えることはなく、白の反射強度には問題があったが、選択反射の波長域が隣合う層の液晶のカイラリティーを逆とすることにより、選択反射の波長域が重なる領域で隣の選択反射の影響を受けなくなるため、各層の反射率が有効に利用され、白の反射率が大幅に改善されている(例えば、特許文献2、3参照)。
さらに、各色光を反射する液晶層の色純度の改善と、視野角による色ずれを防ぐ目的で、反射色光よりも短波長域の光を吸収するフィルターを、各色光を反射する液晶層の観察者側に挿入することが開示されている(例えば、特許文献4〜6参照)。
特許第3493454号明細書 特許第3700756号明細書 特許第3599089号明細書 特許第3480428号明細書 特許第3493454号明細書 特許第3716935号明細書
本発明の目的は、液晶層にコレステリック液晶を用いた場合でも、良好な白反射率と白色バランスとを有し、さらには視野角により白色バランスが崩れない反射型液晶表示媒体、及び、該反射型液晶表示媒体に用いる液晶層の反射ピーク波長設定方法を提供することである。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち本発明の請求項1に係る発明は、青色光、緑色光、赤色光をそれぞれ選択反射する各液晶層LB、LG、LRを、この順序で観察側から順に積層し、さらにこれらの液晶層間に黄色光を反射する液晶層LYを有して構成され、
前記各液晶層が選択反射の波長域が隣り合う色光ごとに逆向きの旋光を利用し、
前記液晶層LR及び液晶層LGの単独での各分光反射率のピーク波長をλR及びλGとしたとき、前記液晶層LYの単独での分光反射率のピーク波長λYが、(λR+λG)/2より大きい反射型液晶表示媒体である。
請求項2に係る発明は、前記青色光、緑色光、赤色光をそれぞれ選択反射する各液晶層LB、LG、LRを積層した状態で、液晶層LRの反射率を最大とし液晶層LGの反射率を最低としたときの液晶層LRの分光反射率のピーク波長をλr、液晶層LRの反射率を最低とし液晶層LGの反射率を最大としたときの液晶層LGの分光反射率のピーク波長をλgとしたとき、
前記液晶層LYの単独での分光反射率のピーク波長λYが、下記式(1)の関係を満たす請求項1に記載の反射型液晶表示媒体である。
(λr−λ)/(λr−λg)=(λR−λY)/(λR−λG) ・・・ 式(1)
上記式において、λは前記液晶層LB、LG、LRを積層した状態での液晶層LR及び液晶層LGの分光反射率の反射強度が等しくなるときの波長を表す。
請求項3に係る発明は、前記液晶層LYが、液晶層LG及び液晶層LR間に配置され、
前記液晶層LYの観察側に特定波長域以下の光を吸収するフィルターが設けられ、該フィルターのカットオフ波長が、前記液晶層LYの単独での分光反射率における半値幅に対応する2つの波長の短波長側の波長である請求項1または2に記載の反射型液晶表示媒体である。
本発明の請求項1に係る発明によれば、液晶層にコレステリック液晶を用いた場合でも、良好な白反射率と白色バランスとを有する反射型液晶表示媒体を提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、より適正な白色バランスを有する反射型液晶表示媒体を得ることができる。
請求項3に係る発明によれば、さらに視野角により白色バランスが崩れない反射型液晶表示媒体を得ることができる
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の反射型液晶表示媒体は、青色光、緑色光、赤色光をそれぞれ選択反射する各液晶層LB、LG、LRを、この順序で観察側から順に積層し、さらにこれらの液晶層間に黄色光を反射する液晶層LYを有して構成され、前記各液晶層が選択反射の波長域が隣り合う色光ごとに逆向きの旋光を利用し、前記液晶層LR及び液晶層LGの単独での分光反射率のピーク波長をλR及びλGとしたとき、前記液晶層LYの単独での分光反射率のピーク波長λYが、(λR+λG)/2より大きいことを特徴とする。
また、本発明の液晶層の反射ピーク波長設定方法は、上記反射型液晶表示媒体において、前記各液晶層LB、LG、LRを積層した状態で、液晶層LRの反射率を最大とし液晶層LGの反射率を最低としたときの液晶層LRの分光反射率のピーク波長をλr、液晶層LRの反射率を最低とし液晶層LGの反射率を最大としたときの液晶層LGの分光反射率のピーク波長をλgとしたとき、前記液晶層LYの単独での分光反射率のピーク波長λYを、下記式(1)の関係を満たすように設定することを特徴とする。
(λr−λ)/(λr−λg)=(λR−λY)/(λR−λG) ・・・ 式(1)
なお、上記式(1)において、λは前記液晶層LB、LG、LRを積層した状態での液晶層LR及び液晶層LGの分光反射率の反射強度が等しくなるときの波長を表す。
前記のように、前記青色光、緑色光、赤色光をそれぞれ選択反射する各液晶層を積層した反射型液晶表示媒体においては、白色表示の色味を改善するためにこれらの液晶層間に黄色光を反射する液晶層を設けることが有効である。しかし実際には、選択反射の波長域が隣合う緑色光、赤色光を各々反射する液晶層の反射ピーク波長と反射強度により影響を受けるため、例えば、黄色光を反射する液晶層のピーク波長が赤色光を反射する液晶層のピーク波長に近いと赤味がかった白に、逆に、緑色光を反射する液晶層のピーク波長に近いと緑がかった白になってしまう。
このため、黄色光を反射する液晶層の反射ピーク波長を最適化する必要がある。また、白バランスを考慮して黄色光を反射する液晶層の反射ピーク波長を適正に設定したとしても、視野角によって白バランスが崩れるという問題があることから、これに対しても対応する必要がある。
本発明は、上記の要求に対応させるものである。以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。なお、前記液晶層の反射ピーク波長設定方法については、下記の反射型液晶表示媒体に併せて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る反射型液晶表示媒体の模式断面図である。本実施形態では、図の矢印で示す観察側から順に、青色光反射パネル40、緑色光反射パネル60および赤色光反射パネル70を積層し、青色光反射パネル40と緑色光反射パネル60との間に黄色光反射パネル50を設けた構成となっている。
また、赤色光反射パネル70の裏面(図面下側)には黒色の遮光層35を、観察側には赤色フィルター32を形成するとともに、黄色光反射パネル50の観察側には黄色フィルター31を形成している。
なお、前記青色光、緑色光、黄色光、赤色光とは、それぞれ400〜500nm,500〜600nm,550〜650nm,600〜700nmの波長域にピークを有する色光を意味する。ただし、上記において各色のピーク波長の位置は必ず前記の順となっており、またこれらのピーク波長が重なることはない。
また、図において、符号11〜18は透明基板であり、各透明基板の液晶層側に設けられた(各液晶層の両面に配置される)電極は省略している。この点は以下の他の実施形態でも同様である。
青色光反射パネル40は、それぞれ透明電極を形成した2枚の透明基板11,12間に、青色光を選択反射する右ねじれのコレステリック液晶からなる液晶層21(LB)を形成したものであり、緑色光反射パネル60は、それぞれ透明電極を形成した2枚の透明基板15,16間に、緑色光を選択反射する左ねじれのコレステリック液晶からなる液晶層23(LG)を形成したものであり、赤色光反射パネル70は、それぞれ透明電極を形成した2枚の透明基板17,18間に、赤色光を選択反射する左ねじれのコレステリック液晶からなる液晶層35(LR)を形成したものである。
そして、青色光反射パネル40と緑色光反射パネル60との間に配置された黄色光反射パネル50は、それぞれ透明電極を形成した2枚の透明基板13,14間に、黄色光を選択反射する右ねじれのコレステリック液晶からなる液晶層22(LY)を形成したものである。
上記反射型液晶表示媒体では、青色、緑色または赤色の表示時には、青色光、緑色光または赤色光を各々反射する液晶層21,23または24のみを反射状態にし、シアン表示時には、青色光および緑色光を反射する液晶層21および23を反射状態にし、マゼンタ表示時には、青色光および赤色光を反射する液晶層21および24を反射状態にする。黄色表示時には、(1)黄色光を反射する液晶層22のみを、または(2)緑色光および赤色光を反射する液晶層23および24を、あるいは(3)黄色光、緑色光および赤色光を反射する液晶層22,23および24を、反射状態にするが、高反射率を得る上では(3)が望ましい。
さらに、白色表示時には、青色光、黄色光、緑色光、赤色光を反射する液晶層21,22,23,24のすべてを反射状態にする。また、該すべての液晶層を無色状態にすれば、遮光層35によって、黒色表示が得られる。
この場合、観察側と反対側(図面下側)の液晶層ほど大きな光損失を受けるため、青色光、黄色光、緑色光、赤色光を各々反射する液晶層21,22,23,24の反射スペクトル(分光反射率)は、図2に青色101、黄色104、緑色102、赤色103の各反射スペクトルとして示すように、液晶層21,22,23,24の順に反射率が低くなる。
そして、白色表示時には、液晶層21,22,23,24のすべてが反射状態にされるので、白色表示時の反射スペクトルは、図2の105として示すように、液晶層21,22,23,24の反射スペクトルが合成された、約470〜630nmにかけてほぼ平坦な反射スペクトルとなる。この場合、前記のように青色101、緑色102、赤色103の順に反射率が低くなるため、全体として緑色から赤色にかけての波長域での反射率が低下する分を、黄色光を反射する液晶層22に基づく反射スペクトル104によって補っている。
しかし、上記のような白色バランスに優れた反射スペクトル105を得るためには、緑色光、赤色光の反射スペクトル102、103との関係で、黄色光の反射スペクトル104において最適な反射ピーク波長があり、例えば、黄色光の反射スペクトル104の反射ピーク波長を図における破線104’のようにシフトするだけで、合成された反射スペクトルが破線105’のようになり、微妙なシフトにより白色バランスが崩れ、例えば緑がかった白色となってしまう。したがって前記目的のために、緑色102及び赤色103の反射スペクトルの各々のピーク波長間に、適当にピーク波長を設定した黄色光を反射する液晶層22を設けても、必ずしも良好な白色バランスの白色表示とすることができない。
本実施形態では、上記を考慮し、黄色光を反射する液晶層22の分光反射率のピーク波長を最適に設定する。具体的に図を用いて説明する。
図3は、液晶層ごとの反射スペクトルを示し、(a)は青色光、緑色光、赤色光、黄色光を各々反射する単独の各液晶層の反射スペクトル111、112、113、114を示し、(b)は上記青色光、緑色光、赤色光、黄色光を反射する各液晶層を積層した状態での液晶層ごとの反射スペクトル101、102、103、104を示す。
本実施形態においては、図3(a)に示すように、黄色光を反射する液晶層22(LY)の単独での分光反射率のピーク波長をλY、赤色光を反射する液晶層24(LR)及び緑色光を反射する液晶層23(LG)の単独での分光反射率のピーク波長をλR及びλGとしたとき、λYを(λR+λG)/2より大きくなるように設定する。
これにより、各液晶層を積層時には図3(b)に示すように、表示媒体の構成により緑色光の反射スペクトル102の反射強度に比べ赤色光の反射スペクトル103の反射強度が低くなるが、黄色光の反射スペクトル104のピーク波長を赤色光の反射スペクトル寄りにすることができ、各色を合成した反射スペクトル105において約600nm以上の反射強度を高く維持できるため、白色バランスに優れ良好な白反射率を有する白色表示とすることができる。
本実施形態においては、λYを(λR+λG)/2より5〜45nmの範囲で大きくすることが望ましく、10〜30nmの範囲で大きくすることがより好適である。
また本実施形態においては、緑色光及び赤色光の反射スペクトルにおける反射ピーク波長をより考慮して、下記のように黄色光を反射する液晶層22の反射ピーク波長を設定することが望ましい。
具体的には、図3(b)に示すように、青色光、緑色光、赤色光をそれぞれ選択反射する各液晶層21、22、24を積層した状態での、赤色光を反射する液晶層24の分光反射率のピーク波長をλr、緑色光を反射する液晶層23の分光反射率のピーク波長をλgとしたとき、前記黄色光を反射する液晶層22の単独での分光反射率のピーク波長λYを、下記式(1)の関係を満たすように設定することが望ましい。
(λr−λ)/(λr−λg)=(λR−λY)/(λR−λG) ・・・ 式(1)
上記式(1)において、λは、図3(b)に示すように、赤色光を反射する液晶層24及び緑色光を反射する液晶層23の分光反射率の反射強度が等しくなるとき(反射スペクトル102及び103の交点)の波長である。
なお、前記各液晶層を積層した状態での赤色光を反射する液晶層24の分光反射率は、液晶層24の反射率を最大とし液晶層23の反射率を最低としたときの液晶層24の反射スペクトルとして、また、緑色光を反射する液晶層23の分光反射率は、液晶層24の反射率を最低とし液晶層23の反射率を最大としたときの反射スペクトルとして測定したものである。上記「液晶層の反射率を最大とする」とは、例えばコレステリック液晶の場合、液晶をプレーナ状態として反射状態とすること、「液晶層の反射率を最小とする」とは液晶をフォーカルコニック状態として透明とすることを意味する。
上記式(1)の関係を満たすようにλYを設定することにより、緑色反射光や赤色反射光を考慮した、より適正な黄色光を反射する液晶層の設計を行うことができる。
以上説明した方法により設定される、黄色光を反射する液晶層22の単独での分光反射率におけるピーク波長λYは、例えば緑色光を反射する液晶層23の反射ピーク波長λGを500〜600nmの範囲、赤色光を反射する液晶層24の反射ピーク波長λRを600〜700nmの範囲としたとき、550〜650nmの範囲かつ上記式(1)を満たす範囲に設定されることが望ましく、580〜620nmの範囲かつ上記式(1)を満たす範囲に設定されることがより好適である。
また、このようにして黄色光を反射する液晶層22の反射ピーク波長λYが設定された本実施形態の反射型液晶表示媒体においては、白色表示時の彩度を10〜30の範囲とすることが望ましく、13〜24の範囲とすることがより好適である。また明度を50〜75の範囲とすることが望ましく、55〜70の範囲とすることがより好適である。
なお、上記彩度および明度は、L色度座標における明度Lおよび彩度c(=√(a*2+b*2))であり、ミノルタ社製分光光度計CM2002を用いて測定することができる。
図1に示す反射型液晶表示媒体においては、前記のように、赤色光反射パネル70の観察側には赤色フィルター32を、黄色光反射パネル50の観察側に黄色フィルター31を設けている。これらのフィルターを設けることによって、表示彩度が向上するとともに、視角による表示色相の変化を抑制して視野角を広げることができる。
黄色フィルター31は、青色光を吸収し緑色光及び赤色光を透過させるものであり、図7(a)の透過スペクトル121に示すように、黄色フィルター31は460nm付近にカットオフ波長CYを有し、それより短波長の青色の色光を吸収し、長波長の緑色および赤色の色光を透過するフィルターである。一方、赤色フィルター32は、図7(a)の透過スペクトル122として示すように、570nm付近にカットオフ波長CRを有し、それより短波長の青色および緑色の色光を吸収し、長波長の赤色の色光を透過するフィルターである。なお、透過スペクトル124は、参考までにITOをコートしたPET基板のスペクトルを示したものである。
したがって、図1に示す反射型液晶表示媒体では、例えば外光の入射角が大きいことにより液晶層23の反射波長帯域が緑の波長帯域から青の波長帯域側にシフトしても、黄色フィルター31により青色光が吸収されるので、液晶層23によって青色光が反射されることがない。また、外光の入射角が大きいことにより液晶層24の反射波長帯域が赤の波長帯域から緑の波長帯域側にシフトしても、赤色フィルター32により緑色光および青色光が吸収されるので、液晶層24によって緑色光、さらには青色光が反射されることがない。
すなわち、本実施形態の反射型液晶表示媒体では、外光の入射角が大きいときでも、結果的に、液晶層23での反射波長帯域が本来の緑の波長帯域内で短波長側にシフトして狭くなるだけで、本来の緑の波長帯域より短波長側にシフトしてしまうことがない。また、液晶層24では、外光の入射角が大きいときでも、結果的に、反射波長帯域が本来の赤の波長帯域内で短波長側にシフトして狭くなるだけで、本来の赤の波長帯域より短波長側にシフトしてしまうことがない。したがって、見る角度によって表示色が変化しないとともに、色純度も低下しない。
本実施形態において、液晶層21〜24の螺旋ねじれ方向は、前記選択反射の波長域が隣り合う色の光ごとに逆向きの旋光を利用することとなるようにする。すなわち、低波長側から、青色光を反射する液晶層21及びと緑色光を反射する液晶層23、該緑色光を反射する液晶層23及び黄色光を反射する液晶層22、該黄色光を反射する液晶層22及び赤色光を反射する液晶層24を、各々逆の螺旋ねじれ方向とする。
これは、コレステリック液晶が、螺旋ねじれ方向と同一方向の円偏光成分のみを反射する円偏光2色性を有し、原理上の最大反射率が50%しかないことから、反射スペクトルが重なり合う波長帯では、円偏光の回転方向が互いに異なる方が、回転方向が同一である場合より、上に積層されている反射層による影響を受けず高反射率になるからである。
液晶層21〜24に用いられるコレステリック液晶としては、例えば、コレステリル・クロライドやコレステリル・ノナノエートなどのコレステロール誘導体などの液晶性不斉炭素化合物や、ベンジリデンアニリン、アゾベンゼン、アゾキシベンゼン、シアノビフェニル、シアノターフェニル、フェニルシクロヘキサン、フェニルベンゾエート、シクロヘキシルシクロヘキサン、シクロヘキシルカルボン酸エステル、フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、シクロヘキシルシクロヘキサンエステル、シクロヘキシルエタン、シクロヘキセン、トランなどの化学構造を含む公知のネマチック液晶性化合物に、2−メチル−n−ブチルシアノビフェニルなどのカイラル剤と呼ばれる不斉炭素化合物を添加した組成物を、用いることができる。これらの化合物は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。
液晶層21〜24は、上記以外の成分を含んでもよく、例えば、コレステリック液晶内に高分子や無機化合物をゲル状、マトリクス状、微粒子状に分散させたものや、逆に高分子マトリクス中にコレステリック液晶を液滴状に分散させたものや、液晶をマイクロカプセル状にしたものでもよいし、高分子の主鎖や側鎖に液晶性を誘発するメソゲンと呼ばれる官能基を有する、いわゆる高分子液晶であってもよい。
さらに、コレステリック液晶の配向状態を制御するために、それぞれの液晶層21〜24と接するように配向層を設けてもよい。
液晶層21〜24の反射波長域(表示色波長域)は、前記コレステリック液晶の螺旋ピッチにより調整する。コレステリック液晶の螺旋ピッチは、ネマチック液晶に対するカイラル剤の添加量で調整することができ、例えば、表示色を青、緑、赤とする場合には、それぞれ選択反射の中心波長が、400nm〜500nm、500nm〜600nm、600nm〜700nmの範囲になるようにする。また、コレステリック液晶の螺旋ピッチの温度依存性を補償するために、ねじれ方向が異なる、または逆の温度依存性を示す複数のカイラル剤を添加する公知の手法を用いてもよい。
カイラル剤としては、コレステリルノナノエートなどのコレステロール誘導体や、2−メチルブチル基などの光学活性基を有する化合物等が利用できる。コレステリック液晶の螺旋ピッチはカイラル剤の種類や添加量、液晶の材質によって変化させることができる。 したがって、前記黄色光を反射する液晶層22の反射ピーク波長の微調整は、上記カイラル剤の添加量や、種類を、前記方法により設定された所望の波長となるように精緻化することにより行うことができる。
基板11〜18としては、ホウ珪酸ガラスや石英ガラスなどのガラスや、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォンなどの樹脂などの透光性絶縁材料を用いることができる。
また、基板上に形成される電極には、酸化インジウム錫、酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛などの透光性を有する導電材料を用いる。これらの材料を、スパッタリング法、蒸着法、ゾルゲル法などによって基板上に薄膜状に成膜し、フォトエッチング法などによって所望の形状に加工して、電極を形成する。
遮光層35としては、可視波長域全域(400〜700nm)を吸収する黒色の色材、例えば、カーボンブラックやアニリンブラックなどの黒色顔料や黒色染料を含む塗料や、酸化クロムなどの無機材料を用いる。遮光層35は、赤色光を反射する液晶層24より下層にあればよく、液晶層24の下側の電極や基板と兼ねてもよい。
後述するように、本実施形態の反射型液晶表示媒体の製造にあたっては、各色光反射パネル同士を積層するに際し、接着層を設けることが望ましい。
接着層には、アクリル樹脂やエポキシ樹脂などの紫外線硬化型または熱硬化型の接着剤や、ポリエステルやポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体などのホットメルト接着剤や、ポリ酢酸ビニルなどの粘着剤など、公知の光学用の接着剤または粘着剤を用いることができる。ただし、接着層は透光性を有する必要がある。なお接着層には、パネル同士を接着するだけでなく、基板の表面反射を低減してコントラストを高める作用があるため、基板材料と屈折率が近い方が好ましい。
また、前記黄色フィルター31および赤色フィルター32は、顔料や染料を含む着色塗料を基板上に塗布し、または基板上にアクリル樹脂やゼラチン膜を設けて染料で染色するなど、公知の方法によって形成することができる。
黄色フィルター31は、青色光を反射する液晶層21と黄色光を反射する液晶層22との間にあればよく、黄色光反射パネル50の図面における上面または青色光反射パネル40の下面に形成し、または青色光反射パネル40と黄色光反射パネル50との間の接着層を兼ね、あるいは青色光を反射する液晶層21の直下や黄色光を反射する液晶層22の直上の電極や基板13を兼ねてもよい。赤色フィルター32についても、同様である。
次に、本実施形態の図1に示す構成の反射型液晶表示媒体の作製方法の一例について説明する。
まず、電極を形成した一方の基板の端部に接着剤を塗布し、これに同様に電極を形成した他方の基板を、スペーサを介して両電極が対向するように一定間隔で接着する。これを各色分の4つ作製する。次いで、これらのそれぞれにおける一対の基板間に、青色光、黄色光、緑色光、赤色光を各々反射可能なコレステリック液晶を注入し、基板端部を封止して、青色光反射パネル40、黄色光反射パネル50、緑色光反射パネル60、赤色光反射パネル70を作製する。各々のパネルにおける液晶層21,22,23,24の厚みは、2〜20μmの範囲程度にする。
次に、黄色光反射パネル50の上面に黄色フィルター31を、赤色光反射パネル70の上面に赤色フィルター32、下面に遮光層35を、それぞれ形成する。最後に、青色光反射パネル40、黄色フィルター31が形成された黄色光反射パネル50、緑色光反射パネル60、赤色フィルター32および遮光層35が形成された赤色光反射パネル70を、各々接着層を介して接着する。
表示媒体の表示特性や表示の均一性などを良好にするために、前記各々の基板表面に形成された電極と液晶層21,22,23,24との界面に配向膜を設けてもよい。配向膜としては、ポリイミドやポリビニルアルコールなどの樹脂、アルキルアンモニウム化合物やアルキルシラン化合物などの低分子表面改質剤、SiOなどの無機薄膜などを用いることができる。配向膜としては、特に垂直配向性のものが好ましい。
なお、基板、電極、配向膜など、隣接する液晶層間に設けられる部材は偏光状態を乱さないようにする必要があり、そのため、これらの部材の光散乱が少ない方が望ましい。
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る反射型液晶表示媒体の模式断面図である。本実施形態では、図の矢印で示す観察側から順に、青色光反射パネル40、緑色光反射パネル60および赤色光反射パネル70を積層し、緑色光反射パネル60と赤色光反射パネル70との間に黄色光反射パネル50を設けた構成となっている。
また、赤色光反射パネル70の裏面には黒色の遮光層35を、観察側には赤色フィルター32を形成するとともに、緑色光反射パネル60の観察側には黄色フィルター31を形成している。
本実施形態においても、前記選択反射の波長域が隣り合う色光ごとに逆向きの旋光を利用することとなるようにする。具体的にこの構成では、青色光反射パネル40の液晶層21(LB)は右ねじれ、緑色光反射パネル60の液晶層23(LG)は左ねじれ、黄色光反射パネル50の液晶層22(LY)は右ねじれ、赤色光反射パネル70の液晶層24(LR)は左ねじれの、コレステリック液晶からなるものとする。
本実施形態では、青色光を反射する液晶層21と緑色光を反射する液晶層23、緑色光を反射する液晶層23と黄色光を反射する液晶層22、および黄色光を反射する液晶層22と赤色光を反射する液晶層24の、コレステリック液晶の螺旋ねじれ方向が異なるので、青色と緑色、緑色と黄色、および黄色と赤色の、反射スペクトルが重なる波長帯域で反射率が高くなって、シアン、黄色および白色の表示時、特に黄色および白色の表示時の彩度または明度が向上する。また、赤色およびマゼンタの表示時に、赤色光を反射する液晶層24から反射される不要な短波長成分が赤色フィルター32によってカットされるので、赤色およびマゼンタの彩度が向上する。
これに加えて、本実施形態においても、黄色光を反射する液晶層22の反射ピーク波長を、前記第1の実施形態と同様に、緑色光を反射する液晶層23の反射ピーク波長、赤色光を反射する液晶層24の反射ピーク波長を考慮して設定されるので、白色表示時に白色バランスに優れ良好な白反射率を有する白色表示とすることができる。
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態に係る反射型液晶表示媒体の模式断面図である。本実施形態では、図の矢印で示す観察側から順に、青色光反射パネル40、緑色光反射パネル60および赤色光反射パネル70を積層し、青色光反射パネル40と緑色光反射パネル60との間に黄色光反射パネル50を設け、さらに、黄色光反射パネル50と緑色光反射パネル60との間に位相補償層36を設けた構成となっている。
また、赤色光反射パネル70の裏面には黒色の遮光層35を、観察側には赤色フィルター32を形成するとともに、黄色光反射パネル50の観察側には黄色フィルター31を形成している。
本実施形態においても、前記選択反射の波長域が隣り合う色光ごとに逆向きの旋光を利用することとなるようにする。具体的にこの構成では、青色光反射パネル40の液晶層21(LB)、緑色光反射パネル60の液晶層23(LG)、黄色光反射パネル50の液晶層22(LY)、及び赤色光反射パネル70の液晶層24(LR)のコレステリック液晶の螺旋ねじれ方向をすべて同じに、例えば右ねじれとする。
位相補償層36は、円偏光を逆向きに変えるもので、常光と異常光との位相差を1/2波長とする、1/2波長板と呼ばれる複屈折性部材を用いる。このような複屈折性部材としては、雲母や水晶などの複屈折性の結晶や、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォンなどの高分子を延伸などによって分子配向した高分子フィルムなどを用いることができる。
また、このように位相補償層36を反射光パネルと別個の層として設ける代わりに、緑色光反射パネル60の基板15、電極または電極と液晶層23との間の配向膜など、反射光パネルを構成する部材を、複屈折性部材として、位相補償層36と兼ねるようにしてもよい。
前記位相補償層36を通過した光は、その旋光が逆転する。このため、すべての液晶層のコレステリック液晶の螺旋ねじれ方向が同一でも、第1、第2実施形態のように、青色、緑色、黄色、赤色の順で液晶層のコレステリック液晶の螺旋ねじれ方向を交互に逆にした場合と同様に、青色と緑色、緑色と黄色、および黄色と赤色の、反射スペクトルが重なる波長帯域で反射率が高くなって、シアン、黄色および白色の表示時、特に黄色および白色の表示時の彩度または明度が向上し、色鮮やかな明るい多色表示が得られる。
これに加えて、本実施形態においても、黄色光を反射する液晶層22の反射ピーク波長を前記第1の実施形態と同様に、緑色光を反射する液晶層23の反射ピーク波長、赤色光を反射する液晶層24の反射ピーク波長を考慮して設定されるので、白色表示時に白色バランスに優れ良好な白反射率を有する白色表示とすることができる。
(第4の実施形態)
図6は、第4の実施形態に係る反射型液晶表示媒体の模式断面図である。本実施形態では、図の矢印で示す観察側から順に、青色光反射パネル40、緑色光反射パネル60および赤色光反射パネル70を積層し、緑色光反射パネル60と赤色光反射パネル70との間に黄色光反射パネル50を設け、さらに、黄色光反射パネル50と緑色光反射パネル60との間に燈色フィルター38を設けた構成となっている。
また、赤色光反射パネル70の裏面には黒色の遮光層35を、観察側には赤色フィルター32を形成するとともに、緑色光反射パネル60の観察側には黄色フィルター31を形成している。
本実施形態においても、前記選択反射の波長域が隣り合う色光ごとに逆向きの旋光を利用することとなるようにする。具体的にこの構成では、青色光反射パネル40の液晶層21(LB)は右ねじれ、緑色光反射パネル60の液晶層23(LG)は左ねじれ、黄色光反射パネル50の液晶層22(LY)は右ねじれ、赤色光反射パネル70の液晶層24(LR)は左ねじれの、コレステリック液晶からなるものとする。すなわち、この表示媒体の構成は、燈色フィルター38を設けた以外は、第2の実施形態と同じである。
前記燈色フィルター38は、図7(a)の透過スペクトル123として示すように、510nm付近にカットオフ波長COを有し、それより短波長の青色および緑色の短波長側の色光を吸収し、緑色の長波長側および赤色の色光を透過するフィルターである。したがって、燈色フィルター38は、本実施形態のように黄色光を反射する液晶層22を緑色光を反射する液晶層23の下側とした場合のみ使用することができ、第1の実施形態のように液晶層22を液晶層23の上側にした構成では用いることができない。
本実施形態においても、黄色光を反射する液晶層22の反射ピーク波長を前記第1の実施形態と同様に、緑色光を反射する液晶層23の反射ピーク波長、赤色光を反射する液晶層24の反射ピーク波長を考慮して設定されるので、白色表示時に白色バランスに優れ良好な白反射率を有する白色表示とすることができる。
そして、青色と緑色、緑色と黄色、および黄色と赤色の、反射スペクトルが重なる波長帯域で反射率が高くなって、シアン、黄色および白色の表示時、特に黄色および白色の表示時の彩度または明度が向上し、また、赤色およびマゼンタの表示時に、赤色光を反射する液晶層24から反射される不要な短波長成分が赤色フィルター32によってカットされるので、赤色およびマゼンタの彩度が向上する。
さらに加えて、燈色フィルター38を設けたことにより、黄色反射光の見る角度による表示色変化も抑えられ、白色バランスの見る角度による安定性も高めることができる。
なお、図7(b)に各色光を反射する液晶層の単独での分光反射率と、前記各フィルターのカットオフ波長とを併せて示すが、燈色フィルター38のカットオフ波長COは、図7(b)に示すように燈色フィルター38が黄色反射光の低波長側をカットするものであるため、図に示す黄色光を反射する液晶層22の単独での反射スペクトル114における半値幅Pに対応する2つの波長の短波長側の波長として設定する。
また、前記黄色フィルター31のカットオフ波長も燈色フィルター38と同様に黄色光を反射する液晶層の単独での反射スペクトル112における半値幅Pに対応する2つの波長の短波長側の波長として設定し、赤色フィルター32のカットオフ波長CRは、赤色光の単独の反射スペクトル113におけるピークの80%に対応する2つの波長の短波長側の波長として設定される。赤反射層は視野角による色変化が大きいため黄色フィルターや橙色フィルターよりも吸収領域を広く設定している。
以上、本発明の反射型液晶表示媒体をいくつかの実施形態により説明した。上述した例は、電気的にコレステリック液晶表示媒体を駆動し、その表示を書き換える場合であるが、本発明の反射型液晶表示媒体は、電気以外の磁気、光、熱、応力などの外部刺激によって液晶表示媒体を駆動し、その表示を書き換える場合にも、同様に適用することができ、同様の効果が得られる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<実施例1>
(青色光、緑色光、赤色光反射パネルの作製)
青色光用コレステリック液晶として、メルク社製カイラル剤のR−811とR−1011とを4:1の質量比で混合した混合カイラル剤を、メルク社製ネマチック液晶E44に、全体中で23質量%となるように添加して、右ねじれのコレステリック液晶を調製した。
また、緑色光用コレステリック液晶および赤色光用コレステリック液晶として、メルク社製カイラル剤のS−811とS−1011とを4:1の質量比で混合した混合カイラル剤を、メルク社製ネマチック液晶E44に、緑色光用コレステリック液晶については20.2質量%、赤色光用コレステリック液晶については16.8質量%、それぞれ添加して、それぞれ左ねじれのコレステリック液晶を調製した。
表面に、10mm×10mmのITO電極をパターニングした一対のガラス基板(コーニング社製7059、25mm×22mm×1.1mm)を用意した。この電極側の表面に、垂直配向用ポリイミド(SE7511L、日産化学社製)をエチルセルソルブで10倍に希釈した溶液をスピンコートにより塗布して配向膜を形成した。
上記配向膜上にスペーサ粒子を散布し、さらにUV硬化樹脂でガラス基板端部にストライプ状にシールパターンを描画した。次いで、この一対のガラス基板を対向させて貼り合せてUV硬化し、それぞれセルギャップが5μmの4個のセルを作製した。
次に、上記セルの開口部に、各々前記青色光用(右ねじれ)、緑色光用(左ねじれ)、赤色光用(左ねじれ)のコレステリック液晶を滴下し、毛細管現象を利用して液晶を注入し、その後それぞれのセルの開口部をUV接着剤で封止し、青色光反射パネル、緑色光反射パネル、赤色光反射パネルを得た。
(黄色光反射パネルの作製)
このように作製した各色光反射パネルについて、各々単独の場合と、青色光反射パネル、緑色光反射パネル及び赤色光反射パネルをこの順に積層した場合とについて、分光光度計(ミノルタ社製、CM2002)により400〜700nmの範囲で分光反射スペクトルを測定した。
なお、各光反射パネルにおいては、液晶層に50Vの交流パルスを100m秒、印加することによって、着色状態となり、30Vの交流パルスを100m秒、印加することによって、無色状態となった。
その結果、単独の光反射パネルについては、各々λBは470nm、λGは550nm、λRは620nmであり、積層した状態でのλgは560nm、λrは640nmであり、赤、緑の分光反射率が等しくなるときのλは615nmであった。
上記結果から、前記式(1)により黄色光を反射する液晶層のλYを求めたところ、λYは598nmとなった。
この結果から、前記のようにメルク社製カイラル剤のR−811とR−1011とを4:1の質量比で混合した混合カイラル剤を、メルク社製ネマチック液晶E44に、全体中で18.3質量%となるように添加して、右ねじれの黄色光用のコレステリック液晶を調製した。次いで、この液晶を前記と同様にしてセルに注入して、黄色光反射パネルを作製した。なお、この黄色光反射パネルについても、前記と同様の電圧印加条件で着色状態、無色状態となることが確認された。
(反射型液晶表示媒体の作製、評価)
アクリル樹脂溶液に黄色染料(Kayaset Yellow K−CL、日本化薬社製)を1質量%溶解した溶液を、黄色光反射パネルの上面に塗布し、乾燥させて、黄色フィルターを形成するとともに、アクリル樹脂溶液に赤色染料(PD400R・FX1、日立化成社製)を0.5質量%溶解した溶液を、赤色光反射パネルの上面に塗布し、乾燥させて、赤色フィルターを形成した。さらに、黒色樹脂溶液(BKR105、日本化薬社製)を、赤色光反射パネルの下面に塗布し、乾燥させて、遮光層を形成した。
このように作製した青色光反射パネル、黄色光反射パネル、緑色光反射パネル及び赤色光反射パネルを、この順に積層し紫外線硬化接着剤によって接着して、図1に示すような反射型液晶表示媒体を得た。
上記反射型液晶表示媒体につき、各液晶層の反射率を最大にした状態で、分光光度計CM2002(ミノルタ社製)を用いて、白色表示時のL色度座標を測定した。その結果、原点からの距離で定義される彩度C=((a+(b1/2は、20.5(a=−14.0、b=15.0)、明度は69.5であり、見た目でも若干黄色味を帯びた乳白色であった。
<実施例2>
実施例1と同様にして各色用の液晶を調製し、同様に各色光反射パネルを作製した。次いで、アクリル樹脂溶液に黄色染料(Kayaset Yellow K−CL、日本化薬社製)を1質量%溶解した溶液を、緑色光反射パネルの上面に塗布し、乾燥させて、黄色フィルターを形成するとともに、アクリル樹脂溶液に燈色染料(オプトマーSS2191(JSR社製)/Kayaset Orange A−N(日本化薬社製))を1質量%溶解した溶液を、黄色光反射パネルの上面に塗布し、乾燥させて、燈色フィルターを形成した。さらに、黒色樹脂溶液(BKR105、日本化薬社製)を、赤色光反射パネルの下面に塗布し、乾燥させて、遮光層を形成した。
なお、上記燈色フィルターのカットオフ波長は510nmであり、前記測定した黄色光反射パネルの反射スペクトルにおける半値幅の低波長側に一致している。
このように作製した青色光反射パネル、緑色光反射パネル、黄色光反射パネル及び赤色光反射パネルを、この順に積層し紫外線硬化接着剤によって接着して、図6に示すような反射型液晶表示媒体を得た。
この反射型液晶表示媒体について、実施例1と同様にして白色表示特性を調べたところ、見た目で良好な白味であり、彩度は22.6(a=−15.9、b=16.2)、明度は67.8であった。実施例1と比較すると色味に大きな変化は見られないが、若干明度は低下した。また正面から45度傾けた場合、彩度は22.6(a=−16.5、b=15.4)、明度は55.6であり、見る角度によって明度は低下したが、表示色はほとんど変化せず、色純度もほとんど低下しないことがわかった。
<比較例1>
実施例1の黄色光反射パネルの作製において、混合カイラル剤の添加量を19.5質量%として黄色光用のコレステリック液晶を調製し、これを用いて黄色光反射パネルを作製した以外は、同様にして反射型液晶表示媒体を作製した。なお、このときの黄色光反射パネルのλYは530nmであった。
この反射型液晶表示媒体について、実施例1と同様にして白色表示特性を調べたところ、見た目で緑がかった白であり、彩度は22.8(a=−21.0、b=8.8)、明度は68.9であった。これは黄色反射層の反射ピークが緑反射層のピークに近すぎるためと考えられる。
以上の結果から、黄色光を反射する液晶層の反射ピーク波長を緑色、赤色の反射光を考慮して設定した実施例では、比較例1に比べ良好な白色バランスが得られることが確認された。
<比較例2>
比較例1の反射型液晶表示媒体の作製において、黄色光反射パネルを除いた反射型液晶表示媒体を作製した。この反射型液晶表示媒体について、実施例1と同様にして白色表示特性を調べたところ、見た目で青がかった白であり、彩度は23.0(a=−16.7、b=−15.8)、明度は56.2であった。以上の結果から、黄色光を反射する液晶層を入れた場合、比較例1に比べ良好な白色バランス得られ、明度も大きく改善できることが確認された。
本発明の反射型液晶表示媒体の一例を示す模式断面図である。 反射型液晶表示媒体における各液晶層及び白色表示時の反射スペクトルを示す図である。 本発明の液晶層の反射ピーク波長の設定方法を説明するための図である。 本発明の反射型液晶表示媒体の他の一例を示す模式断面図である。 本発明の反射型液晶表示媒体の他の一例を示す模式断面図である。 本発明の反射型液晶表示媒体の他の一例を示す模式断面図である。 本発明のおけるフィルターのカットオフ波長を説明するための図である。
符号の説明
11〜18 透明基板
21〜24 液晶層
31 黄色フィルター
32 赤色フィルター
35 遮光層
36 位相補償層
38 燈色フィルター
40 青色光反射パネル
50 黄色光反射パネル
60 緑色光反射パネル
70 赤色光反射パネル
101〜105、111〜115 反射スペクトル(分光反射率)
121〜124 透過スペクトル(分光透過率)

Claims (3)

  1. 青色光、緑色光、赤色光をそれぞれ選択反射する各液晶層LB、LG、LRを、この順序で観察側から順に積層し、さらにこれらの液晶層間に黄色光を反射する液晶層LYを有して構成され、
    前記各液晶層が選択反射の波長域が隣り合う色光ごとに逆向きの旋光を利用し、
    前記液晶層LR及び液晶層LGの単独での各分光反射率のピーク波長をλR及びλGとしたとき、前記液晶層LYの単独での分光反射率のピーク波長λYが、(λR+λG)/2より大きいことを特徴とする反射型液晶表示媒体。
  2. 前記青色光、緑色光、赤色光をそれぞれ選択反射する各液晶層LB、LG、LRを積層した状態で、液晶層LRの反射率を最大とし液晶層LGの反射率を最低としたときの液晶層LRの分光反射率のピーク波長をλr、液晶層LRの反射率を最低とし液晶層LGの反射率を最大としたときの液晶層LGの分光反射率のピーク波長をλgとしたとき、
    前記液晶層LYの単独での分光反射率のピーク波長λYが、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の反射型液晶表示媒体。
    (λr−λ)/(λr−λg)=(λR−λY)/(λR−λG) ・・・ 式(1)
    (上記式において、λは前記液晶層LB、LG、LRを積層した状態での液晶層LR及び液晶層LGの各分光反射率の反射強度が等しくなるときの波長を表す。)
  3. 前記液晶層LYが、液晶層LG及び液晶層LR間に配置され、
    前記液晶層LYの観察側に特定波長域以下の光を吸収するフィルターが設けられ、該フィルターのカットオフ波長が、前記液晶層LYの単独での分光反射率における半値幅に対応する2つの波長の短波長側の波長であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射型液晶表示媒体。
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