JP5082534B2 - 表面型永久磁石同期機 - Google Patents
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Description
以下に同期機の具体例として同期モータを例に説明するが、もちろんこれに限定されるものではなく、同期発電機にも適用できることは言うまでもない。
永久磁石型同期モータのロータの構造には、大きく分けて2種類ある。
〈IPM同期モータ〉
1つは、永久磁石をロータ鉄心の内部に埋め込むIPM(Interior Permanent Magnetic)モータ。これはd軸方向の磁束がロータ鉄心内を通り易くし、q軸インダクタンスを大きくとり、q軸インダクタンスとd軸インダクタンスの差を大きくすることでリラクタンストルク(反作用トルク)を有効利用しようとするものである(特許文献1参照)。
図において、11はステータ、12はステータティース、13はステータスロット、21はロータ、22は永久磁石、24は空隙、32はd軸インダクタンス、33はq軸インダクタンスである。
このとき、モータの出力トルクTは式(1)である。
T=φm・Iq+P(Lq−Ld)・Iq・Id …(1)
ここで、Tはモータの出力トルク、φmは永久磁石の磁束、Iqは電機子電流のq軸軸成分、Pは永久磁石の極対数、Lqはq軸インダクタンス、Ldはd軸インダクタンス、Idは電機子電流のd軸軸成分である。
この場合の電流の流し方は、q軸電流とd軸電流の位相差を45°とすることでリラクタンストルクを有効利用することができる。また、モータ発生トルクとしては、永久磁石の磁束による発生する磁石トルク「φm・Iq」とリラクタンストルク「P(Lq−Ld)・Iq・Id」の2つを利用することができる。
2つめは、ロータの表面に永久磁石を設けるSPM(Surface Permanent Magnet)モータで、磁石の磁束方向に対し電流が垂直に流れるように、つまりd軸上に流すq軸電流を流すことで最もトルクを発生する。
図5は従来のSPM同期モータのロータを軸方向に直角な断面で切った縦断面図である。
図において、11はステータ、12はステータティース、13はステータスロット、21はロータ、22は永久磁石、31は磁石による磁束である。
このとき、モータの出力トルクTは式(2)である。
T=φm・Iq=Tm …(2)
ここで、Tはモータの出力トルク、φmは永久磁石の磁束、Iqは電機子電流のq軸軸成分、Tmは永久磁石によるトルクである。
この場合、q軸インダクタンスとd軸インダクタンスは同じ値となり、前述のリラクタンストルクの利用はできない。よって、モータ発生トルクとしては、永久磁石の磁束による磁石トルク「φm・Iq」のみとなる。
また、高速領域の電圧飽和を押えるためにd軸電流も流すこともあるが、これはリラクタンストルクの利用を考えたものではない。
なお、SPM同期モータの変形例として、図6のロータが知られている。
図6はSPM同期モータのロータを軸方向に直角な断面で切った縦断面図である。
図において、12はステータティース、13はステータスロット、21はロータ、22は永久磁石、23’はT型磁石押え突起である。
SPM同期モータの場合、ロータ21の表面に永久磁石22を貼り付けるため、近年の高速化や大容量化が進むと永久磁石22が高速遠心力によってロータから飛散する恐れが生じており、これの飛散防止の対策が必要となってくる。この対策として、図6に示すような改良された変形SPM同期モータのロータが出現した。
このロータは、ロータ21の表面に永久磁石22とこれと隣接する永久磁石22との間に図のようなT型磁石押え突起23’をロータ鉄心に形成し、その間に永久磁石22を設けるようにしたのである。
このようにすることにより、モータが高速化や大容量化が進んでも、永久磁石がロータから飛散する恐れがなくなった。したがってT型磁石押え突起23’は専らロータ表面からの永久磁石の飛散防止の役割のために設けられたものであり、T型磁石押え突起23’はあくまでも飛散防止できる範囲内でその寸法は極力小さくしてSPM同期モータ特性に影響を与えないようにすべきもの考えられていた。
本発明はこの欠点を解決するためになされたもので、変形SPM同期モータにおいてはリラクタンストルクを有効利用できる可能性があることを見出して、リラクタンストルクを有効利用して、大きなモータ発生トルクが得られるモータを提供することを目的としている。
d>b≧d/2
の関係にあり、q軸電流とd軸電流の位相差を45°としたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の表面型永久磁石同期機において、前記T型磁石押え突起と前記ステータの間の空隙をa、前記永久磁石の最大厚さ部と前記ステータの間の空隙をcとして、
a+b=c+d
の関係にあることを特徴とする。
図において、11はステータ、12はステータティース、13はステータスロット、21はロータ、22は永久磁石、23は本発明に係るT型磁石押え突起である。なお、31は磁石による磁束である。
永久磁石22を用いた同期機として、モータを例として説明すると、同期型モータの出力トルクTは、次式(3)により求められる。
T=Tm+Tr …(3)
ここで、Tmは永久磁石の磁束φmによるトルクであり、Trはリラクタンストルクである。
また、リラクタンストルクTrは、次式(4)により求められる。
Tr=P(Lq−Ld)・Iq・Id …(4)
ここで、Pは永久磁石の極対数、Lqはq軸インダクタンス、Ldはd軸インダクタンス、Iqは電機子電流のq軸成分、Idは電機子電流のd軸成分である。
この式から、一般に、q軸インダクタンスLqが大きく、d軸インダクタンスLdが小さければ、リラクタンストルクTrを大きくできることが分かる。
尚、永久磁石によるトルクTmは、
Tm=φm・Iq …(2)
として定まる。
よって、モータの出力トルクは次式(1)および式(5)となる。
T=φm・Iq+P(Lq−Ld)・Iq・Id …(1)
T=(φm+P(Lq−Ld)・Id)・Iq …(5)
図2は図1のSPM同期モータのロータ構造の拡大図である。
図2において、T型磁石押え突起とステータの間の空隙をa、T型磁石押え突起の高さをb、永久磁石の最大厚さ部とステータの間の空隙をc、永久磁石の最大厚さをdとして、式(6)および式(7)のように決めることで有効なリラクタンストルクを利用できる。
a+b=c+d …(6)
b≧d/2 …(7)
この場合、d軸の磁路には永久磁石があるため、d軸インダクタンスは非常に小さい値となる。また、q軸方向には永久磁石を押えるために、ロータ鉄心をT型状に形成している。
図3は本発明の変形SPM同期モータにおける磁束の流れを説明する図である。図3に示すように磁石による磁束はq軸に流れやすくなりq軸インダクタンス33はd軸インダクタンスに比べ大きくなり、式(4)のように電流を流すことでリラクタンストルクを利用することができる。
したがって、例えSPMのモータであっても、q軸電流とd軸電流の位相差を45°とすることでリラクタンストルクを有効利用することができることになる。
以上のように、本発明のロータ構造である図1にてq軸電流とd軸電流の位相差を45°とすることで磁石トルクとリラクタンストルクをそれぞれ有効に利用することができ、モータの温度上昇の低減、モータの小型・軽量化、高速回転、効率・力率改善ができる。
12…ステータティース
13…ステータスロット
21…ロータ
22…永久磁石
23…本発明に係るT型磁石押え突起
24…空隙
31…磁石による磁束
32…d軸インダクタンス
33…q軸インダクタンス
Claims (2)
- ロータと、このロータをその内部空間に空隙を介して配設するステータとから成り、
前記ロータが、軸方向と直角な断面で見てT型をしたT型磁石押え突起を周方向に複数個表面に形成され、1つのT型磁石押え突起とこれと隣り合うT型磁石押え突起との間に永久磁石が配設され、その両端が前記T型磁石押え突起で係止され、
前記T型磁石押え突起の高さをb、前記永久磁石の最大厚さをdとして、
d>b≧d/2
の関係にあり、q軸電流とd軸電流の位相差を45°としたことを特徴とする表面型永久磁石同期機。 - 前記T型磁石押え突起と前記ステータの間の空隙をa、前記永久磁石の最大厚さ部と前記ステータの間の空隙をcとして、
a+b=c+d
の関係にあることを特徴とする請求項1記載の表面型永久磁石同期機。
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