JP5082456B2 - 光学積層体、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents
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Description
上記エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物は、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン又はγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランであることが好ましい。
上記エポキシ基を有さないアルコキシシラン化合物は、テトラエトキシシラン又はテトラメトキシシランであることが好ましい。
上記ガスバリア層の全光線透過率が70%以上であることが好ましい。
本発明は、偏光素子を備えてなる偏光板であって、上記偏光板は、偏光素子表面に上述の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板でもある。
本発明は、最表面に上述の光学積層体、又は、上述の偏光板を備えることを特徴とする非自発光型画像表示装置でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の光学積層体は、特定の成分からなるガスバリア層を有するものであるため、帯電防止性能、光学特性及び耐久性のすべてにおいて優れるものとすることができるのである。
特に、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物及びエポキシ基を有さないアルコキシシラン化合物の混合物を含む処理液を用いてゾルゲル法により形成したガスバリア層であることにより、接する層との密着性を高めることができ、柔軟性の高いガスバリア層を形成することができると推察される。
このため、そのような層を有する本発明の光学積層体は、優れた光透過性、帯電防止性と共に、優れた耐久性を有するものとなる。また、柔軟性にも優れるものである。
上記エポキシ基を有さないアルコキシシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらは、2種以上を併用してもよい。なかでも、反応性が高く、取り扱いやすい点で、テトラエトキシシラン又はテトラメトキシシランが好ましい。
上記硬化触媒としては、金属キレート化合物、有機酸等を挙げることができる。
上記酸触媒としては、例えば、酢酸、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール酸、マロン酸、マレイン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸;塩酸、硝酸、ハロゲン化シラン等の無機酸;酸性コロイダルシリカ、酸化チアニアゾル等の酸性ゾル状フィラー、等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液、アンモニア水、アミン類の水溶液等を挙げることができる。
なかでも、触媒反応の効率が高い、塩酸又は酢酸の使用が好ましい。
上記帯電防止層は、帯電防止剤、樹脂及び溶剤を含んでなる帯電防止層形成用組成物を用いて形成することができる。上記帯電防止層の厚さは、30nm〜1μm程度であることが好ましい。
上記導電性微粒子の具体例としては、金属酸化物からなるのものを挙げることができる。そのような金属酸化物としては、ZnO(屈折率1.90、以下、カッコ内の数値は屈折率を表す。)、CeO2(1.95)、Sb2O2(1.71)、SnO2(1.997)、ITOと略して呼ばれることの多い酸化インジウム錫(1.95)、In2O3(2.00)、Al2O3(1.63)、アンチモンドープ酸化錫(略称;ATO、2.0)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(略称;AZO、2.0)等を挙げることができる。微粒子とは、1ミクロン以下の、いわゆるサブミクロンの大きさのものを指し、好ましくは、平均粒径が0.1nm〜0.1μmのものである。また、本発明の好ましい態様によれば、上記導電性微粒子の一次粒径は30〜70nm程度が好ましく、二次粒径は200nm以下程度が好ましい。
上記有機反応性ケイ素化合物の1は、一般式RmSi(OR1)nで表せるもので、R及びR1は炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rの添え字mとOR1の添え字nとは、各々が、m+n=4の関係を満たす整数である。
上記帯電防止層形成用組成物を塗布する方法としては、ロールコート法、ミヤバーコート法、グラビアコート法等の塗布方法が挙げられる。上記活性エネルギー線としては、電子線又は紫外線を挙げることができる。電子線硬化の場合には、100KeV〜300KeVのエネルギーを有する電子線等を使用するとよい。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用するとよい。上記帯電防止層の形成にあっては、帯電防止層の表面抵抗率が、5×107Ω/□以下となるように行うことが好ましい。
上記光透過性基材は、透明性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度とに優れたものが好ましい。上記光透過性基材を形成する材料の具体例としては、ポリエステル、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、又はポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられ、好ましくはポリエステル、セルローストリアセテートが挙げられる。
上記ハードコート層とは、JIS5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものをいう。上記ハードコート層の膜厚(硬化時)は0.1〜100μmであることが好ましく、0.8〜20μmであることがより好ましい。上記ハードコート層は、樹脂、溶剤及び任意成分を含むハードコート層形成用組成物により形成することができる。
上記任意成分としては、例えば、防眩剤、光重合開始剤、架橋剤、硬化剤又は重合促進剤等を挙げることができる。
上記防眩剤としては微粒子が挙げられ、微粒子の形状は、真球状、楕円状等が挙げられ、好ましくは真球状のものである。また、上記微粒子は無機系、有機系のものが挙げられるが、好ましくは有機系のものである。上記微粒子は、防眩性を発揮するものであり、透明性のものが好ましい。上記微粒子の具体例としては、プラスチックビーズが挙げられ、より好ましくは、透明性を有するものが挙げられる。上記プラスチックビーズの具体例としては、スチレンビーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズなどが挙げられる。上記微粒子の添加量は、ハードコート層形成用組成物100質量部に対し、2〜30質量部であることが好ましく、10〜25質量部であることがより好ましい。
上記架橋剤、硬化剤及び重合促進剤は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。
本発明の光学積層体は、帯電防止層の他に、このように目的に応じて任意の層からなるものであってもよく、また、上述した態様に限定されないものである。
ガスバリア層形成用ゾル溶液の調製
下記のようにガスバリア層形成用のゾル溶液を調製した。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1質量部、テトラエトキシシラン(TEOS:略語)9質量部をメチルエチルケトン30質量部に溶解し、液温が25℃に安定するまで30分撹拌した。次に、触媒である0.005Nの塩酸を1.5質量部加え、25℃で3時間撹拌し、部分加水分解物(ガスバリア層形成用ゾル液)を得た。
下記組成の成分を混合して、帯電防止層形成用組成物を調製した。
ポリチオフェン(出光テクノファイン社製TA2010;固形分として)10質量部
イソプロピルアルコール 4.5質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 0.5質量部
下記の組成の成分を配合してハードコート層形成用組成物を調製した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬社製、商品名、PET30)
100質量部
メチルエチルケトン 43質量部
レベリング剤(大日本インキ化学工業社製、商品名、MCF・350・3) 2質量部
重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名、イルガキュア184) 6質量部
ガスバリア性PETフィルム基材(「テックバリアVX」、商品名、三菱化学社製)100μm処理面に対し、調製した上記ガスバリア層形成用ゾル液を塗布し、120℃で1分間加熱して、膜厚1.5μmの高ガスバリア性PETフィルム基材を作成した。
得られた上記高ガスバリア性PETフィルム上に 上記帯電防止層形成用組成物を、マイヤーバーによりバーコートした後、70℃の送風オーブン中で30秒間乾燥、溶剤除去することにより、乾燥膜厚300nmの帯電防止層を形成した。
上記帯電防止層上に、上述した方法と同様の方法にてガスバリア層を再度形成した後、続いてハードコート層形成用組成物を、バーコートし、乾燥により溶剤を除去した後、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、照射線量100mJ/cm2で紫外線照射を行い、ハードコート層を硬化させて、塗膜3μmのハードコート層を形成することにより、ハードコート層/ガスバリア層/帯電防止層/ガスバリア層/ガスバリア性PETフィルム基材からなる実施例1の光学積層体を得た。
なお、この時のガスバリア層中の残留水分を求めたところ、1質量%以下であった。
実施例1記載の光学積層体製造工程において、帯電防止層上に、ガスバリア層形成用ゾル溶をコートしないことを除いては、実施例1と全く同様にして、ハードコート層/帯電防止層/ガスバリア層/ガスバリア性PETフィルム基材からなる参考例2の光学積層体を得た。なお、この時のガスバリア層中の残留水分は、実施例1と同様に1質量%以下であった。
実施例1記載の光学積層体製造工程において、ガスバリア性PETフィルム基材上にガスバリア層形成用ゾル溶液をコートしないことを除いては、実施例1と同様にして、ハードコート層/ガスバリア層/帯電防止層/ガスバリア性PETフィルム基材からなる参考例3の光学積層体を得た。なお、この時のガスバリア層中の残留水分は、実施例1と同様に1質量%以下であった。
実施例1記載のガスバリア層形成用ゾル溶液中の、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの添加量を、1質量部から16質量部に変えた他は、実施例1と同様にして、ハードコート層/ガスバリア層/帯電防止層/ガスバリア層/ガスバリア性PETフィルム基材からなる比較例1の光学積層体を得た。なお、この時のガスバリア層中の残留水分は、2.7質量%であった。
実施例1記載の光学積層体工程において、ガスバリア性PET基材に代えて、市販の汎用PETフィルム(東洋紡績社製A−4100)を用いた点と、ガスバリア層形成用ゾル溶液を塗布しない点を除いて、実施例1と全く同様にして、ハードコート層/帯電防止層/汎用PETフィルム基材からなる比較例2の光学積層体を得た。
2 ガスバリア層
3 帯電防止層
4 光透過性基材
Claims (7)
- ハードコート層、ガスバリア層、帯電防止層、ガスバリア層及び光透過性基材がこの順に積層された光学積層体であって、
前記ガスバリア層は、エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物及びエポキシ基を有さないアルコキシシラン化合物の混合物、それらの加水分解物、並びに、それらの重縮合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む処理液によって形成された層であり、
前記帯電防止層は、帯電防止剤として、ポリアセチレン、ポリ(パラフェニレン)、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、又は、ポリ(フェニレンビニレン)を含有し、
前記ガスバリア層中の残留水分が1質量%以下である
ことを特徴とする光学積層体。 - エポキシ基を有するアルコキシシラン化合物は、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン又はγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである請求項1記載の光学積層体。
- エポキシ基を有さないアルコキシシラン化合物は、テトラエトキシシラン又はテトラメトキシシランである請求項1又は2記載の光学積層体。
- ガスバリア層の全光線透過率が70%以上である請求項1、2又は3記載の光学積層体。
- 最表面に請求項1、2、3又は4記載の光学積層体を備えることを特徴とする自発光型画像表示装置。
- 偏光素子を備えてなる偏光板であって、
前記偏光板は、偏光素子表面に請求項1、2、3又は4記載の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板。 - 最表面に請求項1、2、3若しくは4記載の光学積層体、又は、請求項6記載の偏光板を備えることを特徴とする非自発光型画像表示装置。
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