JP5081802B2 - ドライラミネート方法及び該方法により得られる積層体 - Google Patents

ドライラミネート方法及び該方法により得られる積層体 Download PDF

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Description

本発明は、ドライラミネート方法及び該方法により得られる積層体に関する。
各種のプラスチックフィルム同士を貼り合せる方法、プラスチックフィルムと金属を蒸着したプラスチックフィルムとを貼り合せる方法、又はプラスチックフィルムと金属箔とを貼り合わせる方法としては、従来、ドライラミネート方法により行われていた。ドライラネート方法は、有機溶剤や水などの溶媒に希釈させた接着剤を基材に塗工した後、乾燥機で溶媒を揮発させ、熱と圧力をかけながら、もう一方の基材と貼り合わせる方法である。
ドライラミネート方法に用いる接着剤としては、例えば、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等の水酸基を含有する樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、ポリイソシアネート化合物を配合してなる2液硬化型の有機溶剤型接着剤が多く使用されている。しかし、前記有機溶剤型接着剤は有機溶剤を大量に含んでいるため、これを用いるドライラミネート方法は、排気による環境汚染、火災爆発の危険性、作業環境の衛生性阻害等の多くの問題を抱えている。従来の有機溶剤型接着剤は、固形分30質量%以下で基材に塗工するため、接着剤を塗工後、有機溶剤を揮発する際に大量の有機溶剤が外部に放出される。そこで有機溶剤の含有量を低減した高固形分のハイソリッド型接着剤が提案されている(特許文献1参照)。しかし、かかるハイソリッド型接着剤は、従来のグラビア方式を利用したドライラミネート方法では、ラミネート後の積層体の表面に、塗工の流れ方向に対してすじ状の模様が出来てしまい、均一な外観が得られず、良好に仕上げることが難しいという問題があった。また、ラミネート後の積層体がトンネル状に剥離する、いわゆるトンネリング現象が発生する場合があった。
近年、労働作業環境の改善、消防法の強化、大気中へのVOC(揮発性有機化合物)の放出規制等の要求から接着剤の脱有機溶剤化の要求が強くなり、接着剤を水性化した水性接着剤を用いるドライラミネート方法が提案されている。水性接着剤を用いるドライラミネート方法では、作業環境の改善、防災上の問題および大気中へのVOCの放出等の問題は改善されるものの、水性であるがゆえの本質的な問題が新たに発生する。すなわち、水の表面張力の高さに起因するプラスチック基材への濡れ不良から、ラミネート後の積層体の表面には、すじ状の模様が出来てしまい良好な外観が得られないという問題があった。
特開2005−298588号公報
本発明の課題は、ラミネート後の積層体の外観が良好で、かつ、トンネリング現象が発生しないドライラミネート方法及びそれにより得られる積層体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討した結果、固形分35質量%以上の接着剤をグラビア方式で塗工する際に、グラビア版のグラビア線数及びセル容積を選択することにより、有機溶剤型接着剤及び水性接着剤にかかわらずラミネート後の積層体の外観が良好になることを見出だし、本発明を完成するに到った。
本発明は、(1)溶媒により希釈された固形分35質量%以上の接着剤をグラビア方式でフィルムに塗工した後、溶媒を揮発させ、別のフィルムとを貼り合せて積層体を得るドライラミネート方法において、グラビア線数が135〜270線/インチ、セル容積が10〜30cc/mのグラビア版を用いて前記接着剤を塗工することを特徴とするドライラミネート方法に関する。
また、本発明は、(2)前記接着剤が有機溶剤型接着剤又は水性接着剤であることを特徴とする前記(1)記載のドライラミネート方法に関する。
また、本発明は、(3)前記(1)又は(2)に記載のドライラミネート方法により得られる積層体に関する。
本発明によれば、ラミネート後の積層体の外観は、すじ状やゆず肌状の模様がなく、擦れのない均一な表面に仕上げられ、かつ、トンネリング現象が発生しないドライラミネート方法及びそれにより得られる積層体を提供することができる。
本発明のドライラミネート方式は、溶媒により希釈された固形分35質量%以上の接着剤をグラビア方式でフィルムに塗工した後、溶媒を揮発させ、別のフィルムとを貼り合せて積層体を得るドライラミネート方法において、グラビア線数が135〜270線/インチ、セル容積が10〜30cc/mのグラビア版を用いて前記接着剤を塗工することを特徴とする。
本発明においては、グラビア線数が135〜270線/インチ、セル容積が10〜30cc/mのグラビア版を用いることが重要であり、それによって、接着性能に優れ、ラミネート後の積層体の外観が良好となる。
従来のドライラミネート方法においては、グラビア線数が135線/インチ未満のグラビア版が多く使用されおり、グラビア線数が135線/インチ未満の少線数のグラビア版を用いて固形分35質量%以上の接着剤を塗工すると、塗工の流れ方向に添ってすじ状の模様が発生し、ラミネート後の積層体は良好な外観品質が得られない。固形分が高い接着剤を塗工する場合、接着剤中の溶媒含有量が少ない為、接着剤をフィルムに塗工した後、フィルム上で接着剤がレベリングしないので、線数の少ないグラビア版ではセル形状に沿ったすじ状の模様が発生し良好な外観品質が得られないのである。一方、グラビア線数が270線/インチ超の高線数のグラビア版は、セル容積が10cc/m未満となってしまうため十分な塗布量を確保できず、接着性能が不良となったり、塗工表面に擦れ模様が生じ、良好な外観品質を得ることが出来ない。グラビア版のグラビア線数は高線数であるほど、接着剤を均一に塗工でき良好な外観品質を得られるが、その一方で、高線数にするとセル容積が小さくなってしまうため塗布量を確保できず接着性能に劣ってしまう。
本発明のドライラミネート方式は、グラビア版のグラビア線数を特定の範囲に設定することにより、固形分35質量%以上の接着剤を用いた場合に、接着性能に優れ、ラミネート後の積層体は良好な外観を得ることができる。
すなわち、本発明の方法で用いるグラビア版のグラビア線数は、135〜270線/インチであり、好ましくは135〜255線/インチである。
本発明のドライラミネート方法で用いるグラビア版のセル容積は10〜30cc/mであり、好ましくは、10〜27cc/mである。前記セル容積が10cc/m未満では、接着剤の十分な塗布量を確保できず、接着性能が不良となったり、塗工表面に擦れ模様が生じ、良好な外観品質を得ることが出来ない。また、前記セル容積が30cc/m超では、硬化時間が遅くなり作業性に劣ったり、ラミネート後の積層体にトンネリング現象が発生してしまう。
また、本発明のドライラミネート方法で用いられるグラビア版の版深は、特に限定されないが、25〜100μmであることが好ましく、27〜85μmであることがより好ましい。前記版深が25μm未満では、塗工表面に擦れ模様が生じる傾向にあり、100μm超では硬化時間が遅くなる傾向にある。
また、本発明のドライラミネート方法で用いられるグラビア版の形状は特に限定されないが、例えば、ピラミッド版、格子版、斜線版などが挙げられる。
本発明のドライラミネート方法で用いるグラビア版を作製する方法は特に限定されず、一般的な製版方法で作成できる。例えば、レーザー製版、ヘリオ、オハイオ、バルカスなどの電子彫刻製版、転刻による彫刻版、腐食法によるコンベンショナル製版などが挙げられる。
本発明のドライラミネート方法で用いる接着剤は、溶媒により希釈された固形分が35質量%以上のものであれば特に限定されず、有機溶剤型接着剤でも水性接着剤でも用いることができる。前記固形分が35質量%未満では、塗布量が確保できず接着性能に劣ってしまう。前記固形分は35〜55質量%が好ましく、35〜50質量%がより好ましい。
有機溶剤型接着剤としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、ポリエーテルウレタン系樹脂、ポリエステルエーテル系樹脂、ポリエステルエーテルウレタン系樹脂などの接着機能を有する樹脂を有機溶剤で溶解したものが挙げられる。これら接着剤は樹脂単独で使用される場合もあるが、一般的にはポリイソシアネート化合物をふくむ硬化剤と組み合わせ、2液硬化型接着剤として使用する。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸等二塩基酸若しくはそれらのジアルキルエステル又はそれらの混合物と、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3′−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のグリコール類若しくはそれらの混合物とを反応させて得られるポリエステル系樹脂或いはポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステル系樹脂が挙げられる。
ポリエーテル系樹脂としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を、例えば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分量ポリオールを開始剤として重合して得られるポリエーテル系樹脂が挙げられる。
ポリエーテルエステル系樹脂としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸等の二塩基酸若しくはそれらのジアルキルエステル又はそれらの混合物と、上記ポリエーテル系樹脂を反応させて得られるポリエーテルエステル系樹脂が挙げられる。
ポリウレタン系樹脂としては、1分子中にウレタン結合を有するポリオールであり、例えば、数平均分子量200〜20,000のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール(以下、有機ポリオール(1)という。)等と有機ポリイソシアネートとをNCO/OHが1未満、好ましくは0.9以下で反応させて得られる。上記有機ポリオールとして、その分子中(分子内部や分子末端)にカルボキシル基を有するもの(以下、有機ポリオール(2)という。)を用いることができる。有機ポリオール(2)は、望ましくは上記の有機ポリオール(1)と多塩基酸若しくはその無水物とを反応させることにより得られる。この際用いられる有機ポリオール(1)としては、分子末端に2個以上の水酸基を含有し、数平均分子量が1,000〜100,000、好ましくは3,000〜15,000のものが好ましく使用される。1,000以下では凝集力が不十分であり、100,000以上では、合成上、末端に多塩基酸若しくはその無水物を反応させることは難しく、著しい増粘やゲル化する可能性もある。多塩基酸若しくはその無水物としては、例えば、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族系多塩基酸及びそれらの無水物が挙げられるが、それらの無水物である無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が特に好適である。更に、これらの無水物から誘導されたエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート、エチレングリコールビスアンヒドロピロメリテート、グリセロールトリスアンヒドロピロメリテート、又ロジン成分のアビエチン酸や、C1016ジエン化合物及びこれらの混合物に無水マレイン酸を付加反応させた誘導体等を使用することができる。有機ポリオール(2)の合成は、有機ポリオール(1)の合成後、多塩基酸若しくはその無水物、好ましくは多塩基酸無水物を加熱下に添加して行なわれるが、有機ポリオールの合成の際、多価カルボン酸と多価アルコールから一段階で分子内部或いは分子末端にカルボキシル基を含有するものを得ることが可能である。これらの多塩基酸無水物との反応は、接着剤組成物の接着性能、例えば、耐熱水性、耐油性、耐酸性等を向上させるのに、促進効果を示す。有機ポリオールと多塩基酸無水物の反応は、多塩基酸無水物の開環反応によるエステル化反応が主反応になるように、反応温度を200℃以下、好ましくは150〜180℃の範囲に制御する必要がある。両者の反応割合は、有機ポリオールの分子中の水酸基を40%以上消費する量の多塩基酸無水物となるようにする。ここでの「%」とは、有機ポリオールの分子中の水酸基の個数を基準にしたものである。上記数値が40%未満の場合、得られる組成物の耐酸性の向上は十分でない。又、多塩基酸無水物として、脂肪族多価カルボン酸無水物を用いても、同様に分子内にカルボキシル基を導入できるが、この場合は耐酸性の向上は見られなく、脂肪族多価カルボン酸無水物の使用は好ましくない。更に、有機ポリオール(1)にポリエステルポリオールやポリエーテルエステルポリオールを用いる場合、それらの出発原料であるカルボン酸として芳香族系の多価カルボン酸のみを用いると、有機ポリオール(1)の物性をコントロールする上で問題が多い。特に、3価或いは4価の多価カルボン酸は、分岐した有機ポリオール(1)を生じ、このものはゲル化し易く、多量に使用できない。又、芳香族系多価カルボン酸は昇華性があるので、有機ポリオール(1)の合成の際、これらの昇華物が反応釜や脱水装置に付着し、製造上困難を来す。その点、その分子中にカルボキシル基を有する有機ポリオール(有機ポリオール(2))を用いると、上記のような問題を回避できる。有機ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート若しくはその混合物、4,4′−トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、ω,ω′−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−又は1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン若しくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエン等の有機トリイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタン−2,2′−5,5′−テトライソシアネート等の有機テトライソシアネート等のポリイソシアネート単量体、上記ポリイソシアネート単量体から誘導されたダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、炭酸ガスと上記ポリイソシアネート単量体とから得られる2,4,6−オキサジアジントリオン環を有するポリイソシアネート、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3′−ジメチロールプロパン、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の分子量200未満の低分子ポリオールとの付加体、或いは、分子量200〜20,000のポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシアルカン、ひまし油、ポリウレタンポリオール等の付加体等が挙げられる。
有機溶剤型接着剤の硬化剤として使用されるポリイソシアネート化合物としては、上記有機ポリイソシアネートが例示される。
また、水性接着剤は、水性ポリウレタン接着剤、水性アクリル接着剤、水性ポリエステル接着剤、水性ポリエーテル接着剤等が挙げられる。
水性ポリウレタン接着剤は分子内にカルボキシル基を含まないポリオール化合物と分子内にカルボキシル基を含むポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるカルボキシル基を有するポリウレタン化合物を水の中に分散または溶解させた自己乳化型水分散性または水溶解性水性ウレタン接着剤がある。また、分子内にカルボキシル基を含まないポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させたポリウレタン化合物を、界面活性を使用して水の中に強制乳化させた水分散性ポリウレタン接着剤がある。水性ウレタン接着剤に使用される分子内にカルボキシル基を含まないポリオール化合物は、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリエステルアミドポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシアルカン、ひまし油、またはそれらの混合物を用いることができる。カルボキシル基含有ポリオールとしては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等が挙げられるが、ジメチロールブタン酸が特に好ましい。ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が挙げられるが、トリレンジイソシアネート及び4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートが特に好ましい。
水性アクリル接着剤は、カルボキシル基を含まないアクリルモノマーとカルボキシル基を含むアクリル酸モノマーとを乳化重合させて得られた水性アクリル接着剤である。
本発明のドライラミネート方法に用いられるフィルムは特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポレエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルム、アルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウムなどの金属蒸着フィルム、アルミ箔などの金属箔などが挙げられ、その組合せは、前記プラスチックフィルム同士、プラスチックフィルムと金属蒸着フィルム、プラスチックフィルムと金属箔などである。フィルムの厚さも特に限定されず、通常、5〜200μmである。
本発明のドライラミネート方法では、高固形分の接着剤を用いることにより、
接着剤のドライ塗布量を1〜8g/mの範囲に確保することができ、接着性能に優れた積層体が得られ、特に食品分野の用途に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。ただし、下記の実施例は本発明を制限するものではない。
(実施例1)
厚さ20μmのニ軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP;東洋紡績株式会社製、パイレンフィルムOT P−2161)を基材として、転刻方式で作成したグラビア線数180線/インチ、セル容積19cc/mのグラビア版を用いてドライラミネーター(富士機械工業株式会社製:FL2型)で、ハイソリッド型有機溶剤型接着剤(東洋モートン株式会社製、ポリエステル系接着剤、TM−550)を固形分45質量%で塗工し、溶剤を乾燥機(温度60℃、70℃、80℃、80℃)により揮発させた後、厚さ25μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP;東セロ株式会社製、GHC#25)をニップロールにより50℃でラミネートして積層体を得た。
得られた積層体を10cm×10cmの大きさに切った後、精密天秤で積層体の重量:A(g)を測定した。その後、積層体を剥離して、両方の剥離面に付着している接着剤を酢酸エチルで完全にふき取った。接着剤をふき取った後のフィルムを80℃5分乾燥した後、精密天秤で剥離した両方のフィルムの重量:B(g)を測定した。ドライ塗布量を下記式により算出したところ、2.8g/mであった。
ドライ塗布量(g/m)=(A−B)/0.01
また、得られた積層体の外観を目視観察したところ均一で良好な表面であり、トンネリング現象の発生もなかった。
(実施例2)
グラビア版としてレーザー方式で作成したグラビア線数200線/インチ、セル容積14cc/mの版を用い、接着剤として水性アクリル系接着剤(ロームアンドハース社製、ROBOND L−250)を固形分45質量%で用いる他は、実施例1と同様の方法により積層体を得た。接着剤のドライ塗布量は2.1g/mであった。得られた積層体の外観を目視観察したところ均一で良好な表面であり、トンネリング現象の発生もなかった。
(実施例3)
グラビア版として電子彫刻製版(ヘリオ版)で作成したグラビア線数250線/インチ、セル容積16cc/mの版を用い、接着剤として水性アクリル系接着剤(ロームアンドハース社製、ROBOND L−250)を固形分45質量%で用いる他は、実施例1と同様の方法により積層体を得た。接着剤のドライ塗布量は2.4g/mであった。得られた積層体の外観を目視観察したところ均一で良好な表面であり、トンネリング現象の発生もなかった。
(実施例4)
グラビア版として電子彫刻製版(ヘリオ版)で作成したグラビア線数137線/インチ、セル容積26cc/mの版を用い、接着剤としてハイソリッド型有機溶剤型接着剤(東洋モートン株式会社製、ポリエステル系接着剤、TM−550)を固形分45質量%で用いる他は、実施例1と同様の方法により積層体を得た。接着剤のドライ塗布量は3.8g/mであった。得られた積層体の外観を目視観察したところ均一で良好な表面であり、トンネリング現象の発生もなかった。
(比較例1)
グラビア版として転刻方式で作成したグラビア線数120線/インチ、セル容積41cc/mの版を用い、接着剤として水性アクリル系接着剤(ロームアンドハース社製、ROBOND L−250)を固形分45質量%で用いる他は、実施例1と同様の方法により積層体を得た。接着剤のドライ塗布量は6.0g/mであった。得られた積層体の外観を目視観察したところ、トンネリング現象が発生した。
(比較例2)
グラビア版として転刻方式で作成したグラビア線数300線/インチ、セル容積8cc/mの版を用い、接着剤としてハイソリッド型有機溶剤型接着剤(東洋モートン株式会社製、エステル系接着剤、TM−550)を固形分45質量%で用いる他は、実施例1と同様の方法により積層体を得た。接着剤のドライ塗布量は1.2g/mであった。得られた積層体の外観を目視観察したところ擦れが生じていた。
(比較例3)
グラビア版として転刻方式で作成したグラビア線数120線/インチ、セル容積23cc/mの版を用い、接着剤としてハイソリッド型有機溶剤型接着剤(東洋モートン株式会社製、エステル系接着剤、TM−550)を固形分45質量%で用いる他は、実施例1と同様の方法により積層体を得た。接着剤のドライ塗布量は3.4g/mであった。得られた積層体の外観を目視観察したところすじ状の模様が生じていた。
(比較例4)
グラビア版として転刻方式で作成したグラビア線数140線/インチ、セル容積34cc/mの版を用い、接着剤としてハイソリッド型有機溶剤型接着剤(東洋モートン株式会社製、エステル系接着剤TM−550)を固形分45質量%で用いる他は、実施例1と同様の方法により積層体を得た。接着剤のドライ塗布量は5.1g/mであった。得られた積層体の外観を目視観察したところトンネリング現象が発生した。
(比較例5)
グラビア版として電子彫刻製版(ヘリオ)で作成したグラビア線数200線/インチ、セル容積8cc/mの版を用い、接着剤として水性アクリル系接着剤(ロームアンドハース社製、ROBOND L−250)を固形分45質量%で用いる他は、実施例1と同様の方法により積層体を得た。接着剤のドライ塗布量は1.2g/mであった。得られた積層体の外観を目視観察したところ擦れが生じていた。
(比較例6)
グラビア版として電子彫刻製版(ヘリオ)で作成したグラビア線数300線/インチ、セル容積12cc/mの版を用い、接着剤として水性アクリル系接着剤(ロームアンドハース社製、ROBOND L−250)を固形分45質量%で用いる他は、実施例1と同様の方法により積層体を得た。接着剤のドライ塗布量は1.8g/mであった。得られた積層体の外観を目視観察したところ擦れが生じていた。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0005081802
表1より、実施例1〜4は、ラミネート後の積層体の外観は、均一で良好な表面であり、トンネリング現象の発生もなかった。これに対し、グラビア線数とセル容積が本発明の範囲を外れる比較例1〜6は、ラミネート後の積層体の外観はすじ状の模様や擦れが生じ良好な表面を得ることができず、トンネリング現象の発生もみられた。

Claims (3)

  1. 溶媒により希釈された固形分35質量%以上の接着剤をグラビア方式でフィルムに塗工した後、溶媒を揮発させ、別のフィルムとを貼り合せて積層体を得るドライラミネート方法において、グラビア線数が135〜250線/インチ、セル容積が10〜30cc/mのグラビア版を用いて前記接着剤を塗工することを特徴とするドライラミネート方法。
  2. 前記接着剤が有機溶剤型接着剤又は水性接着剤であることを特徴とする請求項1記載のドライラミネート方法。
  3. 請求項1又は2に記載のドライラミネート方法により得られる積層体。
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