JP5081688B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、防振装置に関するものである。
車両の振動発生部であるエンジンと、振動受け部である車体との間には、エンジンの振動が車体に伝達されるのを抑制するため、防振装置としてエンジンマウントが配設されている。そのうち液体封入式のエンジンマウントは、主液室と副液室とがオリフィス通路によって連結されたものである。このオリフィス通路が特定周波数で液柱共振することにより、特定周波数の振動伝達を抑制しうるようになっている。
エンジンの主な振動には、シェイク振動(低周波数・大振幅)およびアイドリング振動(高周波数・小振幅)がある。これらの振動伝達を抑制するため、オリフィス通路の長さを切り換え可能なエンジンマウントが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−100954号公報
図6は、オリフィス通路の長さを切り換え可能な従来技術に係るエンジンマウントの側面断面図である。このエンジンマウント500は、一対のオリフィス通路552,554が形成された筒状の仕切部材550を備えている。仕切部材550の副液室41側は閉塞され、主液室31側には逆止弁580が設けられている。そして仕切部材550の内部には、プランジャ560が上下移動自在に配置されている。
このエンジンマウント500に大振幅のシェイク振動が入力され、主液室31の圧力が上昇すると、逆止弁580が開放されてプランジャ560が下降する。これにより、オリフィス通路のリーク孔553が閉塞されて、一対のオリフィス通路552,554が直列接続される。これにより、低周波数のシェイク振動の入力時に、一対のオリフィス通路552,554で液柱共振が発生し、シェイク振動の伝達を抑制することができる。
一方、小振幅のアイドリング振動の入力時には、逆止弁580が閉塞され、プランジャ560がコイルばね572に付勢されて上昇する。これにより、リーク孔553が開放されて、副液室41側のオリフィス通路554に液体が流入しなくなる。これにより、高周波数のアイドリング振動の入力時に、主液室31側のオリフィス通路552で液柱共振が発生し、アイドリング振動の伝達を抑制することができるようになっている。
上述した逆止弁580は、押さえ部材590および受け部材505によって挟持されている。また押さえ部材590にはシールゴム599が接着され、押さえ部材590と仕切部材550との間が封止されている。そのためエンジンマウント500は、良好な防振特性を発揮するものの、部品点数が多く高コストであった。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたもので、部品点数が少なく低コストの防振装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る防振装置は、振動発生部および振動受け部のいずれか一方に連結され、略筒状に形成された第1取付部材と、前記振動発生部および前記振動受け部のいずれか他方に連結され、前記第1取付部材の内周側に配置された第2取付部材と、前記第1取付部材と前記第2取付部材との間を弾性的に支持する弾性体と、隔壁の一部が前記弾性体で構成され、液体が封入された主液室と、隔壁の一部がダイヤフラムで構成されるとともに液体が封入され、液圧の変化に応じて内容積が拡縮可能な副液室と、前記主液室と前記副液室との間に設けられた仕切部材と、前記主液室と前記副液室とを連通するオリフィス通路と、を備えた防振装置であって、前記オリフィス通路の中間部を前記副液室にリークさせるリーク孔と、前記リーク孔を開放するように付勢され、前記主液室の正圧力の作用により前記リーク孔を閉塞するプランジャと、前記プランジャと前記主液室との間に配置され、前記主液室の正圧力のみを前記プランジャに作用させる逆止弁と、前記逆止弁を前記仕切部材との間に挟持する押さえ部材と、を備え、前記押さえ部材に、前記逆止弁を保持する第1保持部が形成され、前記逆止弁の周囲に連結部を介して連結されたリング状のシール部材を備え、前記シール部材が前記押さえ部材および前記仕切部材により挟持されて、前記押さえ部材と前記仕切部材との間がシールされ、前記仕切部材に、前記逆止弁を保持する第2保持部が形成され、前記シール部材に、前記第2保持部に係合する第2係合部が形成され、前記第2係合部は、前記シール部材から立設された舌片部であり、前記第2保持部は、前記舌片部が挿入される溝部であることを特徴とする。
この構成によれば、押さえ部材により逆止弁を保持することで、逆止弁の相対位置を簡単に固定することが可能になり、防振装置の組み立て時に逆止弁を正確に装着することができる。これにより、押さえ部材の反対側で逆止弁を支持する受け部材を廃止することが可能になり、部品点数が少なく低コストの防振装置を提供することができる。
また、シール部材が挟持されることで逆止弁の撓みが規制されるので、押さえ部材の反対側で逆止弁を支持する受け部材を廃止することが可能になる。また、シール部材を逆止弁と一体成型することができるので、押さえ部材のシールゴムを廃止することが可能になる。したがって、部品点数が少なく低コストの防振装置を提供することができる。
さらに、周方向においても逆止弁の相対位置を固定することができる。また保持部および係合部を簡単に形成することが可能になり、さらに両者を簡単に係合することが可能になる。したがって、低コストの防振装置を提供することができる。
前記逆止弁には、前記第1保持部に係合する第1係合部が形成されていることを特徴とする。
前記第1係合部は、前記逆止弁の表面に立設された凸部の小径部であり、前記第1保持部は、前記小径部に嵌合する孔部であることを特徴とする。
これらの構成によれば、第1保持部および第1係合部を簡単に形成することが可能になり、また両者を簡単に係合することが可能になる。したがって、低コストの防振装置を提供することができる。
本発明によれば、押さえ部材により逆止弁を保持することで、逆止弁の相対位置を簡単に固定することが可能になる。これにより、押さえ部材の反対側で逆止弁を支持する受け部材を廃止することが可能になり、部品点数が少なく低コストの防振装置を提供することができる。
以下、本発明に係る防振装置の一実施形態に係るエンジンマウントを、図面に基づいて説明する。なお以下には、エンジンマウントの中心軸方向における弾性体30側を「上方」と呼び、ダイヤフラム部材側を「下方」と呼ぶ場合がある。
図1は、本実施形態に係るエンジンマウントの側面断面図である。エンジンマウント1は、振動発生部であるエンジンに連結される内筒部材10と、振動受け部である車体に連結される外筒部材20と、内筒部材10と外筒部材20との間を支持する弾性体30と、隔壁の一部が弾性体30で構成された主液室31と、隔壁の一部がダイヤフラム部材40で構成された副液室41と、主液室31と副液室41との間に設けられた仕切部材50と、主液室31と副液室41とを連通するオリフィス通路52,54と、を備えている。
内筒部材10は、アルミニウム合金等の金属材料を射出成形することにより、下方に向かって先細る円錐状や円錐台状等に形成されている。内筒部材10の上面から内部にかけて、エンジンブラケットの取付穴12が形成されている。
外筒部材20は、鋼板材料等をプレス成形することにより、円筒状に形成されている。上述した内筒部材10は、外筒部材20の上部内側に同軸状に配置されている。外筒部材の軸方向中間部には縮径部22が形成され、内筒部材10の側面と縮径部22の上面とが対向するように配置されている。
そして、内筒部材10の側面と外筒部材20の内周面との間に、ゴム等の弾性材料からなる弾性体30が射出成形されている。弾性体30は、エンジンの静荷重を負担する本体ゴムとして機能する。この弾性体30および内筒部材10により、外筒部材20の上端開口部が閉塞されている。弾性体30は、外筒部材20の上端部から縮径部22の上面にかけて成形され、さらに縮径部22の下面から外筒部材20の下端部にかけて延設されている。なお縮径部22の下方であって外筒部材20の周方向の一部には、外筒部材20の窓部24が形成されている。その窓部24を閉塞するように弾性体30が配設されて、主液室31の圧力上昇を緩和するメンブラン34が形成されている。
外筒部材20の下端開口部は、ダイヤフラム部材40で閉塞されている。ダイヤフラム部材40は、金属材料によりリング状に形成された支持部材42と、支持部材42の内周面に固着された薄膜状のダイヤフラムゴム44とを備えている。ダイヤフラムゴム44は同心円の波紋状に形成され、副液室の液圧変化に応じて拡縮しうるようになっている。外筒部材20の下端部を支持部材42に向けて加締ることにより、ダイヤフラム部材40が外筒部材20に固定されている。
このように、外筒部材20の両端開口部が閉塞されて、その内部にエチレングリコールや水、シリコンオイル等からなる液体が封入されている。外筒部材20には液体注入孔が形成され、液体注入後にリベット28により封止されている。
外筒部材20の内部には、主液室31と副液室41とを仕切る仕切部材50が配置されている。すなわち、仕切部材50の上方には弾性体30を隔壁の一部とする主液室31が形成され、仕切部材50の下方にはダイヤフラムゴム44を隔壁の一部とする副液室41が形成される。仕切部材50は、外筒部材20の内周面に沿って配置される円筒部55と、円筒部55の下端部を閉塞する底板部56とを備えている。円筒部55および底板部56は、アルミニウム合金等により一体的に射出成形されている。
円筒部55の外周面には、オリフィス通路として第1オリフィス通路52および第2オリフィス通路54が直列に連続形成されている。第1オリフィス通路52は主液室31に連通し、第2オリフィス通路54は副液室41に連通している。第1オリフィス通路52と第2オリフィス通路54との間には、円筒部55の内外を連通するリーク孔53が設けられている。なお仕切部材50の底板部56には貫通孔57が形成されている。このリーク孔53および貫通孔57は、オリフィス通路の中間部を前記副液室にリークさせるものである。
また底板部56の中央には、下方に向かって突出する厚肉部58が形成されている。厚肉部58の中央には貫通孔が形成され、その貫通孔に摺動軸70が圧入されている。摺動軸70は、底板部56から上方に向かって立設されている。
摺動軸70に沿って上下移動するプランジャ60が設けられている。プランジャ60は、摺動軸70の外周に嵌合する内筒62と、仕切部材50の円筒部55の内周に嵌合する外筒64と、内筒62および外筒64を連結するプレート66とを備えている。内筒62、外筒64およびプレート66は、金属材料等により一体成形されている。なお摺動軸の外面および内筒62の内面、並びに外筒64の外面および円筒部55の内面には、相互に摺動自在となるように仕上げ加工がなされている。
プランジャ60の下降は底板部56により規制され、プランジャ60の上昇は後述する逆止弁80により規制される。なお底板部56の表面には、プランジャ60との当接音を防止するため、シートゴム74が配置されている。プランジャ60が下端部に位置するとき、外筒64によりリーク孔53が閉塞され、プランジャ60が上端部に位置するとき、リーク孔53が開放されるようになっている。仕切部材50の底板部56とプランジャ60のプレート66との間には、プランジャ60を上方に付勢するコイルばね72が配置されている。すなわちプランジャ60は、リーク孔53を開放する方向に付勢されている。またプランジャ60は、主液室31の正圧力がプレートの上面に作用すると下降して、リーク孔53を閉塞するようになっている。
(押さえ部材、逆止弁)
仕切部材50の円筒部55の上端に押さえ部材90が配置され、押さえ部材90と摺動軸70との間に逆止弁80が配置されている。
図3は、本実施形態における押さえ部材および逆止弁の斜視図である。押さえ部材90は、鋼板材料からプレス成形され、円盤状の押さえ板部92と、押さえ板部92の周縁部から垂下された側板部93とを備えている。側板部93の内径は、仕切部材50の外形より大きくなっている。なお、仕切部材50の第1オリフィス通路の流入口に対応して側板部93には切り欠き93aが形成され、第1オリフィス通路と主液室との連通が確保されている。押さえ板部92には、開口部95が形成されている。開口部95の中央には、複数の橋部94により支持された島部96が設けられている。島部96の下面には半球状の凹部が形成され、その凹部の先端に、逆止弁80の保持部である孔部(第1保持部)97が形成されている。
逆止弁80は、ゴム等の弾性材料により一体成形され、円盤状の弁部82と、弁部82の周囲に配置されたシール部材83と、両者を連結する複数の連結部84とを備えている。弁部82の外径は、押さえ部材90の開口部95の内径より大きくなっている。弁部82の上面中央には凸部86が形成されている。凸部86の高さ方向の中間には小径部(第1係合部)87が形成されている。また凸部86の先端にはつまみ部88が形成されている。
逆止弁80は以下のように装着する。まず、逆止弁80のつまみ部88を押さえ部材90の孔部97に通して反対側に引っ張ることにより、逆止弁80の小径部87を孔部97に係合させる。これにより、押さえ部材90と逆止弁80との軸方向および半径方向における相対位置が固定される。次に、押さえ部材90の側板部93の内側に仕切部材50の円筒部55を挿入し、押さえ板部92の下面と円筒部55の上面78との間で、逆止弁80のシール部材83を挟み込む。これと同時に、図1に示すように、逆止弁80の下面中央部に摺動軸70を突き当てる。これにより、押さえ部材90と仕切部材50との間に逆止弁80が挟持され、両者間がシール部材83によりシールされる。以上により、逆止弁を正確に装着しうるようになっている。
(作用)
次に、本実施形態に係るエンジンマウントの作用を説明する。
図1に示すように、仕切部材50の円筒部55の上端部が逆止弁80により閉塞されて、円筒部55の内側に中間液室が形成されている。この中間液室は、プランジャ60の上方の上液室61と、下方の下液室51とに分離されている。
図2は、本実施形態に係るエンジンマウントの作用の説明図である。エンジンの主な振動には、シェイク振動(低周波数・大振幅)およびアイドリング振動(高周波数・小振幅)がある。図2はエンジンマウントにシェイク振動が入力された場合であり、図1はアイドリング振動が入力された場合である。
エンジンマウントにバウンド荷重が入力されて主液室31の圧力が上昇すると、図2に示すように逆止弁80が下方に撓む。図3に示す逆止弁80では、小径部87およびシール部材83が固定されているので、隣接する連結部84の間における弁部82の周縁部が下方に撓むことになる。これにより、主液室と上液室とが連通する。なお、逆止弁80の連結部84と押さえ部材90の橋部94との周方向位置が一致するように、逆止弁80および押さえ部材90を配置することが望ましい。これにより、弁部82が下方に撓む位置と押さえ部材90の開口部95の位置とを一致させることが可能になり、主液室から上液室に対して円滑に液体を流入させることができる。
逆に、エンジンマウントにリバウンド荷重が入力されて主液室の圧力が低下すると、逆止弁80の弁部82が押さえ部材90の開口部95を閉塞する。この場合、主液室と上液室とは連通しない。図2に示すように、逆止弁80は、主液室31の圧力が上昇した場合のみ主液室31と上液室とを連通させるので、主液室31の正圧力のみをプランジャ60の上面に作用させることになる。
ここで、コイルばね72からプランジャ60に作用する付勢力は、大振幅のシェイク振動の入力時にプランジャ60の上面に作用する力より、小さく設定されている。そのため、シェイク振動の入力時にはプランジャ60が下降して、仕切部材50のリーク孔53を閉塞する。これにより、主液室31から第1オリフィス通路52に流入した液体は、第2オリフィス通路54を通って副液室41に流入する。すなわち、両オリフィス通路52,54が直列接続されて通路長が長くなる。直列接続された両オリフィス通路52,54は、低周波数のシェイク振動において液柱共振を発生させるようにチューニングされている。したがって、シェイク振動の伝達を抑制することができる。
一方、図1に示すように、小振幅のアイドリング振動が入力された場合には、主液室31の圧力が大幅に変動しない。コイルばね72からプランジャ60に作用する付勢力は、小振幅のアイドリング振動の入力時にプランジャ60の上面に作用する力より、大きく設定されている。そのため、アイドリング振動の入力時にはプランジャ60が上昇して、リーク孔53を開放する。これにより、主液室31から第1オリフィス通路52に流入した液体は、リーク孔53および貫通孔57から副液室41に流入し、第2オリフィス通路54には流入しない。第1オリフィス通路52は、高周波数のアイドリング振動において液柱共振を発生させるようにチューニングされている。したがって、アイドリング振動の伝達を抑制することができる。
以上に詳述したように、本実施形態に係るエンジンマウントでは、押さえ部材90に逆止弁80を保持する第1保持部が形成され、逆止弁80には第1保持部に係合する第1係合部が形成されている構成とした。具体的には、逆止弁80に形成された第1係合部は小径部87であり、押さえ部材90に形成された第1保持部は孔部97である構成とした。
この構成によれば、押さえ部材90の第1保持部に逆止弁80の第1係合部を係合することで、押さえ部材および逆止弁の相対位置を簡単に固定することが可能になり、エンジンマウント1の組み立て時に逆止弁80の位置ずれや落下を防止して逆止弁80を正確に装着することができる。これにより、押さえ部材90の反対側で逆止弁80を支持する受け部材を廃止することが可能になり、部品点数が少なく低コストのエンジンマウント1を提供することができる。
また逆止弁80の周囲に連結部を介して連結されたリング状のシール部材83を備え、シール部材83が押さえ部材90および仕切部材50により挟持されて、押さえ部材90と仕切部材50との間がシールされている構成とした。
この構成によれば、シール部材83が挟持されることで逆止弁80の撓みが規制されるので、押さえ部材90の反対側で逆止弁80を支持する受け部材を廃止することが可能になる。また、シール部材83を逆止弁80と一体成型することができるので、押さえ部材90のシールゴムを廃止することが可能になる。したがって、部品点数が少なく低コストのエンジンマウント1を提供することができる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係るエンジンマウントの側面断面図である。第1実施形態では押さえ部材により逆止弁を保持したが、第2実施形態では仕切部材150により逆止弁180を保持する点で相違している。なお第1実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
図5は、第2実施形態における押さえ部材、逆止弁および仕切部材の斜視図である。逆止弁180の弁部82の上面中央には、凸部186が形成されている。この凸部186は直径が一定の円柱状に形成され、第1実施形態のような小径部を備えていない。また、押さえ部材190の押さえ板部92の中央には、凸部186と同等の直径の孔部197が形成されている。
シール部材83から下方に向かって、舌片部(第2係合部)189が立設されている。舌片部189は、シール部材83と同じゴム等の弾性材料により、シール部材83と一体成形されている。各舌片部189は、底面視において厚さ一定の円弧状に形成され、側面視において高さ一定に形成されている。本実施形態では、複数の舌片部189が、シール部材83の周方向に沿って等間隔で形成されている。
仕切部材150の上面78には、舌片部189が挿入される溝部(第2保持部)159が形成されている。溝部159は、平面視において幅一定の円弧状に形成されるとともに、深さ一定に形成されている。本実施形態では、複数の舌片部189に対応する複数の溝部159が、シール部材83の周方向に沿って等間隔で形成されている。
逆止弁180は以下のように装着する。まず、逆止弁180の舌片部189を仕切部材150の溝部159に挿入する。これにより、逆止弁180と仕切部材150との半径方向および周方向における相対位置が固定される。次に、逆止弁180を覆うように押さえ部材190を装着し、逆止弁180の凸部186に押さえ部材190の孔部197を挿入する。そして、押さえ部材190の押さえ板部92の下面と仕切部材150の上面78との間で、逆止弁180のシール部材83を挟み込む。これと同時に、図4に示すように、逆止弁180の下面中央部に摺動軸70を突き当てる。これにより、押さえ部材190と仕切部材150との間に逆止弁180が挟持され、両者間がシール部材83によりシールされる。以上により、逆止弁180を正確に装着しうるようになっている。
以上に詳述したように、本実施形態に係るエンジンマウントでは、仕切部材150に逆止弁180を保持する第2保持部が形成され、逆止弁180には第2保持部に係合する第2係合部が形成されている構成とした。具体的には、逆止弁180に形成された第2係合部は舌片部189であり、仕切部材150に形成された第2保持部は溝部159である構成とした。
この構成によっても、第1実施形態と同様に、逆止弁180の相対位置を簡単に固定することが可能になり、エンジンマウント100の組み立て時に逆止弁180の位置ずれや落下を防止して逆止弁180を正確に装着することができる。特に第2実施形態では、逆止弁180の周方向における位置ずれを防止することが可能である。これにより、押さえ部材190の反対側で逆止弁180を支持する受け部材を廃止することが可能になり、部品点数が少なく低コストのエンジンマウント100を提供することができる。
なお、第2実施形態では逆止弁180の周方向に沿って複数の舌片部を設けたが、逆止弁180の全周に連続する舌片部を設けてもよい。また、仕切部材150の第1オリフィス通路の流入口に対応する位置を除いて、周方向に連続する舌片部を設けてもよい。
また、第1実施形態における第1係合部(小径部)および第1保持部(孔部)に加えて、第2実施形態における第2係合部(舌片部)および第2保持部(溝部)を設けてもよい。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では内筒部材の上方にエンジンが固定されるエンジンマウントを例にして説明したが、これとは逆に内筒部材の下方にエンジンが固定される、いわゆる吊り下げ型のエンジンマウントに本発明を適用することも可能である。
第1実施形態に係るエンジンマウントの側面断面図である。 第1実施形態に係るエンジンマウントの作用の説明図である。 第1実施形態における押さえ部材および逆止弁の斜視図である。 第2実施形態に係るエンジンマウントの側面断面図である。 第2実施形態における押さえ部材、逆止弁および仕切部材の斜視図である。 従来技術に係るエンジンマウントの側面断面図である。
符号の説明
1…エンジンマウント(防振装置) 10…内筒部材(第2取付部材) 20…外筒部材(第1取付部材) 30…弾性体 31…主液室 40…ダイヤフラム部材 41…副液室 50…仕切部材 52…第1オリフィス通路 53…リーク孔 54…第2オリフィス通路 60…プランジャ 80…逆止弁 83…シール部材 87…小径部(第1係合部) 90…押さえ部材 97…孔部(第1保持部) 159…溝部(第2保持部) 189…舌片部(第2係合部)

Claims (3)

  1. 振動発生部および振動受け部のいずれか一方に連結され、略筒状に形成された第1取付部材と、
    前記振動発生部および前記振動受け部のいずれか他方に連結され、前記第1取付部材の内周側に配置された第2取付部材と、
    前記第1取付部材と前記第2取付部材との間を弾性的に支持する弾性体と、
    隔壁の一部が前記弾性体で構成され、液体が封入された主液室と、
    隔壁の一部がダイヤフラムで構成されるとともに液体が封入され、液圧の変化に応じて内容積が拡縮可能な副液室と、
    前記主液室と前記副液室との間に設けられた仕切部材と、
    前記主液室と前記副液室とを連通するオリフィス通路と、を備えた防振装置であって、
    前記オリフィス通路の中間部を前記副液室にリークさせるリーク孔と、
    前記リーク孔を開放するように付勢され、前記主液室の正圧力の作用により前記リーク孔を閉塞するプランジャと、
    前記プランジャと前記主液室との間に配置され、前記主液室の正圧力のみを前記プランジャに作用させる逆止弁と、
    前記逆止弁を前記仕切部材との間に挟持する押さえ部材と、を備え、
    前記押さえ部材に、前記逆止弁を保持する第1保持部が形成され
    前記逆止弁の周囲に連結部を介して連結されたリング状のシール部材を備え、
    前記シール部材が前記押さえ部材および前記仕切部材により挟持されて、前記押さえ部材と前記仕切部材との間がシールされ、
    前記仕切部材に、前記逆止弁を保持する第2保持部が形成され、
    前記シール部材に、前記第2保持部に係合する第2係合部が形成され、
    前記第2係合部は、前記シール部材から立設された舌片部であり、
    前記第2保持部は、前記舌片部が挿入される溝部であることを特徴とする防振装置。
  2. 前記逆止弁には、前記第1保持部に係合する第1係合部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記第1係合部は、前記逆止弁の表面に立設された凸部の小径部であり、
    前記第1保持部は、前記小径部に嵌合する孔部であることを特徴とする請求項2に記載の防振装置。
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