JP5080200B2 - 脆質部材の処理方法および該方法に用いられる粘着シート - Google Patents

脆質部材の処理方法および該方法に用いられる粘着シート Download PDF

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Description

本発明は、半導体ウエハ等の脆質部材の搬送や半導体ウエハの裏面研削等の加工に代表される各種の処理工程を含む、脆質部材の処理方法および該方法に用いられる粘着シートに関する。
近年のICカードの普及にともない、その構成部材であるウエハの薄型化が進められている。従来350μm程度の厚みであったウエハを、50〜100μmあるいはそれ以下まで薄くすることが求められるようになった。
脆質部材であるウエハは、薄くなるにつれて、加工や運搬の際、破損する危険性が高くなる。このため、ウエハを極薄まで研削したり、極薄のウエハを運搬したりする場合は、ウエハをガラス板やアクリル板のような硬質板上に両面粘着シートなどにより固定・保護して作業を進めるのが望ましい。
しかしながら、両面粘着シートでウエハと硬質板とを貼り合わせる方法では、一連の工程を終えた後、ウエハを硬質板から剥離する際、ウエハが割れてしまうことがあった。2枚の薄層品が貼り合わせてなる積層物を剥離する際には、薄層品の何れか一方、または両者を湾曲させて剥離する必要がある。しかし、硬質板を湾曲することは不可能ないし困難であるため、ウエハ側を湾曲せざるをえない。このため、脆弱なウエハにひずみがかかって割れてしまうことになる。
このような問題を解決するための手段として、ウエハの変形をできる限り低減して剥離を行う方法や、ウエハに保護フィルムを積層するなどしてウエハを補強した上で剥離を行う方法、さらにはウエハを硬質板に固定する手段として、接着力を制御可能な粘着剤や両面粘着テープを用い、剥離時に粘着剤の発泡などの適宜な手段により接着力を低下させた後に剥離を行う方法などが種々提案されている(特許文献1〜5)。
特許文献6では、硬質板を使用せずに、比較的剛性の高い樹脂フィルムを用いた脆質部材の保護方法が開示されている。
特開2004-153227号公報 特開2005-116678号公報 特開2003-324142号公報 特開2005-277037号公報 国際特許公開WO2003/049164 特開2004-63678号公報
ウエハを硬質板上に保持した場合には、ウエハを剥離する際にウエハ側を変形することとなる。このため、ウエハの破損を完全に防止することは難しい。また、発泡などにより接着力を低減するように設計された特殊な粘着剤や両面粘着テープを使用した場合には、ウエハに接着剤が残着し、ウエハを汚染してしまう可能性もある。特許文献6に提案されている方法では、剛性の樹脂フィルム側を変形してウエハからの剥離を行うため、ウエハの破損という問題は解消できる。しかし、樹脂フィルムであるため、形状保持性が必ずしも十分ではなく、ウエハの搬送時にウエハが破損するおそれがある。
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものである。すなわち、本発明は、半導体ウエハ等の脆質部材の搬送や裏面研削等の加工を施す際に、脆質部材を安定して保持でき、しかも所要の処理が終了した後には、脆質部材を破損することなく剥離することができる脆質部材の処理方法ならびに該処理方法に好ましく用いられる粘着シートを提供することを目的としている。
このような課題の解決を目的とした本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)気密な袋状フィルム基材の両外表面に粘着剤層が形成された粘着シートの片面に脆質部材を再剥離可能に固定し、他面に硬質板を再剥離可能に固定する工程、
前記脆質部材に処理を行う工程、
前記袋状フィルム基材の内部空間に流体を導入し、粘着シートを膨張する工程、
処理された脆質部材を、粘着シートから剥離する工程を含む脆質部材の処理方法。
(2)脆質部材が半導体ウエハであり、該半導体ウエハに施される処理が、半導体ウエハの裏面研削あるいは半導体ウエハの搬送である(1)に記載の処理方法。
(3)上記(1)に記載の処理方法に用いられる粘着シートであって、
第1のフィルムと第2のフィルムとを有し、これらの周縁部が結着されてなる袋状フィルム基材と、
該袋状フィルム基材の両外表面に形成された粘着剤層とからなる粘着シート。
(4)前記袋状フィルム基材の周縁部の一部に、袋状フィルムの内部空間に連通する開口部が設けられてなる(3)に記載の粘着シート。
(5)前記袋状フィルム基材の内側表面同士の静摩擦係数が0.1以上である(3)に記載の粘着シート。
(6)前記袋状フィルム基材の内周部において、第1のフィルムと第2のフィルムとがスポット的に結着されてなる(3)に記載の粘着シート。
(7)第1のフィルムと第2のフィルムとを有し、これらの周縁部が結着されてなる袋状フィルム基材と、
該袋状フィルム基材の両外表面に形成された粘着剤層とからなり、
該袋状フィルム基材の周縁部の一部に、袋状フィルム基材の内部空間に連通する開口部が設けられてなる粘着シート。
(8)第1のフィルムと第2のフィルムとを有し、これらの周縁部が結着されてなる袋状フィルム基材と、
該袋状フィルム基材の両外表面に形成された粘着剤層とからなり、
該袋状フィルム基材の内周部において、第1のフィルムと第2のフィルムとがスポット的に結着されてなる粘着シート。
本発明においては、気密な袋状フィルム基材を有する粘着シートを介して半導体ウエハ等の脆質部材を硬質板に固定して保護しているため、脆質部材の搬送・保管・加工時において脆質部材を変形することなく保持できる。また、所要の処理の後には、気密な袋状フィルム基材に流体を導入し、袋状フィルム基材を膨張させることで、脆質部材と粘着シートとの接着面積が減少するため、脆質部材の剥離が容易になり、脆質部材の破損が防止される。
以下、本発明について図面を参照しながら、さらに具体的に説明する。図1に示すように、本発明に係る脆質部材の処理方法では、まず気密な袋状フィルム基材10の両外表面に粘着剤層11aおよび12aが形成された粘着シート1の片面に脆質部材2を再剥離可能に固定し、他面に硬質板3を再剥離可能に固定する。
脆質部材2としては、シリコンウエハ、ガリウム・ヒ素ウエハ等の各種半導体ウエハ、セラミックス板、ガラス板、金属板等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、本発明の処理方法は、表面に回路が形成された半導体ウエハに適用することが特に好ましい。さらに、裏面研削を施されて厚みが極めて薄くなり、強度が極端に低下した半導体ウエハに好ましく適用できる。
硬質板3は、脆質部材2の搬送・保管・加工時において、これを支持し保護する機能を果たす。硬質板3としては、たとえばガラス板、石英板や、アクリル板、ポリ塩化ビニル板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリプロピレン板、ポリカーボネート板等のプラスチック板が使用できる。硬質板3のASTM D 883により定義される硬度は、好ましくは70MPa以上である。硬質板3の厚さは、その材質にもよるが、通常は、0.1〜10mm程度である。硬質板3の径は、脆質部材2の径と同一またはこれよりも若干大きめのものが採用される。さらに、後述するように、粘着シート1の粘着剤層11a、12aとして、紫外線硬化型の粘着剤を使用する場合は、硬質板3は、紫外線透過性の材質により形成される。
本発明では、上記硬質板3上に、粘着シート1を介して脆質部材2が固定されてなる。
粘着シート1は、気密な袋状フィルム基材10の両外表面に粘着剤層11aおよび12aが形成されてなる。
気密な袋状フィルム基材10とは、常態においては2枚のフィルムの密着一体化し実質的に真空の内部空間を形成し、所要の操作により内部空間に流体を導入することで膨張する構造体を示す。このような袋状フィルム基材10の具体例、変形例についての詳細は後述する。
粘着シート1は、図1に示したように、袋状フィルム基材10と、その両外側の面に粘着剤層11a、12aが設けられた構成からなる。粘着剤層11a、12aとしては、再剥離可能であれば、特に限定はされず、従来公知の粘着剤が使用できる。たとえば通常の弱粘着剤であってもよく、また、剥離力を紫外線照射により制御できる紫外線硬化型粘着剤であってもよい。粘着剤層11a、12aの厚みは特に限定はされず、通常は1〜300μm程度であり、好ましくは5〜50μmである。
この袋状フィルム基材10の両外側の面に設けられる粘着剤層11a、12aは、どちらも同じものであってもよいが、両側が異なる材質のものでもよい。剥離時に、脆質部材2に貼着される側の粘着剤11aが、硬質板3の側に設けられる粘着剤12aよりも剥離力が小さくなるように選択されるような構成であれば、硬質板3を脆質部材2から剥離する際に、粘着シート1が硬質板3側に残着し、脆質部材2の側に残らず剥離されるため、脆質部材2から粘着シート1を再度剥離するという工程が不要となる。
なお、本発明においては、脆質部材2上に、さらに保護テープなどを貼り合わせ、脆質部材2を補強してもよい。
本発明の処理方法では、上述したように、硬質板3上に、粘着シート1を介して脆質部材2を固定する。この際の順序は特に限定はされず、予め粘着シート1が貼着された硬質板3に脆質部材2を貼着してもよく、この逆でもよい。脆質部材2が、表面に回路が形成された半導体ウエハの場合には、回路面側を粘着シート1に貼り合わせて、回路面の保護を行う。
次いで、脆質部材2に任意の処理を行う。この処理は、脆質部材2の用途に応じて様々であり、種々の加工処理、あるいは搬送や保管等をも含む。たとえば脆質部材2が表面に回路が形成された半導体ウエハの場合には、加工処理としては、ウエハ裏面に対するエッチング処理、ポリッシング処理、スパッタ処理、蒸着処理、研削処理等である。なお、脆質部材2に施される処理が、保管、搬送である場合には、かかる処理に先立ち、脆質部材2上に、さらに保護テープなどを貼り合わせ、脆質部材2を補強してもよい。
その後、前記硬質板3を脆質部材2から剥離する。剥離工程に先立ち、図2に示すように、袋状フィルム基材10の内部空間に流体を導入し、粘着シート1を膨張する。流体は、水などの液体であってもよく、また空気や窒素ガスのような気体であってもよい。流体の導入は、注射針のような中空の針を通して流体を袋状フィルム基材10の内部空間に圧入して行っても良く、また後述するように、袋状フィルム基材の内部空間に連通する開口部を予め設けておき、該開口部を通して流体を導入してもよい。
袋状フィルム基材10の内部空間に流体を導入することで、粘着シート1がバルーン状に膨張する。この結果、脆質部材2と粘着シート1との接着面積が減少するため、脆質部材2の剥離が容易になり、脆質部材剥離時の破損が防止される。また、粘着シート1の変形により、脆質部材2の端部が粘着シート1から剥離される。この端部を起点として剥離を行えるため、剥離操作も容易になる。
なお、粘着剤層11a、12aの何れか一方または両方を紫外線硬化型粘着剤で形成した場合には、上記の流体の導入または脆質部材2の剥離に先立ち、粘着シート1に紫外線照射を行うことで、粘着力が低減するため、脆質部材2の剥離がさらに容易になる。
次に本発明で使用する粘着シート1について、特に袋状フィルム基材10の好ましい態様を説明する。
袋状フィルム基材10は、前述したように、常態においては2枚のフィルムの密着一体化し実質的に真空の内部空間を形成し、所要の操作により内部空間に流体を導入することで膨張する構造体である。
このような袋状フィルム基材10としては、図1、図2にその断面図を示したように、第1のフィルム11と第2のフィルム12とを有し、これらの周縁部が結着されてなる袋状フィルム基材があげられる。図1および図2において、第1のフィルム11と第2のフィルム12との接触面での周縁部における符号13は、第1のフィルム11と第2のフィルム12との結着部13を示す。第1のフィルム11と第2のフィルム12とは、常態においては、気密的に密着一体化している。すなわち、袋状フィルム基材は、2枚のフィルムが周縁部において結着、固定された積層フィルムである。結着部13は、貼付される脆質部材2の外縁よりも外側に位置するように設けられる。
第1のフィルム11および第2のフィルム12は、流体を透過しない樹脂フィルムであれば、特に限定されず、各種の樹脂フィルムが使用可能である。このような樹脂フィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、アクリルゴム、ポリアミド、ウレタン、ポリイミド等の樹脂フィルムが挙げられる。また、それぞれのフィルム11およびフィルム12はこれらの単層であってもよいし、積層体からなってもよい。また、架橋等の処理を施したフィルムであってもよい。さらに、第1のフィルム11および第2のフィルム12は、熱可塑性樹脂を押出成形によりシート化したフィルムであってもよいし、硬化性樹脂を所定手段により薄膜化、硬化してシート化したフィルムが使われてもよい。硬化性樹脂としては、たとえば、エネルギー線硬化性のウレタンアクリレート系オリゴマーを主剤とし、比較的嵩高い基を有するアクリレートモノマーを希釈剤とし、必要に応じて光重合開始剤を配合した樹脂組成物が用いられる。
第1のフィルム11と第2のフィルム12とは、同種の樹脂フィルムから形成されていてもよく、また結着し密着一体化できる限りにおいて異種の樹脂フィルムから形成されていてもよい。
第1のフィルム11および第2のフィルム12の厚さは、それぞれ好ましくは5〜200μm、さらに好ましくは10〜150μm、特に好ましくは20〜100μmである。したがって、第1のフィルム11と第2のフィルム12との合計厚さは、好ましくは10〜400μm、さらに好ましくは20〜300μm、特に好ましくは40〜200μmである。
第1のフィルムと第2のフィルムとの結着は、熱による融着であってもよく、また接着剤による接着であってもよい。接着剤を用いる場合には、アクリル系等の強力な接着剤を使用することが好ましい。
袋状フィルム基材10は、たとえば第1のフィルム11と第2のフィルム12とを重ね、リング状加熱部を備えた熱圧着装置で第1のフィルム11と第2のフィルム12とを熱圧着して得られる。また、一方のフィルム表面にリング状に接着剤層を形成し、他方のフィルムを積層することで、袋状フィルム基材10を得ることもできる。袋状フィルム基材10の製造後に、結着部の外径に沿って、基材を切断してもよい。
第1のフィルム11と第2のフィルム12との結着部13は、図3に平面図(第1のフィルム11と第2のフィルム12との接触面における平面図)を示すように、袋状フィルム基材10の周縁部の全周に設けられていても良い。結着部13は、一部流体が抜ける部分があってもよいが、連続して周縁部の全周に設けられることが好ましい。結着部13に囲繞された内部領域では、第1のフィルム11と第2のフィルム12とが気密的に密着一体化した、実質的に真空で容積0(ゼロ)の内部空間が形成される。
本発明では、袋状フィルム基材10の内部空間に流体を導入して粘着シート1を膨張させて脆質部材2の剥離を行う。袋状フィルム基材10の周縁部の全周を結着した場合には、流体の導入は、注射針のような中空の針を袋状フィルム基材10に刺して、流体を袋状フィルム基材10の内部空間に圧入して行う。
また、内部空間に流体を導入するために、図4に示すように、袋状フィルム基材10の周縁部の一部に内部空間に連通する開口部14を設けても良い。開口部14は、袋状フィルム基材10の周縁部を結着する際に、その一部に非結着部(第1のフィルム11と第2のフィルム12とが結着されていない部分)を設けることで形成される。非結着部の形成は、たとえば前記したリング状加熱部の一部に切り欠き部を設けたり、あるいはリング状接着剤層の一部に切り欠き部を設けることで、第1のフィルム11と第2のフィルム12との結着と同時に形成することができる。
本発明における脆質部材2の処理が、半導体ウエハの裏面研削である場合には、半導体ウエハには剪断方向(横方向)に応力が加えられ、同時に袋状フィルム基材10にも剪断方向への応力が伝搬する。この結果、第1のフィルム11と第2のフィルム12との接触面でフィルムが滑り、フィルムの位置ズレが起こることがある。このようなフィルムの位置ズレが発生すると、ウエハの裏面研削が不可能になる。
上記のようなフィルムの位置ズレを防止するため、第1のフィルム11と第2のフィルム12との接触面、すなわち、袋状フィルム基材10の内側表面同士の静摩擦係数は、好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.15以上、特に好ましくは0.2以上である。ここで、袋状フィルム基材10の内側表面同士の静摩擦係数とは、第1のフィルム11と第2のフィルム12との接触面においてJIS K 7125に準じて測定された値である。静摩擦とは、滑り開始時に「しきい値」を超えるときの摩擦を意味し、静摩擦係数は「しきい値」から求めた係数であり、μ=F/Fで定義される。ここで、μは静摩擦係数、Fは静摩擦力、Fは滑り片の質量によって生じる法線力をしめす。静摩擦係数の測定条件について、図9に示す静摩擦係数測定装置を参照してさらに具体的に説明する。
図9に示す静摩擦係数測定装置20は、水平なテーブル21と、滑り片22およびテーブル21を水平方向に動かす駆動機構(図示せず)からなる。滑り片22は、接触面積(底面積)40cm2(一辺の長さ63 mm)で底面がフェルト22aで覆われてなり、全質量は200±2gである。試験フィルム23,24は、それぞれ第1のフィルム11、第2のフィルム12の何れか一方であり、試験フィルム23は、前記滑り片22の底面を覆うようにセットされる。試験フィルム23のサイズは63 mm×80 mmであり、試験フィルム24のサイズは80 mm×100 mmである。試験フィルム23,24は、袋状フィルム基材10を構成した際に、第1のフィルム11と第2のフィルム12との接触面となる表面同士が接触するようにセットされる。試験フィルム23がセットされた滑り片22は、バネ25を介してロードセル26に接続される。なおバネ25のバネ定数は、0.2N/mmである。静摩擦係数測定装置20を上記のように構成した後、100mm/minでテーブル21を水平移動させて、ロードセル26で荷重を読み取る。測定値から、JIS K 7125に準拠して静摩擦係数を算出する。
第1のフィルム11と第2のフィルム12の表面は目的の静摩擦係数を得るために、ブラスト処理、コロナ処理、コート処理、プラズマ処理、電子線処理などを行ってもよい。
同様に、フィルムの位置ズレを防止するため、袋状フィルム基材10の内周部Aにおいて、図5に断面図、図6に平面図を示すように、第1のフィルム11と第2のフィルム12とをスポット的に結着してもよい。なお、袋状フィルム基材10の内周部Aとは、前記結着部13に囲繞された内部領域を意味する。図6においては、ドット状のスポット状結着部15を示した。第1のフィルム11と第2のフィルム12との結着は、上記周縁部の場合と同様に、熱による融着であってもよく、また接着剤による接着であってもよい。
スポット状結着部15は、図6に示したようにドット状に形成されていてもよく、ストライプ状(図7)、放射状(図8)であってもよい。なお、これらスポット状結着部15は、前記した流体の導入を阻害しない配置で形成される。
スポット状結着部15は、たとえば第1のフィルム11と第2のフィルム12とを重ね、スポット状結着部の形状および配置に対応する加熱部を備えた熱圧着装置で第1のフィルム11と第2のフィルム12とを熱圧着して得られる。なお、この際に周縁部の結着を同時に行っても良い。また、一方のフィルム表面にリング状の接着剤層と、スポット状結着部の形状および配置に対応する接着剤層を形成し、他方のフィルムを積層することで、周縁部の結着と同時に、スポット状結着部15を形成することもできる。
本発明における脆質部材2の処理が、半導体ウエハの裏面研削である場合には、袋状フィルム基材10には高度の厚み精度が求められる。すなわち、袋状フィルム基材10の厚み精度が低い場合には、袋状フィルム基材10上に保持され、裏面研削されるウエハにも袋状フィルム基材10の凹凸が影響し、ウエハを均一な厚みに研削できない場合がある。特に、上記のように、脆質部材2が固定される袋状フィルム基材10の内周部にスポット状結着部15を形成すると、袋状フィルム基材10の厚み精度が低下しやすい。このため、第1のフィルムと第2のフィルムとの結着を、熱による融着で行うことが好ましい。熱融着によれば、フィルムの合計厚みが実質的に維持されるため、高い厚み精度の袋状フィルム基材が得られる。また、第1のフィルムと第2のフィルムとの結着を接着剤で行う場合であっても、接着剤層の厚みを可及的に薄くすることで、袋状フィルム基材の厚み精度は向上する。
以上、本発明で使用する袋状フィルム基材10の具体例、好適例について説明した。
本発明に係る粘着シートは、上記の袋状フィルム基材を芯材とした両面粘着シートであり、その好ましい一態様としては、
第1のフィルム11と第2のフィルム112とを有し、これらの周縁部が結着されてなる袋状フィルム基材10と、
該袋状フィルム基材10の両外表面に形成された粘着剤層11a、12aとからなり、
該袋状フィルム基材10の周縁部の一部に、袋状フィルム基材10の内部空間に連通する開口部14が設けられてなる粘着シート、があげられる。
また、他の好ましい態様としては、
第1のフィルム11と第2のフィルム12とを有し、これらの周縁部が結着されてなる袋状フィルム基材10と、
該袋状フィルム基材10の両外表面に形成された粘着剤層11a、12aとからなり、
該袋状フィルム基材10の内周部において、第1のフィルム11と第2のフィルム12とがスポット的に結着されてなる粘着シート、があげられる。
本発明においては、気密な袋状フィルム基材を有する粘着シートを介して脆質部材を硬質板に固定して保護しているため、脆質部材の搬送・保管・加工時において脆質部材を変形することなく保持できる。また、所要の処理の後には、気密な袋状フィルム基材に流体を導入し、袋状フィルム基材を膨張させることで、脆質部材と粘着シートとの接着面積が減少するため、脆質部材の剥離が容易になり、脆質部材の破損が防止される。
本発明の脆質部材の処理方法の一工程を示す。 本発明の脆質部材の処理方法の一工程を示す。 袋状フィルム基材の平面図を示す。 変形例に係る袋状フィルム基材の平面図を示す。 変更例に係る脆質部材の処理方法の一工程を示す。 変形例に係る袋状フィルム基材の平面図を示す。 変形例に係る袋状フィルム基材の平面図を示す。 変形例に係る袋状フィルム基材の平面図を示す。 静摩擦係数測定装置を示す。
符号の説明
1・・・粘着シート
10・・・袋状フィルム基材
11・・・第1のフィルム
11a・・・粘着剤層
12・・・第2のフィルム
12a・・・粘着剤層
13・・・結着部
14・・・開口部
15・・・スポット状結着部
2・・・脆質部材
3・・・硬質板
20・・・静摩擦係数測定装置
21・・・テーブル
22・・・滑り片
22a・・・フェルト
23・・・試験フィルム
24・・・試験フィルム
25・・・バネ
26・・・ロードセル
A・・・袋状フィルム基材の内周部

Claims (7)

  1. 気密な袋状フィルム基材の両外表面に粘着剤層が形成された粘着シートの片面に脆質部材を再剥離可能に固定し、他面に硬質板を再剥離可能に固定する工程、
    前記脆質部材に処理を行う工程、
    前記袋状フィルム基材の内部空間に流体を導入し、粘着シートを膨張する工程、
    処理された脆質部材を、粘着シートから剥離する工程を含む脆質部材の処理方法。
  2. 脆質部材が半導体ウエハであり、該半導体ウエハに施される処理が、半導体ウエハの裏面研削あるいは半導体ウエハの搬送である請求項1に記載の処理方法。
  3. 請求項1に記載の処理方法に用いられる粘着シートであって、
    第1のフィルムと第2のフィルムとを有し、これらの周縁部が結着されてなる袋状フィルム基材と、
    該袋状フィルム基材の両外表面に形成された粘着剤層とからなる粘着シート。
  4. 前記袋状フィルム基材の周縁部の一部に、袋状フィルムの内部空間に連通する開口部が設けられてなる請求項3に記載の粘着シート。
  5. 前記袋状フィルム基材の内側表面同士の静摩擦係数が0.1以上である請求項3に記載の粘着シート。
  6. 前記袋状フィルム基材の内周部において、第1のフィルムと第2のフィルムとがスポット的に結着されてなる請求項3に記載の粘着シート。
  7. 第1のフィルムと第2のフィルムとを有し、これらの周縁部が結着されてなる袋状フィルム基材と、
    該袋状フィルム基材の両外表面に形成された粘着剤層とからなり、
    該袋状フィルム基材の内周部において、第1のフィルムと第2のフィルムとがスポット的に結着されてなる粘着シート。
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