JP5080056B2 - 静電気保護用半導体装置 - Google Patents

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本発明は、集積回路等を静電気から保護するための静電気保護用半導体装置に関するものである。
自動車用ICは、アナログやデジタル制御回路、ドライバー用パワーMOSなどを一体とした統合化が進んでおり、動作電圧に関しては、バッテリー電圧系と数V電圧系などの多電圧に対応した構成となっている。このような自動車用のICは複合ICと呼ばれ、同一IC基板内にバイボーラ素子、CMOS素子、横型パワーMOSなどを作り込んだ構造となっている。
自動車用複合ICは、サージやノイズの印加される厳しい車載環境のもとで正常動作を要求される。このため、回路素子間が完全に誘電体分離されるSOI基板を用いて製造される傾向が高まっている。また、自動車用ICは、静電気破壊に対する耐圧規格も厳しく、通常15kV〜25kVの非常に高い静電気耐圧に対する保障を必要としている。
一般に、入力端子のESD(静電気放電)保護には、特許文献1、2等に記載があるようにダイオードが用いられている。図15は、従来のSOI基板に形成されたESD保護素子としての表面型ダイオードを示す図である。半導体基板表面にp型拡散領域とn型拡散領域が一定の間隔で交互に複数配置された構造である。
また、自動車用ICでのESD保護素子の動作電圧設計範囲は、バッテリー電源系回路では、16Vバッテリー電圧値に入力信号の電圧変動マージンを考慮して、一般に下限電圧20V以上の範囲で動作することが求められる。上限電圧は、内部回路への入力抵抗などや内部回路入部での耐圧にも依存するが、一般にできる限り低い電圧であることが望ましく、最も高くても100V以下の電圧範囲で動作が求められる。この、ESD保護素子の動作電圧に関して、図15のダイオードでは、p型拡散領域とn型拡散領域の間隔を適正な範囲にすることで、動作電圧の下限電圧値を決定している。
特開2003−224133 特開2005−203738
しかし、図15のような構造のダイオード素子では、p型拡散領域とn型拡散領域の間隔は、半導体基板最表面部で最も短くなるため、対向する最表面端部で最も電界集中を起こす。また、ESD保護動作時のサージ電流は、p型拡散領域とn型拡散領域の最表面近傍に集中して流れるため、電流集中によるホットスポットが発生する。そのため、高いESD耐圧を得ることは困難である。したがって、自動車用ICに要求されるESD耐圧規格を達成するには、ダイオード接合部の全長が数十mmにも達する素子が必要となってしまう。たとえば、一辺の長さが500μmの短冊形状のパターンでp型拡散領域とn型拡散領域を形成すると、約50組のダイオードパターンの並列接続が必要となる。このような大規模なダイオード素子では配線抵抗も無視できなくなり、ESD時に全体を均一に動作するように配線設計することは容易ではない。その結果として、設計どおりのESD耐圧を得ることが困難となる。また、このような表面型ダイオード素子では動作抵抗が比較的大きく、この点も高いESD耐圧を得にくい要因となっている。
以上のように、図15に示したp型拡散領域とn型拡散領域を対向させた構造のダイオード素子では、拡散領域の端部のみがESD動作用部として機能し、本質的に高いESD耐圧を得ることが困難な構造であり、全長が数十mmに及ぶ大規模なダイオード素子とせざるを得ない。
そこで本発明の目的は、高いESD耐圧を有するダイオード型の静電気保護用半導体装置を実現すること、小型のダイオード型の静電気保護用半導体装置を実現すること、自動車用ICのESD耐圧規格を達成することが容易な静電気保護用半導体装置を実現することである。
第1の発明は、底面絶縁膜と側面絶縁膜とにより、底面および側面が区画されていて、他の素子に対して電気的に絶縁され、他の素子の静電気破壊を防止するための静電気保護用半導体装置において、底面絶縁膜上に形成された、第1伝導型で高キャリア濃度の埋め込み領域と、埋め込み領域上に形成された、埋め込み領域よりも低キャリア濃度である第1伝導型の主半導体領域と、主半導体領域表面に形成された第2伝導型の第1電極形成領域と、第1電極形成領域に接合する第1電極と、第1電極形成領域を包含して主半導体領域表面部より、先端部が埋め込み領域に重畳するように縦方向に形成された第2伝導型の第1シンク領域と、主半導体領域表面に形成され、第1電極形成領域とは離れた領域に形成された第2伝導型の第2電極形成領域と、第2電極形成領域に接合する第2電極と、第2電極形成領域を包含して主半導体領域表面部より、第1シンク領域とは主半導体領域を介して分離するように、かつ先端部は埋め込み領域に重畳するように、縦方向に形成された第2伝導型の第2シンク領域とを有し、第1および第2シンク領域と、埋め込み領域との接合部での不純物濃度である接合界面濃度は、2×10 15 /cm 3 〜2×10 17 /cm 3 であり、第1および第2シンク領域の、第1電極形成領域と第2電極形成領域とを結ぶ線分に平行な方向の幅は、24μm〜49μmであり、主半導体領域表面における、第1シンク領域と第2シンク領域を離間させる離間距離は、5μm〜20μmであることを特徴とする静電気保護用半導体装置である。
第1伝導型がn型であれば、第2伝導型はp型であり、第1、2電極形成領域はアノード電極形成領域でp型となる。一方、第1伝導型がp型であれば、第2伝導型はn型であり、第1、2電極形成領域はカソード電極形成領域でn型となる。また、通常はオーミック性を向上させるために、第1、2電極形成領域は、第1、2シンク領域よりも高キャリア濃度の領域である。
この構成によると、第1シンク領域と埋め込み領域、第2シンク領域と埋め込み領域により2つのダイオードが形成され、埋め込み領域を共通のアノード(第1伝導型をn型、第2伝導型をp型とした場合)もしくはカソード(第1伝導型をp型、第2伝導型をn型とした場合)として、第1電極と第2電極間に双方向ダイオードが形成される。また、第1、2シンク領域とその間の主半導体領域により、寄生的にpnp型またはnpn型のトランジスタが形成される。
第1、2シンク領域は、先端部が埋め込み領域に重畳するように縦方向に形成されていることから、第1、2シンク領域と埋め込み領域の接合面を広くとることができ、サージ電流をその接合面に均一に流すことができる。そのため、高いESD耐圧性能が得られる。また、双方向ダイオードが動作する際に寄生トランジスタも動作する。この双方向ダイオードの動作とトランジスタの動作の相乗効果により、動作抵抗が低減され、より高いESD耐圧性能が得られる。
本発明では、第1および第2シンク領域と、埋め込み領域との接合部での不純物濃度である接合界面濃度は、2×1015/cm3 〜2×1017/cm3 としている。
接合界面濃度は、第1および第2シンク領域と、埋め込み領域が重畳する領域であって、第1および第2シンク領域の不純物濃度と、埋め込み領域の不純物濃度が等しい面(接合界面)での不純物濃度と定義する。
接合界面濃度が2×1017/cm3 を超えるとDC耐圧(すなわち、静電気保護用半導体装置の動作電圧)が20V以下となるので、自動車用ICでのESD保護素子として用いる場合には2×1017/cm3 以下である必要がある。また、自動車用ICに要求されるESD耐圧規格(通常15kV〜25kV)を、本発明の静電気保護用半導体装置の全長が数mm以内となる範囲で達成するためには、HBM(ヒューマンボディモデル)でのESD耐圧(以下、ESD−HBM耐圧とする)は単位アノード長(幅)あたり20V/μm以上であることが望ましい。接合界面濃度が2×1015/cm3 以上であれば、これを満たす。逆に接合界面濃度が2×1015/cm3 より小さいと、静電気保護用半導体装置の全長が大きくなるため、自動車用ICに適用するには望ましくない。以上より、本発明を自動車用ICでのESD保護素子として用いる場合には、接合界面濃度は2×1015/cm3 〜2×1017/cm3 の範囲であることが望ましい。1×1016/cm3 〜2×1017/cm3 の範囲であるとより望ましい。
接合界面濃度は、第1および第2シンク領域形成時の不純物イオン注入量により容易に制御できる。
本発明では、第1および第2シンク領域の、第1電極形成領域と第2電極形成領域とを結ぶ線分に平行な方向の幅は、24μm〜49μmとしている。
幅が24μm以上であれば、ESD−HBM耐圧は単位アノード長あたり20V/μm以上となる。また、幅が49μmより大きいと、電流は他のシンク領域に近い側に偏って流れるので、第1および第2シンク領域中のダイオード動作に寄与しない領域が増大してしまうため望ましくなく、静電気保護用半導体装置の全長も大きくなる。以上より、本発明を自動車用ICでのESD保護素子として用いる場合には、第1および第2シンク領域の、第1電極形成領域と第2電極形成領域とを結ぶ線分に平行な方向の幅は、24μm〜49μmの範囲であることが望ましい。より望ましくは、29μm〜44μmの範囲である。
本発明では、主半導体領域表面における、第1シンク領域と第2シンク領域を離間させる離間距離は、5μm〜20μmとしている。離間距離が5μmより小さいと、リーク電流が生じるため望ましくない。離間距離が20μm以上では、寄生的に形成されたトランジスタの動作によるESD−HBM耐圧が小さくなり、静電気保護用半導体装置の全長も大きくなるため望ましくない。したがって、離間距離は、5μm〜20μmの範囲であることが望ましい。より望ましくは、7.5μm〜15μmの範囲である。
第2の発明は、第1の発明において、第1および第2シンク領域の平面パターンは、短冊形状、トラック形状、リング形状、もしくはそれらの複合形状であることを特徴とする静電気保護用半導体装置である。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、第1シンク領域と第2シンク領域の組が複数組に分割され、第1電極を介して複数の第1シンク領域同士が、および第2電極を介して第2シンク領域同士が、電気的に接続されていることを特徴とする静電気保護用半導体装置である。このように分割することで、第1および第2シンク領域の平面パターンのレイアウトの自由度がより高くなるため、効率化をはかることができ、静電気保護用半導体装置の小型化につながる。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明において、第1電極と第2電極のうち、一方は入力端子に接続され、他方は接地電極に接続されていることを特徴とする静電気保護用半導体装置である。この構成によると、サージ電流は本発明の静電気保護用半導体装置を通して接地電極へ流れるため、他の半導体装置をESDから保護することができる。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明において、主半導体領域はSOI基板であることを特徴とする静電気保護用半導体装置である。
第6の発明は、第5の発明において、自動車用複合ICに内蔵されていることを特徴とする静電気保護用半導体装置である。
第1の発明による構成により、接合面の広い双方向ダイオードが形成され、寄生的にトランジスタが形成された静電気保護用半導体装置となる。ESD印加時には、双方向ダイオードが動作するとともにトランジスタも動作するため、その相乗効果により、高いESD耐圧を有する。
た、接合界面濃度を2×1015/cm3 〜2×1017/cm3 の範囲とすることで、DC耐圧を20V以上、ESD−HBM耐圧を単位アノード長あたり20V/μm以上とすることができ、自動車用ICに適した静電気保護用半導体装置となる。また、第1および第2シンク領域の、第1電極形成領域と第2電極形成領域とを結ぶ線分に平行な方向の幅を24μm〜49μmの範囲とすることで、ESD−HBM耐圧を単位アノード長あたり20V/μm以上とすることができ、第1および第2シンク領域中のダイオード動作に寄与しない領域は少なくなる。そのため、静電気保護用半導体装置の小型化をはかることができる。また、第1シンク領域と第2シンク領域を離間させる離間距離を、5μm〜20μmの範囲とすると、リーク電流が発生せず、ESD−HBM耐圧に対する寄生的なトランジスタの寄与も十分な範囲となる。
第3、4の発明のように、本発明の静電気保護用半導体装置は2端子であり、第1シンク領域と第2シンク領域の組を複数組に分割することができるため、第1および第2シンク領域の平面パターンのレイアウトの自由度が高く、効率的なレイアウトにすることができる。
また、第5の発明のように、SOI基板を用いると本発明の静電気保護用半導体装置を容易に形成することができる。
以上のように、本発明によると、自動車用ICに用いるのに適した静電気保護用半導体装置を実現できる。第1、2シンク領域は、自動車用複合ICの縦型npnバイポーラ素子で形成されるシンクn+ 型領域と同時に形成できるため、自動車用複合ICに本発明の静電気保護用半導体装置を組み込むことによる製造コストの上昇はごくわずかである。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照しながら説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1のSOI基板に形成された、双方向ダイオード型の静電気保護用半導体装置の構造を示す図である。素子領域は、底面をp型支持基板10上に形成された埋め込み絶縁膜11(本発明の底面絶縁膜に相当)で、側面をトレンチ絶縁膜14(本発明の側面絶縁膜に相当)およびポリシリコン膜15(本発明の側面絶縁膜に相当)で区画され、静電気から保護すべき他の素子と絶縁分離している。また、素子領域は、埋め込み絶縁膜11上の埋め込みn+ 型領域12(本発明の埋め込み領域に相当)と、その上面に形成されたn型半導体基板13(本発明の主半導体領域に相当)に形成されている。n型半導体基板13の表面部には、2つのアノードp+ 型領域16a、16b(本発明の第1、2電極形成領域に相当)が形成され、アノードp+ 型領域16a、16bと埋め込みn+ 型領域12を接続するようにシンクp型領域17a、17b(本発明の第1、2シンク領域に相当)が形成されている。また、シンクp型領域17aとシンクp型領域17bは互いに重ならないように形成され、シンクp型領域17aはアノードp+ 型領域16aを内包するように、シンクp型領域17bはアノードp+ 型領域16bを内包するように、形成されている。
埋め込みn+ 型領域12は、n型半導体基板13の表面から不純物を拡散して形成した。その後、p型支持基板10の表面を酸化して埋め込み絶縁膜11を形成し、埋め込みn+ 型領域12と埋め込み絶縁膜11とを貼り合わせ接合する。シンクp型領域17a、17bは、シンクp型領域17a、17bを形成したい位置に開口部を有するマスクをn型半導体基板13上に形成し、その開口部に露出したn型半導体基板13表面から不純物を拡散し、先端が埋め込みn+ 型領域12に重畳して接合するようにして形成した。これにより、シンクp型領域17a、17bは、広い幅をもって埋め込みn+ 型領域12に接合する。
n型半導体基板13の表面部のアノードp+ 型領域16a、16bが形成されている領域以外の領域には、LOCOS絶縁膜18が形成され、アノードp+ 型領域16a、16b、LOCOS絶縁膜18の上部には層間絶縁膜19が形成されている。層間絶縁膜19にはアノードp+ 型領域16a、16bの上部に孔が形成され、その孔にアノードp+ 型領域16a、16bと接合するアノード電極20a、20bが形成されている。
このような構成により、シンクp型領域17a、17bと埋め込みn+ 型領域12との接合により2つのダイオードが形成され、埋め込みn+ 型領域12をその2つのダイオードの共通のカソードとする双方向ダイオードが形成される。また、シンクp型領域17a、n型半導体基板13、シンクp型領域17bとでpnp型のトランジスタが寄生的に形成される。
実施例1の静電気保護用半導体装置において、ESD耐圧性能と動作電圧範囲は、次の3つの要件により決定される。
1つは、シンクp型領域17a、17bと埋め込みn+ 型領域12との接合界面濃度である。接合界面濃度とは、シンクp型領域17a、17bと埋め込みn+ 型領域12が重畳する領域であって、シンクp型領域17a、17bの不純物濃度と、埋め込みn+ 型領域12の不純物濃度が等しい面(接合界面)での不純物濃度をいう。図2は、n型半導体基板13表面よりアクセプタ不純物を拡散して形成したシンクp型領域17a、17bに関する不純物濃度プロファイルと、埋め込み絶縁膜11よりドナー不純物を拡散して形成した埋め込みn+ 型領域12に関する不純物濃度プロファイルを示している。点線は、それぞれの領域を単独で形成したと仮定したときの不純物濃度である。実線はキャリア濃度である。シンクp型領域17a、17bの不純物濃度は、埋め込みn+ 型領域12に向かって減少し、埋め込みn+ 型領域12の不純物濃度は、シンクp型領域17a、17bに向かって減少している。それぞれの不純物濃度プロファイルの交点が、接合界面濃度である。
もう1つは、アノードp+ 型領域16a、16bを結ぶ線分方向(図1のX軸方向)のシンクp型領域17a、17bの幅L1(μm)である。L1は、シンクp型領域17a、17bを形成する際の不純物注入用マスクの開口寸法をRとすると、不純物の拡散によりシンクp型領域17a、17bのX軸方向の幅は左右に拡大し、Rより大きくなる。この時の拡大幅は約7μmである。したがって、L1=R+7×2=R+14となる。
もう1つは、シンクp型領域17a、17bの離間距離L2(μm)である。
実施例1の静電気保護用半導体装置を自動車用ICに用いるには、ESD耐圧は15kV〜25kV以上、動作電圧の下限は20V以上であることが求められる。ここで、静電気保護用半導体装置の全長が大きくなると、配線抵抗の影響から均一に動作させることが難しく、動作抵抗も大きくなるため、全長が数mm以内になることが望ましい。そのため、静電気保護用半導体装置のESD−HBM耐圧は単位アノード長あたり20V/μm以上である必要がある。以上の条件を満たすように、以下で3つの要件を考察する。
まず、シンクp型領域17a、17bと埋め込みn+ 型領域12との接合界面濃度について、適切な範囲を考察する。
図3は、接合界面濃度とDC耐圧の関係を評価した結果である。これより、20V以上の耐圧を得るには、接合界面濃度は2×1017/cm3 以下であることが必要と分かる。また図4は、Rを20μm、L2を10μmとした場合の、接合界面濃度と単位アノード長あたりのESD−HBM耐圧の関係を評価した結果である。20V/μm以上のESD−HBM耐圧を得るには、接合界面濃度は2×1015/cm3 以上であることが必要と分かる。よって、接合界面濃度は、2×1015/cm3 〜2×1017/cm3 の範囲とすることが適切である。
次に、シンクp型領域17a、17bを形成する際の不純物注入用マスクの開口寸法Rについて、適切な範囲を考察する。
図5は、接合界面濃度を1.4×1016/cm3 、L2を10μmとした場合の、Rと単位アノード長あたりのESD−HBM耐圧の関係を評価した結果である。20V/μm以上のESD−HBM耐圧を得るには、Rが10μm以上であることが必要と分かる。Rを0に漸近したときのESD−HBM耐圧の値は、寄生的なpnp型トランジスタの動作に相当するもので、約9V/μmである。このpnp型トランジスタの寄与によるESD−HBM耐圧を除いたものが、双方向ダイオードの動作によるESD−HBM耐圧に相当する。図6は、Rと、Rと双方向ダイオードの動作によるESD−HBM耐圧との関係(図5の関係)におけるESD−HBM耐圧の微分係数、との関係を、Rが5μmのときの微分係数を1として規格化し整理した結果である。Rが15μm以上になると微分係数は減少し、35μmでは70%まで低下してしまう。これは、シンクp型領域17a、17bの中にESD−HBM耐圧に寄与しない領域が増えることを意味する。つまり、一方のシンク領域の電流密度が他のシンク領域に近い側で高くなるために、電流に偏りが生じるためである。以上より、Rは、10μm〜35μmの範囲とするのが適切である。L1=R+14であるから、L1の適切な範囲は、24μm〜49μmである。
次に、シンクp型領域17a、17bの離間距離L2について、適切な範囲を考察する。
この離間距離L2の値は、寄生的なpnp型トランジスタの動作によるESD−HBM耐圧の値に影響を与える。図7は、接合界面濃度を1.4×1016/cm3 、Rを20μmとした場合の、L2と寄生的なpnp型トランジスタの動作によるESD−HBM耐圧との関係を評価した結果である。L2を5μm以下としたときにリーク電流が発生した。L2が20μm以上ではESD−HBM耐圧が低くなり、また、静電気保護用半導体装置の大きさも大きくなってしまう。したがって、L2は、5μm〜20μmの範囲とするのが適切である。
図8は、接合界面濃度を1.4×1016/cm3 、Rを20μm、L2を10μmとした場合の実施例1の静電気保護用半導体装置について、電圧−電流特性を示す図である。比較例として、アノードp+ 型領域16aをアノードn+ 型領域30に、シンクp型領域17aをシンクn型領域31に置き換えた単一ダイオード型の静電気保護用半導体装置(図9)の電圧−電流特性についても図7に示している。実施例1の静電気保護用半導体装置では、1mmのダイオード長で規格化した動作抵抗Ronは1.5Ω・mm、単一ダイオード型の静電気保護用半導体装置では、Ronは2.4Ω・mmであった。双方向ダイオード型としたことにより、Ronは約2/3に低減されていて、大電流域での電圧上昇を低くでき、動作電圧の上限設計において単一ダイオード型よりも優位である。また、実施例1の静電気保護用半導体装置は、単一ダイオード型より低消費電力であり素子内部での発熱量が少ないことから、より高いESD耐圧性能が得られる。
図10は、実施例1の静電気保護用半導体装置、図9の単一ダイオード型の静電気保護用半導体装置、図15の従来のダイオード、についてESD−HBM耐圧を比較した結果である。実施例1の静電気保護用半導体装置は、従来のダイオードに比べて約10倍、単一ダイオード型に比べて約1.4倍の耐圧性能であることが分かった。
図11は、実施例1の静電気保護用半導体装置(図11の(c))、図8の単一ダイオード型の静電気保護用半導体装置(図11の(b))、図15の従来のダイオード(図11の(a))にESD印加後のシミュレーション解析結果を示す。(a)、(b)、(c)それぞれについて、ESDを印加して100nsec後の電子電流分布、正孔電流分布、電界強度分布、格子温度分布を示している。アノード電極側を接地し、カソード電極側((c)についてはもう一方のアノード電極側)にESDを印加した場合である。(a)の従来のダイオードでは、表面にのみ電流が流れ、電界はp型拡散領域接合端部に集中している。その結果、p型拡散領域接合端部にホットスポットが生じていて、高いESD耐圧を得ることは困難である。(b)、(c)では、埋め込みn+ 型領域を経由して電流が流れ、(c)の正孔電流分布を見ると寄生的なpnp型トランジスタが動作していることが分かる。また、電界はシンクp型領域と埋め込みn+ 型領域との接合界面に集中していて、素子内部の深い位置であるその接合界面に、広く均一にホットスポットが生じている。特に(c)では、寄生的なpnp型トランジスタの動作により、シンクp型領域側面端部方向にもホットスポットが広がっていて、ホットスポットの温度上昇もより拡散する。その結果、(c)は(b)よりも高いESD耐圧性能を得ることができる。
図12は、実施例1の静電気保護用半導体装置を用いて構成された保護回路の1例を示す図である。実施例1の静電気保護用半導体装置100a、100bが、入力−VDD間と入力−VSS間に配置されている。この構成により、内部回路はESDより保護される。
図13は、実施例1の静電気保護用半導体装置の平面レイアウトパターンの1例で、シンクp型領域17a、17bが複数の短冊形状に分割され、互い違いに並んだ構成となっている。複数のシンクp型領域17a同士がアノード電極16aに、複数のシンクp型領域17b同士がアノード電極16bに接続している。
図14は、実施例1の静電気保護用半導体装置の平面レイアウトパターンの1例で、シンクp型領域17a、17bは角の丸い正方形のトラック形状に形成されている。シンクp型領域17aの内側には正方形のパッドが形成されている。シンクp型領域17aとパッドはアノード電極16aに、シンクp型領域17bはアノード電極16bに接続している。
本発明は、SOI基板に限定されるものではなく、エピタキシャル基板にも適用できる。また、n型とp型を置き換えて2つのカソード電極を有する双方向ダイオード型の静電気保護用半導体装置としてもよい。また、実施例3、4に示した平面レイアウトパターン以外にも、リング形状、格子形状などのさまざまな平面レイアウトパターンを用いることができる。
本発明は、集積回路等を静電気破壊から保護するための半導体装置として有効である。特に、自動車用ICのESD保護素子として適している。
実施例1の双方向ダイオード型の静電気保護用半導体装置の構成を示した断面図。 シンクp型領域17a、17bの不純物濃度と、埋め込みn+ 型領域12の不純物濃度の、基板の深さ方向の位置に対する分布を示す図。 接合界面濃度とDC耐圧の関係を示した図。 接合界面濃度と単位アノード長あたりのESD−HBM耐圧の関係を示した図。 マスクの開口寸法RとESD−HBM耐圧の関係を示した図。 マスクの開口寸法RとESD−HBM耐圧の微分係数の関係を示した図。 離間距離L2と、寄生的なpnp型トランジスタの動作によるESD−HBM耐圧の関係を示した図。 静電気保護用半導体装置の電圧−電流特性を示す図。 単一ダイオード型の静電気保護用半導体装置の構成を示した断面図。 耐圧性能を比較して示した図。 ESD印加後のシミュレーション解析結果を示す図。 実施例1の静電気保護用半導体装置を用いて構成された保護回路。 実施例1の静電気保護用半導体装置の平面レイアウトパターンを示す図。 実施例1の静電気保護用半導体装置の平面レイアウトパターンを示す図。 従来の表面型ダイオードの構成を示した断面図。
10:p型支持基板
11:埋め込み絶縁膜
12:埋め込みn+ 型領域
13:n型半導体基板
14:トレンチ絶縁膜
15:ポリシリコン膜
16a、16b:アノードp+ 型領域
17a、17b:シンクp型領域
20a、20b:アノード電極

Claims (6)

  1. 底面絶縁膜と側面絶縁膜とにより、底面および側面が区画されていて、他の素子に対して電気的に絶縁され、他の素子の静電気破壊を防止するための静電気保護用半導体装置において、
    前記底面絶縁膜上に形成された、第1伝導型で高キャリア濃度の埋め込み領域と、
    前記埋め込み領域上に形成された、前記埋め込み領域よりも低キャリア濃度である第1伝導型の主半導体領域と、
    前記主半導体領域表面に形成された第2伝導型の第1電極形成領域と、
    前記第1電極形成領域に接合する第1電極と、
    前記第1電極形成領域を包含して前記主半導体領域表面部より、先端部が前記埋め込み領域に重畳するように縦方向に形成された第2伝導型の第1シンク領域と、
    前記主半導体領域表面に形成され、前記第1電極形成領域とは離れた領域に形成された第2伝導型の第2電極形成領域と、
    前記第2電極形成領域に接合する第2電極と、
    前記第2電極形成領域を包含して前記主半導体領域表面部より、前記第1シンク領域とは前記主半導体領域を介して分離するように、かつ先端部は前記埋め込み領域に重畳するように、縦方向に形成された第2伝導型の第2シンク領域と、
    を有し、
    前記第1および第2シンク領域と、前記埋め込み領域との接合部での不純物濃度である接合界面濃度は、2×10 15 /cm 3 〜2×10 17 /cm 3 であり、
    前記第1および第2シンク領域の、前記第1電極形成領域と前記第2電極形成領域とを結ぶ線分に平行な方向の幅は、24μm〜49μmであり、
    前記主半導体領域表面における、前記第1シンク領域と前記第2シンク領域を離間させる離間距離は、5μm〜20μmである
    ことを特徴とする静電気保護用半導体装置。
  2. 前記第1および第2シンク領域の平面パターンは、短冊形状、トラック形状、リング形状、もしくはそれらの複合形状であることを特徴とする請求項1に記載の静電気保護用半導体装置。
  3. 前記第1シンク領域と前記第2シンク領域の組が複数組に分割され、
    前記第1電極を介して複数の第1シンク領域同士が、および前記第2電極を介して第2シンク領域同士が、電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電気保護用半導体装置。
  4. 前記第1電極と前記第2電極のうち、一方は入力端子に接続され、他方は接地電極に接続されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の静電気保護用半導体装置。
  5. 前記主半導体領域は、SOI基板であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の静電気保護用半導体装置。
  6. 自動車用複合ICに内蔵されていることを特徴とする請求項5に記載の静電気保護用半導体装置。
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