JP5079801B2 - ニットウェアの折り畳みシミュレーション装置、シミュレーション方法及び記憶媒体 - Google Patents
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Description
この発明の追加の課題は、折り畳んだニットウェアを店頭で積み重ねた状態をシミュレーションすることにある。
仮想的なニットウェアが平坦に配置されるように、前記糸筋データでの編目を編目の面内に配置するための平坦配置手段と、
平坦に配置した仮想的なニットウェアに対して、ニットウェアの表面に沿って折り曲げ線を設定するための折り曲げ線設定手段と、
設定した折り曲げ線を含み、かつニットウェアの表面に垂直な面を境界面として糸筋データ中の各編目の面を折り曲げると共に、前記境界面を折り曲げた方向へ90°回転させ、内側に折り曲げられることによって向き合った、境界面寄りの2つの編目の面間に所定のスペースを設け、さらに該2つの編目の面と、境界面から遠い側の2つの編目の面とを、互いに遠ざかるようにスライドさせることにより、折り曲げた編目の各面の位置を定めるための折り曲げ手段と、
折り曲げた編目の面に対して、境界面の両側で編目の面を湾曲させて、境界面の両側の編目の面がスムーズに接続されるように、編目位置を修正するためのスムージング手段と、
スムージング手段で定めた編目位置に対して、各編目を複数のセグメントに分解したセグメントを発生するためのセグメント発生手段と、
発生した各セグメントを複数のポリゴンに分解したポリゴンの発生手段と、
発生したポリゴンに対して、糸のテクスチャーをマッピングし、かつシェーディングを施すことによりレンダリングを行い、表示画像を発生させるための表示画像発生手段、とを設けたことを特徴とする。
この発明はまた、デザインデータを基に、仮想的な筒状のニットウェアでの編目の3D位置と編目間の接続関係を示す糸筋データを求め、求めた糸筋データを基に、ニットウェアの3Dシミュレーション画像を発生させる方法において、
仮想的なニットウェアが平坦に配置されるように、前記糸筋データでの編目を編目の面内に配置する平坦化ステップと、
平坦に配置した仮想的なニットウェアに対して、ニットウェアの表面に沿って折り曲げ線を設定するための折り曲げ線設定ステップと、
設定した折り曲げ線を含み、かつニットウェアの表面に垂直な面を境界面として糸筋データ中の各編目の面を折り曲げると共に、前記境界面を折り曲げた方向へ90°回転させ、内側に折り曲げられることによって向き合った、境界面寄りの2つの編目の面間に所定のスペースを設け、さらに該2つの編目の面と、境界面から遠い側の2つの編目の面とを、互いに遠ざかるようにスライドさせることにより、折り曲げた編目の各面の位置を定めるための折り曲げステップと、
折り曲げた編目の面に対して、境界面の両側で編目の面を湾曲させて、境界面の両側の編目の面がスムーズに接続されるように、編目位置を修正するためのスムージングステップと、
スムージング手段で定めた編目位置に対して、各編目を複数のセグメントに分解したセグメントを発生するためのセグメント発生ステップと、
発生した各セグメントを複数のポリゴンに分解したポリゴンの発生ステップと、
発生したポリゴンに対して、糸のテクスチャーをマッピングし、かつシェーディングを施すことによりレンダリングを行い、表示画像を発生させるステップ、とを設けたことを特徴とする。
なおこの明細書で、シミュレーション装置に関する記載はそのままシミュレーション方法にも当てはまり、シミュレーション方法に関する記載はそのままシミュレーション装置にも当てはまる。また平坦化したニットウェアに対し当初設定した線が折り曲げ線で、折り曲げ後も折り曲げ線は移動しない。折り曲げ線を含み平坦なニットウェアに垂直な面が境界面で、境界面は折り曲げにより90°回転する。
好ましくは、前記スムージング手段は、折り曲げ線の付近で編目の面を傾斜させることにより編目の位置を修正し、修正済みの編目位置を、編目間の間隔が所定値に近づき、かつ編目間の角度が境界面の両側でスムーズに変化するようにさらに修正する。
また好ましくは、スムージング後の糸筋データに対して、仮想的なニットウェアの厚さを小さくするように、編目位置を修正するためのプレス手段を設ける。
好ましくは、スムージング後の糸筋データを、仮想的なニットウェアの複数着分、上下に重ねるための手段を設ける。
この発明はさらに、デザインデータを基に、仮想的な筒状のニットウェアでの編目の3D位置と編目間の接続関係を示す糸筋データを求め、求めた糸筋データを基に、ニットウェアの3Dシミュレーション画像を発生させるためのプログラムを記憶した、コンピュータにより読み取り自在な記憶媒体であって、
コンピュータを、以下の手段として機能させるものにある:
仮想的なニットウェアが平坦に配置されるように、前記糸筋データでの編目を編目の面内に配置するための平坦配置手段と、
平坦に配置した仮想的なニットウェアに対して、ニットウェアの表面に沿って折り曲げ線を設定するための折り曲げ線設定手段と、
設定した折り曲げ線を含み、かつニットウェアの表面に垂直な面を境界面として糸筋データ中の各編目の面を折り曲げると共に、前記境界面を折り曲げた方向へ90°回転させ、内側に折り曲げられることによって向き合った、境界面寄りの2つの編目の面間に所定のスペースを設け、さらに該2つの編目の面と、境界面から遠い側の2つの編目の面とを、互いに遠ざかるようにスライドさせることにより、折り曲げた編目の各面の位置を定めるための折り曲げ手段と、
折り曲げた編目の面に対して、境界面の両側で編目の面を湾曲させて、境界面の両側の編目の面がスムーズに接続されるように、編目位置を修正するためのスムージング手段と、
スムージング手段で定めた編目位置に対して、各編目を複数のセグメントに分解したセグメントを発生するためのセグメント発生手段と、
発生した各セグメントを複数のポリゴンに分解したポリゴンの発生手段、及び
発生したポリゴンに対して、糸のテクスチャーをマッピングし、かつシェーディングを施すことによりレンダリングを行い、表示画像を発生させるための表示画像発生手段。
この明細書において、シミュレーション装置に関する記載はシミュレーション方法やシミュレーションプログラムにも当てはまり、シミュレーション方法に関する記載はシミュレーション装置やシミュレーションプログラムにも当てはまる。
この発明では、筒状のニットウェアを折り曲げると、境界面寄りの2面と、境界面から遠い側の2面とが生じることに着目する。例えば裾の上部で身頃を背面側へ折り返すと、後身頃の2面が互いに向き合い、その外側に前身頃を折り返した2面がある。この場合、後身頃の2面と前身頃の2面とが互いに遠ざかるようにスライドさせ、かつ後身頃の2面の間に適当なスペースを与えると、後身頃と前身頃との編目の衝突や、後身頃の編目間の衝突を防止できる。裾の付近で後身頃側に折り曲げる場合以外も、同様にして編目間の衝突を防止できる。
次に折り曲げ線の付近で編目の面を湾曲させて、編目の面がスムーズに配置されるようにする。この後、各編目に対して複数のセグメントを発生させて、セグメントを接続したものを編目とする。そしてセグメント表面に複数のポリゴンを発生させると、仮想的なニットウェアの3D形状が定まる。定まった3D形状に対して、糸のテクスチャーをマッピングし、シェーディングを施すと、カラーモニタやプリンタで出力可能な表示画像が得られ、これは仮想的なニットウェアに対するバーチャルなサンプルで、取引などに用いることができる。この結果、この発明ではニットウェアを折り畳んだ状態をシミュレーションしたバーチャルなサンプルが得られ、仮想的なニットウェアをハンガーなどに吊した状態や、マネキンに着装させた状態の他に、折り畳んだ状態を表示できる。折り畳んだニットウェアを積み重ねた状態は、ネットワーク上でニットウェアの仮想的な店舗を設けるのに適している。
折り畳みのシミュレーションの精度を増すには、スムージングを高速でかつ正確に行えるようにするのが望ましい。そこで折り曲げ線の付近で編目の面を傾斜させると、編目の面が曲面となるように、微細な面素毎に湾曲させる方向を変える場合よりも、処理が簡単になる。次に編目間の距離が所定値に近づき、編目間の角度が境界面の両側でスムーズに変化するように、編目の配置を変更する。これによって編目は境界面の両側にスムーズに配置される。
さらに仮想的なニットウェアの厚さが小さくなるように、編目位置を修正すると、よりリアルにシミュレーションできる。
図2は実施例で用いるデータの種類を示す図である。
図3は実施例でのセグメントを示す図である。
図4は実施例での折り畳みプロセスを示す図である。
図5は実施例のシミュレーション装置での折り畳み部のブロック図である。
図6は実施例でのプレスやリフトを模式的に示す図である。
図7は実施例での折り畳み設定と折り曲げたセーターとを示す図である。
図8は長袖のニットウェアを折り畳んだ際のパーツ配置を示す図で、ニットウェアの衿の上部から裾側を見て示し、図の上部は裾を後身頃側に折り返したものを示す。
図9は袖のないニットウェアを折り畳んだ際の配置を、図8と同様に示す図である。
図10は短い袖のニットウェアを折り畳んだ際の配置を、図8と同様に示す図である。
図11は長袖のニットウェアの折り畳みの変形例を、図8と同様に示す図である。
図12はタートルネックのネックを前身頃側へ折り畳んだ例を示す図である。
図13はタートルネックのネックの途中で折り畳んだ変形例を示す図である。
図14は折り畳んだニットウェアを重ねた状態をシミュレーションした図である。
図15は図14と同様のシミュレーションを示す図である。
図16は実施例のシミュレーションプログラムのブロック図である。
10 カラープリンタ 12 通信部 14 ディスクドライブ
16 メモリ 18 ニットデザイン部 20 データ変換部
22 糸筋データ処理部 24 折り畳み処理部 30 セグメント生成部
32 ポリゴン生成部 34 レンダリング部 40 ニットウェア
41 境界面 42 前編地 43 後編地 44,45 面取り部
51 平坦変形部 52 折り曲げ位置設定部 53 折り曲げ処理部
54 プレス部 55 リフト部 56 スムージング部 60 ニットウェア
61 輪郭 70 シミュレーション画像 71 画像 72 折り曲げ線
73〜78 折り曲げ後の6面図 80,90,100,110 前身頃
81,91,101,111 後身頃 82,102,112 右袖
83,103,113 左袖 84,94,104,114 裾
18はニットデザイン部で、ユーザ入力6などを用いてニットウェアをデザインし、デザインしたニットウェアをカラーモニタ8に表示する。データ変換部20は、ニットウェアのデザインデータを横編機などの編機で編成可能なデータに変換し、これによってデザインデータは編目の配列と編目の種類、編目の接続関係に変換される。糸筋データ処理部22は編成データを糸筋データに変換し、これは編目の位置を3Dデータとして表し、その属性として編目の種類と編目間の接続関係を記載したデータである。折り畳み処理部24は、糸筋データを用いて仮想的なニットウェアを折り畳む。
セグメント生成部30は、糸筋データでの各編目に対して、複数のセグメントを発生させ、セグメントは例えば6角柱などの角柱状で、セグメントを接続したものが編目である。ポリゴン生成部32はセグメントの各面を例えば3角形のポリゴンに分割する。レンダリング部34は複数のポリゴンで表されたニットウェアの3Dデータに対して、カラーモニタ8やカラープリンタ10などへの表示画像を発生させる。表示画像の発生では、視点と縮小拡大の程度をユーザが指定し、視点から見て隠れたポリゴンを削除し、また重なり合ったポリゴンに対して画像の重ね合わせの処理を行う。そして各ポリゴンに対し、糸のテクスチャーなどをマッピングし、光源光や環境光に対してシェーディングを施し、背景画像と合成する。
図2に、実施例で用いる各種のデータを示す。デザインデータはデザイナーがニットデザイン部を用いてデザインしたデータであり、ニッティングデータはこれを編機で編成可能なデータに変換したものである。ニッティングデータは糸筋データを経てセグメントデータ、ポリゴンデータ、表示画像へと変換され、このうち糸筋データ〜ポリゴンデータは3Dデータで、表示画像は2Dデータである。糸筋データでは、編目の代表点、即ち編目を代表する位置の3D座標と、編目の種類や周囲の編目との接続関係を記述する。セグメントデータでは個々の編目を複数のセグメントに分割し、セグメントは多角柱で、この多角柱の両端面の中心が制御点となる。そして1つの編目に対し制御点は複数有り、制御点の座標を指定することによりセグメントデータを記述できる。ポリゴンデータではセグメントの側面をポリゴンに分割する。例えば4辺形から成るポリゴンの各側面を2つの三角形に分割する。そしてポリゴンデータはポリゴンの頂点データなどで記述される。表示画像はポリゴンデータに対してレンダリングを施すことによって得られ、視点から見えないポリゴンを隠面消去し、各ポリゴンに糸のテクスチャー画像をマッピングする。さらにシェーディングを施し、背景画像と合成することにより表示画像が得られる。
図3に、セグメントの例を示す。1つの編目は複数のセグメントに分割され、ここでは個々のセグメントは6角柱である。
ニットウェアを仮想的に折り畳むには、糸筋データが適している。糸筋データはセグメントデータやポリゴンデータよりも簡単なデータであり、かつ編目の代表点の位置があれば、折り曲げ線を境界として折り畳むことができる。
図4に、実施例での折り畳みプロセスを示し、40は仮想的なニットウェアで、無縫製ニットなどにより編成される筒状のニットウェアで、折り曲げ前に水平面に沿って平坦化する。41は境界面で、折り曲げ線を含み、かつニットウェア40に垂直な面で、ニットウェア40が水平面に沿って平坦化されているので、境界面41は当初鉛直である。42は前編地、43は後編地である。ここで境界面41を境界として、編地42,43を折り曲げ、この時折り曲げ線は移動しないが、境界面41は折り曲げた方向へ90°回転する。次に折り曲げによって内側の境界面41寄りとなる2つの編目の面、ここでは後編地43の2つの編目の面を折り曲げた位置(折り曲げ線の位置)から遠ざかるように、編目の面に平行にスライドさせる。なお境界面から遠い側の前編地42の2つの編目の面を、折り曲げ線側へスライドさせても良い。あるいはまた、後編地43の2つの面を折り曲げ線から遠い方へスライドさせると共に、前編地42の2つの面を折り曲げ線側へ近づけるように、互いに逆向きにスライドさせても良い。さらにこの2つの編目の面の間に、編目1目分〜2目もしくは3目分のスペースを挿入し、このスペースの幅はユーザが設定自在である。これによって折り曲げた各編目の面は、互いに干渉しない位置へと移される。編目の面のスライドと、編目の面間へのスペースの挿入は、いずれを先に行っても良い。
次いで折り曲げ線の付近で、編目の面を傾斜させ、言わば面取りを施す。面取り部44,45の幅は編目2目〜4目程度で、ユーザが設定自在である。次に例えば面取り部44,45の周囲を対象として、編目間の間隔が他の位置と等しくなり、かつ編目の向きが徐々に変化するように編目位置を移動させる。編目の面を面取りし、編目を移動させることにより、編目の面は言わば湾曲する。そしてこの処理をスムージングという。以上により、編目間の衝突判定などを行うことなしに、仮想的なニットウェアを折り畳むことができる。
図5に、折り畳み処理部24の構成を示す。対象とするデータは糸筋データで、平坦変形部51は仮想的なニットウェアを平坦に変形させ、これによって各パーツの編目はそれぞれ1つの面内に収容される。次にユーザの入力に従って、ユーザの入力がない場合はデフォールトに従って、折り曲げ位置設定部52で折り曲げ線を設定する。折り曲げ処理部53で、折り曲げ線を含みニットウェアに垂直な境界面を境界として図4のようにして折り曲げを行い、折り曲げによって境界面寄りに配置された2つの編目の面と、境界面から遠い側の2つの編目の面とを互いに遠ざかる方向にスライドさせ、折り曲げ部の周囲で編目の面を面取りし、面取りした面を対象としてスムージングを施す。次に仮想的なニットウェアの厚さが小さくなるようにプレス部54によってプレスし、ニットウェアに生じる凹凸や、ニットウェアの両側部のリフトなどを表すようにリフト部55でリフトさせる。
プレスとリフトの処理を図6に示すと、60は糸筋データで構成される仮想的なニットウェアで、これを筒状の輪郭61内に収容し、輪郭の表と裏(ニットウェアの正面側と背面側)を圧縮する。輪郭61の内部のニットウェア60は、輪郭61が圧縮されるとそれに伴って変形し、かつ厚さ方向に沿った編目の面の数に比例した反発力で、輪郭61の圧縮に反発する。このようにすると、折り畳んだ編地を手で押さえた時のように、仮想的なニットウェア60を圧縮できる。リフトでは、輪郭61の例えば両側を図6の波線のように変形する。仮想的なニットウェア60は輪郭61により圧縮されているので、輪郭61を波線のように変形させると、これに伴って内部のニットウェア60も変形する。これによって、ニットウェア表面の凹凸や、ニットウェアの両側部での反りを表現できる。プレスとリフトとを施したニットウェアに対し、スムージング部56で再度スムージングを施し、糸筋データの修正を完了する。
図7に、ニットウェアの折り畳みをカラーモニタへの表示画像で説明する。シミュレーション画像70では仮想的なニットウェアは平坦に配置されており、画像71のように折り曲げ線72を設定する。なお折り曲げ線72の位置自体は任意で、図の点線には特に意味はない。次に各折り曲げ線72を境界として図4のようにして折り曲げを行う。6面図の6つの視点から折り曲げ後のニットウェアを見たものを、画像73〜78として示す。
図8〜図11に折り曲げの例を示し、いずれもニットウェアをネック側から裾側へ向けて見ており、図の84,94,104,114は後身頃側に折り返した裾である。80,90,100,110は前身頃、81,91,101,111は後身頃、82,102,112は右袖、83,103,113は左袖である。なお左右は視点の側からではなく、ニットウェアを着用する際の左右に沿って示してある。図8では、右袖を後身頃側へ折り畳み、その上に折り畳んだ左袖が重なっている。図9は袖無しのセーターなどの例で、図10は袖が短いニットウェアの例である。図11は、右袖112が後身頃を回って前身頃側まで回り込むように折り畳んだ例である。
図12はタートルネックセーターでのネックの折り畳みの例を示し、図12では折り曲げ線(STD.LINE)を境として、前身頃側にネックを折り曲げ、図13では折り曲げ線を境として、前首は前身頃側に、後首は後身頃側に折り曲げてある。
図14,図15は折り畳んだニットウェアを重ねて、ネットワーク上の仮想的な店舗のショーケースに陳列した状態を示す。これらの画像は、糸筋データを上下に重ね、それらに対してセグメントデータとポリゴンデータとを発生させ、レンダリングを施すことによって完成する。図14はニットウェアのカラーパターンを強調した例で、図15はニットウェアの素材感を強調した例である。
実施例では折り畳んだニットウェアを簡単かつ正確にシミュレーションでき、ネットワーク上でのニットウェアの取引などを容易にするサンプルが得られる。
実施例のシミュレーション装置2は、コンピュータにシミュレーションプログラムをインストールすることにより実現される。シミュレーションプログラムはCD−ROMなどの記憶媒体に記憶されて、シミュレーション装置2のディスクドライブ14から読み込まれ、あるいは搬送波を介してインターネットなどから通信部12を介して入力され、いずれの場合もメモリ16などに記憶される。
図16にシミュレーションプログラム160を示し、161は平坦配置命令で糸筋データでの編目を同一面内に平坦に配置する。折り曲げ線設定命令162は、ユーザ入力またはデフォールトの折り曲げ線により、折り曲げ線を設定する。折り曲げ命令163は、折り曲げ線を含みかつニットウェアの表面に垂直な面を境界面として、糸筋データ中の各編目の面を折り曲げると共に、境界面を折り曲げた方向へ90°回転させる。さらに内側に折り曲げられることによって向き合った、境界面寄りの2つの編目の面間に所定のスペースを設け、2つの編目の面と、境界面から遠い側の2つの編目の面とを、互いに遠ざかるようにスライドさせることにより、折り曲げた編目の各面の位置を定める。スムージング命令164は、折り曲げた編目の面に対して、境界面の両側で編目の面を湾曲させて、境界面の両側の編目の面がスムーズに接続されるように、編目位置を修正する。スムージング命令164の補助的な命令であるプレス命令165は、スムージング後の仮想的なニットウェアを薄くするように、編目位置を修正する。スタック命令166は、仮想的なニットウェアを上下に複数着重ねた画像を発生させる。 セグメント発生命令167は、スムージング命令164で定めた編目位置に対して、各編目を複数のセグメントに分解したセグメントを発生させる。ポリゴンの発生命令168はセグメントを複数のポリゴンに分解し、表示画像発生命令169は、ポリゴンに対して糸のテクスチャーをマッピングし、かつシェーディングを施すことによりレンダリングを行い、表示画像を発生させる。
Claims (6)
- デザインデータを基に、仮想的な筒状のニットウェアでの編目の3D位置と編目間の接続関係を示す糸筋データを求め、求めた糸筋データを基に、ニットウェアの3Dシミュレーション画像を発生させる装置において、
仮想的なニットウェアが平坦に配置されるように、前記糸筋データでの編目を編目の面内に配置するための平坦配置手段と、
平坦に配置した仮想的なニットウェアに対して、ニットウェアの表面に沿って折り曲げ線を設定するための折り曲げ線設定手段と、
設定した折り曲げ線を含み、かつニットウェアの表面に垂直な面を境界面として糸筋データ中の各編目の面を折り曲げると共に、前記境界面を折り曲げた方向へ90°回転させ、内側に折り曲げられることによって向き合った、境界面寄りの2つの編目の面間に所定のスペースを設け、さらに該2つの編目の面と、境界面から遠い側の2つの編目の面とを、互いに遠ざかるようにスライドさせることにより、折り曲げた編目の各面の位置を定めるための折り曲げ手段と、
折り曲げた編目の面に対して、境界面の両側で編目の面を湾曲させて、境界面の両側の編目の面がスムーズに接続されるように、編目位置を修正するためのスムージング手段と、
スムージング手段で定めた編目位置に対して、各編目を複数のセグメントに分解したセグメントを発生するためのセグメント発生手段と、
発生した各セグメントを複数のポリゴンに分解したポリゴンの発生手段と、
発生したポリゴンに対して、糸のテクスチャーをマッピングし、かつシェーディングを施すことによりレンダリングを行い、表示画像を発生させるための表示画像発生手段、とを設けたことを特徴とする、ニットウェアの折り畳みシミュレーション装置。 - 前記スムージング手段は、折り曲げ線の付近で編目の面を傾斜させることにより編目の位置を修正し、修正済みの編目位置を、編目間の間隔が所定値に近づき、かつ編目間の角度が境界面の両側でスムーズに変化するようにさらに修正することを特徴とする、請求項1のニットウェアの折り畳みシミュレーション装置。
- スムージング後の糸筋データに対して、仮想的なニットウェアの厚さを小さくするように、編目位置を修正するためのプレス手段を設けたことを特徴とする、請求項1または2のニットウェアの折り畳みシミュレーション装置。
- スムージング後の糸筋データを、仮想的なニットウェアの複数着分、上下に重ねるための手段を設けたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかのニットウェアの折り畳みシミュレーション装置。
- デザインデータを基に、仮想的な筒状のニットウェアでの編目の3D位置と編目間の接続関係を示す糸筋データを求め、求めた糸筋データを基に、ニットウェアの3Dシミュレーション画像を発生させる方法において、
仮想的なニットウェアが平坦に配置されるように、前記糸筋データでの編目を編目の面内に配置する平坦化ステップと、
平坦に配置した仮想的なニットウェアに対して、ニットウェアの表面に沿って折り曲げ線を設定するための折り曲げ線設定ステップと、
設定した折り曲げ線を含み、かつニットウェアの表面に垂直な面を境界面として糸筋データ中の各編目の面を折り曲げると共に、前記境界面を折り曲げた方向へ90°回転させ、内側に折り曲げられることによって向き合った、境界面寄りの2つの編目の面間に所定のスペースを設け、さらに該2つの編目の面と、境界面から遠い側の2つの編目の面とを、互いに遠ざかるようにスライドさせることにより、折り曲げた編目の各面の位置を定めるための折り曲げステップと、
折り曲げた編目の面に対して、境界面の両側で編目の面を湾曲させて、境界面の両側の編目の面がスムーズに接続されるように、編目位置を修正するためのスムージングステップと、
スムージング手段で定めた編目位置に対して、各編目を複数のセグメントに分解したセグメントを発生するためのセグメント発生ステップと、
発生した各セグメントを複数のポリゴンに分解したポリゴンの発生ステップと、
発生したポリゴンに対して、糸のテクスチャーをマッピングし、かつシェーディングを施すことによりレンダリングを行い、表示画像を発生させるステップ、とを設けたことを特徴とする、ニットウェアの折り畳みシミュレーション方法。 - デザインデータを基に、仮想的な筒状のニットウェアでの編目の3D位置と編目間の接続関係を示す糸筋データを求め、求めた糸筋データを基に、ニットウェアの3Dシミュレーション画像を発生させるためのプログラムを記憶した、コンピュータにより読み取り自在な記憶媒体であって、
コンピュータを、以下の手段として機能させるもの:
仮想的なニットウェアが平坦に配置されるように、前記糸筋データでの編目を編目の面内に配置するための平坦配置手段と、
平坦に配置した仮想的なニットウェアに対して、ニットウェアの表面に沿って折り曲げ線を設定するための折り曲げ線設定手段と、
設定した折り曲げ線を含み、かつニットウェアの表面に垂直な面を境界面として糸筋データ中の各編目の面を折り曲げると共に、前記境界面を折り曲げた方向へ90°回転させ、内側に折り曲げられることによって向き合った、境界面寄りの2つの編目の面間に所定のスペースを設け、さらに該2つの編目の面と、境界面から遠い側の2つの編目の面とを、互いに遠ざかるようにスライドさせることにより、折り曲げた編目の各面の位置を定めるための折り曲げ手段と、
折り曲げた編目の面に対して、境界面の両側で編目の面を湾曲させて、境界面の両側の編目の面がスムーズに接続されるように、編目位置を修正するためのスムージング手段と、
スムージング手段で定めた編目位置に対して、各編目を複数のセグメントに分解したセグメントを発生するためのセグメント発生手段と、
発生した各セグメントを複数のポリゴンに分解したポリゴンの発生手段、及び
発生したポリゴンに対して、糸のテクスチャーをマッピングし、かつシェーディングを施すことによりレンダリングを行い、表示画像を発生させるための表示画像発生手段。
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