JP5079404B2 - アルカリ乾電池 - Google Patents

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Description

本発明は、アルカリ乾電池に関し、特に、アルカリ乾電池の負極に関する。
一般に、アルカリ乾電池は、正極端子を兼ねる正極ケースの中に、正極ケースに密着して、正極活物質として二酸化マンガン粉末やオキシ水酸化ニッケルを含む円筒状の正極合剤を配置し、その中央にセパレータを介して負極活物質として亜鉛合金粉末を含む負極を配置した構造を有する。負極は、一般に、アルカリ電解液にポリアクリル酸ナトリウム等のゲル化剤を混合することによってゲル状にしたものが用いられる。
上記負極の耐食性を上げるために、防食剤として、アルキル基の炭素原子数が6以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(特許文献1)や、アルキル基の炭素原子数が7以上の高級アルコールリン酸エステル(特許文献2)のようなアニオン性界面活性剤を、ゲル状の負極に添加することが提案されている。
一方、アニオン性界面活性剤であるリン酸エステルは炭素原子数が大きい程発泡しやすく、特に炭素原子数13付近の高級アルコールリン酸エステルは発泡しやすい性質を有する(非特許文献1)。
特開昭55−69969号公報 特開昭63−248064号公報
「界面活性剤」、米田出版、149頁
界面活性剤は集合体を形成して亜鉛合金粒子の表面に吸着し、保護被膜層を形成する。この保護被膜層が水酸化物イオンや水の亜鉛合金粒子への接近を阻止し、亜鉛合金粒子の表面上での式(1)や式(2)の反応が抑制される。
Zn + 4OH- → Zn(OH)4 2- + 2e- (1)
2H2O + 2e- → 2OH- + H2 (2)
そして、界面活性剤は、負極の反応時には、亜鉛合金粒子の表面から離散してアルカリ電解液中に拡散する。しかし、上記の特許文献1および2の界面活性剤は亜鉛合金粒子の表面に強く吸着し、拡散速度が遅いため、上記式(1)に示す電極反応の進行を阻害してしまい、十分な大電流放電性能が得られないという問題がある。
また、非特許文献1にあるように発泡しやすい性質を有する界面活性剤を負極に添加すると、負極の密度が低下し、負極活物質の充填量が減少するため、放電性能が低下するという問題がある。
特に、炭素原子数が多いリン酸エステルは、アルカリ電解液に不溶である。このため、ゲル状の負極の作製時に、亜鉛合金粉末とゲル化剤とアルカリ電解液とこのリン酸エステルとを混合した場合に、アルカリ電解液中にリン酸エステルが均一に分散するように充分に撹拌する必要があり、発泡が顕著となってしまう。
一方、近年、瞬間的に重負荷を必要とするデジタル機器が増えている。しかし、従来の界面活性剤を負極に添加したアルカリ乾電池では、大きな負荷をかけた瞬間に閉路電圧が大きく降下してしまう現象が見られる。例えば、このような機器の起動時における突入電流によって上述した電圧の降下により電池の閉路電圧が、機器の動作可能電圧を下回る場合がある。このとき、アルカリ乾電池が、充分に使用可能な容量を有していたとしても、結果的に十分な放電容量が得られないという問題がある。
そこで、本発明は上記従来の問題点を解決するものであり、負極反応が阻害されることなく、ガス発生が抑制された、耐漏液性および放電性能に優れたアルカリ乾電池を提供することを目的とする。
本発明は、二酸化マンガン粉末およびオキシ水酸化ニッケル粉末の少なくとも一方を含む正極と、亜鉛合金粉末を含む負極と、前記正極と前記負極との間に配されるセパレータと、アルカリ電解液と、鉄を主成分とする金属ケース、および前記金属ケースの内面に形成されたニッケルを含む層からなり、前記正極、負極、セパレータ、およびアルカリ電解液が収納された電池ケースと、を具備するアルカリ乾電池であって、
前記負極において、前記亜鉛合金粉末は粒径75μm以下の粒子を5〜45重量%含み、
前記負極は、さらに、条件(A)または(B)を満たす化合物、および一般式(x)で表される構造を有する化合物からなる群より選択された少なくとも1種の界面活性剤を含むことを特徴とする。
件(A):分子内に親水基としてリン酸基を有し、ポリオキシアルキレン基を有さず、疎水基として炭化水素基を少なくとも1個有し、前記炭化水素基の総炭素原子数が1〜6である。
条件(B):分子内に親水基としてリン酸基とポリオキシアルキレン基を有し、疎水基として炭化水素基を少なくとも1個有し、前記炭化水素基の総炭素原子数が1〜4である。
一般式(x):
Figure 0005079404
式(x)中、R 5 は、炭素原子数が1〜6の炭化水素基であり、XおよびYは、それぞれ独立してH、NaまたはKである。
前記条件(A)または(B)を満たす化合物は、一般式(1)で表される構造を有する化合物および一般式(2)で表される構造を有する化合物からなる群より選択された少なくとも1種であるのが好ましい。
一般式(1):
Figure 0005079404
式(1)中、R1は炭素原子数が1〜4の炭化水素基であり、R2は、−CH2CH2−または−CH(CH 3 )CH 2 であり、n=1〜8であり、XおよびYは、それぞれ独立してH、NaまたはKである。
一般式(2):
Figure 0005079404
式(2)中、R3およびR4は、それぞれ独立して水素原子または炭素原子数が1〜6の炭化水素基であり、R3およびR4の炭素原子数の合計は1〜6であり、Yは、H、NaまたはKである
前記一般式(1)において、R1はCm2m+1−であり、m=1〜4であるのが好ましい。
前記一般式(2)において、R3はCm2m+1−であり、R4はCn2n+1−であり、m=0〜6、n=0〜6、およびm+n=1〜6であるのが好ましい
前記一般式()において、R5はCn2n+1−であり、n=1〜6であるのが好ましい。
前記負極は、前記界面活性剤を前記亜鉛合金粉末100重量部あたり0.005〜1重量部含むのが好ましい。
前記亜鉛合金粉末は、ビスマスを30〜250ppm含むのが好ましい。
前記負極は、さらにゲル化剤および前記アルカリ電解液を含み、前記亜鉛合金粉末を前記アルカリ電解液100重量部あたり170〜220重量部含むのが好ましい。
前記負極において、前記亜鉛合金粉末は粒径75μm以下の粒子を25〜45重量%含むのが好ましい。
前記電池ケースにおける前記ニッケルを含む層の平均厚さは0.05〜1μmであるのが好ましい。
前記ニッケルを含む層は、Ni、Ni−Fe合金、Ni−Sn合金、またはNi−Co合金からなるのが好ましい。
前記電池ケースは、鋼板もしくはニッケルめっき鋼板を缶状にプレス加工して得られた金属ケースの内面にバレルめっきを施してニッケルを含む層を形成することにより得られるのが好ましい。
上記の本発明のアルカリ乾電池は、条件(C)および(D)を満たす。
条件(C):単3形のアルカリ乾電池において、開路電圧と、2.0Aで10ミリ秒間放電した際の閉路電圧との差が、0.24V以下である。
条件(D):前記負極のガス発生速度が2.5μl/g・day以下である。
上記アルカリ乾電池は、さらに条件(E)を満たす。
条件(E):前記負極に鉄を10ppm添加した際の負極のガス発生速度が4.0μl/g・day以下である。
上記アルカリ乾電池は、さらに条件(F)を満たす。
条件(F):前記負極にニッケルを10ppm添加した際の負極のガス発生速度が3.8μl/g・day以下である。
本発明によれば、負極反応を阻害することなく、ガス発生を抑制することができるため、優れた耐漏液性と放電性能とを両立することができる。
本発明のアルカリ乾電池の一部を断面とした正面図である。 本発明の実施例2の電池および比較例3の電池を2.0A放電した際の電圧挙動を示す図である。
本発明は、鉄を主成分とする金属ケースの内面にニッケルを含む層が形成された電池ケース内に、二酸化マンガン粉末およびオキシ水酸化ニッケル粉末の少なくとも一方を含む正極と、亜鉛合金粉末を含む負極と、前記正極と負極との間に配置されるセパレータと、アルカリ電解液とを収納したアルカリ乾電池に関する。そして、前記負極が、さらに、以下の条件(A)または(B)を満たす界面活性剤を含む点に特徴を有する。
条件(A):分子内に、親水基としてリン酸基を有し、ポリオキシアルキレン基を有さず、疎水基として炭化水素基を少なくとも1個有し、前記炭化水素基の総炭素原子数は1〜6である。
条件(B):分子内に、親水基としてリン酸基およびポリオキシアルキレン基を有し、疎水基として炭化水素基を少なくとも1個有し、前記炭化水素基の総炭素原子数は1〜4である。
上記の条件(A)または(B)を満たす界面活性剤は、放電しない間は亜鉛合金粉末の表面に吸着し、放電開始時にアルカリ電解液中のイオンの移動を妨げることなく、速やかに亜鉛合金粉末の表面から脱着する性質を有する。
これにより、負極反応を阻害することなく、ガス発生を抑制することができるため、優れた耐漏液性と放電性能とを両立することができる。
上記条件(A)において、疎水基である炭化水素基の総炭素原子数は6を超えると、負極反応が阻害され、放電性能が低下する。
上記条件(B)において、疎水基である炭化水素基の総炭素原子数は4を超えると、負極反応が阻害され、放電性能が低下する。良好な放電性能が得られるため、ポリオキシアルキレン基の重合度は8以下であるのが好ましい。
条件(A)または(B)において、炭化水素基は、二重結合を含んでもよく、直鎖状でも分岐状でもよい。例えば、CH3CH2CH(CH3)−やCH3CH=CHCH2−が挙げられる。
前記界面活性剤は、例えばリン酸エステルまたはそのアルカリ金属塩であるのが好ましい。
また、前記界面活性剤は、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルまたはそのアルカリ金属塩であるのが好ましい。
前記界面活性剤は、以下の一般式(1)、(2)または(x)で表される構造を有する化合物からなる群より選択された少なくとも1種であるのが好ましい。
一般式(1):
Figure 0005079404
式(1)中、R1は炭素原子数が1〜4の炭化水素基であり、R2は、−CH2CH2−または−CH(CH 3 )CH 2 であり、n=1〜8であり、XおよびYは、それぞれ独立してH、NaまたはKである。
一般式(2):
Figure 0005079404
式(2)中、R3およびR4は、それぞれ独立して水素原子または炭素原子数が1〜6の炭化水素基であり、R3およびR4の炭素原子数の合計は1〜6であり、Yは、H、NaまたはKである。
一般式():
Figure 0005079404
式()中、R5は、炭素原子数が1〜6の炭化水素基であり、XおよびYは、それぞれ独立してH、NaまたはKである。
上記一般式(1)において、例えば、R1はCm2m+1−であり、m=1〜4である。
上記一般式(2)において、例えば、R3はCm2m+1−であり、R4はCn2n+1−であり、m=0〜6、n=0〜6、およびm+n=1〜6である。
上記一般式()において、例えば、R5はCn2n+1−であり、n=1〜6である。
優れた耐漏液性および放電性能が同時に得られる点で、前記負極は、前記界面活性剤を前記亜鉛合金粉末100重量部あたり0.005〜1重量部含むのが好ましい。
負極中の界面活性剤の含有量は、亜鉛合金粉末100重量部あたり0.005重量部未満であると、十分な負極の耐食性が得られない。負極中の界面活性剤の含有量は、亜鉛合金粉末100重量部あたり1重量部を超えると放電性能が低下する。より好ましくは、より優れた放電性能が得られる点で、負極中の界面活性剤の含有量は、亜鉛合金粉末100重量部あたり0.005〜0.3重量部である。
さらに好ましくは、負極中の界面活性剤含有量は、亜鉛合金粉末100重量部あたり0.02〜0.1重量部である。
前記亜鉛合金粉末は、ビスマスを30〜250ppm含むのが好ましい。無機防食剤として亜鉛合金に水素過電圧の高いビスマスを添加する方法が知られているが、ビスマスは放電時に亜鉛の不動態化を促進して負極反応を阻害する性質を有する。しかし、上記界面活性剤が有効な防食剤として機能するため、ビスマス添加量を低減することができ、放電性能を損なうことなく負極の耐食性を十分に向上させることができる。
亜鉛合金粉末中のビスマス含有量が30ppm未満であると、負極の耐食性が維持できない。亜鉛合金粉末中のビスマス含有量が250ppmを超えると、ビスマス含有量が多くなり、放電性能が低下しやすい。
負極には、例えば、上記界面活性剤、亜鉛合金粉末、アルカリ電解液、およびゲル化剤を含むゲル状の負極が用いられる。
この負極において、亜鉛合金粉末を負極中に含まれるアルカリ電解液100重量部あたり170〜220重量部含むのが好ましい。
負極中の亜鉛合金粉末の含有量が、負極中に含まれるアルカリ電解液100重量部あたり170重量部未満であると、ゲル状の負極が発泡しやすくなり、放電性能が低下する。一方、負極中の亜鉛合金粉末の含有量が、負極中に含まれるアルカリ電解液100重量部あたり220重量部を超えると、負極中のアルカリ電解液量が少なすぎるため、放電性能が低下する。
一般に、リン酸エステル等の界面活性剤を添加した水溶液は、泡の安定性が増すことが知られている。従って、負極作製時に、ゲル状の負極が発泡して空気を取り込み、ゲル状の負極の密度が低下する。そこで、本発明者らは、ゲル状の負極におけるアルカリ電解液量に対する亜鉛合金粉末量の割合と、ゲル状の負極の発泡性との関連性を検討した。その結果、アルカリ電解液量に対する亜鉛合金粉末量の割合が大きいほど、発泡による負極の密度の低下が抑制されることがわかった。これは、複雑な形状をした亜鉛合金粒子が泡を破壊する効果が大きくなったためと考えられる。
前記負極において、前記亜鉛合金粉末は粒径75μm以下の粒子を5〜45重量%含むのが好ましい。亜鉛合金粉末中における粒径75μm以下の粒子の含有量が5重量%以上であると、負極の反応効率が向上し、放電性能が向上する。亜鉛合金粉末中における粒径75μm以下の粒子の含有量が45重量%を超えると、ゲル状の負極の充填工程における生産性が低下する。より好ましくは、亜鉛合金粉末は粒径75μm以下の粒子を25〜45重量%含む。
例えば、亜鉛合金粉末を目開き75μm及び425μmの篩にて分級し、75〜425μmの間に篩い分けされた粒子からなる粉末に、75μm以下の粒子からなる粉末を所定重量混合させることにより、粒径75μm以下の粒子を5〜45重量%含む亜鉛合金粉末は得られる。
また、目開き75μmの篩にて亜鉛粉末を篩い分けし、秤量することにより、亜鉛合金粉末が粒径75μm以下の粒子を5〜45重量%含むことを確認することができる。
従来から、負極の反応効率を上げるために亜鉛合金粉末を微粉化すると、ゲル状の負極の粘度が上昇して生産性が悪くなるという問題があった。
しかし、上記界面活性剤を添加することにより、ゲル状の負極の粘度が低下する。これは、アルカリ電解液と亜鉛合金粒子およびゲル化剤との間の界面張力が低下し、亜鉛合金粒子やゲル化剤の濡れ性が増大し、潤滑性が高まるため、亜鉛合金粒子やゲル化剤の衝突による摩擦を軽減できるためであると考えられる。ゲル状負極の粘度の低下により、ゲル状の負極の電池ケース内への充填工程の生産性が向上する。特に炭素鎖の短いリン酸エステルは、界面張力低下能が強いことが知られている(特公昭55−22587号参照)。
従って、上記のようにゲル状の負極に界面活性剤を添加するため、亜鉛合金の微粉末を用いても、ゲル状の負極の粘度の上昇を抑えることができ、生産性を低下させることなく、放電性能を向上させることができる。
本発明者らは、本発明の界面活性剤を用いて電池ケースの内面に形成されるニッケルを含む層の厚さと、負極におけるガス発生量との関連性について種々検討を行った。その結果、ニッケルを含む層の平均厚さが0.05〜1μmの範囲内であれば、優れた耐漏液性および放電性能が同時に得られることを見出した。ニッケルを含む層の平均厚さが0.05μm未満であると、ガス発生を十分に抑制することが困難となる。1μmを超えると、実質的なコストメリットが得にくくなる。コスト面で有利であるため、ニッケルを含む層の平均厚さは0.05〜0.5μmであるのがより好ましい。
従来では、例えば電池ケースの内面に、厚さ0.15〜3μmのニッケルを含む層が形成されている。(特開平7−122246号公報参照)そして、材料コスト低減を目的としてニッケル層の厚さを薄くすると、アルカリ電解液による鉄の腐食を確実に防止することは難しくなり、アルカリ電解液中に溶出した鉄が負極の亜鉛粒子表面に析出し、ガス発生量が増大して漏液する場合があった。
これに対して、本発明では、従来よりもニッケルを含む層を薄くでき、ニッケルのメッキ量を減らすことができ、材料コストを下げることができる。本発明における上記界面活性剤は、鉄等の不純物に対する抗性を有する、すなわち鉄等の不純物によるガス発生を抑制するという性質を有する。
ここでいう、ニッケルを含む層の平均厚さは、電池ケースの高さの1/2の高さに位置する筒状側部の内面の少なくとも3点を測定して得られたニッケルを含む層の厚さの測定値を平均した値のことをいう。ニッケルを含む層の厚さの測定は、例えば蛍光X線分析((株)島津製作所製、エネルギー分散型蛍光X線分析装置EDX−700HS)により求めることができる。
ニッケルを含む層は、例えば、Ni層、Ni−M(元素MはFe、Sn、またはCoである。)合金層である。Ni−M合金層中の元素Mの含有量は30〜80重量%であるのが好ましい。Ni−M合金層中の元素Mの含有量が30重量%未満であると、電池ケース製缶時の加工性が悪くなる。一方、Ni−M合金層中の元素Mの含有量が80重量%を超えると、電池ケースの耐食性が低下する。
これらのなかでも、加工性、材料コスト、および電池ケース内面の腐食に対する安定性の観点から、特にNi層およびNi−Fe合金層からなる電池ケースが好ましい。
電池ケースは、鋼板もしくはニッケルめっき鋼板を缶状にプレス加工したものの内面にバレルめっきを施すことによりニッケルを含む層を形成してもよい。
上記条件(A)または(B)を満たす界面活性剤を含むゲル状の負極を用いた本発明のアルカリ乾電池は、以下の条件(C)および(D)を満たす。
条件(C):単3形のアルカリ乾電池において、開路電圧と、2.0Aで10ミリ秒間放電した際の閉路電圧との差が、0.24V以下である。
条件(D):前記負極のガス発生速度が2.5μl/g・day以下である。
例えば、界面活性剤に、上記の一般式(1)、(2)または(x)で表される化合物を用いる場合、負極中の界面活性剤含有量が亜鉛合金粉末100重量部あたり0.005〜1重量部であると、上記条件(C)および(D)を満たす。
上記界面活性剤は不純物としての鉄に対する抗性を有する、すなわち鉄の存在によるガス発生を抑制するという性質を有するため、上記アルカリ乾電池は、さらに以下の条件(E)を満たす。
条件(E):前記負極に鉄を10ppm添加した際の負極のガス発生速度が4.0μl/g・day以下である。
上記界面活性剤は不純物としてのニッケルに対する抗性を有する、すなわちニッケルの存在によるガス発生を抑制するという性質を有するため、上記アルカリ乾電池は、さらに以下の条件(F)を満たす。
条件(F):前記負極にニッケルを10ppm添加した際の負極のガス発生速度が3.8μl/g・day以下である。
ゲル状の負極のガス発生速度の求め方としては、例えば、特開昭57−048635号公報、特開平7−245103号公報、または特開2006−4900号公報記載の方法が挙げられる。具体的には、ゲル状の負極のガス発生速度は、例えば、以下の方法により求めることができる。
目盛り付きの細管を備えた容器を含むガス捕集用のガラス製治具内に、アルカリ乾電池を分解して取り出したゲル状の負極を5g入れる。ついで、この中にゲル状の負極が完全に没し、空気が残らないように流動パラフィンを流し込む。その後、45℃の恒温水槽内に浸漬し、ガラス製治具内が一定の温度となるように約3時間放置する。さらに、その後、3日間放置する。3日間放置後に流動パラフィンの液面が位置する目盛りを読んで、放置時において流動パラフィンの液面が移動した距離を求めて、3日間の累計ガス発生量を測定し、下記の式からガス発生速度を算出する。
ガス発生速度(μl/g・day)
=3日間の累計ガス発生量(μl)÷5(g)÷3(day)
また、ゲル状の負極に、10ppmの鉄またはニッケルを添加した際のガス発生速度は、以下の方法で求めることができる。
微量の鉄またはニッケルを正確に添加することが困難であるため、予めゲル状のアルカリ電解液を作製し、その中に鉄粉末またはニッケル粉末を均一に分散、保持させたゲル(以下、不純物分散ゲルと表す。)の一部を、ゲル状負極に添加する。
不純物分散ゲルは、例えば、35重量%の水酸化カリウム水溶液800gに、不純物として、鉄またはニッケルの粉末0.1gと、ゲル化剤としてポリアクリル酸ナトリウムの粉末49.43gとを加えて30分間混合することによって得られる。このとき、不純物分散ゲル中の鉄またはニッケルの濃度は118ppmである。
鉄粉末としては、例えば、和光純薬工業(株)製の粒子径が−20meshの試薬を用いることができる。ニッケル粉末としては、例えば、関東化学(株)製の粒子径3〜7μmの試薬を用いることができる。ゲル化剤としては、例えば、B.F.Goodrich(米国)製のCARBOPOL C940、住友精化(株)製のAQUPEC HV−505E、三洋化成工業(株)製のサンフレッシュDK−500を用いることができる。
そして、ガス捕集用のガラス製治具内に、アルカリ乾電池を分解して取り出したゲル状の負極5gを投入し、さらに、上記で得られた不純物分散ゲル0.464gを加えることにより、鉄またはニッケルを10ppm含むゲル状負極が得られる。このゲル状負極を用いて、上記と同様の方法でガス発生速度を求めることができる。
以下、本発明の一実施の形態を、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の単3形アルカリ乾電池の一部を断面とした正面図である。
正極端子と正極集電体を兼ねた有底円筒形の電池ケース1には、中空円筒状の正極2が内接するように収納されている。正極2の中空部には有底円筒形のセパレータ4を介して負極3が配置されている。電池ケース1の開口部は、正極2、負極3等の発電要素を収納した後、釘型の負極集電体6と電気的に接続された負極端子板7と樹脂封口体5を一体化した組立封口体9により封口されている。電池ケース1の外周面は、外装ラベル8により被覆されている。
電池ケース1は、鉄を主成分とする金属ケース、および前記金属ケースの内面に形成されたニッケルを含む層からなる。電池ケースは、例えば、ニッケルめっき鋼板を用いて所定の寸法、形状にプレス加工して得られる。プレス加工としては、従来から製缶工程で採用されている深絞り工法、DI(Drawing and Ironing)工法、またはDTR(Draw Thin and Redraw)工法などが挙げられる。例えば、特開昭60−180058号公報または特開平11−144690号公報記載の公知の方法により、電池ケースを得ることができる。
電池ケース1は、例えば、上記のように、鋼板を缶状にプレス加工して金属ケースを得た後、鉄ケースの内面にバレルめっき法によりニッケルを含む層を形成することによって得られる。また、耐食性や美観を考慮して、金属ケースの内面だけでなく、金属ケースの外面にもニッケルを含む層が形成されていてもよい。
鋼板は、主成分である鉄以外に、例えば、微量のMn、Al、C、Si、S、またはPなどの元素を含む。
正極2には、例えば、電解二酸化マンガンの粉末、オキシ水酸化ニッケル粉末、またはそれらの混合物などの正極活物質、黒鉛粉末などの導電剤、およびアルカリ電解液の混合物が用いられる。また適宜、ポリエチレン粉末等の結着剤やステアリン酸塩等の滑沢剤を添加してもよい。
負極3には、例えば、界面活性剤を含むアルカリ電解液にポリアクリル酸ナトリウム等のゲル化剤を添加してゲル状とし、これに負極活物質である亜鉛合金粉末を混合分散させたものが用いられる。耐食性を向上させるために、インジウムやビスマス等の水素過電圧の高い金属化合物を適宜添加してもよい。また、亜鉛のデンドライトの成長を抑制するために、微量のケイ酸やその塩などのケイ素化合物を適宜添加してもよい。上記のように、負極作製時に用いられるアルカリ電解液に界面活性剤を添加することにより、負極中に界面活性剤を確実にかつ均一に分散させることができる。
亜鉛合金粉末は耐食性に優れたものを用いるのが好ましく、さらには、環境に配慮して水銀、カドミウム、もしくは鉛、またはそれら全てが無添加であるものがより好ましい。亜鉛合金としては、例えば、0.01〜0.1重量%のインジウム、0.003〜0.025重量%のビスマスおよび0.001〜0.005重量%のアルミニウムを含むものが挙げられる。これらの元素を1種類のみ含有してもよく、2種類以上を含有してもよい。
セパレータ4には、例えば、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維を主体として混抄した不織布が用いられる。このセパレータ4は、例えば、特開平6−163024号公報や特開2006−32320号公報に記載の公知の方法により得られる。
正極2、負極3およびセパレータ4はアルカリ電解液を含む。アルカリ電解液には、例えば、30〜40重量%の水酸化カリウムおよび1〜3重量%の酸化亜鉛を含むアルカリ水溶液が用いられる。さらに、アルカリ電解液中に目的に応じて上記界面活性剤等の添加物を溶解、分散させてもよい。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
本発明のアルカリ乾電池として、図1に示す単3形アルカリ乾電池を以下の手順で作製した。図1は、本発明の実施例のアルカリ乾電池の一部を断面とする正面図である。
《実施例1〜9および比較例1〜3》
(1)電池ケースの作製
厚さ0.4mmのフープ状の冷間圧延鋼板を準備し、表1に示す条件の電解メッキ工程と、露点−40℃において、水素ガス6.5%および窒素ガス93.5%からなる保護ガスを用い、均熱温度550℃で6時間の焼鈍工程を経て、前記鋼板の両面にニッケルを含む層を形成し、ニッケルめっき鋼板を得た。
Figure 0005079404
上記ニッケルめっき鋼板を円形に打ち抜いて、カップ状中間製品に加工した。次いで、カップ状中間製品に、2つの絞りダイスによる絞り加工と、3つのしごきダイスによるしごき加工とを連続的に施すDI工法により製缶し、外径が13.90mmで側面の厚さが0.18mmの電池ケース1を得た。電池ケース1の底部の中央には、正極端子を兼ねる突起(電池ケース1の外側に向けて突出している)を設けた。製缶後の内面のニッケルを含む層は、平均厚さが1.0μmのNi−Fe合金層であった。
なお、Ni−Fe合金層の平均厚さは、蛍光X線分析((株)島津製作所製、エネルギー分散型蛍光X線分析装置EDX−700HS)により求めた。Ni−Fe合金層の平均厚さは、電池ケースの高さの1/2の高さに位置する筒状側部の内面における3箇所を測定し、その測定値を平均して求めた。
(2)正極の作製
電解二酸化マンガンと黒鉛とを92:8の重量比で混合した。そして、この混合物と、アルカリ電解液とを100:2の重量比で混合し、充分に攪拌した後フレーク状に圧縮成形した。ついで、フレーク状の正極を粉砕して顆粒状とし、これを篩によって分級し、10〜100メッシュのものを中空円筒状に加圧成形して重量が5.4gのペレット状の正極2を得た。なお電解二酸化マンガンには、二酸化マンガンの純度が92重量%のもので、平均粒径が38μmのものを用いた。また黒鉛には、平均粒径が17μmのものを用いた。アルカリ電解液には、水酸化カリウムと酸化亜鉛と水とを35:2:63の重量比で混合したものを用いた。
(3)ゲル状の負極の作製
亜鉛を約500℃まで加熱し溶融状態とし、ここに、50ppmのアルミニウム、250ppmのインジウム及び200ppmのビスマスを添加し溶融させ、これを細流状に滴下し、圧縮空気を噴射させて噴霧した。このようにして、50ppmのアルミニウム、250ppmのインジウム、200ppmのビスマスを含み亜鉛合金粉末を得た。
そして、得られた亜鉛合金粉末を目開き75μm及び425μmの篩にて分級し、75〜425μmの間に篩い分けされた粒子からなる粉末に、75μm以下の粒子からなる粉末を所定重量混合することにより、粒径75μm以下の微粉末を25重量%含む亜鉛合金粉末を得た。
上記と同じアルカリ電解液、界面活性剤、ゲル化剤としてのポリアクリル酸ナトリウム、および上記で得られた亜鉛合金粉末を、重量比50:0.1:1.5:100で混合し、負極3を得た。このとき、負極3中の界面活性剤の添加量は亜鉛合金粉末100重量部あたり0.1重量部であった。また、負極3中における亜鉛合金粉末の添加量は、負極3で用いた電解液100重量部あたり200重量部であった。
(4)アルカリ乾電池の組立
上記で得られたペレット状の正極2を電池ケース1内に2個挿入し、加圧治具により正極2を加圧して電池ケース1の内壁に密着させた。電池ケース1の内壁に密着させた正極2の中空部に有底円筒形のセパレータ4を配置した。セパレータ4内に1.7gのアルカリ電解液を注入した。15分経過した後、さらにセパレータ4内に上記で得られた負極3を6.5g充填した。セパレータ4には、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維を主体として混抄した不織布を用いた。そして、電池ケース1の開口端部を、組立封口体9により封口した後、外装ラベル8で電池ケース1の外表面を被覆して図1に示した単3形のアルカリ乾電池を得た。
上記アルカリ乾電池の作製時において、負極に添加する界面活性剤に一般式(1)で表される化合物である、以下に示す一般式(4)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルを用いた。なお、Rは−CH2CH2−または−CH(CH3)CH2−を示す。
一般式(4):
Figure 0005079404
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルを、アルキルアルコールとポリエチレングリコールとのエーテル化反応により得られた生成物と、リン酸とのエステル化反応により得た。
このとき、ポリエチレングリコールにおけるエチレングリコールの重合度、アルキルアルコールにおけるアルキル基の炭素原子数、およびリン酸基を中和する塩の種類を変えた。すなわち、下記の一般式(4)の構造パラメータである、m、n、X、およびYを表1に示すように変えて、化合物1〜11を作製した。
Figure 0005079404
上記で得られた各アルカリ乾電池について以下の評価を行った。
(A)耐漏液特性の評価
各アルカリ乾電池を150個ずつ準備し、60℃で保存した。そして、4ヶ月間、8ヶ月間、および12ヶ月間保存した後において漏液したアルカリ乾電池の個数を調べた。
(B)重負荷放電開始時の電圧降下の測定
各アルカリ乾電池について、20±2℃の恒温環境の中で2.0Aで放電した。このとき、放電直前のアルカリ乾電池の開路電圧と、放電開始時点から10ミリ秒間で最も低い閉路電圧とを測定し、両者の差を電圧降下として算出した。
ここで、図2は、アルカリ乾電池の2.0A放電した際の電圧降下の挙動を示す。太実線が本発明の実施例2の電池の放電曲線を、細実線が比較例3の電池の放電曲線を示す。
従来の界面活性剤を負極に添加した比較例3の電池では、界面活性剤が亜鉛合金粉末の表面に強く吸着し、放電を開始した瞬間にアルカリ電解液中のイオンの移動を妨げ、亜鉛合金粉末の表面から速やかに離散することができず、いったん閉路電圧が著しく降下した。そして、その後に遅れて円滑な反応に復帰する挙動を示した。
これに対して、本発明の実施例2の電池では、比較例3の電池のような著しい閉路電圧の降下や遅延は見られなかった。
(C)放電性能の評価
各アルカリ乾電池について、21±2℃の恒温環境の中で、1.5Wで2秒間放電した後、0.65Wで28秒間放電する工程を繰り返すパルス放電を1時間あたり10サイクル行った。そして、閉路電圧が1.05Vに達するまでの放電持続時間を調べた。なお、この評価は、ANSI C18.1Mに定められた放電試験の方法を準用している。そして、電池の放電容量を、従来のアルキル基の炭素原子数が20であるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルを用いた比較例3のアルカリ乾電池の放電容量を100とした指数として表した。
これらの評価結果を表1に示す。
負極中に界面活性剤を添加しない比較例1の場合、亜鉛合金の腐食にともなうガス発生により漏液した電池がみられた。
比較例2および3の電池では、耐漏液性は改善したが、疎水基である末端の炭化水素基の炭素原子数が多くなり、アルカリ電解液中での移動や拡散に支障をきたし、放電性能が低下した。
これに対して、一般式(4)において、mが1〜4である化合物を負極に添加した本発明の実施例1〜9の電池では、比較例2および3の電池と比べて、亜鉛合金粉末の表面近傍でアルカリ電解液中のイオンの移動を妨げることなく速やかに前記亜鉛合金粉末の表面から離散することができるため、電圧降下が減少し、放電性能が改善した。また、実施例1〜9の電池では、比較例1の電池よりも優れた耐漏液性が得られた。
特に、一般式(4)において、mが1〜4およびnが1〜8である化合物を負極に添加した本発明の実施例1〜8の電池では、電圧降下が大幅に減少し、優れた放電性能および耐漏液性を示した。
また、実施例1〜3の電池の結果より、一般式(4)において、XおよびYを、H、Na、またはKと変えることによる電池特性の差異は特に認められないことがわかった。
《実施例10〜17および比較例4〜5》
アルキルアルコールとリン酸とのエステル化反応により、一般式(2)で表される化合物である、下記の一般式(5)で表されるリン酸エステルを得た。
一般式(5):
Figure 0005079404
このとき、アルキルアルコールのアルキル基の炭素原子数、およびリン酸基を中和する塩の種類を変えた。すなわち、一般式(5)の構造パラメータである、m、n、m+n、X、およびYを、表3に示すように種々に変えて、化合物12〜21を作製した。
負極に化合物12〜21を添加して、実施例1と同様の方法により、単3形のアルカリ乾電池をそれぞれ作製し、上記と同様に評価した。これらの評価結果を表3に示す。
Figure 0005079404
比較例4および5の電池では、リン酸エステルの分子内の炭素原子数が多くなり、アルカリ電解液中での移動や拡散に支障をきたすために、電圧降下が大きく、放電性能が低下した。
これに対して、一般式(5)において、m、nは共に1〜6、かつm+nは6以下である本発明の実施例10〜17の電池は、電圧降下が小さく、良好な放電性能および優れた耐漏液性を示した。
《実施例18〜23》
リン酸のアルキル化反応により、一般式()で表される化合物である、下記の一般式(6)で表されるリン酸エステルを得た。
一般式(6):
Figure 0005079404
このとき、アルキル基の炭素原子数およびリン酸基を中和する塩の種類を変えることにより、一般式(6)の構造パラメータである、n、X、およびYを表4に示すように種々に変えて、化合物22〜27を得た。
負極に化合物22〜27を添加し、実施例1と同様の方法により、単3形のアルカリ乾電池をそれぞれ作製し、上記と同様の評価を行った。これらの評価結果を表4に示す。
Figure 0005079404
一般式(6)においてnが1〜6である本発明の実施例18〜23の電池は、電圧降下が小さく、良好な放電性能および優れた耐漏液性を示した。また、実施例19〜22の電池の結果より、一般式(6)において、XおよびYを、H、Na、またはKと変えることによる電池特性の差異は特に認められないことがわかった。
《実施例24〜33》
界面活性剤の負極への添加量について検討した。
負極中への界面活性剤(化合物2、19または23)の添加量を、表5に示す値に変えた。表5中における負極中の界面活性剤の添加量は、亜鉛合金粉末100重量部あたりの量(重量部)を示す。より具体的には、ゲル状の負極の作製時において、アルカリ電解液、界面活性剤(前記化合物2、19および23)、ポリアクリル酸ナトリウム、および亜鉛合金粉末の混合重量比は、50:α:1.5:100とし、界面活性剤の添加量(α)の値を変えた。これ以外、実施例2、15および19と同様の方法によりアルカリ乾電池を作製し、上記と同様に評価した。
これらの評価結果を実施例2、15、19および比較例1の結果とともに表5に示す。
Figure 0005079404
実施例2、15、および19、24〜33の電池では、放電開始時の電圧降下が小さく、良好な放電性能が得られると同時に、耐漏液性が向上した。
負極中の界面活性剤の添加量が亜鉛合金粉末100重量部あたり0.005〜1重量部である実施例2、15、19、25〜28および30〜33の電池は、優れた耐漏液性および放電性能を示した。
《実施例34〜44》
亜鉛合金中のビスマス量について検討した。
ゲル状の負極の作製時において、亜鉛合金粉末中のアルミニウム含有量を50ppm、インジウム含有量を250ppm、ビスマス含有量を表6に示す量とした以外は、実施例2、15および19と同様の方法によりアルカリ乾電池をそれぞれ作製し、上記と同様に評価した。
これらの評価結果を表6に示す。
Figure 0005079404
実施例2、15、19および34〜44の電池では、放電開始時の電圧降下が小さく、良好な放電性能が得られると同時に、耐漏液性が向上した。
亜鉛合金組成中のビスマス含有量が30〜250ppmである実施例2、15、19、35〜37および39〜44の電池は、優れた耐漏液性および放電性能を示した。
《実施例45〜52および比較例6〜10》
負極中の亜鉛合金粉末の含有量について検討した。
負極中の亜鉛粉末合金の含有量を表7に示す値に変えた。表7における負極中の亜鉛合金粉末の含有量は、アルカリ電解液100重量部あたりの量(重量部)を示す。より具体的には、ゲル状の負極の作製時において、アルカリ電解液、界面活性剤(化合物2、19または23)、ポリアクリル酸ナトリウム、および亜鉛合金粉末を重量比100:0.1β:3.0:βの割合で混合し、亜鉛合金粉末の含有量(β)を変えた。
次に、負極の密度を測定し、この測定値に基づいて表7に示す量の負極をセパレータの内側に充填した。なお、表7中の負極の密度は、実施例2の負極の密度を100とした指数で表した。
上記以外は、実施例2、15および19と同様の方法によりアルカリ乾電池をそれぞれ作製し、上記と同様に評価した(実施例45〜52)。
また、界面活性剤を添加しない以外、実施例2、45〜48と同様の方法により、アルカリ乾電池をそれぞれ作製し、上記と同様に評価した(比較例6〜10)。
これらの評価結果を実施例2、15、および19の電池の結果とともに表7に示す。
Figure 0005079404
実施例2、15、19および45〜52の電池は、放電開始時の電圧降下が小さく、優れた耐漏液性を示した。
比較例6〜10の界面活性剤を添加しない負極の密度と、実施例2および45〜48の界面活性剤を添加した負極の密度との比較から、負極中の亜鉛合金粉末の含有量が大きいほど、発泡による負極の密度の低下が抑制される傾向を示すことが確かめられた。
界面活性剤として化合物2、19または23を含む負極中の亜鉛合金粉末の含有量がアルカリ電解液100重量部あたり170〜220重量部である実施例2、15、19、46、47、49〜52の電池では、負極の密度を高くでき、かつ負極中に十分な量の電解液が存在するため、優れた放電性能が得られた。
参考例1、実施例53〜58
亜鉛合金粉末の形態について検討した。
ゲル状の負極の作製時において、亜鉛合金粉末中の粒径75μm以下の粒子の含有量を表8に示すように種々変えた。これ以外は、実施例2、15および19と同様の方法によりアルカリ乾電池をそれぞれ作製し、上記と同様に評価した。
その評価結果を実施例2、15、および19の結果とともに表8に示す。
Figure 0005079404
実施例2、15、19および53〜58および参考例1の電池は、放電開始時の電圧降下が小さく、優れた耐漏液性を示した。
亜鉛合金粉末中における粒径75μm以下の粒子の割合は5〜45重量%である実施例2、15、19、および53〜58の電池は、優れた放電性能を示した。亜鉛合金粉末中における粒径75μm以下の粒子の割合が45重量%を超えると、ゲル状の負極の粘度が上昇し、負極の充填工程における生産性が悪くなる。
《実施例59〜66および比較例11〜14》
電池ケースの内面に形成されているニッケルを含む層に関する検討を行った。具体的には、電池ケース1の内面にNi−Fe層を設けた。以下に詳細を説明する。
焼鈍工程における焼鈍時間を3〜9時間の間で変化させた以外、実施例1と同様の方法により、電池ケースを作製した。このようにして、電池ケース内面のNi−Fe層の平均厚さを表9に示す種々の値に変えた。
これらの電池ケースを用いた以外、実施例2、15、および19と同様の方法によりアルカリ乾電池をそれぞれ作製し、上記と同様に評価した(実施例59〜66)。
また、負極に界面活性剤を添加しなかった以外、実施例59、60、63および66と同様の方法により、アルカリ乾電池をそれぞれ作製し、上記と同様に評価した(比較例11〜14)。
これらの評価結果を表9に示す。
Figure 0005079404
《実施例67〜77および比較例15〜19》
電解メッキ工程において表2に示す条件で電解時間を変えて、焼鈍工程を経ない以外、実施例1と同様の方法により、表10に示す平均厚さを有するNi層が内面に形成された電池ケースを作製した。
これらの電池ケースを用いた以外、実施例2、15、および19と同様の方法によりアルカリ乾電池をそれぞれ作製し、上記と同様に評価した(実施例67〜77)。
また、負極に界面活性剤を添加しなかった以外、実施例67、68、71、74、および77と同様の方法により、アルカリ乾電池をそれぞれ作製し、上記と同様に評価した(比較例15〜19)。
これらの評価結果を表10に示す。
Figure 0005079404
《実施例78〜88および比較例20〜24》
実施例1と同じニッケルめっき鋼板に、表11に示す条件で電解スズめっきした。その後、この鋼板を、露点−40℃において、水素ガス6.5%および窒素ガス93.5%からなる保護ガスを用いて、均熱温度550℃で焼鈍した。このようにして、鋼板の両面にNi−Sn層を形成した。
Figure 0005079404
上記の両面にNi−Sn層を有する鋼板を用いた以外、実施例1と同様の方法により、内面にNi−Sn層が形成された電池ケースを作製した。このとき、焼鈍工程において焼鈍時間を3〜9の間で変えることにより、表12に示す種々の平均厚さを有するNi−Sn層が内面に形成された電池ケースを作製した。
これらの電池ケースを用いた以外、実施例2、15、および19と同様の方法によりアルカリ乾電池をそれぞれ作製し、上記と同様に評価した(実施例78〜88)。
また、負極に界面活性剤を添加しなかった以外、実施例78、79、82、85および88と同様の方法により、アルカリ乾電池をそれぞれ作製し、上記と同様に評価した(比較例20〜24)。
これらの評価結果を表12に示す。
Figure 0005079404
《実施例89〜99および比較例25〜29》
電解メッキ工程において表13に示す条件で電解時間を変え、焼鈍工程を経ない以外、実施例1と同様の方法により、表14に示す平均厚さを有するNi−Co層が内面に形成された電池ケースを作製した。
Figure 0005079404
これらの電池ケースを用いた以外、実施例2、15、および19と同様の方法によりアルカリ乾電池をそれぞれ作製し、上記と同様に評価した(実施例89〜99)。
また、負極に界面活性剤を添加しなかった以外、実施例89、90、93、96および99と同様の方法により、アルカリ乾電池をそれぞれ作製し、上記と同様に評価した(比較例25〜29)。
これらの評価結果を表14に示す。
Figure 0005079404
以下、表9、表10、表12、および表14に関して説明する。
負極に界面活性剤を添加しないアルカリ乾電池では、電池ケースの内面に設けられた種々のNiを含む層の平均厚さが1.0μm以下であると、漏液が発生した(比較例1、12〜14、および16〜19、21〜24、および26〜29)。電池ケースからアルカリ電解液中に溶出した鉄が負極の亜鉛合金粒子に析出し、ガス発生量が増大したためである。
実施例59〜99のアルカリ乾電池では、上記界面活性剤の添加により、放電開始時の電圧降下が減少し、耐漏液性が向上した。
負極に上記界面活性剤を添加したアルカリ乾電池は、電池ケースの内面に設けられたニッケルを含む層の平均厚さが0.05μm以上であれば、電圧降下が小さく、良好な放電性能および優れた耐漏液性を示した(実施例2、15、19、59〜65、67〜76、78〜87、および89〜98)。
電池ケースの内面に設けられたNiを含む層の平均厚さが1.0μmを超えると、材料コストがかかり実質的なコストメリットが得られにくい(実施例59、67、78、および89)。
上記の点から、電池ケースの内面に形成されるニッケルを含む層の平均厚さは、0.05〜1.0μmであるのが好ましいことがわかった。
《実施例100〜110および比較例30〜34》
電池ケースを作製する際、予め製缶前にニッケルを含む層を形成せず、製缶後にニッケルめっきを施した場合について検討した。
厚さ0.4mmの冷間圧延鋼板を用いて実施例1と同様のDI工法により鉄ケースを得た。表15に示す条件で電解時間を変えて、バレルめっき法により鉄ケースにニッケルめっきを施した。このようにして、内面に表16に示す平均厚さを有するニッケル層が形成された電池ケースを作製した。
Figure 0005079404
これらの電池ケースを用いた以外、実施例2、15、および19と同様の方法によりアルカリ乾電池をそれぞれ作製し、上記と同様に評価した(実施例100〜110)。
また、負極に界面活性剤を一切添加しなかった以外、実施例100、101、104、107、および110と同様の方法によりアルカリ乾電池をそれぞれ作製し、上記と同様に評価した(比較例30〜34)。
これらの評価結果を表16に示す。
Figure 0005079404
負極に界面活性剤を添加しないアルカリ乾電池では、電池ケースの内面に設けられたニッケル層の平均厚さが1.0μm以下であると、漏液が発生した(比較例31〜34)。これは、電池ケースからアルカリ電解液中に溶出した鉄が負極の亜鉛合金粒子に析出し、ガス発生量が増大したためである。
実施例100〜110のアルカリ乾電池では、上記界面活性剤の添加により、放電開始時の電圧降下が減少し、耐漏液性が向上した。
負極に上記界面活性剤を添加したアルカリ乾電池は、電池ケースの内面に設けられたニッケルを含む層の平均厚さが0.05μm以上であると、電圧降下が小さく、良好な放電性能および優れた耐漏液性を示した(実施例100〜109)。
電池ケースの内面に設けられたニッケル層の平均厚さが1.0μmを超えると、材料コストがかかり実質的なコストメリットが得られにくい(実施例100)。
上記の点から、電池ケースの内面に形成されるニッケル層の平均厚さは0.05〜1.0μmであるのが好ましいことがわかった。
このとき、ニッケルを含む層は、Ni層以外に、Ni−Fe層、Ni−Sn層、およびNi−Co層でもよい。
また、予め製缶前にニッケルを含む層を形成し、製缶後にさらにニッケルを含む層を形成しても同様の効果が得られる。
従来よりもニッケルを含む層の厚さが小さくても、優れた耐漏液性が得られることから、本発明のアルカリ乾電池に用いられる界面活性剤は、鉄等の不純物に対する抗性を有することがわかる。
そこで、次に、上記の実施例および比較例のアルカリ乾電池のうちのいくつかを分解して負極を取り出し、負極に鉄を添加した場合の負極のガス発生速度を測定した。このとき、比較のために鉄を添加しない負極についても測定した。
ところで、アルカリ乾電池の製造工程における塵埃を分析すると、鉄についでニッケルが検出されることが多い。
そこで、さらなる品質および信頼性の向上が求められる近年の市場動向を鑑み、製造工程での不純物混入を想定し、負極にニッケルを添加した場合の負極のガス発生速度についても同様に測定した。
なお、負極に混入させた鉄量またはニッケル量は10ppmとした。
これは、上記の実施例66、77、88、99、および110のアルカリ乾電池を60℃で12ヶ月保存した後に分析すると、負極から6〜13ppmの鉄が検出された事実に基づく。なお、これらは、電池ケースの内面ニッケルを含む層の平均厚さが0.02μmであるアルカリ乾電池であり、界面活性剤を添加することにより漏液した電池の数は減少し、耐漏液性の改善はみられたが、完全に漏液を防ぐことはできなかった。
負極のガス発生速度は、以下の手順で求めた。
目盛り付きの細管を備えた容器を含むガス捕集用のガラス製治具内に、アルカリ乾電池を分解して取り出したゲル状の負極を5gに鉄またはニッケルを10ppm添加した試料を入れた。ついで、この中に負極が完全に没し、空気が残らないように流動パラフィンを流し込んだ。その後、45℃に保持された恒温水槽内に浸漬し、ガラス製治具内が一定の温度となるように約3時間放置した。その後、さらに3日間放置した。そして、3日間の累計ガス発生量を測定し、下記の式からガス発生速度を算出した。
ガス発生速度(μl/g・day)
=3日間の累計ガス発生量(μl)÷5(g)÷3(日)
これらの評価結果を表17に示す。
Figure 0005079404
本発明における、化合物2、19および23を0.005〜1重量部含む負極を用いた単3形のアルカリ乾電池では、2.0A放電開始時の電圧降下が0.24V以下であるとともに、負極のガス発生速度が2.5μl/g・day以下であった。また、鉄を10ppm添加した負極のガス発生速度が4.0μl/g・day以下であった。ニッケルを10ppm添加した負極のガス発生速度が3.8μl/g・day以下であった。
これに対して、鉄無添加の負極のガス発生速度は4.6μl/g・dayである比較例1のアルカリ乾電池では、60℃で8ヶ月以上の保存後に漏液がみられた。
以上のことから、本発明によれば、電圧降下が小さく、優れた耐漏液性および良好な放電性能が得られると同時に、負極に鉄やニッケルが混入した場合でも、ガス発生を抑制することができ、優れた耐漏液性を維持できることが確かめられた。
なお、上記の実施例では、ゲル状の負極の作製の際に用いられるアルカリ電解液に界面活性剤を添加した。界面活性剤は、アルカリ電解液に可溶であるため、負極中に均一に分散する。これ以外に、アルカリ乾電池作製時にセパレータまたは正極に界面活性剤を添加させてもよい。アルカリ乾電池作製後において、界面活性剤はアルカリ電解液中に分散し、上記実施例と同様の効果が得られる。
また、上記の実施例では、正極活物質に二酸化マンガンを単独で用いたが、オキシ水酸化ニッケル単独で用いてもよく、二酸化マンガンとオキシ水酸化ニッケルとを組み合わせて用いてもよい。
本発明のアルカリ乾電池は、放電開始時の電圧降下が小さく、優れた漏液特性および良好な放電性能を示すため、電子機器等の電源として好適に用いられる。
1 電池ケース
2 正極
3 負極
4 セパレータ
5 樹脂封口体
6 負極集電子
7 負極端子板
8 外装ラベル
9 組立封口体

Claims (15)

  1. 二酸化マンガン粉末およびオキシ水酸化ニッケル粉末の少なくとも一方を含む正極と、
    亜鉛合金粉末を含む負極と、
    前記正極と前記負極との間に配されるセパレータと、
    アルカリ電解液と、
    鉄を主成分とする金属ケース、および前記金属ケースの内面に形成されたニッケルを含む層からなり、前記正極、負極、セパレータ、およびアルカリ電解液を収納する電池ケースと、を具備するアルカリ乾電池であって、
    前記負極において、前記亜鉛合金粉末は粒径75μm以下の粒子を5〜45重量%含み、
    前記負極は、さらに、条件(A)または(B)を満たす化合物、および一般式(x)で表される構造を有する化合物からなる群より選択された少なくとも1種の界面活性剤を含むことを特徴とするアルカリ乾電池。
    条件(A):分子内に、親水基としてリン酸基を有し、ポリオキシアルキレン基を有さず、疎水基として炭化水素基を少なくとも1個有し、前記炭化水素基の総炭素原子数が1〜6である。
    条件(B):分子内に、親水基としてリン酸基と、ポリオキシアルキレン基を有し、疎水基として炭化水素基を少なくとも1個有し、前記炭化水素基の総炭素原子数が1〜4である。
    一般式(x):
    Figure 0005079404
    式(x)中、R 5 は、炭素原子数が1〜6の炭化水素基であり、XおよびYは、それぞれ独立してH、NaまたはKである。
  2. 前記負極において、前記亜鉛合金粉末は粒径75μm以下の粒子を25〜45重量%含む請求項1記載のアルカリ乾電池。
  3. 前記条件(A)または(B)を満たす化合物は、一般式(1)で表される構造を有する化合物および一般式(2)で表される構造を有する化合物からなる群より選択された少なくとも1種である請求項1記載のアルカリ乾電池。
    一般式(1):
    Figure 0005079404
    式(1)中、R1は炭素原子数が1〜4の炭化水素基であり、R2は、−CH2CH2−または−CH(CH 3 )CH 2 であり、n=1〜8であり、XおよびYは、それぞれ独立してH、NaまたはKである。
    一般式(2):
    Figure 0005079404
    式(2)中、R3およびR4は、それぞれ独立して水素原子または炭素原子数が1〜6の炭化水素基であり、R3およびR4の炭素原子数の合計は1〜6であり、Yは、H、NaまたはKである。
  4. 前記一般式(1)において、R1はCm2m+1−であり、m=1〜4である請求項記載のアルカリ乾電池。
  5. 前記一般式(2)において、R3はCm2m+1−であり、R4はCn2n+1−であり、m=0〜6、n=0〜6、およびm+n=1〜6である請求項記載のアルカリ乾電池。
  6. 前記一般式()において、R5はCn2n+1−であり、n=1〜6である請求項記載のアルカリ乾電池。
  7. 前記負極は、前記界面活性剤を前記亜鉛合金粉末100重量部あたり0.005〜1重量部含む請求項1〜のいずれかに記載のアルカリ乾電池。
  8. 前記亜鉛合金粉末は、ビスマスを30〜250ppm含む請求項1〜のいずれかに記載のアルカリ乾電池。
  9. 前記負極は、さらにゲル化剤および前記アルカリ電解液を含み、前記亜鉛合金粉末を前記アルカリ電解液100重量部あたり170〜220重量部含む請求項1〜のいずれかに記載のアルカリ乾電池。
  10. 前記電池ケースにおける前記ニッケルを含む層の平均厚さは0.05〜1μmである請求項1〜のいずれかに記載のアルカリ乾電池。
  11. 前記ニッケルを含む層は、Ni、Ni−Fe合金、Ni−Sn合金、またはNi−Co合金からなる請求項10記載のアルカリ乾電池。
  12. 前記電池ケースは、鋼板もしくはニッケルめっき鋼板を缶状にプレス加工して得られた金属ケースの内面にバレルめっきを施してニッケルを含む層を形成することにより得られた請求項10記載のアルカリ乾電池。
  13. 前記負極は、さらにゲル化剤および前記アルカリ電解液を含み、
    前記アルカリ乾電池は、条件(C)および(D)を満たす請求項1記載のアルカリ乾電池。
    条件(C):単3形のアルカリ乾電池において、開路電圧と、2.0Aで10ミリ秒間放電した際の閉路電圧との差が、0.24V以下である。
    条件(D):前記負極のガス発生速度が2.5μl/g・day以下である。
  14. さらに、条件(E)を満たす請求項13記載のアルカリ乾電池。
    条件(E):前記負極に鉄を10ppm添加した際の負極のガス発生速度が4.0μl/g・day以下である。
  15. さらに、条件(F)を満たす請求項13記載のアルカリ乾電池。
    条件(F):前記負極にニッケルを10ppm添加した際の負極のガス発生速度が3.8μl/g・day以下である。
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