JP5079290B2 - 浴室関連用防汚洗浄剤組成物及び該組成物含浸洗浄材ならびにそれらを用いた洗浄方法 - Google Patents

Description

本発明は、特にポリエチレンやポリプロピレン、およびＦＲＰ等のプラスチック素材で構成される浴室や浴槽、さらには腰掛け、手おけ、およびスノコなどの浴室用具に用いることにより、これら被洗浄物の表面に酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体が吸着し、親水性の単分子皮膜を形成させ、素材表面に防汚性を与え、せっけんかすや、皮脂、および水道水や井戸水の硬水成分であるカルシウムやマグネシウムなどの無機質分（スケール）等の汚れの付着を和らげ、これらの汚れが付着しても容易に洗浄、除去できる硬表面用防汚洗浄剤組成物に関するものである。
なお、ＦＲＰとは、Ｆｉｂｅｒ Ｒｅｉｎｆｏｒｃｅｄ Ｐｌａｓｔｉｃの略で、広義の意味として強化ガラス繊維プラスチックのことであり、代表的なものとして補強材にガラス繊維、マトリックスに不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂などを使用したものが挙げられる。（「ＦＲＰ成形の実際」（株）高分子刊行会。）

ビジネスホテルやシティーホテル、ファッションホテル、および観光ホテルなどの浴室や浴槽、および洗面台の多くは、ＦＲＰを主体としたプラスチック素材で構成されている。
これらの箇所は、常時宿泊客に利用され、素材の表面は絶えず温水のシャワーやせっけん、シャンプー、リンス、ハンドソープ、化粧品などの使用に晒されている。その結果、素材の表面には、常時、上記の風呂汚れが付着してしまう。
これらの汚れに対して、施設を管理する作業者は従来から、浴室用中性洗剤、および酸性〜弱酸性の浴室用洗剤等を用いてきた。

浴室用中性洗剤としては、例えば、特開昭６１−２８３７００号公報には、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、およびマレイン酸系の（共）重合体を含有する洗浄力に優れた浴室用中性洗浄剤組成物が開示されている。（特許文献１を参照。）また、特開平１−２２１４９７号公報には、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、アミノカルボン酸類を含有する洗浄力とケイ酸スケール付着防止性に優れた浴室用中性洗浄剤組成物が開示されている。（特許文献２を参照。）また、酸性〜弱酸性の洗浄剤としては、特開昭５１−７１３０２号公報および特開昭５２−７７１１１号公報に、有機酸、界面活性剤および水溶性溶剤を含有する洗浄剤組成物が開示されている。（特許文献３及び特許文献４を参照。）さらに、特開昭６４−３８４９８号公報には、界面活性剤、ヒドロキシ多価カルボン酸類、アクリル酸またはメタクリル酸類の重合体（共重合体）類および水溶性溶剤を含有し、組成物のｐＨが３〜６である浴室用洗浄剤組成物が開示されている。（特許文献５を参照。）

また、防汚性能を謳う先願特許としては、例えば、特開平３−１９７５９６号公報には、ジメチルシロキサンなどのシリコーンを主体とし、界面活性剤や水溶性溶剤、金属イオン封鎖剤等を含有した洗浄剤組成物が開示されている。（特許文献６を参照。）また、特開２０００−１９８９９９号公報には、第四級アンモニウム型カチオン界面活性剤、新水性シリコーンを含有する硬質表面防汚抗菌洗浄剤組成物が開示されている。（特許文献７を参照。）さらには、特開２００４−１６２０４１号公報には、ポリエーテルアミドアミノ変性シリコーンと界面活性剤、キレート剤等を含有した防汚洗浄剤組成物が開示されている。（特許文献８を参照。）
特開昭６１−２８３７００号公報 特開平１−２２１４９７号公報 特開昭５１−７１３０２号公報 特開昭５２−７７１１１号公報 特開昭６４−３８４９８号公報 特開平３−１９７５９６号公報 特開２０００−１９８９９９号公報 特開２００４−１６２０４１号公報

しかしながら、上記の中性、および酸性〜弱酸性の洗浄剤では、軽度な風呂汚れに対してはそれなりの洗浄力を発揮していたが、堆積した頑固な風呂汚れに対しては、充分に汚れを洗浄することができなかった。そのため、研磨材を含むクレンザーや硬質洗浄パッドなどを併用して、過度なこすり洗いを行い、浴槽等のプラスチック表面が傷つき荒れてしまったことで、かえって石鹸カスや皮脂汚れ等の汚れが付着し易くなるといった悪循環をまねいていた。このため、浴槽、浴室等を傷めず、簡便な浴室施設の維持管理や洗浄作業が求められていた。

また、特に酸性〜弱酸性の洗浄剤では、塩素系洗浄剤・漂白剤との併用による塩素ガス中毒の恐れがあることや、金属、プラスチック等の被洗浄物を損傷しやすいこと、さらには、誤って皮膚に付着した場合には炎症を起こすおそれがある等の問題があった。
一方、防汚性能を有する洗浄剤組成物としては、主な防汚成分として、ジメチルポリシロキサンや親水性官能基型変性シリコーンを含有するものが提案されているが満足のいく防汚効果を有するものに至っていない。

本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、特にポリエチレンやポリプロピレン、およびＦＲＰ等のプラスチック素材で構成される浴室や浴槽、さらには腰掛け、手おけ、およびスノコなどの浴室用具に用いることにより、これらの対象面に酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体が吸着し、親水性の単分子皮膜を形成させ、素材表面に防汚性を与え、せっけんかすや、皮脂、および水道水や井戸水の硬水成分であるカルシウムやマグネシウムなどの無機質分（スケール）等の汚れの付着を和らげ、これらの汚れが付着しても簡便に洗浄、除去できる浴室関連用防汚洗浄剤組成物及び該組成物を含浸した洗浄材ならびにそれらを用いた洗浄方法の提供を目的とする。

上記の目的を達成するため、本発明は、（Ａ）プラスチック素材で構成される浴室，浴槽，浴室用具に用いられる防汚洗浄剤組成物であって、下記の式で表される、酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体１〜４０質量％、（Ｂ）界面活性剤０．１〜１５質量％、（Ｃ）キレート剤０．５〜１５質量％、（Ｄ）水溶性溶剤０．１〜１５質量％、及び（Ｅ）水を残質量％含有する浴室関連用防汚洗浄剤組成物を第１の要旨とする。
ＨＯ−（Ｃ₂ Ｈ₄ Ｏ）ｎ−（Ｃ₃ Ｈ₆ Ｏ）ｍ−（Ｃ₂ Ｈ₄ Ｏ）ｎ−Ｈ（ただしｎは０でない整数）

また、本発明は上記（Ａ）成分の酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体の平均分子量が４，０００以上、２５，０００以下である浴室関連用防汚洗浄剤組成物を第２の要旨とする。

さらに、本発明は、上記（Ａ）成分の酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体の平均分子量中に占める酸化エチレンの割合が５０〜８５質量％である浴室関連用防汚洗浄剤組成物を第３の要旨とする。

上記浴室関連用防汚洗浄剤組成物の原液のｐＨ（ＪＩＳＺ−８８０２：１９８４「ｐＨ測定法」による）は、２５℃で、６〜８に設定されている浴室関連用防汚洗浄剤組成物を第４の要旨とする。

上記浴室関連用防汚洗浄剤組成物を洗浄材に含浸させた防汚洗浄剤組成物含浸洗浄材を第５の要旨とする。

上記防汚洗浄剤組成物含浸洗浄材を用いて、被洗浄物表面の汚れを拭き取る工程と、被洗浄物表面に残った洗浄剤組成物を水を含ませたタオル又はダスターで拭き取る工程とを含む洗浄方法を第６の要旨とする。

上記浴室関連用防汚洗浄剤組成物を水で２〜１０倍に希釈した洗浄液を、被洗浄物表面にスプレー、または塗布する工程と、水ですすぐ工程とを含む洗浄方法を第７の要旨とする。

ポリエチレンやポリプロピレン、およびＦＲＰ等のプラスチック素材からなる浴室、浴槽、腰掛け、手おけ、およびスノコなどの浴室用具に付着する風呂汚れに対して、防汚洗浄効果を発揮すると考えられる素材を鋭意検討した結果、種々のフッ素化合物や変性シリコーン化合物、およびアクリルポリマー系化合物等は、すべて所望の効果を得られなかったが、唯一、酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体が満足のゆく結果を得、本発明に至った。

すなわち、本発明の浴室関連用防汚洗浄剤組成物は、特にポリエチレンやポリプロピレン、およびＦＲＰ等のプラスチック素材で構成される浴室や浴槽、さらには腰掛け、手おけ、およびスノコなどの浴室用具に用いる（以下これら用具をまとめて浴室用具ということがある。そして、本発明では、上記「浴室、浴槽、浴室用具に用いられる」用途のことを、「浴室関連用」と略して示す。）ことにより、これら被洗浄物の表面に酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体が吸着し親水性の単分子皮膜を形成させ、素材表面に防汚性を与え、せっけんかすや、皮脂、および水道水や井戸水の硬水成分であるカルシウムやマグネシウムなどの無機質分（スケール）等の汚れの付着を和らげ、これらの汚れが付着しても容易に洗浄、除去できることにより日常の作業員の洗浄負荷、労力を大幅に低減し作業効率の向上や、美観の向上、および衛生の維持に寄与することができる。

以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。

まず、本発明の浴室関連用防汚洗浄剤組成物（以下、「本組成物」ともいう。）は、（Ａ）酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体、（Ｂ）界面活性剤、（Ｃ）キレート剤、（Ｄ）水溶性溶剤、及び（Ｅ）水を必須成分として含有する。

本発明に用いられる（Ａ）成分の酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体は、特にポリエチレンやポリプロピレン、およびＦＲＰ等のプラスチック素材で構成される浴室や浴槽、さらには腰掛け、手おけ、およびスノコなどの浴室用具に用いることにより、これらの対象面に酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体が吸着し親水性の単分子皮膜を形成させ、素材表面に防汚性を与え、せっけんかすや、皮脂、および水道水や井戸水の硬水成分であるカルシウムやマグネシウムなどの無機質分（スケール）等の汚れの付着を和らげ、これらの汚れが付着しても容易に洗浄、除去できることを目的として配合され、単独あるいは２種以上を併用して用いてもよい。

なお、酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体製法としては、ブロック重合かランダム重合があるが、本発明の本組成物に用いられる（Ａ）成分の酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体はブロック重合により合成され、詳しくは、高温高圧下の反応重合釜で、プロピレングリコールを出発原料とし、まず最初にプロピレンオキサイドガスを噴き込み反応させ、ポリプロピレングリコールを形成させ、エチレンオキサイドガスを噴き込んで反応させて生成する。製造された上記（Ａ）成分は、酸化プロピレンを中心とし、その両側に酸化エチレンが付加される

上記（Ａ）成分の酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体は、平均分子量が４，０００以上、２５，０００未満で、平均分子量中に占める酸化エチレンの割合が５０〜８５質量％であるものが好ましい。なかでも平均分子量が８，０００〜２３，０００で、酸化エチレンの付加率が６０〜８５質量％のものが好ましく、このうち、特に平均分子量が２０，０００で、酸化エチレンの付加率が８０質量％のものがより好ましい。

酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体の平均分子量が４，０００未満の場合は、プラスチック素材への吸着力が弱く親水性の単分子皮膜の形成が不充分であるために防汚性能に乏しく、平均分子量が２５，０００以上のものが市販のものでは見あたらないため、上記の平均分子量の上限を２５，０００未満と設定したが、平均分子量が２５，０００以上のものであっても本発明の要旨に沿い使用を妨げるものではない。
また、酸化エチレンの付加率が５０質量％未満のものでは、酸化エチレンの付加率が低く、酸化プロピレンの付加率が高くなるため、プラスチック素材への吸着力が弱く親水性の単分子膜の形成ができず防汚特性がない。また本洗浄剤組成物に泡立ちを与えることができず、可溶化力が低下するために、本洗浄剤組成物における所望の貯蔵安定性を得ることができない。
さらに、酸化エチレンの付加率が８５質量％を超えると親水性が高まりすぎるために、泡立ちの傾向が大きくなるため好ましくない。

そして、上記に規定した酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体は、本発明の本組成物全体に対し１〜４０質量％の範囲で配合される。
すなわち、０．５質量％未満の配合量では、特にポリエチレンやポリプロピレン、およびＦＲＰ等のプラスチック素材からなる浴室や浴槽、および浴室用具等の被洗浄物の表面への吸着量が不充分で単分子膜が形成されないため、素材表面の防汚性は発揮されず、風呂汚れの付着を和らげることができない。一方、６０質量％を超えると、汚れの付着緩和効果は飽和となり、却って表面にベタつきやムラ等が発生し、さらにはすすぎ性などが低下する。よって、酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体は、本発明の本組成物全体に対し、上記範囲のなかでも１〜４０質量％の範囲で配合されることが好ましく、さらには、２〜２０質量％の範囲で配合されることがより好ましい。

本発明に用いられる（Ｂ成分）の界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、および陽イオン界面活性剤を挙げることができる。上記（Ｂ）成分のうちの非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ポリグリセリンエステル、脂肪酸ショ糖エステル、脂肪酸アルカノールアミド等があげられる。
本発明においては、これらの非イオン界面活性剤のうち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸アルカノールアミド等が好ましい。

両性界面活性剤としては、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、アルキルジアミノエチルグリシン、ジアルキルジアミノエチルグリシン、アルキルアミンオキサイド、アルキルエーテルアミンオキサイド、アミドアミンオキサイド等があげられる。
本発明においては、これらの両性界面活性剤のうち、アルキルアミドベタインやアルキルアミンオキサイドが好ましい。

陰イオン界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、メタキシレンスルホン酸塩、パラキシレンスルホン酸塩、クメンスルフォン酸塩等があげられる。
これらの陰イオン界面活性剤の対イオンは、ナトリウム、マグネシウム、アンモニウム、エタノールアミン等である。本発明においては、これらの陰イオン界面活性剤のうち、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸エステルナトリウム、ラウリル硫酸エステルアンモニウム等が好ましい。

陽イオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアンモニウムアジペート、ベンザルコニウム塩、ベンゼントニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、ビグアニド化合物等があげられる。これらの陽イオン界面活性剤の対イオンは、ハロゲン等である。
本発明においては、これらの陽イオン界面活性剤のうち、塩化ベンザルコニウムやジアルキルジメチルアンモニウムクロライドが好ましい。

上記（Ｂ）成分の界面活性剤を配合することにより、洗浄力と被洗浄面へのレベリング性、適度な起泡性の付与、良好なすすぎ性、および殺菌性などの性能を得ることができ、各性能の必要に応じて適宜、該界面活性剤から選択して用いることができる。これらの界面活性剤は、各々単独で用いても２種以上を併用してもよい。なお、「レベリング性」とは、「濡れ性」のことであり、組成物を被洗浄面に塗布、またはスプレーした際、液がはじいたりせず均一に濡れ広がることをいう。

この（Ｂ）成分の界面活性剤は、本発明の本組成物全体に対し０．１〜１５質量％の範囲で配合される。界面活性剤の配合量が０．１質量％未満では、洗浄力や被洗浄面へのレベリング性、起泡性、および殺菌性などに乏しく、また１５質量％を超えて配合しても、洗浄力等の上記の性能は飽和状態となり、また経済的にも不利となる。
上記界面活性剤の配合量は、性能の点から１〜１５質量％の範囲が好ましく、さらに経済性の点から１〜１０質量％の範囲がより好ましい。

また、本発明に用いられる（Ｃ）成分のキレート剤としては、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、アコニット酸等の少なくとも一種からなるカルボキシル基含有単量体の重合体、および共重合体、並びにその水溶性アルカリ金属塩や、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、フタル酸等の有機酸、およびこれらのアルカリ金属塩が挙げられる。上記水溶性アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、エタノールアミン塩等が上げられるが、なかでもナトリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。

より詳しくは、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、アコニット酸等の少なくとも一種からなるカルボキシル基含有単量体の重合体、および共重合体、並びにその水溶性アルカリ金属塩としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリマレイン酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリアコニット酸ナトリウム、アクリル酸−ビニル化合物共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、イソアミレン−無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、アクリル酸−ビニル化合物共重合体のナトリウム塩、スチレン−マレイン酸共重合体のナトリウム塩、イソアミレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩、メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合体のナトリウム塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体のナトリウム塩等が上げられる。
また、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、フタル酸等の有機酸、およびこれらのアルカリ金属塩としては、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、クエン酸カリウム、グルコン酸カリウム、クエン酸アンモニウム等が挙げられる。
これらのキレート剤は、各々単独で用いても２種以上を併用してもよい。

上記（Ｃ）成分のキレート剤の中でも、マレイン酸、アクリル酸のうち少なくとも一方を単量体とする重合体または共重合体、並びにその水溶性アルカリ塩が好ましく、その例として、マレイン酸重合体、アクリル酸重合体、マレイン酸とアクリル酸との重合体、およびこれらの水溶性アルカリ金属塩が挙げられる。そして、特に好ましくは、ポリマレイン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸とマレイン酸との共重合体のナトリウム塩が用いられる。さらにはクエン酸やリンゴ酸、並びにその水溶性アルカリ塩が好ましく用いられる。

そして、マレイン酸重合体、アクリル酸重合体、およびその水溶性アルカリ金属塩の平均分子量は、６００〜１５，０００のものが好適に用いられ、特に好ましくは１，０００〜１５，０００のものが用いられる。また、マレイン酸とアクリル酸の共重合体、および水溶性金属塩の平均分子量としては、１，０００〜１００，０００のものが好適に用いられ、特に好ましくは５０，０００〜８０，０００のものが用いられる。上記キレート剤は、ｐＨ調整され中和して用いることができるが、それ自体が酸性であるため、他の成分を中和するためのｐＨ調整機能を果たす場合もある。

上記（Ｃ）成分のキレート剤を配合することにより、硬水を軟化させる（硬水軟化性とも記す）とともに、浴室、浴槽に付着したせっけんかす汚れに対する洗浄性を向上させることができる。

上記（Ｃ）成分のキレート剤は、本発明の本組成物全体に対し０．５〜１５質量％の範囲で配合される。この量が０．１質量％未満では、硬水軟化性や洗浄性に乏しく、また１５質量％を超えて配合しても、硬水軟化性等の向上は飽和状態となり、経済的にも不利となる。上記キレート剤の配合量は、性能の点から０．５〜１５質量％の範囲が好ましく、さらに経済性の点から０．５〜１０質量％の範囲がより好ましい。

また、本発明に用いられる（Ｄ）成分の水溶性溶剤としては、（１）エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の１価のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、１，３−ブタンジオール等の多価アルコール等のアルコール類、（２）エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のアルキレングリコール（モノ、ジ）アルキルエーテル等のグリコールエーテル類、（３）また、２−ピロリドン、３−ピロリドン、Ｎ−メチル−２−ピロリドン、Ｎ−エチル−２−ピロリドン、Ｎ−プロピル−２−ピロリドン等のＮ−アルキル−２−ピロリドン、５−メチル−２−ピロリドン、５−エチル−２−ピロリドン、５−プロピル−２−ピロリドン等の５−アルキル−２−ピロリドン、Ｎ−ビニル−２−ピロリドン、Ｎ−メチル−３−ピロリドン、Ｎ−エチル−３−ピロリドン、Ｎ−プロピル−３−ピロリドン等のＮ−アルキル−３−ピロリドン等のピロリドン化合物があげられる。

本発明においては、これら（Ｄ）成分の水溶性溶剤のうち、エタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、Ｎ−メチル−２−ピロリドンなどが好ましい。

上記（Ｄ）成分の水溶性溶剤を配合することにより、特に皮脂汚れなどに対する洗浄性を維持することができ、必要に応じて適宜、選択して用いることができる。これらの水溶性溶剤は、各々単独で用いても２種以上を併用してもよい。

この（Ｄ）成分の水溶性溶剤の配合量は、本発明の本組成物全体に対し０．１〜１５質量％の範囲で配合される。この量が０．１質量％未満では、皮脂汚れに対する洗浄性や、本組成物の貯蔵安定性の維持などに乏しく、また１５質量％を超えて配合しても、効果は飽和状態となり、経済的に不利となる。上記水溶性溶剤の配合量は、性能の点から１〜１５質量％の範囲が好ましく、さらに経済性の点から１〜１０質量％の範囲がより好ましい。

また本発明に用いられる（Ｅ）成分の水としては、純水、イオン交換水、軟水、蒸留水、水道水等があげられる。これらは、各々単独で用いても２種以上を併用してもよい。なかでも、本組成物の貯蔵安定性の点から、イオン交換水が好ましく用いられる。なお、上記「水」は、本発明の本組成物を構成する各成分に由来する結晶水や水溶液の形で含まれる水と、外から加えられる水との総和であり、本組成物全体が１００％のバランスとなるよう配合される。

本発明の本組成物は、作業上や環境への安全性、および被洗浄物の材質等に悪影響を及ぼさないよう、原液のｐＨは中性の範囲に調整される。ｐＨ調整に用いられるアルカリ性を呈する物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン、アンモニア等が用いられ、また、ｐＨ調整に用いられる酸性を呈する物質としては、塩酸、硫酸等の無機酸、クエン酸、酢酸等の有機酸等が用いられるが、なかでも特にアンモニアが好ましく、上記ｐＨの範囲となるよう適量添加される。

そして、本組成物の原液のｐＨ（ＪＩＳ Ｚ−８８０２：１９８４「ｐＨ測定法」による）は、２５℃で、６〜８に設定されていることを特徴とする。

なお、上記ｐＨ調整剤を用いてｐＨ調整を行う際には、（Ｃ）成分であるキレート剤の配合割合が、０．１〜１５質量％の範囲から外れないように配慮する必要がある。

さらに本組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、任意に香料、増粘剤、殺菌剤、防腐剤等を配合することができる。

また、洗浄材としては、麻、綿、セルロース、羊毛および絹等の天然動植物繊維、または、レーヨン、ポリオレフィン、ポリエステル、アクリル、ナイロンおよびポリウレタン等の合成繊維・発泡材等からなる織布、不織布、またはこれらのサンドイッチ状ないしは積層状シートやマット材、さらにはパルプ紙、合成紙またはその積層紙、あるいはスポンジ等が用いられる。

これらの必須成分、および任意成分を用いて得られる本発明の浴室関連用防汚洗浄剤組成物は、被洗浄物の材質を傷めることなく、特にポリエチレンやポリプロピレン、およびＦＲＰ等のプラスチック素材で構成される浴室や浴槽、さらには腰掛け、手おけ、およびスノコなどの浴室用具に用いることにより、これら被洗浄物の表面に酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体が吸着し親水性の単分子皮膜を形成させ、素材表面に防汚性を与え、せっけんかすや、皮脂、および水道水や井戸水の硬水成分であるカルシウムやマグネシウムなどの無機質分（スケール）等の汚れの付着を和らげ、これらの汚れが付着しても容易に洗浄、除去できる。さらに、適度な洗浄力と、組成物の貯蔵安定性にも優れている。
また、皮膚に付着するようなことがあっても、その刺激性は従来の酸性洗浄剤、およびアルカリ性洗浄剤と比べ低いので、作業者はより安全に浴槽の洗浄が行えるという利点を有する。さらに、排出された洗浄液排水のｐＨは中性であるため環境負荷もより低い。

なお、本発明の本組成物は、被洗浄物表面の汚れの度合いに応じて、原液ないしは、水またはぬるま湯で２〜１０倍に希釈した洗浄液として用いられる。

また、本発明の本組成物の原液または希釈液を用いた被洗浄物表面の洗浄方法としては、例えば、
（１）本発明の本組成物の原液または希釈液を含浸させたスポンジ等で被洗浄物表面をこすり洗いした後、水ですすぐ方法、
（２）被洗浄物表面に本発明の本組成物の原液または希釈液をスプレー、または塗布後、水ですすぐ方法、
（３）不織布等に本発明の本組成物の原液または希釈液を含浸させ、被洗浄物表面の立面に貼り付けて、しばらく放置した後、水ですすぐ方法、
（４）本発明の本組成物の原液または希釈液を含浸させた洗浄材で被洗浄物表面の汚れを拭き取った後、水を含ませたタオルで拭き取る方法、等があげられる。
なお、上記（２）においては、本組成物の原液または希釈液をスプレーまたは塗布後に直ちに水ですすいでもよいが、汚れの質や量に応じて、より洗浄性能を高めるために３０秒〜数分間、好ましくは１分程度放置した後に水ですすぐことが好ましく、これにより、高い防汚効果を得ることができる。

以下、本発明の浴室関連用防汚洗浄剤組成物について、実施例、参考例と比較例により本発明を詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。

後記の表１〜表８に示す実施例１〜１５、参考例１〜３及び比較例１〜２０の組成の浴室関連用防汚洗浄剤組成物を調製し、貯蔵安定性、防汚性、洗浄性の３項目について評価した。その結果を後記の表１〜表８に併せて示す。なお、表中の組成は、アンモニア水を用いてキレート剤の成分の中和、および組成全体のｐＨ調整機能を果たし、ｐＨ値を６〜８に設定している。
成分（Ａ）〜（Ｅ）の総和は、全体で１００質量％となっている。
また、各項目の試験方法は、以下に示すとおりである。

（１）貯蔵安定性
〔試験方法〕
供試本組成物２００ｍＬを２５０ｍＬの透明ポリエチレン瓶に入れ、恒温槽（小林理化器械工業社製、形式：ＫＡＸ−７３４）により５０℃の雰囲気下に置くとともに、冷凍冷蔵庫（ホシザキ社製、形式：ＨＲＦ−９０Ｐ）により５℃の雰囲気下に置き、その状態で調製してから１ケ月間保管した。そして、その外観を目視により定期的に観察し、それぞれ下記の判定基準で貯蔵安定性を評価した。
〔判定基準〕
◎：１ケ月後、分離や沈殿、白濁等の外観変化は一切みられない。
○：２週間後、分離や沈殿、白濁等の外観変化がわずかにみられた。
△：１週間後、分離や沈殿、白濁等の外観変化がわずかにみられた。
×：１日以内に、分離や沈殿、白濁等の外観変化がみられた。

（２）防汚性
〔試験方法〕
ユニットバスに多用されているプラスチック素材の試験片（ＦＲＰ片１５×７ｃｍ）を床用剥離洗浄剤（ジョンソン・プロフェッショナル社製、ゲットオフ５倍希釈液）を含ませたスポンジでよく洗浄、すすぎ、乾燥後、１ｍＬの供試本組成物を試験片に滴下して、ペーパークロスで均一に塗り広げて、室温下に１分間放置した後、温水（４０℃）で２〜３秒間すすいで、ペーパークロスでよく拭き上げた。
その後、該試験片をほぼ垂直に立て掛け、下記の２種類の人工汚垢を０．５〜１．０ｍＬの割合で試験片に吹き付け、そのまま一晩、室温下に放置した。
１）人工せっけんかす汚垢：
固形石鹸（０．４％）、セバム（０．０４％、ステアリン酸と油脂の混合物）、硬度１５０ｐｐｍの水（３３．５５％）、イオン交換水（６６．０１％）の混合液。
２）人工硬水汚垢（ＣａＣＯ_３として、１５０ｍｇ／Ｌ）：
塩化カルシウム２水塩（１６３．５ｍｇ）、硫酸マグネシウム７水塩（９５．１ｍｇ）、炭酸水素ナトリウム（１８３．０ｍｇ）を蒸留水に溶解して１Ｌとした。
放置後、試験片に付着する上記の人工汚垢の多少を目視により確認し、下記の判定基準で防汚性を評価した。
〔判定基準〕
◎：人工汚垢は、試験片にほとんど付着していなかった。（付着率２５％未満）
○：人工汚垢は、試験片にある程度付着していた。（付着率２５％以上５０％未満）
△：人工汚垢は、試験片に多めに付着していた。（付着率５０％以上７５％未満）
×：人工汚垢は、試験片に非常に多く付着していた。（付着率７５％以上〜１００％）
（供試本組成物未処理の試験片の人工汚垢の付着率を１００％とした）

（３）洗浄性
〔試験方法〕
上記（２）の防汚性試験方法に基き、得られた試験片を水平に静置し、試験片上に、ペーパークロスを貼り付けた分銅（荷重：３００ｇ）を置き、人工汚垢が完全に除去されるまで、分銅を動かし往復運動を繰り返し、こすり洗いを行った。（判定基準における「洗浄」とは人工汚垢が完全に除去された状態を示すものとする。）
分銅の往復運動回数（こすり洗い回数）を測定して、下記の判定基準で洗浄性を評価した。
〔判定基準〕
◎：試験片の人工汚垢は、５回以内の往復運動で洗浄できた。
○：試験片の人工汚垢は、６〜１０回の往復運動で洗浄できた。
△：試験片の人工汚垢の洗浄に、１１〜２０回の往復運動を要した。
×：試験片の人工汚垢は、２１回以上の往復運動をしても洗浄できなかった。
（供試本組成物未処理の試験片に付着する人工汚垢は、２５回以上、往復運動回数を繰り返しても洗浄できなかった）

なお、後記の表１〜表８に示した実施例、参考例及び比較例の各種成分の詳細とその有効成分量（質量％、以下、「％」と略す。）は、下記の通りであり、表中の数値は、有り姿で示した。
〔Ａ成分〕
酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール１：
（分子量約４，１００、酸化エチレン付加重量率５０％）
商品名：ニューポールＰＥ−７５、三洋化成工業社製
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール２：
（分子量約８，７５０、酸化エチレン付加重量率８０％）
商品名：ニューポールＰＥ−６８、三洋化成工業社製
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール３：
（分子量約１０，２５０、酸化エチレン付加重量率８０％）
商品名：ニューポールＰＥ−７８、三洋化成工業社製
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール４：
（分子量約１６，２５０、酸化エチレン付加重量率８０％）
商品名：ニューポールＰＥ−１０８、三洋化成工業社製
・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール５：
（分子量約２０，０００、酸化エチレン付加重量率８０％）
商品名：ニューポールＰＥ−１２８、三洋化成工業社製

〔Ｂ成分〕
界面活性剤
・界面活性剤１：
（炭素数Ｃ１０とＣ１４のアルキルジメチルアミンオキサイド）
商品名：ゲナミノックス１０１４、有効成分３２％、クラリアントジャパン社製
・界面活性剤２：
（炭素数Ｃ１０ゲルベアルコール、エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド付加物）
商品名：ノイゲンＸＬ−８０、有効成分９９％以上、第一工業製薬社製
・界面活性剤３：
（炭素数Ｃ１０イソデシルアルコール、エチレンオキサイド７モル付加物）
商品名：ナロアクティーＩＤ−７０、有効成分９９％以上、三洋化成工業社製
・界面活性剤４：
（炭素数Ｃ９〜Ｃ１１のアルキルエーテル、エチレンオキサイド８モル付加物）
商品名：ネオドール９１−８Ｔ、有効成分９９％以上、シェル社製
・界面活性剤５：
（塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム）
商品名：カチオンＧ−５０、有効成分５１％、三洋化成工業社製

〔Ｃ成分〕
キレート剤
・キレート剤１：
ポリアクリル酸ナトリウム（平均分子量４，０００）
商品名：ソカランＰＡ−２５ＣＬ、有効成分４５％、ＢＡＳＦ社製
・キレート剤２：
クエン酸アンモニウム、
商品名：クエン酸二アンモニウム、含量９８％以上、磐田化学工業社製

〔Ｄ成分〕
水溶性溶剤
・水溶性溶剤１：
プロピレングリコールモノメチルエーテル
商品名：ＭＦＧ、日本乳化剤社製
・水溶性溶剤２：
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
商品名：ＭＦＤＧ、日本乳化剤社製
・水溶性溶剤３：
Ｎ−メチル−２−ピロリドン（ＮＭＰ）
商品名：Ｍピロール、ＩＳＰ社製

〔任意成分〕
ｐＨ調整のための中和剤
・中和剤：
アンモニア
商品名：アンモニア水、有効成分２５％、高杉製薬社製

〔比較成分〕
・リバース型、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリコール１：
（分子量約２，５００、酸化エチレン付加重量率１０％）
商品名：プルロニック２５Ｒ−１、ＡＤＥＫＡ社製
・リバース型、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリコール２：
（分子量約２，５００、酸化エチレン付加重量率２０％）
商品名：プルロニック２５Ｒ−２、ＡＤＥＫＡ社製
・ポリエチレンオキサイド付加重合物：
（平均分子量６００〜８，０００，０００）
商品名：ＰＥＯ−１８Ｚ、住友精化社製
・ポリエチレングリコール付加重合物：
（平均分子量２０，０００）
商品名：ＰＥＧ２００００、日本油脂社製
・変性シリコーン：
ポリエーテルアミノアミド変性オルガノポリシロキサン
商品名：ＢＹ１６−９０６、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製
・フッ素系エマルジョン：
フッ素ウレタン樹脂系エマルジョン
商品名：ＡＧ−３００１、不揮発分：２０％、明成化学工業社製
・アクリルポリマー：
アクリル樹脂系ポリマー
商品名：ＳＵＲＦ Ｓ１００、有効成分濃度：２０％、ローディア社製

上記の結果から、実施例１〜１５品は、貯蔵安定性、防汚性、洗浄性のいずれの試験項目においても、良好な性能を示すことがわかる。
以上のように、本発明の浴室関連用防汚洗浄剤組成物は、特定、かつ所定量の酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体（Ａ成分）、界面活性剤（Ｂ成分）、キレート剤（Ｃ成分）、水溶性溶剤（Ｄ成分）、および水（Ｅ成分）を組み合わせることにより、被洗浄面に対し優れた防汚効果と優れた洗浄効果を発揮することがわかる。
したがって、本発明の浴室関連用防汚洗浄剤組成物は、特にポリエチレンやポリプロピレン、およびＦＲＰ等のプラスチック素材からなる浴室や浴槽、さらには腰掛け、手おけ、およびスノコなどの浴室用具等に対する防汚洗浄剤として好適に用いることができる。

Claims (7)

1. （Ａ）プラスチック素材で構成される浴室，浴槽，浴室用具に用いられる防汚洗浄剤組成物であって、下記の式で表される、酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体１〜４０質量％、（Ｂ）界面活性剤０．１〜１５質量％、（Ｃ）キレート剤０．５〜１５質量％、（Ｄ）水溶性溶剤０．１〜１５質量％、及び（Ｅ）水を残質量％含有することを特徴とする浴室関連用防汚洗浄剤組成物。
   ＨＯ−（Ｃ₂ Ｈ₄ Ｏ）ｎ−（Ｃ₃ Ｈ₆ Ｏ）ｍ−（Ｃ₂ Ｈ₄ Ｏ）ｎ−Ｈ（ただしｎとｍは０でない整数）
2. 上記（Ａ）成分の酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体の平均分子量が４，０００以上、２５，０００以下であることを特徴とする請求項１記載の浴室関連用防汚洗浄剤組成物。
3. 上記（Ａ）成分の酸化エチレン／酸化プロピレン／酸化エチレン共重合体の平均分子量中に占める酸化エチレンの割合が５０〜８５質量％であることを特徴とする請求項１または２に記載の浴室関連用防汚洗浄剤組成物。
4. 上記請求項１〜３のいずれかの浴室関連用防汚洗浄剤組成物の原液のｐＨ（ＪＩＳＺ−８８０２：１９８４「ｐＨ測定法」による）は、２５℃で、６〜８に設定されていることを特徴とする浴室関連用防汚洗浄剤組成物。
5. 上記請求項１〜４のいずれかの浴室関連用防汚洗浄剤組成物を洗浄材に含浸させたことを特徴とする防汚洗浄剤組成物含浸洗浄材。
6. 上記請求項５の防汚洗浄剤組成物含浸洗浄材を用いて、被洗浄物表面の汚れを拭き取る工程と、被洗浄物表面に残った洗浄剤組成物を水を含ませたタオル又はダスターで拭き取る工程とを含むことを特徴とする洗浄方法。
7. 上記請求項１〜４のいずれかの浴室関連用防汚洗浄剤組成物を水で２〜１０倍に希釈した洗浄液を、被洗浄物表面にスプレー、または塗布する工程と、水ですすぐ工程とを含むことを特徴とする洗浄方法。