JP5079023B2 - 肺癌用マーカーとしてのapex - Google Patents

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Description

本発明は、肺系の癌または肺癌(=LC)の評価、特に非小細胞肺癌(NSCLC)の評価の補助方法に関する。本発明は、LC、特にNSCLCのマーカーとしてのAPエンドヌクレアーゼ(=APEX)の使用を開示する。さらに、本発明は特に、個体由来の液体試料中のAPEXの測定による、前記試料からの肺癌の評価方法に関する。APEXの測定は、例えば、肺癌の早期検出または手術を受けている患者のサーベイランスに使用することができる。
検出および治療は進歩しているにもかかわらず、癌は大きな公衆衛生課題であり続けている。様々な種類の癌の中で、LCは西洋諸国において頻繁に生じる癌であり、癌に関連する死亡の最も頻度の高い原因である。このことは主に、該疾患の早期検出についての診断の隔たりのためである。LCは大部分が、その早期の病期において無症候性である。全ての肺癌の大部分は、該疾患がすでに手術不能となった後期の病期において検出される。
LC腫瘍のほとんどは、小細胞肺癌(SCLC)と非小細胞肺癌(NSCLC)に分けることができる。SCLCは全ての肺癌症例の約20〜25%の原因となっている。SCLCは攻撃的な神経内分泌型のLCであり、早期病期に検出されたとしても予後は非常に乏しい。SCLCはまれに、切除により治療的処置に従順である。疾患が進行する速度のために、一般的にSCLCは、より複雑なTNM病期決定システム(下記参照)よりもむしろわずか2種類の病期、つまり制限された疾患および広範囲に及ぶ疾患を使用して分類される。LCの原因の約75〜80%は、扁平上皮癌(癌=CA)、腺CA(小葉CA、乳頭CA、気管支肺胞腫瘍、固形腫瘍、および合わせたサブタイプ)、および大細胞癌(巨細胞腫、明細胞CA、腺扁平上皮CA、および未分化CAのサブクラスを含む)を含むNSCLCの群に分類される。
後期病期で検出された場合、NSCLCも非常に乏しい予後を有する。癌の病期決定は程度、進行度、細胞の種類および腫瘍の等級に関する疾患の分類である。予後および治療の選択について一般化できるように、病期決定により癌患者を分類する。
今日では、TNMシステムは癌の解剖学的な程度に基づいて最も広く使用されている分類システムである。TNMシステムは国際的に受け容れられた、一定の病期決定システムである。基本的な3個の変数:T(原発性腫瘍の程度)、N(局所的なリンパ節の状態)およびM(遠位の転移の有無)がある。TNM基準はUICC(国際対ガン協会)1997年版(Sobin, L. H., およびFleming, I.D., TNM 80 (1997) 1803-4)により公開されている。
原発性腫瘍の手術による切除は早期病期のNSCLCの治療の選択として広く受け容れられている。NSCLCが進行するにつれて、より具体的には病期IIIa(T3N1M0、T1N2M0、T2N2M0、T3N2M0)からIIIb(T4N0M0、T4N1M0、T4N2M0)へと進行するにつれて、医師のアプローチの大きな変更がせまられる。しかし、より早期の病期(Ia〜IIIa;好ましくは病期T3N1M0まで)の間に癌が検出された場合、5年生存率は35%〜80%で変動する。病期Ia((T1N0M0);小さな腫瘍サイズ、転移なし)での検出は、80%までの5年生存率で明らかに最良の予後を有する。
NSCLCの病期IIIb〜IVの管理では、手術は、行われるとしても使用されるのは稀である。病期IVは遠位の転移、つまり肺および局所的なリンパ節を超えた疾患の広がりに相当する。後期の病期IIIおよびIVの5年生存率はそれぞれ15%未満〜1%に落ち込む。
特に重要なことは、NSCLCの早期の診断がより良好な予後につながるということである。病期Ia(T1N0M0)、Ib(T2N0M0)、IIa(T1N1M0)、IIb(T3N0M0)、およびIIIa(T3N1M0)ほどの早期に診断された患者は、適切に治療された場合、診断後80%までの5年生存の見込みを有する。このことは、遠位の転移がすでに存在すると診断された患者について1%未満の生存率と比較されるべきである。
本発明の意味において、LCの早期評価とは、上述で規定されたIa〜IIIaの腫瘍病期での評価のことをいう。
LCがIa〜IIIaの病期で評価されることが好ましい。
ほとんどの肺癌は症候性になったときに検出される。現在の検出法としては、胸部X線、スパイラルコンピューター断層撮影法、喀痰細胞診および気管支鏡術(bronchioscopy)が挙げられる。しかし、大量スクリーニングには、これらの手段の適当性に関して問題がある。
肺癌についての多くの血清腫瘍マーカーは臨床使用されている。可溶性30kDa断片のサイトケラチン(cytoceratin)19(CYFRA21-1)、癌胎児性抗原(CEA)、神経特異的エノラーゼ(NSE)、および扁平上皮癌抗原(SCC)が最も有力なLCマーカーである。しかし、これらの中にはスクリーニングツールに必要な感度および特異性についての基準を満たすものはない(Thomas, L., Labor und Diagnose (2000) TH Books Verlagsgesellschaft, Frankfurt/Main, Germany)。
臨床的に有用であるためには、新規の診断マーカーは単一マーカーとして当該技術分野に公知な他のマーカーと同等であるか、またはより良好であるべきである。あるいは、新規のマーカーは、単独で使用するかまたは1つ以上の他のマーカーと併用するいずれかの場合で診断の感度および/または特異性に進歩をもたらすべきである。試験の診断の感度および/または特異性は、以下に詳細に説明されるその受信者動作特性によって最もよく評価される。
全血、血清または血漿は最も広く使用される臨床常套手段の試料の供給源である。信頼性の高い癌の検出を補助するかまたは早期の予後情報を提供する早期LC腫瘍マーカーの同定により、この疾患の診断および管理を大きく補助する方法がもたらされる。したがって、LCのインビトロ評価を改善するための緊急な臨床的必要性がある。早期に診断された患者は、進行した疾患の病期で診断された患者と比較して生存の見込みが非常に高いために、LCの早期診断を改善することが特に重要である。
肺癌における生化学マーカーの臨床的な有用性が最近概説された(Duffy, M.J., Critical Reviews in Clinical Laboratory Sciences 38 (2001) 225-262)。
CYFRA21-1は現在公知である肺癌の腫瘍マーカーの中で最良のものであると考えられている。臓器特異的ではないがCYFRA21-1は主に肺組織で見られる。肺癌についてのCYFRA21-1の感度は、他の良性肺疾患に対して95%の特異性で、46〜61%であると説明される。CYFRA21-1の高い血清レベルは、顕著な良性肝臓疾患、腎不全および侵襲性膀胱癌にも関連する。CYFRA21-1試験は手術後の治療サーベイランスに推奨される。
CEAは癌胎児性抗原のグループに属しており、通常胚形成期に産生される。CEAは臓器特異的ではなく、主に結腸直腸癌のモニタリングに使用される。高いCEA血清レベルは、悪性腫瘍の他に、肝硬変、気管支炎、膵臓炎および自己免疫疾患などのいくつかの良性疾患にも関連する。良性肺疾患に対して95%の特異性で、肺癌についての感度は29〜44%であると報告されている。CEAの好ましい使用は、肺癌の治療サーベイランスである。
NSEはSCLCについての腫瘍マーカーである。一般的に、高いNSE血清レベルは神経外胚葉性および神経内分泌性腫瘍との関連において見られる。高い血清レベルは、良性肺疾患、および髄膜炎または脳の他の炎症性疾患などの脳の疾患、ならびに頭部への外傷を有する患者にも見られる。SCLCに対する感度は、95%の特異性で60〜87%であると報告されており、NSCLCについてのNSE試験の性能は低い(7〜25%の感度)。NSEはSCLCの治療サーベイランスに推奨される。
proGRPは、SCLCの検出およびモニタリングに有用な腫瘍マーカーである。特発性肺線維症またはサルコイドーシスなどの非悪性肺/肺系疾患を有する患者においても高い血清レベルが見られる。SCLCの分野におけるproGRPの感度は(95%の特異性で)47〜86%であると報告されており、NSCLCの分野におけるproGRP試験の性能は、感度が10%未満であると報告されているので低い。
SCCは頚部の扁平上皮CAにおいて最初に同定された。一般的にLCについてのSCCの感度は低い(18〜27%)。したがって、SCC試験はスクリーニングには適さないと考えられる。しかし、一般的にCYFRA21-1が良好に機能するが、扁平上皮CAについての感度が高いために、SCCの好ましい使用は治療サーベイランスである。
マーカープロフィールおよび肺癌の改善された診断を目指すことに関して、ファジー理論ベース分類アルゴリズムを使用して、一般的な炎症マーカーであるCYFRA21-1、NSEおよびC反応性タンパク質(CRP)の血清レベルと組み合わせる方法が公開された(Schneider, J. et al., Int. J. Clin. Oncol. 7 (2002) 145-151)。著者は、95%の特異性で92%の感度を報告している。しかし、この研究において、例えば単一腫瘍マーカーとしてのCYFRA21-1の感度は、95%の特異性で72%であると報告されており、これは多くの他の報告された試験よりもかなり高い。Critical Reviews in Clinical Laboratory Sciences 38 (2001) 225-262においてDuffy, M. J.は、46%〜61%の感度を報告している。Schneiderらにより行われた通常ではないこの高い性能にはいくつかの疑問があり、いくつかの事実のためであり得る。第1に、対照患者の集団は患者集団よりも若いように思われ、つまり、集団の年齢が充分に一致しておらず、患者集団には多くの後期病期が含まれる。第2およびそれ以上に決定的なことに、アルゴリズムの性能は、ファジー理論限定作用素の測定に使用された訓練集団の試料で調べられている。そのために、これらの限定作用素は、厳密に言えば、この集団について「調整された」ものであり、独立した検証集団に適合されていない。正常環境下では、より大きく、独立して、よく均衡の取れた検証集団に適合された同一のアルゴリズムは、全体的に有意に低い性能を生じると予想する必要がある。
LCの評価に使用し得る生化学マーカーを同定することができるか調べることが本発明の課題である。
驚くべきことに、マーカーAPEXの使用は少なくとも部分的に、当該技術分野において現在公知のマーカーのいくつかの課題を克服することができると見出された。
本発明は、試料中のAPEXの存在および/または濃度を測定する工程、ならびに測定結果、特に測定された濃度を肺癌の評価に使用する工程を含む、インビトロでの肺癌の評価方法に関する。
本発明はまた、試料中のAPEXおよび1つ以上の他のLCのマーカーの存在および/または濃度を測定する工程、ならびに測定結果、特に測定された濃度をLCの評価に使用する工程を含む、生化学マーカーによるインビトロでのLCの評価方法に関する。1つ以上の他のLCのマーカーがCYFRA21-1、CEA、NSE、proGRPおよびSCCからなる群より選択されることが好ましい。
好ましい態様において、本発明はまた、LCの評価における少なくともAPEXおよびCYFRA21-1を含むマーカーパネルの使用に関する。
本発明はまた、LCの評価における少なくともAPEXおよびCEAを含むマーカーパネルの使用に関する。
本発明はまた、LCの評価における少なくともAPEXおよびSCCを含むマーカーパネルの使用に関する。
本発明はまた、少なくともAPEXおよびCYFRA21-1それぞれを特異的に測定するために必要な試薬、および任意に測定を実施するための補助試薬を含む、本発明の方法を実施するためのキットを提供する。
本発明はまた、少なくともAPEXおよびCEAそれぞれを特異的に測定するために必要な試薬、および任意に測定を実施するための補助試薬を含む、本発明の方法を実施するためのキットを提供する。
本発明はまた、少なくともAPEXおよびSCCそれぞれを特異的に測定するために必要な試薬、および任意に測定を実施するための補助試薬を含む、本発明の方法を実施するためのキットを提供する。
好ましい態様において、本発明は、試料中のa) APEX、およびb) 任意に1つ以上の他の肺癌のマーカーの存在および/または濃度を測定する工程、ならびにc)測定結果、特に工程(a)および任意に工程(b)において測定された濃度を肺癌の評価に使用する工程を含む、インビトロにおける肺癌の評価方法に関する。
用語「測定」は、試料中のAPEXの定量的または定性的な測定を含む。好ましい態様において、測定は定量的または半定量的測定であり、つまりAPEXが存在するかどうかが決定されるか、あるいはAPEXの濃度がカットオフ値より高いか低いかが決定される。当業者が理解するように、はい(存在)またはいいえ(非存在)アッセイにおいて、アッセイ感度は通常カットオフ値に適合するように設定される。例えば、カットオフ値は健常個体の集団の試験から決定することができる。
好ましくは、カットオフ値は90%の特異性を生じるように設定されるか、また好ましくは、カットオフ値は95%の特異性を生じるように設定されるか、または好ましくは、カットオフ値は98%の特異性を生じるようにも設定される。存在またはカットオフ値を超える値は、例えば肺癌の存在を示し得る。さらに好ましい態様において、測定は定量的測定である。この態様において、APEXの濃度は、例えば疾患の病期、疾患の進行度、または治療に対する応答などの根源的な診断の疑問に相関する。
APエンドヌクレアーゼAPEX(Swiss-Prot. P27695)は、配列番号:1に示される配列を特徴とする。プロセッシングされない前駆体分子は、318アミノ酸からなり、35.6kDaの分子量を有する。APEXはDNA修復に関与し、DNA鎖のアプリンまたはアピリミジン部位を削除する。かかる非塩基性部位は、自発的にまたは化学剤によりまたは特異的な異常な塩基を除去するDNAグリコシラーゼにより比較的頻繁に生じる。
AP部位は正常なDNA複製を妨げ得る前変異性病変であり、細胞はかかる部位を同定および修復するための系を含む(Gil Barzilay, Ian D. Hickson, 1995, Bioessays 17 (18) pp 713-719)。3D構造が解明され、エンドヌクレアーゼ活性に関与するアミノ酸が同定された(Barizilay G. et al., 1995, Nature structural biology 2(7), pp 561-567;Gorman M. A. et al., 1997, EMBO Journal, 16(21) pp 6548-58;Beernink P. et al., 2001, J. Mol. Biol. 307, pp 1023-1034)。APEXはc-Fos、c-Jun、NF-KBおよびHIF-1などの種々の転写因子の酸化還元調節因子である。この活性はエンドヌクレアーゼ活性とは独立しているようである。両方の機能はタンパク質の異なるドメイン上にある(Gil Barzilay, Ian D. Hickson, 1995, Bioessays 17(18) pp 713-719)。プロテインキナーゼCによるAPEXのリン酸化により酸化還元活性が増加するが、非リン酸化状態はDNA修復に関与する(Yacoub A. et al. (1997; Cancer Res. 57, pp 5457-59)。Rush J. et al.,(2005, Nature Biotech, 23 (1) pp 94-101)により1つのリン酸化部位、Y261(Swissprot配列に従う)が同定された。
APEXがp53 DNA結合活性を活性化することも観察された(Jayaraman L. et al., 1997, Genes Dev., 11 (5, p558-70)。APEXによるp53のインビボ制御がGaiddonらにより研究された(1999, EMBO Journal, 18 (20), pp 5606-5621)。腫瘍形成におけるp53の役割はよく確立されている。
WO 97/47971には、前悪性または悪性状態の同定のためのマーカーとしてのアプリン/アピリミジンエンドヌクレアーゼの使用が開示されている。実施例には頚部癌および前立腺癌組織におけるAPEX染色が記載されている。組織抽出物または体液中のAPEXの測定は記載されていない。さらに、該明細書には、APEXが肺癌に関連するマーカーであり得るというデータは全く含まれていない。
WO 02/076280には、被検体が癌を発症するリスクを決定する方法が開示されており、被検体の組織におけるDNA修復/損傷抑制酵素の活性のレベルを示すパラメーターのレベルが測定され、前記レベルに従い被検体が癌を発症するリスクが決定される。DNA損傷抑制酵素はAPEXであり得る。該測定はOGG活性DNA修復試験を含み、DNA修復活性は合成オリゴヌクレオチド基質を使用して試験される。試料はヒト末梢血リンパ球から調製したタンパク質抽出物である。DNA修復は複雑なプロセスであるため、OGG活性は厳密にはAPEXに対応できない。低いOGG活性が肺癌のリスク因子であることが見出された。しかしながら、APEXと肺癌の直接的な関係は説明されていない。
WO 2006/091734には、自己抗体プロフィールの検出におけるペプチドマイクロアレイの使用および診断情報または予後情報を導くためのかかる自己抗体プロフィールの使用が開示されている。全体で1480エピトープが挙げられ、APEX由来の4ペプチド配列が含まれる。該明細書にはAPEXと肺癌の関連は全く記載されていない。
Duguidら(Cancer Res. 55 (1995), 6097-6102)には、いくつかの組織、例えば脳、肝臓におけるAPEXの免疫染色、細胞質染色および核染色によるヒトAPEXの細胞と亜細胞レベルの差異的な発現の測定が記載されている。
Tannerら(Gynecologic Oncol. 92 (2004), 568-577)には、卵巣癌の進行に伴う核APEX発現の増加が記載されている。
Kakolyrisら(J. Pathol. 189 (1999), 351-357)には、ヒトAPEXの核局在が手術可能な初期NSCLCの予後に関連することが記載されている。正常な肺において、APEXの染色は肺胞の肺胞細胞中の核および細胞質の両方に存在することが見出された。気管支上皮の表面線毛細胞は細胞質の染色を示したが、基底細胞の染色ではほとんどが核であった。気管支腺細胞は核と細胞質の合わされた染色を示した。肺癌はAPEXの発現の全てのパターンを示した。扁平上皮癌において、有意な間接的相関、つまりAPEXについての高い(陽性)核染色はp53についての低い(陰性)染色に対応していることが観察された。著者は、核のAPEXの局在はそのDNA修復タンパク質としておよび/または野生型p53の活性化因子としての役割と関連しているので、患者のサブグループにおいてよりよい結果が見られたと結論付けている。
Puglisiら(Anticancer Res. 21 (2001), 4041-4050には、NSCLCを有する患者における予後の指標として亜細胞レベルAPEX局在の潜在的な役割が記載されている。特に、該タンパク質の細胞質局在は患者サブグループにおける純粋な予後に関連していると思われる。
興味深いことに、上述の文献中で、組織抽出物および体液中のAPEXの測定が肺癌の評価を可能にするということを示唆しているものはない。先行技術によると、APEXの亜細胞レベル染色のみが癌の評価を可能にする。驚くべきことに、本発明において、亜細胞レベル解析、特に亜細胞レベル局在を測定することなく、組織溶解物試料および/または体液中のAPEXの存在および/または量の測定により肺癌の評価が可能であることが見出された。さらに驚くべきことに、APEXの存在および/または濃度の増加は肺癌に関連するということが見出された。
本明細書中で使用する場合、以下の用語のそれぞれはこのセクションにおける意味と関連する意味を有する。
冠詞「a」および「an」は、本明細書中では1つ〜1つより多く(つまり、少なくとも1つ)の文法上の冠詞の目的語を指すように使用される。例えば、「a marker」は1つまたは1つより多くのマーカーを意味する。用語「少なくとも」は、任意に1つ以上のさらなる対象物が存在し得ることを示す。例えば、少なくとも(複数のマーカー)APEXおよびCYFRA21-1を含むマーカーパネルは任意に1つ以上の他のマーカーを含む。
表現「1つ以上」は、1〜50、好ましくは1〜20、また好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9、10、12または15を表す。
用語「マーカー」または「生化学マーカー」は、本明細書で使用される場合、患者の試験試料の解析のための標的として使用される分子のことをいう。一態様において、かかる分子標的の例はタンパク質またはポリペプチドである。本発明において、マーカーとして使用されるタンパク質またはポリペプチドは、前記タンパク質の天然に存在するバリアント、および前記タンパク質または前記バリアントの断片、特に免疫学的に検出可能な断片を含むことを企図する。好ましくは、免疫学的に検出可能な断片は、前記マーカーポリペプチドの少なくとも6、7、8、10、12、15または20個の連続したアミノ酸を含む。細胞から放出されるかまたは細胞外マトリックス中に存在するタンパク質は、例えば炎症の際に損傷され得、かかる断片に分解または切断され得ることを当業者は理解しよう。特定のマーカーは、その後タンパク質分解により活性化され得る不活性形態で合成される。当業者が理解するように、タンパク質またはその断片は複合体の一部として存在し得る。本発明の意味において、かかる複合体もマーカーとして使用してもよい。マーカーポリペプチドのバリアントは同一の遺伝子にコードされるが、例えば選択的mRNAまたはプレmRNAプロセッシングの結果、その等電点(=PI)もしくは分子量(=MW)、またはその両方が異なることがある。バリアントのアミノ酸配列は対応するマーカー配列と95%以上同一である。さらに、または代替的に、マーカーポリペプチドもしくはそのバリアントは翻訳後修飾を有し得る。好ましい翻訳後修飾は糖化、アシル化および/またはリン酸化である。
好ましくは、マーカーAPEXは、特異的結合剤の使用により試料から特異的に測定される。
特異的結合剤は、例えばAPEXに対するレセプター、APEXに結合するレクチンまたはAPEXに対する抗体である。特異的結合剤は、その対応する標的分子に対して少なくとも107l/molの親和性を有する。好ましくは、特異的結合剤は、その標的分子に対して108l/mol、またはさらに好ましくは109l/molの親和性を有する。当業者が理解するように、用語、特異的は、試料中に存在する他の生物分子がAPEXに特異的な結合剤と有意に結合しないことを示すように使用される。好ましくは、標的分子以外の生物分子に対する結合のレベルは、それぞれ標的分子に対する親和性の最大でわずか10%以下、わずか5%以下、わずか2%以下またはわずか1%以下である結合親和性となる。好ましい特異的結合剤は、親和性および特異性についての上述の最低基準の両方を満たす。
好ましくは、特異的結合剤はAPEXと反応性である抗体である。用語、抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、かかる抗体の抗原結合断片、単鎖抗体および抗体の結合ドメインを含む遺伝子構築物のことをいう。
特異的結合剤の上述の基準を保持している任意の抗体断片を使用することができる。抗体は、当該技術分野の技術水準の手法により、例えばTijssen(Tijssen, P., Practice and theory of enzyme immunoassays, 11, Elsevier Science Publishers B.V., Amsterdam, 書籍全体、特に43-78頁)に記載されるように作製される。また、当業者は、抗体の特異的な単離に使用できる免疫吸着に基づく方法に精通している。これらの手段により、ポリクローナル抗体の質およびそれにより免疫アッセイにおける該抗体の性能を高めることができる。(Tijssen, P., 上述, 108-115頁)。
本発明に開示される達成のために、ウサギ中で生じたポリクローナル抗体を使用してもよい。しかし、異なる種、例えばラットまたはモルモット由来のポリクローナル抗体、およびモノクローナル抗体も明らかに使用できる。モノクローナル抗体は一定の性能で任意の必要な量で産生することができるので、臨床的常套手段のためのアッセイの開発における理想的なツールである。本発明の方法におけるAPEXに対するモノクローナル抗体の作製および使用はそれぞれ、さらに他の好ましい態様を示す。
ここで、当業者は、APEXが肺癌の評価に有用なマーカーとして同定されたことを認識したため、種々の方法を用いて同等な結果を達成することができよう。例えば、抗体を作製するために代替的な戦略を使用してもよい。かかる戦略は、特に免疫についてAPEXのエピトープを提示する合成ペプチドの使用を含む。あるいは、DNAワクチン化としても公知であるDNA免疫を使用してもよい。
測定のために、個体から得られた試料をAPEXに特異的な結合剤と共に、結合剤APEX複合体の形成に適した条件下でインキュベートする。当業者は何ら発明の努力をすることなくかかる適切なインキュベーション条件を容易に突き止めることができるので、かかる条件を具体的に示す必要はない。結合剤APEX複合体の量を測定して肺癌の評価に使用する。当業者が理解するように、特異的結合剤APEX複合体の量を測定するために、全て関連の教本(例えば、Tijssen P., 上述、またはDiamandis, E. P. and Christopoulos, T.K. (編), Immunoassay, Academic Press, Boston (1996)参照)中に詳細に記載された多くの方法がある。
好ましくは、APEXをサンドイッチ型アッセイ形式で検出する。かかるアッセイにおいて、第1の特異的結合剤を使用して一方の面でAPEXを捕捉し、直接または間接的に検出可能に標識された第2の特異的結合剤を他方の面に使用する。
本発明の意味において、「肺癌のマーカー」は、マーカーAPEXと合わせた場合にLCの評価において関連のある情報を付与する任意のマーカーである。LCの評価のために、前記マーカーをすでにマーカーAPEXを含むマーカー組合せに含ませることによって、所定の特異性で感度または所定の感度で特異性のそれぞれを改善することができる場合、該情報を関連のあるものまたは付加価値があるものとみなす。好ましくは、感度または特異性のそれぞれの改善は、p=.05、.02、.01以下の有意性のレベルで統計的に有意である。好ましくは、LCの1つ以上の他のマーカーはCYFRA21-1、CEA、NSE、proGRPおよびSCCから選択される。
用語「試料」は、本明細書で使用する場合、インビトロでの評価のために得られた生物学的試料のことをいう。本発明の方法において、試料または患者試料は、好ましくは任意の体液または組織抽出物を含み得る。好ましい試験試料としては、血液、血清、血漿、唾液および気管支洗浄液が挙げられる。好ましい試料は全血、血清、血漿、気管支洗浄液または唾液であり、血漿または血清が最も好ましい。
用語「肺癌の評価」は、本発明の方法が(単独または他のマーカーまたは変量、例えばUICC(上記参照)に記載された基準と共に)、例えばLCの有無の確立または確認のために医師を補助するか、または予後、再発の検出(手術後の患者の追跡)および/または治療、特に化学療法のモニタリングにおいて医師を補助することを示すために使用される。
当業者が理解するように、任意のかかる評価はインビトロで行われる。患者試料はその後廃棄される。患者試料は、本発明のインビトロ診断法のみに使用され、患者試料の材料は患者の体内に戻されない。典型的に、試料は液体試料、例えば全血、血清または血漿である。
好ましい態様において、本発明は、試料中のAPEXの濃度を測定する工程、および測定された濃度をLCの評価に使用する工程を含む、生化学マーカーによるインビトロでのLCの評価方法に関する。
驚くべきことに、本発明の発明者は、LCを有する患者由来の試料中有意な割合でマーカーAPEXを検出することができた。さらに驚くべきことに、発明者は、個体から得られたかかる試料中のAPEXの存在および/または濃度を肺癌の評価に使用できることを示すことができた。
診断のための理想的なシナリオは、例えば感染性疾患などのように、単一の事象またはプロセスがそれぞれの疾患を引き起こす状況である。他の全ての症例において、特に疾患の病因がLCの症例のように完全には理解されていない場合、正確な診断は非常に困難であり得る。当業者が理解するように、所定の多元的な疾患、例えばLCについて100%の特異性とともに100%の感度を有する診断用の生化学マーカーはない。むしろ、生化学マーカー、例えばCYFRA21-1、CEA、NSE、proGRP、SCCまたは本明細書に示されるようなAPEXを使用して、特定の見込みまたは予測値で、例えば疾患の存在、非存在、または重症度を評価することができる。したがって、常套的な臨床的診断において、一般的には様々な臨床的症状および生物学マーカーは、進行中の疾患の診断、治療および管理において一まとめとして考えられる。
生化学的マーカーは、個々に測定することができるか、または本発明の好ましい態様において、チップもしくはビーズ系のアレイ技術を使用して同時に測定することができるかのいずれかである。次いで、生物マーカーの濃度は、例えばそれぞれのマーカーについての個々のカットオフを使用して個々に解釈されるか、または組み合わせて解釈される。
さらに好ましい態様において、本発明のLCの評価は、試料中のa) APEX、およびb) 1つ以上の他の肺癌のマーカーの存在および/または濃度を測定する工程、およびc) 測定結果、例えば工程(a)および工程(b)で測定された濃度のそれぞれを肺癌の評価に使用する工程を含む方法において実施される。
LCの評価において、マーカーAPEXは1つ以上の下記:スクリーニング;診断補助;予後;化学療法、放射線療法および免疫療法などの治療のモニタリングの局面において有利である。
スクリーニング:
スクリーニングとは、疾患の表示、例えば肺癌の存在について、個体、例えば危険性のある個体を同定するための試験の体系的な適用として規定される。好ましくは、スクリーニング集団は、喫煙者、過剰喫煙者、およびウラン、石英またはアスベスト曝露労働者のような肺癌の平均的な危険性が高い個体からなる。1つの好ましい態様において、肺癌のスクリーニングにおける試料として唾液が使用される。
多くの疾患について、スクリーニング目的に必要な感度および特異性の基準を常に満たす、循環中の単一生化学マーカーはない。このことは肺癌についても真実であると思われる。複数のマーカーを含むマーカーパネルがLCスクリーニングに使用されなければならないことを予想する必要がある。本発明において確立されたデータは、マーカーAPEXがスクリーニング目的に適したマーカーパネルの不可欠な部分を形成することを示す。したがって、本発明は、LCマーカーパネルの1つのマーカーとしてのAPEXの使用に関し、つまり、マーカーパネルはAPEXおよびLCスクリーニングのための1つ以上のさらなるマーカーを含む。本発明のデータはさらに、マーカーの特定の組合せがLCのスクリーニングに有利であることを示す。したがって、本発明はまた、LCのスクリーニングのためのAPEXおよびCYFRA21-1を含むマーカーパネル、またはAPEXおよびCEAを含むマーカーパネル、またはAPEXおよびNSEを含むマーカーパネル、またはAPEXおよびSCCを含むマーカーパネル、またはAPEXおよびproGRPを含むマーカーパネル、またはAPEXならびにCYFRA21-1、CEA、NSE、proGRPおよびSCCからなる群より選択される2つ以上のマーカーを含むマーカーパネルの使用に関する。
診断補助:
マーカーは、特に臓器の良性疾患対悪性疾患の鑑別診断を補助するか、異なる組織学的腫瘍型の識別を補助するか、または手術前のベースラインマーカー値を確立するかのいずれかであり得る。
今日、肺癌の検出に使用される重要な方法は、放射線学および/またはコンピュータ連動断層撮影(CT)スキャンである。小結節、すなわち、疑わしい組織の小領域は、これらの方法によって可視化され得る。しかしながら、これらの結節の多く-CTで90%より多く-は良性組織変化を示し、少数の結節のみが癌性組織を示す。マーカーAPEXの使用は、良性対悪性結節の識別を補助し得る。
好ましい態様において、マーカーAPEXは、異なる組織学的LC型を確立または確認するために免疫組織学的方法に使用される。
単独マーカーとしてのAPEXはCEAまたはNSEなどの他のLCマーカーより卓越し得るため、APEXは、特に、手術前のベースライン値を確立することにより診断補助として使用されることが予測された。したがって、本発明はまた、手術前のLCのベースライン値を確立するためのAPEXの使用に関する。
予後:
診断インジケータは、一定の尤度で疾患結果を予測する癌患者およびその腫瘍の臨床的、病理学的、または生化学的特徴と定義され得る。その主な使用は、患者管理の合理的な計画、すなわち、それぞれ急速進行性疾患の過少治療および無痛性疾患の過剰治療の回避を補助することである。Molina R. et al.,Tumor Biol. (2003)24:209-218では、NSCLCにおいてCEA、CA 125、CYFRA21-1、SSCおよびNSEの予後値が評価された。彼らの研究では、マーカーNSE、CEA、およびLDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)の異常血清レベルは、短い生存を示すようであった。
APEX単独は、健常対照からのLC患者の識別に有意に寄与するため、LCを患う患者の予後の評価を補助することが予測される。手術前APEXのレベルは、たいてい、LCの1種類以上の他のマーカーおよび/またはTNM病期分類システムと組み合わされる。好ましい態様において、APEXはLCを有する患者の予後に使用される。
化学療法のモニタリング:
Merle,P. et al.,Int. J. of Biological Markers (2004)19:310-315では、導入補助化学療法で治療された局所進行NSCLCを有する患者におけるCYFRA21-1血清レベルの変化が評価された。彼らは、CYFRA21-1血清レベルの早期モニタリングが病期III NSCLC患者の腫瘍応答および生存の有用な予後ツールであり得ると結論づけた。また、報告により、LCを有する患者の治療のモニタリングにおけるCEAの使用が記載された(Fukasawa T. et al.,Cancer & Chemotherapy (1986)13:1862-1867)。これらの研究のほとんどは、遡及的でランダムではなく、少数の患者を含んだ。CYFRA21-1での研究の場合のように、CEA研究は、a)化学療法を受けている間にCEAレベルが減少した患者は、一般的に、CEAレベルが減少しなかった患者よりも良好な結果を有し、(b)ほぼすべての患者で、CEAレベルの増加は疾患の進行と関連したことを示した。
APEXは、それぞれCYFRA21-1またはCEAと少なくとも同程度に良好な化学療法のモニタリングのためのマーカーであることが予測される。したがって、本発明はまた、化学療法下のLC患者のモニタリングにおけるAPEXの使用に関する。
追跡:
癌性組織の完全な除去を目的とした外科的切除を受けるLC患者の大部分は、
後に再発性または転移性の疾患が起こる(Wagner,H.,Chest (2000)117:110-118;Buccheri,G. et al.,Ann. Thorac. Surg. (2003)75:973-980)。これらの再発のほとんどは、手術後最初の2〜3年以内に起こる。再発性/転移性疾患は、検出が遅すぎた場合は常に致死的であるため、相当な研究が、その初期ひいては潜在的に治療可能な段階でのLC再発に焦点を当てている。
その結果、多くのLC患者は、多くの場合CEAの定期的モニタリングを含む、術後のサーベイランスプログラムを受ける。外科的切除後1年間のCEAの連続モニタリングにより、再発性/転移性疾患が、疑わしい症状または徴候がない場合であっても、早期の術後再発性/転移性疾患がほぼ97%の特異性でほぼ29%の感度で検出されることが示された(Buccheri,G. et al.,Ann. Thorac. Surg. (2003)75:973-980)。したがって、手術後のLCを有する患者の追跡は、適切な生化学的マーカーの使用の最も重要な領域の1つである。調査したLC患者におけるAPEXの高い感度のため、おそらく、APEX単独または1種類以上の他のマーカーとの組合せは、LC患者の追跡、特に手術後のLC患者の追跡に非常に有用である。LC患者の追跡におけるAPEXおよび1種類以上のLCの他のマーカーを含むマーカーパネルの使用は、本発明のさらに好ましい態様を示す。
本発明は、好ましい態様において、それぞれLCの診断分野またはLCの評価におけるAPEXの使用に関する。
またさらに好ましい態様において、本発明は、個体から得られた液体試料からの肺癌の評価における、肺癌の1種類以上のマーカー分子と組み合わせた肺癌のマーカー分子としてのAPEXの使用に関する。APEXの測定を組み合わされ得る好ましい選択される他のLCマーカーは、CYFRA21-1、CEA、NSE、proGRP、および/またはSCCである。LCの評価に使用されるまたさらに好ましいマーカーパネルは、APEXならびにCYFRA21-1およびCEAからなる群から選択される少なくとも1種類の他のマーカー分子を含む。
当業者が理解し得るように、調査中の診断的疑問を改善するために、2種類以上のマーカーの測定法を使用する多くの方法がある。全く単純に、しかしながら、しばしば効果的なアプローチにおいて、調査された少なくとも1種類のマーカーについて試料が陽性である場合、陽性の結果が仮定される。このことは、例えばAIDSのような感染性の疾患の診断の場合であり得る。
しかしながら、頻繁にマーカーの組み合わせが評価される。好ましくは、マーカーパネルのマーカー、例えばAPEXおよびCYFRA21-1についての測定値は、数学的に組み合わされ、組み合わされた値は診断的疑問の原因と相関される。マーカー値は、当該技術分野の技術水準の任意の適切な数学的方法により組み合わされ得る。マーカーの組み合わせと疾患を相関する周知の数学的方法には、識別分析(DA)(即ち、一次、二次、標準化DA)、Kernel法(即ちSVM)、ノンパラメトリック法(即ちk-Nearest-Neighbor Classifiers)、PLS(Partial Least Squares)、Tree-Based Methods(即ち論理回帰、CART、ランダムフォレスト法、ブースティング/バギング(Boosting/Bagging)法)、汎用直線モデル(即ちロジスティック回帰)、主成分ベース法(即ちSIMCA)、汎用付加モデル、ファジー理論ベース法、ニューラルネットワークおよび遺伝的アルゴリズムベース法などの方法を用いる。当業者は、本発明のマーカーの組み合わせを評価するための適切な方法の選択において何の問題も持たない。好ましくは、本発明のマーカーの組み合わせを、例えばLCの有無と相関することに用いられる方法は、DA(即ち一次、二次、標準化識別分析)、Kernel法(即ちSVM)、ノンパラメトリック法(即ちk-Nearest-Neighbor Classifiers)、PLS(Partial Least Squares)、Tree-Based Methods(即ち論理回帰、CARTランダムフォレスト法、ブースティング法)、または汎用直線モデル(即ちロジスティック回帰)から選ばれる。これらの統計的方法に関する詳細は、以下の参考文献、Ruczinski,I.,et al,J. of Computational and Graphical Statistics,12 (2003)475-511;Friedman,J. H. ,J. of the American Statistical Association 84 (1989)165-175;Hastie,Trevor,Tibshirani,Robert,Friedman,Jerome,The Elements of Statistical Learning,Springer Series in Statistics, 2001;Breiman,L.,Friedman,J. H.,Olshen,R. A.,Stone,C. J. (1984)Classification and regression trees,California:Wadsworth;Breiman,L.,Random Forests,Machine Learning,45 (2001)5-32;Pepe,M. S.,The Statistical Evaluation of Medical Tests for Classification and Prediction,Oxford Statistical Science Series,28 (2003);およびDuda,R. O.,Hart,P. E., Stork,D. G.,Pattern Classification,Wiley Interscience,第2版 (2001)に見られる。
生物学的マーカーの基礎的な組合せに対して最適な多変量カットオフを使用し、状態Aを状態Bと、例えば、疾患状態を健常と区別することは、本発明の好ましい態様である。この型の解析では、マーカーは、もはや独立的ではなくマーカーパネルを形成する。
診断方法の精度は、その受信者動作特性(ROC)によって最もよく示される(特にZweig, M. H.およびCampbell, G., Clin. Chem. 39 (1993)561-577参照のこと)。ROCグラフは、観察されたデータの全範囲にわたって判定閾値を連続的に変えることにより得られる全ての感度/特異性ペアのプロットである。
実験室での試験の臨床成績は、その診断の精度または被験体を臨床的に関連する亜群へと正確に分類する能力に依存している。診断の精度は、検査を受けた被験体の2つの異なる状態を正確に区別する試験の能力を評価するものである。かかる状態は、例えば健常と疾患または良性疾患対悪性疾患である。
各場合において、ROCプロットは、判定閾値の全範囲で1−特異性に対して感度をプロットすることにより2つの分布間の重複を示す。Y軸上は感度、または真陽性の割合[(真陽性試験結果の数)/(真陽性の数+偽陰性試験結果の数)として定義される]である。これはまた、疾患または状態の存在下において陽性と称されている。それは罹患した亜群単独から算出される。X軸上は偽陽性の割合、すなわち1−特異性[(偽陽性結果の数)/(真陰性の数+偽陽性結果の数)として定義される]である。これは特異性の指標であり、罹患していない亜群全体から算出される。真陽性および偽陽性の割合は、2つの異なる亜群由来の試験結果を用いて全く別々に算出されるため、ROCプロットは試料中の疾患の罹患率から独立している。ROCプロット上の各点は、特定の判定閾値に対応する感度/1−特異性のペアを表している。完全な区別を伴う試験は(結果の2つの分布に重複がない)、左上の角を通るROCプロットを有し、この場合、真陽性の割合は1.0または100%(完全な感度)であり、偽陽性の割合は0(完全な特異性)である。区別を伴わない試験の理論的プロット(2つの群の結果の分布が同一)は、左下の角から右上の角に向かって45度の斜め線となる。ほとんどのプロットはこれらの両極間に含まれる。(ROCプロットが45度の斜め線の下方に完全に含まれる場合、これは「陽性度」についての基準を「より大きい」から「より少ない」に入れ換えることにより容易に修正される。逆も同じ)。定性的には、プロットが左上の角に近づくにしたがって、試験の全体的な精度は高くなる。
実験室での試験の診断の精度を定量化するための好ましい方法の1つは、単一の数によりその成績を表すことである。かかる全般的パラメータは、例えば、いわゆる「総エラー」あるいは「曲線下面積=AUC」である。最も一般的な世界的尺度はROCプロットの下の面積である。慣例により、この面積は常に≧0.5である(もしそうでなければ、そうなるように決定基準を入れ換え得る)。数値は1.0(2群の試験値の完全な分離)と0.5(2群間の試験値に明らかな分布の差が無い)の間の範囲である。該面積は、該斜め線に最も近い点または90%特異性における感度などのプロットの特定の部分だけでなく、全プロットにも依存する。これは、ROCプロットが完全なもの(面積=1.0)にどれだけ近いかということの定量的で説明的な表現である。
好ましい態様において、本発明は、試料中の少なくともAPEXおよびCYFRA21-1の濃度、ならびに任意にCEA、proGRP、NSE、および/またはSCCの濃度をそれぞれ測定し、測定された濃度をLCの有無と相関させることにより、LC対健常対照の診断の精度を改善するための方法であって、改善により、いずれかの単一マーカー単独での調査に基づいた分類と比べて、健常対照に対してより多くの患者がLCに苦しんでいると正確に分類される方法に関する。
本発明による好ましい方法において、少なくともバイオマーカーAPEXおよびCYFRA21-1の濃度をそれぞれ測定し、マーカー組合せがLCの評価に使用される。
本発明によるさらに好ましい方法において、少なくともバイオマーカーAPEX およびCEAの濃度をそれぞれ測定し、マーカー組合せがLCの評価に使用される。
本発明によるさらに好ましい方法において、少なくともバイオマーカーAPEX、CYFRA21-1、およびCEAの濃度をそれぞれ測定し、マーカー組合せがLCの評価に使用される。
本発明によるさらに好ましい方法において、少なくともバイオマーカーAPEX、CYFRA21-1、およびproGRPの濃度をそれぞれ測定し、マーカー組合せがLCの評価に使用される。
本発明によるまたさらに好ましい方法において、少なくともバイオマーカーAPEX、CYFRA21-1およびSCCの濃度をそれぞれ測定し、マーカー組合せがLCの評価に使用される。
以下の実施例および図面は、本発明の理解を補助するために提供され、その真の範囲は添付の特許請求の範囲に示される。記載の手順において、本発明の精神を逸脱することなく変形が行なわれ得ることは理解されよう。
図1は、30名の明らかに健常な個体および30名の見かけ上健常な喫煙者から得た60の対照試料と比較したときの、LCを有する患者から得た60の試料の評価に関する受信者動作特性(ROC)のプロットを示す。 図2は、肺癌組織溶解物のウエスタンブロット解析を示す。20の肺癌組織溶解物(10個の腺CAおよび10個の扁平上皮細胞CA)ならびに適合対照組織溶解物の5μgの全タンパク質を、実施例5に記載したようにして解析した。
実施例1
肺癌のマーカーとしてのAPEXの同定
組織の供給源:
肺癌の診断マーカーとしての腫瘍特異的タンパク質を同定するため、プロテオミクス法を用いた異なる2種類の組織の解析を行なう。
合計で、肺癌を患う11名の患者由来の組織被検物を解析する。治療的切除により各患者から2種類の異なる組織型:腫瘍組織(>80%腫瘍)(T)および隣接健常組織(N)を収集する。後者は、適合健常対照試料としての機能を果たす。切除後、組織を直ちにスナップ凍結し、処理前に-80℃保存する。腫瘍は組織病理学的基準によって診断する。
組織調製:
0.8〜1.2gの凍結組織を小片に切断し、ミキサーボールミルの凍結粉砕瓶に移し、液体窒素によって完全に凍結させる。組織をボールミル内で粉砕し、10倍容量(w/v)の溶解バッファー(40mMクエン酸Na、5mM MgCl2、1%Genapol X-080、0.02%アジ化Na、Complete(登録商標)無EDTA[Roche Diagnostics GmbH、Mannheim、Germany、カタログ番号1 873 580])中に溶解し、続いてWheaton(登録商標)ガラスホモジナーザー(20×ルーズフィット、20×タイトフィット)でホモジナイズする。ホモジネートを遠心分離(5,000×gで10分)に供し、上清を別のバイアルに移し、再度遠心分離(20,000×gで15分)に供する。得られた上清は可溶性タンパク質を含み、さらなる解析に使用される。
LC-ESI-MSMS-解析用の試料調製:
可溶性タンパク質画分のタンパク質濃度を、供給元のマニュアルの使用説明書に従ってBio-Radタンパク質アッセイ(登録商標)(カタログ番号500-0006;Bio-Rad Laboratories GmbH、Muenchen、Germany)を用いて測定する。200μgのタンパク質に相当する容量に、4mlの還元バッファー(9M尿素、2mM DTT、100mM KH2PO4、NaOH pH8.2)を添加し、1時間インキュベートする。Amicon(登録商標)Ultra装置(Millipore GmbH、Schwalbach、Germany)内でこの溶液を50μlに濃縮し、アルキル化のために0.5mlの試料バッファー(9M尿素、4mMヨードアセトアミド、100mM KH2PO4、NaOH pH8.2)に移し、6時間インキュベートする。アルキル化後、Amicon(登録商標)Ultra装置内で溶液を50μlに濃縮し、0.5mlの9M尿素 10mM KH2PO4、NaOH pH8.2を添加し、溶液を50μlに再度濃縮する。この手順を2回繰返す。続いて、最終50μlを水中4μgのトリプシン(プロテオミクス等級、Roche Diagnostics GmbH、Mannheim、Germany)で990μlに希釈し、一晩消化させる。
LC-ESI-MSMS-解析:
Nano-LCシステム(Ultimate、Famos、Switchos;LC Packings、Idstein、Germany)での2次元 HPLC (MudPIT)によって、トリプシン消化物(100μl)を分離する。分離は、自己充填2次元カラム(溶融シリカ:PicoFrit 75μm、New Objective;RP:ProntoSil 120-5-C18 AQ+、Bischoff;SCX:Partisil 10、Whatman)を用いて行なう。連続増加量のNH4Ac(0〜1500mM)での段階的溶出によって11個のSCX画分を生成させる。これらを、カラムのRP部分でさらに分離し、ESI-MSイオントラップ(LCQ deca XP;Thermo Electron、Massachusetts、USA;パラメータについては表1参照)。とともにデータ依存性スキャンを用いてオンライン解析する。各試料について、3回実験を行なう。ベースアルゴリズムとしてSequestを用いて、市販されていないRoche独自のデータ管理システムで生データを処理する(パラメータ表1参照)。反復実験で同定されたペプチドおよびタンパク質の得られたリストを組み合わせた。
タンパク質APEXは、同定された配列の補助によって同定され、表2に示す。
肺癌のマーカーとしてのAPEXの検出:
各患者について、腫瘍試料から同定されたタンパク質および対応するペプチドの数を、隣接正常組織の一致した結果と比較する。この手段によって、タンパク質APEXは、腫瘍組織内に特異的に存在するか、または非常に多量であり、健常対照組織では検出可能でないか、またはかろうじて検出可能であることがわかる。
タンパク質APEXは、肺癌を患う患者由来の腫瘍組織において強く過剰提示される。タンパク質APEXの以下のペプチド配列は、腫瘍組織のLCQ-MS2-データのデータベース検索によって同定される。APEX由来の以下の配列は上記の方法を用いて同定される。
APEXは、肺腺癌を有する8名の患者のうち5名の腫瘍組織溶解物試料において同定され得た。正常組織溶解物では、APEXは同定され得なかった。
実施例2
肺癌マーカータンパク質APEXに対する抗体の作製
免疫検出アッセイ、例えば、ウエスタンブロッティングおよびELISAによるAPEXの血清レベルおよび血漿レベルおよび血中レベルの測定における抗体のさらなる使用のため、肺癌マーカータンパク質APEXに対するポリクローナル抗体を作製する。
大腸菌における組換えタンパク質発現:
APEXに対する抗体を作製するため、大腸菌において組換え抗原を作製する。したがって、German Resource Center for Genome Research (RZPD、Berlin、Germany)から入手した完全長cDNAクローンIRAT p970H075Dから、プライマー:

を用いてAPEXコード領域をPCR増幅する。
フォワードプライマーは(EcoRIクローニング部位およびリボソーム結合部位に加えて)、APEXポリペプチドにインフレームに導入されたN末端MRGSHHHHHHIEGRペプチド伸長部(配列番号:4)をコードするオリゴヌクレオチドを特徴とする。EcoRI/BamHI消化PCR 断片を対応するpQE-30 (Qiagen、Hilden、Germany)ベクター断片内にラーゲートし、続いて、これで大腸菌XL1-blueコンピテント細胞を形質転換する。配列解析後、プラスミドで大腸菌BL21コンピテント細胞を形質転換し、製造業者の使用説明書に従ってpQEベクターシリーズのIPTG誘導T5プロモーター下で発現させる。
MRGSHHHHHHIEGR-APEX融合タンパク質の精製のため、1lの一夜誘導細菌培養物を遠心分離によってペレット化し、細胞ペレットを、1mg/mlのリボザイムおよびCompleteTM無EDTAプロテアーゼインヒビター錠剤を含有する20mMリン酸ナトリウムバッファー、500mM塩化ナトリウム、pH7.4中に再懸濁させる。細胞を超音波処理によって破壊し、不溶性物質を遠心分離によってペレット化し、上清をNi-ニトリロ三酢酸(Ni-NTA)金属-アフィニティクロマトグラフィーに適用する。カラムで床容量の数倍の溶解バッファーで洗浄した後、20mMリン酸ナトリウムバッファー、500mM塩化ナトリウム、20mMイミダゾール、pH7.4で洗浄する。最後に、20mMリン酸ナトリウムバッファー、500mM塩化ナトリウム、pH7.4中20〜500mMのイミダゾール勾配で結合抗原を溶出し、75mM HEPESバッファー、pH7.5、100mM塩化ナトリウム、1mM EDTA、6.5%スクロース中に4℃で保存する。
ポリクローナル抗体の作製:
a)免疫化
免疫化のため、タンパク質溶液の新鮮エマルジョン(100μg/mlのタンパク質APEX)および完全フロイントアジュバントを1:1の比で調製する。1、7、14および30、60および90日目に各ウサギを1mlのエマルジョンで免疫化する。血液を採取し、得られた抗APEX血清を以下に記載するようにして使用する。
b)カプリル酸および硫酸アンモニウムでの連続沈殿によるウサギ血清からのIgG (免疫グロブリンG)の精製
1容量のウサギ血清を4容量の酢酸バッファー(60mM、pH4.0)で希釈する。2M Tris-塩基でpHを4.5に調整する。カプリル酸(25μl/mlの希釈試料)を激しい攪拌下で滴下する。30分後、試料を遠心分離し(13000×g、30分、4℃)、ペレットを廃棄し、上清を回収する。2MのTris-塩基の添加により上清のpHを7.5に調整する。
最終濃度2Mまでの4M硫酸アンモニウム溶液の滴下によって、激しい攪拌下、上清中の免疫グロブリンを沈殿させる。沈殿した免疫グロブリンを遠心分離(8000×g、15分、4℃)によって回収する。
上清を廃棄する。ペレットを10mM NaH2PO4/NaOH、pH7.5、30mM NaClに溶解し、充分透析する。透析物を遠心分離し(13000×g、15分、4℃)、濾過する(0.2μm)。
c)ポリクローナルウサギIgGのビオチン化:
ポリクローナルウサギIgGを10mM NaH2PO4/NaOH、pH7.5、30mM NaCl中で10mg/mlにする。IgG溶液1mlあたり50μlのビオチン-N-ヒドロキシスクシンイミド(DMSO中3.6mg/ml)を添加する。室温で30分後、試料をSuperdex 200 (10mM NaH2PO4/NaOH、pH7.5、30mM NaCl)上でクロマトグラフィー処理する。ビオチン化IgGを含有する画分を収集する。
d)ポリクローナルウサギIgGの免疫吸着:
APEX免疫吸着体のため、製造業者のプロトコルに従って10mgの精製組換えAPEXを1mlのCNBr活性化SepharoseTM 4B (GE Healthcare、Germany カタログ番号17-04-30-01)に結合させる。このアフィニティカラムにPBS、0.05%Tween 20中100mgのポリクローナルウサギIgGを負荷した後、a)PBS、b)0.5M塩化ナトリウム、0.05%Tween 20、c)30mM塩化ナトリウムで洗浄する。結合画分を0.5Mのグリシン、150mM塩化ナトリウムで溶出し、塩酸でpH2.1調整し、1MのTris-塩基の添加によってすぐに中性pHにする。溶出液を10mg/mlに濃縮し、PBS中TSK-Gel(登録商標)G3000SWゲル濾過カラム(Sigma-Aldrich、Germany、カタログ番号815103)上でクロマトグラフィー処理する。IgGモノマーを含有する画分を収集する。
実施例3
ヒト血清および血漿試料におけるAPEXの測定のためのELISA
ヒト血清または血漿におけるAPEXの検出のため、サンドイッチELISAを開発する。抗原の捕捉のため、抗APEXポリクローナル抗体(実施例2参照)を免疫吸着し、抗原の検出のために抗APEXポリクローナル抗体をビオチンと結合させる。
96ウェルマイクロタイタープレートを、100μlの免疫吸着された抗APEXポリクローナル抗体とともに60分間、150mM炭酸二ナトリウム、350mM炭酸水素ナトリウム中5μg/mlでインキュベートする。続いて、プレートをPBS、0.05%Tween 20で3回洗浄する。次いで、ウェルを、標準抗原としての組換えタンパク質(実施例2参照)の連続希釈物、または患者由来の希釈血漿試料のいずれかとともに、5μg/mlのビオチン化抗APEXポリクローナル抗体と一緒に2時間インキュベートする。インキュベーションは、10mMリン酸塩、pH7.4、1%BSA、0.9%NaClおよび0.1%Tween 20中で行なった。その後、プレートを3回洗浄して未結合成分を除去する。次の工程では、10mMリン酸塩、pH7.4、1%BSA、0.9%NaClおよび0.1%Tween 20中で、20mU/mlの抗ビオチン-PODコンジュゲートとともにウェルを60分間インキュベートする。続いて、プレートを同じバッファーで3回洗浄する。結合抗原-抗体複合体の検出のため、ウェルを100μlのABTS溶液 (Roche Diagnostics GmbH、Mannheim、Germany、カタログ番号11685767)とともにインキュベートし、30〜60分後、ELISAリーダーにより405nmでODを測定する。
実施例4
試験集団
表3に示すUICC分類での充分特性付けされた60名のNSCLC患者由来の試料(30腺CA、30 扁平上皮細胞CA)を使用する。
表3のLC 試料中のAPEXのレベルを、公知の悪性肺疾患が何もない30名の明らかに健常な個体および30名の見かけ上健常な喫煙者(=対照コホート)から得た60の対照試料との比較において評価する。
表3のLC試料中のAPEXのレベルは、対照試料中のAPEXのレベルと比べて高い。
上記のZweig,M. H.およびCampbellによるROC-解析を行なう。LC群の患者を健常個体と識別する区別力は、曲線下面積によって測定すると、健常対照に対してLCは92%であることがわかる(図1)。
95%特異性において、すべてのLC試料の感度は70%であり、それぞれ、腺癌で67%および扁平上皮細胞癌で73%であった。
実施例5
実施例2で作製したポリクローナル抗体を用いたヒト肺癌組織におけるAPEXの検出のためのウエスタンブロッティング
腫瘍試料および健常対照試料の組織溶解物を実施例1の「組織調製」に記載のようにして調製する。
Invitrogen、Karlsruhe、Germanyの試薬および装置を用いてSDS-PAGEおよびウエスタンブロッティングを行なう。試験した各組織試料について、15μgの組織溶解物を還元NuPAGE(登録商標)(Invitrogen)SDS試料バッファー中で希釈し、95℃で10分間加熱する。MESランニングバッファー系中4〜12%NuPAGE(登録商標)ゲル(Tris-Glycine)上で試料を泳動させる。Invitrogen XCell II(登録商標)Blot Module (Invitrogen)およびNuPAGE(登録商標)ランニングバッファー系を用いてゲル分離タンパク質混合物をニトロセルロース膜上にブロットさせる。PBS/0.05%Tween-20中で膜を3回洗浄し、Roti(登録商標)-Blockブロックバッファー(A151.1;Carl Roth GmbH、Karlsruhe、Germany)で2時間ブロッキングする。一次抗体、ポリクローナルウサギ抗APEX血清(実施例2に記載のように作製)を、Roti(登録商標)-Blockブロックバッファー中で1:10,000に希釈し、膜とともに1時間インキュベートする。膜をPBS/0.05%Tween-20中で6回洗浄する。特異的結合ウサギ一次抗体を、0.5×Roti(登録商標)-Blockブロックバッファー中で10mU/mlに希釈したPODコンジュゲートポリクローナルヒツジ抗ウサギIgG 抗体で標識する。1時間インキュベーション後、膜をPBS/0.05%Tween-20中で6回洗浄する。結合PODコンジュゲート抗ウサギ抗体の検出のため、膜を、Lumi-LightPLUSウエスタンブロッティング基質(オーダー番号2015196、Roche Diagnostics GmbH、Mannheim、Germany)とともにインキュベートし、オートラジオグラフィーフィルムに曝露する。
APEXのシグナル強度は20名の異なるLC患者から得た20の腫瘍組織溶解物のうち16個において増大する(図2)。発現レベルは>600ng/mgであった。したがって、実施例1でMALDIによって検出された肺癌組織におけるAPEXの存在度の増大は、ウエスタンブロッティング解析によって確認される。
M = 分子量マーカー
T = 腫瘍組織溶解物
N = 適合対照組織溶解物
PP = 健常ドナー由来血漿プール(約60kDの範囲のバンドは、おそらく非特異的バックグラウンド反応によるものである)
rec. AG = 組換えにより産生されたAPEX (1レーンあたり10、3または1ng)
矢印は、APEXの位置を示す。

Claims (11)

  1. (a)組織抽出物および体液から選択される試料中のAPエンドヌクレアーゼ(APEX)の存在および/または濃度を測定する工程、ならびに
    (b)工程(a)の測定結果を肺癌の評価に使用する工程、ここで、APEXの増大した存在および/または増大した濃度の検出は肺癌を示す、
    を含む、肺癌をインビトロで評価するための方法。
  2. 工程(a)が、試料中の1種類以上の他の肺癌のマーカーの存在および/または濃度を測定する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記1種類以上の他のマーカーが、CYFRA21-1、CEA、NSE、proGRPおよびSCCからなる群から選択される、請求項記載の方法。
  4. 前記1種類以上の他のマーカーがCYFRA21-1である、請求項記載の方法。
  5. 前記1種類以上の他のマーカーがCEAである、請求項記載の方法。
  6. 前記1種類以上の他のマーカーがSCCである、請求項記載の方法。
  7. 組織抽出物および体液から選択される試料中での肺癌のインビトロ評価におけるAPEXの使用であって、該使用においては、該試料中のAPEXの存在および/または濃度を測定する工程を含み、APEXの増大した存在および/または増大した濃度の検出が肺癌を示す使用。
  8. 組織抽出物および体液から選択される試料中での肺癌のインビトロ評価におけるAPEXおよび1種類以上の他の肺癌のマーカーを含むマーカーパネルの使用であって、該使用においては、該試料中のAPEXおよび1種類以上の他の肺癌のマーカーの存在および/または濃度を測定する工程を含み、APEXの増大した存在および/または増大した濃度の検出が肺癌を示す使用。
  9. 1種類以上の他のマーカーが、CYFRA21-1、CEA、NSE、およびSCCからなる群から選択される、請求項記載のマーカーパネルの使用。
  10. 該マーカーパネルが少なくともAPEXおよびCYFRA21-1を含む請求項記載のマーカーパネルの使用。
  11. APEXおよび1種類以上の他の肺癌のマーカーを特異的に測定するのに必要とされる試薬を含む、請求項記載の方法を行なうためのキット。
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