JP5078258B2 - 電池用極板及びそれを用いた電池の製造方法 - Google Patents

電池用極板及びそれを用いた電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電池の製造方法、特に電池用極板の製造方法に関する。
電池の極板は、芯体に活物質を高密度及び広範囲な状態で充填する工程を経て形成されるが、充填された活物質は、電池を使用しているうちに脱離することがある。例えば、活物質は芯体とセパレータに挟まれているものの、その充填領域の外縁部では、端面が外方に露出しているので上記外縁部の活物質は芯体から脱離しやすい。また、極板の製造には、芯体に活物質を充填した後に所定の大きさに切断する工程を含む方法を採ることがあり、上記切断の影響により活物質の充填領域における切断面及びその近傍では、充填領域の中央部などと比較して芯体に対する接着力や活物質間の結合力が弱まり、然程大きな外力を受けていなくても、上記脱離が発生しやすくなる。これらの場合、活物質容量の低下に伴い電池容量が低下するとともに、脱離した活物質が正極板と負極板との間を橋渡しして短絡発生の危険性が生じる。
そこで上記端縁部の活物質が脱離しにくくするために、当該脱離が顕著な極板端縁部をテープで極板の一枚ずつについて被覆する方法(例えば、特許文献1)や、熱融着性樹脂で被覆する方法(例えば、特許文献2)、極板端縁部に樹脂の水溶液を塗布する方法(例えば、特許文献3)などが提案されている。
特開平3−159074号公報 特開平5−190200号公報 実開昭63−85869号公報
特許文献1の技術では、極板の切断を行った後、テープで極板端縁部を被覆しなければならない。また、特許文献2の技術でも、熱融着樹脂フィルムを貼り付ける必要がある。しかしながら、上記方法のように極板端縁部にテープ等を貼り着ける際、例えば当該テープ等が軽薄な形状であり少なくとも一方の主面に粘着性を有する場合、貼着工程の途中で不意に上記テープ等の粘着部分同士が接着するなどの事態が生じる恐れがある。当事態が生じると、製造効率が著しく劣化してしまう。また、特許文献3の技術のように水溶性の樹脂を用いる場合には乾燥に時間がかかり、製造工程上、改善の余地がある。
本発明は以上の課題に鑑みてなされており、良好に活物質を保持できる電池用極板を簡易かつ効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
そこで、本発明では上記課題の解消のために以下のような製造方法を採る。 芯体に活物質が充填されてなる極板素体において、樹脂が有機溶剤に溶解されてなる溶液であって、カーボンブラックを分散させた溶液を、前記極板素体における前記活物質の充填領域の外縁部に塗布する塗布工程を含むようにして電池用極板を製造する。なお、当該充填領域
は、主に電池製造工程において上記セパレータとの対向領域に相当する部分である。
更に、芯体に活物質が充填されてなる複数の極板素体を積層する積層工程と、樹脂が有機溶剤に溶解されてなる溶液であって、カーボンブラックを分散させた溶液を、積層された前記極板素体における前記活物質の充填領域の外縁部に塗布する塗布工程とを含むようにして電池用極板を製造する。
前記塗布工程の後、塗布された溶液を極板素体を積層した状態で乾燥させる乾燥工程を行う。
前記塗布工程で塗布する前記溶液の樹脂濃度を5質量%以上45質量%以下に設定する。そして、前記塗布工程では、前記溶液にさらにカーボンブラックを分散させたものを用いることもできる。
また、前記塗布工程では、染料又は顔料で着色された前記溶液を用いることが好ましい。
例えば、塗布工程にマーキングペン用インキを用いても構わない。
以上のような製造方法によって製造された電池用極板を、正極板又は負極板のうち少なくとも一方に用いて電池を製造する。
本発明に係る方法では、極板素体における活物質の充填領域外縁部に、樹脂が有機溶剤に溶解されてなる溶液を塗布するだけで、その溶液が各極板素体における上記外縁部の近傍にまで浸み込み、その溶液内の樹脂によって活物質の結合力、及び導電芯体に対する接着力が高められる。よって、本発明では、特許文献1及び2におけるテープやフィルムを用いる技術と同様に活物質の上記脱離を抑制できる。本発明ではさらに、上記塗布工程を行うだけで外縁部近傍において上記抑制効果を得ることができるので、上記テープ等の貼着工程を含む技術と比較して極板の製造が簡易化され、製造効率も向上する。また、本発明に係る上記塗布工程では、上記溶液を用いるので、水溶性樹脂を水に溶かした水溶液を塗布する場合に比べて、常温で即座に乾燥できるため、生産性を向上できる。以上より、本発明の製造方法によって、簡易、且つ効率的に電池の性能劣化の抑制及び電池内での短絡の防止等がなされた電池を実現できる。
特に、上記極板素体を複数枚積層させて上記塗布工程を行う方法を用いれば、一度に複数枚の極板素体における活物質の脱離抑制を図ることができるとともに、複雑な製造技術や設備を導入することなく生産性の更なる向上を実現できる。
また、上記溶液は上述のとおり、樹脂が有機溶剤に溶解されているので、そのまま乾燥しても極板同士は接着されにくい。よって、切断した極板を積層したままの状態で極板の保管や電池製造装置内でのストックを実施できる。すなわち、乾燥のために一旦積層した極板群を一枚ずつに分離し、乾燥させてから保管等のために再度積層する必要がなく、工程の効率化を図ることができる。
特に、上記溶液の樹脂濃度を上記範囲としているので、積層された極板素体同士が結着することもないので、電池製造時に電池製造装置内でストックから極板を一枚ずつ取り出すときに極板を分離させることが容易となるため好ましい。
更に、上記溶液にさらにカーボンブラック粒子を分散させて上記塗布工程を行うと、樹脂や有機溶剤は活物質の充填領域の内方側に浸透していくが、カーボンブラック粒子は外縁端部付近までしか浸透せずに留まって、カーボンブラック粒子の堆積層を形成するので、この堆積層が活物質の脱離抑制効果を高める。つまり、凝集力の優れたカーボンブラック粒子が活物質間に堆積され、堆積された当該粒子を樹脂が被覆した状態、もしくは当該粒子間に樹脂が浸透した状態で結着するために、活物質の脱離抑制効果がさらに増大する。特に、活物質にカドミウムが含まれる場合、上記効果によりカドミウムの離散を少なくできるので、クリーンな環境維持に要するコストも削減できる。また、上記カーボンブラック粒子は導電性を有するので当該粒子の介在により活物質間の導電性の向上効果も備える。

また、上記溶液に対して染料や顔料などを用いて着色したり、特に溶液として油性の染料や顔料を用いれば、上記塗布工程の視認性が向上するため好ましい。
以下、本実施形態に係る電池の製造方法について図を用いて説明する。
1.電池の製造方法
図1は本実施形態の製造方法に係る円筒型のニッケルカドミウム電池(以下、「電池」と記す。)100の概略製造工程図である。
正極1、負極2を図1(a)に示すように、ポリアミドなどからなるセパレータ3を介して対向させる。なお、上記負極板2の詳細に関しては後述する。
次に、図1(b)で示すように、上記対向状態の極板1,2とセパレータ3を捲回して渦巻状の電極体4を作製する。この捲回の際には、セパレータ3の一方の側部から正極板1のリード接続部(正極集電部)11aを露出させ、他方の側部からは負極板2のリード接続部(負極集電部)21aを露出させる。
図1(c)のように、上記電極体4の一端面に沿って負極集電部21aを負極集電板8に溶接固定し、他端面に沿って正極集電部11aを正極集電板7に溶接固定後、負極集電板8を外装缶5の底部に当接させて電極体4を有底筒状の外装缶5に収納する。そして、正極集電板7がリード部71(図中矢印方向に折り曲げる)を介して封口蓋61に当接するように、当該封口蓋61を備える封口体6で外装缶5の開口部を封口する。このとき、封口体6を、絶縁体からなるガスケット(不図示)が配された状態でかしめ加工する。こうして、負極板2と外装缶5とが電気的に接続し、正極板1と正極端子62とが電気的に接続する。なお、電極体4には外装缶5に収納後に水酸化カリウム水溶液等のアルカリ電解液の注液を行う。
2.極板形成
上記負極板2の形成について図2を用いて具体的に説明すると、当該負極板2の形成は、極板素体を作製する素体作製工程と、極板素体を積層する積層工程と、その積層体に溶液を塗布する塗布工程と、塗布された積層体を乾燥させる乾燥工程とを順次行う。なお、本実施形態では、負極板2のみに活物質の脱離防止処理を施し、正極板1には公知の製造方法を用いるので説明は省略する。
素体作製工程において、厚み約0.08mmの帯状のニッケルメッキ鋼板による導電芯体(パンチングメタル)211に、酸化カドミウム粉末80質量%及び金属カドミウム粉末20質量%からなる活物質粉末と、メチルセルロース溶液と、ナイロン繊維とを混練してなる活物質ペースト(以下、「負極活物質」と記す。)22を塗布し、圧延後、乾燥して、片側の主面に形成された負極活物質22の厚みを30μmにし(図2(a))、図2(b)のように、長手方向において、負極活物質22及び延伸している導電芯体211を一体的に切断する。これにより、所定の大きさに分割された複数枚の負極板素体20が形成される。
積層工程では、図2(c)に示すように、上記負極板素体20の一側面に設けられた負極集電部21aを全て揃え、他の端部200a、200b、200cも揃うようにして重ね合わせていく。そして、80枚の負極板素体20を同一状態で積層させてなる積層体200を形成する(図中では便宜上4枚の負極板素体20を記載)。
このようにしてなる積層体200に対して次のような溶液塗布工程を行う。
積層体200において、負極集電部21aが揃っている側面を除いた3つの側面200a、200b、200cに対して、キシレン樹脂(ニカノールHP−100(三菱ガス化学株式会社の登録商標))をキシレンに溶解させた溶液を塗布する(白抜き矢印A1、A2、A3の方向)。当該塗布の際には、上記溶液を染み込ませたフェルト301を備えた容器302を用い、フェルト301を上記3つの側面、少なくとも負極活物質22の充填領域において上記切断が施された外縁部を含むようにして接触させる。なお、上記溶液中のキシレン樹脂濃度は7.5質量%としている。
上記塗布を行うことで、それぞれの負極板素体20では、図3の積層体200の上側平面図に示すように、活物質22における端面からそれぞれL1、L2、W1までの範囲に溶液が浸透して、溶液浸透領域と浸透していない領域(溶液非塗布領域)とが形成される。
この溶液浸透領域は、負極活物質22の充填領域における外縁部に対して溶液塗布を行うと、図4に示すように毛管現象により溶液が負極活物質22同士の間隙を浸入して形成される。つまり、上記積層体200において、外方に露出している部分だけを塗布するだけで、負極活物質22の充填領域における外縁部及びその近傍にまで浸透領域を確保できる。
その後、乾燥工程において、積層体200を常温空間に静置し、所定時間(120分)その状態を保つ。これによって、含浸された溶液中のキシレンが揮発し、溶液浸透領域にキシレン樹脂が残る。仮に、ポリビニルアルコールのような水溶性樹脂を水に溶かした溶液が塗布されている場合には、溶液の乾燥に多くの時間を要するが、上記溶液のようにキシレンのような有機溶剤を用いれば短時間で、且つ常温で乾燥することができ、また、キシレン樹脂によって負極板2同士が粘着することもない。
そして分離工程では、積層体200を一枚ずつ分離させて80枚の負極板2とする。
以上のように、負極活物質22に上記溶液を塗布して浸透させて乾燥させることで、浸透領域に残存する樹脂によって負極活物質22間の結合力、及び導電芯体21に対する負極活物質22の接着性が高まる。それにより、負極活物質22の充填領域における外縁部及びその近傍は、その中央部と比較しても、結合力が大きく劣る状態にはならず、この負極板2を備えた電池100が外力を受けたり、又は充放電を繰り返して負極活物質22が膨潤しても、負極板2の端縁部から負極活物質22が脱離することを抑制できる。
なお、負極板2の短手方向における端縁部(負極集電部21aが設けられていない側)には極板の切断が施されていないが、電極体4を形成したときにこの端縁部は外方に露出した状態となり、外部からの衝撃により負極活物質22の充填領域の中央部と比較すると脱離しやすい。従って、上記溶液を塗布すれば、同様に負極活物質22の脱離抑制を図ることができるので好ましい。
本実施形態では、上記積層体200に対して上記塗布工程を行っているが、上記積層工程を省略し、一枚もしくは少数の枚数だけ重ねた負極板素体20に対して上記塗布工程を行っても、同様の上記脱離抑制効果を得ることができる。また、例えば、テープ等で負極活物質22の充填領域の外縁端部を被覆する場合には、当該被覆により負極活物質22が完全に外方と遮断されてしまい、被覆領域における負極活物質は発電反応に寄与できなくなるが、本実施形態のように、樹脂を負極活物質22間に浸透させて当該樹脂の接着力を利用する場合には、負極活物質22における外方への露出面積が上記テープ等を用いる場合よりも確保されるため、発電反応の劣化が抑制されるため好ましい。
さらに、溶解させる樹脂に関してもは、シレン樹脂に限らず、活物質の充填領域に浸透して活物質を結合するものであればよく、例えばポリ塩化ビニルなどを用いても構わない。有機溶剤としてはキシレンに限らず、アセトン、テトラヒドロフランなどを用いても良い。また、有機溶剤に樹脂及び着色剤が溶解されている油性マーキング用インキを用いることもできる。
さらに、導電性を有するカーボンブラック粒子を上記溶液に分散させてなる溶液を上記塗布工程に用いる。これは、図4(c)に示す(図4(b)の一点鎖線部に相当)ように、上記溶液に分散されている例えばアセチレンブラックなどのカーボンブラック粒子(以下、「CB粒子」と記す。)23が毛管現象を受けて活物質充填領域の外縁部付近に浸透して堆積することが主な要因と考えられる。つまり、堆積したCB粒子23は凝集力が高いため、密に堆積し易い。さらに上記塗布によって残存する樹脂、またはさらに塗布されて浸透する樹脂によって、上記CB粒子23が被覆され、上記CB粒子23間に浸透することで、堆積した上記CB粒子23は強固な被膜を形成すると考えられる。つまり、負極活物質22間が単に樹脂だけで接着されるよりも、上記凝集力の高いCB粒子23が堆積された状態で樹脂が負極活物質22間を充填するように接着するほうが、負極活物質22の固着力が強固になる。
3.確認実験
上述のような負極板2が有する効果を検証するため、以下に示す実験を行った。ただし、対象としたのは次の3種類の極板体である。
参考例1a)上記実施形態に係る製造方法によって作製された負極板2
(比較例1)上記実施形態に係る製造方法によって作製された負極板素体20の負極活物質22の充填領域の外縁部にキシレンのみを塗布してなる負極板2a
(比較例2)上記実施形態に係る製造方法によって作製された負極板素体20
参考例1b)上記参考例1aと異なり、キシレン樹脂濃度を5.0質量%として作製された負極板2b
(比較例3)上記参考例1aと異なり、キシレン樹脂濃度を2.5質量%として作製された負極板2c
上記比較例1及び参考例1b、比較例3の負極板2a、2b、2cに関しては、参考例1aとは塗布する溶液が異なるだけで、積層工程、乾燥工程、分離工程は参考例1aと同様にして形成している。また、塗布工程における塗布も同範囲に対して行っている。
(3−1)実験1
上記3種類の極板体に対して、上記実施形態の負極板2を5cmの高さから300回落下させることによって負極活物質22の脱離量を計測した。その結果は表1のとおりであり、表中の数値に関しては、比較例2(負極板素体20)における脱離量を1とした相対値で示している。
Figure 0005078258
表1から明らかなように、上記参考例1aにおける負極板2の場合は、比較例1及び比較例2の場合と比較して、負極活物質22の脱離量が大きく抑制されていることが分かる。そのため、キシレン樹脂などのような樹脂を負極活物質22に含浸させてなる負極板2は、その負極活物質22の保持力が向上する。そのため、当該負極板を用いて製造された電池100における電池性能の劣化が抑制される。特に、本実施形態では、負極板素体20の端面に上記塗布を行っただけで上記効果を得ることができるため、テープ等によって活物質の脱離防止を図る場合などと比較して、製造過程における煩雑性が解消されるため好ましい。
更に、本実施形態では、複数の負極板2が積層された積層体200に対して上記塗布工程を行っているため、一回の塗布工程で複数枚の負極板2に対して上記塗布を行い、負極活物質22の脱離抑制を得ることができる。従って、電池性能の劣化抑制がなされた複数枚の負極板2を簡易に製造でき、電池の大量生産の観点からも製造効率の向上に繋がるので好ましい。
また、参考例1bにおける負極板2bの場合にも、同様に負極活物質22の脱離量が大きく抑制されていることが分かるので好ましい。さらに、キシレン樹脂の濃度を小さくした比較例3における負極板2cの場合にも、負極活物質22の抑制が示されているが、参考例1a、1bと比較してその抑制量は小さい。そのため、少なくとも5質量%程度のキシレン樹脂濃度とすることが望ましい。
(3−2)実験2
次に、上記優位性を有する参考例1a、1bにおいて塗布される溶液中のキシレン樹脂濃度について検討する。本実験では、実験1とは異なる5種類のキシレン樹脂濃度の溶液を用いる。この溶液を積層体200に対して塗布し、極板素体を積層したまま乾燥した。この後極板素体同士が結着しているかどうか確認した。
本実験におけるキシレン樹脂の各濃度は20質量%、30質量%、40質量%、45質量%、50質量%、60質量%である。その結果を表2に示す。表2中には、積層体200を構成している負極板素体20同士の負極活物質22が結着していれば「有り」、結着してなければ「無し」と記し、それと共にその負極板素体20を一枚ずつ分離することを容易に行うことができれば「○」、容易でなければ「×」と記している。ただし、本実験における上記実施例との相違点は、溶液中のキシレン樹脂の濃度のみである。また、各濃度において負極活物質22の脱離量に変化はみられない。
Figure 0005078258
表2から分かるように、キシレン樹脂濃度が20〜45質量%の範囲では負極板同士に結着はみられなかった。しかし、その濃度は50質量%以上では負極板同士に結着がみられ、作業性が低下することになった。これは、キシレン樹脂濃度が所定値よりも大きくなると、キシレン樹脂が負極活物質22に含浸しないで表面に残存する現象等が発生するためと思われる。このような場合、多くの負極板2を製造することを主要な目的とする工程を経ているにも関わらず、一枚ずつの負極板2への分離を容易に行うことができなくなり、電池100の製造効率の低下にも繋がってしまう。従って、複数の負極板2を容易に製造する製造効率向上の観点から、溶液中の樹脂濃度は45質量%以下が望ましいと考えられる。
さらに、上記実験1において、樹脂濃度が5.0質量%においても同様の効果を得ることができている点、及び本実験において20〜45質量%へと濃度を上昇させても同様の
効果を得ることができている点を勘案して、上記効果に関しては、キシレン樹脂濃度が5.0〜45.0質量%の範囲においても得ることができると思われる。
以上の効果は、上述のとおり負極板20の積層体200の側面部に溶液を塗布することで簡易に得られる。特に、上記効果を得るために、上記溶液にカーボンブラックのような染料や顔料などを溶解させて着色し、塗布工程の視認性を向上させて上記塗布の確実に実施することが望ましく、塗布の欠如などによる負極板2の作製歩留の低下を防ぐことができる。
(3−3)実験3
そこで、上記キシレン樹脂溶液に、さらに導電性粒子のカーボンブラックを分散させた溶液を塗布した負極板に対して上記実験1と同様の実験を行い、その効果について検討した。結果は表3のとおりである。なお、表3中に比較対象として上記参考例1a、比較例2の負極板を併記している。また、本実験で用いた負極板は以下のとおりである。
(実施例)キシレン樹脂7.5質量%をキシレンに溶解させ、さらに、電気化学工業株式会社製のアセチレンブラック(製品名デンカブラック粒状)5.0質量%を分散させた溶液を使用した以外は参考例1aと同様にして作製された負極板202
Figure 0005078258
表3から分かるように、比較例2、参考例1aに対して実施例では負極板202からの脱離量が抑制されている。これは、キシレン樹脂溶液にアセチレンブラックを分散させることにより、負極活物質22の脱離が特に大きく抑制されていることを裏付けている。
しかも、単に負極板202からの脱離量自体が抑制されるだけでなく、負極活物質22の脱離が大きく抑制されているので、電池製造工程における負極活物質22に含まれるカドミウムの離散を少なくすることができ、クリーンな環境を維持するためのコストを削減できる。
また、上記アセチレンブラック粒子23は、既知のとおり、導電性粒子であるため、樹脂のみで負極活物質22を接着する場合と比較して、上記粒子23が含まれているほうが負極板2における導電性能も向上するため好ましい。
なお、上記効果は、アセチレンブラック粒子だけでなく、凝集力が高く、導電性を有するようなケッチェンブラックなどのようなカーボンブラックであれば同様に適用可能である。
(3−4)実験4
上記キシレン樹脂溶液の代わりに、市販のマーキングペン用インキを用いて上記実験1及び実験2と同様の実験を行い、その効果について検討した。その種類は次のとおりである。なお、本実験において、実験1との相違点は塗布する溶液のみであり、それ以外は同様の製造工程を行っている。
参考例2)寺西化学工業株式会社製の黒インキ(製品名マジックインキ)を塗布してなる負極板203
参考例3)寺西化学工業株式会社製の赤インキ(製品名マジックインキ)を塗布してなる負極板204
参考例4)寺西化学工業株式会社製の空色インキ(製品名マジックインキ)を塗布してなる負極板205
参考例5)株式会社サクラクレパス製の赤インキ(製品名サクラマーカー)を塗布してなる負極板206
(比較例2)上記実験1に係る比較例2と同じ負極板素体20
これらの各種類に対する実験結果を表3に示す。
Figure 0005078258
表4から分かるように、負極板素体20に対して、それぞれの参考例2〜5における負極板203、204、205、206は、その負極活物質の脱離量が抑制されており、分離工程における積層体から一枚ずつへの分離の作業性も容易であると判断される。これらインキの組成は明らかではないが、一般にマーキングペン用インキには色素定着用に樹脂を混入していることから、その樹脂により負極活物質の脱離が抑制されたものであると考えられる。
4.その他の事項
上記実施形態では負極板2のみに溶液を塗布しているが、正極板1に同様に塗布工程を施しても構わないし、正及び負の両極板に塗布工程を施しても構わない。
また、上記実施形態では、積層工程において負極板素体20の端縁部を揃えた状態で積層しているが、それぞれの端縁部を若干ずらして階段状に積層し、負極活物質22の充填領域に対して上記実施形態よりも広い領域に溶液の塗布を行う方法を採っても構わない。
また、樹脂溶液を正負極あるいは製造される極板の仕様ごとに色を変えて着色しておけば、例えば外形状が同じで厚みのみが異なる極板同士の区別が容易となり、後工程での混入を防止することができる。
上記実施形態では円筒型の電池100について記載しているが、それ以外の形状、例えば極板1、2が積層されてなる電極体を備えた電池にも適用可能である。
本発明は、活物質が充填された極板を有する電池において有用であり、小型化された電池だけではなく、車載用やさらに大きな電力機器用の電力源にも適用できる。
本発明に係る電池の概略製造工程図である。 本発明に係る負極板の製造工程図である。 本発明に係る負極板の平面模式図である。 本発明に係る塗布工程の要部概略図である。
符号の説明
1 正極板
2 負極板
3 セパレータ
4 電極体
5 外装缶
6 封口体
20 負極板素体
21 導電基板
21a 負極板タブ
22 負極板活物質
100 ニッケルカドミウム電池

Claims (4)

  1. 芯体に活物質が充填されてなる極板素体に対して、樹脂が有機溶剤に溶解されてなる溶液であって、カーボンブラックを分散させた溶液を、前記活物質の充填領域の外縁部に塗布する塗布工程を含む電池用極板の製造方法であって、
    前記塗布工程を、積層された複数の前記極板素体に対して実行し、
    前記塗布工程の後、塗布された溶液を極板素体を積層した状態で乾燥させる乾燥工程を行い、
    前記塗布工程で塗布する前記溶液の樹脂濃度を5質量%以上45質量%以下に設定することを特徴とする電池用極板の製造方法。
  2. 前記塗布工程では、染料又は顔料で着色された前記溶液を用いることを特徴とする請求項1に記載の電池用極板の製造方法。
  3. 前記塗布工程は、マーキング用インキを、積層された前記極板素体における前記活物質の充填領域の外縁部に塗布することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の電池用極板の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の製造方法によって製造された電池用極板を、正極板又は負極板のうち少なくとも一方に用いることを特徴とする電池の製造方法。
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